説明

チェーンガイドおよびチェーンテンショナ装置

【課題】 この発明は、高い強度を有し軽量且つ安価なチェーンガイドを提供することを目的とする。
【解決手段】 この発明のチェーンガイドは、タイミングチェーンの走行方向に沿うように形成されたチェーンガイドベース10と、チェーンガイドベース10に回転自在に支持されタイミングチェーンと接触するローラ2と、を備え、ローラ2のタイミングチェーンと接触する接触面は、分子配向がタイミングチェーンの可動方向に揃えた樹脂部材により形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の回転体に巻き掛けられて動力を伝達するチェーンを押圧してチェーンに張力を付与するチェーンガイドおよびチェーンテンショナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
チェーンテンショナ装置は、駆動スプロケットと従動スプロケットに巻き掛けられた駆動チェーンの途中部分に、チェーンガイドを駆動チェーンの移動方向と略直角方向に押し付けることによって、高速で移動する駆動チェーンに張力を付与するものである。チェーンテンショナ装置を用いたエンジンの動弁駆動系の構造を図21に基づいて説明する。
【0003】
図21は、エンジンの動弁駆動系の構造を示す正面図である。図21に示すように、エンジン101のシリンダブロック102の上部にはシリンダヘッド103が設けられている。
【0004】
シリンダブロック102にクランク軸105が回転自在に設けられており、クランク軸105の端部にクランクスプロケット106が固定されている。また、シリンダヘッド103にはアイドルスプロケット107が設けられており、このアイドルスプロケット107とクランクスプロケット106にタイミングチェーン120が掛け合わされている。
【0005】
また、アイドルスプロケット107には同軸に小スプロケット109が設けられており、この小スプロケット109と、シリンダヘッド103の左右2個のカム軸110、110に固定したカムスプロケット111、111とにカムチェーン112が掛け合わされている。
【0006】
これにより、クランク軸105はクランクスプロケット106、タイミングチェーン140、アイドルスプロケット107、小スプロケット109、カムチェーン112により、シリンダヘッド103の左右2個のカムスプロケット111、111及びカム軸110、110を駆動させている。
【0007】
なお、タイミングチェーン140は、図21中、右回転をしている。
【0008】
タイミングチェーン140にはタイミングチェーン140用のチェーンガイド120及びチェーンテンショナ114によって常時、一定の張力が与えられている。また、タイミングチェーン140は側部に設けたガイド117によりその揺動が防止される。
【0009】
タイミングチェーン140用のチェーンガイド120は、湾曲状のもので、これを油圧によって作動させて、湾曲突部側の摺動面をタイミングチェーン140に押し付けて緩まないようにしている。
【0010】
これらタイミングチェーン140用のチェーンガイド120には相当に強い押圧力がかけられており、タイミングチェーン140はチェーンガイド120との間の摩擦による摺動抵抗に抗して回転をしている。
【0011】
この時、チェーンガイドと駆動チェーンとの間で摩擦による摺動抵抗が発生し、騒音やメカニカルロスが大きくなるという問題があった。
【0012】
そこで、騒音及びメカニカルロスを抑制する技術として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載のチェーンテンショナ装置は、エンジンの動弁駆動系に設けられて、タイミングチェーンに張力を付与するものである。この装置は、湾曲形状のチェーンガイドのうちタイミングチェーンと接触する摺動面部にローラを配設し、長手方向に高速移動するタイミングチェーンをローラが転がりながら押圧することによって、摺動抵抗を減少させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平9−236157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記したように、従来のチェーンテンショナ装置においては、チェーンガイドに配設されたローラがタイミングチェーンを大きな押圧力で保持するために、ローラに大きな負荷がかかる。このため、ローラに十分な強度が無いとローラが損傷するという問題があった。特に、自動車部品としては、強度と軽量化が要求される。
【0015】
この発明は、上記の問題点を解消するために、高い強度を有し軽量且つ安価なチェーンガイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明のチェーンガイドは、走行状態のチェーンに接触してチェーンに張力を付与するチェーンガイドにおいて、前記チェーンと接触する部分を、分子配向がチェーンの可動方向に揃えた樹脂部材により形成したことを特徴とする。
【0017】
また、この発明のチェーンガイドは、チェーンの走行方向に沿うように形成されたチェーンガイドベースと、前記チェーンガイドベースに回転自在に支持されチェーンと接触するローラと、を備え、前記ローラのチェーンと接触する接触面を、分子配向がチェーンの可動方向に揃えた樹脂部材により形成したことを特徴とする。
【0018】
この発明にかかるチェーンガイドは、チェーンと接触する接触面の樹脂の分子配向をチェーンの可動方向とすることにより、チェーンは、樹脂の分子配向に沿って移動することになり、樹脂の耐摩耗性が向上するとともに機械的強度も高くすることができる。
【0019】
また、前記ローラは、円筒形状の金属製筒状体と、この筒状体の外周に同軸状に取り付けられた樹脂製環状部材を含み、前記環状部材のチェーンガイドベースに対向する面の分子配向が摺動方向に揃えられているように構成することができる。チェーンガイドベースに対向する面の分子配向を摺動方向に揃えることにより、チェーンガイドベースに対する耐摩耗性が向上する。
【0020】
また、前記チェーンガイドベースは、複数のローラを、チェーンの走行方向に沿って配列する一対の側板を備え、前記側板の対向壁面に、前記チェーンに臨む側板端縁に開口部を有する、ローラの支持軸挿入凹所をそれぞれ設け、前記側板の凹所にローラの支持軸を挿入するように構成することができる。ローラの支持軸挿入凹所を設けることにより、ローラを取り付けた軸を開口部に臨ませ、開口部から軸を落とし込んで凹所内に軸を挿入させて、側板にローラを支持することができる。
【0021】
また、前記凹所は、前記軸と係合する円形の一部を切り欠いた円弧状部と、前記側板の開口部から前記円弧状部まで連なる挿入部と、により構成できる。
【0022】
また、前記ローラは、軸孔を有する環状部材で形成され,前記軸孔に前記支持軸が摺動自在に挿入され、前記ローラと支持軸との間で滑り軸受を構成することができる。
【0023】
また、前記ローラは、支持軸の外周面を包囲する円筒形状の外輪と、前記支持軸の外周面と前記外輪の内周面との間に配置された複数の転動体と、からなる転がり軸受部を有し、前記外輪がチェーンと転がり接触可能に前記チェーンガイドベースに前記軸を介して支持するように構成できる。このように構成することにより、外輪とローラを支持する軸との間が転がり軸受機構となり、転がり軸受機構でチェーンを押圧することが可能となり、外輪と軸との間で滑り摩擦が生じることが抑制され、メカニカルロスを極めて小さくできる。
【0024】
また、前記転動体を保持する保持器を備えてもよい。保持器を備えることにより、転動体のスキューを防ぐとともに、転動体の端面が側板と直接触れることを避けて、側板の摩耗を防ぐことができる。
【0025】
前記チェーンガイドベースの幅が基端側より自由端側の方が広くなるように構成することができる。また、上記の構成において、樹脂製接触部材の幅は、チェーンの基端側より自由端側の方が長くなるように構成することができる。
【0026】
また、前記チェーンガイドベースは、一対の側板と、この側板をつなぐ柱部材と、を備え、前記一対の側板と柱状部材とを樹脂で形成することができる。
【0027】
また、この発明のチェーンテンショナ装置は、揺動可能に支持された上述のチェーンガイドと、前記チェーンガイドを駆動チェーンに押し付けるチェーンテンショナと、を備える。
【発明の効果】
【0028】
この発明のチェーンガイドは、チェーンと接触する接触面の樹脂の分子配向を、チェーンの可動方向とすることにより、チェーンは樹脂の分子配向に沿って移動することになり、樹脂の耐摩耗性が向上するとともに機械的強度も高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明にかかるチェーンガイドの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明にかかるチェーンガイドの第1の実施形態を示す側面図である。
【図3】この発明にかかるチェーンガイドの第1の実施形態を示す正面図である。
【図4】この発明にかかるチェーンガイドに用いられるチェーンガイドベースの実施形態を示す正面図である。
【図5】図4に示すチェーンガイドベースのA−A線で断面した説明図である。
【図6】図4のB−B線で断面した拡大断面図である。
【図7】この発明にかかるチェーンガイドの第1の実施形態を示す横断面図である。
【図8】この発明にかかるチェーンガイドに用いられるローラの実施形態を示す斜視図である。
【図9】この発明に用いられるローラを支持するための支持軸を示す斜視図である。
【図10】この発明にかかるチェーンガイドに用いられるローラの変形例を示す斜視図である。
【図11】この発明にかかるチェーンガイドの第2の実施形態を示す横断面図である。
【図12】この発明にかかるチェーンガイドの第3の実施形態を示す横断面図である。
【図13】この発明にかかるチェーンガイドの第4の実施形態を示すチェーンガイドの縦断面図である。
【図14】この発明にかかるチェーンガイドの第4の実施形態を示す横断面図である。
【図15】この発明にかかるチェーンガイドの第5の実施形態を示す横断面図である。
【図16】この発明にかかるチェーンガイドの第6の実施形態を示す横断面図である。
【図17】この発明にかかるチェーンガイドの第7の実施形態を示す横断面図である。
【図18】この発明にかかるチェーンガイドの第8の実施形態を示す正面図である。
【図19】この発明にかかるチェーンガイドに用いられるチェーンガイドベースの実施形態を示す正面図である。
【図20】この発明にかかるチェーンガイドの第9の実施形態を示す斜視図である。
【図21】エンジンの動弁駆動系の構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0031】
この発明の実施形態にかかるチェーンガイドは、例えば、エンジンの動弁駆動系に用いられるタイミングチェーンに張力を付与するものである。
【0032】
エンジンの動弁駆動系に用いられるチェーンガイド1は、タイミングチェーン40の移動方向と略直角方向に強く押し付けられる。この時、チェーンガイド1とタイミングチェーン40との間でのメカニカルロスを減少させるべく、この実施形態においては、タイミングチェーン40と接触する部分にローラ2を配置したチェーンガイド1を用いる。
【0033】
この発明の第1の実施形態にかかるチェーンガイド1は、図1ないし図3に示すように、チェーンの走行方向に沿うように湾曲形状に形成されている。そして、チェーンガイド1はその湾曲突部側(外側)が図2の仮想線で示されるタイミングチェーン40に沿って配置される。このチェーンガイド1は、タイミングチェーン40に沿うように湾曲形状に形成されたチェーンガイドベース10を備える。チェーンガイドベース10には、湾曲形状の一対の側板10a、10aと、この側板10a、10a間をつなぐ柱部材12と、を備える。
【0034】
さらに、このチェーンガイドベース10は、長手方向一方端に貫通孔13が設けられている。この貫通孔13に軸(図示しない)挿入し、例えば、エンジンブロックに取り付けられる。
【0035】
そして、このチェーンガイド1は、貫通孔13を基端として、長手方向他方端がタイミングチェーン40に向かって揺動可能とされている。
【0036】
チェーンガイド1の自由端を含む長手方向の他方端部には、図示しないチェーンテンショナが配置される。チェーンテンショナは、一例として、チェーンガイド1の揺動方向に進退動するプランジャを有し、エンジンブロックに取り付けられる。そして、プランジャの先端がチェーンガイド1の湾曲内側縁と接触して、チェーンガイド1をタイミングチェーン40側に付勢する。チェーンテンショナは、チェーンガイド1の押圧力を調整可能なアジャスタ機構を備えるものや、チェーンガイド1の押圧力を制御可能な油圧式であっても良いことは勿論である。そして、チェーンテンショナ及びチェーンガイド1がチェーンテンショナ装置を構成する。なお、チェーンテンショナ装置において、チェーンガイドは、チェーンレバーとも称される。
【0037】
上述したように、チェーンガイドベース10は、板状の柱部材12により連結された一対の側板10a、10aを有する。一対の側板10a、10aはチェーンガイド1の幅方向に所定の間隔を有し、側板10a、10a間にタイミングチェーン40と接触する複数のローラ2が配列される。
【0038】
側板10aの対向壁面には、ローラ2を支持する支持軸3が挿入される複数の支持軸挿入凹所11が設けられている。図4、図5及び図6に示すように、この凹所11は、軸3と係合する円形の一部を切り欠いた円弧状部11aと、タイミングチェーン40と臨む側の側板10aの端縁に設けられた開口部11bと、開口部11bから円弧状部11aまで連なる挿入部11cと、からなる。
【0039】
上記凹所11は、図5に示すように、複数のローラ2をタイミングチェーン40の走行方向に沿って配列するように、側板10aの対向壁面に円弧状部11aが側板10aの湾曲形状に沿って複数個設けられている。
【0040】
凹所11の挿入部11cは、側板10aの開口部11bが広く、円弧状部11aに至る位置まで徐々に狭くなって行くテーパ状に形成されている。すなわち、開口部10bの長さAより、挿入部11cと円弧状部11aとが連なる位置の長さBの方が狭く形成されている。
【0041】
図4に示すように、チェーンガイドベース10の側板10a、10aには、タイミングベルト40と臨む側に、凹所11の開口部11bが露出するように形成されることになる。
【0042】
更に、この実施形態においては、円弧状部11aの径φは、軸3の径より小さく形成され、そして、挿入部11cと円弧状部11aとが連なる位置の長さBは、円弧状部11aの径φより小さく形成されている。また、この凹所11は、図4に示すように、側板10aを非貫通状態で形成されている。非貫通状態に形成することで、挿入された軸3の軸方向の移動を規制することができる。
【0043】
なお、上記した実施形態においては、円弧状部11aの径φは、軸3の径より小さく形成しているが、軸3の径より大きく形成しても良い。
【0044】
図4に示すように、隣り合う凹所11、11の間には、一対の側板10a、10aを連結する板状の部材からなる柱部材12が設けられている。これら側板10a、10a及び柱部材12を含むチェーンガイドベース10は、この実施形態では、例えば、ジアミノンブタンとアジピン酸の重縮合によるポリマーであるポリアミド(PA)46やポリアミド(PA)66を用いた樹脂成形により一体に成形される。また、機械的強度を増すために、長繊維ガラスをPA46、PA66に複合させたものを用いることもできる。
【0045】
チェーンガイドベース10を樹脂で形成することにより、軽量化が図れる。尚、樹脂以外でも例えば、アルミニウムなどの軽金属を用いてチェーンガイドベース10を形成することもできる。
【0046】
タイミングチェーン40と当接するローラ2は、側板10a、10aに取り付けられた軸3に支持される。ローラ2は転がり軸受機構または滑り軸受機構を介して軸3により支持される。
【0047】
転がり軸受機構を介してローラ3を軸3にて支持する場合について説明する。図7及び図8に示すように、ローラ2は、外輪本体20の外周面に樹脂製の環状部材(樹脂製接触部材)23が取り付けられて構成されている。ローラ2に図9に示す円柱状の軸3が挿入されて取り付けられる。この環状部材23がタイミングチェーンと接触する樹脂製接触部材となる
図7に示すように、側板10の凹所11に挿入される軸3は、円筒形状の外輪本体20を貫通してローラ2に取り付けられる。外輪本体20は軸3の外周面を包囲するように形成されている。そして、軸3の外周面と外輪本体20の内周面との間には、複数のころ21が配置される。ころ21は、軸3の外周面及び外輪本体20の内周面を転走する転動体である。ころ21は、保持器22により周方向に対して所定間隔に保持されている。これら軸3、外輪本体20及びころ21により転がり軸受機構(ニードル軸受)を構成する。そして、保持器22を用いることで、ころ21のスキューを防ぐとともに、ころ21の端面が側板10と直接触れることを避けて、側板10の摩耗を防ぐことができる。なお、保持器22を用いない総ころ構造の転がり軸受で構成しても良い。
【0048】
この実施形態においては、上記外輪本体20を薄い板をプレス加工により形成し、いわゆるシェル軸受の構造としてもよい。シェル軸受の構造とすることにより、低コスト化および軽量化を図ることができる。
【0049】
上記のように、外輪本体20の外周面に固定される環状部材23は、樹脂製であり、軸線方向両端部で外方向に突出した一対の鍔部24、24を有する。鍔部24の突出高さは、タイミングチェーン40の断面高さよりも小さい。
【0050】
さて、この実施形態においては、タイミングチェーン40と接触する樹脂製の環状部材23の耐摩耗性並びに機械的強度を高くするように、環状部材23の分子配向を制御している。すなわち、図8に示すように、環状部材23のタイミングチェーン40との接触面23aにおける樹脂の分子配向が図中矢印方向に示すように、タイミングチェーン40の可動方向に揃えて樹脂成形されている。この結果、環状部材23の接触面23aは、ローラ2の円周方向に分子配向が揃えられた状態で成形されることになる。
【0051】
このように、環状部材23の接触面23aの樹脂の分子配向をタイミングチェーン40の可動方向とすることにより、タイミングチェーン40は、樹脂の分子配向に沿って移動することになり、樹脂の耐摩耗性が向上するとともに機械的強度も高くすることができる。
【0052】
また、環状部材23とチェーンガイドベース10の側板10aに対向する面23bは、図8中矢印で示すように、樹脂の分子配向がローラ2の摺動方向、すなわち、ローラ2の回転方向に揃えて樹脂成形されている。このように、側板10aと対向する面23bの分子配向をローラ2の摺動方向に揃えることにより、側板10aに対する耐摩耗性が向上する。
【0053】
上記環状部材23の樹脂の材質としては、例えば、ジアミノンブタンとアジピン酸の重縮合によるポリマーであるポリアミド(PA)46やポリアミド(PA)66を用いることができる。さらに、機械的強度を増すために、長繊維ガラスをPA46、PA66に複合させたものを用いることもできる。
【0054】
この実施形態では、外輪本体20、ころ21及び保持器22からなる軸受をインサートし、環状部材23を樹脂成形して、ローラ2を形成している。
【0055】
尚、ローラ2は、インサート成形以外に、圧入により形成することもできる。例えば、環状部材23として、あらかじめ外輪本体20に圧入される大きさの内径を有する円筒状の環状部材23と鍔部24を樹脂で成形したものを用意し、環状部材23に外輪本体20を圧入して固定して形成することもできる。
【0056】
上記のように、軸3を取り付けたローラ2を用意する。そして、ローラ2をチェーンガイドベース10に支持固定してチェーンガイド1を構成する。チェーンガイドベース10の側板10aには、タイミングベルト40と臨む側に開口部11bを有する凹所11が形成されている。このように凹所11を形成し、ローラ2に取り付けた軸3を開口部11bに臨ませ、開口部11bから軸3を落とし込むことにより、凹所11内に軸3を挿入し、ローラ2を側板10a、10a間に支持することができる。この実施形態では、開口部11bは広く、挿入部11cはテーパ状に形成されているので、軸3を挿入する際には、容易に軸3を開口部11bから挿入部11cを経て円弧状部11aに案内することができる。
【0057】
そして、上記の実施形態によれば、円弧状部11aの径φは、軸3の径より小さく形成されているので、軸3は圧入されて円弧状部11aに取り付けられる。この結果、軸3の回転を抑制することができる。また、挿入部11cと円弧状部11aとが連なる位置の長さBは、円弧状部11aの径φより小さく形成されているので、挿入部11cの端部が軸3の抜け止めの機能をはたすことになる。更に、凹所11は側板10aを非貫通状態で形成されているので、挿入される軸3の軸方向の移動を規制することができる。
【0058】
更に、この実施形態では、図7に示すように、樹脂製の環状部材23の長さを外輪本体20の長さより長くしている。樹脂製の環状部材23の長さを外輪本体20の長さより長くすることで、側板10aと外輪本体20との直接の接触を回避している。
【0059】
次に、この実施形態のチェーンガイドの動作につき説明する。
【0060】
チェーンガイドベース10がこの湾曲内側に配置される図示しないチェーンテンショナからの押付力を受ける。これによりチェーンガイド1は、長手方向の一方端の貫通孔13を基端とし長手方向他方端を自由端として、タイミングチェーン40に接触する。タイミングチェーン40がチェーンガイド1の湾曲した外側縁に沿って案内される。そして、ローラ2の樹脂製の環状部材23の外周面がタイミングチェーン40の側面を転がり接触しながら押圧することになる。この結果、タイミングチェーン40に張力が付与される。そして、ローラ2は、タイミングチェーン40により凹所11の底の方へ押し付けられる。凹所11のタイミングチェーン0の臨む側から軸3を挿入して装着しているので、ローラ2および軸3はチェーンガイドベース10の側板10aから外れることなく支持される。
【0061】
また、タイミングチェーン40はローラ2の樹脂製の環状部材23と摺動するので、金属部品同士の接触を回避することができる。従って、振動の抑制及び消音効果を得ることができる。更に、この実施形態では、環状部材23のタイミングチェーン40との接触面23aにおける分子配向がタイミングチェーン40の可動方向に揃えた樹脂成形により形成されている。このように、環状部材23の接触面23の樹脂の分子配向をタイミングチェーン40の可動方向とすることにより、タイミングチェーン40は、樹脂の分子配向に沿って移動することになり、樹脂の耐摩耗性が向上するとともに機械的強度も高くすることができる。
【0062】
また、この実施形態によれば、環状部材23は、軸線方向両端部で外形方向に突出した一対の鍔部24、24を有し、これら一対の鍔部24、24間でタイミングチェーン40と環状部材23とが接触をすることから、タイミングチェーン40が転がり軸受のローラ2から外れることを防止することができる。
【0063】
さらに、チェーンガイドベース10を樹脂で形成しているので、金属製のものと比べて軽量化を図ることができる。
【0064】
また、ローラ2が軸方向に移動し、側板10aと接触した場合にも側板10aと対向するローラ2の面23bの分子配向をローラ2の摺動方向に揃えているので、側板10aに対する耐摩耗性が向上する。
【0065】
また、ローラ2の環状部材23の樹脂の材料と側板10aの樹脂の材料を変える。例えば、側板10aの樹脂に強度の強いものを用いて、ローラ2に耐摩耗性に優れるものを用いる。
【0066】
上記実施形態におけるローラ2は、金属製の外輪本体20に樹脂製の環状部材23を設けている。ローラ2の軸3は樹脂製の側板10aの凹所11に支持させている。そして、この樹脂製の環状部材23の接触面23aに金属製のタイミングチェーン40が接触することになる。このように、金属(タイミングチェーン40)、樹脂(環状部材23)、金属(軸3)、樹脂(側板10a)との接触となり、各接触面で振動を吸収することができ、免震構造をとることができる。
【0067】
ところで、チェーンガイドベース10の側板10a、10aの間幅に対して、ローラ2の幅をなるべく広くする方が面圧、チェーン外れ防止の両面から考えても有利である。しかし、製造時の公差を考慮しなければならず、環状部材23の鍔部24の幅の寸法公差、側板10a、10aの間の寸法公差の最悪寸法を考慮した際に、隙間ゼロになるように設計するのが望ましい。また、この時の公差とはJIS B 0405の表1に一般公差が記されており、通常は中級が良いと記されている。つまり、環状部材23の幅と側板10a、10aの間の最大値はそれぞれの寸法におけるJIS B 0405の表1に示す中級公差の最大値の合計とするのが機能面から考えた普通の設計である。
【0068】
これに対して、この発明の実施形態では、チェーンガイドベース10の側板10aとローラ2との間の間隔をあえてそれ以上に広げるように形成している。そして、この間隔から潤滑油を供給するように構成している。例えば、側板10a、10a間の幅が20mmの時、公差はそれぞれ±0.2mmのため、最大隙間は0.4mmである。それに対して、この実施形態においては、0.4mm以上の隙間をチェーンガイドベース10の側板10aとローラ2との間に設けるように形成している。
【0069】
次に、この実施形態の変形例を説明する。図10は、この実施形態の変形例を示す斜視図である。この変形例につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この変形例では図10に示すように、外輪本体20の外周面に装着された樹脂製の環状部材23の側面に、潤滑用溝25、25を形成している。この潤滑用溝25、25により、チェーンガイドベース10の側板10aと環状部材23との間の潤滑が良好になり、摩擦抵抗の削減、耐摩耗性の向上が図れる。
【0070】
この変形例においても環状部材23の接触面23aの樹脂の分子配向は、タイミングチェーン40の可動方向となるように、樹脂成形されている。同様に、側板10aと対向するローラ2の面23bの分子配向をローラ2の摺動方向に揃えるように樹脂成形されている。
【0071】
次に、この発明の第2の実施形態を説明する。図11は、この発明の第2の実施形態のチェーンガイドを示す横断面図である。この実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この第2の実施形態では、図11に示すように、軸3の中心部に油穴31を設け、タイミングチェーン40と反対側の位置に油が排出される排出穴31aを設ける。そして、側板10aに油穴31と連なる穴15を設ける。このように、油穴31を設けることで、軸受内部に油が供給できる。また、熱を逃がすこともできる。油穴31の排出穴31aの方向は上記のように、タイミングチェーン40と反対方向にするのが軸受内部へ油の供給がスムーズに行われるので、好ましい。さらに、油穴31aにより軸3が中空になることで、軽量化も図れる。
【0072】
この第2の実施形態においても環状部材23の接触面の樹脂の分子配向は、タイミングチェーン40の可動方向となるように、樹脂成形されている。同様に、側板10aと対向するローラ2の面の分子配向をローラ2の摺動方向に揃えるように樹脂成形されている。
【0073】
次に、この発明の第3の実施形態を説明する。図12は、この発明の第3の実施形態のチェーンガイドを示す横断面図である。この実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この実施形態においては、ローラ2と側板10aとの間にワッシャー35が配置されるように、軸3にワッシャー35を装着し、軸3を凹所11に挿入している。
【0074】
このように、ローラ2と側板10aの間にワッシャー35を挿入することで、ローラ2と側板10aが直接接触することを防止でき、ローラ2および側板10aの耐摩耗性が向上する。
【0075】
この第3の実施形態においても環状部材23の接触面の樹脂の分子配向は、タイミングチェーン40の可動方向となるように、樹脂成形されている。同様に、側板10aと対向するローラ2の面の分子配向をローラ2の摺動方向に揃えるように樹脂成形されている。
【0076】
上記したチェーンガイドベース10の側板10aを樹脂で成形した場合、図12に示すように、樹脂製の環状部材23の外径より、チェーンガイドベース10の側板10aを高くするように構成することができる。このように、高い側板を形成することで強度をアップさせることができる。凹11所より下側(反チェーン側)ではチェーンの張力が加わった際に樹脂が引っ張られるのに対して、上側(チェーン側)では圧縮になる。一般に引張り側より圧縮側の方が強いため、全体として強度アップできることになる。
【0077】
次に、この発明の第4の実施形態を説明する。図13は、この発明の第4の実施形態を示すチェーンガイドの縦断面図、図14は、この発明の第4の実施形態のチェーンガイドを示す横断面図である。この実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
【0078】
この実施形態は、タイミングチェーン40と接触するローラ2の環状部材23の接触面23aを波線状に形成したものである。環状部材23の接触面23aを波線状にすることで、タイミングチェーン40がローラ2に沿い、タイミングチェーン40のばたつきを抑制できる。その結果、振動、騒音が抑制できる。さらに、ローラ2の外径とタイミングチェーン40がスプロケットのように噛み合うような形状にしてもよい。
【0079】
この実施形態においても、環状部材23のタイミングチェーン40との接触面23aにおける分子配向がタイミングチェーン40の可動方向に揃えた樹脂成形により形成されている。このように、環状部材23の接触面をタイミングチェーン40の可動方向とすることで、タイミングチェーン40は、樹脂の分子配向に沿って移動することになり、樹脂の耐摩耗性が向上するとともに機械的強度も高くすることができる。
【0080】
次に、この発明の第5の実施形態を説明する。図15は、この発明の第5の実施形態のチェーンガイドを示す横断面図である。この実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
【0081】
この実施形態は、外輪本体20と環状部材23との間に、例えば、ゴムなどの円筒状の免震部材25を挿入している。
【0082】
免震部材25を挿入することにより、振動、騒音を抑制できる。
【0083】
次に、この発明の第6の実施形態を説明する。図16は、この発明の第6の実施形態のチェーンガイドを示す横断面図である。この実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
【0084】
この実施形態は、タイミングチェーン40と接触するローラ2の環状部材23の外周面にゴム等の円筒状の免震部材26を装着する。免震部材26を装着することにより、振動、騒音を抑制できる。
【0085】
次に、この発明の第7の実施形態を説明する。図17は、この発明の第7の実施形態のチェーンガイドを示す横断面図である。この実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
【0086】
上記した各実施形態においては、転がり軸受機構でローラ2をチェーンガイドベース10に支持している。この図17に示す実施形態は、滑り軸受機構でローラ2をチェーンガイドベース10に支持するものである。この実施形態においては、ローラ2を構成する樹脂製環状部材23の軸孔26に軸3が摺動自在に挿入されている。樹脂製環状部材23と軸3との間で滑り軸受を構成している。
【0087】
環状部材23に挿入された軸3を凹所11の開口部11b、挿入部11cを経て円弧状部11aに圧入固定する。この実施形態においても円弧状部11aの径φは、軸3の径より小さく形成されているので、軸3は圧入されて円弧状部11aに取り付けられ、軸3の回転が抑制される。そして、環状部材23が軸3に対して滑り軸受機構により回転することになる。
【0088】
そして、ローラ2はタイミングチェーン40により凹所11の底(円弧状部11a)の方へ押し付けられる。このように、凹所11のタイミングチェーン40の臨む側から軸3を挿入して装着することで、ローラ2および軸3は側板10aから外れることなく支持できる。
【0089】
この第7の実施形態においても環状部材23の接触面の樹脂の分子配向は、タイミングチェーン40の可動方向となるように、樹脂成形されている。同様に、側板10aと対向するローラ2の面の分子配向をローラ2の摺動方向に揃えるように樹脂成形されている。
【0090】
次に、この発明の第8の実施形態を説明する。図18は、この発明の第8の実施形態のチェーンガイドを示す正面図、図19は、チェーンガイドベースを示す正面図である。この実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
【0091】
この実施形態は、チェーンガイドベース10の側板10a、10aの間隔をチェーンガイドベース10の基端側から自由端側に向かって徐々にあるいは段階的に広くしている。チェーンガイドベース10の支持されるローラ2の長さもチェーンガイドベース10と同様に、チェーンガイドベース10の基端側から自由端側に向かって徐々にあるいは段階的に長くしている。
【0092】
チェーンガイド1の基端側には、貫通孔が設けられ、この貫通孔に軸を挿入してチェーンガイド1が揺動自在に固定されている。このように、チェーンガイド1の基端側は固定部に近く、また駆動スプロケット側に位置する。このため、チェーンガイド1の自由端側と比較してチェーンガイド1のばたつきが小さい。このため、この実施形態においては、チェーンガイドベース10を自由端側の幅W2は広くするが基端側の幅W1は狭くなるように形成している。
【0093】
従来は、チェーンガイド1のばたつきを考慮して、自由端側の幅に合わせてチェーンガイド1の全体の幅を決定している。これに対して、この実施形態では、W2>W1となるように幅を次第に狭くする。このように、幅を必要以上広くしないようにすることにより、チェーンガイド1の軽量化が図れる。
【0094】
樹脂ローラ2も同様にローラの長さをチェーンガイドベース10と同様に、基端側から自由端側に向かって徐々にあるいは段階的に長くしている。
【0095】
次に、この発明の第9の実施形態を説明する。図20は、この発明の第9の実施形態のチェーンガイドを示す斜視図である。この実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。
【0096】
図20に示す実施形態は、ローラ2の変わりに、タイミングチェーン40と接触する樹脂で形成された板状の接触体10d(樹脂製接触部材)をチェーンガイド10の側板10a、10aに取り付けている。
【0097】
この実施形態における板状の接触体10dは、図中矢印に示すように、タイミングチェーン40と接触する面の分子配向がタイミングチェーン40の可動方向に揃えた樹脂成形により形成されている。このように、板状の接触体10dのタイミングチェーン40と接触する面をタイミングチェーン40の可動方向とすることで、タイミングチェーン40は、樹脂の分子配向に沿って移動することになり、樹脂の耐摩耗性が向上するとともに機械的強度も高くすることができる。
【0098】
尚、この第9の実施形態においても、チェーンガイドベース10の側板10a、10aの間隔をチェーンガイド10の基端側から自由端側に向かって徐々にあるいは段階的に広くするように構成してもよい。
【0099】
本実施形態のチェーンガイド1は、エンジンのタイミングチェーンの他、様々な駆動チェーンに張力を付与することができ、しかもメカニカルロスを低減することができる。
【0100】
そして、この発明のチェーンテンショナ装置は、貫通孔13を基端として揺動可能に支持された本実施形態のチェーンガイド1と、チェーンガイド1をタイミングチェーン40に押し付けるチェーンテンショナを備えて構成される。このチェーンテンショナ装置によれば、エンジンのタイミングチェーン40のチェーンテンショナ装置に用いれば、耐摩耗性が向上するとともに軽量化が図られ、燃料消費率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
この発明によりチェーンガイドは、エンジンなど駆動チェーンに張力を与える機構において有効に利用される。
【符号の説明】
【0102】
1 チェーンガイド、2 ローラ、3 軸、10 チェーンガイドベース、10a 側板、11 凹所、20 外輪本体、21 ころ、22 保持器、23 環状部材、24 鍔部、40タイミングチェーン。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行状態のチェーンに接触してチェーンに張力を付与するチェーンガイドにおいて、前記チェーンと接触する部分を、分子配向がチェーンの可動方向に揃えた樹脂部材により形成したことを特徴とするチェーンガイド。
【請求項2】
チェーンの走行方向に沿うように形成されたチェーンガイドベースと、前記チェーンガイドベースに回転自在に支持されチェーンと接触するローラと、を備え、前記ローラのチェーンと接触する接触面を、分子配向がチェーンの可動方向に揃えた樹脂部材により形成したことを特徴とするチェーンガイド。
【請求項3】
前記ローラは、円筒形状の金属製筒状体と、この筒状体の外周に同軸状に取り付けられた樹脂製環状部材を含み、前記環状部材のチェーンガイドベースに対向する面の分子配向が摺動方向に揃えられていることを特徴とする請求項2に記載のチェーンガイド。
【請求項4】
前記チェーンガイドベースは、複数のローラを、チェーンの走行方向に沿って配列する一対の側板を備え、前記側板の対向壁面に、前記チェーンに臨む側板端縁に開口部を有する、ローラの支持軸挿入凹所をそれぞれ設け、前記側板の凹所にローラの支持軸を挿入したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のチェーンガイド。
【請求項5】
前記凹所は、前記軸と係合する円形の一部を切り欠いた円弧状部と、前記側板の開口部から前記円弧状部まで連なる挿入部と、からなることを特徴とする請求項4に記載のチェーンガイド。
【請求項6】
前記ローラは、軸孔を有する環状部材で形成され,前記軸孔に前記支持軸が摺動自在に挿入され、前記ローラと支持軸との間で滑り軸受を構成することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のチェーンガイド。
【請求項7】
前記ローラは、支持軸の外周面を包囲する円筒形状の外輪と、前記支持軸の外周面と前記外輪の内周面との間に配置された複数の転動体と、からなる転がり軸受部を有し、前記外輪がチェーンと転がり接触可能に前記チェーンガイドベースに前記軸を介して支持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のチェーンガイド。
【請求項8】
前記チェーンガイドベースの幅が基端側より自由端側の方が広くなっていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のチェーンガイド。
【請求項9】
樹脂製接触部材の幅は、チェーンガイドベースの基端側より自由端側の方が長くなっていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のチェーンガイド。
【請求項10】
前記チェーンガイドベースは、一対の側板と、この側板をつなぐ柱部材と、を備え、前記一対の側板と柱状部材とを樹脂で形成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項9のいずれか1項に記載のチェーンガイド。
【請求項11】
前記ローラの樹脂と前記チェーンガイドベースの樹脂の材質が相違することを特徴とする請求項10に記載のチェーンガイド。
【請求項12】
前記ローラと前記側板との間にワッシャーを挿入したことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のチェーンガイド。
【請求項13】
揺動可能に支持された請求項1ないし請求項12のいずれかに1項に記載のチェーンガイドと、前記チェーンガイドを駆動チェーンに押し付けるチェーンテンショナと、を備えるチェーンテンショナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−58551(P2011−58551A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208252(P2009−208252)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】