説明

デジタル信号方式を用いた無線式位置トランスデューサ

【課題】物体を追跡する装置を提供する。
【解決手段】物体を追跡する装置は、物体に取り付けられるように構成された位置トランスデューサを含む。位置トランスデューサは、デジタルマイクロコントローラを含み、そのマイクロコントローラは、複数の出力ピンを含み、マイクロコントローラは、それらの出力ピンの少なくとも一つに、選択された周波数で交流デジタル出力を生み出すように動作する。少なくとも一つの送信アンテナが、少なくとも一つの出力ピンに直接接続されていて、その少なくとも一つの送信アンテナが交流デジタル出力に応答して選択された周波数で磁界を送信するようにされている。フィールドセンサーが、磁界を検出し、その磁界に応答して信号を生み出す。プロセッサがその信号を受信し、位置トランスデューサの座標を求めるために、その信号を処理する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、概して、位置検出システムに関し、より詳しく言うと、無線式位置トランスデューサの動作に関する。
【0002】
〔背景技術〕
医療手技に関わる物体の座標を追跡するためのさまざまな方法およびシステムが当業者に知られている。これらのシステムのいくつかは、磁界の送信および受信に基づいている。いくつかの場合では、磁界は、体の外側の放射器によって送信されて、体内の物体に固定されたセンサーによって受信され、他の場合では、体内の物体に取り付けられた放射器が体の外側の受信機に向けて磁界を送信する。検出された磁界に基づいて物体の座標を算出するための基本的な技術は、いずれの場合でもほぼ等しい。
【0003】
例えば、ベン−ハイム(Ben-Haim)に付与された米国特許第5,391,199号および同第5,443,489号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、体内のプローブの座標が、ホール効果デバイス、コイル、または、その他のアンテナ、のような一つまたは複数の磁界トランスデューサを用いて求められる、システムを記載している。そのようなシステムは、医療用プローブまたはカテーテルに関する位置情報を生み出すために用いられる。コイルのようなセンサーが、プローブ内に配置されていて、外側から加えられた磁界に応答して信号を生み出す。磁界は、既知の外部基準フレームに固定され、相互に隔てられた複数の位置にある放射器コイルのような磁界トランスデューサによって生み出されている。それに代わって、プローブ内の送信アンテナが、磁界を生み出し、そして、その磁界が体の外側の受信機によって検出されてもよい。
【0004】
PCT特許公開WO96/05768号、米国特許第6,690,963号、および、米国特許出願公開第2002/0065455号は、全てベン−ハイムら(Ben-Haim et al.)によるもので、それらの開示内容は参照することによって本明細書に組み込まれ、カテーテルの先端に関する6次元の位置および方向の情報を生み出すシステムを記載している。このシステムは、例えばカテーテルの遠位の端部などのカテーテルの配置可能な部位に隣接した複数のセンサーコイルと、外部の基準フレームに固定された複数の放射器コイルと、を用いている。センサーコイルは、放射器コイルによって生み出された磁界に応答して信号を生み出し、その信号が6次元の位置および方向の座標の算出を可能にしている。
【0005】
米国特許第6,239,724号は、ドロンら(Doron et al.)に付与され、その開示内容は、参照することによって本明細書に組み込まれ、体内の物体の座標を提供するための無線式の遠隔測定システムを記載している。そのシステムは、植え込み可能な遠隔測定ユニットを含み、そのユニットは、(a)遠隔測定ユニットに電力を供給するために、体の外側から受信した電力信号を電力に変換する第1のトランスデューサと、(b)体の外側から受信したポジショニングフィールド信号を受信する第2のトランスデューサと、(c)ポジショニングフィールド信号に応答して、ロケーティング信号を体の外側の部位に送信する第3のトランスデューサと、を有する。
【0006】
米国特許出願公開第2003/0120150号は、ゴバリ(Govari)に付与され、その開示内容は参照することによって本明細書に組み込まれ、無線式のトランスポンダが物体に固定されている、システムを記載している。そのトランスポンダは、固定された放射器によって生み出された電磁界に応答して、信号電流がその中を流れる少なくとも一つのセンサーコイルと、無線周波数(RF)の駆動フィールドを受け取り駆動フィールドからの電気エネルギーを搬送してトランスポンダに電力を供給する電力コイルと、を含んでいる。電力コイルは、信号電流に応答して、信号受信機に出力信号を送信し、信号受信機がその出力信号を処理して物体の座標を求める。
【0007】
米国特許第5,099,845号は、ベッツら(Besz et al.)に付与され、その開示内容は参照することによって本明細書に組み込まれ、医療器具の位置決定装置を記載していて、その装置は、物体(ヒトの体のような)内に挿入される器具の一部を形成する放射素子を有している。その素子は、信号を放射し、その信号が少なくとも一つの受信素子によって検出される。受信された信号のエネルギーレベルが、受信素子からの放射素子の距離を測定するのに用いられ、次にその距離が、操作者が物体内での器具の位置を求めることができるように、器具の操作者に表示される。
【0008】
米国特許第5,762,064号は、ポルバーニ(Polvani)に付与され、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、体内の磁気プローブの位置を求めるための磁気的な医療用位置決定システムおよび方法を記載している。離れて配置された少なくとも2つの磁力計が、体の内側のプローブの望ましい位置の近くで体の外側部分の領域に固定される。プローブの3次元磁界が、磁力計で検出され、プローブの位置が検出された3次元磁界の位置に基づいて求められる。
【0009】
〔発明の概要〕
本明細書で以下に記載される本発明の実施の形態では、小型の無線式位置トランスデューサが、患者の体内に挿入される物体に固定されている。そのトランスデューサは、例えば、移植片内に収容されていて、または、患者に手術手技を実施するのに用いられる器具に取り付けられている。位置トランスデューサは磁界を生み出し、その磁界は、典型的には(しかし、必ずということではなく)患者の体の外側の、固定された位置にある受信機によって検出される。検出された磁界に応答して、受信機は位置信号を出力し、その位置信号は、トランスデューサの、したがって、物体の、体内での座標を求めるために分析される。
【0010】
本発明のいくつかの実施の形態では、位置トランスデューサは、デジタルマイクロコントローラを含み、そのマイクロコントローラがトランスデューサの動作を制御する。そのマイクロコントローラは、磁界を生み出すためにコイルアンテナのような一つまたは複数の送信アンテナを駆動するために結合されている。トランスデューサをできるだけ小さくそしてできるだけ簡単にするために、アンテナはマイクロコントローラの出力ピンに直接接続されていて、すなわち、マイクロコントローラとコイルとの間に介在する追加のアナログ増幅器なしに接続されている。マイクロコントローラは、所望の駆動周波数で、これらの出力ピンの間に、方形波などの交流デジタル出力を出力するようにプログラムされている。その結果、アンテナは、駆動周波数の磁界を生み出し、受信機がこの駆動周波数で磁界を検出するように同調される。ある実施の形態では、3個のコイルが、異なる方向で巻かれていて、3つの異なる区別可能な磁界を送信するために、マイクロコントローラの異なるピンによって駆動される。
【0011】
本発明のいくつかの実施の形態では、マイクロコントローラは、無線式ダウンリンクを介してデジタルデータを受信するように構成されていて、トランスデューサが体内に配置された状態で外部から制御および再プログラミングできるようになっている。この目的のために、無線周波数(RF)搬送波が、体の外側のアンテナから、トランスデューサに向けて送信される。その搬送波は、データをセンサーに搬送するために、振幅変調されている。搬送波は、共振回路中のコイルのようなアンテナによって受信されて、アンテナは整流器を介してマイクロコントローラの入力ピンに直接接続されている。増幅器またはアナログ/デジタル(A/D)変換器は、この受信回路には必要ない。そうではなく、マイクロコントローラは、整流器によって供給される包絡線のレベルを単に検出する。
【0012】
ある実施の形態では、無線式ダウンリンクは、トランスデューサによって生み出される磁界の望ましい駆動周波数で高周波数の搬送波信号を変調することによって、周波数同期化信号を位置トランスデューサに送信するために用いられる。マイクロコントローラは、送信アンテナを変調された搬送波信号に正確に同期させて駆動する。体の外側の受信機は、同期化信号の周波数に(そしておそらく位相にも)同調され、したがって、大きなバックグラウンドノイズが存在していても、位置トランスデューサによって送信された弱い磁界を高い信頼性で検出できる。したがって、デジタル制御されたトランスデューサは、正確な周波数および位相制御を、最小の追加の回路を用いて、かつ、トランスデューサ内の高価な周波数制御コンポーネントを必要とせずに、獲得する。
【0013】
本発明のいくつかの実施の形態では、デジタルマイクロコントローラへの電力が、体の外側の無線周波数(RF)放射器から誘導的に供給される。RF電力は、トランスデューサユニット中の一つまたは複数の電力コイルに電流が流れるようにする。その電流が整流されて、整流された電流が調整器に入力され、調整器が適切なDC電圧をマイクロコントローラに供給する。
【0014】
ある実施の形態では、マイクロコントローラは、フラッシュメモリのような、プログラム可能な不揮発性メモリを含んでいる。トランスデューサが患者の体内に配置された状態で、メモリを再プログラミングするために、マイクロコントローラへの入力電圧のレベルが通常の動作電圧からプログラミングに必要なより高い電圧レベルへ切り換えられる。電圧レベルの切り換えは、簡単な一定出力の調整器を用いて達成され、その調整器はマイクロコントローラの切り換え可能な入力ピンに接続されている。マイクロコントローラは、内部的にこの入力ピンを切り換えて、調節器のグランド出力ピンが、交互に、接地状態、および、接地状態から選択された電圧だけ高いフロート状態、になる。調整器のグランドピンをフロート状態にすることによって、マイクロコントローラへの電圧入力レベルが上昇し、無線式ダウンリンクを介してトランスデューサに送信されたデジタルデータでメモリを再プログラミングできるようになる。同様の方法が、トランスデューサがその電力供給源として、誘導されたRF電力ではなく、バッテリーを含んでいる場合に、遠隔プログラミングに対しても用いられてよい。
【0015】
したがって、本発明のある実施の形態に基づいて、物体を追跡する装置が提供され、その装置は、
物体に固定されるように構成された位置トランスデューサであって、そのトランスデューサは、
複数の出力ピンを含むデジタルマイクロコントローラであって、そのマイクロコントローラが、出力ピンの少なくとも一つに、選択された周波数で交流デジタル出力を生み出すように動作する、デジタルマイクロコントローラ、および、
出力ピンの少なくとも一つに直接接続された少なくとも一つの送信アンテナであって、少なくとも一つの送信アンテナが、交流デジタル出力に応答して選択された周波数で磁界を送信する、少なくとも一つの送信アンテナ、 を含む、位置トランスデューサと、
磁界を検出するように、かつ、磁界に応答して信号を生み出すように、構成されたフィールドセンサーと、
位置トランスデューサの座標を求めるために、信号を受信して処理するように結合されたプロセッサと、
を具備する。
【0016】
開示された実施の形態では、少なくとも一つの送信アンテナは、選択された周波数の付近の共振周波数を有するコイルを含んでいる。典型的には、デジタルマイクロコントローラの複数の出力ピンは、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、コイルは第1および第2のピンの間に直接接続されている。デジタルマイクロコントローラは、第1および第2の出力ピンに、選択された周波数で相異なる位相の第1および第2の交流デジタル出力を、各々、生み出すように動作してよい。
【0017】
開示されたある実施の形態では、交流デジタル出力は、方形波を含んでいる。
【0018】
いくつかの実施の形態では、複数の出力ピンは、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、少なくとも一つの送信アンテナは、少なくとも第1および第2のアンテナコイルを含み、第1および第2のアンテナコイルは、各々、第1および第2の出力ピンに直接接続されていて、デジタルマイクロコントローラは、第1および第2のアンテナコイルを交互に駆動するために、第1および第2の出力ピンに交流デジタル出力を生み出すように動作する。ある実施の形態では、複数の出力ピンは、もう一つの出力ピンを含み、第1および第2のアンテナコイルは、もう一つの出力ピンと、第1および第2の出力ピンとの間に、各々、直接接続されている。典型的には、少なくとも第1および第2のアンテナコイルは、互いに直交する軸を中心にして巻かれている。
【0019】
いくつかの実施の形態では、装置は、基準送信機であって、その送信機は、無線周波数(RF)信号を送信するように動作し、その信号は、バイナリデータ(binary data)を位置トランスデューサに搬送するように変調されていて、位置トランスデューサは、受信アンテナを含み、受信アンテナは、信号を受信するように適合されている、基準送信機と、復調回路であって、その復調回路は、バイナリデータを復調してデジタルマイクロコントローラへ通過させるように受信アンテナに結合された、復調回路と、を含み、デジタルマイクロコントローラは、バイナリデータに応答して交流デジタル出力を生み出すように構成されている。開示されたある実施の形態では、RF信号は、予め決められたデータ速度でバイナリデータに応答して振幅変調されていて、デジタルマイクロコントローラは、デジタル入力ピンを含み、復調回路は、整流器を含み、整流器は、受信アンテナとデジタル入力ピンとの間に直接接続されていて、RF信号を整流し、整流されたRF信号をデジタル入力ピンに接続する。典型的には、バイナリデータは、同期化信号を含んでいる。
【0020】
いくつかの実施の形態では、装置は、電力送信機を含み、その電力送信機は、無線周波数(RF)エネルギーを位置トランスデューサに送信するように動作し、位置トランスデューサは、送信されたRFエネルギーを受信するように構成された少なくとも一つの受信アンテナと、直流(DC)入力をデジタルマイクロコントローラに供給するためにRFエネルギーを整流するように接続された整流器と、を含む。
【0021】
開示されたある実施の形態では、位置トランスデューサは、無線式装置であり、その装置は、被験者の体に挿入するためにカプセル封入されている。必要な場合には、位置トランスデューサは、体の生理学的パラメータを検出するための少なくとも一つの追加的なセンサーを含み、その少なくとも一つの追加的なセンサーは、センサーの読み取り値を送信するためにマイクロコントローラに接続されていて、それによって、少なくとも一つの送信アンテナを介して、センサーの読み取り値を送信する。
【0022】
本発明のある実施の形態に基づけば、さらに、物体を追跡するための装置が提供され、その装置は、
基準周波数で変調された無線周波数(RF)信号を送信するように動作する基準送信機と、
前記物体に固定されるように構成された位置トランスデューサであって、その位置トランスデューサは、
RF信号を受信し、磁界を送信するための、少なくとも一つのアンテナ、および、
RF信号から基準周波数を受信するように、かつ、少なくとも一つのアンテナを駆動して基準周波数で磁界を生み出すように、少なくとも一つのアンテナに接続されている、デジタルマイクロコントローラ、 を含む、位置トランスデューサと、
基準周波数で磁界を検出するように同調され、かつ、磁界に応答して信号を生み出すように構成されている、フィールドセンサーと、
位置トランスデューサの座標を求めるために、信号を受信して処理するために接続された、プロセッサと、
を含む。
【0023】
開示されたある実施の形態では、デジタルマイクロコントローラは、デジタル入力ピンを含み、位置トランスデューサは、整流器を含み、その整流器は、少なくとも一つのアンテナとデジタル入力ピンとの間に直接接続されていて、RF信号を整流し、整流されたRF信号をデジタル入力ピンに接続する。
【0024】
それに加えて、または、それに代わって、デジタルマイクロコントローラは、少なくとも一つのアンテナを駆動して、変調されたRF信号に対して予め決められた位相関係にある磁界を生み出すように動作し、フィールドセンサーは、位相関係に応答して磁界を検出するように構成されている。
【0025】
開示されたある実施の形態では、デジタルマイクロコントローラは、入力ピンおよび出力ピンを含み、少なくとも一つのアンテナは、入力ピンの少なくとも一つに接続されている受信アンテナと、出力ピンの少なくとも一つに接続されている送信アンテナと、を含んでいる。典型的には、デジタルマイクロコントローラは、出力ピンの少なくとも一つに基準周波数で方形波を生み出すことによって送信アンテナを駆動するように動作する。
【0026】
本発明のある実施の形態に基づけば、無線式装置がさらに提供され、その装置は、
バイナリデータを受信するように構成されたデジタル入力ピンを含むデジタルマイクロコントローラと、
バイナリデータを無線式装置に搬送するように予め決められた変調速度で振幅変調された無線周波数(RF)信号を、受信するように構成された、受信アンテナと、
RF信号を整流し、かつ、整流されたRF信号をデジタル入力ピンに接続するように、受信アンテナとデジタル入力ピンとの間に直接接続された、整流器と、
を含む。
【0027】
開示されたある実施の形態では、整流器は、受信アンテナとデジタル入力ピンとの間に直列に接続された単一のダイオードを含む。
【0028】
典型的には、RF信号は搬送周波数を有し、受信アンテナは、搬送周波数の付近で共振するコイルを含む。
【0029】
ある実施の形態では、デジタルマイクロコントローラは、整流されたRF信号がデジタル入力ピンに現れることでデジタルマイクロコントローラのインタラプトが誘発されるように、構成されている。
【0030】
いくつかの実施の形態では、装置は送信アンテナを含み、デジタルマイクロコントローラはデジタル出力ピンを含み、そのデジタル出力ピンは、送信アンテナを駆動してバイナリデータに応答して磁界を送信するように接続されている。典型的には、デジタルマイクロコントローラは、バイナリデータの変調速度と同期して方形波をデジタル出力ピンに生み出すように構成されている。
【0031】
本発明のある実施の形態に基づけば、無線式装置がさらに提供され、その装置は、
直流(DC)電圧を生み出すように構成された電源と、
電源に接続された電力入力、電力出力、および、グランド出力を含む調整器であって、その調整器は、DC電圧に応答して、電力出力とグランド出力との間に第1の電圧を生み出すように動作する、調整器と、
調整器のグランド出力に接続された第1の端子、および第2の端子、を含むダイオードと、
デジタルマイクロコントローラであって、そのデジタルマイクロコントローラが、
第1の電圧で動作しているときに読み出し専用モードでアクセス可能であり、第1の電圧より高い第2の電圧で動作しているときにプログラム可能な、不揮発性メモリ、
調整器の電力出力に接続された電力入力、
ダイオードの第2の端子に接続されたグランドピン、
入力ピンであって、入力ピンが、グランドピンに接続された第1の構成と入力ピンがフロート状態にある第2の構成との間を、マイクロコントローラによって切り換え可能な、入力ピン、および、
空中を通って送信されるデータ信号を受信するように接続されたデータ入力であって、そのデータ信号がプログラミング命令とデータとを含む、データ入力、 を含む、デジタルマイクロコントローラと、
を具備し、
マイクロコントローラが、プログラミング命令に応答して、入力ピンを第1の構成から第2の構成に切り換え、それによって、電力入力とグランドピンとの間の電圧を第2の電圧まで上昇させ、かつ、入力ピンが第2の構成である間にデータを不揮発性メモリに書き込むように構成されている。
【0032】
開示されたある実施の形態では、デジタルマイクロコントローラは、データに応答して、無線式装置の座標を求めるのに用いるための信号を送信するように構成されている。
【0033】
ある実施の形態では、不揮発性メモリは、フラッシュメモリを含む。
【0034】
典型的には、データ信号は、無線周波数(RF)信号を含み、その無線周波数信号は、バイナリデータを装置へ搬送するように変調されていて、装置は、RF信号を受信するように構成された受信アンテナと、バイナリデータを復調してデジタルマイクロコントローラのデータ入力へ通過させるように受信アンテナに接続された復調回路と、を含んでいる。開示されたある実施の形態では、RF信号は、RF搬送波を含み、RF搬送波は、バイナリデータに応答して振幅変調されていて、復調回路は、整流器を含み、その整流器は、受信アンテナとデジタル入力ピンとの間に直接接続されていて、RF信号を整流する。
【0035】
本発明のある実施の形態に基づけば、物体を追跡する方法がさらに提供され、その方法は、
位置トランスデューサを物体に固定する過程であって、位置トランスデューサが、複数の出力ピンを含むデジタルマイクロコントローラを含む、過程と、
少なくとも一つの送信アンテナを出力ピンの少なくとも一つに直接接続する過程と、
選択された周波数で交流デジタル出力を、デジタルマイクロコントローラの出力ピンの少なくとも一つに生み出して、少なくとも一つのアンテナが、選択された周波数で磁界を送信するようにする過程と、
位置トランスデューサの座標を求めるために磁界を検出する過程と、
を含む。
【0036】
本発明のある実施の形態に基づけば、物体を追跡する方法がさらに提供され、その方法は、
基準周波数で変調された無線周波数(RF)信号を基準送信機から送信する過程と、
位置トランスデューサを物体に固定する過程であって、位置トランスデューサが、RF信号を受信するため、かつ、磁界を送信するための少なくとも一つのアンテナと、RF信号から基準周波数を受信するように、かつ、少なくとも一つのアンテナを駆動して基準周波数で磁界を生み出すように、少なくとも一つのアンテナに接続されたデジタルマイクロコントローラと、を含む、過程と、
位置トランスデューサの座標を求めるために、基準周波数で磁界を検出する過程と、
を含む。
【0037】
本発明のある実施の形態に基づけば、デジタルマイクロコントローラを含む無線式装置を操作する方法が提供され、その方法は、
バイナリデータを無線式装置に搬送するように予め決められた変調速度で振幅変調された無線周波数(RF)信号を送信する過程と、
RF信号を整流するように、かつ、整流されたRF信号をデジタル入力ピンに接続するように、整流器を受信アンテナとデジタル入力ピンとの間に直接接続することによって、受信アンテナをデジタルマイクロコントローラと接続する過程と、
を含む。
【0038】
本発明が、図面と共に考慮される本発明の実施の形態の以下の詳細な記載からより十分に理解されるであろう。
【0039】
〔実施の形態の詳細な説明〕
図1は、本発明のある実施の形態に基づく、手術に用いられる磁気的追跡システム20の模式図である。外科医22は、器具24を用いて、患者23に医療手技を施す。移植片26は、手術部位で患者の体内に導入され、手術部位はこの例では患者の脚30に位置している。追跡システムは、移植片26および器具24の位置を測定および表示して、外科医が、この例では膝関節手術である手術手技を実施するときの案内をする。追跡システムは、手術部位を含む作業体積の全体に亘って位置および方向座標を測定する。
【0040】
移植片26および器具24は、小型の無線式位置トランスデューサを収容していて、そのトランスデューサは、以下に詳細に記載される。各位置トランスデューサは、典型的にはコイルである一つまたは複数の送信アンテナを含み、送信アンテナは磁界を生み出すように駆動される。器具24および移植片26の座標は、位置パッド34のようなフィールドセンサーに対して求められ、そのフィールドセンサーは、患者の体に固定されていて、位置トランスデューサによって生み出された磁界を検出する。図1に示された例では、パッドは、移植片の近くの、患者のふくらはぎ、および、大腿部に配置されている。位置パッドは、図2に示されているように、コイルなどの検出アンテナを含んでいる。それに代わって、または、それに加えて、フィールドセンサーは、手術台に、または、患者23の近くの別の構造に、固定されていてもよい。
【0041】
器具24および移植片26内の位置トランスデューサによって生み出された磁界は、位置パッド34中に電流を誘起し、その電流は、検出アンテナに対する位置トランスデューサの位置および方向を示している。誘起された電流(または電流に対応する電圧)に応答して、位置パッドは、位置信号を信号処理コンソール38に送信する。コンソールは、器具24および移植片26の位置および方向座標を算出するために、受信した信号を処理する。コンピュータ41(コンソール38の機能をも実行することもある。)が、外科医に対して位置情報を図表的にディスプレイ42上に表示する。例えば、外科医22が手術手技中に器具を操作すると、ディスプレイは移植片26に対する器具24の位置および方向を表示してよい。
【0042】
システム20の使用が、説明の目的のために、整形外科手術に関連して示されているが、本発明の原理は、その他の無線式位置検出システムおよび応用にも同様に用いられてよい。例えば、本明細書に記載されたタイプの無線式位置トランスデューサは、心臓血管に用いるためのカテーテルのようなその他のタイプの医療移植片および器具に組み込まれてもよく、そして、非医療的用途にも同様に用いられてもよい。
【0043】
図2は、本発明のある実施の形態に基づく、移植片26内にカプセル封入された位置トランスデューサ50の模式図である。それに代わって、トランスデューサ50は、その他のタイプの移植片、器具、または、その他の侵襲的装置の中に収容されているか別な方法で取り付けられていてもよい。トランスデューサ50は、この例示的な実施の形態では、一つまたは複数の送信コイル52を含んでいて、その送信コイル52は、典型的には、磁気コアに巻かれたコイル巻き線を含んでいる。トランスデューサ50は、一つまたは複数の電力コイル62、および、無線通信コイル60を、さらに含んでいる。これらのコイルは、柔軟なプリント回路基板(PCB)のような適切な基板56に取り付けられていて、マイクロコントローラ58、および、同じように基板に取り付けられた周辺回路素子59、に接続されている。マイクロコントローラ58は、例えば、テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments:アメリカ合衆国テキサス州ダラス(Dallas, Texas))によって製造された超低電力16ビットRISC混合信号プロセッサ(ultra-low-power 16-bit RISC mixed-signal processors)のMSP430ファミリーの一つを含んでもよい。トランスデューサ50は、典型的には、移植片内にカプセル封入されていて、トランスデューサの素子と、患者の組織および体液とが、接触するのを防止している。
【0044】
マイクロコントローラ58は、磁界を生み出すために送信コイル52を駆動し、その磁界は、以下に記載されるように、位置パッド34によって検出される。マイクロコントローラは、電力コイル62によって受信された無線周波数(RF)エネルギーによって電力を供給され、通信コイル60によって受信された制御信号を用いて制御される。典型的には、送信コイル52によって生み出された磁界を検出するという位置パッドの役割に加えて、RFエネルギーおよび制御信号は、位置パッド34によって送信される。それに代わって、または、それに加えて、RF電力および通信信号は、別の供給源からトランスデューサ50に送信されてもよい。さらに、それに代わって、または、それに加えて、トランスデューサ50は、マイクロコントローラに電力を供給するためのバッテリー(図示されていない。)を含んでいてもよい。別の選択肢として、マイクロコントローラは、いずれの通信入力もなしに、トランスデューサ内のメモリに記憶されたマイクロコードに基づいて、独立して動作してもよい。
【0045】
簡単化のために、図2は、送信コイルアセンブリおよび電力コイルアセンブリの各々で一つだけのコイルを示しているが、実際には、各アセンブリは、3つの送信コイルおよび3つの電力コイルというように、複数のコイルを典型的に含んでいる。送信コイルは、一つのコアに、互いに直交する方向で、一体に巻かれていてよく、一方、電力コイルは、別のコアに、互いに直交する方法で、一体に巻かれていてよい。それに代わって、送信コイルおよび電力コイルは、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれる2004年1月9日に出願された米国特許出願第10/754,751号に、例えば、記載されているように、同じコアに重ねて巻かれていてもよい。
【0046】
図3は、本発明のある実施の形態に基づく、位置パッド34および位置トランスデューサ50の機能的な要素を概略的に示すブロック図である。位置パッド34は、処理ユニット70を含み、処理ユニット70は、コンソール38との間で通信を行う。処理ユニットは、電力送信アンテナ72を駆動して、RF電力を電力コイル62に送信し、また、通信アンテナ74を駆動して、同期化信号および制御信号を通信コイル60に送信する。それに代わって、上述されたように、これらの機能は、システム20内の別の送信機(図示されていない。)によって実行されてもよく、または、これらの機能は全て省略されてもよい。
【0047】
検出コイル76は、トランスデューサ50内の送信コイル52A,52B,52C(全体で送信コイル52と呼ぶ。)によって生み出された磁界を検出する。処理ユニット70は、コンソール38に搬送される位置信号を導出するために、検出コイル76内に誘起された信号をフィルタリング、増幅、および、デジタル化する。上述されたように、送信コイルは、異なる空間的な向きの磁界を生み出すために、互いに直交する方向で典型的には巻かれている。同様に、検出コイル76は、検出コイル76が検出する磁界の方向的な分解能を与えるために、相互に直交する方向で巻かれていてよい。それに代わって、異なる個数および異なる構成の送信コイルおよび検出コイルが、用いられてもよい。例えば、空間を節約しトランスデューサ50の複雑さを減らすために、トランスデューサは、一つまたは2つのみのコイルを含んでいてもよい。それに加えて、または、それに代わって、送信コイル、および/または、検出コイルは、非同軸的であってよく、各コイルが別個のコアに巻かれていてもよい。その他のコイル構成が、当業者には明らかであろう。
【0048】
電力コイル62によって受信されたRFエネルギーは、整流器78によって整流され、したがって、整流器78は、電圧制御回路80へのDC入力を生み出す。この回路は、マイクロコントローラ58の適切なピン82に調整された電圧を供給するように接続されている。マイクロコントローラへの入力電圧は、図7を参照して以下に記載されるように、変更されてもよい。
【0049】
通信コイル60からの同期化信号および制御信号は、復調回路84によって復調され、復調回路84は、二進の振幅変調された信号をマイクロコントローラの別のピン82に出力する。復調回路の動作は、図5および図6を参照して、以下に記載される。図3には唯一つの通信コイルが示されているが、トランスデューサ50は、それに代わって、2つまたは3つの通信コイルを含んでいてもよく、それらのコイルは直交する方向で巻かれていてもよい。これらのコイルは、復調回路に対して全て並列にまたは直列に接続されていてよい。
【0050】
さらに別のピン82(図3では、符号A,B,C,Dが付されている。)が、送信コイル52A,52B,52Cを駆動するために接続されている。送信コイルの各々は、それぞれのピン(A,B,C)と共通のピンDとの間に接続されている。これらのピンは、典型的には、汎用入力/出力(GPIO)ピンであり、マイクロコントローラによって、ソフトウェアの制御の下で、高(二進1)電圧値または低(二進0)電圧値にセットされる。図3に示された実施の形態では、これらのピンは、マイクロコントローラのチップの外部の増幅器のような能動コンポーネントが介在することなく、コイル52A,52B,52Cに直接接続されている。
【0051】
図4は、本発明のある実施の形態に基づいて、マイクロコントローラ58によってピンA,B,C,Dに生み出された駆動信号90,92を模式的に示したグラフである。この実施の形態では、マイクロコントローラのピンは、プログラム指令に基づいて、所望の送信周波数で方形波を生み出すように駆動される。典型的には、送信周波数は、可聴範囲であり、例えば、5kHz前後であるが、より高いまたはより低い周波数範囲が、それに代わって、用いられてもよい。それに代わって、マイクロコントローラが適正な計算能力およびデジタルI/O能力を備えている場合には、マイクロコントローラは、三角波または正弦波を近似した出力のような、その他の形状の交流デジタル出力を生み出してもよい。送信コイル52(コイル、および、おそらく、マイクロコントローラのピンに取り付けられたその他の受動的コンポーネント、に接続された配線と共に)は、送信周波数の付近で共振周波数を有し、より高い周波数をフィルタリングして除去するように設計されている。その結果、送信コイルは、図4に示された方形波信号を、ほぼ正弦波の形に平滑化する。
【0052】
検出コイル76は、結果として得られた正弦波の磁界を検出する。マイクロコントローラのピンとコイルとの間に外部の増幅器が存在しないことは、磁界が弱いことを意味し、したがって、位置パッド34がトランスデューサ50の直ぐ近くに配置されることが望ましい。もう一方では、送信される磁界の周波数は、非常に正確に制御でき、検出コイル76は、好都合に非常に高いQを有することができ、駆動信号90,92の周波数に正確に同調される。送信周波数を好都合に制御するのに用いることのできる方法が、図5および図6を参照して以下に記載される。
【0053】
図4に示されているように、マイクロコントローラ58は、プッシュプル構成で送信コイル52を駆動するようにプログラムされていてよい。この目的のために、各コイルの両側は、マイクロコントローラの能動出力ピンに接続されていて、能動出力ピンは、逆の極性の信号で駆動されている。図示された例では、コイル52Aの片側でピンAに信号90を加え、同時に、コイル52Aの反対側でピンDに逆の極性の信号92を加えることによって、コイル52Aは駆動される。この特徴によって、コイルを流れる電流が、したがって、送信される信号の強度が、増加される。
【0054】
図3に示されているように、複数の送信コイルが設けられている場合、マイクロコントローラ58は、それらのコイルを時間領域の多重化(TDM)モードで駆動してよく、各コイルは、一連の予め割り当てられたタイムスロット内で、順番に、送信する。したがって、図4に示された例では、コイル52Aが磁界を送信するように駆動されている間は、非送信中のコイル52B,52C(ピンB,Cで)は、戻りピンDと同じ極性の信号92で駆動されている。その結果、送信中のコイル52Aによって引き上げられることによって、コイル52B,52Cを流れる寄生電流が抑止される。続いて、ピンBおよびピンCの各々が、順番に、割り当てられたタイムスロットの間に信号90で駆動され、その間は、残りのピンは信号92で駆動される。
【0055】
必要な場合には、マイクロコントローラ58は、磁界を生み出すため用いられるのと同じGPIOピンを用いて、符号化されたメッセージを送信するようにプログラムされていてよい。例えば、システム20のスタートアップ時に、マイクロコントローラは、センサーIDおよび較正パラメータを送信してよい。これらのメッセージは、検出コイル76を用いてコンソール38によって受信される。
【0056】
図5は、本発明のある実施の形態に基づいて、通信アンテナ74によって送信される振幅変調された高周波数信号94を模式的に示すグラフである。信号94は、高周波数RF搬送波を含み、その搬送波は、典型的には、40MHzの範囲内にあるが、より高いまたはより低い周波数範囲が用いられてもよい。搬送波は、データをセンサーに搬送するために、振幅変調されている。図に示された例では、変調周期Tは、200マイクロ秒であり、言い換えれば、搬送波は、5kHzで変調されていて、この周波数は、駆動信号90,92(図4)の例示的な周波数と等しい。
【0057】
図6は、本発明のある実施の形態に基づく、復調回路84の細部を模式的に示した電気回路図である。キャパシタ96は、通信コイル60の両端に接続されていて、信号94の搬送波の周波数を共振周波数とする共振回路を画定している。そのコイル回路は、整流器(ダイオード98など)を通して、マイクロコントローラ58のGPIOピンなどの一対のピン82に直接接続されている。復調回路は、整流器とマイクロコントローラとの間にキャパシタ100のようなフィルターを含んでいてよい。しかし、増幅器、A/D変換器、または、その他の能動的なコンポーネントは、いずれも、必要ではない。そうではなく、マイクロコントローラ58は、復調回路84によって供給される信号94の包絡線のレベルを単に検出する。
【0058】
図5および図6によって示された例では、40MHzの搬送波の包絡線変調が、5kHzのクロックをマイクロコントローラ58に搬送するために用いられている。マイクロコントローラは、マイクロコントローラがコイル60から受信した入力クロックの周波数での磁界を生み出すように、送信コイル52を駆動するように、プログラムされている。したがって、アンテナ74は、基準送信機として役立ち、トランスデューサ50の送信周波数は、アンテナ74によって送信される搬送波の変調周波数を単に設定することによって、コンソール38によって外部から制御される。この同じクロック速度が、システム20全体を通して用いられ、処理ユニット70内のフィルター回路(図示されていない)が、この同じ周波数に正確に同調される。その他の同期化は必要ない。システムの全ての要素が同じ基本周波数に同調されているので、時間の経過と共に周波数の小さな変化が生じても、問題にはならない。さらに、信号94の変調と駆動信号90,92との間の位相関係が既知なので、処理ユニット70は、大きなバックグラウンドノイズが存在する場合でも、トランスデューサ50によって生み出された弱い磁界を正確に検出するために、位相感知検出を用いることができる。
【0059】
図5に示された信号94は、タイミング信号を搬送するために、単に、断続的に変調されているが、より複雑な変調パターンも、バイナリデータを搬送するために用いられてよい(この種のデジタル変調は、振幅シフトキーイング(ASK)と一般的に呼ばれている)。データは、マイクロコントローラ58への動作命令を含んでいてよい。それに加えて、または、それに代わって、このデータチャネルは、以下に記載されるように、トランスデューサ50に記憶されたソフトウェアコードを再プログラミングするのに用いられてもよい。
【0060】
典型的には、マイクロコントローラ58は、トランスデューサ50がシステム20での位置検出のために用いられているアクティブ状態ではないときは、「スリープ」状態である。必要なときにマイクロコントローラを「ウエイクアップ」させるためには、回路84から復調された信号を受信するように接続されたマイクロコントローラのピンが、そのピンの信号が特定されたインタラプトを生み出すように、選択される。このインタラプトは、マイクロコントローラにそのオペレーションプログラムの実行を開始させ、上述したようにコイル52の駆動を開始させる。したがって、入力データすなわちアンテナ74によって送信されたクロック信号自体が、トランスデューサをウエイクアップさせ、動作を開始させる。
【0061】
図7は、本発明のある実施の形態に基づく、電圧制御回路80およびマイクロコントローラ58の要素を模式的に示したブロック図である。整流器78は、典型的には、ローパスフィルター(図示されていない。)を備えた全ブリッジ整流器を含み、電力コイル62によって受信されたRFエネルギーの強さに応じて、可変DC電圧を出力する。DC調整器104は、この可変DC電圧を受け取り、マイクロコントローラ58を動作させるのに必要な、典型的には2.5Vの範囲内の一定レベルの電圧を出力する。調整器104は、例えば、ナショナル・セミコンダクター(National Semiconductor:アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタ・クララ(Santa Clara, California))によって製造された、(マイクロSMDパッケージの)LP3983マイクロ電力・低零入力電流(micropower, low quiescent current)COMS電圧調整器を含んでいてよい。この調整器は、2.5Vの出力電圧を供給する。調整器104の正電圧出力ピンは、マイクロコントローラの電力入力ピン(PWR)に接続されていて、一方、グランド出力ピンは、以下に記載される理由から、GPIOピンに接続されている。ダイオード106は、このGPIOピンと、マイクロコントーラのグランドピンと、の間に接続されている。しかし、通常は、マイクロコントローラ内の内部スイッチ108は、GPIOピンをグランドに接続していて、マイクロコントローラが、調整器104によって出力された動作電圧レベルを受け取るようにされている。
【0062】
典型的には、マイクロコントローラ58は、フラッシュメモリのような、不揮発性読み出し専用メモリ102を含み、そのメモリは、マイクロコントローラによって動作中に用いられるソフトウェア(マイクロコード)を記憶している。メモリ102は、図に示されているように、マイクロコントローラのチップ上に配置されていてよく、または、チップの外部に配置されていてもよい。フラッシュメモリに書き込むためには、マイクロコントローラに、動作目的のために調整器104によって通常供給されているものよりも高いDC電圧を供給する必要がある。より高い電圧を供給するために、スイッチ108は、図7に示されているように、開かれて、GPIOピンが、グランドに対して、ダイオード106の順方向電圧降下にほぼ等しい電圧だけ高い、フロート状態になるようにされる。その結果、より高い電圧(この例では、約3.7V)が、PWR入力ピンとグランドとの間に現れる(必要な場合には、より高い電圧を得るために、追加のダイオードがダイオード106と直列に接続されてもよい)。より高い電圧によって、フラッシュメモリが再プログラミングされるようになる。
【0063】
トランスデューサ50の動作中にメモリ102が再プログラミングされなければならないと判定された場合、予め決められた一連のビットは、通信アンテナ74が送信する信号に変調される。通信コイル60は、その信号を受信し、復調器84は、一連のビットを復調してマイクロコントローラ58に入力する。マイクロプロセッサは、この一連のビットがプログラミングモードに入るための命令であることを認識するようにプログラムされている。この命令に応答して、マイクロプロセッサはスイッチ108を開き、したがって、調整器104のグランド側に接続されたGPIOピンをフロート状態にする。その結果、マイクロコントローラへの入力電圧は増加する。プログラミングモードに入ると、マイクロコントローラは、アンテナ74によって送信されるデータを受信し続け、このデータをフラッシュメモリに書き込み、したがって、例えば、フラッシュメモリに以前に記憶されていたプログラムに上書きする。プログラミングシーケンスの完了時に、マイクロコントローラは、スイッチ108を閉じて、GPIOピンをグランドに接地し、通常の動作モードに戻す。
【0064】
したがって、電圧制御回路80は、標準的な定電圧調整器を入力として用いることによって、マイクロコントローラ58が、それ自身の入力電圧を変更するための、非常に簡単かつ経済的な方法を提供する。特別のプログラミング回路、または、高電圧調整器は、何れも必要ない。本発明のこの態様によって、位置トランスデューサ50が移植片26内へカプセル封入された後にプログラミングできるようになり、さらに、現場での再プログラミングおよびソフトウェアのアップグレードでさえもできるようになる。この実施の形態の原理は、外部から電力を供給されていても(トランスデューサ50の場合のように)、また、内部のバッテリーによって電力を供給されていても、その他のタイプの無線式装置のプログラミングに適用されてよい。この方法は、マイクロコントローラ58の再プログラミングだけでなく、較正ルックアップテーブルのようなその他の記憶されたデータをフラッシュメモリ102に書き込むためにも、用いられてよい。
【0065】
より一般化して言えば、本発明の実施の形態は無線式位置トランスデューサに関連してこれまで記載されたが、本発明の態様はその他のタイプの無線式デジタルトランスデューサおよびセンサーで実現されてもよい。例えば、上述された方法および装置の構成は、位置の検出に加えて、温度、圧力、および/または、流量などの生理学的パラメータを検出するために用いられる植え込み可能な装置で用いられてよい。その場合、マイクロコントローラは、上述されたような方法で、センサーの読み取り値を送信してよい。それに代わって、別個の送信チャネルが、センサーの読み取り値を送信するために、設けられてもよい。例えば、読み取り値は、送信コイル52とは別個の、専用のアンテナを用いて送信されてよい。それに加えて、または、それに代わって、センサーの出力は、別個の専用のマイクロコントローラによって処理されてもよい。
【0066】
したがって、上記の実施の形態が例として記載されたこと、および、本発明が本明細書に具体的に示され記載されたものに限定されないことが適正に評価されるであろう。そうではなく、本発明の範囲は、本明細書に記載されたさまざまな特徴部の組み合わせおよび部分的な組み合わせの両方、および、これまでの記載を読んだときに当業者が思いつき従来技術では開示されていないさまざまな特徴部の変形および変更、を含む。
【0067】
〔実施の態様〕
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)物体を追跡する装置において、
前記物体に固定されるように構成された位置トランスデューサであって、前記位置トランスデューサが、
複数の出力ピンを備え、前記出力ピンの少なくとも一つに、選択された周波数の交流デジタル出力を生み出すように動作する、デジタルマイクロコントローラ、および、
前記出力ピンの前記少なくとも一つに直接接続された少なくとも一つの送信アンテナであって、前記少なくとも一つの送信アンテナが、前記交流デジタル出力に応答して、前記選択された周波数の磁界を送信する、少なくとも一つの送信アンテナ、
を含む、位置トランスデューサと、
前記磁界を検出し、前記磁界に応答して信号を生み出すように構成されたフィールドセンサーと、
前記位置トランスデューサの座標を求めるために、前記信号を受信し処理するように接続されたプロセッサと、
を具備する、装置。
(2)前記実施態様(1)に記載の装置において、
前記少なくとも一つの送信アンテナが、前記選択された周波数付近の共振周波数を有するコイルを含む、
装置。
(3)前記実施態様(1)に記載の装置において、
前記少なくとも一つの送信アンテナがコイルを含み、
前記デジタルマイクロコントローラの前記複数の出力ピンが、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、
前記コイルが、前記第1および第2の出力ピンの間に直接接続されている、
装置。
(4)前記実施態様(3)に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記第1および第2の出力ピンの各々に、前記選択された周波数で互いに逆の位相の第1および第2の交流デジタル出力を生み出すように動作する、
装置。
(5)前記実施態様(1)に記載の装置において、
前記交流デジタル出力が方形波を含む、
装置。
(6)前記実施態様(1)に記載の装置において、
前記複数の出力ピンが、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、
前記少なくとも一つの送信アンテナが、少なくとも第1および第2のアンテナコイルを含み、前記第1および第2のアンテナコイルが、各々、前記第1および第2の出力ピンに直接接続されていて、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記第1および第2の出力ピンに前記交流デジタル出力を生み出して、前記第1および第2のアンテナコイルを交互に駆動するように動作する、
装置。
(7)前記実施態様(6)に記載の装置において、
前記複数の出力ピンが、追加の出力ピンを含み、
前記第1および第2のアンテナコイルが、前記追加の出力ピンと前記第1および第2の出力ピンとの間に、各々、直接接続されている、
装置。
(8)前記実施態様(6)に記載の装置において、
前記少なくとも第1および第2のアンテナコイルが、互いに直交する軸を中心にして巻かれている、
装置。
(9)前記実施態様(1)に記載の装置において、
位置トランスデューサにバイナリデータを搬送するように変調された無線周波数(RF)信号を送信するように動作する基準送信機(reference transmitter)をさらに具備し、
前記位置トランスデューサが、前記信号を受信するように構成された受信アンテナ、および、前記バイナリデータを復調して前記デジタルマイクロコントローラへ向けて通過させるように前記受信アンテナに接続された復調回路、を含み、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記バイナリデータに応答して、前記交流デジタル出力を生み出すように構成されている、
装置。
(10)前記実施態様(9)に記載の装置において、
前記RF信号が、予め決められたデータ速度で前記バイナリデータに応答して振幅変調されていて、
前記デジタルマイクロコントローラが、デジタル入力ピンを含み、
前記復調回路が、整流器を含み、前記整流器は、前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに接続するように、前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直接接続されている、
装置。
【0068】
(11)前記実施態様(9)に記載の装置において、
前記バイナリデータが、同期化信号を含む、
装置。
(12)前記実施態様(1)に記載の装置において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記位置トランスデューサに送信するように動作する電力送信機をさらに具備し、
前記位置トランスデューサが、送信された前記RFエネルギーを受信するように構成された少なくとも一つの受信アンテナ、および、直流(DC)入力を前記デジタルマイクロコントローラに供給するために前記RFエネルギーを整流するように接続された整流器、を含む、
装置。
(13)前記実施態様(1)に記載の装置において、
前記位置トランスデューサが、被験者の体に挿入するためにカプセル封入された無線式装置である、
装置。
(14)前記実施態様(13)に記載の装置において、
前記位置トランスデューサが、前記体の生理学的パラメータを検出するための少なくとも一つの追加のセンサーを含み、
前記少なくとも一つの追加のセンサーが、前記マイクロコントローラに接続されていて、それによって、少なくとも一つの送信アンテナを通して、センサーの読み取り値を送信する、
装置。
(15)物体を追跡する装置において、
基準周波数で変調された無線周波数(RF)信号を送信するように動作する基準送信機と、
前記物体に固定されるように構成された位置トランスデューサであって、前記トランスデューサが、
前記RF信号を受信し、磁界を送信するための、少なくとも一つのアンテナ、および、
前記RF信号から前記基準周波数を受信するよう、かつ、前記少なくとも一つのアンテナを駆動して前記基準周波数で前記磁界を生み出すように、前記少なくとも一つのアンテナに接続された、デジタルマイクロコントローラ、
を含む、位置トランスデューサと、
前記基準周波数で前記磁界を検出するように同調され、かつ、前記磁界に応答して信号を生み出すように構成された、フィールドセンサーと、
前記位置トランスデューサの座標を求めるために、前記信号を受信して処理するように接続されたプロセッサと、
を具備する、装置。
(16)前記実施態様(15)に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、デジタル入力ピンを含み、
前記位置トランスデューサが、整流器を含み、前記整流器は、前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに接続するように、前記少なくとも一つのアンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直接接続されている、
装置。
(17)前記実施態様(15)に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記少なくとも一つのアンテナを駆動し、前記変調されたRF信号と予め決められた位相関係にある前記磁界を生み出すように動作し、
前記フィールドセンサーが、前記位相関係に応答して、前記磁界を検出するように構成されている、
装置。
(18)前記実施態様(15)に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、入力ピンおよび出力ピンを含み、
前記少なくとも一つのアンテナが、前記入力ピンの少なくとも一つに接続された受信アンテナ、および、前記出力ピンの少なくとも一つに接続された送信アンテナ、を含む、
装置。
(19)前記実施態様(18)に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記出力ピンの前記少なくとも一つに前記基準周波数で方形波を生み出すことによって、前記送信アンテナを駆動するように動作する、
装置。
(20)前記実施態様(15)に記載の装置において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記位置トランスデューサに送信するように動作する電力送信機をさらに具備し、
前記位置トランスデューサが、送信された前記RFエネルギーを受信するように構成された少なくとも一つの受信アンテナ、および、前記RFエネルギーを整流して直流(DC)入力を前記デジタルマイクロコントローラに供給するように接続された整流器、を含む、
装置。
【0069】
(21)前記実施態様(15)に記載の装置において、
前記位置トランスデューサが、被験者の体の中に挿入するためにカプセル封入された無線式装置である、
装置。
(22)無線式装置において、
バイナリデータを受信するように構成されたデジタル入力ピンを備えたデジタルマイクロコントローラと、
前記バイナリデータを前記無線式装置に搬送するために予め決められた変調速度で振幅変調された無線周波数(RF)信号を受信するように構成された受信アンテナと、
前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに結合するように、前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直接接続された整流器と、
を具備する、無線式装置。
(23)前記実施態様(22)に記載の無線式装置において、
前記整流器が、前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直列接続された単一のダイオードを含む、
無線式装置。
(24)前記実施態様(22)に記載の無線式装置において、
前記RF信号が搬送波周波数を有し、
前記受信アンテナが、前記搬送波周波数の付近で共振するコイルを含む、
無線式装置。
(25)前記実施態様(22)に記載の無線式装置において、
前記デジタルマイクロコントローラは、前記整流されたRF信号が前記デジタル入力ピンに現れることによって、前記デジタルマイクロコントローラのインタラプトが誘発されるように、構成されている、
無線式装置。
(26)前記実施態様(22)に記載の無線式装置において、
送信アンテナをさらに具備し、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記バイナリデータに応答して磁界を送信するために前記送信アンテナを駆動するように接続されたデジタル出力ピンを含む、
無線式装置。
(27)前記実施態様(26)に記載の無線式装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記バイナリデータの前記変調速度に同期して前記デジタル出力ピンに方形波を生み出すように構成されている、
無線式装置。
(28)前記実施態様(22)に記載の無線式装置において、
RFエネルギーを受信するように構成された少なくとも一つの電力アンテナと、
前記RFエネルギーを整流し、前記デジタルマイクロコントローラに直流(DC)入力を供給するように連結された整流器と、
をさらに具備する、無線式装置。
(29)前記実施態様(22)に記載の無線式装置において、
前記デジタルマイクロコントローラ、前記受信アンテナ、および、前記整流器が、被験者の体の中に挿入するためにカプセル封入されている、
無線式装置。
(30)無線式装置において、
直流(DC)電圧を生み出すように構成された電源と、
前記電源に接続された電力入力、電力出力、および、グランド出力(ground output)を含み、前記DC電圧に応答して、前記電力出力および前記グランド出力との間に、第1の電圧を生み出すように動作する、調整器と、
前記整流器の前記グランド出力に接続された第1の端子、および、第2の端子を含むダイオードと、
デジタルマイクロコントローラであって、前記デジタルマイクロコントローラが、
前記第1の電圧で動作しているときに読み出し専用モードでアクセス可能であり、前記第1の電圧より高い第2の電圧で動作しているときにプログラム可能である、不揮発性メモリ、
前記調整器の前記電力出力に接続された電力入力、
前記ダイオードの前記第2の端子に接続されたグランドピン、
入力ピンであって、前記入力ピンが、前記グランドピンに接続された第1の構成と前記入力ピンがフロート状態にある第2の構成との間を、前記マイクロコントローラによって切り換え可能な、入力ピン、および、
大気を通して送信され、プログラミング命令およびデータを含むデータ信号を、受信するように接続されたデータ入力、
を含む、デジタルマイクロコントローラと、
を具備し、
前記マイクロコントローラが、前記プログラミング命令に応答して、前記入力ピンを前記第1の構成から前記第2の構成に切り換え、それによって、前記電力入力および前記グランドピンの間の電圧を前記第2の電圧まで増加させるよう、かつ、前記入力ピンが前記第2の構成である間に前記不揮発性メモリに前記データを書き込むように、構成されている、
無線式装置。
【0070】
(31)前記実施態様(30)に記載の無線式装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記データに応答して、前記無線式装置の座標を求めるのに用いるための信号を送信するように構成されている、
無線式装置。
(32)前記実施態様(30)に記載の無線式装置において、
前記不揮発性メモリが、フラッシュメモリを含む、
無線式装置。
(33)前記実施態様(30)に記載の無線式装置において、
前記データ信号が、バイナリデータを前記無線式装置に搬送するために変調された無線周波数(RF)信号を含み、
前記無線式装置が、前記RF信号を受信するように構成された受信アンテナ、および、前記バイナリデータを復調して前記デジタルマイクロコントローラの前記データ入力に向けて通過させるように、前記受信アンテナに接続された復調回路、を含む、
無線式装置。
(34)前記実施態様(33)に記載の無線式装置において、
前記RF信号が、前記バイナリデータに応答して振幅変調されたRF搬送波を含み、
前記復調回路が、前記RF信号を整流するように前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直接接続された整流器を含む、
無線式装置。
(35)前記実施態様(30)に記載の無線式装置において、
前記電源が、RFエネルギーを受信するように構成された少なくとも一つの電力アンテナ、および、前記DC電圧を生み出すように前記RFエネルギーを整流するために接続された整流器、を含む、
無線式装置。
(36)物体を追跡する方法において、
前記物体に位置トランスデューサを固定する過程であって、前記位置トランスデューサが、複数の出力ピンを備えたデジタルマイクロコントローラを含む、過程と、
少なくとも一つの送信アンテナを前記出力ピンの少なくとも一つに直接接続する過程と、
前記少なくとも一つのアンテナに選択された周波数で磁界を送信させるために、前記マイクロコントローラの前記少なくとも一つの出力ピンに前記選択された周波数で交流デジタル出力を生み出す過程と、
位置トランスデューサの座標を求めるために、前記磁界を検出する過程と、
を含む、方法。
(37)前記実施態様(36)に記載の方法において、
前記少なくとも一つの送信アンテナが、前記選択された周波数付近の共振周波数を有するコイルを含む、
方法。
(38)前記実施態様(37)に記載の方法において、
前記複数の出力ピンが、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、
前記コイルが、前記第1および第2の出力ピンの間に直接接続されている、
方法。
(39)前記実施態様(38)に記載の方法において、
前記交流デジタル出力を生み出す過程が、前記選択された周波数で互いに逆の位相の第1および第2の交流デジタル出力を、前記第1および第2の出力ピンに、各々、生み出す過程を含む、
方法。
(40)前記実施態様(36)に記載の方法において、
前記交流デジタル出力を生み出す過程が、方形波を生み出す過程を含む、
方法。
【0071】
(41)前記実施態様(36)に記載の方法において、
前記複数の出力ピンが、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、
前記少なくとも一つの送信アンテナを接続する過程が、前記第1および第2の出力ピンに、各々、第1および第2のアンテナを直接接続する過程を含み、
前記交流デジタル出力を生み出す過程が、前記第1および第2のアンテナを交互に駆動するように前記第1および第2の出力ピンに交流デジタル出力を生み出す過程を含む、
方法。
(42)前記実施態様(41)に記載の方法において、
前記複数の出力ピンが、第3の出力ピンを含み、
前記第1および第2のアンテナを接続する過程が、前記第3の出力ピンと前記第1および第2の出力ピンの各々との間に、第1および第2のコイルを直接接続する過程を含む、
方法。
(43)前記実施態様(41)に記載の方法において、
前記第1および第2のアンテナが、互いに直交する軸を中心にして巻かれたコイルを含む、
方法。
(44)前記実施態様(36)に記載の方法において、
バイナリデータを搬送するように変調された無線周波数(RF)信号を前記位置トランスデューサに送信する過程と、
前記デジタルマイクロコントローラに前記バイナリデータを入力するように、前記位置トランスデューサで前記RF信号を受信しかつ復調する過程と、
をさらに含み、
前記方形波を生み出す過程が、前記バイナリデータに応答して前記方形波を生み出す過程を含む、
方法。
(45)前記実施態様(44)に記載の方法において、
前記RF信号を送信する過程が、予め決められたデータ速度で前記バイナリデータに応答して前記RF信号の振幅を変調する過程を含み、
前記RF信号を受信しかつ復調する過程が、前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに接続するように、受信アンテナと前記デジタルマイクロコントローラのデジタル入力ピンとの間に整流器を直接接続する過程を含む、
方法。
(46)前記実施態様(44)に記載の方法において、
前記バイナリデータが、同期化信号を含み、
前記方形波を生み出す過程が、前記同期化信号で前記方形波を同期化する過程を含む、
方法。
(47)前記実施態様(36)に記載の方法において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記位置トランスデューサに送信する過程と、
前記デジタルマイクロコントローラへ直流(DC)入力を供給するために、送信された前記RFエネルギーを受信しかつ整流する過程と、
をさらに具備する、方法。
(48)前記実施態様(36)に記載の方法において、
前記物体を前記位置トランスデューサと共に、被験者の体の中に挿入する過程、
をさらに具備する、方法。
(49)前記実施態様(48)に記載の方法において、
前記位置トランスデューサが、前記体の生理学的パラメータを検出するための少なくとも一つの追加のセンサーを含み、
前記方法が、センサーの読み取り値を送信するために、前記少なくとも一つの追加のセンサーを前記マイクロコントローラに接続し、それによって、前記少なくとも一つの送信アンテナを介して送信する過程を含む、
方法。
(50)物体を追跡する方法において、
基準周波数で変調された無線周波数(RF)信号を基準送信機から送信する過程と、
位置トランスデューサを前記物体に固定する過程であって、前記位置トランスデューサが、
前記RF信号を受信し、磁界を送信するための、少なくとも一つのアンテナ、および、
前記RF信号から前記基準周波数を受信するよう、かつ、前記基準周波数で前記磁界を生み出すために前記少なくとも一つのアンテナを駆動するように、前記少なくとも一つのアンテナに接続された、デジタルマイクロコントローラ、
を備える、過程と、
前記位置トランスデューサの座標を求めるために、前記基準周波数で前記磁界を検出する過程と、
を含む、方法。
【0072】
(51)前記実施態様(50)に記載の方法において、
前記デジタルマイクロコントローラが、デジタル入力ピンを含み、
前記位置トランスデューサを固定する前記過程が、前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに接続するように、前記少なくとも一つのアンテナと前記デジタル入力ピンとの間に整流器を直接接続する過程を含む、
方法。
(52)前記実施態様(50)に記載の方法において、
前記位置トランスデューサを固定する前記過程が、前記変調されたRF信号と予め決められた位相関係にある前記磁界を生み出すために、前記デジタルマイクロコントローラを用いて、前記少なくとも一つのアンテナを駆動する過程を含み、
前記磁界を検出する前記過程が、前記位相関係に応答して前記磁界を検出する過程を含む、
方法。
(53)前記実施態様(50)に記載の方法において、
前記デジタルマイクロコントローラが、入力ピンおよび出力ピンを含み、
前記少なくとも一つのアンテナが、前記入力ピンの少なくとも一つに接続された受信アンテナ、および、前記出力ピンの少なくとも一つに接続された送信アンテナ、を含む、
方法。
(54)前記実施態様(53)に記載の方法において、
前記位置トランスデューサを固定する前記過程が、前記出力ピンの前記少なくとも一つに前記基準周波数で方形波を生み出すことによって前記送信アンテナを駆動する過程を含む、
方法。
(55)前記実施態様(50)に記載の方法において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記位置トランスデューサに送信する過程と、
前記デジタルマイクロコントローラに直流(DC)入力を供給するために送信された前記RFエネルギーを受信し整流する過程と、
をさらに含む、方法。
(56)前記実施態様(50)に記載の方法において、
前記物体を前記位置トランスデューサと共に被験者の体の中に挿入する過程、
をさらに含む、方法。
(57)デジタルマイクロコントローラを含む無線式装置を操作する方法において、
前記方法が、
前記無線式装置にバイナリデータを搬送するように予め決められた変調速度で振幅変調された無線周波数(RF)信号を送信する過程と、
前記RF信号を整流し、整流された前記RF信号をデジタル入力ピンに接続するように、受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に、整流器を直接接続することによって、前記受信アンテナを前記デジタルマイクロコントローラに接続する過程と、
を含む、方法。
(58)前記実施態様(57)に記載の方法において、
前記整流器が、前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直列に接続された単一のダイオードを含む、
方法。
(59)前記実施態様(57)に記載の方法において、
前記RF信号が、搬送波周波数を有し、
前記受信アンテナが、前記搬送波周波数付近で共振するコイルを含む、
方法。
(60)前記実施態様(57)に記載の方法において、
前記受信アンテナを接続する前記過程が、前記整流されたRF信号が前記デジタル入力ピンに現れることによって、前記デジタルマイクロコントローラのインタラプトが誘発されるように、前記デジタルマイクロコントローラを構成する過程を含む、
方法。
【0073】
(61)前記実施態様(57)に記載の方法において、
前記バイナリデータに応答して磁界を送信するために送信アンテナを駆動するように前記デジタルマイクロコントローラのデジタル出力ピンを接続する過程、
をさらに含む、方法。
(62)前記実施態様(61)に記載の方法において、
前記デジタル出力ピンを接続する前記過程が、前記バイナリデータの前記変調速度と同期して前記デジタル出力ピンに方形波を生み出す過程を含む、
方法。
(63)前記実施態様(57)に記載の方法において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記無線式装置に送信する過程と、
前記デジタルマイクロコントローラに直流(DC)入力を供給するために、前記無線式装置で、送信された前記RFエネルギーを受信し整流する過程と、
をさらに含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明のある実施の形態に基づく位置検出システムの模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に基づく位置トランスデューサの細部を示す模式図である。
【図3】本発明のある実施の形態に基づく位置検出システムの機能的な要素を模式的に示すブロック図である。
【図4】本発明のある実施の形態に基づく位置トランスデューサのマイクロコントローラによって生み出された駆動信号を模式的に示すグラフである。
【図5】本発明のある実施の形態に基づく位置トランスデューサへ送信される振幅変調されたダウンリンク信号を模式的に示すグラフである。
【図6】本発明のある実施の形態に基づくマイクロコントローラに接続された復調回路を模式的に示す電気回路図である。
【図7】本発明のある実施の形態に基づく位置トランスデューサの電力入力回路およびプログラミング制御回路を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
20 磁気的追跡システム
22 外科医
23 患者
24 器具
26 移植片
30 脚
34 位置パッド
38 信号処理コンソール
41 コンピュータ
42 ディスプレイ
50 トランスデューサ
52 送信コイル
52A,52B,52C 送信コイル
56 基板
58 マイクロコントローラ
59 周辺回路素子
60 無線通信コイル
62 電力コイル
70 処理ユニット
72 電力送信アンテナ
74 通信アンテナ
76 検出コイル
78 整流器
80 電圧制御回路
82 ピン
84 復調回路
90,92 駆動信号
94 信号
96 キャパシタ
98 ダイオード
100 キャパシタ
102 メモリ
104 DC調整器
106 ダイオード
108 内部スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を追跡する装置において、
前記物体に固定されるように構成された位置トランスデューサであって、前記位置トランスデューサが、
複数の出力ピンを備え、前記出力ピンの少なくとも一つに、選択された周波数の交流デジタル出力を生み出すように動作する、デジタルマイクロコントローラ、および、
前記出力ピンの前記少なくとも一つに直接接続された少なくとも一つの送信アンテナであって、前記少なくとも一つの送信アンテナが、前記交流デジタル出力に応答して、前記選択された周波数の磁界を送信する、少なくとも一つの送信アンテナ、
を含む、位置トランスデューサと、
前記磁界を検出し、前記磁界に応答して信号を生み出すように構成されたフィールドセンサーと、
前記位置トランスデューサの座標を求めるために、前記信号を受信し処理するように接続されたプロセッサと、
を具備する、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記少なくとも一つの送信アンテナが、前記選択された周波数付近の共振周波数を有するコイルを含む、
装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、
前記少なくとも一つの送信アンテナがコイルを含み、
前記デジタルマイクロコントローラの前記複数の出力ピンが、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、
前記コイルが、前記第1および第2の出力ピンの間に直接接続されている、
装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記第1および第2の出力ピンの各々に、前記選択された周波数で互いに逆の位相の第1および第2の交流デジタル出力を生み出すように動作する、
装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、
前記交流デジタル出力が方形波を含む、
装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、
前記複数の出力ピンが、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、
前記少なくとも一つの送信アンテナが、少なくとも第1および第2のアンテナコイルを含み、前記第1および第2のアンテナコイルが、各々、前記第1および第2の出力ピンに直接接続されていて、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記第1および第2の出力ピンに前記交流デジタル出力を生み出して、前記第1および第2のアンテナコイルを交互に駆動するように動作する、
装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、
前記複数の出力ピンが、追加の出力ピンを含み、
前記第1および第2のアンテナコイルが、前記追加の出力ピンと前記第1および第2の出力ピンとの間に、各々、直接接続されている、
装置。
【請求項8】
請求項6に記載の装置において、
前記少なくとも第1および第2のアンテナコイルが、互いに直交する軸を中心にして巻かれている、
装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、
位置トランスデューサにバイナリデータを搬送するように変調された無線周波数(RF)信号を送信するように動作する基準送信機(reference transmitter)をさらに具備し、
前記位置トランスデューサが、前記信号を受信するように構成された受信アンテナ、および、前記バイナリデータを復調して前記デジタルマイクロコントローラへ向けて通過させるように前記受信アンテナに接続された復調回路、を含み、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記バイナリデータに応答して、前記交流デジタル出力を生み出すように構成されている、
装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、
前記RF信号が、予め決められたデータ速度で前記バイナリデータに応答して振幅変調されていて、
前記デジタルマイクロコントローラが、デジタル入力ピンを含み、
前記復調回路が、整流器を含み、前記整流器は、前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに接続するように、前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直接接続されている、
装置。
【請求項11】
請求項9に記載の装置において、
前記バイナリデータが、同期化信号を含む、
装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記位置トランスデューサに送信するように動作する電力送信機をさらに具備し、
前記位置トランスデューサが、送信された前記RFエネルギーを受信するように構成された少なくとも一つの受信アンテナ、および、直流(DC)入力を前記デジタルマイクロコントローラに供給するために前記RFエネルギーを整流するように接続された整流器、を含む、
装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置において、
前記位置トランスデューサが、被験者の体に挿入するためにカプセル封入された無線式装置である、
装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、
前記位置トランスデューサが、前記体の生理学的パラメータを検出するための少なくとも一つの追加のセンサーを含み、
前記少なくとも一つの追加のセンサーが、前記マイクロコントローラに接続されていて、それによって、少なくとも一つの送信アンテナを通して、センサーの読み取り値を送信する、
装置。
【請求項15】
物体を追跡する装置において、
基準周波数で変調された無線周波数(RF)信号を送信するように動作する基準送信機と、
前記物体に固定されるように構成された位置トランスデューサであって、前記トランスデューサが、
前記RF信号を受信し、磁界を送信するための、少なくとも一つのアンテナ、および、
前記RF信号から前記基準周波数を受信するよう、かつ、前記少なくとも一つのアンテナを駆動して前記基準周波数で前記磁界を生み出すように、前記少なくとも一つのアンテナに接続された、デジタルマイクロコントローラ、
を含む、位置トランスデューサと、
前記基準周波数で前記磁界を検出するように同調され、かつ、前記磁界に応答して信号を生み出すように構成された、フィールドセンサーと、
前記位置トランスデューサの座標を求めるために、前記信号を受信して処理するように接続されたプロセッサと、
を具備する、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、デジタル入力ピンを含み、
前記位置トランスデューサが、整流器を含み、前記整流器は、前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに接続するように、前記少なくとも一つのアンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直接接続されている、
装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記少なくとも一つのアンテナを駆動し、前記変調されたRF信号と予め決められた位相関係にある前記磁界を生み出すように動作し、
前記フィールドセンサーが、前記位相関係に応答して、前記磁界を検出するように構成されている、
装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、入力ピンおよび出力ピンを含み、
前記少なくとも一つのアンテナが、前記入力ピンの少なくとも一つに接続された受信アンテナ、および、前記出力ピンの少なくとも一つに接続された送信アンテナ、を含む、
装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記出力ピンの前記少なくとも一つに前記基準周波数で方形波を生み出すことによって、前記送信アンテナを駆動するように動作する、
装置。
【請求項20】
請求項15に記載の装置において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記位置トランスデューサに送信するように動作する電力送信機をさらに具備し、
前記位置トランスデューサが、送信された前記RFエネルギーを受信するように構成された少なくとも一つの受信アンテナ、および、前記RFエネルギーを整流して直流(DC)入力を前記デジタルマイクロコントローラに供給するように接続された整流器、を含む、
装置。
【請求項21】
請求項15に記載の装置において、
前記位置トランスデューサが、被験者の体の中に挿入するためにカプセル封入された無線式装置である、
装置。
【請求項22】
無線式装置において、
バイナリデータを受信するように構成されたデジタル入力ピンを備えたデジタルマイクロコントローラと、
前記バイナリデータを前記無線式装置に搬送するために予め決められた変調速度で振幅変調された無線周波数(RF)信号を受信するように構成された受信アンテナと、
前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに結合するように、前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直接接続された整流器と、
を具備する、無線式装置。
【請求項23】
請求項22に記載の無線式装置において、
前記整流器が、前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直列接続された単一のダイオードを含む、
無線式装置。
【請求項24】
請求項22に記載の無線式装置において、
前記RF信号が搬送波周波数を有し、
前記受信アンテナが、前記搬送波周波数の付近で共振するコイルを含む、
無線式装置。
【請求項25】
請求項22に記載の無線式装置において、
前記デジタルマイクロコントローラは、前記整流されたRF信号が前記デジタル入力ピンに現れることによって、前記デジタルマイクロコントローラのインタラプトが誘発されるように、構成されている、
無線式装置。
【請求項26】
請求項22に記載の無線式装置において、
送信アンテナをさらに具備し、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記バイナリデータに応答して磁界を送信するために前記送信アンテナを駆動するように接続されたデジタル出力ピンを含む、
無線式装置。
【請求項27】
請求項26に記載の無線式装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記バイナリデータの前記変調速度に同期して前記デジタル出力ピンに方形波を生み出すように構成されている、
無線式装置。
【請求項28】
請求項22に記載の無線式装置であって、
RFエネルギーを受信するように構成された少なくとも一つの電力アンテナと、
前記RFエネルギーを整流し、前記デジタルマイクロコントローラに直流(DC)入力を供給するように連結された整流器と、
をさらに具備する、無線式装置。
【請求項29】
請求項22に記載の無線式装置において、
前記デジタルマイクロコントローラ、前記受信アンテナ、および、前記整流器が、被験者の体の中に挿入するためにカプセル封入されている、
無線式装置。
【請求項30】
無線式装置において、
直流(DC)電圧を生み出すように構成された電源と、
前記電源に接続された電力入力、電力出力、および、グランド出力(ground output)を含み、前記DC電圧に応答して、前記電力出力および前記グランド出力の間に、第1の電圧を生み出すように動作する、調整器と、
前記整流器の前記グランド出力に接続された第1の端子、および、第2の端子を含むダイオードと、
デジタルマイクロコントローラであって、前記デジタルマイクロコントローラが、
前記第1の電圧で動作しているときに読み出し専用モードでアクセス可能であり、前記第1の電圧より高い第2の電圧で動作しているときにプログラム可能である、不揮発性メモリ、
前記調整器の前記電力出力に接続された電力入力、
前記ダイオードの前記第2の端子に接続されたグランドピン、
入力ピンであって、前記入力ピンが、前記グランドピンに接続された第1の構成と前記入力ピンがフロート状態にある第2の構成との間を、前記マイクロコントローラによって切り換え可能な、入力ピン、および、
大気を通して送信され、プログラミング命令およびデータを含むデータ信号を、受信するように接続されたデータ入力、
を含む、デジタルマイクロコントローラと、
を具備し、
前記マイクロコントローラが、前記プログラミング命令に応答して、前記入力ピンを前記第1の構成から前記第2の構成に切り換え、それによって、前記電力入力および前記グランドピンの間の電圧を前記第2の電圧まで増加させるよう、かつ、前記入力ピンが前記第2の構成である間に前記不揮発性メモリに前記データを書き込むように、構成されている、
無線式装置。
【請求項31】
請求項30に記載の無線式装置において、
前記デジタルマイクロコントローラが、前記データに応答して、前記無線式装置の座標を求めるのに用いるための信号を送信するように構成されている、
無線式装置。
【請求項32】
請求項30に記載の無線式装置において、
前記不揮発性メモリが、フラッシュメモリを含む、
無線式装置。
【請求項33】
請求項30に記載の無線式装置において、
前記データ信号が、バイナリデータを前記無線式装置に搬送するために変調された無線周波数(RF)信号を含み、
前記無線式装置が、前記RF信号を受信するように構成された受信アンテナ、および、前記バイナリデータを復調して前記デジタルマイクロコントローラの前記データ入力に向けて通過させるように、前記受信アンテナに接続された復調回路、を含む、
無線式装置。
【請求項34】
請求項33に記載の無線式装置において、
前記RF信号が、前記バイナリデータに応答して振幅変調されたRF搬送波を含み、
前記復調回路が、前記RF信号を整流するように前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直接接続された整流器を含む、
無線式装置。
【請求項35】
請求項30に記載の無線式装置において、
前記電源が、RFエネルギーを受信するように構成された少なくとも一つの電力アンテナ、および、前記DC電圧を生み出すように前記RFエネルギーを整流するために接続された整流器、を含む、
無線式装置。
【請求項36】
物体を追跡する方法において、
前記物体に位置トランスデューサを固定する過程であって、前記位置トランスデューサが、複数の出力ピンを備えたデジタルマイクロコントローラを含む、過程と、
少なくとも一つの送信アンテナを前記出力ピンの少なくとも一つに直接接続する過程と、
前記少なくとも一つのアンテナに選択された周波数で磁界を送信させるために、前記マイクロコントローラの前記少なくとも一つの出力ピンに前記選択された周波数で交流デジタル出力を生み出す過程と、
位置トランスデューサの座標を求めるために、前記磁界を検出する過程と、
を含む、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、
前記少なくとも一つの送信アンテナが、前記選択された周波数付近の共振周波数を有するコイルを含む、
方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法において、
前記複数の出力ピンが、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、
前記コイルが、前記第1および第2の出力ピンの間に直接接続されている、
方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法において、
前記交流デジタル出力を生み出す過程が、前記選択された周波数で互いに逆の位相の第1および第2の交流デジタル出力を、前記第1および第2の出力ピンに、各々、生み出す過程を含む、
方法。
【請求項40】
請求項36に記載の方法において、
前記交流デジタル出力を生み出す過程が、方形波を生み出す過程を含む、
方法。
【請求項41】
請求項36に記載の方法において、
前記複数の出力ピンが、少なくとも第1および第2の出力ピンを含み、
前記少なくとも一つの送信アンテナを接続する過程が、前記第1および第2の出力ピンに、各々、第1および第2のアンテナを直接接続する過程を含み、
前記交流デジタル出力を生み出す過程が、前記第1および第2のアンテナを交互に駆動するように前記第1および第2の出力ピンに交流デジタル出力を生み出す過程を含む、
方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、
前記複数の出力ピンが、第3の出力ピンを含み、
前記第1および第2のアンテナを接続する過程が、前記第3の出力ピンと前記第1および第2の出力ピンの各々との間に、第1および第2のコイルを直接接続する過程を含む、
方法。
【請求項43】
請求項41に記載の方法において、
前記第1および第2のアンテナが、互いに直交する軸を中心にして巻かれたコイルを含む、
方法。
【請求項44】
請求項36に記載の方法において、
バイナリデータを搬送するように変調された無線周波数(RF)信号を前記位置トランスデューサに送信する過程と、
前記デジタルマイクロコントローラに前記バイナリデータを入力するように、前記位置トランスデューサで前記RF信号を受信しかつ復調する過程と、
をさらに含み、
前記方形波を生み出す過程が、前記バイナリデータに応答して前記方形波を生み出す過程を含む、
方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法において、
前記RF信号を送信する過程が、予め決められたデータ速度で前記バイナリデータに応答して前記RF信号の振幅を変調する過程を含み、
前記RF信号を受信しかつ復調する過程が、前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに接続するように、受信アンテナと前記デジタルマイクロコントローラのデジタル入力ピンとの間に整流器を直接接続する過程を含む、
方法。
【請求項46】
請求項44に記載の方法において、
前記バイナリデータが、同期化信号を含み、
前記方形波を生み出す過程が、前記同期化信号で前記方形波を同期化する過程を含む、
方法。
【請求項47】
請求項36に記載の方法において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記位置トランスデューサに送信する過程と、
前記デジタルマイクロコントローラへ直流(DC)入力を供給するために、送信された前記RFエネルギーを受信しかつ整流する過程と、
をさらに具備する、方法。
【請求項48】
請求項36に記載の方法において、
前記物体を前記位置トランスデューサと共に、被験者の体の中に挿入する過程、
をさらに具備する、方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法において、
前記位置トランスデューサが、前記体の生理学的パラメータを検出するための少なくとも一つの追加のセンサーを含み、
前記方法が、センサーの読み取り値を送信するために、前記少なくとも一つの追加のセンサーを前記マイクロコントローラに接続し、それによって、前記少なくとも一つの送信アンテナを介して送信する過程を含む、
方法。
【請求項50】
物体を追跡する方法において、
基準周波数で変調された無線周波数(RF)信号を基準送信機から送信する過程と、
位置トランスデューサを前記物体に固定する過程であって、前記位置トランスデューサが、
前記RF信号を受信し、磁界を送信するための、少なくとも一つのアンテナ、および、
前記RF信号から前記基準周波数を受信するよう、かつ、前記基準周波数で前記磁界を生み出すために前記少なくとも一つのアンテナを駆動するように、前記少なくとも一つのアンテナに接続された、デジタルマイクロコントローラ、
を備える、過程と、
前記位置トランスデューサの座標を求めるために、前記基準周波数で前記磁界を検出する過程と、
を含む、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法において、
前記デジタルマイクロコントローラが、デジタル入力ピンを含み、
前記位置トランスデューサを固定する前記過程が、前記RF信号を整流するよう、かつ、整流された前記RF信号を前記デジタル入力ピンに接続するように、前記少なくとも一つのアンテナと前記デジタル入力ピンとの間に整流器を直接接続する過程を含む、
方法。
【請求項52】
請求項50に記載の方法において、
前記位置トランスデューサを固定する前記過程が、前記変調されたRF信号と予め決められた位相関係にある前記磁界を生み出すために、前記デジタルマイクロコントローラを用いて、前記少なくとも一つのアンテナを駆動する過程を含み、
前記磁界を検出する前記過程が、前記位相関係に応答して前記磁界を検出する過程を含む、
方法。
【請求項53】
請求項50に記載の方法において、
前記デジタルマイクロコントローラが、入力ピンおよび出力ピンを含み、
前記少なくとも一つのアンテナが、前記入力ピンの少なくとも一つに接続された受信アンテナ、および、前記出力ピンの少なくとも一つに接続された送信アンテナ、を含む、
方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法において、
前記位置トランスデューサを固定する前記過程が、前記出力ピンの前記少なくとも一つに前記基準周波数で方形波を生み出すことによって前記送信アンテナを駆動する過程を含む、
方法。
【請求項55】
請求項50に記載の方法において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記位置トランスデューサに送信する過程と、
前記デジタルマイクロコントローラに直流(DC)入力を供給するために送信された前記RFエネルギーを受信し整流する過程と、
をさらに含む、方法。
【請求項56】
請求項50に記載の方法において、
前記物体を前記位置トランスデューサと共に被験者の体の中に挿入する過程、
をさらに含む、方法。
【請求項57】
デジタルマイクロコントローラを含む無線式装置を操作する方法において、
前記方法が、
前記無線式装置にバイナリデータを搬送するように予め決められた変調速度で振幅変調された無線周波数(RF)信号を送信する過程と、
前記RF信号を整流し、整流された前記RF信号をデジタル入力ピンに接続するように、受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に、整流器を直接接続することによって、前記受信アンテナを前記デジタルマイクロコントローラに接続する過程と、
を含む、方法。
【請求項58】
請求項57に記載の方法において、
前記整流器が、前記受信アンテナと前記デジタル入力ピンとの間に直列に接続された単一のダイオードを含む、
方法。
【請求項59】
請求項57に記載の方法において、
前記RF信号が、搬送波周波数を有し、
前記受信アンテナが、前記搬送波周波数付近で共振するコイルを含む、
方法。
【請求項60】
請求項57に記載の方法において、
前記受信アンテナを接続する前記過程が、前記整流されたRF信号が前記デジタル入力ピンに現れることによって、前記デジタルマイクロコントローラのインタラプトが誘発されるように、前記デジタルマイクロコントローラを構成する過程を含む、
方法。
【請求項61】
請求項57に記載の方法において、
前記バイナリデータに応答して磁界を送信するために送信アンテナを駆動するように前記デジタルマイクロコントローラのデジタル出力ピンを接続する過程、
をさらに含む、方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法において、
前記デジタル出力ピンを接続する前記過程が、前記バイナリデータの前記変調速度と同期して前記デジタル出力ピンに方形波を生み出す過程を含む、
方法。
【請求項63】
請求項57に記載の方法において、
無線周波数(RF)エネルギーを前記無線式装置に送信する過程と、
前記デジタルマイクロコントローラに直流(DC)入力を供給するために、前記無線式装置で、送信された前記RFエネルギーを受信し整流する過程と、
をさらに含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−24892(P2007−24892A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−193183(P2006−193183)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(500520846)バイオセンス・ウェブスター・インコーポレイテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster, Inc.
【住所又は居所原語表記】3333 Diamond Canyon Road, Diamond Bar, California 91765, U.S.A.
【Fターム(参考)】