説明

テープフィーダ

【課題】キャリアテープの停止位置精度を確保しつつテープフィーダの幅寸法を極力小さくすることが可能なテープフィーダを提供することを目的とする。
【解決手段】テープ送り機構のスプロケット20を回転駆動する駆動系の構成において、スプロケット20に設けられた円形開口部20bにスプロケット歯車部材23の一方の側面の凸部23aを嵌合させてスプロケット20と同軸で結合し、他方の側面に凸設された軸部23bをフィーダ本体部のフレーム部材24に固定して設けられた軸受け部38によって軸支する構造とし、さらに磁気式エンコーダの回転磁気円板40を凸部23aに埋設してスプロケット20と一体に回転させて、回転磁気円板40に相対向する検出器41によってスプロケット20の絶対回転位置を検出する構成とする。これにより、テープ停止位置精度を確保しつつテープフィーダ5の幅寸法Bを極力小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装装置に装着して用いられキャリアテープに保持された電子部品を部品実装機構による部品吸着位置に供給するテープフィーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装装置における部品供給装置として、電子部品を保持したキャリアテープを間欠送りすることにより、部品実装機構の実装ヘッドによる部品吸着位置に電子部品を供給するテープフィーダが多用される。テープフィーダにおけるテープ送り機構としては、キャリアテープに等ピッチで設けられた送り孔に係合するスプロケットをモータを駆動源とする回転駆動機構によってインデックス回転させる構成が用いられる。この構成において、回転駆動機構を構成する歯車部品などの駆動部品の機械誤差によるキャリアテープのテープ送り誤差を補正するため、スプロケットの絶対回転位置をエンコーダによって検出し、機械誤差に起因する位置ずれを補正する構成のテープフィーダが用いられるようになっている(例えば特許文献1参照)。この特許文献に示す先行技術においては、スプロケットの絶対回転角を光学式エンコーダによって検出した結果に基づいて回転量を補正する補正テーブルを作成しておき、モータ制御において補正量をフィードフォワードすることによりキャリアテープを基準位置に停止させるようにしている。これにより、安価で低精度の伝導部品を用いた場合にあってもキャリアテープの停止位置精度を高精度に保つことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−227491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テープフィーダは部品実装装置の部品供給部に複数が並列状態で装着されることから、1つのキャリアテープ当たりのテープフィーダの幅寸法を極力狭くすることが求められる。しかしながら、上述の先行技術例においては、スプロケットを用いた従来構成のテープ送り機構に加えて、スプロケットの絶対回転位置を検出するための光学式エンコーダがスプロケットと並列する形で設けられていることから、テープ送り機構の厚み寸法をコンパクト化することが困難であった。このため、キャリアテープの停止位置精度を確保しつつテープフィーダの幅寸法を極力小さくすることには限界があった。
【0005】
そこで本発明は、キャリアテープの停止位置精度を確保しつつテープフィーダの幅寸法を極力小さくすることが可能なテープフィーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテープフィーダは、電子部品実装装置の部品供給部に並列して装着され、電子部品を収納したキャリアテープをピッチ送りすることにより、実装ヘッドによる部品吸着位置に前記電子部品を供給するテープフィーダであって、前記部品供給部のフィーダ装着ベースに着脱自在に装着され当該テープフィーダの全体形状を構成するフィーダ本体部と、前記フィーダ本体部の前記テープ送り方向における下流端部に軸線を水平にした姿勢で配置され前記キャリアテープに定ピッチで設けられた送り孔に係合する送りピンが外周に設けられたスプロケットと、前記スプロケットにおいて前記軸線と同軸の円形形状で貫通して設けられた円形開口部と、一方の側面に凸部が形成され前記円形開口部に前記凸部を嵌合させることにより前記スプロケットと同軸で結合されるスプロケット歯車部材と、前記フィーダ本体部に固定して設けられ前記スプロケット歯車部材の他方の側面に凸設された軸部を軸支する軸受け部と、前記スプロケット歯車を回転駆動することにより前記スプロケットに回転を伝達する駆動機構と、回転磁気円板に検出器を相対向させて構成され、前記凸部に埋設されて前記スプロケットと一体に回転する回転磁気円板が前記検出器に対して相対回転することにより、前記スプロケットの絶対回転位置を検出する磁気式エンコーダとを備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、テープ送り機構のスプロケットを回転駆動する駆動系の構成において、スプロケットに設けられた円形開口部にスプロケット歯車部材の一方の側面に設けられた凸部を嵌合させてスプロケットと同軸で結合し、他方の側面に凸設された軸部をフィーダ本体部に固定して設けられた軸受け部によって軸支する構造とし、さらに磁気式エンコーダの回転磁気円板を前記凸部に埋設してスプロケットと一体に回転させて、回転磁気円板に相対向する検出器によってスプロケットの絶対回転位置を検出する構成を採用することにより、エンコーダの占有幅寸法を極力削減して、キャリアテープの停止位置精度を確保しつつテープフィーダの幅寸法を極力小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態の部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の部品実装装置の部分断面図
【図3】本発明の一実施の形態のテープフィーダの構成説明図
【図4】本発明の一実施の形態のテープフィーダのテープ送り機構における駆動機構の構成説明図
【図5】本発明の一実施の形態のテープフィーダのテープ送り機構における駆動機構の平面図
【図6】本発明の一実施の形態のテープフィーダのテープ送り機構における駆動機構の部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1、図2を参照して、基板に電子部品を実装する部品実装装置1の構成を説明する。部品実装装置1は、基板に半導体チップなどの電子部品を実装する機能を有するものであり、図2は、図1におけるA−A断面を部分的に示している。
【0010】
図1において基台1aの中央にはX方向(基板搬送方向)に基板搬送機構2が配設されている。基板搬送機構2は上流側から搬入された基板3を搬送し、部品実装作業を実行するために設定された実装ステージに位置決めして保持する。基板搬送機構2は基板3を位置決めして保持する基板保持部となっている。基板搬送機構2の両側方には、部品供給部4が配置されており、それぞれの部品供給部4には複数のテープフィーダ5が並設されている。テープフィーダ5は、テープ状部材の部品収納面に電子部品を保持したキャリアテープをピッチ送りすることにより、以下に説明する部品実装機構の実装ヘッドによる部品吸着位置に電子部品を供給する。
【0011】
基台1a上面の両端部上にはY軸テーブル6A,6Bが配設されており、Y軸テーブル6A,6B上には2台のX軸テーブル7A、7Bが架設されている。Y軸テーブル6Aを駆動することにより、X軸テーブル7AがY方向に水平移動し、Y軸テーブル6Bを駆動することにより、X軸テーブル7BがY方向に水平移動する。X軸テーブル7A,7Bには、それぞれ実装ヘッド8および実装ヘッド8と一体的に移動する基板認識カメラ9が装着されている。
【0012】
Y軸テーブル6A,X軸テーブル7A,Y軸テーブル6B,X軸テーブル7Bをそれぞれ組み合わせて駆動することにより実装ヘッド8は水平移動し、それぞれの部品供給部4から電子部品を吸着ノズル8a(図2参照)によってピックアップし、基板搬送機構2に位置決めされた基板3上に実装する。Y軸テーブル6A,X軸テーブル7A,Y軸テーブル6B,X軸テーブル7Bは、実装ヘッド8を移動させるヘッド移動機構となっている。
【0013】
実装ヘッド8とともに基板3上に移動した基板認識カメラ9は、基板3を撮像して認識する。また部品供給部4から基板搬送機構2に至る経路には、部品認識カメラ10が配設されている。部品供給部4から電子部品を取り出した実装ヘッド8が実装ステージに位置決めされた基板3へ移動する際に、吸着ノズル8aに保持された電子部品を部品認識カメラ10の上方でX方向に移動させることにより、部品認識カメラ10は吸着ノズル8aに保持された電子部品を撮像する。そして撮像結果を認識装置(図示省略)によって認識処理することにより、吸着ノズル8aに保持された状態における電子部品の位置が認識されるとともに、電子部品の種類が識別される。ノズル保持部11は、複数種類の吸着ノズル8aを所定姿勢で収納し、実装ヘッド8がノズル保持部11にアクセスしてノズル交換動作を行うことにより、実装ヘッド8において対象とする電子部品の種類に応じてノズル交換が行われる。
【0014】
部品供給部4の構造を説明する。図2に示すように、部品供給部4には複数のテープフィーダ5を着脱自在に装着するためのフィーダ装着ベース4aが設けられている。テープフィーダ5は、フィーダ装着用の台車12によって部品供給部4に配置され、台車12には、キャリアテープ15を巻回状態で収納したテープリール14を保持するためのリール保持部13が設けられている。リール保持部13はテープリール14を回転自在に保持するための保持ローラを備えており、部品供給部4に配置されたテープリール14を回転させることにより、キャリアテープ15を引き出すことができるようになっている。
【0015】
次に、図3を参照してテープフィーダ5の構成および機能を説明する。図3に示すように、テープフィーダ5は当該テープフィーダ5の全体形状を構成するフィーダ本体部5aおよびフィーダ本体部5aの下面から下方に凸設された装着部5bを備えた構成となっている。フィーダ本体部5aの下面をフィーダ装着ベース4aに沿わせてテープフィーダ5を装着した状態では、装着部5bに設けられたコネクタがフィーダ装着ベース4aに嵌合する。これにより、テープフィーダ5は部品供給部4に固定装着されるとともに、テープフィーダ5は部品実装装置1の制御装置と電気的に接続される。
【0016】
フィーダ本体部5aの内部には、フィーダ本体部5aのテープ送り方向における上流端部に開口するテープ走行路5cが、実装ヘッド8による部品吸着位置まで連通して設けられている。テープ走行路5cは、テープリール14から引き出されてフィーダ本体部5a内に導入されたキャリアテープ15のテープ送りをフィーダ本体部5aの上流側から実装ヘッド8による部品吸着位置までガイドする機能を有している。
【0017】
キャリアテープ15は、テープ本体を構成するベーステープ15aに、電子部品16を収納保持する部品ポケット15bおよびキャリアテープ15をピッチ送りするための送り穴15dを所定ピッチで設けた構成となっている。ベーステープ15aの下面において部品ポケット15bに対応した位置は下方に突出したエンボス部15cとなっている。ベーステープ15aの上面は、部品ポケット15bから電子部品16が脱落するのを防止するために、部品ポケット15bを覆ってトップテープ15eによって封止されている。
【0018】
フィーダ本体部5aには、キャリアテープ15をピッチ送りするためのテープ送り部17が内蔵されている。テープ送り部17は、フィーダ本体部5aのテープ送り方向における下流端部に軸線を水平にした姿勢で配置されたスプロケット20、スプロケット20に同軸で結合されたスプロケット歯車部材23、スプロケット歯車部材23を回転駆動する駆動機構19および駆動機構19を制御するフィーダ制御部18を備えている。スプロケット20の外周に設けられた送りピン20a(図4参照)をキャリアテープ15の送り穴15dに係合させた状態で駆動機構19を駆動することにより、キャリアテープ15はテープ走行路5cに沿ってピッチ送りされる。
【0019】
スプロケット20の手前側は、部品ポケット15b内の電子部品16を、実装ヘッド8の吸着ノズル8aによって吸着して取り出す部品吸着位置となっている。スプロケット20近傍のフィーダ本体部5aの上面側には、押さえ部材21が配設されており、押さえ部材21には吸着ノズル8aによる部品吸着位置に対応して吸着開口部22が設けられている。吸着開口部22の上流端は、トップテープ15eを剥離するためのトップテープ剥離部22aとなっている。
【0020】
キャリアテープ15が押さえ部材21の下方を走行する過程において、トップテープ15eをトップテープ剥離部22aを周回させて上流側に引き出すことによって、部品吸着位置の上流側のテープ剥離位置にてトップテープ15eがベーステープ15aから剥離され、上流側へ折り返される。折り返されたトップテープ15eは、ガイド機構26によってガイドされてトップテープ送り機構25によってフィーダ本体部5aの上流側に設けられたテープ回収部27内へ送り込まれる。これにより、部品ポケット15b内の電子部品16は吸着開口部22において上方へ露呈され、吸着ノズル8aによる取り出しが可能な状態となる。
【0021】
次に、図4,図5,図6を参照して、スプロケット20に結合されたスプロケット歯車部材23の詳細構造およびスプロケット歯車部材23を回転駆動することによりスプロケット20に回転を伝達する駆動機構19の構成を説明する。なお図6は、図5におけるC−C断面を示している。
【0022】
図4は薄型モータ30,駆動機構19およびスプロケット20より成るテープ送り機構を側面視した駆動系統図であり、図4に示すように、駆動機構19は、回転軸30aをX方向(テープフィーダ5の幅方向)に向けた水平姿勢にして配設された薄型モータ30と、複数組の減速歯車より成る減速機構とを備えており、薄型モータ30の回転を減速機構によって減速してスプロケット歯車部材23に伝達する構成となっている。ここでは、複数組の減速歯車として、いずれも薄型の平歯車である第1ピニオンギア31と第1スパーギア32および第2ピニオンギア34と第2スパーギア35とを組み合わせた2組の減速歯車を備えており、薄型モータ30の回転を減速機構によって減速して第2スパーギア35を介してスプロケット歯車部材23に伝達するようにしている。なお、ここでは記載を簡潔にするためこれらの歯車はピッチ円のみを図示している。
【0023】
図5は、上述のテープ送り機構を平面視した駆動系統図である。なお、図5は各機構要素のX方向の配列を示すものであり、Y方向については各機構要素の位置関係は実際の配置(図4に示す配置)とは異なっている。図5において、薄型モータ30の回転軸30aには、第1ピニオンギア31が結合されており、第1ピニオンギア31が噛合する第1スパーギア32の回転軸33は、フィーダ本体部5aを構成するフレーム部材24に軸受け部33aを介して回転自在に軸支されている。回転軸33の端部には第2ピニオンギア34が結合されており、第2ピニオンギア34が噛合する第2スパーギア35は、フレーム部材24に固定された固定軸36によって軸受け部36aを介して回転自在に軸支されている。そして第2スパーギア35はスプロケット20と同軸で結合されたスプロケット歯車部材23と噛合している。薄型モータ30が駆動されることによる回転軸30aの回転は、第1ピニオンギア31と第1スパーギア32との減速比、第2ピニオンギア34と第2スパーギア35との減速比に応じて減速され、スプロケット歯車部材23を介してスプロケット20に伝達される。
【0024】
ここで、スプロケット歯車部材23のスプロケット20への結合形態、スプロケット歯車部材23の軸支形態について説明する。図5,図6に示すように、スプロケット20には,スプロケット20およびスプロケット歯車部材23の軸線CL(図6参照)と同軸で、円形開口部20bがスプロケット20の厚みを貫通して円形形状で設けられている。スプロケット歯車部材23の一方(図6において左側)の側面には円形開口部20bに嵌合する形状の凸部23aが形成されており、凸部23aを円形開口部20bに嵌合させることにより、スプロケット歯車部材23はスプロケット20と同軸で結合される。
【0025】
フレーム部材24においてスプロケット20の軸線に対応した位置には、玉軸受けを用いた軸受け部38の外環が嵌着されており、軸受け部38の内環にはスプロケット歯車部材23の他方の側面(凸部23aの反対面)に凸設された軸部23bが嵌合している。軸部23bの側端面には止め部材39がねじ締結されており、これにより軸部23bの軸受け部38からの抜け止めがなされている。すなわち、スプロケット20およびスプロケット歯車部材23は、軸受け部38を介してフィーダ本体部5aのフレーム部材24に軸支されている。フレーム部材24の外面には、テープフィーダ5の両側面を覆う側面カバー部材37が装着されており、前述のテープ送り機構は側面カバー部材37によって閉囲されている。
【0026】
このテープ送り機構の駆動系統において、薄型モータ30から回転軸30aが延出する方向(矢印a)と、スプロケット歯車部材23から軸部23bが延出する方向(矢印c)とを同一方向とし、これらの中間に位置する第1スパーギア32から回転軸33が延出する方向(矢印b)を、矢印a、cと逆方向に設定するようにしている。これにより、図4に示す薄型モータ30、第1スパーギア32、第2スパーギア35、スプロケット歯車部材23、スプロケット20を配列する要素部品配置において、各要素部品の幅方向の重なりを最大限許容して、図5,図6に示す幅寸法Bを極力削減することが可能となっている。
【0027】
次にテープフィーダ5においてスプロケット20の絶対回転位置を検出するために設けられた磁気式エンコーダについて説明する。図5,図6において、凸部23aの中心部には、回転磁気円板40が機能面を凸部23aの側面に露呈させた状態で埋設されている。スプロケット20がスプロケット歯車部材23とともに回転することにより、回転磁気円板40もスプロケット20と一体的に回転する。図6に示すように、回転磁気円板40に相対向する位置には、側面カバー部材37に固着されたブラケット42に取り付けられた検出器41が配設されており、検出器41はフィーダ制御部18に接続されている。
【0028】
回転磁気円板40に検出器41を相対向させた状態で、回転磁気円板40が検出器41に対して相対回転することにより、検出器41は回転検出信号をフィーダ制御部18に対して出力する。この回転検出信号は、回転磁気円板40と一体的に回転するスプロケット20の絶対回転位置を示すものである。フィーダ制御部18には、このようにして検出された絶対回転位置と正規のテープ送り位置に対応したスプロケット20の回転停止位置との位置ずれ量を示す補正テーブル18aが記憶されており、部品供給時のテープ送り動作においては、フィーダ制御部18がこの補正テーブル18aに基づいて薄型モータ30の駆動時の補正量をフィードフォワードする。これにより、薄型モータ30からスプロケット20に回転を伝導する伝導部品が部品精度に起因する伝導誤差を有する場合にあっても、キャリアテープ15の停止位置精度を高精度に保つことが可能となっている。
【0029】
上記説明したように、本実施の形態に示すテープフィーダ5は、テープ送り機構のスプロケット20を回転駆動する駆動系の構成において、スプロケット20に設けられた円形開口部20bにスプロケット歯車部材23の一方の側面に設けられた凸部23aを嵌合させてスプロケット20と同軸で結合し、他方の側面に凸設された軸部23bをフィーダ本体部5aのフレーム部材24に固定して設けられた軸受け部38によって軸支する構造とし、さらに磁気式エンコーダの回転磁気円板40を凸部23aに埋設してスプロケット20と一体に回転させて、回転磁気円板40に相対向する検出器41によってスプロケット20の絶対回転位置を検出する構成を採用したものである。これにより、エンコーダの占有幅寸法を極力削減することが可能となり、キャリアテープ15の停止位置精度を確保しつつテープフィーダ5の幅寸法Bを極力小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のテープフィーダは、キャリアテープの停止位置精度を確保しつつテープフィーダの幅寸法を極力小さくすることができるという効果を有し、電子部品実装装置においてキャリアテープに保持された電子部品を供給する分野において有用である。
【符号の説明】
【0031】
1 部品実装装置
3 基板
4 部品供給部
4a フィーダ装着ベース
5 テープフィーダ
5a フィーダ本体部
8 実装ヘッド
15 キャリアテープ
16 電子部品
17 テープ送り部
18 フィーダ制御部
19 駆動機構
20 スプロケット
20a 送りピン
20b 円形開口部
23 スプロケット歯車部材
23a 凸部
23b 軸部
24 フレーム部材
30 薄型モータ
31 第1ピニオンギア
32 第1スパーギア
34 第2ピニオンギア
35 第2スパーギア
38 軸受け部
40 回転磁気円板
41 検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品実装装置の部品供給部に並列して装着され、電子部品を収納したキャリアテープをピッチ送りすることにより、実装ヘッドによる部品吸着位置に前記電子部品を供給するテープフィーダであって、
前記部品供給部のフィーダ装着ベースに着脱自在に装着され当該テープフィーダの全体形状を構成するフィーダ本体部と、
前記フィーダ本体部の前記テープ送り方向における下流端部に軸線を水平にした姿勢で配置され前記キャリアテープに定ピッチで設けられた送り孔に係合する送りピンが外周に設けられたスプロケットと、
前記スプロケットにおいて前記軸線と同軸の円形形状で貫通して設けられた円形開口部と、
一方の側面に凸部が形成され前記円形開口部に前記凸部を嵌合させることにより前記スプロケットと同軸で結合されるスプロケット歯車部材と、
前記フィーダ本体部に固定して設けられ前記スプロケット歯車部材の他方の側面に凸設された軸部を軸支する軸受け部と、
前記スプロケット歯車を回転駆動することにより前記スプロケットに回転を伝達する駆動機構と、
回転磁気円板に検出器を相対向させて構成され、前記凸部に埋設されて前記スプロケットと一体に回転する回転磁気円板が前記検出器に対して相対回転することにより、前記スプロケットの絶対回転位置を検出する磁気式エンコーダとを備えたことを特徴とするテープフィーダ。
【請求項2】
前記駆動機構は、回転軸を水平姿勢にして配設された薄型モータと、複数組の減速歯車より成る減速機構とを備え、前記薄型モータの回転を前記減速機構によって減速して前記スプロケット歯車部材に伝達する構成であることを特徴とする請求項1記載のテープフィーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−12572(P2013−12572A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144031(P2011−144031)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】