説明

テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置および計測装置

【課題】容易にテラヘルツ波の出射方向を変更することができるテラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置および計測装置を提供すること。
【解決手段】テラヘルツ波発生装置1は、パルス光を発生する複数の光源3と、前記複数の光源3で発生したパルス光が照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナ2とを備え、前記アンテナ2は、ギャップ23を介して対向配置された1対の電極22を複数有しており、前記複数の光源3の各々は、前記複数の1対の電極22のうちそれぞれ異なる前記1対の電極22間に前記パルス光を照射し、前記複数の1対の電極22のうち少なくとも2つの前記1対の電極22間に、互いにタイミングをずらしてパルス光を照射するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置および計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、100GHz以上、30THz以下の周波数を有する電磁波であるテラヘルツ波が注目されている。テラヘルツ波は、例えば、イメージング、分光計測等の各計測、非破壊検査等に用いることができる。
このテラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置は、サブp秒(数百f秒)程度のパルス幅をもつ光パルスを発生する光源装置と、光源装置で発生した光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナとを有している(例えば、特許文献1参照)。
このテラヘルツ波発生装置を用いて、イメージング、分光計測等の各計測、非破壊検査等を行う際は、テラヘルツ波を対象物全体に照射する必要がある。そして、テラヘルツ波を対象物全体に照射するためには、テラヘルツ波発生装置の向きを変更する等して、テラヘルツ波の出射方向を変更していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−105102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、容易にテラヘルツ波の出射方向を変更することができるテラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置および計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のテラヘルツ波発生装置は、パルス光を発生する複数の光源と、
前記複数の光源にて発生したパルス光が照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、ギャップを介して対向配置された1対の電極を複数有しており、
前記複数の光源の各々は、前記複数の1対の電極のうちそれぞれ異なる前記1対の電極間に前記パルス光を照射し、前記複数の1対の電極のうち少なくとも2つの前記1対の電極間に、互いにタイミングをずらしてパルス光を照射するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、容易かつ確実に、テラヘルツ波の出射方向を変更することができる。
【0006】
本発明のテラヘルツ波発生装置では、前記少なくとも2つの1対の電極間に互いにタイミングをずらしてパルス光を照射することにより、前記アンテナで発生するテラヘルツ波の出射方向を変更するよう構成されていることが好ましい。
これにより、容易かつ確実に、テラヘルツ波の出射方向を変更することができる。
本発明のテラヘルツ波発生装置では、前記パルス光の照射タイミングのずれ量は、パルス光のパルス幅よりも小さいことが好ましい。
これにより、容易かつ確実に、テラヘルツ波の出射方向を変更することができる。
【0007】
本発明のテラヘルツ波発生装置では、前記光源は、半導体レーザーであることが好ましい。
これにより、小型で簡易なテラヘルツ波発生装置を提供することができる。
本発明のテラヘルツ波発生装置では、前記複数の1対の電極のうち、一方の電極同士が電気的に接続されていることが好ましい。
これにより、簡易なテラヘルツ波発生装置を提供することができる。
【0008】
本発明のテラヘルツ波発生装置は、第1のパルス光を発生する第1の光源と、
前記第1のパルス光と位相が異なる第2のパルス光を発生する第2の光源と、
前記第1のパルス光と前記第2のパルス光とが照射されてテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、
第1電極、第2電極、第3電極、第4電極、を含み、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加され、
前記第3電極と前記第4電極との間に電圧が印加され、
前記第1のパルス光は、前記第1電極と前記第2電極との間に照射され、
前記第2のパルス光は、前記第3電極と前記第4電極との間に照射されることを特徴とする。
これにより、容易かつ確実に、テラヘルツ波の出射方向を変更することができる。
【0009】
本発明のカメラは、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、
前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、パルス光を発生する複数の光源と、
前記複数の光源にて発生したパルス光が照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、ギャップを介して対向配置された1対の電極を複数有しており、
前記複数の光源の各々は、前記複数の1対の電極のうちそれぞれ異なる前記1対の電極間に前記パルス光を照射し、前記複数の1対の電極のうち少なくとも2つの前記1対の電極間に、互いにタイミングをずらしてパルス光を照射するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、前記本発明の効果を有するカメラを提供することができる。
【0010】
本発明のイメージング装置は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、
前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、
前記テラヘルツ波検出装置の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像形成部と、を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、パルス光を発生する複数の光源と、
前記複数の光源にて発生したパルス光が照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、ギャップを介して対向配置された1対の電極を複数有しており、
前記複数の光源の各々は、前記複数の1対の電極のうちそれぞれ異なる前記1対の電極間に前記パルス光を照射し、前記複数の1対の電極のうち少なくとも2つの前記1対の電極間に、互いにタイミングをずらしてパルス光を照射するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、前記本発明の効果を有するイメージング装置を提供することができる。
【0011】
本発明の計測装置は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、
前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、
前記テラヘルツ波検出装置の検出結果に基づいて、前記対象物を計測する計測部と、を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、パルス光を発生する複数の光源と、
前記複数の光源にて発生したパルス光が照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、ギャップを介して対向配置された1対の電極を複数有しており、
前記複数の光源の各々は、前記複数の1対の電極のうちそれぞれ異なる前記1対の電極間に前記パルス光を照射し、前記複数の1対の電極のうち少なくとも2つの前記1対の電極間に、互いにタイミングをずらしてパルス光を照射するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、前記本発明の効果を有する計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のテラヘルツ波発生装置の第1実施形態を摸式的に示す図である。
【図2】図1に示すテラヘルツ波発生装置の光源装置の断面斜視図である。
【図3】図2中のA−A線での断面図である。
【図4】図2中のB−B線での断面図である。
【図5】本発明のテラヘルツ波発生装置の第2実施形態における光源ユニットを示す断面斜視図である。
【図6】本発明のテラヘルツ波発生装置の第3実施形態における光源装置を摸式的に示す平面図である。
【図7】本発明のテラヘルツ波発生装置の第4実施形態における光源装置を摸式的に示す平面図である。
【図8】本発明のテラヘルツ波発生装置の第5実施形態における光源装置を摸式的に示す平面図である。
【図9】本発明のイメージング装置の実施形態を示すブロック図である。
【図10】図9に示すイメージング装置のテラヘルツ波検出装置を示す平面図である。
【図11】対象物のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフである。
【図12】対象物の物質A、BおよびCの分布を示す画像の図である。
【図13】本発明の計測装置の実施形態を示すブロック図である。
【図14】本発明のカメラの実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のテラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置および計測装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のテラヘルツ波発生装置の第1実施形態を摸式的に示す図である。
図1に示すように、テラヘルツ波発生装置1は、出射のタイミングの異なる複数の光パルス(パルス光)を発生する光源ユニット10と、光源ユニット10で発生した光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナ2とを有している。
【0014】
アンテナ2は、本実施形態では、ダイポール形状光伝導アンテナ(PCA)であり、半導体基板である基板21と、半導体基板21上に設けられ、ギャップ23を介して対向配置された複数の1対の電極22、図示の構成では、例えば4つの1対の電極22とを有している。各1対の電極22間には、それそれ、所定の電圧が印加されており、その電極22間に、光パルス(パルス光)が照射されると、アンテナ2は、テラヘルツ波を発生する。なお、テラヘルツ波とは、周波数が、100GHz以上30THz以下の電磁波、特に、300GHz以上3THz以下の電磁波を言う。また、本実施形態では、複数の1対の電極22のうち一方の側同士および他方の側同士がそれぞれ導電体で電気的に接続されており、複数の1対の電極22のうち一方の側同士または他方の側同士には同一の電圧が印加される。なお、複数の1対の電極22間のそれぞれに個別に電圧源が接続されて、複数の1対の電極22間に個別に電圧を印加してもよい。
【0015】
基板21の形状は、図示の構成では、四角形をなしている。なお、基板21の形状は、四角形には限定されず、この他、例えば、円形、楕円形、三角形、五角形、6角形等が挙げられる。
また、1対の電極22の電極間距離dは、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、1対の電極22の幅wは、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、1対の電極22のピッチpは、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、10μm以上1mm以下であることが好ましい。
また、アンテナ2の寸法は、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、100μm以上10mm以下×100μm以上10mm以下であることが好ましい。
【0016】
ここで、このテラヘルツ波発生装置1では、光源ユニット10の後述する各光源装置3から、それぞれ、互いに異なる1対の電極22の電極間に光パルスを照射する。すなわち、各光源装置3と各1対の電極22とが1対1で対応している。換言すれば、各光源装置3はそれぞれ異なる1対の電極22間を照射する。そして、光源ユニット10により、各1対の電極22の電極間に、互いにタイミングをずらして光パルスを照射する。これにより、各1対の電極22間において、互いに位相の異なるテラヘルツ波が発生し、それらのテラヘルツ波が合成され、前記光パルスの照射タイミングをずらさない場合を基準として、アンテナ2で発生するテラヘルツ波の出射方向が変更される。
【0017】
また、光パルスの照射タイミングのずれ量は、特に限定されず、テラヘルツ波の目標の出射方向や、諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、光パルスのパルス幅よりも小さいことが好ましい。具体的には、光パルスの照射タイミングのずれ量は、光パルスのパルス幅の1%以上50%以下であることが好ましく、3%以上40%以下であることがより好ましい。
【0018】
なお、前記光パルスの照射タイミングのずれ量を調整することにより、テラヘルツ波の出射方向を調整することができる。
これは、テラヘルツ波発生装置1に対して、予め、照射タイミングのずれ量と、テラヘルツ波の出射方向との関係を示す演算式やテーブル等の検量線を実験的に求め、テラヘルツ波発生装置1の図示しない記憶部に記憶し、必要時にそれを読み出して使用するように構成することで実現することができる。
【0019】
次に、光源ユニット10について説明する。
光源ユニット10は、複数の光源装置(光源)3、図示の構成では、4つの光源装置3を有している。以下、代表的に、4つの光源装置3のうちの1つについて説明する。
図2〜図4に示すように、光源装置3は、本実施形態では、光パルスを発生する光パルス発生部4と、光パルス発生部4で発生した光パルスに対し、パルス圧縮を行う第1のパルス圧縮部5と、第1のパルス圧縮部5でパルス圧縮がなされた光パルスに対し、パルス圧縮を行う第2のパルス圧縮部7と、光パルスを増幅する増幅部6とを有している。
【0020】
増幅部6は、第1のパルス圧縮部5の前段、または第1のパルス圧縮部5と第2のパルス圧縮部7との間に設けられるが、図示の構成では、増幅部6は、第1のパルス圧縮部5と第2のパルス圧縮部7との間に設けられている。これにより、第1のパルス圧縮部5でパルス圧縮がなされた光パルスが、増幅部6で増幅され、増幅部6で増幅された光パルスが、第2のパルス圧縮部7でパルス圧縮がなされる。
また、光源装置3から出射する光パルスのパルス幅(半値幅)は、特に限定されないが、10f秒以上800f秒以下であることが好ましい。
また、光パルス発生部4は、例えば、DBRレーザー、DFBレーザー、モード同期レーザー等、いわゆる半導体レーザーを用いることができる。この光パルス発生部4で発生する光パルスのパルス幅は、特に限定されないが、1p秒以上100p秒以下であることが好ましい。
【0021】
また、第1のパルス圧縮部5は、可飽和吸収に基づくパルス圧縮を行うものである。すなわち、第1のパルス圧縮部5は、可飽和吸収体を有しており、その可飽和吸収体により、光パルスを圧縮し、そのパルス幅を減少させる。
また、第2のパルス圧縮部7は、群速度分散補償に基づくパルス圧縮を行うものである。すなわち、第1のパルス圧縮部5は、群速度分散補償媒体、本実施形態では、結合導波路構造を有しており、その結合導波路構造により、光パルスを圧縮し、そのパルス幅を減少させる。
【0022】
また、光源装置3の光パルス発生部4と、第1のパルス圧縮部5と、増幅部6と、第2のパルス圧縮部7とは、一体化、すなわち同一基板上に集積されている。
具体的には、光源装置3は、半導体基板である基板31と、基板31上に設けられたクラッド層32と、クラッド層32上に設けられた活性層33と、活性層33上に設けられた導波路構成プロセス用エッチングストップ層34と、導波路構成プロセス用エッチングストップ層34上に設けられたクラッド層35と、クラッド層35上に設けられたコンタクト層36と、導波路構成プロセス用エッチングストップ層34上に設けられた絶縁層37と、基板31の表面に設けられたクラッド層32側の電極38と、コンタクト層36および絶縁層37の表面に設けられたクラッド層35側の電極391、392、393、394および395とを有している。また、第2のパルス圧縮部7の導波路構成プロセス用エッチングストップ層34と、クラッド層35との間には、回折格子30が設けられている。なお、導波路構成プロセス用エッチングストップ層は、活性層の直上に限らず、例えば、クラッド層の中に設けられていてもよい。
【0023】
なお、各部の構成材料は、特に限定されないが、一例として、基板31、コンタクト層36としては、それぞれ、例えば、GaAs等が挙げられる。また、クラッド層32、35、導波路構成プロセス用エッチングストップ層34、回折格子30としては、それぞれ、例えば、AlGaAs等が挙げられる。また、活性層33としては、例えば、多重量子井戸と呼ばれる量子効果を用いた構成等が挙げられる。具体的には、活性層33としては、例えば、井戸層(GaAs井戸層)とバリア層(AlGaAsバリア層)とを交互に複数ずつ設けてなる多重量子井戸等で構成された分布屈折率型多重量子井戸と呼ばれる称される構造のもの等が挙げられる。
【0024】
また、図示の構成では、光源装置3における導波路は、クラッド層32と、活性層33と、導波路構成プロセス用エッチングストップ層34と、クラッド層35とで構成されている。また、クラッド層35は、導波路の上部にのみ、その導波路に対応した形状に設けられている。また、クラッド層35は、不要な部分をエッチングにより除去することにより形成されている。なお、製造方法によっては、導波路構成プロセス用エッチングストップ層34を省略してもよい。
【0025】
また、クラッド層35およびコンタクト層36は、それぞれ、2つずつ設けられている。一方のクラッド層35およびコンタクト層36は、光パルス発生部4と、第1のパルス圧縮部5と、増幅部6と、第2のパルス圧縮部7の一部を構成し、連続的に設けられており、他方のクラッド層35およびコンタクト層36は、第2のパルス圧縮部7の一部を構成している。すなわち、第2のパルス圧縮部7には、1対のクラッド層35と、1対のコンタクト層36とが設けられている。
【0026】
また、電極391は、光パルス発生部4のクラッド層35に対応するように設けられ、また、電極392は、第1のパルス圧縮部5のクラッド層35に対応するように設けられ、また、電極393は、増幅部6のクラッド層35に対応するように設けられ、また、電極394および395は、それぞれ、第2のパルス圧縮部7の2つのクラッド層35に対応するように設けられている。なお、電極38は、光パルス発生部4、第1のパルス圧縮部5、増幅部6および第2のパルス圧縮部7の共通の電極である。そして、電極38と電極391とで光パルス発生部4の1対の電極が構成され、また、電極38と電極392とで第1のパルス圧縮部5の1対の電極が構成され、また、電極38と電極393とで増幅部6の1対の電極が構成され、また、電極38と電極394、電極38と電極395とで第2のパルス圧縮部7の2対の電極が構成される。
なお、光源装置3の全体形状は、図示の構成では、直方体をなしているが、これに限定されないことは、言うまでもない。
また、光源装置3の寸法は、特に限定されないが、例えば、1mm以上10mm以下×0.5mm以上5mm以下×0.1mm以上1mm以下とすることができる。
【0027】
次に、テラヘルツ波発生装置1の作用について説明する。
テラヘルツ波発生装置1では、まず、光源ユニット10の各光源装置3の光パルス発生部4で、それぞれ、光パルスを発生する。以下、代表的に1つの光源装置3について説明する。光パルス発生部4で発生した光パルスのパルス幅は、目標のパルス幅に比べて大きい。その光パルス発生部4で発生した光パルスは、導波路を通り、第1のパルス圧縮部5、増幅部6、第2のパルス圧縮部7をこの順序で順次通過する。
【0028】
まず、第1のパルス圧縮部5で、光パルスに対し、可飽和吸収に基づくパルス圧縮がなされ、光パルスのパルス幅が減少する。次に、増幅部6で、光パルスが増幅される。最後に、第2のパルス圧縮部7で、光パルスに対し、群速度分散補償に基づくパルス圧縮がなされ、光パルスのパルス幅がさらに減少する。このようにして、目標のパルス幅の光パルスが発生し、第2のパルス圧縮部7から出射する。この場合、各光源装置3からは、互いにタイミング(または位相)をずらして光パルスを出射する。
各光源装置3から出射した光パルスは、それぞれ、アンテナ2の対応する電極22間に、互いにタイミング(または位相)をずらして照射され、そのアンテナ2で、テラヘルツ波が発生する。このテラヘルツ波の出射方向は、前述したように、光パルスの照射タイミングをずらさない場合を基準として、変更される。
【0029】
以上説明したように、このテラヘルツ波発生装置1によれば、容易かつ確実に、テラヘルツ波の出射方向を変更することができる。
また、各光源装置3が第1のパルス圧縮部5、増幅部6および第2のパルス圧縮部7を有しているので、各光源装置3の小型化、ひいてはテラヘルツ波発生装置1の小型化を図りつつ、所望の波高で、かつ所望のパルス幅の光パルスを発生することができ、これにより、所望のテラヘルツ波を確実に発生することができる。また、各光源装置3の駆動信号のタイミングを変えことにより、容易に各光源装置3の発光タイミングを変えてアンテナ2に照射することができる。すなわち、アンテナ2に照射する光パルスのタイミングを変えるために遅延素子などの追加構成を設ける必要がなく、簡易な構成とすることができる。
【0030】
なお、必要に応じて、各1対の電極22の電極間に、同一のタイミングで光パルスを照射してもよい。
また、4つの1対の電極22のうち、2つまたは3つの1対の電極22の電極間に、互いにタイミングをずらして光パルスを照射してもよい。
また、光源ユニット10の光源装置3の数およびアンテナ2の1対の電極22の数は、それぞれ、4つには限定されず、2つ、3つ、または5つ以上であってもよい。
【0031】
<第2実施形態>
図5は、本発明のテラヘルツ波発生装置の第2実施形態における光源ユニットを示す断面斜視図である。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については前述の実施形態と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0032】
図5に示すように、第2実施形態のテラヘルツ波発生装置1では、光源ユニット10は、光パルス発生部4と、第1のパルス圧縮部5と、増幅部6と、第2のパルス圧縮部7とを有する複数の単位ユニット8を備えており、これらの単位ユニットが並設、すなわちアレイ化されている。各単位ユニット8は、それぞれ、前記第1実施形態における光源装置3に対応している。
なお、この第2実施形態は、後述する第3実施形態、第4実施形態および第5実施形態にも適用することができる。
【0033】
<第3実施形態>
図6は、本発明のテラヘルツ波発生装置の第3実施形態における光源装置を摸式的に示す平面図である。なお、図6では、導波路91を破線で示し、また、第1のパルス圧縮部5、増幅部6および第2のパルス圧縮部7をそれぞれ破線で囲って示す。
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については前述の実施形態と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0034】
図6に示すように、第3実施形態のテラヘルツ波発生装置1の光源装置3では、導波路91が複数回、交互に折り曲げられている。すなわち、導波路91は、ジグザグに形成されている。
また、第1のパルス圧縮部5は、図6中下側に位置し、また、増幅部6は、図6中上側に位置している。そして、第1のパルス圧縮部5および増幅部6において、それぞれ導波路91が複数回折り曲げられている。また、光パルス発生部4と第1のパルス圧縮部5との境界部、増幅部6と第2のパルス圧縮部7との境界部において、それぞれ導波路91が1回折り曲げられている。
【0035】
また、光源装置3は、導波路91の折り曲げ部分に、光パルスを反射させる反射膜92を有している。この反射膜92は、光源装置の1対の側面に、それぞれ設けられている。この反射膜92により、光パルスが導波路91に沿って進むようにその光パルスを反射させることができる。
なお、光源装置3の光パルスの出射部93には、反射膜92は設けられていない。また、出射部93には、反射防止膜(図示せず)を設けてもよい。
このテラヘルツ波発生装置1によれば、光源装置3の導波路91が複数回折り曲げられているので、光路長、すなわち、導波路91の直線距離を長くすることができ、これにより、光源装置3の長さを短くすることができ、さらに小型化を図ることができる。
【0036】
<第4実施形態>
図7は、本発明のテラヘルツ波発生装置の第4実施形態における光源装置を模式的に示す平面図である。なお、図7では、導波路を破線で示し、また、第1のパルス圧縮部5、増幅部6および第2のパルス圧縮部7をそれぞれ破線で囲って示す。
以下、第4実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については前述の実施形態と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0037】
図7に示すように、第4実施形態のテラヘルツ波発生装置1の光源装置3では、導波路91が3回、交互に折り曲げられており、増幅部6においては、導波路91は、1回だけ折り曲げられている。
なお、増幅部6を第1のパルス圧縮部5の前段に設ける場合は、第1のパルス圧縮部5において、導波路91は、1回だけ折り曲げられる。
【0038】
<第5実施形態>
図8は、本発明のテラヘルツ波発生装置の第5実施形態における光源装置を摸式的に示す平面図である。なお、図8では、導波路を破線で示し、また、第1のパルス圧縮部5、増幅部6および第2のパルス圧縮部7をそれぞれ破線で囲って示す。
以下、第5実施形態について、前述した第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0039】
図8に示すように、第5実施形態のテラヘルツ波発生装置1の光源装置3では、反射膜92は省略されている。
また、導波路91の折り曲げ部分における図8に示す角度θは、臨界角以上に設定されている。これにより、導波路91の折り曲げ部分に反射膜92を設けることなく、光パルスを反射させることができ、構造を簡素化することができる。
また、光源装置3の光パルスの出射部93に反射防止膜94が設けられている。これにより、出射部93から光パルスを出射させることができる。
なお、この第5実施形態は、前記第3実施形態にも適用することができる。
【0040】
<イメージング装置の実施形態>
図9は、本発明のイメージング装置の実施形態を示すブロック図である。図10は、図9に示すイメージング装置のテラヘルツ波検出装置を示す平面図である。
図9に示すように、イメージング装置100は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置1と、テラヘルツ波発生装置1から出射し、対象物150を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置11と、テラヘルツ波検出装置11の検出結果に基づいて、対象物150の画像、すなわち、画像データを生成する画像形成部12とを備えている。
【0041】
テラヘルツ波発生置1としては、本実施形態では、前記第1実施形態〜第5実施形態のうちのいずれかのものを用いる。
また、テラヘルツ波検出装置11としては、例えば、目的の波長のテラヘルツ波を通過させるフィルター15と、フィルター15を通過した前記目的の波長のテラヘルツ波を熱に変換して検出する検出部17とを備えたものを用いる。また、検出部17としては、例えば、テラヘルツ波を熱に変換して検出するもの、すなわち、テラヘルツ波を熱に変換し、そのテラヘルツ波のエネルギー(強度)を検出し得るものを用いる。このような検出部としては、例えば、焦電センサー、ボロメーター等が挙げられる。なお、テラヘルツ波検出装置11としては、前記の構成のものに限定されないことは、言うまでもない。
【0042】
また、フィルター15は、2次元的に配置された複数の画素(単位フィルター部)16を有している。すなわち、各画素16は、行列状に配置されている。
また、各画素16は、互いに異なる波長のテラヘルツ波を通過させる複数の領域、すなわち、通過させるテラヘルツ波の波長(以下、「通過波長」とも言う)が互いに異なる複数の領域を有している。なお、図示の構成では、各画素16は、第1の領域161、第2の領域162、第3の領域163および第4の領域164を有している。
【0043】
また、検出部17は、フィルター15の各画素16の第1の領域161、第2の領域162、第3の領域163および第4の領域164に対応してそれぞれ設けられた第1の単位検出部171、第2の単位検出部172、第3の単位検出部173および第4の単位検出部174を有している。各第1の単位検出部171、各第2の単位検出部172、各第3の単位検出部173および各第4の単位検出部174は、それぞれ、各画素16の第1の領域161、第2の領域162、第3の領域163および第4の領域164を通過したテラヘルツ波を熱に変換して検出する。これにより、各画素16のそれぞれにおいて、4つの目的の波長のテラヘルツ波をそれぞれ確実に検出することができる。
【0044】
次に、イメージング装置100の使用例について説明する。
まず、分光イメージングの対象となる対象物150は、3つの物質A、BおよびCで構成されている。イメージング装置100は、この対象物150の分光イメージングを行う。また、ここでは、一例として、テラヘルツ波検出装置1は、対象物150を反射したテラヘルツ波を検出することとする。
【0045】
図11は、対象物150のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフである。
テラヘルツ波検出装置1のフィルター15の各画素16においては、第1の領域161および第2の領域162を使用する。
また、第1の領域161の通過波長をλ1、第2の領域162の通過波長をλ2とし、対象物150で反射したテラヘルツ波の波長λ1の成分の強度をα1、波長λ2の成分の強度をα2としたとき、その強度α2と強度α1の差分(α2−α1)が、物質Aと物質Bと物質Cとで、互いに顕著に区別できるように、前記第1の領域161の通過波長λ1および第2の領域162の通過波長λ2が設定されている。
【0046】
図11に示すように、物質Aにおいては、対象物150で反射したテラヘルツ波の波長λ2の成分の強度α2と波長λ1の成分の強度α1の差分(α2−α1)は、正値となる。
また、物質Bにおいては、強度α2と強度α1の差分(α2−α1)は、零となる。
また、物質Cにおいては、強度α2と強度α1の差分(α2−α1)は、負値となる。
【0047】
イメージング装置100により、対象物150の分光イメージングを行う際は、まず、テラヘルツ波発生装置1により、テラヘルツ波を発生し、そのテラヘルツ波を対象物150に照射する。そして、対象物150で反射したテラヘルツ波をテラヘルツ波検出装置11で、α1およびα2として検出する。この検出結果は、画像形成部12に送出される。なお、この対象物150へのテラヘルツ波の照射および対象物150で反射したテラヘルツ波の検出は、対象物150の全体に対して行う。この場合、前記対象物150へのテラヘルツ波の照射は、光源ユニット10により、各1対の電極22間に、互いにタイミングをずらして光パルスを照射し、その光パルスの照射タイミングのずれ量を変更することにより、テラヘルツ波の出射方向を変更して行う。
【0048】
画像形成部12においては、前記検出結果に基づいて、フィルター15の第2の領域162を通過したテラヘルツ波の波長λ2の成分の強度α2と、第1の領域161を通過したテラヘルツ波の波長λ1の成分の強度差α1の差分(α2−α1)を求める。そして、対象物150のうち、前記差分が正値となる部位を物質A、前記差分が零となる部位を物質B、前記差分が負値となる部位を物質Cと判断し、特定する。
【0049】
また、画像形成部12では、図12に示すように、対象物150の物質A、BおよびCの分布を示す画像の画像データを作成する。この画像データは、画像形成部12から図示しないモニターに送出され、そのモニターにおいて、対象物150の物質A、BおよびCの分布を示す画像が表示される。この場合、例えば、対象物150の物質Aの分布する領域は黒色、物質Bの分布する領域は灰色、物質Cの分布する領域は白色に色分けして表示される。このイメージング装置100では、以上のように、対象物150を構成する各物質の同定と、その各部質の分布測定とを同時に行うことができる。
なお、イメージング装置100の用途は、前記のものに限らず、例えば、人物に対してテラヘルツ波を照射し、その人物を透過または反射したテラヘルツ波を検出し、画像形成部12において処理を行うことにより、その人物が、拳銃、ナイフ、違法な薬物等を所持しているか否かを判別することもできる。
【0050】
<計測装置の実施形態>
図13は、本発明の計測装置の実施形態を示すブロック図である。
以下、計測装置の実施形態について、前述したイメージング装置の実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については前述の実施形態と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図13に示すように、計測装置200は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置1と、テラヘルツ波発生装置1から出射し、対象物160を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置11と、テラヘルツ波検出装置11の検出結果に基づいて、対象物160を計測する計測部13とを備えている。
【0051】
次に、計測装置200の使用例について説明する。
計測装置200により、対象物160の分光計測を行う際は、まず、テラヘルツ波発生装置1により、テラヘルツ波を発生し、そのテラヘルツ波を対象物160に照射する。そして、対象物160を透過または反射したテラヘルツ波をテラヘルツ波検出装置11で検出する。この検出結果は、計測部13に送出される。なお、この対象物160へのテラヘルツ波の照射および対象物160を透過または反射したテラヘルツ波の検出は、対象物160の全体に対して行う。この場合、前記対象物160へのテラヘルツ波の照射は、光源ユニット10により、各1対の電極22間に、互いにタイミングをずらして光パルスを照射し、その光パルスの照射タイミングのずれ量を変更することにより、テラヘルツ波の出射方向を変更して行う。
計測部13においては、前記検出結果から、フィルター15の第1の領域161、第2の領域162、第3の領域163および第4の領域164を通過したテラヘルツ波のそれぞれの強度を把握し、対象物160の成分およびその分布の分析等を行う。
【0052】
<カメラの実施形態>
図14は、本発明のカメラの実施形態を示すブロック図である。
以下、カメラの実施形態について、前述したイメージング装置の実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については前述の実施形態と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14に示すように、カメラ300は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置1と、テラヘルツ波発生装置1から出射し、対象物170を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置11とを備えている。
【0053】
次に、カメラ300の使用例について説明する。
カメラ300により、対象物170を撮像する際は、まず、テラヘルツ波発生装置1により、テラヘルツ波を発生し、そのテラヘルツ波を対象物170に照射する。そして、対象物170を透過または反射したテラヘルツ波をテラヘルツ波検出装置11で検出する。この検出結果は、記憶部14に送出され、記憶される。なお、この対象物170へのテラヘルツ波の照射および対象物170を透過または反射したテラヘルツ波の検出は、対象物170の全体に対して行う。この場合、前記対象物170へのテラヘルツ波の照射は、光源ユニット10により、各1対の電極22間に、互いにタイミングをずらして光パルスを照射し、その光パルスの照射タイミングのずれ量を変更することにより、テラヘルツ波の出射方向を変更して行う。また、前記検出結果は、例えば、パーソナルコンピューター等の外部装置に送信することもできる。パーソナルコンピューターでは、前記検出結果に基づいて、各処理を行うことができる。
【0054】
以上、本発明のテラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置および計測装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、本発明では、光源装置3(光源ユニット10)において、光パルス発生部が別体になっていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…テラヘルツ波発生装置 2…アンテナ 21…基板 22…電極 23…ギャップ 3…光源装置 30…回折格子 31…基板 32、35…クラッド層 33…活性層 34…導波路構成プロセス用エッチングストップ層 36…コンタクト層 37…絶縁層 38、391〜395…電極 4…光パルス発生部 5…第1のパルス圧縮部 6…増幅部 7…第2のパルス圧縮部 8…単位ユニット 91…導波路 92…反射膜 93…出射部 94…反射防止膜 10…光源ユニット 11…テラヘルツ波検出装置 12…画像形成部 13…計測部 14…記憶部 15…フィルター 16…画素 161…第1の領域 162…第2の領域 163…第3の領域 164…第4の領域 17…検出部 171…第1の単位検出部 172…第2の単位検出部 173…第3の単位検出部 174…第4の単位検出部 100…イメージング装置 150、160、170…対象物 200…計測装置 300…カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス光を発生する複数の光源と、
前記複数の光源にて発生したパルス光が照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、ギャップを介して対向配置された1対の電極を複数有しており、
前記複数の光源の各々は、前記複数の1対の電極のうちそれぞれ異なる前記1対の電極間に前記パルス光を照射し、前記複数の1対の電極のうち少なくとも2つの前記1対の電極間に、互いにタイミングをずらしてパルス光を照射するよう構成されていることを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つの1対の電極間に互いにタイミングをずらしてパルス光を照射することにより、前記アンテナで発生するテラヘルツ波の出射方向を変更するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波発生装置。
【請求項3】
前記パルス光の照射タイミングのずれ量は、パルス光のパルス幅よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のテラヘルツ波発生装置。
【請求項4】
前記光源は、半導体レーザーであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。
【請求項5】
前記複数の1対の電極のうち、一方の電極同士が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。
【請求項6】
第1のパルス光を発生する第1の光源と、
前記第1のパルス光と位相が異なる第2のパルス光を発生する第2の光源と、
前記第1のパルス光と前記第2のパルス光とが照射されてテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、
第1電極、第2電極、第3電極、第4電極、を含み、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加され、
前記第3電極と前記第4電極との間に電圧が印加され、
前記第1のパルス光は、前記第1電極と前記第2電極との間に照射され、
前記第2のパルス光は、前記第3電極と前記第4電極との間に照射されることを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
【請求項7】
テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、
前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、パルス光を発生する複数の光源と、
前記複数の光源にて発生したパルス光が照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、ギャップを介して対向配置された1対の電極を複数有しており、
前記複数の光源の各々は、前記複数の1対の電極のうちそれぞれ異なる前記1対の電極間に前記パルス光を照射し、前記複数の1対の電極のうち少なくとも2つの前記1対の電極間に、互いにタイミングをずらしてパルス光を照射するよう構成されていることを特徴とするカメラ。
【請求項8】
テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、
前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、
前記テラヘルツ波検出装置の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像形成部と、を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、パルス光を発生する複数の光源と、
前記複数の光源にて発生したパルス光が照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、ギャップを介して対向配置された1対の電極を複数有しており、
前記複数の光源の各々は、前記複数の1対の電極のうちそれぞれ異なる前記1対の電極間に前記パルス光を照射し、前記複数の1対の電極のうち少なくとも2つの前記1対の電極間に、互いにタイミングをずらしてパルス光を照射するよう構成されていることを特徴とするイメージング装置。
【請求項9】
テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置と、
前記テラヘルツ波発生装置から出射し、対象物を透過または反射したテラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出装置と、
前記テラヘルツ波検出装置の検出結果に基づいて、前記対象物を計測する計測部と、を備え、
前記テラヘルツ波発生装置は、パルス光を発生する複数の光源と、
前記複数の光源にて発生したパルス光が照射されることによりテラヘルツ波を発生するアンテナと、を備え、
前記アンテナは、ギャップを介して対向配置された1対の電極を複数有しており、
前記複数の光源の各々は、前記複数の1対の電極のうちそれぞれ異なる前記1対の電極間に前記パルス光を照射し、前記複数の1対の電極のうち少なくとも2つの前記1対の電極間に、互いにタイミングをずらしてパルス光を照射するよう構成されていることを特徴とする計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−222303(P2012−222303A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89539(P2011−89539)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】