説明

デュアルシンセサイザ装置及びこれを用いた無線装置

【課題】 簡単な構成で周波数干渉を防止できる小型なデュアルシンセサイザ装置を提供する。
【解決手段】 第1PLLシンセサイザ部104aと、第2PLLシンセサイザ部104bと、第1または第2PLLシンセサイザ部の一方の出力信号を選択する選択スイッチ105とを備えるデュアルシンセサイザ装置において、第1及び第2PLLシンセサイザ部の出力信号の周波数を制御するためのデータ信号線106及びクロック信号線107を第1及び第2PLLシンセサイザ部で共用して装置を小型化する。このデータ信号線またはクロック信号線の分岐点と第1及び第2PLLシンセサイザ部との間に特定の周波数帯域を減衰する信号減衰手段を設けることにより、第1及び第2PLLシンセサイザ部の間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時分割された複数の通信スロットを使用して通信を行うためのデュアルシンセサイザ装置とそれを用いる無線装置に関し、特に、簡単な構成で周波数干渉の防止を図るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、時分割された複数の通信スロットを使用して通信を行う無線装置において、高速に周波数を切り替えることが可能なPLL周波数シンセサイザとしてデュアルシンセサイザ装置が使用されている。
【0003】デュアルシンセサイザ装置は、2系統の発振回路を含むPLL周波数シンセサイザ(以下、PLLシンセサイザ部という)と2つのPLLシンセサイザ部出力信号のいずれか一方を選択する単投双投スイッチ(以下、SPDTスイッチという)を備え、2つのPLLシンセサイザ部は時分割された複数の通信スロットに対応した出力信号を出力するように交互にロックアップ動作を行い、ロックアップ動作が完了した方のPLLシンセサイザ部の出力信号をSPDTスイッチが選択して外部に出力するといった動作をする。
【0004】このデュアルシンセサイザ装置を構成する場合は、各PLLシンセサイザ部間の周波数干渉が問題となる。各PLLシンセサイザ部の出力信号周波数は同一周波数帯であり、SPDTスイッチ部と各PLLシンセサイザ部との間のアイソレーションが不十分であると、SPDTスイッチ部で選択し取り出された出力信号には、選択側のPLLシンセサイザ部の出力信号と非選択側のPLLシンセサイザ部の出力信号とがスプリアス信号として漏れ込み、信号の歪みを発生したり、不要輻射成分となり問題となる。
【0005】そこで、周波数干渉を防止するためにSPDTスイッチで選択し出力された出力信号に含まれるスプリアス信号を除去し、アイソレーションを改善する対策が採られている。従来のデュアルシンセサイザ装置に関する技術として、特開平5−37318公報に記載されているものが知られている。図21は、従来のデュアルシンセサイザ装置の一例を示す図である。
【0006】図21において、2101は第1PLLシンセサイザ部で、2102は第2PLLシンセサイザ部であり、それぞれ出力信号LO1、LO2を生成して出力する。2120は制御部であり、スイッチ部2107の切換を制御するSW制御信号を出力する。2107はSPDTスイッチであり、第1及び第2PLLシンセサイザ部の出力信号LO1及びLO2がそれぞれ入力端子IN1及びIN2に入力されて制御部2120からの切換制御信号に応じて、いずれか一方を選択して出力端子OUTに出力する。2103及び2104は、それぞれ出力信号LO1及びLO2を分岐した分岐信号を減衰させる減衰器であり、各出力信号LO1及びLO2がスイッチ部2107でオフされた時に出力側に漏れ込む漏れ信号の振幅と等しくなるように分岐信号の振幅を減衰させる。2105及び2106は位相反転器であり、それぞれ減衰器2103及び2104の出力信号の位相を反転させる。位相反転器2105及び2106は、例えば180度遅延線で構成することができる。
【0007】これら減衰器2103及び位相反転器2105は、第1PLLシンセサイザ部出力信号LO1の漏れ信号を消去する消去信号を生成する消去信号生成回路を構成する。また、減衰器2104及び位相反転器2106は、第2PLLシンセサイザ部出力信号LO2の漏れ信号を消去する消去信号を生成する消去信号生成回路を構成する。2108は加算器であり、スイッチ部2107と位相反転器2105及び2106との出力信号を加算合成する。この加算器2108は、例えば反射防止用の減衰器をY字結線してその中点から出力信号を取り出すようにして構成することができる。2109は出力端子であり、加算器2108からの出力信号が取り出される。
【0008】制御部から出力されるSW制御信号は、分岐されて、その一方をスイッチ部2107の制御端子CONT1に入力し、他方をインバータに入力し、その出力を制御端子CONT2に入力するよう構成されており、SW制御信号のH/Lに応じてスイッチ部2107が第1及び第2PLLシンセサイザ部の出力信号LO1及びLO2の一方を選択し出力するようになっている。また、制御部2120は第1及び第2PLLシンセサイザ部の出力信号LO1及びLO2の周波数設定を行うためのPLL制御信号を出力する。
【0009】図21に示した従来例の回路動作を以下に説明する。制御部2120から出力されるSW制御信号が“H”であって、スイッチ部2107が入力端子IN1側に導通している第1PLLシンセサイザ部の出力信号LO1を選択し出力しているものとする。
【0010】この場合、スイッチ部2107の出力端子OUTには、第1PLLシンセサイザ部の出力信号LO1のみが出力されるだけでなく、第2PLLシンセサイザ部の出力信号LO2もスイッチ部2107内及びその周辺の空間を伝搬して、出力側に漏れ込んで漏れ信号となって出力される。
【0011】そこで、第2PLLシンセサイザ部出力信号LO2を分岐し、その分岐信号を減衰器2104及び位相反転器2106からなる消去信号生成回路に通すことによって、スイッチ部2107の出力信号の中に現れた第2PLLシンセサイザ部の出力信号LO2の漏れ信号と等振幅、逆位相の消去信号を生成する。この消去信号を加算器2108によってスイッチ部2107の出力信号に加算合成することにより、スイッチ部2107の出力信号の中に含まれる第2PLLシンセサイザ部出力信号LO2の漏れ信号と消去信号が打ち消しあい、加算器2108の出力信号には第1PLLシンセサイザ部の出力信号LO1のみを出力することができる。
【0012】また、PLLシンセサイザ部の出力信号周波数の設定は、総合電子出版社出版の「実用PLL周波数シンセサイザ」に示されているように、データ信号、クロック信号及びロードイネーブル信号の3種の制御信号によって行う方法が知られてる。
【0013】データ信号は2進数に変換されたシリアル・データで構成されており、クロック信号はデータ信号の同期クロックであり、ロードイネーブル信号が入力されることでデータ信号がPLL−ICの内部回路にラッチされる。その従来例の一例を図22に示す。また、図2222における2204a及び2204bは、ロック検出信号であり、PLL−ICが基準周波数信号とPLLシンセサイザ部の出力信号とを比較して、PLLシンセサイザ部の出力信号が所定の周波数としてロック状態あるいはアンロック状態であるかを検出して出力する。
【0014】ロック検出信号は制御部において監視され、それぞれのPLLシンセサイザ部が時分割された複数の通信スロットに対応した出力信号を出力可能かを判断する。例えば、制御部がロック検出信号をアンロック状態と判断した場合には、その対応する通信スロットを使用しないように制御部が通信システムの制御を行うことができる。
【0015】また、周波数干渉を防止するために各PLLシンセサイザ部、SPDTスイッチのそれぞれが各別の金属製シールドケースで格納されたシールド構造によりシールド効果を高めて、アイソレーションを改善する対策がある。従来のデュアルシンセサイザ装置に関する技術として、特開平9−307273公報に記載されているものが知られている。図23は、従来のデュアルシンセサイザ装置の一例を示す図である。図23は平面図である。図23において、2301及び2302は、発振回路を含むPLLシンセサイザ部であり、それぞれの出力信号周波数は同一周波数帯である。2303はPLLシンセサイザ部2301及び2302の出力信号のいずれか一方を選択するSPDTスイッチであり、これらが多層プリント基板の表層に設けられている。2304はPLLシンセサイザ部2301及び2302とSPDTスイッチ2303の周囲に設けられた基板の表層のグランドパターンであり、2304の下には内層グランドパターンがある。2305、2306及び2307はPLLシンセサイザ部2301及び2302とSPDTスイッチ2303のそれぞれの上方及び側方を囲むシールドケースであり、グランドパターン2304に接地して、PLLシンセサイザ部2301及び2302とSPDTスイッチ2303のそれぞれが各個別のシールドケースで格納されたシールド構造を備えている。
【0016】但し、図23は平面図であり、シールドケース2305、2306及び2307の天板を除いた側壁だけが描かれている。2308はビアホールであり、表層及び内層のグランドパターンと接続する。2309はPLLンセサイザ部2301及び2302とSPDTスイッチ2303を接続する信号線、2310はSPDTスイッチ2303の出力信号線である。信号線2309、出信号線2310は基板の内層に位置してグランドパターン2304と内層のグランドパターンに挟まれて、その両側にはグランドパターン2304と内層のグランドパターンを接続するビアホール2308が位置している。2311は信号線2309とPLLシンセサイザ部2301及び2302を接続するビアホールであり、2312は信号線2309とSPDTスイッチ2303を接続するビアホールである。2313はSPDTスイッチ2303と出力信号線2310を接続するビアホールである。2314は基板の表裏を貫くスリットである。
【0017】この従来例では、PLLシンセサイザ部2301及び2302とSPDTスイッチ2303は、それぞれが各個別のシールド構造を備えていることにより、空間を伝搬する電磁波から遮蔽されると共に、表層及び内層のグランドパターンとこれらを接続する複数のビアホールによって、基板内に接地面の壁を作り、基板内を伝搬する電磁波からも遮蔽することができる。また、信号線2309、出力信号線2310を基板の内層に通すことにより、表層及び内層のグランドパターン及び両側のビアホールによって遮蔽することができる。また、基板の表裏を貫くスリットによって、PLLシンセサイザ部2301及び2302と、SPDTスイッチ2303と、信号線2309及び2310を基板の他の部分と分離することができる。
【0018】また、従来のデュアルシンセサイザ装置を用いた無線装置の一例を図24に示す。図24に示すように、プリント基板2405の表層に、第1及び第2PLLシンセサイザ部と、選択スイッチとを形成している。第1及び第2PLLシンセサイザ部用シールドケース2401及び2402と、選択スイッチ部用シールドケース2403と、送受信部用シールドケース2404とが基板グランドパターンに接地されており、複数の重厚な金属性シールドケースで、且つ、それぞれ個別のシールドケースで格納することによって高いシールド効果を得ることができ、周波数干渉を防止している。なお、2406は筺体ケースである。
【0019】また、従来のデュアルシンセサイザ装置の一例を図25及び図26に示す。図25及び図26は外観図である。図25において2501及び2502は、発振回路を含むPLLシンセサイザ部であり、それぞれの出力信号は同一周波数帯である。2503はPLLシンセサイザ部2501及び2502の出力信号のいずれか一方を選択する選択スイッチ部である。2504は、選択スイッチ部を制御する選択制御部であり、インバータなどで構成される。2505はPLLシンセサイザ部の電源部である。2506はシールドケース側板であり、2507はPLLシンセサイザ部2501、2502、選択スイッチ部2503、選択制御部2504及び電源部2505のそれぞれを分離する間仕切り壁である。2508はシールドケース天板であり、2509はシールドケース天板、2510は、開口部である。
【0020】図25に示すように、PLLシンセサイザ部2501、2502、選択スイッチ部2503、選択制御部2504及び電源部2505のそれぞれをシールドケースで格納することにより、それぞれの間のアイソレーションを確保して、周波数干渉を防いでいる。シールドケースは、側板2506、間仕切り壁2507、天板2508及び底板2509の各別の金属板で組み立てられている。また、図26に示すようにデュアルシンセサイザ装置を、これを用いる無線装置に接続するために、シールドケースの底板2509に開口部2510を設けてあり、開口部2510から接続用端子2511が突出している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例の図21及び図22におけるデュアルシンセサイザ装置は構成が複雑であり、回路規模が大きくなるため、装置が大型になるという問題がある。
【0022】また、PLLシンセサイザ部の出力信号の周波数設定を行うための制御信号(データ信号、クロック信号及びロードイネーブル信号)を伝達する制御信号線(データ信号線、クロック信号線及びロードイネーブル信号線)やロック検出信号を伝達するロック検出信号線がスプリアス信号の混入経路となり、アイソレーションが不十分であると、周波数干渉が発生するという問題がある。
【0023】また、従来例の図23及び図24におけるデュアルシンセサイザ装置及びこれを用いた無線装置は、複数のシールドケースが必要であり、コストが高くなるという問題がある。
【0024】また、図25及び図26におけるシールドケースの構造は複雑であり、生産性が悪いという課題があった。
【0025】また、一般にデュアルシンセサイザ装置とこれを用いる無線装置とのインターフェイスには、図22R>2に示すように、複数の接続端子があるために、デュアルシンセサイザ装置に設けられる接続用端子コネクタの占有する容積が大きくなるという問題がある。
【0026】また、従来例の図26におけるデュアルシンセサイザ装置は、シールドケースに開口部2510を設ける必要があり、シールド効果が低下することによって、周波数干渉が発生するという問題がある。
【0027】一般に高周波回路を遮蔽するために、高周波回路をシールドケース内に格納する方法が知られているが、完全に遮蔽することは困難であり、図23のように発振回路を含むPLLシンセサイザ部2301、2302が互いに隣接し、その間のアイソレーションが不十分であると、一方のPLLシンセサイザ部の出力信号が他方のPLLシンセサイザ部の発振回路に漏れ込むことによって、周波数干渉が発生するという問題がある。
【0028】本発明は、こうした従来の問題点を解決するものであり、装置を小型化して、簡単な構成で周波数干渉を防止した、小型で高性能なデュアルシンセサイザ装置を提供し、また、これを用いた無線装置を提供することを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、デュアルシンセサイザ装置を小型化するために、第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部の出力信号の周波数を制御するためのデータ信号線及びクロック信号線、または、第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部から出力されるロック検出信号の信号線を第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部で共用している。
【0030】また、このデュアルシンセサイザ装置の第1及び第2のPLLシンセサイザ部の間のアイソレーションを向上するため、データ信号線、クロック信号線またはロック検出信号線の分岐点と第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部との間に特定の周波数帯域を減衰する信号減衰手段を設けている。
【0031】また、第1のPLLシンセサイザ部、第2のPLLシンセサイザ部及び選択スイッチをプリント基板の片面側表層に配置するとともに、第1のPLLシンセサイザ部と第2のPLLシンセサイザ部とを、選択スイッチを挟んでその両側に配置している。
【0032】また、第1のPLLシンセサイザ部、第2のPLLシンセサイザ部及び選択スイッチ全体の上方及び側方を囲むシールドケースを設け、このシールドケースの内部に、第1のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間及び第2のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間に間仕切り壁を設けている。
【0033】また、本発明の無線装置では、このデュアルシンセサイザ装置と送受信回路とを同一プリント基板上に配置して無線装置を構成している。
【0034】そのため、デュアルシンセサイザ装置を小型化することができ、また、第1及び第2のPLLシンセサイザ部間のアイソレーションを高めて、周波数干渉を防止することができる。
【0035】また、無線装置は、同一基板上にデュアルシンセサイザ装置と送受信回路とを設けることによって接続用コネクタが削減でき、装置の小型化及びコストの低減を図ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、第1のPLLシンセサイザ部と、第2のPLLシンセサイザ部と、第1のPLLシンセサイザ部または第2のPLLシンセサイザ部の一方の出力信号を選択する選択スイッチとを備え、第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部の出力信号の周波数を制御するためのデータ信号線及びクロック信号線を第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部で共用するようにしたものであり、データ信号線及びクロック信号線の共用により信号線の数を削減でき、装置を小型化することができる。
【0037】請求項2に記載の発明は、第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部から出力されるロック検出信号の出力信号線を第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部で共用するようにしたものであり、ロック検出信号線の共用により信号線の数を削減でき、装置を小型化することができる。
【0038】請求項3に記載の発明は、データ信号線、クロック信号線またはロック検出信号線の分岐点と第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部との間に特定の周波数帯域を減衰する信号減衰手段を設けたものであり、信号減衰手段を配置することによって第1及び第2のPLLシンセサイザ部の間のアイソレーションを向上することができ、周波数干渉を防止することができる。
【0039】請求項4に記載の発明は、信号減衰手段を、第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部の出力信号の周波数帯域より低い周波数帯域の信号を通過させるローパスフィルタで構成したものであり、このローパスフィルタの配置により、データ信号、クロック信号及びロック検出信号の伝送に支障を生じることなく、第1及び第2のPLLシンセサイザ部の間のアイソレーションを向上することができ、周波数干渉を防止することができる。
【0040】請求項5に記載の発明は、信号減衰手段を、第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部の出力信号の周波数帯域より低い周波数帯域で利得を有する能動素子で構成したものであり、データ信号、クロック信号及びロック検出信号の伝送に支障を生じることなく、第1及び第2のPLLシンセサイザ部間のアイソレーションを向上することができ、周波数干渉を防止することができる。
【0041】請求項6に記載の発明は、信号減衰手段を、信号の伝達を入切するスイッチで構成したものであり、選択スイッチで選択された側のPLLシンセサイザ部の信号線をスイッチで切ることにより第1及び第2のPLLシンセサイザ部の間のアイソレーションを向上することができ、周波数干渉を防止することができる。
【0042】請求項7に記載の発明は、データ信号線、クロック信号線またはロック検出信号線の分岐点に単極双投スイッチを設けたものであり、選択スイッチで選択された側のPLLシンセサイザ部の信号線を単極双投スイッチによって切ることにより、第1及び第2のPLLシンセサイザ部の間のアイソレーションを向上することができ、周波数干渉を防止することができる。
【0043】請求項8に記載の発明は、第1のPLLシンセサイザ部と、第2のPLLシンセサイザ部と、第1のPLLシンセサイザ部または第2のPLLシンセサイザ部の一方の出力信号を選択する選択スイッチとを備え、第1のPLLシンセサイザ部、第2のPLLシンセサイザ部及び選択スイッチをプリント基板の片面側表層に配置するとともに、第1のPLLシンセサイザ部と第2のPLLシンセサイザ部とを、選択スイッチを挟んでその両側に配置したものであり、片面側表層に第1及び第2PLシンセサイザ部と選択スイッチとを配置したことによって、シールドケースの構造が簡単にすることができ、また、第1及び第2のPLLシンセサイザ部を、選択スイッチを挟んで距離的に離し分離することによってPLLシンセサイザ部間のアイソレーションを向上することができ、周波数干渉を防止できる。
【0044】請求項9に記載の発明は、第1のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間及び第2のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間にプリント基板の表裏を貫くスリットを設け、このスリットの表面に形成した導電層をプリント基板のグランドパターンに接地したものであり、スリットの表面の導電層をグランドパターンに接地することでスリットの表面が接地面となり、スリットが基板内を伝搬する電磁波を遮蔽する。そのため第1及び第2のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0045】請求項10に記載の発明は、第1のPLLシンセサイザ部、第2のPLLシンセサイザ部及び選択スイッチ全体の上方及び側方を囲むシールドケースを設け、このシールドケースの内部に、第1のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間及び第2のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間に間仕切り壁を設けたものであり、シールドケースの内部の間仕切り壁が空間を伝搬する電磁波を遮蔽することによって第1及び第2のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間のアイソレーションを向上することができ、周波数干渉を防止することができる。また、1つのシールドケースによって複数のシールドケースを設けたときと同様のシールド効果が得られるため、シールドケースの数量を削減でき、コストを低減することができる。
【0046】請求項11に記載の発明は、間仕切り壁の内部に空洞を設けたものであり、空洞の表面が接地面となり、これが空間を伝搬する電磁波を遮蔽するため、第1及び第2のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間のアイソレーションを向上することができ、周波数干渉を防止することができる。
【0047】請求項12に記載の発明は、プリント基板のスリットに間仕切り壁を挿入したものであり、スリットに挿入した間仕切り壁が空間を伝搬する電磁波を遮蔽することによって第1及び第2のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0048】請求項13に記載の発明は、プリント基板の端面にスルーホールで構成された接続用端子を設けたものであり、この接続用端子を備えることによって接続用コネクタが削減でき、装置の小型化及びコストを低減することができる。また、リフロー実装が可能なモジュールとすることができる。
【0049】請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13に記載のデュアルシンセサイザ装置と送受信回路とを同一プリント基板上に配置して無線装置を構成したものであり、同一基板上にデュアルシンセサイザ装置と送受信回路とを設けることによって接続用コネクタが削減でき、装置の小型化及びコストを低減することができる。
【0050】請求項15に記載の発明は、デュアルシンセサイザ装置と送受信回路とをプリント基板の片面上に配置し、デュアルシンセサイザ装置及び送受信回路全体の上方及び側方を囲む共通のシールドケースを設け、このシールドケースの内部にデュアルシンセサイザ装置と送受信回路との間に間仕切り壁を設けたものであり、シールドケースの内部の間仕切り壁が空間を伝搬する電磁波を遮蔽することによってデュアルシンセサイザ装置と送受信回路との間のアイソレーションを向上することができ、周波数干渉を防止することができる。また、1つのシールドケースの内部に間仕切り壁を設けたことによって複数のシールドケースを備えたシールド構造と同様のシールド効果を得ることができ、シールドケースの数量が削減でき、コストを低減することができる。
【0051】請求項16に記載の発明は、このシールドケースを筐体ケースと共用したものであり、この共用によりシールドケースが削減でき、コストを低減することができる。
【0052】以下、本発明の実施の形態について、図1から図20を用いて説明する。
【0053】(第1の実施の形態)第1の実施形態では、まず、制御信号線を共用化して、デュアルシンセサイザ装置を小型化する構成について説明する。
【0054】図1には、データ信号線106及びクロック信号線107を共用化したデュアルシンセサイザ装置を示している。
【0055】この装置は、第1PLL−IC101a、ループフィルタ102a及び第1局部発振回路103aから成る第1PLLシンセサイザ部104aと、第2PLL−IC101b、ループフィルタ102a及び第2局部発振回路103bから成る第2PLLシンセサイザ部104bと、各PLLシンセサイザ部104a、104bの出力を選択する選択スイッチ105と、各PLLシンセサイザ部104a、104bで共用するデータ信号線106及びクロック信号線107と、第1PLLシンセサイザ部104aの第1PLL−IC101aにロードイネーブル信号を送る第1ロードイネーブル信号線108と、第2PLLシンセサイザ部104bの第2PLLシンセサイザ部104bにロードイネーブル信号を送る第2ロードイネーブル信号線109とを備えている。なお、ここでは、デュアルシンセサイザ装置が備える基準信号やロック検出信号の信号線、選択スイッチ105に対する切換信号線等の図示を省略している。
【0056】第1及び第2局部発振回路103a、103bは、例えば、電圧制御発振器(VCO)であり、PHS無線通信装置に使用する電圧制御発振器の発振周波数は1.6GHz帯である。選択スイッチ105は、例えば、GaAsMMICまたはPINダイオードにより構成されるSPDTスイッチであり、第1または第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号のいずれか一方を選択して出力するように動作する。データ信号線106及びクロック信号線107は、第1及び第2PLL−IC101a、101bに共通に接続され、第1ロードイネーブル信号線108と第2ロードイネーブル信号線109とはそれぞれ独立して第1及び第2PLL−IC101a及び101bに接続される。
【0057】このように構成されたデュアルシンセサイザ装置において、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bは、第1及び第2局部発振回路103a、103bの出力信号周波数を所定の発振周波数にロックさせて周波数を安定に保つように動作する。第1及び第2PLL−IC101a、101bにデータ信号、クロック信号及びロードイネーブル信号の制御信号を入力することによって、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号周波数を希望の周波数に設定する。
【0058】一般に、第1及び第2PLL−ICにおいては、ロードイネーブル信号が入力された時に内部回路がラッチして、分周データが変更される。したがって、第1及び第2PLL−ICに入力するロードイネーブル信号を独立させておけば、データ信号及びクロック信号は、その信号線を共用化することができる。
【0059】この実施形態においては、データ信号を第1及び第2PLLシンセサイザ部へ伝達する信号線を、1本のデータ信号線106を用いて共用化している。同様に、クロック信号を第1及び第2PLLシンセサイザ部へ伝達する信号線を、1本のクロック信号線107を用いて共用化している。
【0060】このように、データ信号及びクロック信号を1本の信号線で共用することで、従来必要であった2本の信号線の内の1本を削減することができ、装置を小型化することができる。
【0061】尚、この実施形態においては、二つのPLLシンセサイザ部でデータ信号線及びクロック信号線を共用化しているが、3以上のPLLシンセサイザ部でデータ信号線及びクロック信号線を共用化しても同様な効果が得られる。
【0062】(第2の実施の形態)第2の実施形態では、ロック検出号線を共用化して、デュアルシンセサイザ装置を小型化する構成について説明する。
【0063】このデュアルシンセサイザ装置では、図2に示すように、ロック検出信号線201を第1シンセサイザ部104aの第1PLL−IC101aと、第2シンセサイザ部104bの第2PLL−IC101bとに共通に接続している。
【0064】一般に第1及び第2PLL−IC101a、101bにおいて、ロック検出信号はオープンドレイン型で出力されており、ロック時にオープンとなり、アンロック時にLowレベル(GND)になるように動作する。また、デュアルシンセサイザ装置において必要となるロック検出信号は、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bのいずれか一方がアンロック状態であることを通知するものである。したがって、第1及び第2PLL−IC101a、101bから出力されるロック検出信号をワイヤードオア回路として構成することができ、ロック検出信号線201として共用化することができる。
【0065】このように、ロック検出信号線を1本の信号線で共用することで、従来必要であった2本の信号線の内の1本を削減することができ、装置を小型化することができる。
【0066】(第3の実施の形態)第3の実施形態では、こうして小型化したデュアルシンセサイザ装置の周波数干渉を防止する構成について説明する。
【0067】このデュアルシンセサイザ装置は、図3に示すように、共用化したデータ信号線106、共用化したクロック信号線107、第1ロードイネーブル信号線、第2ロードイネーブル信号線及び共用化したロック検出信号線201の各々に、信号減衰手段301a、301b、302a、302b、303a、303bを接続している。なお、図3において、図1及び図2と同一の符号を付すものは同一の動作を行う。
【0068】このデュアルシンセサイザ装置において、信号減衰手段301a及び301bは、データ信号線106の線上の分岐点と第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bとの間に挿入される。同様に、信号減衰手段302a及び302bは、クロック信号線107の線上の分岐点と第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bとの間に挿入される。同様に、信号減衰手段303a及び303bは、ロック検出信号線201の線上の分岐点と第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bとの間に挿入される。
【0069】データ信号、クロック信号及びロック検出信号は、例えば、DC乃至5MHzの周波数帯の信号である。信号減衰手段301a、301b、302a、302b、303a及び303bは、特定の周波数帯域を減衰するものであり、例えば、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号周波数帯の1.6GHz帯を減衰し、その周波数帯において信号減衰手段の入出力間のアイソレーションを高くすることができる。一方、データ信号、クロック信号及びロック検出信号は、信号減衰手段301a、301b、302a、302b、303a及び303bによって減衰されることなくデータ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201を通じて伝達することができる。
【0070】そのため、図3のように信号減衰手段を挿入したことで、データ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201に漏洩した第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号は信号減衰手段301a、301b、302a、302b、303a及び303bにより減衰することができ、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a及び104bの間のアイソレーションが向上する。
【0071】このように、第3の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、信号減衰手段を備えるによって第1及び第2PLLシンセサイザ部の間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0072】尚、この実施形態では、データ信号線上、クロック信号上及びロック検出信号線上の分岐点と第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bとの間にそれぞれ信号減衰手段を挿入しているが、必要とするアイソレーションに応じて、信号減衰手段の内、いずれか一つまたは複数を削減しても同様な効果が得られる。
【0073】(第4の実施の形態)第4の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、図4に示すように、信号減衰手段として、ローパスフィルタ401a、401b、402a、402b、403a及び403bを接続している。その他の構成は第3の実施形態(図3)と変わりがない。
【0074】データ信号、クロック信号及びロック検出信号は、例えば、DC乃至5MHzの周波数帯の信号である。ローパスフィルタ401a、401b、402a、402b、403a及び403bは、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号の周波数帯域より低い周波数帯域の信号を通過させるローパスフィルタであり、例えば、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号周波数帯の1.6GHz帯を減衰し、その周波数帯においてローパスフィルタの入出力間のアイソレーションを高くすることができる。一方、データ信号、クロック信号及びロック検出信号は、ローパスフィルタ401a、401b、402a、402b、403a及び403bによって減衰されることなくデータ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201を通じて伝達することができる。
【0075】そのため、図4のようにローパスフィルタを挿入したことで、データ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201に漏洩した第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号はローパスフィルタ401a、401b、402a、402b、403a及び403bにより減衰することができ、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a及び104bの間のアイソレーションが向上する。
【0076】このように、第4の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、信号減衰手段にローパスフィルタを備えるによって、第1及び第2PLLシンセサイザ部の間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0077】尚、この実施形態では、データ信号線上、クロック信号上及びロック検出信号線上の分岐点と第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bとの間にそれぞれローパスフィルタを挿入しているが、必要とするアイソレーションに応じて、これらのローパスフィルタの内、いずれか一つまたは複数を削減しても同様な効果が得られる。
【0078】(第5の実施の形態)第5の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、図5に示すように、信号減衰手段として、能動素子501a、501b、502a、502b、503a及び503bを接続している。この能動素子として、例えばトランジスタで構成されるインバータなどを使用する。その他の構成は第3の実施形態(図3)と変わりがない。
【0079】データ信号及びクロック信号及びロック検出信号は、例えば、DC乃至5MHzの周波数帯の信号である。能動素子501a、501b、502a、502b、503a及び503bは、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号の周波数帯域より低い周波数帯域で利得を有する、例えば、トランジスタで構成されるインバータから成る能動素子であり、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号周波数帯の1.6GHz帯を減衰し、その周波数帯において能動素子の入出力間のアイソレーションを高くすることができる。一方、データ信号、クロック信号及びロック検出信号は、能動素子501a、501b、502a、502b、503a及び503bによって減衰されることなくデータ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201を通じて伝達することができる。
【0080】そのため、図5のように能動素子を挿入したことで、データ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201に漏洩した第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号は能動素子501a、501b、502a、502b、503a及び503bにより減衰することができ、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの間のアイソレーションを向上することができる。
【0081】このように、第5の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、信号減衰手段に能動素子501a、501b、502a、502b、503a及び503bを備えるによって第1及び第2PLLシンセサイザ部の間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0082】尚、この実施形態においては、データ信号線上、クロック信号上及びロック検出信号線上の分岐点と第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bとの間にそれぞれ能動素子を挿入しているが、必要とするアイソレーションに応じて、能動素子の内のいずれか一つまたは複数を削減しても同様な効果が得られる。
【0083】(第6の実施の形態)第6の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、図6に示すように、信号減衰手段として、スイッチ601a、601b、602a、602b、603a及び603bを接続している。その他の構成は第3の実施形態(図3)と変わりがない。
【0084】このスイッチ601a、601b、602a、602b、603a及び603bは、例えば、GaAsMMICやPINダイオードにより構成されるSPSTスイッチであり、データ信号線、クロック信号線及びロック検出信号線を通じる信号の伝達を入切するように動作する。
【0085】選択スイッチ105が第1PLLシンセサイザ部104aの出力信号を選択して出力している期間では、第1PLLシンセサイザ部104aにデータ信号及びクロック信号を入力する必要がなく、また、第1PLLシンセサイザ部104aがロック検出信号を出力する必要もない。同様に、選択スイッチ105が第2PLLシンセサイザ部104bの出力信号を選択して出力している期間では、第2PLLシンセサイザ部104bにデータ信号及びクロック信号を入力する必要がなく、また、第2PLLシンセサイザ部104bがロック検出信号を出力する必要もない。したがって、選択スイッチ105が、第1または第2PLLシンセサイザ部104a、104bの出力信号のいずれか一方を選択して出力している期間は、選択側のPLLシンセサイザ部に非選択側のPLLシンセサイザ部の出力信号が漏洩しないように、スイッチ601a、601b、602a、602b、603a及び603bを切ることができる。
【0086】例えば、選択スイッチ105が、第1PLLシンセサイザ部104a側を選択して出力している期間は、スイッチ601a、602a及び603aを切り状態にしておけば、データ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201に漏洩した第2PLLシンセサイザ部104bの出力信号が第1PLLシンセサイザ部104aに入力することを遮断できる。
【0087】また、選択スイッチ105が、第2PLLシンセサイザ部104b側を選択して出力している期間は、スイッチ601b、602b及び603bを切り状態にしておけば、データ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201に漏洩した第1PLLシンセサイザ部104aの出力信号が第2PLLシンセサイザ部104bに入力することを遮断できる。
【0088】そのため、図6のようにスイッチを挿入して、上記のようにスイッチ601a、601b、602a、602b、603a及び603bを動作することで、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104b間のアイソレーションを向上することができる。
【0089】このように、第6の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、信号減衰手段にスイッチ601a、601b、602a、602b、603a及び603bを備えるによって第1及び第2PLLシンセサイザ部の間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0090】尚、この実施形態においては、データ信号線上、クロック信号上及びロック検出信号線上の分岐点と第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bとの間にそれぞれスイッチを挿入しているが、必要とするアイソレーションに応じて、スイッチの内のいずれか一つまたは複数を削減しても同様な効果が得られる。
【0091】(第7の実施の形態)第7の実施形態のデュアルシンセサイザ装置は、図7に示すように、単極双投スイッチ701、702及び703をデータ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201の分岐点に接続している。この単極双投スイッチ701、702及び703は、例えば、GaAsMMICやPINダイオードにより構成されるSPSTスイッチであり、データ信号線、クロック信号線及びロック検出信号線を通じる信号を選択して出力するように動作する。
【0092】選択スイッチ105が第1PLLシンセサイザ部104a側を選択して出力している期間では、単極双投スイッチ701、702及び703は、第2PLLシンセサイザ部104b側を選択し、第1PLLシンセサイザ部104a側は切り状態となる。また、選択スイッチ105が第2PLLシンセサイザ部104b側を選択して出力している期間では、単極双投スイッチ701、702及び703は、第1PLLシンセサイザ部104a側を選択し、第1PLLシンセサイザ部104b側は切り状態となる。
【0093】そのため、第6の実施形態と同様に、選択スイッチ105が、第1PLLシンセサイザ部104a側を選択して出力している期間では、データ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201に漏洩した第2PLLシンセサイザ部104bの出力信号が第1PLLシンセサイザ部104aに入力することを遮断でき、また、選択スイッチ105が、第2PLLシンセサイザ部104b側を選択して出力している期間では、データ信号線106、クロック信号線107及びロック検出信号線201に漏洩した第1PLLシンセサイザ部104aの出力信号が第2PLLシンセサイザ部104bに入力することを遮断できる。
【0094】そのため、図7のように単極双投スイッチ701、702及び703を挿入し、選択スイッチ105と連動して動作させることによって、第1及び第2PLLシンセサイザ部104a、104bの間のアイソレーションを向上することができる。
【0095】このように、第7の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、信号減衰手段に単極双投スイッチ701、702及び703を備えるによって、第1及び第2PLLシンセサイザ部の間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0096】尚、この実施形態においては、データ信号線上、クロック信号上及びロック検出信号線上にそれぞれ単極双投スイッチを挿入しているが、必要とするアイソレーションに応じて、単極双投スイッチの内のいずれか一つまたは複数を削減しても同様な効果が得られる。
【0097】(第8の実施の形態)第8の実施形態では、デュアルシンセサイザ装置の周波数干渉を防止するための構造について説明する。
【0098】このデュアルシンセサイザ装置は、図8の平面図、及び図8のA−A断面図である図9に示すように、プリント基板804の片面側表層に、選択スイッチ802と、それを間に挟んで第1PLLシンセサイザ部801aと、第2PLLシンセサイザ部801bとが配置されている。プリント基板804は、例えば、高周波回路用のガラスエポキシ多層基板である。図8において、選択スイッチ802、第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bの周囲の斜線部分は、プリント基板表層のグランドパターン805を示している。このグランドパターン805は、選択スイッチ802、第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bを囲む空白箇所には無いが、その他の部分には存在している。斜線領域の周囲は、後述するシールドケースの間仕切り壁の接触する領域を示しており、グランドパターン805は、この部分にも及んでいる。また、プリント基板804は、内層及び裏層にもグランドパターン809を備えている。
【0099】また、第1PLLシンセサイザ部801aと選択スイッチ802との間は、内層にある信号線803aと、信号線803a及び第1PLLシンセサイザ部801aを接続するビアホール806aと、信号線803a及び選択スイッチ802を接続するビアホール807aとによって接続され、第2PLLシンセサイザ部801bと選択スイッチ802との間は、同様に、信号線803bとビアホール806bとビアホール807bとによって接続され、また、選択スイッチ802の出力は、ビアホール807cと出力信号線803cとによって出力される。
【0100】また、各信号線803a、803b、803cの周囲には、表層のグランドパターン805と内層及び裏層のグランドパターン809とを接続するグランドビアホール808が設けられている。
【0101】この装置では、表層にある第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bの出力信号が、内層にある信号線803a、803bを通って、表層にある選択スイッチ802に入力する。選択スイッチ802は、例えば、GaAsMMICまたはPINダイオードにより構成されるSPSTスイッチであり、第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bの出力信号のいずれか一方を選択して出力するように動作しており、選択スイッチ802の出力信号は、ビアホール807cを通って、内層にある信号線803cから出力される。
【0102】このように、信号線803a、803b及び803cは、基板の内層を通っており、グランドパターン805と内層及び裏層のグランドパターン809とに挟まれ、空間を伝搬する電磁波から遮蔽される。また、信号線803a、803b及び803cの両側に設けたビアホール808によって基板内を伝搬する電磁波からも遮蔽される。
【0103】このデュアルシンセサイザ装置では、第1PLLシンセサイザ部801aと第2PLLシンセサイザ部801bとを、選択スイッチ802を間に挟んで配置しているため、第1PLLシンセサイザ部801aと第2PLLシンセサイザ部801bとの距離が離れ、第1PLLシンセサイザ部801a及び第2PLLシンセサイザ部801bの間のアイソレーションが向上する。そのため、一方のPLLシンセサイザ部の出力信号が他方のPLLシンセサイザ部の発振回路に漏れ込むことによる周波数干渉が低減する。
【0104】また、プリント基板804の片面側表層に第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bと選択スイッチ802とを配置したことによって、空間を伝搬する電磁波から第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bと選択スイッチ802とを遮蔽するためのシールドケースはプリント基板の片面側のみに設けることができ、シールドケースの構造が簡単になる。
【0105】このように、第8の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、第1及び第2PLLシンセサイザ部を、選択スイッチを間に挟み、距離的に離して、分離する構成により周波数干渉を防止することができる。また、プリント基板の片面側表層に第1及び第2PLLシンセサイザ部と選択スイッチとを配置しているため、シールドケースの設置が容易になる。
【0106】(第9の実施の形態)第9の実施形態のデュアルシンセサイザ装置は、図10及び11に示すように、第1PLLシンセサイザ部801aと選択スイッチ802との間、及び第2PLLシンセサイザ部801bと選択スイッチ802との間にスリット1001を備えている。その他の構成は第8の実施形態(図8、図9)と同じである。
【0107】このスリット1001は、プリント基板804の表裏を貫くスリットであり、スリット1001の表面は導電メッキされ、グランドパターン805と内層及び裏層のグランドパターン809とに電気接続している。
【0108】このデュアルシンセサイザ装置では、スリット1001を第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bと選択スイッチ802の間に挿入したことによって、第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bと選択スイッチ802とを分離することができる。さらに、スリット1001の表面を導電メッキして、グランドパターン805や内層及び裏層のグランドパターン809に接続することによって、スリット1001の表面は接地面となり、基板内を伝搬する電磁波を遮蔽することができ、第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bと選択スイッチ802との間のアイソレーションを向上することができる。
【0109】このように、第9の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、表面を導電メッキしたスリットを設けたことにより、第1及び第2PLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0110】(第10の実施の形態)第10の実施形態のデュアルシンセサイザ装置は、図12及び図13に示すように、プリント基板上に、間仕切り壁1202を持つシールドケース1201を備えている。その他の構成は第9の実施形態(図10、図11)と変わりがない。
【0111】このシールドケース1201は、例えば、成型が容易な樹脂を材料として成形され、その表面に導電層が形成されており、第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bと選択スイッチ802との全体を囲う外形を有し、その内部には、第1PLLシンセサイザ部801aと選択スイッチ802との間、及び第2PLLシンセサイザ部801bと選択スイッチ802との間に間仕切り壁1202を有している。
【0112】また、シールドケース1201の間仕切り壁1202はスリット1001の導電メッキに接続して接地し、また、シールドケース1201の外壁端面はグランドパターン805に接続して接地している。そのため、シールドケースの内部の間仕切り壁1202は、空間を伝搬する電磁波を遮蔽し、それによって第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bと選択スイッチ802との間のアイソレーションが向上する。
【0113】このように、第10の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、シールドケースの内部の間仕切り壁が空間を伝搬する電磁波を遮蔽することによって第1及び第2PLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0114】このシールドケースは、内部に間仕切り壁を設けたことによって、1ピースで、複数のシールドケースを備えたシールド構造と同様のシールド効果を得ることができる。そのため、シールドケースの数量を削減することができ、コストの低減を図ることができる。
【0115】(第11の実施の形態)第11の実施形態のデュアルシンセサイザ装置は、図14及び図15に示すように、シールドケース1201に開口部1401を設けている。その他の構成は第10の実施形態(図12、図13R>3)と変わりがない。
【0116】この開口部1401は、シールドケース1201の間仕切り壁1202の内部に設けてあり、開口部1401の表面は接地面となって空間を伝搬する電磁波を遮蔽する。そのため、第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bと選択スイッチ802との間のアイソレーションを向上することができる。
【0117】このように、第11の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、間仕切り壁の内部に開口部を備えることで開口部の表面が接地面となり、開口部が空間を伝搬する電磁波を遮蔽する。それにより第1及び第2PLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0118】(第12の実施の形態)第12の実施形態のデュアルシンセサイザ装置は、図16に示すように、シールドケース1201の間仕切り壁1202に凸部1601を具備している。その他の構成は第10の実施形態(図12、図13)と変わりがない。
【0119】この間仕切り壁凸部1601は、シールドケースの1部として形成され、その表面は接地面を成している。この間仕切り壁凸部1601は、プリント基板のスリット1001に挿入される。こうすることで、間仕切り壁凸部1601は、空間を伝搬する電磁波を遮蔽することができ、第1及び第2PLLシンセサイザ部801a、801bと選択スイッチ802との間のアイソレーションを向上することができる。
【0120】このように、第12の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、プリント基板のスリットにシールドケースの間仕切り壁を挿入することで、間仕切り壁が空間を伝搬する電磁波を遮蔽し、それによって第1及び第2PLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0121】(第13の実施の形態)第13の実施形態のデュアルシンセサイザ装置は、図17に示すように、プリント基板804の端面に接続用端子1701を備えている。その他の構成は第8〜12の実施形態と変わりがない。
【0122】この接続用端子1701は、基板の端面スルーホールで構成され、一般にリフロー実装が可能なモジュール部品に設けられているものと同様に形成する。
【0123】一般に従来のデュアルシンセサイザ装置とこれを用いる無線装置との接続手段には、複数の接続端子を備えた接続用コネクタが必要であったが、プリント基板804の端面に接続用端子1701を形成することにより、接続用コネクタ部品が削減できる。さらに、このデュアルシンセサイザ装置をリフロー実装することが可能になる。
【0124】このように、第13の実施形態のデュアルシンセサイザ装置では、プリント基板の端面スルーホールで構成された接続用端子を備えることによって、接続用コネクタが削減でき、装置の小型化及びコスト低減を図ることができる。さらに、デュアルシンセサイザ装置をモジュール化された部品としてリフロー実装することが可能である。
【0125】(第14の実施の形態)第14の実施形態では、デュアルシンセサイザ装置を実装した無線装置について説明する。
【0126】この無線装置では、図18に示すように、プリント基板の片側表層上にデュアルシンセサイザ部1801と送受信回路1802とを配置し、デュアルシンセサイザ部1801及び送受信回路1802の間を信号線803cで接続している。807cはデュアルシンセサイザ部1801の選択スイッチと信号線803cとを接続するビアホールであり、1803は、送受信回路1802と信号線803cとを接続するビアホールである。
【0127】デュアルシンセサイザ部1801は、第8乃至12の実施形態のデュアルシンセサイザ装置と同様の構成を持つものである。
【0128】一般に従来のデュアルシンセサイザ装置とこれを用いる無線装置との接続手段には、複数の接続端子を備えた接続用コネクタが必要であったが、同一のプリント基板上にデュアルシンセサイザ装置と送受信回路とを備えたことによって接続用コネクタ部品が削減できる。
【0129】このように、第14の実施形態の無線装置では、同一基板上にデュアルシンセサイザ装置と送受信回路とを備えたことによって接続用コネクタが削減でき、装置の小型化及びコストの低減を図ることができる。
【0130】(第15の実施の形態)第15の実施形態の無線装置は、図19に示すように、間仕切り壁1902を備えたシールドケース1901でデュアルシンセサイザ部1801と送受信回路1802とを囲っている。その他の構成は第14の実施形態(図18)と変わりがない。
【0131】シールドケース1901は、第10乃至12の実施形態のシールドケース1201と同様なものである。シールドケース1901は、デュアルシンセサイザ装置と送受信回路全体の上方及び側方を囲み、その内部には、デュアルシンセサイザ部1801と送受信回路1802との間に間仕切り壁1902を有している。
【0132】このシールドケース1901をグランドパターン805に接地することによって、シールドケースの内部の間仕切り壁1902が空間を伝搬する電磁波を遮蔽し、それによってデュアルシンセサイザ部1801と送受信回路1802との間のアイソレーションを向上することができる。
【0133】このように、第15の実施形態の無線装置では、シールドケースの内部の間仕切り壁が空間を伝搬する電磁波を遮蔽することによって、デュアルシンセサイザ装置と送受信回路との間のアイソレーションが向上し、周波数干渉を防止することができる。
【0134】また、シールドケースの内部に間仕切り壁を設けたことによって、複数のシールドケースを備えたシールド構造と同様のシールド効果を1ピースのシールドケースで得ることができ、シールドケースの数量を削減し、コストを低減することができる。
【0135】(第16の実施の形態)第16の実施形態の無線装置は、図20に示すように、筐体ケース2001をシールドケースに兼用している。図20において、図8乃至図19と同一の符号を付すものは同一の動作を行う。
【0136】この筐体ケース2001は、第15の実施形態のシールドケース1901と同様に、内部に間仕切り壁を有し、筐体ケース2001の表面または内側には導電層が形成され、プリント基板804のグランドパターンに接地することによってシールドケースと同様のシールド効果が得られる。
【0137】そのため、筐体ケース2001はシールドケースと共用できる。
【0138】このように、第16の実施形態の無線装置では、シールドケースを筐体ケースと共用しているため、シールドケースが削減でき、コストを低減することができる。
【0139】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明のデュアルシンセサイザ装置は、小型化が可能であり、また、簡単な構成で周波数干渉を防止することができる。
【0140】また、このデュアルシンセサイザ装置は、モジュール化された部品としてリフロー実装することができる。
【0141】また、このデュアルシンセサイザ装置を用いた本発明の無線装置は、電磁波の遮蔽を効果的に行うことができ、簡単な構成で周波数干渉を防止することができる。
【0142】また、このデュアルシンセサイザ装置及び無線装置は、簡単な構成によってコストの低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す構成図、
【図2】第2の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す構成図、
【図3】第3の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す構成図、
【図4】第4の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す構成図、
【図5】第5の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す構成図、
【図6】第6の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す構成図、
【図7】第7の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す構成図、
【図8】第8の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す平面図、
【図9】第8の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す断面図、
【図10】第9の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す平面図、
【図11】第9の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す断面図、
【図12】第10の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す平面図、
【図13】第10の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す断面図、
【図14】第11の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す平面図、
【図15】第11の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す断面図、
【図16】第12の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す断面図、
【図17】第13の実施形態におけるデュアルシンセサイザ装置を示す斜視図、
【図18】第14の実施形態における無線装置を示す構成図、
【図19】第15の実施形態における無線装置を示す構成図、
【図20】第16の実施形態における無線装置を示す構成図、
【図21】従来の周波数干渉防止機能を持つデュアルシンセサイザの回路図、
【図22】従来のデュアルシンセサイザのブロック図、
【図23】従来の周波数干渉防止用シールドケースを備えたデュアルシンセサイザ装置、
【図24】従来のシールドケースを持つデュアルシンセサイザ装置の斜視図、
【図25】従来のシールドケースを持つデュアルシンセサイザ装置の分解図、
【図26】従来のデュアルシンセサイザ装置の端子を示す斜視図である。
【符号の説明】
101a、2205a 第1PLL−IC
101b、2205b 第2PLL−IC
102a、102b、2206a、2206b ループフィルタ
103a、2207a 第1発振回路
103b、2207b 第2発振回路
104a、2208a 第1PLLシンセサイザ
104b、2208b 第2PLLシンセサイザ
105、2209 選択スイッチ
106 データ信号線
107 クロック信号線
108、2203a 第1ロードイネーブル信号線
109、2203b 第2ロードイネーブル信号線
201 ロック検出信号線
301a〜303a、301b〜303b 信号減衰手段
401a〜403a、401b〜403b LPF
501a〜503a、501b〜503b 能動素子
601a〜603a、601b〜603b スイッチ
701〜703 単極双投スイッチ
804 プリント基板
802、2503 選択スイッチ
801a、2101 第1PLLシンセサイザ部
801b、2102 第2PLLシンセサイザ部
803a、803b、803c 信号線
805、809、2304 グランドパターン
806a、806b、807a〜807c ビアホール
808 グランドビアホール
1001、2314 スリット
1201、1901 シールドケース
1202、1902 間仕切り壁
1401 開口部
1601 間仕切り壁凸部
1701 接続用端子
1801 デュアルシンセサイザ部
1802 送受信回路
1803、2308、2311〜2313 ビアホール
2001、2406 筺体ケース
2103、2104 減衰器
2105、2106 位相反転器
2107、2303 SPDTスイッチ
2108 加算器
2109 出力端子
2120 制御部
2201a 第1データ信号線
2201b 第2データ信号線
2202a 第1クロック信号線
2202b 第2クロック信号線
2204a 第1ロック検出信号線
2204b 第2ロック検出信号線
2210、2505 電源部
2301、2302、2501、2502 PLLシンセサイザ部
2305〜2307、2401〜2404 シールドケース
2309、2310 信号線
2504 選択制御部
2506 シールドケース側板
2507 シールドケース間仕切り壁
2508 シールドケース天板
2509 シールドケース底板
2510 開口部
2511 接続用端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1のPLLシンセサイザ部と、第2のPLLシンセサイザ部と、前記第1のPLLシンセサイザ部または第2のPLLシンセサイザ部の一方の出力信号を選択する選択スイッチとを備え、前記第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部の出力信号の周波数を制御するためのデータ信号線及びクロック信号線を前記第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部で共用することを特徴とするデュアルシンセサイザ装置。
【請求項2】 第1のPLLシンセサイザ部と、第2のPLLシンセサイザ部と、前記第1のPLLシンセサイザ部または第2のPLLシンセサイザ部の一方の出力信号を選択する選択スイッチとを備え、前記第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部から出力されるロック検出信号の出力信号線を前記第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部で共用することを特徴とするデュアルシンセサイザ装置。
【請求項3】 前記データ信号線、クロック信号線またはロック検出信号線の分岐点と前記第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部との間に特定の周波数帯域を減衰する信号減衰手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項4】 前記信号減衰手段が、前記第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部の出力信号の周波数帯域より低い周波数帯域の信号を通過させるローパスフィルタであることを特徴とする請求項3に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項5】 前記信号減衰手段が、前記第1のPLLシンセサイザ部及び第2のPLLシンセサイザ部の出力信号の周波数帯域より低い周波数帯域で利得を有する能動素子であることを特徴とする請求項3に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項6】 前記信号減衰手段が、信号の伝達を入切するスイッチであることを特徴とする請求項3に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項7】 前記データ信号線、クロック信号線またはロック検出信号線の分岐点に単極双投スイッチを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項8】 第1のPLLシンセサイザ部と、第2のPLLシンセサイザ部と、前記第1のPLLシンセサイザ部または第2のPLLシンセサイザ部の一方の出力信号を選択する選択スイッチとを備え、前記第1のPLLシンセサイザ部、第2のPLLシンセサイザ部及び選択スイッチをプリント基板の片面側表層に配置するとともに、前記第1のPLLシンセサイザ部と第2のPLLシンセサイザ部とを、前記選択スイッチを挟んでその両側に配置したことを特徴とするデュアルシンセサイザ装置。
【請求項9】 前記第1のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間及び前記第2のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間にプリント基板の表裏を貫くスリットを具備し、前記スリットの表面に形成された導電層が前記プリント基板のグランドパターンに接地していることを特徴とする請求項8に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項10】 前記第1のPLLシンセサイザ部、第2のPLLシンセサイザ部及び選択スイッチ全体の上方及び側方を囲むシールドケースを備え、前記シールドケースの内部に、前記第1のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間及び前記第2のPLLシンセサイザ部と選択スイッチとの間に間仕切り壁を具備することを特徴とする請求項8または9に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項11】 前記間仕切り壁の内部に空洞を設けたことを特徴とする請求項10に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項12】 前記プリント基板のスリットに前記間仕切り壁を挿入したことを特徴とする請求項10または11に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項13】 前記プリント基板の端面にスルーホールで構成された接続用端子を具備することを特徴とする請求項1乃至12に記載のデュアルシンセサイザ装置。
【請求項14】 請求項1乃至13に記載のデュアルシンセサイザ装置と送受信回路とを同一プリント基板上に配置したことを特徴とする無線装置。
【請求項15】 前記デュアルシンセサイザ装置と送受信回路とがプリント基板の片面上に配置され、前記デュアルシンセサイザ装置及び送受信回路全体の上方及び側方を囲む共通のシールドケースを備え、前記シールドケースの内部に前記デュアルシンセサイザ装置と送受信回路との間に間仕切り壁を具備することを特徴とする請求項14に記載の無線装置。
【請求項16】 前記シールドケースを筐体ケースと共用したことを特徴とする請求項15に記載の無線装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図21】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図24】
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【図10】
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【図12】
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【図26】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図25】
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【公開番号】特開2000−216676(P2000−216676A)
【公開日】平成12年8月4日(2000.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−15308
【出願日】平成11年1月25日(1999.1.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】