説明

ディスポーザブル無線生理学的センサ

患者の生理学的パラメータのモニタ装置は、温度の変化の検出において第1の信号を生じる少なくとも一つの応答素子を備えたセンサアセンブリを含む。そのアセンブリは、第1の信号を電気信号に変換する変換器と、問い合わせ装置からの送信信号の受信に基づいて、要求に応じて変換された電気信号を無線送信する送信器も含む。好ましくは、単一使用又は単一の被験者への使用を可能とするために、センサアセンブリの少なくとも一部分は使い捨て可能であり、さらに被験者に加えて医療機器の位置情報の追跡にも使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に診断医学の分野、より詳しくは、被験者の体温又は他の生理学的パラメータを受動的に測定する無線センサアセンブリを含む診断医学装置に関するものであり、又はセンサアセンブリの少なくとも一部が使い捨て可能であるという特徴を有する装置に位置付けられ、若しくは関連する診断デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
体温計は、患者の中核体温の測定についての医学分野で一般に知られている。これらのデバイスの多くでは、熱電対又はサーミスタのような温度測定若しくは検知素子を少なくとも一つ保持又は包含するプローブが、舌下のくぼみ、脇の下、直腸内、又は外耳道などの身体部位に置かれる。そして温度検知素子は、温度を予測するか、その検知素子が環境温度に到達するまで身体部位にとどめ置かれ、その後プローブがユーザによる読み取りのために除去されるか、測定値が表示される。
【0003】
あるいは、温度計は、効果的に読み取り/測定時間を短縮するために、身体部位の温度に近づけるように検知素子の温度を予熱するために用いられる抵抗ヒータ又は別の形式のヒータを含むことができる。
【0004】
上記の無線温度計デバイスに加えて、制御部とプローブアセンブリ間の”束縛”を効果的に取り除くデバイスが、アーバス等による米国特許第5252962号公報及び米国特許第6054935号公報で開示されている。今日まで、そのようなデバイスは、特定の獣医学的用途での使用及び埋め込み型デバイスの関連においてのみ見られた。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5252962号公報
【特許文献2】米国特許第6054935号公報
【発明の開示】
【0006】
そこで、本発明の主たる目的は、多用途で、使い捨て可能で、低コストな、患者体温又は他の生理学的パラメータの測定装置を提供することにある。
【0007】
本発明の別の主たる目的は、患者の体温を継続的に測定し、要求に応じてアクセス可能な、体温計などの無線生理学的パラメータ測定装置を提供することにある。
【0008】
そのため、本発明の好ましい一側面によれば、患者の生理学的パラメータの少なくとも一つを測定する装置が開示される。その装置は、
生理学的パラメータの変化の検出において第1の信号を生じる少なくとも一つの生理学的パラメータ応答素子と、第1の信号を電気信号に変換する変換器と、要求に応じて変換された電気信号を無線送信する送信器を含むセンサアセンブリと、
上記センサアセンブリに対して信号を無線送信する送信器を備える問い合わせ装置とを有し、上記センサアセンブリは、問い合わせ装置が信号を送信するまで上記少なくとも一つの生理学的パラメータ応答素子の測定値を送信せず、且つ上記センサアセンブリは、生理学的パラメータ測定値が重大な遅延なく取得されることを可能とするために患者上に配置され、上記アセンブリの少なくとも一部は使い捨て可能(ディスポーザブル)である。
【0009】
好ましくは、センサアセンブリの少なくとも一部が使い捨て可能なので、選択的に1回限りの使用又は一人の患者の使用に専ら用いるものとし、及び/又は離散的な度数で使用してもよい。
【0010】
センサアセンブリは、例えば、病院内又は医師のオフィスのエンカウンターで、この情報が患者とともに追跡可能な問い合わせ装置によるその後のアクセスのために、誕生日、保険業者情報、家族症病歴などを含む人口統計(demographics)を含む患者又はデバイスに関するデータのような情報を保存することを可能にするプログラマブルASICを含むことができる。好ましくは、そのASICはディスポーザブルセンサアセンブリの裏面に取り付けられ、患者に対する使用の後、センサアセンブリの少なくとも一部が廃棄される一方で、ASICは留め具を外され、または開放可能なように取り外され、再使用可能となる。例えば、ここに示される独創的なコンセプトを用いて、温度センサアセンブリは、一回限りの使用、又は一人若しくは複数の患者の使用を可能とするように、バッテリ、アンテナ及びサーミスタなど、少なくとも一部をスクリーン印刷するなどの技術を利用して、柔軟に構成することができる。
【0011】
また、本装置は、体温に加えて、あるいは体温の代わりに、血液ガス、酸素飽和度SPO2、血圧及び心拍数を含む、しかしこれらに限定されない別の生理学的パラメータを測定する能力を有する。この目的を達成するために、多用途及び多重使用が可能なように様々なバイオセンサが本アセンブリに取り付け可能となっている。被験者へのセンサアセンブリの近接性により、その装置は、例えば体温の場合、“予測”温度装置としてでなく、モニタとして効果的に動作する。
【0012】
その装置によって取得される測定値を、温度/パルス及び他の有用なパラメータのデータ傾向化/解析を可能とするように、アーカイブに保管し、又は記憶し、そしてデータログに残すことができる。
【0013】
本発明の別の変形によれば、ここに示される独創的なコンセプトを採用する温度センサアセンブリは、被験者の四肢(例えば、腕又は脚)の周りに巻きつけられる、膨張式の血圧計カフのような巻き付け型のディスポーザブル装置内に配置することができる。
【0014】
その構成によると、パラメータセンサアセンブリは、複数のパラメータ応答素子を含むことができ、又は、被験者の異なる部位に好適に付けることができる。例えば、一組の温度センサアセンブリを、温度変動、例えば、四肢の骨折、血栓若しくは他の知覚可能な問題を求めるために、極めて簡単且つ好適な方法で被験者に取り付けることができる。
【0015】
さらに、本デバイスは、他の用途にも利用することができる。例えば、本デバイスを癌性の腫瘍の近傍に埋め込んだり、特定部位における線量の測定も同様に可能な同一のセンサを含むことができる。この検出を、放射線治療の正しい線量を求めるために効果的に使用することができる。サイズの利便性によって、パラメータ測定アセンブリは、身体表面の測定に限られず、そのデバイスを、必要に応じて、モニタ目的のために、好適に取り付けられ、又は埋め込まれて使用することができ、治療終了時に除去することができる。
【0016】
ここに記述した測定装置は、さらに、腺近傍の埋め込みにより、実時間ベースで血管及び動脈壁のストレスをモニタするために使用することができ、そして、例えば、特定部位においてトレーサー成分とともにドープされた分泌物の測定に使用することができる。それらが他の流体と相互作用する前に、又は、例えば、薬物送達及び他の治療などのデータの実時間収集として、若しくは対象物の位置を追跡するために、測定値を取得することができる。
【0017】
本発明の好ましい別の側面によれば、被験者の体温を測定する無線温度計装置が提供される。その温度計は、
体温の変化の検出において第1の信号を生じる少なくとも一つの温度応答素子と、第1の信号を電気信号に変換する変換器と、要求に応じて変換された電気信号を無線送信する送信器を含むセンサアセンブリと、
上記センサアセンブリに対して信号を無線送信する送信器を備える問い合わせ装置とを有し、上記センサアセンブリは、問い合わせ装置が信号を送信するまで上記少なくとも一つの温度応答素子の測定値を送信せず、且つ上記センサアセンブリは、温度測定値が重大な遅延なく取得されることを可能とするために患者上に配置され、上記アセンブリの少なくとも一部は使い捨て可能である。
【0018】
本発明の好ましいさらに別の側面によれば、被験者の生理学的パラメータの少なくとも一つを測定する方法が開示される。その方法は、
トリガ信号に応答する生理学的パラメータセンサを少なくとも一つ含むディスポーザブルセンサアセンブリを被験者の身体に取り付けるステップと、
上記センサアセンブリの周辺にトリガ信号を選択的に送信するステップとを有し、上記センサアセンブリは、上記トリガ信号の受信に対する応答においてのみ上記センサからの測定値を送信し、上記センサアセンブリの少なくとも一部は使い捨て可能である。
【0019】
本発明の好ましいさらに別の側面によれば、病室内の医療機器の位置を識別する方法が開示される。その方法は、
そこに保存された上記機器に関する情報を含むプログラマブルASICと、双方向通信を可能にするためのアンテナ、無線受信器及び無線送信器とを含むセンサアセンブリを医療機器の少なくとも一部品に取り付けるステップと、
病室内の問い合わせ装置からトリガ信号を選択的に送信するステップと、
上記センサアセンブリの少なくとも一部は使い捨て可能であり、上記トリガ信号の受信に対する応答においてのみ上記センサアセンブリから上記問い合わせ装置に対して製品情報を送信するステップとを有する。
【0020】
説明してきたように、センサアセンブリの少なくとも一部は使い捨て可能であり、且つ、好ましくは、追跡若しくは在庫調査目的において、粘着剤又は他の手段を通じて機器に容易に取り付けられる柔軟なストリップから作成される。この機能は、機器の値段又は被験者に対して行われた処置の値段のどちらかに対する議論の解決と同様に課金目的のために有用である。その機能は、較正データのような、しかしそれに限られない製品の一部に対する生理学的データの結合及び追跡にも有用である。
【0021】
本発明のディスポーザビリティの側面は、患者への用途に対する使用を容易とし、被験者又は患者間の二次汚染のリスクを低減する。
【0022】
本発明によって実現される一つの利点は、温度又は他の生理学的パラメータを要求に応じて瞬時に取得できることにある。そのため、本測定装置によって時間の節約が現実に達成されるものとなる。
【0023】
提供される他の利点は、本アセンブリは完全にワイヤレスであり、そのことによって煩わしいケーブル、ワイヤ若しくはコネクタを省き、被験者、患者及び介護人の利便性と汎用性を提供することにある。
【0024】
他の利点は、センサアセンブリが高い柔軟性を有するとともに相対的に軽量であるということにある。センサアセンブリを、バイタルサインモニタ又は病室内に見られる他の装置などの機器の如何なる部品にも取り付けることができ、在庫管理の一部として装置の位置を追跡するために、あるいは問い合わせ装置を用いて病室内に機器が存在するか否かの検出にセンサアセンブリを使用することを可能とする。
【0025】
これら及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面とともに参照される詳細な説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下の説明は、特定の好ましい実施形態及び本発明にしたがって作成された患者の生理学的パラメータ測定装置の応用に関するものである。しかし、本発明の意図した範囲内で実現可能な修正や変形が存在することは、当業者に容易に分かるであろう。さらに、またこの説明を通して、特定の用語が、読者を補助するため、及び添付図面に関する参照の枠組みを提供するために使用される。しかし、これらの用語を、特に示された場合を除いて、本発明の概念の意図された範囲に対する公然たる限定として解すべきではない。
【0027】
図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態にしたがって作成された、無線患者モニタ又は測定装置10が示される。この無線モニタ装置10は、患者センサアセンブリ20及び問い合わせ装置30を含む。患者センサアセンブリ20は、好ましくは少なくとも一部が使い捨て可能で、被験者の肌に対して着脱可能であり、好適に何処にでも貼り付けられるように、センサアセンブリは肌に直接取り付けることを可能とする粘着パッド又はジェルを含む。この例において、センサアセンブリ20は、患者34の首領域に取り付けられるものとして示される。しかし、後述するように、センサアセンブリ20は単に被験者への取り付けに限定されず、そのため、他の様々な使用や用途の多数の例があることが示される。
【0028】
図6において概略的に示されるように、本実施形態によるセンサアセンブリ20は、生理学的パラメータに対して応答するセンサ又は素子を少なくとも一つ含む。この実施形態では、例えば、サーミスタ、熱電対若しくは他の小型の温度応答センサのような少なくとも一つの温度応答素子24が備えられる。そのセンサは、温度応答素子で生成された電気信号を、問い合わせ装置30に送信可能なデジタル信号に変換する、アナログデジタル変換器を含む低電力回路に電気的に接続される。センサアセンブリ20に対する電力が、問い合わせ装置30から生成されたトリガ信号により、磁気的に受動的な接続を通じて生成されるように、センサアセンブリは電力生成/電力制御ブロックを含む。あるいは、そのブロックを、トリガ信号の受信でセンサアセンブリ20の動的電力供給を可能とするように構成してもよく、センサアセンブリが、トリガ信号が問い合わせ装置に送信されたか否かにかかわらず動的となるように構成してもよい。
【0029】
さらに、センサアセンブリ20は、処理された信号をアンテナ36を用いて無線で問い合わせ装置30に送信可能な、無線送受信回路32を用いてデジタル信号をルーティングする回路を含む。上記の構成部品のそれぞれは、好ましくはパッチ状構成でセンサアセンブリに含まれる。さらに、特定のセンサアセンブリの例を、図2〜図5を参照して以下に説明する。
【0030】
第1の実施形態によると、図2及び図3に示すように、使い捨て可能な二つの部品のセンサアセンブリ50は、第1の使い捨て可能な保持部分54と第2の再利用可能部分58を含む。“使い捨て可能”なことによって、1回の使用の後、又は一人の患者への使用の後、その部分を廃棄したり、取り換えたりすることができることを意味する。このアセンブリの第1の使い捨て可能部分54は、粘着性の裏当て70を有するフレキシブルストリップ66に接着された、サーミスタのような温度応答素子62を含む。温度応答素子62から接続結合パッド78の組まで伸びるリード線74は、フレキシブルストリップ66に組み込まれている。このアセンブリ50の再利用可能部分58は、軽量プラスチック素材で製造された本体部84と、好ましくは、無線送信/受信器92及びアンテナ96に加えて組み込み型のプログラマブルASIC88を含む。ここで再利用可能部分58は、好ましくはフレキシブルストリップ66の上面68に、取り外し可能に取り付けられる。好ましくは、使い捨て可能な支持部分54は、スクリーン印刷又は他の技術を用いて製造される。
【0031】
別の実施形態によると、図4及び図5に示されるように、本発明によるセンサアセンブリの第2のタイプ100は、好ましくは使い捨てか一人の被験者の使用の何れかのために、単一の部品として製造することができる。この実施形態によれば、センサアセンブリ100は、それぞれが互いに動作可能に接続された、温度応答素子として機能するサーミスタ112、無線送信器116、無線受信器120、アンテナ124に加えて、組み込み型のプログラマブルASIC108を含むフレキシブル基盤104によって特徴付けられる。上記のように、温度応答素子を他の形式のものに置き換えてもよい。これらのセンサ部のそれぞれにおいて、図6のブロック35に図式的に示されるように、ユニットデバイス又はシリアル情報を、ユニット/タグ情報と同様に両方のパラメータデータを、センサアセンブリ100によるトリガ信号の受信に引き続いて問い合わせ装置30に送信可能なようにASIC108のプログラマブルメモリに保存することができる。
【0032】
図1、6及び7を参照すると、問い合わせ装置30は、対応するアンテナ46と同様に、センサアセンブリ20と無線通信を可能とするために、無線トランシーバ形式のオンボード送受信回路38を含むPALMタイプ装置又は携帯情報端末(PDA)のような携帯端末であることが好ましい。本発明によると、センサアセンブリ20と問い合わせ装置30間の無線通信は、RF(無線周波数)の生成を通じて行われる形式である。しかし、これに限定されず、光、超音波、赤外線を含む無線通信の他の方法も同様に利用することができる。さらに、問い合わせ装置30は、操作のために、装置の筐体138の相対面上の入力コントローラ132とともに、LCD128のようなディスプレイを含むユーザインターフェース48を含む。例えば、所定のレベルを超える測定値がトリガとなって警告を発生させるような警告限界閾値をその装置によって設定したり、プログラムすることができる。
【0033】
もう一度図6を参照すると、問い合わせ装置30は、センサアセンブリ20から得た測定値とともに使用される、少なくとも一つの保存された温度計算アルゴリズムと較正データを含む小型プロセッサをさらに含む。そのプロセッサは、ユーザインターフェース48と接続されるシリアルインターフェース42と相互接続される。
【0034】
上記のアセンブリの動作で重要なことは、トリガ信号が問い合わせ装置30から選択的に送信され、センサアセンブリによって受信されるまで、センサアセンブリ20は受動的に動作するということである。この信号の受信において、センサアセンブリ20に一時的に電力供給するために、エネルギーが集められ、調整される。そのため、関心領域に近接し、能動的となっている温度応答素子24から測定値が得られる。測定値は、電気信号に変換され、その後問い合わせ装置30へ無線送信される。
【0035】
図9に示すように、2以上のセンサアセンブリを被験者に使用するために配置し、位置決めすることが可能であることは非常に明らかであろう。例えば、局所的に同一の場所で体温変化を検出できた場合に、骨折、血栓、又は他の怪我をしているかどうかを決定するために、複数のセンサアセンブリ144を腕148又は被験者の他の領域に取り付けることができるという事例がある。
【0036】
上記では、小型のパラメータ(例えば、温度)センサを一つ備えた形式として示されたが、酸素飽和度SPO2、心拍数及び呼吸のような、しかしこれらに限定されない生理学的パラメータセンサの他の形式のものを少なくとも一つ、センサアセンブリに取り付けることができることも非常に明らかであろう。
【0037】
上記のディスポーザブルセンサアセンブリには、幾つかの用途がある。例えば、図8を参照すると、ここに述べたセンサアセンブリの一つの潜在的に有用な用途として、膨張式血圧計カフまたはスリーブ150に関するものがある。スリーブ150は、被験者の四肢に巻き付け可能であり、スリーブを調節可能に固定するマジックテープ(登録商標)を含む。図示されたスリーブ150の上面162は、ゲージ筐体168の直接的な接続を可能にするソケット(図示せず)とともにスリーブを被験者の腕184の上腕動脈にそろえるために使用される動脈マーカ158を含む。スリーブ150は、連結器176を通じてスリーブ150の内側に流動的に接続される空気バルブ(図示せず)に取り付けられたホース172をさらに含む。先に述べ、ファントムで示したようなセンサアセンブリ180は、スリーブの底面(すなわち、被験者と対向する面)に取り付けられ、問い合わせ装置30を用いた上記の方法でセンサアセンブリを使用して、体温測定値を血圧測定値とともに収集することができる。あるいは、以下に詳細に説明するように、センサアセンブリ180はスリーブ150の如何なる部分にも取り付けることが可能であり、問い合わせ装置又は他の適当な装置によって送信されるトリガ信号に応答して識別信号を送信することを介して、スリーブの存在を検出するために使用することが可能である。この機能について、図10を参照しつつ、以下により詳細に説明する。
【0038】
病室に入室している介護人において、病室内の幾つかの機器又は装置を、問い合わせ装置30によって見つけ、識別することができる在庫調査及び/又は追跡方法が、図10により詳細に示される。この実施形態では、バイタルサインモニタ200、EKGまたはEEGモニタ204のような機器、及び上記図9の血圧計スリーブ150のような他のタイプの機器208の幾つかの部品が、上記のセンサアセンブリ212を用いて標識付けられる。各センサアセンブリは、センサアセンブリを取り付ける装置に関する製品情報を保存するプログラマブルメモリを含むことが好ましい。したがって、本質的に、センサアセンブリ212のそれぞれは、タグとして使用され、問い合わせ装置30の使用及び適切なトリガ信号の放射は、装置によって表示されるように病室内にある全ての装置を識別する。この方法は、病室内にある機器の発見又は検出に有用なだけでなく、センサアセンブリ212の便利な標識能力を用いて、機器を見つけたり、別の機器を用意する必要がないという点で潜在的な時間の節約による検査の促進及び回診にも有用である。
【0039】
上記の方法は、例えば、機器の特定部品が患者に使用されているか否かの判断する追跡可能な手段、及び、例えば、潜在的な請求及び責任問題の解決手段を提供する。さらに、得られた生理学的データを使用された機器と結びつけることができる。好ましいバージョンでは、機器(例えば、商品名Propaq(登録商標)でウェルチ・アレン社により製造されているようなバイタルサインモニタ)は、ASICのメモリ内に保存するために、生理学的データを直接的にセンサアセンブリに無線で送信することができる。このデータを、トリガがセンサアセンブリに送信されたときに、続けて問い合わせ装置へアップロードすることができる。
【0040】
図11を見ると、センサアセンブリを、被験者の外部の診断に使用するだけでなく、被験者の体腔224(図11では概略的にのみ示されている)内に差し込まれる内視鏡またはその同等品(図示される内挿チューブ220)に使用して、患者に関連する多くの他の状態を測定するために使用することもできる。ここでセンサアセンブリ228は、チューブ220の外部に取り付けることができる。あるいは、内挿チューブ220を、特定の治療のために体腔内にセンサアセンブリを実際に埋め込み、治療終了後に除去するために使用することができる。
【0041】
以上本発明を、図示されるような好ましい形態を参照しつつ詳しく説明し、示してきたが、細部における様々な変更は特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲を逸脱させるものではないことが、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の好ましい実施形態による生理学的パラメータ測定装置の斜視図である。
【図2】図1に示された生理学的パラメータ測定装置とともに使用される、好ましい実施形態によるディスポーザブルセンサアセンブリの底面図である。
【図3】図2のディスポーザブルセンサアセンブリの斜視図である。
【図4】本発明の他の好ましい実施形態によるディスポーザブルセンサアセンブリの底面図である。
【図5】図4のディスポーザブルセンサアセンブリの斜視図である。
【図6】図1〜図5の温度測定装置の一般化された概略機能図である。
【図7】図1の生理学的パラメータ測定装置とともに使用される、好ましい実施形態による問い合わせ装置の上面斜視図である。
【図8】血圧スリーブとともに使用される生理学的パラメータ測定装置の別の実施形態の説明図である。
【図9】患者に対する使用における、生理学的パラメータ測定装置の別の用途を示す図である。
【図10】機器の在庫調査又は追跡管理機能の目的で使用される上記の測定装置の別の実施形態を示す図である。
【図11】内視鏡装置で使用される上記の測定装置のさらに別の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の体温を測定する無線温度計装置であって、
温度変化の検出において第1の信号を生じる少なくとも一つの温度応答素子と、該第1の信号を電気信号に変換する変換器と、要求に応じて該変換された電気信号を無線送信する送信器を含むセンサアセンブリと、
トリガ信号を無線送信する送信器を備える問い合わせ装置とを有し、
前記センサアセンブリは、前記問い合わせ装置が前記トリガ信号を送信するまで前記温度応答素子の測定値を送信せず、且つ前記センサアセンブリは、温度測定値が重大な遅延なく取得されることを可能とするために患者上に配置され、前記アセンブリの少なくとも一部は使い捨て可能であることを特徴とする無線温度計装置。
【請求項2】
前記センサアセンブリは、前記被験者の体腔内に挿入可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記体腔は舌下のくぼみである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記体腔は脇の下である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記体腔は直腸である、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記体腔は外耳道である、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記センサアセンブリは、被験者の体内に挿入される手段に取り付け可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記体内挿入手段は、気管内チューブ及び内挿チューブの少なくとも一つを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記センサアセンブリは、EKG/EEG測定装置に取り付け可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
被験者の四肢に巻き付け可能な巻き付け部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記巻き付け部は使い捨て可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記問い合わせ装置は、所定の時間間隔で前記センサアセンブリに前記信号を送信する制御手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記センサアセンブリはプログラマブルASICを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ASICは再利用可能である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記センサアセンブリは、血圧測定装置とともに使用される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記センサアセンブリは、温度信号とともに識別情報を送信する手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記ASICはプログラマブルメモリを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
装置及び被験者に関連する情報の少なくとも一つは、ASICのプログラマブルメモリに保存可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記センサアセンブリは、前記問い合わせ装置からの送信信号を受信するアンテナを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記アンテナはスクリーン印刷技術で作成される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記センサアセンブリによって送信されるデータを保護する暗号化手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
被験者の温度変動を測定する少なくとも二つのセンサアセンブリを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記センサアセンブリは、前記センサアセンブリが取り付けられる対象の形状を仮定するためにフレキシブルに取り付け可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記センサアセンブリの少なくとも一部分はスクリーン印刷技術で作成される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記センサアセンブリは被験者の肌に取り付け可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記センサアセンブリは被験者の肌に取り付け可能である、請求項23に記載の装置。
【請求項27】
被験者の生理学的パラメータの少なくとも一つを測定する装置であって、
生理学的パラメータの変化の検出において第1の信号を生じる少なくとも一つの生理学的パラメータ応答素子と、該第1の信号を電気信号に変換する変換器と、要求に応じて該変換された電気信号を無線送信する送信器を含むセンサアセンブリと、
トリガ信号を無線送信する送信器を備える問い合わせ装置とを有し、
前記センサアセンブリは、前記問い合わせ装置が前記トリガ信号を送信するまで前記生理学的パラメータ応答素子の測定値を送信せず、且つ前記センサアセンブリは、温度測定値が重大な遅延なく取得されることを可能とするために患者上に配置され、前記アセンブリの少なくとも一部は使い捨て可能であることを特徴とする装置。
【請求項28】
測定される生理学的パラメータの少なくとも一つは体温である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記センサアセンブリは、前記被験者の体腔内に挿入可能である、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記センサアセンブリは、被験者の体内に挿入される手段に取り付け可能である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記センサアセンブリは、病室内で見つけられる機器の少なくとも一部品に取り付け可能である、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記問い合わせ装置は、所定の時間間隔で前記センサアセンブリに前記信号を送信する制御手段を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記センサアセンブリはプログラマブルASICを含む、請求項27に記載の装置。
【請求項34】
前記ASICは再利用可能である、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記センサアセンブリは、生理学的パラメータ信号とともに装置及び被験者識別情報を送信する手段を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項36】
装置及び被験者に関連する情報の少なくとも一つは、ASICのプログラマブルメモリに保存可能である、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記センサアセンブリは、前記問い合わせ装置からの送信信号を受信するアンテナを含む、請求項27に記載の装置。
【請求項38】
前記アンテナはスクリーン印刷技術で作成される、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記センサアセンブリによって送信されるデータを保護する暗号化手段を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項40】
前記センサアセンブリは、前記センサアセンブリが取り付けられる対象の形状を仮定するためにフレキシブルに取り付け可能である、請求項27に記載の装置。
【請求項41】
前記センサアセンブリは被験者の肌に取り付け可能である、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
病室内の医療機器の位置を識別する方法であって、
保存された製品に関する情報を含むプログラマブルASICと、双方向無線通信を可能とする無線送信器、無線受信器及びアンテナとを含むセンサアセンブリを、医療機器の少なくとも一つの部品に取り付けるステップと、
前記病室内の問い合わせ装置からトリガ信号を選択的に送信するステップとを含み、
前記少なくとも一つのセンサアセンブリは、前記トリガ信号に応答する場合にのみ前記問い合わせ装置に製品情報を送信することを特徴とする識別方法。
【請求項43】
被験者の生理学的パラメータを測定する方法であって、
少なくとも一つの生理学的パラメータセンサとトリガ信号に応答する回路を含む使い捨て可能なセンサアセンブリを被験者の体に取り付けるステップと、
前記センサアセンブリの近傍にトリガ信号を選択的に送信するステップとを含み、
前記センサアセンブリは、前記トリガ信号の受信に応答する場合にのみ前記センサからの測定信号を送信することを特徴とする測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−512865(P2007−512865A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539588(P2006−539588)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/036323
【国際公開番号】WO2005/047837
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506153686)ウエルチ アリン,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】