説明

ダイエット効果付与剤、ダイエット香料組成物、ダイエット香粧品及びダイエット飲食品

【課題】
白色脂肪組織交感神経、褐色脂肪組織交感神経や副腎交感神経を興奮させることによって、香気によってもダイエット効果を有することができるダイエット効果付与剤及び該付与剤を含むダイエット香料組成物、更にはダイエット香粧品又はダイエット飲食品を提供する。
【解決手段】
ダイエット効果付与剤は2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンからなる化合物の少なくとも1種を有効成分とし、ダイエット香料組成物は該ダイエット効果付与剤を含有するものである。また、前記ダイエット効果付与剤又はダイエット香料組成物を含有することで、ダイエット効果を有するダイエット香粧品やダイエット飲食品が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイエット効果付与剤、ダイエット香料組成物、ダイエット香粧品又はダイエット飲食品に関し、特に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンからなる化合物の少なくとも1種を有効成分とするダイエット効果付与剤及び当該ダイエット効果付与剤を含有するダイエット香料組成物、更には当該ダイエット効果付与剤及び当該ダイエット効果付与剤を含有するダイエット香料組成物が添加されたダイエット香粧品又はダイエット飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の欧米化等により肥満及びそれに伴う成人病の問題が深刻化しつつあり、例えば、肥満は、糖尿病をはじめ、動脈硬化、高血圧、高脂血症等のさまざまな疾患の原因となることが知られている。
【0003】
これに対し、肥満を防止又は緩和するためのダイエット食品、ダイエット補助食品等が多く開発され、実用化されているものもある。
例えば、特開平11−308979号公報(特許文献1)には、グルカゴン分泌亢進作用を有するアミノ酸類の少なくとも一種、キサンチン誘導体の少なくとも一種、およびチアミン化合物の少なくとも一種を含有するシェイプアップ用飲食品が開示されている。
また、特開2002−10752号公報(特許文献2)には、サラシアレティキュラータ、キトサン、マルベリー、キダチアロエ、オオバコからなる配合物を基本組成とし、これにビタミン群を添加したことを特徴とするダイエット補助食品が、更にまた特表開2002−543103号公報(特許文献3)には、美容用及び/又はダイエット用組成物において、リコピンとオリーブ葉エキスとの活性混合物を含むことを特徴とする組成物であって、前記オリーブ葉エキスがリコピンを可溶化せしめると共に、オリーブ葉エキスの脂質調節効果がリコピンの細胞保存効果と組合わされた組成物等の食品が数多く提案されている。
【0004】
しかしながら、従来のダイエット組成物は、摂取することを必須の要素としており、更にその効果が必ずしも十分なものとは言えず、また即効性という点においても満足なものではない。
【特許文献1】特開平11−308979号公報
【特許文献2】特開2002−10752号公報
【特許文献3】特表開2002−543103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、摂取することに限られず、香気によってもダイエット効果を有することができるダイエット効果付与剤及び該付与剤を含むダイエット香料組成物を提供することである。
更に、前記ダイエット効果付与剤及び該付与剤を含むダイエット香料組成物を添加した、ダイエット効果を有する、ダイエット香粧品又はダイエット飲食品を提供することである。
【0006】
特に、白色脂肪組織交感神経を興奮させて、中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロール(グリセリン)に分解される脂肪分解を促進し、また、褐色脂肪組織交感神経を興奮させて、主に遊離脂肪酸を利用して非共役蛋白質(uncouplingprotein、UOP)を介するATP産生を伴わないエネルギー消費(体温上昇)による基礎代謝を亢進させ、更には、副腎交感神経を興奮させて、消化管を支配する副交感神経の活動を抑制して食慾を低下させる、ダイエット効果付与剤及び該付与剤を含むダイエット香料組成物、及び、前記ダイエット効果付与剤及び該付与剤を含むダイエット香料組成物を添加した、ダイエット効果を有する、ダイエット香粧品又はダイエット飲食品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明の請求項1記載のダイエット効果付与剤は、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする、ダイエット効果付与剤である。
【0008】
また、本発明の請求項2記載のダイエット香料組成物は、上記請求項1記載のダイエット効果付与剤を含有することを特徴とする、ダイエット香料組成物である。
好適には、本発明の請求項3記載のダイエット香料組成物は、請求項2記載のダイエット香料組成物において、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは5〜50000ppm、2−アセチルチアゾールは10〜100000ppm、2−フルフリルメルカプタンは0.5〜5000ppmの含量で含まれることを特徴とする、ダイエット香料組成物である。
【0009】
本発明の請求項4記載のダイエット香粧品は、上記請求項1乃至3のいずれかの項に記載のダイエット効果付与剤又はダイエット香料組成物を含有することを特徴とする、ダイエット香粧品である。
【0010】
本発明の請求項5記載のダイエット飲食品は、上記請求項1乃至3のいずれかの項に記載のダイエット効果付与剤又はダイエット香料組成物を含有することを特徴とする、ダイエット飲食品である。
好適には、本発明の請求項6記載のダイエット飲食品は、上記請求項5記載のダイエット飲食品において、前記飲食品が、コーヒー、ココア、チョコレート、ミルク、ゴマ、麦茶、モルト及びシリアルからなる群より選ばれる少なくとも1種の風味を有するものであることを特徴とする、ダイエット飲食品である。
更に好適には、請求項7記載のダイエット飲食品は、上記請求項5又は6記載のダイエット飲食品において、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは0.05〜0.5ppm、2−アセチルチアゾールは0.1〜10ppm、2−フルフリルメルカプタンは0.005〜0.5ppmの含量で含まれることを特徴とする、ダイエット飲食品である。
【0011】
ここで、本発明において、ダイエット効果とは、白色脂肪組織交感神経、褐色脂肪組織交感神経や副腎交感神経のいずれか少なくとも1つの交換神経を興奮させる効果を意味するものとする。
すなわち、白色脂肪組織交感神経が興奮すると、中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロール(グリセリン)に分解される脂肪分解が起り、褐色脂肪組織交感神経が興奮すると、主に遊離脂肪酸を利用して非共役蛋白質(uncouplingprotein、UOP)を介するATP産生を伴わないエネルギー消費(体温上昇)が起り、基礎代謝が亢進し、一方、副腎交感神経が興奮すると、消化管を支配する副交感神経の活動が抑制されて食慾が低下することで、ダイエット効果を付与することができるのである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のダイエット効果付与剤及び該付与剤を含むダイエット香料組成物は、香気によっても有効にダイエット効果を奏することができる。
すなわち、本発明のダイエット効果付与剤及び該付与剤を含むダイエット香料組成物は、白色脂肪組織交感神経を興奮させて、中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロール(グリセリン)に分解される脂肪分解を促進し、また、褐色脂肪組織交感神経を興奮させて、主に遊離脂肪酸を利用して非共役蛋白質(uncouplingprotein、UOP)を介するATP産生を伴わないエネルギー消費(体温上昇)による基礎代謝を亢進させ、更には、副腎交感神経を興奮させて、消化管を支配する副交感神経の活動を抑制して食慾を低下させることにより、有効にダイエット効果を奏することができる。
【0013】
更に、本発明のダイエット飲食品又は香粧品は、前記ダイエット効果付与剤及び該付与剤を含むダイエット香料組成物を含むので、上記と同様に、摂取のみならず、香気によっても白色脂肪組織交感神経、褐色脂肪組織交感神経、副腎交感神経を興奮させて、消化管を支配する副交感神経の活動を抑制して食慾を低下させることにより、有効にダイエット効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を好適例により以下に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明のダイエット効果付与剤は、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする、ダイエット効果付与剤である。
【0015】
ダイエット効果は、食物や運動条件などが一定である場合には、一般に交感神経活動を高めることにより引き起される。
上記化合物を有効成分とすることで、白色脂肪組織交感神経を興奮させて、中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロール(グリセリン)とに分解する脂肪分解を起こすことができる。
また、褐色脂肪組織交感神経を興奮させて、主に遊離脂肪酸を利用して非共役蛋白質(uncouplingprotein、UOP)を介するATP産生を伴わないエネルギー消費(体温上昇)を起こし、基礎代謝を亢進させることが可能となる。更に、副腎交感神経を興奮させて、消化管を支配する副交感神経の活動を抑制し食慾を低下させることができる。
【0016】
本発明に用いる2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは、ココア、コーヒー、肉類、ピーナッツなどに本来存在する香気成分である。
2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは、市販品をそのまま用いることもできるが、蒸留やクロマトグラフィー等の精製法により、精製して用いることが望ましく、また更に希釈して用いることがより望ましい。
希釈する溶媒としては、エタノールや水が挙げられる。
【0017】
更に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの使用量は、使用目的を考慮して適宜決定すればよいが、他の香料成分と組み合わせて香料組成物とする場合は、香料組成物中の濃度が、5〜50000ppm、より好ましくは50〜5000ppmであることが本発明の上記効果を有効に奏する上で好ましい。
これは、かかる範囲であると、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの匂いが強くなりすぎず、また香料組成物としての香りのバランスが崩れることもなく、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの香気による交感神経興奮作用が有効に現れるからである。
【0018】
また、本発明に用いる2−アセチルチアゾールは牛肉、ポテトなどに存在する香気成分である。
2−アセチルチアゾールは、市販品をそのまま用いることもできるが、蒸留やクロマトグラフィー等の精製法により、精製して用いることが望ましく、また更に希釈して用いることがより望ましい。
希釈する溶媒としては、エタノールや水が挙げられる。
【0019】
更に、2−アセチルチアゾールの使用量は、使用目的を考慮して適宜決定すればよいが、他の香料成分と組み合わせて香料組成物とする場合は、香料組成物中の濃度が、10〜100000ppm、より好ましくは100〜10000ppmであることが本発明の上記効果を有効に奏する上で好ましい。
これは、かかる範囲であると、2−アセチルチアゾールの匂いが強くなりすぎず、また香料組成物としての香りのバランスが崩れることもなく、2−アセチルチアゾールの香気による交感神経興奮作用が有効に現れるからである。
【0020】
また、本発明に用いることができる2−フルフリルメルカプタンはコーヒーの香気成分である。
2−フルフリルメルカプタンは、市販品をそのまま用いることもできるが、蒸留やクロマトグラフィー等の精製法により、精製して用いることが望ましく、また更に希釈して用いることがより望ましい。
希釈する溶媒としては、エタノールや水が挙げられる。
【0021】
更に、2−フルフリルメルカプタンの使用量は、使用目的を考慮して適宜決定すればよいが、他の香料成分と組み合わせて香料組成物とする場合は、香料組成物中の濃度が、0.5〜5000ppm、より好ましくは50〜500ppmであることが本発明の上記効果を有効に奏する上で好ましい。
これは、かかる範囲であると、2−フルフリルメルカプタンの匂いが強くなりすぎず、また香料組成物としての香りのバランスが崩れることもなく、2−フルフリルメルカプタンの香気による交感神経興奮作用が有効に現れるからである。
【0022】
2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンは、ダイエット効果付与剤または香料組成物として、これらを含有させることが可能な対象物に含有させて、ダイエット効果作用を発揮させることができ、その際には、ダイエット効果付与剤や香料組成物を適宜希釈して用いる。
これらの対象物としては、例えば、他の香料成分やその他の補助成分と組み合わせて化粧料、消臭剤、アロマキャンドル等の香粧品や飲食品に含有させて、経口的にまたは嗅覚的に、ダイエット効果を奏させることが可能である。
【0023】
本発明のダイエット効果付与剤を用いた香料組成物としての配合例を以下に例示する。
〔配合例1〕ダイエットコーヒー香料組成物1
酢酸 0.5重量部
ベンジルアルコール 5.0重量部
シクロテン 0.4重量部
ジアセチル 0.3重量部
エチルアセテート 0.4重量部
エチルホーメート 3.2重量部
フルフラール 0.2重量部
フルフリルアルコール 3.5重量部
フルフリルメルカプタン 0.2重量部
メタンチオール 0.2重量部
マルトール 0.1重量部
5−メチルフルフラール 1.0重量部
2−エチル−3,5−ジメチルピラジン 0.5重量部
99%エタノール 584.5重量部
水 400重量部
合計 1000重量部
【0024】
〔配合例2〕ダイエットココア香料組成物
カカオエキス 100重量部
リナロールオキサイド 0.4重量部
シアセチル 1.0重量部
ベンズアルデヒド 0.06重量部
ベンジルアルコール 0.04重量部
リナロール 0.06重量部
2−アセチルチアゾール 1.0重量部
95%エタノール 497.44重量部
水 400重量部
合計 1000重量部
【0025】
〔配合例3〕ダイエットウーロン茶香料組成物
(Z)−3−ヘキセノール 0.01重量部
オイゲノール 0.02重量部
ゲラニオール 0.02重量部
δ−デカラクトン 0.02重量部
リナロール 0.04重量部
メチルジャスモネート 0.1重量部
フェネチルアセタート 0.2重量部
フェネチルアルコール 0.4重量部
ジャスミンラクトン 2.0重量部
インドール 0.02重量部
95%エタノール 597.12重量部
2−フルフリルメルカプタン 0.05重量部
水 400重量部
合計 1000重量部
【0026】
本発明のダイエット効果付与剤及びダイエット香料組成物は、添加対象物が、食品や、香粧品である場合には、食品や香粧品の具体的な剤型(液剤、粉末剤、顆粒剤、エアゾル剤、固形剤、ジェル剤等)や製品形態に応じて、これらの食品や香粧品に含有される一般的な成分とともに、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができ、本発明のダイエット飲食品や香粧品を得ることができる。
【0027】
食品としての最も好適な態様の一つであるものとしては、飲料、菓子、セイボリー等が例示できるが、特にコーヒー、ココア、チョコレート、ミルク、ゴマ、麦茶、モルト、シリアル等の風味を有する飲食品が好ましい。
その実施態様としては、本発明のダイエット効果付与剤をコーヒー飲料のように元々その風味を有している飲食品にダイエット効果を付与するために添加する場合、他の香料成分と組み合わせた香料組成物として飲食品にダイエット効果とコーヒー等の風味を共に付与するために添加する場合のいずれであってもよい。
【0028】
コーヒー風味を有する飲食品としては各種コーヒー飲料(無糖、砂糖入り、ミルク入り(カフェオレ)等)を挙げることができるが、これに限られず、コーヒー風味を付与したチューインガム等の菓子類など、コーヒー風味を有する飲食品全般に使用可能である。
また、ココア風味を有する飲食品としては、ココア飲料、ココア粉末の他、これらを使用した菓子類等を挙げることができる。
更に、チョコレート風味を有する飲食品としては、チョコレート類、チョコレート飲料などチョコレートが主原料として用いられている飲食品の他、焼き菓子などチョコレートが原料の一部として使用されている飲食品を挙げることができる。
【0029】
ミルク風味を有する飲食品としては、ミルクを使用した飲料、菓子類、例えば調製加工乳、ミルクティー、ミルクコーヒー、ミルク入りチョコレート類、ココア飲料、ミルク入りココア粉末等を挙げることができる。
また、ゴマ風味を有する飲食品としては、ゴマドレッシング、ごま豆腐、ゴマ飲料、ゴマを使用した菓子類等を挙げることができる。
麦茶風味を有する飲食品としては、主として麦茶飲料を挙げることができ、モルト風味を有する飲食品としては、モルトエキス入り炭酸飲料など、モルト(搾汁、エキス、ペースト)を使用した飲料、菓子全般を挙げることができる。
更に、シリアル風味を有する飲食品としては、コーンフレーク、アイスコーンなど、穀類を加工した食品全般を挙げることができる。
【0030】
更に香粧品としての最も好適な態様の一つである化粧料としては、例えば、香水、オードトワレ、オーデコロン、クリーム・乳液類、化粧水、ファンデーション類、粉白粉、口紅、ポマード、石鹸、シャンプー・リンス類、ボディーシャンプー、ボディーリンス、ボディーパウダー類、浴剤等のパーソナルケア製品が、具体的な製品形態として例示される。
【0031】
更にまた、日用雑貨としては、部屋用の芳香剤や消臭剤、アロマキャンドル等が、具体的な製品形態として例示される。
なお、本発明のダイエット効果付与剤及びダイエット香料組成物、更には、前記ダイエット効果付与剤及び該付与剤を含むダイエット香料組成物を添加したダイエット効果を有するダイエット香粧品又はダイエット飲食品は、その香気により、上記各交感神経の少なくとも1つの交換神経を興奮させる効果を有する。
【0032】
2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンを含むダイエット飲食品、ダイエット香粧品における含有量は、使用目的を考慮して適宜決定することができるが、一般的には2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは、0.005〜50ppm、好ましくは0.05〜5ppm、2−アセチルチアゾールは0.01〜100ppm、2−フルフリルメルカプトンは0.0005〜5ppmである。
特にダイエット飲食品に使用する場合は、好ましくは、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは0.05〜0.5ppm、更に好ましくは0.1〜0.5ppmであり、2−アセチルチアゾールは好ましくは0.1〜10ppm、更に好ましくは2〜5ppmであり、2−フルフリルメルカプタンは好ましくは0.005〜0.5ppmで、更に好ましくは0.05〜0.1ppmであり、これらの含有量で含まれることが上記各副腎交感神経、白色脂肪組織交感神経、褐色脂肪組織交感神経をより有効に興奮させることができ、それに伴うダイエット効果を特に有効に誘発できる点から望ましい。
【0033】
なお、ミルク風味を有する飲食品に使用する場合は、ミルク風味との相性から特に2−アセチルチアゾールの使用が好ましく、この場合の2−アセチルチアゾールの添加量は0.01〜10ppm、好ましくは0.01〜0.1ppmであることが望ましい。
【0034】
本発明のダイエット効果付与剤及びダイエット香料組成物等を吸引させる対象は、通常は人間であるが、犬や猫等の哺乳動物であってもよい。また、吸引させる手段は、通常は、本発明のダイエット効果付与剤及びダイエット香料組成物を含有する対象物(飲食品や香粧品等)を介して行われる。
【0035】
すなわち、これらの対象物の通常の使用態様、または、指定された使用態様(例えば、化粧料等の外皮における使用、雑貨類であるアロマキャンドルの着火、芳香剤や消臭剤の部屋における設置や噴霧、食品組成物の飲食等)に従い、対象物、特に本発明のダイエット飲食品や香粧品に含有された本発明の付与剤及び香料組成物を、吸引対象が吸引し、含有される2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンで表されるダイエット有効成分により、吸引対象の上記各交感神経が興奮させられ、ダイエット作用を奏させる。
【実施例】
【0036】
本発明を次の実施例、比較例及び試験例により説明する。
(試料)
2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンを、エタノールに溶解させて、次の各被検試料を調整した。
2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンはシグマアルドリッチジャパン(株)(東京)から購入して用いた。
1)2−エチル−3,5−ジメチルピラジンをエタノールに50ppm溶解
2)2−エチル−3,5−ジメチルピラジンをエタノールに500ppm溶解
3)2−エチル−3,5−ジメチルピラジンをエタノールに5000ppm溶解
4)2−アセチルチアゾールをエタノールに100ppm溶解
5)2−アセチルチアゾールをエタノールに1000ppm溶解
6)2−アセチルチアゾールをエタノールに10000ppm溶解
7)2―フルフリルメルカプタンをエタノールに5ppm溶解
8)2―フルフリルメルカプタンをエタノールに50ppm溶解
9)2−フルフリルメルカプタンをエタノールに500ppm溶解
10)エタノール
更に、上記各(1)〜(10)の溶液を蒸留水で1/1000に希釈して、それぞれ被検試料(1)〜(10)とした(表1)。
なお、上記被検試料(10)(エタノールを蒸留水にて1/1000希釈したもの)は、比較対照のために用いた。
【0037】
(実験動物)
・使用動物
動 物 種:ラット
系 銃:Wistar系
性 別:雄
動 物 数:12匹
入荷時週齢:7週齢
試験開始時週齢:8〜10週齢
個体識別:なし
飼育ケージ識別:ケージ毎に群名、グループ名、収容されている匹数及び動物番号を表示したラベルを取り付けた。動物は入荷時から1匹ずつ飼育ケージにいれて維持した。
【0038】
・飼育条件
飼 育 室:ワイ・エム・ピー・インターナショナルANBAS事業部動物飼育室
温 度:24±2℃
湿 度:制御せず
照明時間:AM8:00〜PM8:00
飼 育 法:1ケージに1匹収容(1ケージ/群)
床 敷:「とこじき」木材チップ(日本チャールス・リバー株式会社製)
ケージ交換:週1回
飼 料:飼育期間中は標準固形飼料 MF(オリエンタル酵母株式会社)を自由摂取させた。
飲 水:大阪市営水道水を給水瓶にて給水し、3〜4日ごとに交換した。
【0039】
試験例
(試験手順)
12時間毎の明暗周期(8時〜20時まで点灯)下に24°Cの恒温動物室にて、上記実験動物であるラットを上記飼育条件で、1週間以上飼育したWistar系雄ラットを使用した(表1)。
上記各被検試料(1)〜(10)につき3用量を準備し、1用量あたり1匹の動物を使用した。
【0040】
【表1】

【0041】
各ラットの交感神経の活動を試験するために、各飼育ケージから餌を取り除き、1時間半後ウレタン(urethane)麻酔(1g/kg腹腔投与)下で開腹し、副腎、肩甲間褐色脂肪組織もしくは副睾丸白色脂肪組織を支配する交感神経を銀電極に吊り上げ、J.Physiol.288:R337〜R455、2005に記載されたTanida Mらによる方法で、前記各神経活動を測定した。
なお、手術開始から測定終了までチューブを気管に挿入して気道を確保し、保温装置にて体温(ラット直腸温)を35.0±0.5℃に保持した。
【0042】
次いで、上記各被検試料を2.5cm×2.5cm×0.1cmの綿花ガーゼを十分に浸した後、各被検試料液を切り、先端5cmのところで切り落としたファルコンチューブの底にこの綿花ガーゼを押し込み、それをマウスの鼻孔にあてて10分間刺激して、副腎、肩甲間褐色脂肪組織もしくは副睾丸白色脂肪組織を支配する交感神経の興奮度合いを測定した。
【0043】
(試験結果)
A.におい刺激の副腎交感神経活動(Adrenal Sympathetic Nerve Activity:ASNA)に対する影響
図1に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの上記被検試料(1)〜(3)を用い、また図2に、2−アセチルチアゾールの上記被検試料(4)〜(6)を用い、図3に、2−フルフリルメルカプタンの上記被検試料(7)〜(9)を用いて、ラットのASNAの実測データと5分間毎の5秒あたりの発火頻度(pulse/5s)の値にて解析し、投与前の値を100%として得られたASNAの値として、10分間のにおい刺激の副腎交感神経活動に対する影響を検討した。
なお、各図のコントロールは、被検試料(10)(溶媒であるEthanolの1/1000希釈溶液(0.1%−Ethanol))の3匹のラットそれぞれのASNAの実測データと5分間毎の5秒あたりの発火頻度(pulse/5s)の平均値にて解析し、投与前の値を100%として得られたASNAの平均値±標準誤差である。
【0044】
図1より、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは0.05ppmでのにおい刺激でASNAをやや抑制するが、0.5ppmでの刺激では短期間(約25分間)上昇させた。これに対して5ppmではASNAを増加させるもののその作用は0.5ppmより弱かった。
【0045】
また、図2より、2−アセチルチアゾールのにおい刺激はASNAを0.1ppmでは徐々に減少させた。これに対し、1ppmではやや上昇させ、10ppmの刺激では徐々に、刺激開始後70分に向かって上昇させた。
【0046】
また、図3より、2−フルフリルメルカプタンのにおい刺激はASNAを0.005ppmでは殆ど変化させないが、0.05ppmでやや上昇させ、0.5ppmでは著しく刺激開始後70分に向かって持続的に上昇させた。
【0047】
B.におい刺激の褐色脂肪組織交感神経(Brown Adipose Tissue−Sympathetic Nerve Activity:BAT−SNA)に対する影響
図4に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの上記被検試料(1)〜(3)を用い、また図5に、2−アセチルチアゾールの上記被検試料(4)〜(6)を用い、図6に、2−フルフリルメルカプタンの上記被検試料(7)〜(9)を用いて、上記A副腎交換神経活動と同様に、10分間のにおい刺激の褐色脂肪組織交感神経活動に対する影響を検討した。
なお、各図のコントロールは、被検試料(10)(溶媒であるEthanolの1/1000希釈溶液(0.1%−Ethanol))の3匹のラットそれぞれのBAT−SNAの実測データと5分間毎の5秒あたりの発火頻度(pulse/5s)の平均値にて解析し、投与前の値を100%として得られたBAT−SNAの平均値±標準誤差である。
【0048】
図4より、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンのにおい刺激はBAT−SNAを0.05ppmではやや上昇させ、0.5ppmでは著しく増加させた。また、5ppmでも上昇させたがその上昇作用は0.5ppmよりも弱かった。
【0049】
図5より、2−アセチルチアゾールのにおい刺激はBAT−SNAを0.1ppmの刺激では殆ど変化させないのに対して、1ppmの刺激では著しく刺激開始後70分に向かって上昇させた。10ppmの刺激でも上昇したが、その上昇割合はさほど顕著ではなかった。
【0050】
図6より、2−フルフリルメルカプタンのにおい刺激はBAT−SNAを0.005ppmでは殆ど変化させなかったが、0.05ppmおよび0.5ppmでは刺激開始後70分に向かって徐々に上昇させた。
【0051】
C.におい刺激の白色脂肪組織交感神経(White Adipose Tissue−Sympathetic Nerve Activity:WAT−SNA)に対する影響
図7に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの上記被検試料(1)〜(3)を用い、また図8に、2−アセチルチアゾールの上記被検試料(4)〜(6)を用い、図9に、2−フルフリルメルカプタンの上記被検試料(7)〜(9)を用いて、上記A副腎交換神経活動と同様に、10分間のにおい刺激の褐色脂肪組織交感神経活動に対する影響を検討した。
なお、各図のコントロールは、被検試料(10)(溶媒であるEthanolの1/1000希釈溶液(0.1%−Ethanol))の3匹のラットそれぞれのWAT−SNAの実測データと5分間毎の5秒あたりの発火頻度(pulse/5s)の平均値にて解析し、投与前の値を100%として得られたWAT−SNAの平均値±標準誤差である。
【0052】
図7より、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンのにおい刺激はWAT−SNAを0.05ppmでは殆ど変化させなかった。0.5ppmおよび5ppmでは著しく増加させた。
【0053】
図8より、2−アセチルチアゾールのにおい刺激はWAT−SNAを0.1ppmの刺激では若干上昇させたのに対して、1ppmの刺激では刺激後すぐに著しく増大させ、10ppmの刺激では徐々に上昇させた。
【0054】
図9より、2−フルフリルメルカプタンのにおい刺激はWAT−SNAを0.005ppmおよび0.05ppmにて著しく徐々に上昇させたのに対して、0.5ppmでは若干低下させた。
【0055】
以上のことより、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンによるにおい刺激は0.5ppm及び5ppmで副腎交感神経、褐色脂肪組織交感神経および白色脂肪組織交感神経の何れをも興奮させる作用があり、特に0.5ppmが最も強い作用を示した。
【0056】
また、2−アセチルチアゾールのにおい刺激もまた1ppmと10ppmで副腎交感神経、褐色脂肪組織交感神経および白色脂肪組織交感神経の何れも興奮させる作用があったが、副腎交感神経に関しては10ppmが最も強い作用を示し、褐色脂肪組織交感神経と白色脂肪組織交感神経では1ppmが最も強い作用を示した。
【0057】
更に、2−フルフリルメルカプタンの匂い刺激は副腎交感神経と褐色脂肪交感神経のいずれをも0.05ppmと0.5ppmで興奮させ、0.5ppmが最も強い作用を示しし、白色脂肪組織交感神経については0.005ppmと0.05ppmが興奮させ、0.05ppmが最も強い作用を示した。
【0058】
〔実施例1〕コーヒー飲料
(処方)
以下の処方により、2−アセチルチアゾールを使用したコーヒー香料組成物を作成した。
エタノール 58.09g
メチルシクロペンテノロン 0.2g
バニリン 0.05g
フルフリルメチルスルフィド 0.01g
2,3,5−トリメトキシピラジン 0.05g
5−メチル−2−フルフラール 0.05g
イソバレリックアシッド 0.05g
4−エチルグアイアコール 0.05g
グアイアコール 0.1g
2−メトキシ−4−ビニルフェノール 0.05g
2−アセチルチアゾール 0.3g
フルフリルアルコール 1.0g
水 40g
合計 100g
【0059】
(試作例)無糖ブラックコーヒー
コーヒー豆52gを豆の10倍量の熱水でドリップし抽出液を得た。抽出液にショ糖脂肪酸エステル0.3g、重曹を0.7g、上記処方に従って作成したコーヒー香料組成物を1.0gおよび水にて全量を1000.0gに調製し、缶に充填し殺菌を行い、無糖ブラックコーヒーを作成した。
【0060】
(試作例)微糖コーヒー
コーヒー豆56gを豆の10倍量の熱水でドリップし抽出液を得た。抽出液に全脂粉乳14.0g、脱脂粉乳1.0g、乳化剤1.0g、重曹1.5g、アセスルファムK0.17g、上記処方に従って作成したコーヒー香料組成物を1.0gおよび水にて全量を1000.0gに調製し、缶に充填し殺菌を行い、微糖コーヒーを作成した。
【0061】
〔実施例2〕ココア飲料
(処方)
以下の処方により、2−アセチルチアゾールを使用したココア香料組成物を作成した。
エタノール 50.4698g
エチルバニリン 4.0g
バニリン 5.0g
γ−ウンデカラクトン 0.01g
2−メトキシ−3−メチルピラジン 0.02g
2−アセチル−2−チアゾリン 0.0002g
フェニルエチルアセテート 0.2g
2−アセチルチアゾール 0.3g
水 40.0g
合計 100g
【0062】
(試作例)ココア飲料
結晶セルロース3.0g、安定剤0.2g、脱脂粉乳56.0g、ココアパウダー10.0g、アセスルファムK0.24gを分散させた。湯浴にて加熱攪拌しながら40.0℃くらいまで温めた温水に分散させた結晶セルロース、安定剤、脱脂粉乳、ココアパウダー、アセスルファムKを投入し、85.0℃まで加熱攪拌溶解し完全に溶解させた後、冷却し、あらかじめ一部の水で加熱攪拌溶解させておいたショ糖脂肪酸エステルを攪拌混合し、水にて1000.0gに調製した。これに上記処方に従って作成したココア香料組成物1.0gを添加し、缶に充填後殺菌を行い、ココア飲料を作成した。
【0063】
〔実施例3〕チョコレート
(処方)
以下の処方により、2−アセチルチアゾールを使用したチョコレート香料組成物を作成した。
エタノール 56.128g
バニリン 3.0g
2−メトキシ−3−メチルピラジン 0.002g
メチルフェニルヘキセナール 0.5g
エチルフェニルアセテート 0.05g
イソバレリックアシッド 0.02g
2−アセチルチアゾール 0.3g
水 40.0g
合計 100g
【0064】
(試作例)チョコレート
不二製油(株)製スイートチョコレートもしくはミルクチョコレート100.0gを細かく刻み湯煎にて50℃〜60℃で溶解させた。これに上記処方に従い作成したチョコレート香料組成物を0.1g添加し、テンパリング処理を行い、モールドに流して成型してチョコレートを作成した。
【0065】
〔実施例4〕ミルク入り飲料
(処方)
以下の処方に従い、2−アセチルチアゾールを使用したミルク香料組成物を作成した。
エタノール 58.685g
δ―デカラクトン 0.3g
δ―ウンデカラクトン 0.3g
δ―ドデカラクトン 0.5g
4−メチル−5−チアゾールエタノール 0.01g
2,3−ブタンジオン 0.05g
ブチリックアシッド 0.05g
デカノイックアシッド 0.1g
2−アセチルチアゾール 0.005g
水 40.0
計 100g
【0066】
(試作例)砂糖不使用ミルクティー
80℃の熱水に紅茶葉8.0gとL−アスコルビン酸ナトリウム0.2gを添加して5分間抽出した。抽出液をメッシュろ過し、ろ液を20℃以下に冷却した後、抽出液に牛乳230gとあらかじめ温水で加熱攪拌溶解させておいた乳化剤1.5g、重曹を1.2g投入し、ホモゲナイザー処理を行った。これに上記処方に従い作成したミルク香料組成物1.0gを添加し、缶に充填後殺菌を行い、砂糖不使用ミルクティーを作成した。
【0067】
〔実施例5〕ゴマドレッシング
(処方)
以下の処方に従い、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを使用したゴマ香料組成物を作成した。
エタノール 59.90499g
2−メトキシ−3−メチルピラジン 0.02g
ベンジルメルカプタン 0.01g
2−イソブチル−3−メトキシピラジン 0.00001g
2−エチル−3,5−ジメチルピラジン 0.01g
2−アセチルピリジン 0.005g
グアイアコール 0.05g
水 40.0g
合計 100g
【0068】
(試作例)ノンオイルゴマドレッシング
食酢150.0g、果糖ブドウ糖液糖50.0g、食塩30.0g、グルタミン酸ナトリウム2.0g、ホワイトペッパーパウダー1.0g、練りゴマ40.0g、増粘剤2.0gを容器に投入後、水にて1000.0gに調製した。攪拌均一し、上記処方に従い作成したゴマ香料組成物を1.0g添加し、殺菌を行いノンオイルゴマドレッシングを作成した。
【0069】
〔実施例6〕麦茶飲料
(処方)
以下の処方に従い、2−フルフリルメルカプタンを使用した麦茶香料組成物を作成した。
エタノール 59.6615g
アセチルピラジン 0.3g
トランス−2−トランス−4−デカジエナール 0.0005g
2−アセチル−2−チアゾリン 0.003g
メチルチオメチルピラジン 0.01g
2−フルフリルメルカプタン 0.005g
2−メトキシ−3−メチルピラジン 0.01g
ジフルフリルジスルフィド 0.01g
水 40.0g
合計 100g
【0070】
(試作例)麦茶飲料
六条大麦100.0gに85℃の熱水1000.0gを加え、13分間抽出した。得られた抽出液をメッシュろ過した後冷却した。これに上記処方に従い作成した麦茶香料組成物を1.0g添加し、缶に充填後殺菌して、麦茶飲料を作成した。
【0071】
〔実施例7〕モルト入り炭酸飲料
(処方)
以下の処方に従い、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを使用したモルト香料組成物を作成した。
エタノール 59.351g
メチルシクロペンテノロン 0.5g
アセチルピラジン 0.005g
エチルメチルチオプロピオネート 0.001g
ダマセノン 0.002g
フェニルアセトアルデヒド 0.005g
2−アセチル−3,5(3,6)−ジメチルピラジン 0.005g
2−エチル−3,5−ジメチルピラジン 0.01g
メチオナール 0.001g
2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン 0.02g
オクタノイックアシッド 0.1g
水 40.0g
合計 100g
【0072】
(試作例)モルト入り炭酸飲料
モルトエキス5.0g、アセスルファムK0.6g、クエン酸1.0を容器に投入し、水にて400.0gに調整した(これをシロップ部とする)。シロップ部にモルト香料組成物を1.0g添加し、250.0gガス缶にシロップ部を100.0g量りとり、炭酸水で250.0gに調製し、殺菌してモルト入り飲料を作成した。
【0073】
〔実施例8〕アイスコーン
以下の処方に従い、2−アセチルチアゾールおよび2−フルフリルメルカプタンを使用したシリアル香料組成物を作成した。
【0074】
(処方例)
エタノール 57.674g
バニリン 2.0g
エチルバニリン 0.1g
アセチルピラジン 0.2g
2−アセチル−3,5(3,6)−ジメチルピラジン 0.005g
2−アセチルチアゾール 0.02g
2−フルフリルメルカプタン 0.001g
水 40.0g
合計 100g
【0075】
(試作例)アイスコーン
コーン油1.5gにレシチン1.0gを加え、攪拌し均一化した。これに薄力粉100.0g、脱脂粉乳5.0g、重曹0.5g、食塩0.6g、アセスルファムK0.03gを混合し、さらに攪拌混合しながら水180.0gを徐々に加え、全体が均一化した後メッシュろ過を行った。これを100.0g量りとり、上記処方に従い作成したシリアル香料組成物を0.1g添加し、180℃で1分30秒間焼成して、アイスコーンを作成した。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明のダイエット効果付与剤及びダイエット香料組成物及び、ダイエット効果付与剤や当該ダイエット効果付与剤を含有するダイエット香料組成物が添加されたダイエット香粧品又はダイエット飲食品は、その香気により、有効に白色脂肪組織交感神経、褐色脂肪組織交感神経及び副腎交感神経の活動を上昇させることができるので、食品や化粧料等の外用組成物等の添加対象物に添加して、種々のダイエット製品を製造することに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】2−エチル−3,5−ジメチルピラジンのにおい刺激(10分間)による副腎交感神経活動の経時的変化を示す図。図中、Pzは2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを示す。
【図2】2−アセチルチアゾールのにおい刺激(10分間)による副腎交感神経活動の経時的変化を示す図。図中、Azは2−アセチルチアゾールを示す。
【図3】2−フルフリルメルカプタンのにおい刺激(10分間)による副腎交感神経活動の経時的変化を示す図。図中、Frは2−フルフリルメルカプタンを示す。
【図4】2−エチル−3,5−ジメチルピラジンのにおい刺激(10分間)による褐色脂肪組織交感神経活動の経時的変化を示す図。図中、Pzは2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを示す。
【図5】2−アセチルチアゾールのにおい刺激(10分間)による褐色脂肪組織交感神経活動の経時的変化を示す図。図中、Azは2−アセチルチアゾールを示す。
【図6】2−フルフリルメルカプタンのにおい刺激(10分間)による褐色脂肪組織交感神経活動の経時的変化を示す図。図中、Frは2−フルフリルメルカプタンを示す。
【図7】2−エチル−3,5−ジメチルピラジンのにおい刺激(10分間)による白色脂肪組織交感神経活動の経時的変化を示す図。図中、Pzは2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを示す。
【図8】2−アセチルチアゾールのにおい刺激(10分間)による白色脂肪組織交感神経活動の経時的変化を示す図。図中、Azは2−アセチルチアゾールを示す。
【図9】2−フルフリルメルカプタンのにおい刺激(10分間)による白色脂肪組織交感神経活動の経時的変化を示す図。図中、Frは2−フルフリルメルカプタンを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2−フルフリルメルカプタンからなる化合物の少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする、ダイエット効果付与剤。
【請求項2】
請求項1のダイエット効果付与剤を含有することを特徴とする、ダイエット香料組成物。
【請求項3】
請求項2記載のダイエット香料組成物において、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは5〜50000ppm、2−アセチルチアゾールは10〜100000ppm、2−フルフリルメルカプタンは0.5〜5000ppmの含量で含まれることを特徴とする、ダイエット香料組成物。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの項に記載のダイエット効果付与剤又はダイエット香料組成物を含有することを特徴とする、ダイエット香粧品。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかの項に記載のダイエット効果付与剤又はダイエット香料組成物を含有することを特徴とする、ダイエット飲食品。
【請求項6】
請求項5記載のダイエット飲食品において、前記飲食品は、コーヒー、ココア、チョコレート、ミルク、ゴマ、麦茶、モルト及びシリアルからなる群より選ばれる少なくとも1種の風味を有するものであることを特徴とする、ダイエット飲食品。
【請求項7】
請求項5又は6記載のダイエット飲食品において、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンは0.05〜0.5ppm、2−アセチルチアゾールは0.1〜10ppm、2−フルフリルメルカプタンは0.005〜0.5ppmの含量で含まれることを特徴とする、ダイエット飲食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−23964(P2009−23964A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189728(P2007−189728)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(591011410)小川香料株式会社 (173)
【出願人】(507157908)株式会社ANBAS (7)
【Fターム(参考)】