説明

チャック付二重袋及びその製造方法

【課題】外袋の内部に更に内袋が収納され、チャックによって各袋を封止するチャック付二重袋を連続形成することが可能なチャック付二重袋を提供する。
【解決手段】帯状のフィルムの長手両側縁の近傍にチャックの雌型テープ11と雄型テープ12とが別々に接着された外袋用フィルムにて外袋10を形成する。帯状のフィルムの長手両側縁の近傍にチャックの雌型テープ21又は雄型テープ22の一方が接着され、外袋10の内側面に接着されたチャックの他方に嵌合するように仕切り片20Aを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャック付二重袋及びその製造方法に係り、外袋の内部に更に仕切り片が収納されて内袋が構成され、各袋に備えられたチャックによって各袋を封止することができるチャック付二重袋及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二重袋の開口部にチャックを設けたものとして、例えば特許文献1および特許文献2に記載の二重袋が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の二重袋は、チャック(ジッパー)付きの主収容部の上面側にチャック付きの副収容部を形成したもので、主収容部と、主収容部の外側に配置された副収容部とにそれぞれ物品を収納し、各収容部の開口部を各チャックで開閉する構成である。
【0004】
一方、特許文献2に記載された二重袋は、チャックを備えた内袋の周りに外袋を配置したもので、外袋と内袋との間に水を収納し、内袋の中に食材を収納する。そして、各袋に備えたチャックを同時に密封し、熱湯の中で同時に加熱調理する調理用具として使用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008‐230672号公報
【特許文献2】特許第2923782公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のチャック付きの二重袋の中には、製袋機を利用して連続形成可能な二重袋と連続形成ができない二重袋とがあった。すなわち、チャック付きの二重袋を連続形成する場合に、このチャックは、雄型と雌型とを嵌合した状態のチャックテープと称するテープを袋の開口部の位置に接着し、その後、製袋する作業になっていた。これは、チャックを予め嵌合させておくことで、製袋時の位置ずれを防止し、チャックの嵌合を確実に行うためである。
【0007】
そのため、特許文献1の如く、チャック付きの主収容部の上面側にチャック付きの副収容部を形成した二重袋は連続形成が可能になる。つまり、チャック付きの主収容部とチャック付きの副収容部とをそれぞれ形成後、これらを重ねて接着することで連続形成することができる。しかしながら、特許文献2に記載の二重袋を連続形成することは極めて困難であった。
【0008】
すなわち、特許文献2に記載のチャック付二重袋は、チャックを備えた外袋の中に、チャックを備えた内袋を配設する構造になっている。この場合、チャックが閉じた外袋の中に、同じくチャックが閉じた状態の内袋を形成することになる。そうすると、外袋と内袋とを別体で形成し、後からこれらを接着する、といった前記特許文献1のような製造はできない。そのため、このタイプのチャック付二重袋を製袋機で連続形成することは極めて困難であった。
【0009】
したがって、外袋の内部に更に内袋が収納され、各袋に備えられたチャックによって各袋を封止することができるチャック付二重袋を連続形成することは、これまで提供されていなかった。そこで本発明は、上述の課題を解消すべく創出されたもので、連続形成が可能となるチャック付二重袋及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、合成樹脂製のフィルムにて形成され、外袋10の内部に仕切り片20Aを収納して内袋20が構成され、外袋10及び仕切り片20Aに備えられたチャックによって外袋10と内袋20との開口部を封止するチャック付二重袋の製造方法であって、外袋10を形成する帯状の外袋用フィルム1の長手両側縁の所定位置に、チャックを構成する雌型テープ11と雄型テープ12とを別々に接着する外袋チャック加工工程100と、仕切り片20Aを形成する仕切り用フィルム2の長手側縁と、前記外袋用フィルム1の外袋10内側面とに、チャックを構成する雌型テープ21と雄型テープ22とを別々に接着する内袋チャック加工工程200と、仕切り用フィルム2を介して外袋用フィルム1を重ねた状態で各雌型テープと雄型テープとが重合するように外袋用フィルム1を半折りする半折り加工工程300と、半折りされた外袋用フィルム1と外袋用フィルム1の間に介した仕切り用フィルム2とを同時に切断して二重袋を形成する切断工程400と、を備えた製造方法にある。
【0011】
第2の手段は、前記外袋チャック加工工程100及び内袋チャック加工工程200において、外袋用フィルム1の開口部に接着せしめる前記雌型テープ11及び雄型テープ12を所定の位置で搬送する外袋テープ搬送ロール13と、仕切り用フィルム2の開口部と外袋用フィルム1の内側とに接着せしめる前記雌型テープ21及び雄型テープ12を所定の位置で搬送する内袋テープ搬送ロール23と、を設け、各テープ搬送ロール13、23上に沿って前記外袋用フィルム1及び仕切り用フィルム2をそれぞれ搬送する際に、該外袋用フィルム1及び仕切り用フィルム2を加熱する熱板14、24を各テープ搬送ロール13、23上に配設し、外袋テープ搬送ロール13上で雌型テープ11と雄型テープ12とを外袋用フィルム1に接着し、内袋テープ搬送ロール23上で雌型テープ21と雄型テープ22とを仕切り用フィルム2及び外袋用フィルム1に接着することにある。
【0012】
第3の手段は、前記半折り加工工程300の後に、折り曲げられた屈曲端部をさらに内側に押し込んで前記外袋10の底部に底マチ部1Aを形成する底マチ部形成工程350を備えたことにある。
【0013】
第4の手段は、前記半折り加工工程300において、半折りされた前記外袋用フィルム1を半折りの折り目に沿って切り離す切離し工程360を備えている。
【0014】
第5の手段は、前記切離し工程360の後に、前記外袋用フィルム1の折り目に沿って形成された切断部分の内部に底マチ部1Aを形成する断面V字状に屈曲された底マチ用フィルムを挿入し、前記外袋10又は前記内袋20の底部に底マチ部1Aを形成する底マチ部形成工程370を備えている。
【0015】
第6の手段は、合成樹脂製のフィルムにて形成された外袋10の内部に仕切り片20Aが収納されて内袋20が構成され、各袋に備えられたチャックによって外袋10と内袋20との開口部を封止するチャック付二重袋において、前記外袋10は、帯状のフィルムの長手両側縁の近傍にチャックの雌型テープ11と雄型テープ12とが別々に接着された外袋用フィルム1にて形成され、前記内袋20は、帯状のフィルムの長手両側縁の近傍にチャックの雌型テープ21又は雄型テープ22のいずれか一方が接着された仕切り用フィルム2と、帯状のフィルムの内側にチャックの雌型テープ21又は雄型テープ22のいずれか一方が接着された外袋用フィルム1とで形成されたことにある。
【0016】
第7の手段において、前記外袋10に、底マチ部1Aを形成したものである。
【0017】
第8の手段において、前記外袋10又は内袋20のいずれか一方又は両方の底部が開口するように設けられたものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の製造方法によると、外袋10の内部に仕切り片20Aを収納して内袋20が構成され、外袋10と仕切り片20Aとに備えたチャックによって外袋10や内袋20を封止することができるチャック付二重袋を連続形成することに成功した。この結果、従来では極めて困難とされていたチャック付二重袋を効率良く、しかも安価に提供することができる。
【0019】
請求項2のごとく、外袋テープ搬送ロール13と内袋テープ搬送ロール23とを設け、テープ搬送ロール30上で、各フィルムに雌型テープ11、21及び雄型テープ12、22を熱板14、24にて接着することにより、外袋用フィルム1と仕切り用フィルム2とにチャックを分離した状態で加工しても、二重袋形成後に、各袋の各チャックを正確に開閉することができる。
【0020】
また、請求項3のごとき底マチ部形成工程350により、二重袋の底部に底マチ部1Aを形成することも可能である。
【0021】
請求項4のように、切離し工程360によって半折りされた外袋用フィルム1を半折りの折り目に沿って切り離すことで、外袋10や内袋20を封止するチャックの位置を自由に設定することが可能になる。
【0022】
第5の手段のごとく、切離し工程360の後に、外袋用フィルム1の切断された折り目に沿って底マチ部1Aを形成する底マチ部形成工程370により、外袋10又は内袋20の底部に任意の幅の底マチ部1Aを形成することができる。
【0023】
本発明の請求項6に記載のチャック付二重袋によると、外袋の内部に仕切り片20Aを収納して内袋20が構成され、各袋に備えられたチャックによって各袋を個別に封止することができる。
【0024】
請求項7又は請求項8の如き外袋10又は内袋20により、異なったタイプのチャック付二重袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明製造方法の外袋チャック加工工程及び内袋チャック加工工程を示す概略図である。
【図2】本発明製造方法の判折り加工及び切断工程を示す概略図である。
【図3】本発明の製造方法で製造された外袋用フィルムの半折り状態を示す概略図である。
【図4】本発明チャック付二重袋の一実施例を示す側断面図である。
【図5】本発明チャック付二重袋の一実施例を示す正面図である。
【図6】本発明チャック付二重袋の他の実施例を示す側断面図である。
【図7】本発明チャック付二重袋の他の実施例を示す正面図である。
【図8】本発明製造方法における判折り加工工程及び切断工程の他の実施例を示す概略図である。
【図9】本発明の製造方法で製造された外袋用フィルムの半折り状態の他の実施例を示す概略図である。
【図10】本発明チャック付二重袋の他の実施例を示す側断面図である。
【図11】本発明チャック付二重袋の他の実施例を示す正面図である。
【図12】本発明チャック付二重袋の他の実施例を示す側断面図である。
【図13】本発明チャック付二重袋の他の実施例を示す正面図である。
【図14】本発明製造方法の他の判折り加工工程及び切離し工程を示す概略図である。
【図15】本発明製造方法のシール方法及び切断工程の他の実施例を示す概略図である。
【図16】本発明製造方法のシール方法及び切断工程の他の実施例を示す概略図である。
【図17】本発明チャック付二重袋の他の実施例を示す側断面図である。
【図18】本発明製造方法の底マチ挿入工程及び切断工程を示す概略図である。
【図19】本発明チャック付二重袋の他の実施例を示す側断面図である。
【図20】本発明チャック付二重袋の他の実施例を示す正面図である。
【図21】本発明の製造方法を示すブロック図である。
【図22】本発明の他の製造方法を示すブロック図である。
【図23】本発明の他の製造方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明によると、外袋の内部に更に内袋が収納され、各袋に備えられたチャックによって各袋を封止することができるチャック付二重袋を連続形成することができるなど当初の目的を達成した。
【0027】
本発明チャック付二重袋は、合成樹脂製のフィルムにて形成されるもので、外袋10の内部に仕切り片20Aを収納して内袋20が構成され、各袋に備えられたチャックによって各袋を封止するように設けられている(図4参照)。外袋10に設けられるチャックは、雌型テープ11及び雄型テープ12にて構成される。また、内袋20に設けられるチャックは、外袋10と仕切り片20Aとに設けられた雌型テープ21及び雄型テープ22にて構成されるものである。
【0028】
フィルム1を形成する合成樹脂材は、例えば、ポリプロピレンフィルムにナイロンフィルムがラミネートされたフィルム材や、LDPEフィルム、HDPEフィルム、PETフィルム、アルミ蒸着フィルムなど任意の合成樹脂材を使用することが可能である。
【0029】
本発明製造方法は基本的に、外袋チャック加工工程100、内袋チャック加工工程200、半折り加工工程300、切断工程400にて行われる(図21参照)。
【0030】
外袋チャック加工工程100は、外袋10を形成する帯状の外袋用フィルム1の長手両側縁の所定位置に、雌型テープ11と雄型テープ12とを別々に接着する工程である。図示例では、雌型テープ11及び雄型テープ12を所定の位置で搬送する外袋テープ搬送ロール13を設けている(図1参照)。そして、外袋10形成時に、雌型テープ11と雄型テープ12とが相対向するように、この外袋テープ搬送ロール13で正確に搬送している。このとき、外袋テープ搬送ロール13の表面に位置調整溝13Aを形成し、この溝に沿って雌型テープ11及び雄型テープ12を搬送するように構成している。このように構成することで、チャックを分離した状態で外袋用フィルム1に配置しても、正確な位置に設けることができる。
【0031】
更に、外袋テープ搬送ロール13上に沿って外袋用フィルム1を搬送する際に、該外袋用フィルム1を加熱する一対の熱板14を外袋テープ搬送ロール13の上に配設している(図1参照)。この熱板14が外袋テープ搬送ロール13上で外袋用フィルム1を加熱することで、雌型テープ11及び雄型テープ12が外袋用フィルム1に接着される。
【0032】
内袋チャック加工工程200は、仕切り用フィルム2の開口縁と外袋用フィルム1内側とに、雌型テープ21と雄型テープ22とを別々に接着する工程である。この工程の一部は、前記外袋チャック加工工程100と同じ工程になる。すなわち、雌型テープ21及び雄型テープ22を所定の位置で搬送する内袋テープ搬送ロール23を設けている(図1参照)。そして、該内袋用フィルム2を加熱する熱板24を内袋テープ搬送ロール23上に一個配設し、この内袋テープ搬送ロール23上に沿って仕切り用フィルム2を搬送する際に、内袋テープ搬送ロール23上で仕切り用フィルム2に雌型テープ21及び雄型テープ22のいずれか一方を接着する。
【0033】
更に、内袋チャック加工工程200は、外袋用フィルム1の内側にも内袋用のチャックを加工する(図1参照)。このチャックは、仕切り用フィルム2に接着した雌型テープ21及び雄型テープ22のいずれか一方に嵌合するチャック用のテープが接着されるものである。そして、該外袋用フィルム1を加熱する熱板24を外袋テープ搬送ロール13上に一個配設し、この外袋テープ搬送ロール13上に沿って外袋用フィルム1を搬送する際に、外袋テープ搬送ロール13上で外袋用フィルム1に雌型テープ21及び雄型テープ22のいずれかを接着する。
【0034】
半折り加工工程300は、外袋用フィルム1と仕切り用フィルム2とを重ねた状態で外袋用フィルム1を半折りする工程である。この工程では、外袋用フィルム1上の雌型テープ11と雄型テープ12とが嵌合する位置に外袋用フィルム1が半折りされる(図2参照)。すなわち、雌型テープ11と雄型テープ12との間隔を二分する位置で外袋用フィルム1を折曲することで、外袋用フィルム1の開口部にチャックが形成されるものである。
【0035】
この半折り加工工程300では、外袋用フィルム1の間に介した仕切り用フィルム2のチャック用テープと、外袋用フィルム1に接着したもう一つのチャック用テープとが嵌合する位置にもなっている(図3参照)。図示例では、外袋用フィルム1を折曲すると、仕切り用フィルム2の雌型テープ21と外袋用フィルム1の雄型テープ22とを嵌合するチャックが形成される。
【0036】
また、半折り加工工程300において、外袋10の底部に収納口16を形成することができる(図6、図7参照)。この収納口16は、外袋10や内袋20に商品を収納する際に使用するもので、内袋20の底部に形成することも可能である。この収納口16は、通常、各袋の開口部を収納口16として使用する(図4、図5参照)が、各袋の開口部を封止した状態で各袋の底部から商品を収納し、その後この収納口16を密閉することも多く行われているものである。
【0037】
この半折り加工工程300の後に、折り曲げられた屈曲端部をさらに内側に押し込んで二重袋の底部に形成する底マチ部形成工程350を備える(図22参照)。この工程は、外袋用フィルム1の屈曲部に底マチ部1Aを形成する際に用いられる工程である。この底マチ部形成工程350では、底マチ部1Aを形成する屈曲部を成形ローラ30で押圧して底マチ部1Aを形成している(図2、図4参照)。
【0038】
更に、半折り加工工程300において、半折りされた外袋用フィルム1を半折りの折り目に沿って切り離す切離し工程360を備えることも可能である(図23参照)。この切離し工程360は、半折りされた外袋用フィルム1を半折りの折り目に沿って当てられる切離しカッター70によって行われる(図14参照)。この切離し工程360によって外袋用フィルム1を切離すことで、外袋チャック加工工程100や内袋チャック加工工程200におけるチャックの装着作業や位置調整作業を容易にすることができる。
【0039】
図14は、この切離し工程360を行う装置を示している。すなわち、外袋用フィルム1を半折りした時点で、この折り目に切離しカッター70を当てて切離すものである。次に、切離された外袋用フィルム1と仕切り用フィルム2とを搬送する際に行う外袋チャック加工工程100や内袋チャック加工工程200が行われる。
【0040】
また、切離し工程360を行った後に底マチ部1Aを形成する場合は、外袋用フィルム1の折り目に沿って形成された切断部分の内部に底マチ部1Aを形成する断面V字状に屈曲された底マチ用フィルム3を挿入する底マチ挿入工程370を設ける(図23参照)。そして、外袋10又は内袋20の底部に底マチ部1Aを形成する(図18参照)。図示例では外袋10の底部に底マチ部1Aを形成しているが(図19参照)、底マチ用フィルム3を挿入する位置を変更することで内袋20の底部に底マチ部1Aを形成することも可能である。この底マチ用フィルム3は、次の切断工程400の直前若しくは同時にシールされて底マチ部1Aを形成する。
【0041】
切断工程400は、外袋用フィルム1と仕切り用フィルム2とが重合され、且つ、半折りされた状態で各フィルムを同時に切断して二重袋を形成する工程である。この切断工程400において、焼切り熱シール40を使用して切断すると、切断時の熱で重なった切断端部を溶着できるので、切断作業と溶着作業とを同時に行うことができる(図2参照)。また、各フィルムを切断後、切断端部を帯状に溶着することも可能である。
【0042】
また、この切断工程400において、外袋用フィルム1の屈曲した部分をカッター50によって切断し収納口16を形成することも可能である(図8、図9参照)。このように、外袋用フィルム1の屈曲した部分に収納口16を形成することにより、更に多様な二重袋を形成することができる(図10、図11参照)。
【0043】
更に、外袋用フィルム1を切り離して使用する場合でも、図15に示すように底部をシールすると、上部が開放された二重袋を提供できる(図12、図13参照)。また、カッター50を使用せずに上部ヘッダーの位置をシールすると(図16参照)、下部が開放された二重袋を提供することが可能である(図17参照)。
【0044】
本発明二重袋は、前述の本発明製造方法によって製造されたチャック付二重袋であり、外袋10の内部に仕切り片20Aを収納して更に内袋20が構成されている。この外袋10は、合成樹脂製のフィルムにて形成された帯状のフィルムの長手両側縁の近傍にチャックの雌型テープ11と雄型テープ12とが別々に接着された外袋用フィルム1にて形成されている。
【0045】
また、内袋20は、合成樹脂製のフィルムにて形成された帯状の仕切り用フィルム2と外袋用フィルム1の内側とで構成されている。この内袋20には、仕切り用フィルム2に接着された雌型テープ21と雄型テープ22とのいずれか一方と、外袋用フィルム1に接着された他方の雌型テープ21又は雄型テープ22とが嵌合するチャックが設けられている。
【実施例1】
【0046】
図4及び図5は、本発明の合成樹脂製吊下げ袋の第1の実施例を示している。すなわち、外袋10は、吊下げ袋の形態を成し、外袋10の開口部に雌型テープ11と雄型テープ12とで構成したチャックを備えている。更に、外袋10の内部に内袋20を形成し、この内袋20の開口部を雌型テープ21と雄型テープ22とで構成したチャックを備えたものである。そして、この実施例では、外袋10の底部に底マチ部1Aを形成したものである。
【実施例2】
【0047】
図6及び図7は、本発明の合成樹脂製吊下げ袋の第2の実施例を示している。この実施例は、外袋10と内袋20との底部が開口したもので、これら外袋10と内袋20に収納物を収納した後、底部の開口部を熱シールして封止する(図示せず)。この外袋10を開口する場合、外袋10の上部に形成した開封線1Cに沿って開封する(図7参照)。このような二重袋によると、例えば、液体と粉末とを組み合わせて収納する他、ボルトとナットのような組み合わせ部品等を別々に収納するなどといった使用が可能である。
【実施例3】
【0048】
図10及び図11は、本発明の合成樹脂製吊下げ袋の第3の実施例を示している。この実施例では、外袋10の底部を切り離して収納口16を形成したものである。また、外袋10の開口部には、強化シール部17を施して合成樹脂製吊下げ袋の吊り下げ強度を高めている。この強化シール部17は、前述の切断工程400において、幅広のヒートシーラー60で形成する(図8参照)。そして、外袋10の開口部に雌型テープ11と雄型テープ12とで構成したチャックを備え、内袋20の開口部に雌型テープ21と雄型テープ22とで構成したチャックを備えたものである。
【実施例4】
【0049】
図12及び図13は、本発明の合成樹脂製吊下げ袋の第4の実施例を示している。この実施例では、外袋10の開口部にフラップ15を形成したものである。図示例では、このフラップ15を開くことで外袋10のチャックが開口する。このような二重袋においても例えば、液体と粉末とを組み合わせて収納する他、ボルトとナットの如く、組み合わせ部品等を別々に収納するなどといった使用が可能である。
【実施例5】
【0050】
図17は、本発明の合成樹脂製吊下げ袋の第5の実施例を示している。この実施例では、実施例3と同様に、外袋10の開口部に強化シール部17を施したものである。実施例3と異なるのは、内袋20の開口部が製袋時に開口している構成にある。したがって、この実施例5は実施例3の変形ということができる。
【実施例6】
【0051】
図19及び図20は、本発明の合成樹脂製吊下げ袋の第6の実施例を示している。この実施例では、実施例1と同様に、外袋10の底部に底マチ部1Aを形成したものである。実施例1と異なるのは、底マチ用フィルム3を使用して底マチ部1Aを形成した構成にある。このように底マチ用フィルム3を使用することにより、好みの幅の底マチ部1Aを形成することが可能になる。また、図示していないが、この実施例6の変形として、底マチ用フィルム3を内袋20の底部に使用して底マチ部1Aを形成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、合成樹脂材で形成される二重袋として利用される。このとき、外袋10は図示例の吊下げ袋に限定されものではなく、例えば開口部に、スライド自在なファスナーを備えたトラベルポーチ等を外袋10として使用することも可能である。更に、外袋10や内袋20の用途、形状やサイズ、あるいはチャックの位置や底マチ部1Aなどは、本発明の要旨を変更しない範囲で自由な設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 外袋用フィルム
1A 底マチ部
1B 粘着テープ
1C 開封線
1D 熱シール部
2 仕切り用フィルム
3 底マチ用フィルム
10 外袋
11 雌型テープ
12 雄型テープ
13 外袋テープ搬送ロール
13A 位置調整溝
14 熱板
15 フラップ
16 収納口
20 内袋
20A 仕切り片
21 雌型テープ
22 雄型テープ
23 内袋テープ搬送ロール
23A 位置調整溝
24 熱板
30 成形ローラ
40 焼切り熱シール
50 カッター
60 ヒートシーラー
70 切離しカッター
100 外袋チャック加工工程
200 内袋チャック加工工程
300 半折り加工工程
350 底マチ部形成工程
400 切断工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製のフィルムにて形成され、外袋の内部に仕切り片を収納して内袋が構成され、外袋及び仕切り片に備えられたチャックによって外袋と内袋との開口部を封止するチャック付二重袋の製造方法であって、外袋を形成する帯状の外袋用フィルムの長手両側縁の所定位置に、チャックを構成する雌型テープと雄型テープとを別々に接着する外袋チャック加工工程と、仕切り片を形成する仕切り用フィルムの長手側縁と、前記外袋用フィルムの外袋内側面とに、チャックを構成する雌型テープと雄型テープとを別々に接着する内袋チャック加工工程と、仕切り用フィルムを介して外袋用フィルムを重ねた状態で各雌型テープと雄型テープとが重合するように外袋用フィルムを半折りする半折り加工工程と、半折りされた外袋用フィルムと外袋用フィルムの間に介した仕切り用フィルムとを同時に切断して二重袋を形成する切断工程と、を備えたことを特徴とするチャック付二重袋の製造方法。
【請求項2】
前記外袋チャック加工工程及び内袋チャック加工工程において、外袋用フィルムの開口部に接着せしめる前記雌型テープ及び雄型テープを所定の位置で搬送する外袋テープ搬送ロールと、仕切り用フィルムの開口部と外袋用フィルムの内側とに接着せしめる前記雌型テープ及び雄型テープを所定の位置で搬送する内袋テープ搬送ロールと、を設け、各テープ搬送ロール上に沿って前記外袋用フィルム及び仕切り用フィルムをそれぞれ搬送する際に、該外袋用フィルム及び仕切り用フィルムを加熱する熱板を各テープ搬送ロール上に配設し、外袋テープ搬送ロール上で雌型テープと雄型テープとを外袋用フィルムに接着し、内袋テープ搬送ロール上で雌型テープと雄型テープとを仕切り用フィルム及び外袋用フィルムに接着する請求項1記載のチャック付二重袋の製造方法。
【請求項3】
前記半折り加工工程の後に、折り曲げられた屈曲端部をさらに内側に押し込んで前記外袋の底部に底マチ部を形成する底マチ部形成工程を備えた請求項1記載のチャック付二重袋の製造方法。
【請求項4】
前記半折り加工工程において、半折りされた前記外袋用フィルムを半折りの折り目に沿って切り離す切離し工程を備えた請求項1記載のチャック付二重袋の製造方法。
【請求項5】
前記切離し工程の後に、前記外袋用フィルムの折り目に沿って形成された切断部分の内部に底マチ部を形成する断面V字状に屈曲された底マチ用フィルムを挿入し、前記外袋又は前記内袋の底部に底マチ部を形成する底マチ部形成工程を備えた請求項4記載のチャック付二重袋の製造方法。
【請求項6】
合成樹脂製のフィルムにて形成された外袋の内部に仕切り片が収納されて内袋が構成され、各袋に備えられたチャックによって外袋と内袋との開口部を封止するチャック付二重袋において、前記外袋は、帯状のフィルムの長手両側縁の近傍にチャックの雌型テープと雄型テープとが別々に接着された外袋用フィルムにて形成され、前記内袋は、帯状のフィルムの長手両側縁の近傍にチャックの雌型テープ又は雄型テープのいずれか一方が接着された仕切り用フィルムと、帯状のフィルムの内側にチャックの雌型テープ又は雄型テープのいずれか一方が接着された外袋用フィルムとで形成されたことを特徴とするチャック付二重袋。
【請求項7】
前記外袋に、底マチ部を形成した請求項6記載のチャック付二重袋。
【請求項8】
前記外袋又は内袋のいずれか一方又は両方の底部が開口するように設けられた請求項6記載のチャック付二重袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−91444(P2012−91444A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242004(P2010−242004)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【特許番号】特許第4678625号(P4678625)
【特許公報発行日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000139115)株式会社リングストン (10)
【Fターム(参考)】