説明

ターンテーブル及びターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法

【課題】 ターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムにおいて遮断された電源を再投入する際に、効率的に被搬送物の搬送を再開する。
【解決手段】 ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4とドグ5とからなる回転位置検出機構2により回転テーブル6の回転位置を検出して、フォトセンサ26によりローラ支持フレーム42上のキャリア23の存在を確認する(S1、2)。ローラ支持フレーム42上にキャリア23が存在する場合は、フォトセンサ26でキャリア23が所定の停止位置にあるか確認する(S3、4)。キャリア23が所定の停止位置に無い場合はキャリアを撤去してする(S4、5)。次に、回転テーブル6が所定の停止位置にあるか確認し(S6)、所定の停止位置に無い場合は回転テーブル6を正常位置にした後(S7)、回転テーブル6を目標位置に回転し、搬送システム1の電源を再投入する(S8、9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のローラが所定間隔で配設されて被搬送物を搬送するローラコンベアの接続部に設けられて被搬送物の搬送方向を変更するターンテーブル及びターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造、液晶製造、FAなどの製造プロセスにおいて、製造過程の品物(例えば、半導体製品製造施設の場合、半導体基板や液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の処理対象物)の収納されるキャリア等の被搬送物を、プロセスに従い、製造装置やストッカや簡易バッファ装置等の保管手段の間で搬送する搬送手段として、ローラコンベア、OHT(Over head Hoist Transport)、OHS(Over Head Shuttle)を用いた搬送システムが用いられている。
【0003】
ローラコンベアを用いた搬送システムでは、ローラコンベアのコーナ部等の接続部において、被搬送物の搬送方向を変更させるためにターンテーブル等の回転機構が備えられている。回転機構を含むローラコンベアによる搬送システムの一例が、特許文献1に記載されている。そして、被搬送物の搬送において、移載ロボットによる移載ミスがなく、確実な移載動作を安定的に実行するため、ローラコンベアポート上に静置させる被搬送物の停止位置の精度が重要になっている。
【0004】
ここで、回転機構を含むローラコンベアによる搬送システムの従来技術について、図12及び図13に基づいて説明する。図12は、従来技術に係るターンテーブルを示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。図13は、従来技術に係るローラコンベアの駆動ローラを示す模式図である。
【0005】
図12に示すように、ターンテーブル15は、ローラ支持フレーム42の底裏面にローラ支持フレーム42を回転させるためのテーブル回転駆動機構50が一体結合される。ここで、ターンテーブル15のテーブル回転駆動機構50についてより詳細に説明する。テーブル回転駆動機構50は、駆動モータ51、回転軸52、スプロケット53、タイミングベルト54、軸受55、モータ軸56、支持部材57、スプロケット58、支持部材60により構成される。ローラ支持フレーム42は、回転軸52に取付部材57により固定され、回転軸52は下部において軸受55により支持部材60に回転自由に軸止めされる。軸受55に軸止めされたスプロケット(歯付プーリ)53はタイミングベルト54により支持部材60に固定された駆動モータ51のモータ軸56に軸止めされたスプロケット58と連結される。尚、駆動モータ51はパルスモータであり、支持部材60上に載置される。そして、回転軸52は、スプロケット53、タイミングベルト54、スプロケット58を介し、駆動モータ51の回転により回転させられる。
【0006】
キャリア(被搬送物)23は、ローラ支持フレーム42に備えられた複数の駆動ローラ30と複数の従動ローラ29上に載置される。ここで、駆動ローラ30及び従動ローラ29の駆動機構について説明する。まず、図12及び図13に基づいて駆動ローラ30による駆動機構について説明する。ローラ支持フレーム42は、所定間隔で複数個(図12及び図13の例では5個)の駆動ローラ30を備えている。尚、駆動ローラ30の数はローラ支持フレーム42の長さなどに合わせて変更されてよい。この駆動ローラ30は、荷受け部32とツバ31がローラ軸45に一体に挿入されている。ここで、荷受け部32は、キャリア23の底面を支持し、後述するスプロケット(歯付プーリ)33に伴い回転することによりキャリア23を搬送するものである。そのため、荷受け部32の表面は、キャリア23の搬送における振動等の衝撃を緩和し、高摩擦係数により滑り防止の役割を担うため、ウレタンゴム等で被覆される。また、ツバ31は、荷受け部32よりも大きい径で形成され、キャリア23の側面部に当接することにより、左右方向の位置を規制する。そして、5個の駆動ローラ30に挿入されているローラ軸45は、等間隔配置でローラ支持フレーム42に回転自在に軸止めされる。また、5個の駆動ローラ30に挿入されているローラ軸45の先端部には、それぞれスプロケット33が軸止めされている。5個のスプロケット33にはそれぞれタイミングベルト34が巻き掛けられており、同じくタイミングベルト34に巻き掛けられたスプロケット(歯付プーリ)44の駆動軸36に取り付けられた駆動モータ43が回転駆動することにより、スプロケット33が回転駆動される。尚、タイミングベルト34には、タイミングベルト34に張力を与えるために、タイミングベルト34の歯のない面に当接してテンションローラ35が設けられている。駆動ローラ30のローラ駆動機構は、以上のスプロケット33、スプロケット44、テンションローラ35をタイミングベルト34に係合してループを形成している。
【0007】
一方、従動ローラ29のローラ駆動機構は、上述した駆動ローラ30のローラ駆動機構から駆動に係る機能を除き、簡略化された構成をとる。即ち、図12に示すように、ローラ支持フレーム42は、所定間隔で複数個(図12の例では5個)の従動ローラ29を備えている。尚、従動ローラ29の数はローラ支持フレーム42の長さなどに合わせて変更されてよい。そして、この従動ローラ29は、荷受け部32とツバ31がローラ軸45に一体に挿入されている。ここで、荷受け部32は、キャリア23の底面を支持し、回転することによりキャリア23を搬送するものである。そのため、荷受け部32の表面は、キャリア23の搬送における振動等の衝撃を緩和し、高摩擦係数により滑り防止の役割を担うため、ウレタンゴム等で被覆される。また、ツバ31は、荷受け部32よりも大きい径で形成され、キャリア23の側面部に当接することにより、左右方向の位置を規制する。そして、5個の従動ローラ29に挿入されているローラ軸45は、等間隔配置でローラ支持フレーム42に回転自在に軸止めされる。尚、従動ローラ29のローラ駆動機構は、駆動に係る機能を不要なため、スプロケット(歯付プーリ)、テンションローラ、タイミングベルトが設けられていない。
【0008】
そして、図12に示すように、ターンテーブル15(即ち、ローラ支持フレーム42)上のキャリア23の有無は、フォトセンサ支持部材27によりローラ支持フレーム42に固定されたフォトセンサ(被搬送物検出手段)26により検出される。即ち、フォトセンサ26は2箇所に設けられ、2箇所のフォトセンサ26が同時に検出状態にあるとき、キャリア23がターンテーブル15上の正規の位置に載置されていると判断される。ターンテーブル15上にキャリア23が進入する場合や搬出される場合は、2箇所のフォトセンサ26のうちいずれか一方が検出状態となる。
【0009】
また、キャリア23は、開閉用扉24を有し、ターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムによる搬送では、常に開閉用扉24の向きを搬送方向に一致させた姿勢で搬送される。そして、環状軌道のコーナ部や分岐・合流部には、必ずターンテーブル15が配置され、キャリア23は、90度回転による搬送姿勢の修正が行われる。
【0010】
【特許文献1】特表2003−506289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、ターンテーブル及びターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムにおいて、停電等により電源が突然遮断された際、キャリアがターンテーブルとローラコンベア上にまたがって残留してしまう可能性がある。この状態の例を図14に示す。図14は、従来技術のターンテーブル及びターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの軌道及び軌道上のキャリアの一例を示す図である。尚、図14において、環状に設けられたローラコンベア11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11hの分岐、合流部にターンテーブル15a、15b、15c、15d、15e、15fが備えられている。そして、これらローラコンベア11a〜11f及びターンテーブル15a〜15f上を3つのキャリア23a、23b、23cが搬送されている。また、図14では、キャリア23aがローラコンベア11a及びターンテーブル15a上に、キャリア23bがローラコンベア11eとターンテーブル15b上に、キャリア23cが、ローラコンベア11hとターンテーブル15c上にまたがり残された状態で搬送システムの電源が遮断された場合を示している。
【0012】
通常、遮断された電源を再投入させる時、ターンテーブル15a〜15fは自己の回転位置を確認するため原点復帰動作を行う。しかしながら、図14の例では、ターンテーブル15a、15b、15cにおいて、キャリア23a、23b、23cがローラコンベアとまたがって残っているため、ターンテーブルの回転動作が不可能であり、無理にターンテーブルの回転動作を実行させると、キャリア、ターンテーブル、ローラコンベアが破損する可能性がある。従って、遮断された電源を再投入するにあたっては、必ず、人が全てのターンテーブルに対してターンテーブル上にキャリアが残留していないかを確認し、ターンテーブル上にキャリアが残留している場合はこれを人力で撤去してから電源を再投入する必要があり、労力を要していた。
【0013】
そこで、本発明は、ターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムにおいて遮断された電源を再投入する際に、効率的に被搬送物の搬送を再開することができるターンテーブル及びターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0014】
本発明に係るターンテーブルは、複数のローラが所定間隔で配設されて被搬送物を搬送するローラコンベアの接続部に設けられて被搬送物の搬送方向を変更するターンテーブルであって、複数のローラが所定間隔で配設されて前記被搬送物を載置して搬送するローラ支持フレームと、前記ローラ支持フレームの底部を支持するテーブルと、前記テーブルを正逆回転自在に駆動するテーブル回転駆動機構と、前記テーブルの回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記ローラ支持フレーム上に存在する前記被搬送物の有無を検出する被搬送物検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
これにより、回転位置検出手段によりテーブルの回転位置を検出して、被搬送物検出手段によりローラ支持フレーム(即ち、ターンテーブル)上の被搬送物の存在を確認することにより、ターンテーブル上に被搬送物が存在する場合には正常な位置であるかを確認し、ターンテーブル上に被搬送物が存在しない場合は正常な位置になるように必要に応じてテーブル回転駆動機構によりテーブルを回転させてから搬送システムの電源を再投入することにより、効率的に被搬送物の搬送を再開することができる。
【0016】
ここで、本発明に係るターンテーブルは、前記テーブル回転駆動機構を収容し、側面部の上端が前記テーブルの円周に対向するように配置される固定フレームを更に備え、前記回転位置検出手段が、前記テーブルの円周に沿って、前記テーブルの1/4周長よりも僅かに長く又は前記テーブルの半周長よりも僅かに短く又は前記テーブルの半周長よりも僅かに長く設置されたドグと、前記テーブルの回転中心角を4等分する各分割線の延長線と前記テーブルの円周とが交差する位置に対向する前記固定フレームの上端面に設置された4つのドグ検出手段と、前記ドグ検出センサのいずれか1つと前記テーブルの円周方向に所定の距離を隔てた位置に対向する前記固定フレームの上端面に設置された1つの補助ドグ検出手段と、により構成されて、前記ドグを検出した前記ドグ検出手段及び/又は前記補助ドグ検出手段の組み合わせにより前記テーブルの回転位置を検出して良い。
【0017】
これにより、テーブルの内角を4等分する−90°、0°、+90°、+180°の位置に対向する固定フレーム上にドグ検出手段を配置し、テーブルの円周に沿って、テーブルの1/4周長よりも僅かに長く又はテーブルの半周長よりも僅かに短く又はテーブルの半周長よりも僅かに長いドグを配置することにより、4つのドグ検出手段の検出状態の組み合わせから、ターンテーブルの回転位置を精度良く検出することができる。また、中途半端な回転位置で停止しており4つのドグ検出手段の検出状態の組み合わせが等しい場合であっても、補助ドグ検出手段を用いることにより、どちらの方向が原点(0°の位置)方向かを判別することができる。また、テーブルの内角を4等分する−90°、0°、+90°、+180°の位置を検出するようにドグ検出手段が配置されているので、被搬送物の搬送方向を−90°、0°、+90°、+180°の任意の4方向へ変更可能であり、方向変換後に、ローラコンベアを駆動させてターンテーブルより効率的に被搬送物を搬出することができる。更に、正常位置からのわずかなずれの検出が可能であるため、テーブル回転駆動機構の制御が容易であり、テーブル回転駆動機構の駆動モータとして位置フィードバックが不要な安価なモータ(パルスモータなど)を使用することができる。
【0018】
尚、前記ドグ検出手段及び前記補助ドグ検出手段が、一対の発光部と受光部とからなるフォトセンサで構成され、前記ドグが、前記ドグ検出手段及び前記補助ドグ検出手段の前記発光部と前記受光部の間で、前記発光部と前記受光部から所定の間隔を設けて前記固定フレームの上端面に設置されて良い。
【0019】
これにより、ドグ検出手段及び補助ドグ検出手段において、フォトセンサの発光部から発光する光が受光部で受光できない場合にドグを検出することができる。
【0020】
本発明に係るターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法は、複数のローラが所定間隔で配設されて被搬送物を搬送するローラコンベアの接続部に被搬送物の搬送方向を変更する請求項1〜3のいずれか一項に記載のターンテーブルを備えて、ローラコンベア上で被搬送物を搬送するターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法であって、前記被搬送物の搬送途中で前記搬送システムの電源が遮断された後に電源を再投入する際に、前記回転位置検出手段で前記テーブルの回転位置を検出する回転位置検出ステップと、前記被搬送物検出手段で前記ローラ支持フレーム上の前記被搬送物の有無を判定する被搬送物検出ステップと、前記被搬送物検出ステップで前記ローラ支持フレーム上に前記被搬送物が有ると判定された場合に、前記被搬送物検出手段で前記被搬送物の位置が所定の停止位置にあることを確認する被搬送物停止位置確認ステップと、前記回転位置検出ステップで検出した前記テーブルの回転位置が所定の停止位置にあることを確認するテーブル停止位置確認ステップと、前記テーブルの回転位置が所定の目標位置になるように前記テーブル回転駆動機構を駆動するテーブル回転駆動ステップと、を備えることを特徴とする。
【0021】
これにより、回転位置検出手段によりテーブルの回転位置を検出して、被搬送物検出手段によりローラ支持フレーム(即ち、ターンテーブル)上の被搬送物の存在を確認し、ターンテーブル上に被搬送物が存在し、被搬送物がターンテーブル上の所定の停止位置にあるか確認することにより、被搬送物がターンテーブルとローラコンベアにまたがって存在しているかが判断され、必要に応じて被搬送物の人力による強制撤去を行うことで被搬送物、ターンテーブル、ローラコンベアの破損を防止することができる。そして、回転位置検出手段で検出したテーブルの回転位置が正常な位置である所定の停止位置(回転位置検出手段で回転位置が確認できる位置。例えば、回転位置検出手段が設置されているテーブルの内角を4等分する−90°、0°、+90°、+180°の位置。)にあるか確認することにより、テーブルが確定できる所定の停止位置にあるかが判断され、必要に応じてテーブル回転駆動機構によりテーブルの回転位置が所定の停止位置にした後、テーブルの回転位置を所定の目標位置となるようにテーブル回転駆動機構によりテーブルを回転させて、搬送システムの電源を再投入する。以上により、ローラコンベアを用いた搬送システムにおいて遮断された電源を再投入する際に、効率的に被搬送物の搬送を再開することができる。
【0022】
ここで、本発明に係るターンテーブルを用いた搬送制御方法は、前記テーブル停止位置確認ステップが、前記回転位置検出手段で検出した前記テーブルの回転位置が所定の停止位置でない場合、前記テーブルが確定できる所定の停止位置になるように前記テーブル回転駆動機構を駆動して良い。
【0023】
これにより、回転位置検出手段で検出したテーブルの回転位置が所定の停止位置でない場合は、確定できる所定の停止位置になるように回転させることにより、テーブルの回転位置が確定でき、テーブルの回転位置が所定の目標位置になるようにテーブル回転駆動機構を駆動することが可能になる。
【0024】
ここで、本発明に係るターンテーブルを用いた搬送制御方法は、前記被搬送物停止位置確認ステップが、前記被搬送物検出手段で確認した前記被搬送物の位置が所定の停止位置でない場合、前記被搬送物を撤去して良い。
【0025】
これにより、被搬送物検出手段で確認した被搬送物の位置が所定の停止位置でない場合は、被搬送物がターンテーブルとローラコンベアにまたがって存在していると判断され、必要に応じて被搬送物の人力による強制撤去を行うことで被搬送物、ターンテーブル、ローラコンベアの破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るターンテーブル及びターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法を実施するための最良の形態について具体的な一例に即して説明する。
【0027】
まず、本実施形態に係るターンテーブルが接続部に設けられるローラコンベアを用いた搬送システムについて、図1に基づいて以下に説明する。図1は、本実施形態に係るターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムを示す上面模式図である。
【0028】
図1に示すように、搬送システム1は、中央に1つの環状の工程間ローラコンベア軌道10と、工程間ローラコンベア軌道10の周囲に4つの環状の工程内ローラコンベア軌道11とを有している。工程間ローラコンベア軌道10と工程内ローラコンベア軌道11は、2つの軌道間ポート20、20で結ばれる。また、2つの軌道間ポート20、20には、それぞれ対応する工程内ローラコンベア軌道11上にターンテーブル15c、15dが、工程間ローラコンベア軌道10上にターンテーブル15f、15gが設けられ、輸送されるキャリア23の方向変更が行われる。また、工程間ローラコンベア軌道10の四隅には4つのターンテーブル15hが設けられ、キャリア23はこのターンテーブル15h上で90度方向転換されて、環状の工程間ローラコンベア軌道10上を周回輸送される。同様に、工程内ローラコンベア軌道11の四隅には4つのターンテーブル15eが設けられ、キャリア23はこのターンテーブル15e上で90度方向転換されて、環状の工程内ローラコンベア軌道11上を周回輸送される。また、キャリア23の半導体製造装置12への搬入の際は、ターンテーブル15aによりキャリア23の方向変更が行われた後、搬入ポート13を介して実施される。そして、半導体製造装置12からキャリア23の搬出は、搬出ポート14を介して実施され、ターンテーブル15bによりキャリア23の方向変更が行われる。尚、図1において、1つの工程内ローラコンベア軌道11のみに符号を付しているが、他の3つの工程内ローラコンベア軌道11の構成も同じである。
【0029】
次に、本実施形態に係るターンテーブルについて、図2及び図3に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係るターンテーブルの一部断面側面図である。図3は、回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図に、駆動モータを加えた説明図である。尚、上述した図12及び図13に示す従来技術に係るターンテーブルと同じ部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係るターンテーブル15は、図12及び図13に示す従来技術に係るターンテーブル15と比較して、回転テーブル(テーブル)6と、支持フレーム(固定フレーム)59と、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4とドグ5とからなる回転位置検出手段と、を備えていることを特徴とする。
【0030】
図2に示すように、ターンテーブル15は、ローラ支持フレーム42の底面には、円盤状の平板である回転テーブル6が固定設置される。そして、回転テーブル6のローラ支持フレーム42との設置面の反対側の面には、回転テーブル6及びローラ支持フレーム42を回転させるための回転機構(テーブル回転駆動機構)50が一体結合される。ここで、テーブル回転駆動機構50についてより詳細に説明する。テーブル回転駆動機構50は、駆動モータ51、回転軸52、スプロケット53、タイミングベルト54、軸受55、モータ軸56、支持部材57、スプロケット58、支持フレーム59により構成される。ローラ支持フレーム42及び回転テーブル6は、回転軸52に取付部材57により固定され、回転軸52は下部において軸受55により支持フレーム59に回転自由に軸止めされる。ここで、支持フレーム59は、側面断面が略U字型、上面断面が略円環状の形状で形成される。回転軸52に軸止めされたスプロケット(歯付プーリ)53はタイミングベルト54により支持フレーム59に固定された駆動モータ51のモータ軸56に軸止めされたスプロケット58と連結される。駆動モータ51は、支持フレーム59上に載置される。尚、後述するように、回転位置検出手段は正常位置からのわずかなずれの検出が可能であるため、テーブル回転駆動機構50の制御が容易であり、テーブル回転駆動機構50の駆動モータ51は、位置フィードバックが不要な安価なモータであるパルスモータ等を使用することができる。そして、回転軸52は、スプロケット53、タイミングベルト54、スプロケット58を介し、駆動モータ51の回転により回転させられる。
【0031】
次に、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4とドグ5とからなる回転テーブル6の回転位置を検出するための回転位置検出機構(回転位置検出手段)2について詳細に説明する。回転テーブル6のローラ支持フレーム42との設置面の反対側の面には、回転テーブル6の回転位置を認識するためのドグ5が、回転テーブル6の外周に沿って湾曲されて設置される。ドグ5の長さは、回転テーブル6の半周長よりも僅かに短く形成される。また、ドグ5は、その中心がローラ支持フレーム42の正面方向に向くように回転テーブル6に設置される。そして、ローラ支持フレーム42は、回転軸52に取付部材57により固定され、回転軸52は下部において軸受55により支持フレーム59に回転自由に軸止めされる。駆動モータ51は支持フレーム59上に載置される。
【0032】
また、ローラ支持フレーム42と対向する支持フレーム59の上面円周縁部には、4つのドグ検出センサ3(図3に示すドグ検出センサ3a、3b、3c、3d)、1つの補助ドグ検出センサ4が設けられる。
【0033】
ここで、4つのドグ検出センサ3は、発光素子3−1と受光素子3−2で構成されるフォトセンサであり、発光素子3−1と受光素子3−2とでドグ5を挟んで固定設置される。そして、発光素子3−1から発光する光を受光素子3−2で受光できる場合にドグ5を検出せず、発光素子3−1から発光する光を受光素子3−2で受光できない場合にドグ5を検出する。図3に示すように、4つのドグ検出センサ3a、3b、3c、3dは、回転テーブル6の回転中心である回転軸52を中心として、中心角を4等分する各分割線の延長線上の支持フレーム59の上面円周縁部に配置される。より詳細には、ドグ検出センサ3aは、キャリア23が搬入されてくるローラコンベア10,11の正面方向に向く0°位置の支持フレーム59の上面円周縁部に配置される。ドグ検出センサ3bは、ドグ検出センサ3aより時計回りに90°離れた−90°位置の支持フレーム59の上面円周縁部に配置される。ドグ検出センサ3dは、ドグ検出センサ3aより反時計回りに90°離れた+90°位置の支持フレーム59の上面円周縁部に配置される。ドグ検出センサ3cは、ドグ検出センサ3aより反時計回りに+180°離れた+180°位置の支持フレーム59の上面円周縁部に配置される。
【0034】
補助ドグ検出センサ4は、発光素子と受光素子で構成されるフォトセンサであり、発光素子と受光素子とでドグ5を挟んで固定設置される。そして、発光素子から発光する光を受光素子で受光できる場合にドグ5を検出せず、発光素子から発光する光を受光素子で受光できない場合にドグ5を検出する。また、図3に示すように、補助ドグ検出センサ4は、ドグ検出センサ3aより時計回り方向に中心角θだけ離れて支持フレーム59の上面円周縁部に配置される。
【0035】
以上のドグ検出センサ3a、3b、3c、3dと補助ドグセンサ4の合計5個のフォトセンサで、ドグ5が検出される。尚、本実施形態において、ドグ検出センサ3aは0°位置センサ、ドグ検出センサ3bは−90°位置センサ、ドグ検出センサ3cは+180°位置センサ、ドグ検出センサ3dは+90°位置センサ、補助ドグ検出センサ4はオーバ位置判別センサと呼ぶ。
【0036】
ここで、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4とドグ5とからなる回転位置検出機構2による回転テーブル6の回転位置の検出方法について、図4及び図5に基づいて、以下に詳細に説明する。図4は、回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図であり、(A)はドグの中心位置が0°の状態を示し、(B)はドグの中心位置が−90°の状態を示し、(C)はドグの中心位置が+90°の状態を示している。図5は、回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図であり、(A)はドグの中心位置が+180°オーバ位置の状態を示し、(B)はドグの中心位置が−90°オーバ位置の状態を示している。
【0037】
ドグ5の位置はドグ5の中心位置で判断され、例えば、図4(A)ではドグ5の中心位置は0°の位置にありドグ5は0°位置にあると言い、図4(B)ではドグ5の中心位置は−90°の位置にありドグ5は−90°位置にあると言い、図4(C)ではドグ5の中心位置は+90°の位置にありドグ5は+90°位置にあると言う。回転テーブル6の正常位置である所定の停止位置は、ドグ5の中心位置が0°、+90°、+180°、−90°の4箇所に限定される。そして、ドグ5の長さが回転テーブル6の半周長よりも僅かに短く形成されるため、ドグ5の中心位置が0°、+90°、+180°、−90°の4箇所にある場合、それぞれ、ドグ検出センサ3a、3d、3c、3bのみがドグ5を検出する。そして、ドグ5の中心位置が0°、+90°、+180°、−90°の4箇所の停止位置からわずかでもずれると、ずれ方向に位置するドグ検出センサ3がずれを検出して同時に2つのドグ検出センサ3がドグ5を検出して、ドグ5の中心位置が0°、+90°、+180°、−90°の4箇所の停止位置にないと判別する。また、回転テーブル6の回転には2方向あり、時計回り方向をCW方向、反時計回り方向をCCW方向と呼ぶことにする。図4(A)に示すようにドグ5が0°位置が回転の原点となり、図4(B)に示すようにドグ5が−90°位置になるように位置合せする場合は原点からCW方向に回転テーブル6を回転し、図4(C)に示すようにドグ5が+90°位置または+180°位置になるように位置合せする場合は原点からCCW方向に回転テーブル6を回転する。
【0038】
また、ドグ5が図5(A)に示すように回転テーブル6をCCW方向に回転させて+180°オーバ位置にある場合と、ドグ5が図5(B)に示すように回転テーブル6をCW方向に回転させて−90°オーバ位置にある場合とを比較する。図5(A)及び図5(B)の双方とも、ドグ検出センサ3b及びドグ検出センサ3cがドグ5を検出するため、いずれの状態かを判別することができず、回転テーブル6を原点復帰させる場合に回転テーブル6を逆方向に回転させるが、回転テーブル6をCW方向(図5(A)の場合)、CCW方向(図5(B)の場合)のいずれに回転させるべきか判別することができない。補助ドグ検出センサ4は、図5(A)に示す+180°オーバ位置及び図5(B)に示す−90°オーバ位置の2つの状態を区別するために設けられている。即ち、図5(A)に示すように+180°オーバ位置では補助ドグ検出センサ4はドグ5を検出しないが、図5(B)に示すように−90°オーバ位置では補助ドグ検出センサ4はドグ5を検出する。これにより、図5(A)に示す+180°オーバ位置及び図5(B)に示す−90°オーバ位置の2つの状態を区別することができる。
【0039】
以上により、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4とドグ5とからなる回転位置検出手段による回転テーブル6の回転位置は、ドグ5の位置と、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の出力状態の関係から検出される。即ち、ドグ5の位置と、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の出力状態の関係は、以下の表1に示す9種類のみである。そして、回転テーブル6の回転位置は、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の出力に基づき、表1に基づいて検出される。尚、表1において、○印はセンサが検出状態にあることを意味し、×印はセンサが検出状態にないことを意味する。
【0040】
【表1】

【0041】
次に、上述した本実施形態に係るターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法の処理の手順について図6に基づいて説明する。図6は、本実施形態に係るターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法の処理の手順を示すフローチャートである。
【0042】
まず、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4とドグ5とからなる回転位置検出機構2により、回転テーブル6の回転位置の検出する(ステップS1:回転位置検出ステップ)。ここで、回転テーブル6の回転位置は、上述したドグ5の位置とドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の出力の関係を示す表1に基づいて検出される。
【0043】
次に、2箇所のフォトセンサ(被搬送物検出手段)26によりローラ支持フレーム42(即ち、ターンテーブル15)上のキャリア23の有無を検出する(ステップS2:被搬送物検出ステップ)。そして、2箇所のフォトセンサ26によりローラ支持フレーム42上のキャリア23の有無が確認される(ステップS3:被搬送物検出ステップ)。ここで、2箇所のフォトセンサ26のいずれか一方または双方が検出状態にあるとき、キャリア23がローラ支持フレーム42上に有ると判断され、2箇所のフォトセンサ26の双方が検出状態にないとき、キャリア23がローラ支持フレーム42上に無いと判断される。
【0044】
そして、フォトセンサ26によりローラ支持フレーム42上にキャリア23が有ると判断された場合(ステップS3:YES)は、フォトセンサ26によりキャリア23がローラ支持フレーム42上の所定の停止位置にあるかどうか判断する(ステップS4:被搬送物停止位置確認ステップ)。2箇所のフォトセンサ26の双方が検出状態にあるとき、キャリア23がターンテーブル15上の所定の停止位置にあると判断され(ステップS4:YES)、ステップS6に進む。一方、2箇所のフォトセンサ26いずれか一方が検出状態にあるとき、キャリア23がターンテーブル15上の所定の停止位置になく、ターンテーブル15とローラコンベア10、11にまたがって存在していると判断され(ステップS4:NO)、そのまま遮断電源の再投入を行うと危険であり、無理に電源の再投入を実行すれば、キャリア23、ターンテーブル15、ローラコンベア10,11等が破損するので、これを回避するために、人力でローラ支持フレーム42上のキャリア23を撤去する(ステップS5)。尚、フォトセンサ26によりローラ支持フレーム42上にキャリア23が無いと判断された場合(ステップS3:NO)は、ステップS6に進む。
【0045】
次に、回転位置検出機構2で検出した回転テーブル6の回転位置が、所定の停止位置(0°、+90°、+180°、−90°の4箇所のいずれか)にあるかどうかを判断する(ステップS6:テーブル停止位置確認ステップ)。回転位置検出機構2のドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の検出状態が表1に示すNO2、4、6、8のいずれかで有る場合に、回転テーブル6の回転位置が0°、+90°、+180°、−90°の4箇所のいずれかにあると確認することができる。
【0046】
回転位置検出機構2で検出した回転テーブル6の回転位置が、所定の停止位置にある場合は(ステップS6:YES)、ステップS8に進む。一方、回転位置検出機構2で検出した回転テーブル6の回転位置が、所定の停止位置(0°、+90°、+180°、−90°の4箇所のいずれか)に無いと判断された場合は(ステップS6:NO)、回転テーブル6が停止位置を確定できない中途半端な位置で停止しており、回転位置検出機構2のドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の検出状態が表1に示すNO1、3、5、7、9のいずれかで有る場合である。そこで、回転テーブル6の回転位置を確定できる所定の停止位置(0°、+90°、+180°、−90°の4箇所のいずれか)のいずれかに位置決めして回転テーブル6を回転させ、回転テーブル6の回転位置を確定させ(ステップS7)、ステップS8に進む。
【0047】
ここで、回転位置検出機構2のドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の検出状態が表1に示すNO1、3、5、7、9のそれぞれの場合における回転テーブル6の回転位置の確定の方法について詳細に説明する。
【0048】
回転位置検出機構2のドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の検出状態が表1に示すNO1の「−90°オーバ位置」である場合は、−90°を停止位置として位置決めし、+180°位置センサ3cを監視センサに指定する。そして、監視センサの出力に注目しながら、図7の制御信号図に示すように回転テーブル6をCCW方向にクリープ速の150パルスで回転するようにテーブル回転駆動機構50に対して指令を出す。指令実行中に監視センサの出力が検出から非検出になった時点で、テーブル回転駆動機構50に対して補正パルス数の指令を出す。補正パルス数を出力した時点でテーブル回転駆動機構50を停止し、動作完了となる。
【0049】
回転位置検出機構2のドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の検出状態が表1に示すNO3の「−90°〜0°」である場合は、0°を停止位置として位置決めし、−90°位置センサ3bを監視センサに指定する。そして、監視センサの出力に注目しながら、図8の制御信号図に示すように回転テーブル6をCCW方向に低速の2050パルスで回転するようにテーブル回転駆動機構50に対して指令を出す。指令実行中に監視センサの出力が検出から非検出になったらテーブル回転駆動機構50を減速停止する。続いて、回転テーブル6をCW方向にクリープ速の150パルス出力で回転するようにテーブル回転駆動機構50に対して指令を出す。指令実行中に監視センサの出力が非検出から検出になったら、テーブル回転駆動機構50に対してCCW方向に補正パルス数の指令を出す。補正パルス数を出力した時点でテーブル回転駆動機構50を停止し、動作完了となる。
【0050】
回転位置検出機構2のドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の検出状態が表1に示すNO5の「0°〜+90°」である場合は、0°を停止位置として位置決めし、+90°位置センサ3dを監視センサに指定する。そして、監視センサの出力に注目しながら、図8の制御信号図に示すように回転テーブル6をCW方向に低速の2050パルスで回転するようにテーブル回転駆動機構50に対して指令を出す。指令実行中に監視センサの出力が検出から非検出になったらテーブル回転駆動機構50を減速停止する。続いて、回転テーブル6をCCW方向にクリープ速の150パルス出力で回転するようにテーブル回転駆動機構50に対して指令を出す。指令実行中に監視センサの出力が非検出から検出になったら、テーブル回転駆動機構50に対してCW方向に補正パルス数の指令を出す。補正パルス数を出力した時点でテーブル回転駆動機構50を停止し、動作完了となる。
【0051】
回転位置検出機構2のドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の検出状態が表1に示すNO7の「+90°〜+180°」である場合は、+90°を停止位置として位置決めし、+180°位置センサ3cを監視センサに指定する。そして、監視センサの出力に注目しながら、図8の制御信号図に示すように回転テーブル6をCW方向に低速の2050パルスで回転するようにテーブル回転駆動機構50に対して指令を出す。指令実行中に監視センサの出力が検出から非検出になったらテーブル回転駆動機構50を減速停止する。続いて、回転テーブル6をCCW方向にクリープ速の150パルス出力で回転するようにテーブル回転駆動機構50に対して指令を出す。指令実行中に監視センサの出力が非検出から検出になったら、テーブル回転駆動機構50に対してCW方向に補正パルス数の指令を出す。補正パルス数を出力した時点でテーブル回転駆動機構50を停止し、動作完了となる。
【0052】
回転位置検出機構2のドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の検出状態が表1に示すNO9の「+180°オーバ位置」である場合は、+180°を停止位置として位置決めし、−90°位置センサ3bを監視センサに指定する。そして、監視センサの出力に注目しながら、図7の制御信号図に示すように回転テーブル6をCW方向にクリープ速の150パルスで回転するようにテーブル回転駆動機構50に対して指令を出す。指令実行中に監視センサの出力が検出から非検出になった時点で、テーブル回転駆動機構50に対して補正パルス数の指令を出す。補正パルス数を出力した時点でテーブル回転駆動機構50を停止し、動作完了となる。
【0053】
回転位置検出機構2で検出した回転テーブル6の回転位置が、所定の停止位置(0°、+90°、+180°、−90°の4箇所のいずれか)に有ると判断され(ステップS6:YES)、また、回転位置検出機構2で検出した回転テーブル6の回転位置が、所定の停止位置に無いと判断されて(ステップS6:NO)回転テーブル6の回転位置を確定できる所定の停止位置のいずれかに位置決めして回転テーブル6を回転させて回転テーブル6の回転位置を確定させ(ステップS7)、回転テーブル6の回転位置が所定の停止位置にあることを確認すると、搬送システム1の上位のコントローラからの旋回指令に従い、ターンテーブル15は高速旋回し、所定の目標位置に位置合せを行う(ステップS8:テーブル回転駆動ステップ)。この動作は、通常旋回と呼ばれる。ここで、目標位置への通常旋回について図9の制御信号図を用いて説明する。尚、図9中のnは、通常旋回で回転する角度÷90°である。
【0054】
例えば、回転テーブル6の回転位置を原点である0°の位置から−90°の位置へ高速旋回させる通常旋回は、図9に示すように、テーブル6をCW方向に2000×1−20パルス数で回転するようにテーブル回転駆動機構50を高速駆動させた後、続けてクリープ速度の150パルス数をテーブル回転駆動機構50に与えて旋回させ、監視センサである0°位置センサ3aの出力が検出状態から非検出状態に変化したとき、テーブル回転駆動機構50を停止させる。これにより、ドグ5を検出するセンサは、−90°位置センサ3bのみとなる。尚、誤差分の回転は、テーブル回転駆動機構50に対する補正パルスによるインチ補正により、−90°の位置に停止させる。
【0055】
また、例えば、回転テーブル6の回転位置を−90°の位置から+90°の位置へ高速旋回させる通常旋回は、図9に示すように、テーブル6をCW方向に2000×2−20パルス数で回転するようにテーブル回転駆動機構50を高速駆動させた後、続けてクリープ速度の150パルス数をテーブル回転駆動機構50に与えて旋回させ、監視センサである0°位置センサ3aの出力が検出状態から非検出状態に変化したとき、テーブル回転駆動機構50を停止させる。これにより、ドグ5を検出するセンサは、+90°位置センサ3dのみとなる。尚、誤差分の回転は、テーブル回転駆動機構50に対する補正パルスによるインチ補正により、+90°の位置に停止させる。
【0056】
以上により、搬送システム1の上位のコントローラからの旋回指令に従い、ターンテーブル15は高速旋回して所定の目標位置に位置合せが行われ(ステップS8)、搬送システム1の電源を再投入する(ステップS9)。
【0057】
このように、本実施形態に係るターンテーブル及びターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法によると、搬送システムにおいて遮断された電源を再投入する際に、効率的に被搬送物の搬送を再開することができる。
【0058】
以上、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされる。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。また、具体例は、本発明の構成を例示したものであり、本発明を限定するものではない。
【0059】
例えば、ドグ5の長さを回転テーブル6の1/4周長よりも僅かに長く形成してよい。かかる場合は、2箇所のドグ検出センサ3が検出状態であって、検出状態にある2箇所のドグ検出センサ3を回転中心から見て右側のドグ検出センサ3が停止位置となる。例えば、図10に0°の位置に回転テーブル6が位置合せされている状態を示す。図10は、ドグの長さを回転テーブルの1/4周長よりも僅かに長く形成した場合の回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図に、駆動モータを加えた説明図である。そして、回転テーブル6の回転位置は、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の出力に基づき、表2に基づいて検出される。尚、表2において、○印はセンサが検出状態にあることを意味し、×印はセンサが検出状態にないことを意味する。
【0060】
【表2】

【0061】
また、例えば、ドグ5の長さを回転テーブル6の半周長よりも僅かに長く形成してよい。かかる場合は、3箇所のドグ検出センサ3が検出状態であって、検出状態にある3箇所のドグ検出センサ3の内の中央のドグ検出センサ3が停止位置となる。例えば、図11に0°の位置に回転テーブル6が位置合せされている状態を示す。図11は、ドグの長さを回転テーブルの半周長よりも僅かに長く形成した場合の回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図に、駆動モータを加えた説明図である。そして、回転テーブル6の回転位置は、ドグ検出センサ3と補助ドグ検出センサ4の出力に基づき、表3に基づいて検出される。尚、表3において、○印はセンサが検出状態にあることを意味し、×印はセンサが検出状態にないことを意味する。
【0062】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態に係るターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムを示す上面模式図である。
【図2】本実施形態に係るターンテーブルの一部断面側面図である。
【図3】回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図に、駆動モータを加えた説明図である。
【図4】回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図であり、(A)はドグの中心位置が0°の状態を示し、(B)はドグの中心位置が−90°の状態を示し、(C)はドグの中心位置が+90°の状態を示している。
【図5】回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図であり、(A)はドグの中心位置が+180°オーバ位置の状態を示し、(B)はドグの中心位置が−90°オーバ位置の状態を示している。
【図6】本実施形態に係るターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法の処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】回転テーブルが−90°オーバ位置又は+180°オーバ位置にある場合のテーブル回転制御機構の制御信号図である。
【図8】回転テーブルが−90°〜0°の位置又は0°〜+90°の位置又は+90°〜+180°の位置にある場合のテーブル回転制御機構の制御信号図である。
【図9】目標位置へ通常旋回する場合のテーブル回転制御機構の制御信号図である。
【図10】ドグの長さを回転テーブルの1/4周長よりも僅かに長く形成した場合の回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図に、駆動モータを加えた説明図である。
【図11】ドグの長さを回転テーブルの半周長よりも僅かに長く形成した場合の回転位置検出機構を示す図2中のA−A矢視図に、駆動モータを加えた説明図である。
【図12】従来技術に係るターンテーブルを示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図13】従来技術に係るローラコンベアの駆動ローラを示す模式図である。
【図14】従来技術のターンテーブル及びターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの軌道及び軌道上のキャリアの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 搬送システム
2 回転位置検出機構(回転位置検出手段)
3 ドグ検出センサ
4 補助ドグ検出センサ
5 ドグ
6 回転テーブル(テーブル)
10 工程間ローラコンベア軌道(ローラコンベア)
11 工程内ローラコンベア軌道(ローラコンベア)
15 ターンテーブル
23 キャリア(被搬送物)
26 フォトセンサ(被搬送物検出手段)
42 ローラ支持フレーム
50 テーブル回転駆動機構
59 支持フレーム(固定フレーム)
S1 回転位置検出ステップ
S2 被搬送物検出ステップ
S3 被搬送物検出ステップ
S4 被搬送物停止位置確認ステップ
S6 テーブル停止位置確認ステップ
S9 テーブル回転駆動ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローラが所定間隔で配設されて被搬送物を搬送するローラコンベアの接続部に設けられて被搬送物の搬送方向を変更するターンテーブルであって、
複数のローラが所定間隔で配設されて前記被搬送物を載置して搬送するローラ支持フレームと、
前記ローラ支持フレームの底部を支持するテーブルと、
前記テーブルを正逆回転自在に駆動するテーブル回転駆動機構と、
前記テーブルの回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記ローラ支持フレーム上に存在する前記被搬送物の載置状態を検出する被搬送物検出手段と、
を備えることを特徴とするターンテーブル。
【請求項2】
前記テーブル回転駆動機構を収容し、側面部の上端が前記テーブルの円周に対向するように配置される固定フレームを更に備え、
前記回転位置検出手段が、
前記テーブルの円周に沿って、前記テーブルの1/4周長よりも僅かに長く又は前記テーブルの半周長よりも僅かに短く又は前記テーブルの半周長よりも僅かに長く設置されたドグと、
前記テーブルの回転中心角を4等分する各分割線の延長線と前記テーブルの円周とが交差する位置に対向する前記固定フレームの上端面に設置された4つのドグ検出手段と、
前記ドグ検出センサのいずれか1つと前記テーブルの円周方向に所定の距離を隔てた位置に対向する前記固定フレームの上端面に設置された1つの補助ドグ検出手段と、
により構成されて、前記ドグを検出した前記ドグ検出手段及び/又は前記補助ドグ検出手段の組み合わせにより前記テーブルの回転位置を検出することを特徴とする請求項1に記載のターンテーブル。
【請求項3】
前記ドグ検出手段及び前記補助ドグ検出手段が、一対の発光部と受光部とからなるフォトセンサで構成され、
前記ドグが、前記ドグ検出手段及び前記補助ドグ検出手段の前記発光部と前記受光部の間で、前記発光部と前記受光部から所定の間隔を設けて前記固定フレームの上端面に設置されることを特徴とする請求項2に記載のターンテーブル。
【請求項4】
複数のローラが所定間隔で配設されて被搬送物を搬送するローラコンベアの接続部に被搬送物の搬送方向を変更する請求項1〜3のいずれか一項に記載のターンテーブルを備えて、ローラコンベア上で被搬送物を搬送するターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法であって、
前記被搬送物の搬送途中で前記搬送システムの電源が遮断された後に電源を再投入する際に、
前記回転位置検出手段で前記テーブルの回転位置を検出する回転位置検出ステップと、
前記被搬送物検出手段で前記ローラ支持フレーム上の前記被搬送物の有無を判定する被搬送物検出ステップと、
前記被搬送物検出ステップで前記ローラ支持フレーム上に前記被搬送物が有ると判定された場合に、前記被搬送物検出手段で前記被搬送物の位置が所定の停止位置にあることを確認する被搬送物停止位置確認ステップと、
前記回転位置検出ステップで検出した前記テーブルの回転位置が所定の停止位置にあることを確認するテーブル停止位置確認ステップと、
前記テーブルの回転位置が所定の目標位置になるように前記テーブル回転駆動機構を駆動するテーブル回転駆動ステップと、
を備えることを特徴とするターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法。
【請求項5】
前記テーブル停止位置確認ステップは、
前記回転位置検出手段で検出した前記テーブルの回転位置が所定の停止位置でない場合、前記テーブルが確定できる所定の停止位置になるように前記テーブル回転駆動機構を駆動することを特徴とする請求項4に記載のターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法。
【請求項6】
前記被搬送物停止位置確認ステップは、
前記被搬送物検出手段で確認した前記被搬送物の位置が所定の停止位置でない場合、前記被搬送物を撤去することを特徴とする請求項4又は5に記載のターンテーブルを含むローラコンベアを用いた搬送システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−50995(P2007−50995A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238565(P2005−238565)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(302059274)アシスト シンコー株式会社 (146)
【Fターム(参考)】