説明

データベースシステム、データベースサーバ、プログラム、及び、記録媒体

【課題】データベースのスキーマ上で、ユーザの所属会社によるデータベースの情報閲覧制御を行い、管理者の作業負荷を軽減するデータベースシステム等を提供する。
【解決手段】異なる所属会社に所属する複数のユーザ102で1つのユーザグループ104を作成し、各クライアント端末103の情報閲覧要求に対して、アプリケーション111は、データベース300に接続しアクセススキーマ302を介して、データスキーマ301上の商品情報をアクセスする。アクセススキーマ302は、ログインユーザの所属会社名の取得、商品情報の登録会社名の取得、ログインユーザの所属会社名による閲覧商品情報のフィルタリングを行う。登録会社の増減、変更に応じて、データスキーマ301の関連テーブルのデータを更新することにより、商品情報の登録会社のメンテナンスを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを利用したデータベースシステムに係り、特に、アクセススキーマを介した情報の閲覧制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カタログ制作を行う際、コンピュータの普及に伴い、カタログに載せる商品データをデータベース化して利用することが始まっている。データベースと連携し、デスクトップパブリッシング(DTP)等でカタログ制作作業を行い、その効率化が図られてきている。例えば、商品情報等を蓄積したデータベースと、データベースの情報を管理し、データベースの情報の入出力、検索、閲覧等の機能を提供するサーバと複数のユーザ端末装置等からなるWeb上で動作するデータベースシステムが幾つか存在する(例えば、特許文献1)。
更に、アプリケーション側でのアクセス権限に関するロジック実装を軽減することを目的とした、ユーザのアクセス権限をデータベースのスキーマ上に保持し、ユーザグループ毎に情報の閲覧範囲を設定できるデータベースシステムが開示されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−306377号公報
【特許文献2】特開2006−268265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、複数の仕入先会社がデータベースシステムを使用する際、ユーザが所属する仕入先会社が登録した情報のみ閲覧できるようにしたいという要望が強くなってきている。
しかしながら、従来の特許文献2に記載されているデータベースシステムでは、仕入先会社毎にユーザグループを作成し、参照設定などユーザグループの設定を行えば実現可能であるが、例えば、仕入先会社が200社など多数存在する場合は、仕入先会社数分のユーザグループの設定を行う必要があった。
【0005】
図13は、従来のデータシステム1000におけるユーザのアクセス権限に関するデータ制限方法を示す図である。図13に示すように、従来のデータシステム1000では、仕入先会社毎にユーザグループ104−1、104−2、104−3を作成し、ユーザグループ104−1、104−2、104−3の各クライアント端末103は、サーバのアプリケーション1111にアクセス、データベース1300にログイン要求を行う。
アプリケーション1111は、クライアント端末103からのログイン要求に対するユーザIDに対応付けられるユーザグループIDからアクセススキーマ1302を特定、接続し、アクセススキーマ1302を介して、データスキーマ1301上の実データをアクセスする。
アクセススキーマ1302−1、1302−2、1302−3は、夫々保持されているユーザグループ104−1、104−2、104−3毎のデータ参照範囲情報、アクセス制限情報に基づくフィルタリング処理やアクセス制限処理を行っていた。
【0006】
その結果、仕入先会社数分のユーザグループの設定、また、項目追加/削除時のメンテナンス作業を、ユーザグループ数分の設定を行う必要があり、管理者の負担がかなり大きくなり、メンテナンス効率の低下を招く原因となっている。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、データベースのスキーマ上で、ユーザの所属会社によるデータベースの情報閲覧制御を行うことを可能とし、管理者の作業負荷を軽減するデータベースシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために第1の発明は、ユーザのクライアント端末にネットワークを介して接続され、情報を記憶する少なくとも1つのデータベースを有し、前記データベースの情報を閲覧制御するデータベースサーバであって、前記ユーザの所属会社識別情報を有するユーザ情報と、前記情報と、前記情報と登録した登録会社識別情報を対応付ける管理テーブルと、からなるデータスキーマと、ログインユ−ザの所属会社識別情報による前記情報のフィルタリング処理を行うアクセススキーマと、を記憶する前記データベースと、前記アクセススキーマを介して、前記データスキーマの情報をアクセスするアクセス手段と、を備え、前記アクセススキーマは、ログインした前記クライアント端末の前記ユーザ情報から前記所属会社識別情報を取得し、ログインユーザを判別する手段と、前記情報の登録会社識別情報を取得する手段と、取得したログインユ−ザの所属会社識別情報と、前記情報の登録会社識別情報とを比較し、当該所属会社識別情報と同じ登録会社識別情報を有する前記情報のみを抽出し、参照可能とするフィルタリング処理を行うフィルタリング手段と、を具備することを特徴とするデータベースサーバである。
【0009】
また、前記データベースに対する前記情報の追加/削除/変更に応じて、前記管理テーブルの当該情報に対応付けられる前記登録会社識別情報を追加/削除/変更することが望ましい。
また、前記データベースに前記情報を登録するユーザの所属する所属会社識別情報の追加/削除/変更に応じて、前記ユーザ情報、及び前記管理テーブルの前記登録会社識別情報を追加/削除/変更することが望ましい。
【0010】
第1の発明によるデータベースサーバは、ユーザの所属会社識別情報を有するユーザ情報と、情報と、情報と登録した登録会社識別情報を対応付ける管理テーブルと、からなるデータスキーマと、ログインユ−ザの所属会社識別情報による情報のフィルタリング処理を行うアクセススキーマと、を記憶するデータベースを有し、アクセススキーマを介して、データスキーマの情報をアクセスし、アクセススキーマは、ログインしたクライアント端末のユーザ情報から所属会社識別情報を取得し、ログインユーザを判別し、情報の登録会社識別情報を取得し、取得したログインユ−ザの所属会社識別情報と、情報の登録会社識別情報とを比較し、当該所属会社識別情報と同じ登録会社識別情報を有する前記情報のみを抽出し、参照可能とするフィルタリング処理を行う。
【0011】
「データスキーマ」には、情報(商品情報)と、情報と該情報を登録した登録会社識別情報を対応付けられる管理テーブルを記憶する。
「アクセススキーマ」は、ユーザの所属会社によるデータベースの情報を閲覧制御するフィルタリング処理を行う。
【0012】
第1の発明では、登録会社(例えば、仕入先会社)毎にユーザグループに対する設定を行わず、1つのユーザグループで、ログインユーザが所属する会社が登録した情報のみを参照可能とする。
また、登録会社の登録・更新時に、新たにユーザグループを作成し、設定する必要がなく、登録会社を含むユーザ情報だけを追加し、データ、項目の登録・更新時には1ユーザグループ分だけのメンテナンスでよくなるため、管理者の作業負荷を軽減でき、メンテナンス効率が向上する。
更に、データベースサーバは、フィルタリングロジックをデータベース管理手段で担うようにし、アプリケーション側のロジック実装の負荷を軽減し、プログラム開発効率が向上できる。
【0013】
また、第2の発明は、ユーザのクライアント端末と、情報を記憶する少なくとも1つのデータベースを有し、前記データベースの情報を閲覧制御するデータベースサーバと、がネットワークを介して接続されるシステムであって、前記データベースサーバは、前記ユーザの所属会社識別情報を有するユーザ情報と、前記情報と、前記情報と登録した登録会社識別情報を対応付ける管理テーブルと、からなるデータスキーマと、ログインユ−ザの所属会社識別情報による前記情報のフィルタリング処理を行うアクセススキーマと、を記憶する前記データベースと、前記アクセススキーマを介して、前記データスキーマの情報をアクセスするアクセス手段と、を備え、前記アクセススキーマは、ログインした前記クライアント端末の前記ユーザ情報から前記所属会社識別情報を取得し、ログインユーザを判別する手段と、前記情報の登録会社識別情報を取得する手段と、取得したログインユ−ザの所属会社識別情報と、前記情報の登録会社識別情報とを比較し、当該所属会社識別情報と同じ登録会社識別情報を有する前記情報のみを抽出し、参照可能とするフィルタリング処理を行うフィルタリング手段と、を具備することを特徴とするデータベースシステムである。
【0014】
第2の発明は、第1の発明のデータベースサーバと、データベースに対して操作要求を行うクライアント端末から構成されるデータベースシステムに関する発明である。
【0015】
第3の発明は、コンピュータを第1の発明のデータベースサーバとして機能させるプログラムである。
第4の発明は、コンピュータを第1の発明のデータベースサーバとして機能させるプログラムを記録した記録媒体である。
【0016】
上述のプログラムをCD−ROM等の記録媒体に保持させて流通させてもよいし、このプログラムを通信回線を介して送受することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、データベースのスキーマ上で、ユーザの所属会社によるデータベースの情報閲覧制御を行い、管理者の作業負荷を軽減するデータベースシステム等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照しながら、本発明に係るデータベースシステム等の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明および添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0019】
図1は、本発明の本実施の形態に係るデータベースシステム100の概略構成を示す図である。
【0020】
図1は、データベースシステム100の一例であり、図1に示すように、データベースシステム100は、サーバ101、異なる所属会社の複数のユーザ102−1、102−2、102−3が有するクライアント端末103等が、ネットワーク109を介して接続されて構成される。尚、データベースシステム100は、WWW(World Wide Web)技術を用いて実現した場合の構成図である。また、異なる所属会社(例えば仕入先会社)の複数のユーザ102−1、102−2、102−3が1つのユーザグループ104を構成し、該ユーザグループ104を選択すると、各ユーザ102−1、102−2、102−3が所属する所属会社が登録した情報(本実施形態では、商品情報とする)のみ閲覧できるものとする。
【0021】
ネットワーク109は、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、社内LAN等のネットワークであり、有線、無線を問わない。
【0022】
サーバ101は、サーバコンピュータ等であり、Webサーバ110、アプリケーション111、データベースサーバ112等を有する。
アプリケーション111は、Webサーバ110上で動作するアプリケーションであり、クライアント端末103からのアクセスにより、Webサーバ110から呼び出され、データベースサーバ112を介して、データベース300の商品情報(文字や画像等)の検索、閲覧等の各種操作を行い、ユーザ102の登録や各種設定等のシステム運用・管理を行う。クライアント端末103のWebブラウザ120上に商品情報を送信、表示する。
データベースサーバ112は、データベースエンジン等のデータベース管理手段であり、実データ310を記憶するデータスキーマ301と、実データ310のフィルタリング処理を行うアクセススキーマ302とからなるデータベース300を有し、データベース300への検索、参照、登録、削除等の各種要求に対する該当処理を行う。尚、データベースサーバ112は、サーバ101と異なるサーバコンピュータとして、サーバ101にネットワーク109を介して接続してもよい。
【0023】
1つのユーザグループ104には、複数の所属会社(A社、B社、C社)に所属するユーザ102―1、102−2、102−3が登録されており、ユーザ102―1、102−2、102−3は、夫々クライアント端末103を有する。クライアント端末103は、パーソナルコンピュータ、携帯型端末機(Personal Digital Assistant)等であり、クライアント端末103には、Webブラウザ120が搭載される。クライアント端末103は、Webブラウザ120を介して、サーバ101のアプリケーション111にアクセスし、データベース300の所望する商品情報の検索、閲覧、登録要求や操作指示等を送信し、受信した商品情報等を表示する。
【0024】
次に、サーバ101のハードウェア構成を説明する。図2は、サーバ101のハードウェア構成図である。
【0025】
サーバ101は、制御部201、記憶部202、メディア入出力部203、通信制御部204、入力部205、表示部206、印刷部207等が、システムバス209を介して接続されて構成される。
【0026】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory )、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0027】
CPUは、記憶部202、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、システムバス209を介して接続された各装置を駆動制御し、サーバ101が行う後述する各種処理(図6、図7、図10、図12参照)を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部202、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部201が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0028】
記憶部202は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部201が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラム391や、本コンピュータを適用するサーバ101が行う後述の処理に相当するアプリケーションプログラム392等が格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部201により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0029】
メディア入出力部203(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、フロッピディスクドライブ、PDドライブ、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置等を有する。
【0030】
通信制御部204は、通信制御装置、通信ポート等を有し、サーバ101とネットワーク109間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワーク109を介して、サーバ101とクライアント端末103間の通信制御を行う。
【0031】
入力部205は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。
入力部205を介して、サーバ101に対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
【0032】
表示部206は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
【0033】
印刷部207は、プリンタであり、印刷出力処理を行う。
【0034】
システムバス209は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0035】
次に、図3を参照しながら、サーバ101の記憶部202が保持する情報について説明する。図3は、記憶部202が保持する情報を示す図である。
【0036】
記憶部202内には、データベース300、管理スキーマ303及び制御プログラム391、アプリケーションプログラム392等が格納されている。
【0037】
データベース300は、データスキーマ301と、アクセススキーマ302からなる。データスキーマ301に対し、1対1でアクセススキーマ302が関係付けられる。
尚、サーバ101が管理するデータベース300は、必要に応じて、複数存在してもよい。
【0038】
図4は、データスキーマ301、アクセススキーマ302、管理スキーマ303を示す図である。
図4に示すように、データスキーマ301は、実データ310、及び実データ310の管理制御テーブルを有する。
実データ310は、複数の商品情報30からなる。商品情報30は、商品のスペック等の文字情報、商品の素材情報である画像情報等からなる。
管理制御テーブルには、商品登録会社管理テーブル(SUP_MANAGE)311、登録会社管理テーブル(CHOISES)312、プロダクトテーブル(PRODUCT)313、商品スペック情報管理テーブル(P_SPEC)314等を少なくとも有する。
【0039】
商品登録会社管理テーブル(SUP_MANAGE)311は、データベース300に登録、記憶されている商品情報30毎に登録会社を対応付け、プロダクトID41、登録会社ID42からなる。プロダクトID41は、プロダクトテーブル313に関連付けられる商品情報30の識別情報である。登録会社ID42は、データベース300に当該商品情報30を登録した登録会社の識別情報である。
登録会社管理(CHOISES)テーブル312は、商品登録会社管理テーブル311に関連付けられ、データベース300に商品情報30を登録する登録会社情報からなり、登録会社ID42、登録会社名43を有する。
プロダクトテーブル(PRODUCT)313は、商品情報30に対応付けられるプロダクトID41、商品管理情報44からなる。
商品スペック情報管理テーブル(P_SPEC)314は、プロダクトテーブル313に関連付けられるプロダクトID41、商品登録会社管理テーブル311に関連付けられる登録会社ID42、商品情報30のスペック管理情報からなる。
【0040】
管理スキーマ303は、データベースサーバ(データベース管理手段)112によって管理されるデータであり、データベースサーバ112に1つ存在し、ユーザ情報テーブル(USERLIST)331、セッション情報ログテーブル(Log Session)332、データベースの情報等を保持する。
ユーザ情報テーブル(USERLIST)331は、接続可能なユーザ情報リストであり、ユーザID51、ユーザ102が所属する所属会社名52、パスワード、ユーザ102の個人情報等を有する。
セッション情報ログテーブル(Log Session)332は、データベースサーバ(データベース管理手段)112での接続履歴を記録した情報であり、セッションID40、ユーザID51、セッション履歴情報等を有する。
【0041】
制御プログラム391は、サーバ101の各構成部分を駆動制御するプログラムであり、OS(オペレーティングシステム)に相当する。
アプリケーションプログラム392は、サーバ101が行う後述の処理(図8参照)に相当する実行可能プログラムであり、Webサーバ110、アプリケーション111、データベースサーバ(データベース管理手段)112等に相当するプログラムである。
【0042】
次に、図5を参照しながら、クライアント端末103のハードウェア構成を説明する。図5は、クライアント端末103のハードウェア構成図である。
【0043】
クライアント端末103は、制御部401、記憶部402、通信制御部403、メディア入出力部404、入力部405、表示部406、印刷部407等が、システムバス409を介して接続される。
尚、クライアント端末103のハードウェア構成は、図2について前述したサーバ101と同様の構成を採る。
【0044】
次に、図6を参照しながら、データベースシステム100における商品情報閲覧制御方法について説明する。図6は、データベースシステム100における商品情報閲覧制御方法を示す図である。
【0045】
異なる所属会社A社、B社、C社に所属する複数のユーザ102―1、102−2、102−3で1つのユーザグループ104を作成し、ユーザ102―1、102−2、102−3の各クライアント端末103は、サーバ101のアプリケーション111にアクセス、データベース300にログイン要求、情報閲覧要求を行う。
アプリケーション111は、クライアント端末103からのログイン要求に対して、データベース300に接続し、アクセススキーマ302を介して、データスキーマ301上の実データ310をアクセスする。
アクセススキーマ302は、ログインユーザの判別(所属会社名52の取得)、商品情報30の登録会社名43の取得、ログインユーザの所属会社による閲覧商品情報のフィルタリングを行う。
仕入先会社等の登録会社の増減、変更に応じて、データスキーマ301内の商品登録会社管理テーブル311、登録会社管理テーブル312、プロダクトテーブル313、商品スペック情報管理テーブル314等を適宜更新することにより、商品情報30の登録会社情報のメンテナンスを行う。
【0046】
次に、図7、図8、図9を参照しながら、データベースシステム100における、データベース300の商品情報閲覧制御方法の処理手順について詳しく説明する。図7は、データベースシステム100におけるデータベース300の情報閲覧制御方法の処理手順を示すフローチャートである。図8は、ユーザ(A社)でログインした場合の商品情報閲覧の画面遷移を示す図である。図9は、ユーザ(B社)でログインした場合の商品情報閲覧の画面遷移を示す図である。
【0047】
サーバ101は、Webサーバ110、アプリケーション111、データベースサーバ112(アクセススキーマ302、データスキーマ301)を介して、ユーザ102−1、102−2、102−3(以下102−1を代表として説明する)の各クライアント端末103に対して、データベース300の商品情報閲覧制御処理を行う。
【0048】
サーバ101の記憶部202には、アプリケーションプログラム392であるWebサーバ110、アプリケーション111、データベースサーバ(データベース管理手段)112に相当する実行可能プログラムがインストールされている。以下のサーバ101の処理は、Webサーバ110、アプリケーション111、データベースサーバ(データベース管理手段)112を介して、このプログラムの制御に従って、サーバ101の制御部201によって行われる。
【0049】
また、クライアント端末103の記憶部402には、アプリケーションプログラムであるWebブラウザ120がインストールされており、以下のクライアント端末103の処理(Webブラウザ120を介したサーバ101へのアクセス、サーバ101への操作指示等)は、クライアント103の制御部401によって行われる。
【0050】
ユーザ102−1(A社)のクライアント端末103の制御部401は、サーバ101のWebサーバ110を介して、アプリケーション111にアクセスし、データベース300のログイン、ユーザグループの選択を行う(ステップS701)。
【0051】
図8に示すように、例えば、クライアント端末103の制御部401は、受け取ったログイン画面80に従って、入力されたユーザ102−1(A社)のユーザID51、パスワード等をサーバ101に送信し、更に、表示されたユーザグループ選択画面81に従って、ユーザグループ「仕入先」を選択する。ユーザグループ「仕入先」は、各ユーザ102−1、102−2、102−3が所属する所属会社が登録した商品情報のみ閲覧できるものとする。
【0052】
サーバ101の制御部201(アプリケーション111)は、受け取ったユーザID51、パスワードから、データベースサーバ112へのログイン要求を行い(ステップS702)、データベースサーバ112は、管理スキーマ303を介して、取得した管理スキーマ303上のユーザ情報テーブル331に基づいて、ユーザ認証を行い、セッション情報テーブル341にセッションIDを登録し、セッション登録を行う(ステップS703)。
【0053】
制御部201(アプリケーション111)は、データベースサーバ112に対して、選択されたユーザグループ「仕入先」の設定、データベース300の接続要求を行い、データベースサーバ112は、データベース300のアクセススキーマ302を接続する(ステップS704)。
【0054】
ユーザ102−1(A社)のクライアント端末103の制御部401は、データベース300に対して、商品情報30の検索、閲覧の操作要求を行う(ステップ705)。
図8に示すように、例えば、表示されたメイン画面83上のグループフォルダフレーム86内でグループフォルダ84「testグループ」を選択し、グループフォルダ84「testグループ」の商品情報閲覧要求を行う。
【0055】
制御部201(アプリケーション111)は、アクセススキーマ302を介して、データベース(データスキーマ)の実データ310(商品情報30)の読み出し要求を行う(ステップS706)。
【0056】
接続されているアクセススキーマ302は、セッション情報テーブル341、セッション情報ログテーブル332、ユーザ情報テーブル331を関連付け、ログインユーザのユーザ情報を抽出し、ログインユーザの所属する所属会社名52を取得する(ステップS707)。
図10は、アクセススキーマ302における商品情報閲覧制御の関連テーブル制御と処理の流れを示す図である。
図10に示すように、ユーザ102−1(A社)でログインした場合、セッション情報テーブル341からセッション登録されているログインユーザ102−1のセッションID40「000001 20070205200000」を求め、該セッションID40で紐付けられるセッションログテーブル332のエントリデータのユーザID51「shiire1」を取得し、該ユーザID51で紐付けられるユーザ情報テーブル331のエントリデータの所属会社名52「A社」を取得する。
【0057】
アクセススキーマ302は、商品情報会社管理テーブル311、登録会社管理テーブル312に基づいて、商品情報の登録会社名43、登録会社ID42を取得する(ステップS708)。
図10に示すように、ステップS707で取得したログインユーザ102−1の所属会社名52「A社」と同じ登録会社管理テーブル31の登録会社名43「A社」の登録会社ID「1」を取得し、該登録会社ID「1」で紐付けられる商品情報会社管理テーブル311の登録会社ID42のエントリデータを取得する。
【0058】
アクセススキーマ302は、取得したログインユーザの所属会社名52と、商品情報の登録会社名43とを比較し、当該所属会社名52と同じ登録会社名43(登録会社ID42)を有するプロダクトテーブル313のプロダクトID41に紐付けられる商品情報30のみを参照可能とするフィルタリング処理を行う(ステップS709)。
図10に示すように、例えば、ステップS708で取得した登録会社名43「A社」の登録会社ID「1」と同じ登録会社ID「1」のプロダクトテーブル313のプロダクトID41「000001」、「000003」に紐付けられる商品情報30を抽出し、参照可能とする。登録会社ID「2」、「4」のプロダクトテーブル313のプロダクトID41「000002」、「000004」に紐付けられる商品情報30は、参照不可となる。
【0059】
制御部201(アプリケーション111)は、データベースサーバ112から、参照可能な商品情報30を取得し、クライアント端末103に送信する(ステップS710)。
クライアント端末103は、受け取った商品情報30を表示する(ステップS711)。
【0060】
図8に示すように、メイン画面83の商品情報一覧画面85に、ログインしているユーザ102−1の所属する所属会社名「A社」が登録会社名43である、すなわち、「仕入先会社名」項目値が「A社」の1件の商品情報30のみが表示される。本来、データスキーマ301の実データ310のグループフォルダ「testグループ」には、A社の商品情報30以外、2件のB社の商品情報30が登録されている。
また、図9に示すように、「仕入先」ユーザグループのユーザ102−2(B社)でログインした場合、メイン画面83の商品情報一覧画面85に、ログインしているユーザ102−2の所属する所属会社名「B社」が登録会社名43である、すなわち、「仕入先会社名」項目値が「B社」の2件の商品情報30のみが表示される。本来、データスキーマ301の実データ310のグループフォルダ「testグループ」には、B社の商品情報30以外、1件のA社の商品情報30が登録されている。
【0061】
次に、データベース300で管理されている商品情報30の登録会社の追加、削除、変更等に関わるメンテナンス処理について説明する。
登録会社、所属会社である、例えば、仕入先会社が増え、仕入先会社を追加する場合、アプリケーション111としてサーバ管理用アプリケーション(データベースの構造の設定やユーザグループの設定などを行うアプリケーション)を使用して、(1)ユーザ登録によるユーザ情報の登録、グループユーザ104への登録、(2)登録会社(仕入先会社)の登録を行う。
【0062】
クライアント端末103の制御部401は、ユーザ登録要求に伴い、ユーザ登録画面(図示せず)を表示し、ユーザにより入力されたユーザ情報(ユーザID、ユーザ名、パスワード、所属会社(仕入先会社)等)を、管理スキーマ303のユーザ情報テーブル331に登録、保持し、また、グループユーザ104への登録要求に伴い、ユーザグループ一覧(図示せず)を表示し、ユーザグループ一覧から選択された、登録するユーザが所属するユーザグループに、入力されたユーザグループ名を追加登録する。
【0063】
図11は、登録会社(仕入先会社)の登録を示す図である。
図11に示すように、クライアント端末103の制御部401は、アプリケーション111から送られたサーバ管理のメイン画面90の所定のデータベース(例えば「検証用1万件」)の商品情報構造90(「親商品」)を選択し、表示された商品情報構造のプロパティ画面92の項目「仕入先名」を選択し、項目設定画面95を表示する。制御部401は、追加ボタン96クリックにより、一覧部分に1行追加し、ユーザにより入力された仕入先名、すなわち登録会社名43(仕入先会社名)「C社」を、登録会社管理テーブル312に登録、保持する。
【0064】
図12は、商品情報30の登録会社の追加、削除、変更等のメンテナンス処理における関連テーブル制御と処理の流れを示す図である。
図12に示すように、商品情報30を追加登録/削除すると(ステップS801)、プロダクトテーブル313の該当するエントリデータ(例えば、「プロダクトID「000004」、〜」)を追加/削除し(ステップS802)、関連付けられる商品登録会社管理テーブル311の該当するエントリデータ「プロダクトID「000004」、登録会社ID「3」」を追加/削除する(ステップS803)。また、商品スペック管理テーブル314の該当するエントリデータ「プロダクトID「000004」、登録会社ID「3」、〜」を追加/削除する(ステップS804)。
【0065】
また、商品スペック管理テーブル314の登録会社ID42を変更すると(ステップS901)、商品登録会社管理テーブル311の該当するエントリデータの登録会社ID42の値を同様に変更する(ステップS902)。
【0066】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、異なる所属会社(A社、B社、C社)に所属するユーザ102―1、102−2、102−3で1つのユーザグループ104を作成し、ユーザ102―1、102−2、102−3の各クライアント端末103は、サーバ101のアプリケーション111にアクセスし、データベース300にログイン要求、情報閲覧要求を行うと、アプリケーション111は、ユーザグループ104を設定し、データベース300に接続し、アクセススキーマ302を介して、データスキーマ301上の実データ310をアクセスする。その際、アクセススキーマ302は、ログインユーザの判別(所属会社名52の取得)、商品情報30の登録会社名43の取得、ログインユーザの所属会社名52による閲覧商品情報のフィルタリングを行う。
仕入先会社等の登録会社/所属会社の追加、削除、変更に応じて、データスキーマ301内の商品登録会社管理テーブル311、登録会社管理テーブル312、プロダクトテーブル313、商品スペック情報管理テーブル314等のデータを追加/削除/変更することにより、商品情報の登録会社のメンテナンスを行う。
【0067】
これにより、仕入先会社毎にユーザグループに対する設定を行わず、1つのユーザグループで、ログインユーザが所属する会社が登録した情報のみを参照可能とする。
また、仕入先会社の登録・更新時に、新たにユーザグループを作成し、設定する必要がなく、所属会社を含むユーザ情報だけを追加し、データ、項目の登録・更新時には1ユーザグループ分だけのメンテナンスでよくなるため、管理者の作業負荷を軽減でき、メンテナンス効率が向上する。
更に、データベースサーバは、フィルタリングロジックをデータベース管理手段で担うようにし、アプリケーション側のロジック実装の負荷を軽減し、プログラム開発効率が向上する。
【0068】
尚、本実施の形態では、サーバ101側に、Webサーバ110、アプリケーション111、データベースサーバ(データベース管理手段)112等を有し、クライアント端末103から、サーバ101にアクセスし、Webサーバ110を介してアプリケーション111、データベースサーバ112を起動したが、予め、クライアント端末103側にアプリケーション111のプログラムをダウンロードにしておき、クライアント端末103上のアプリケーション111の実行可能プログラムを起動し、サーバ101側のデータベースサーバ112のデータベース300(データスキーマ301)をアクセスしてもよい。
【0069】
尚、図6、図7、図10、図12に示す処理を行うプログラムはCD−ROM等の記録媒体に保持させて流通させてもよいし、このプログラムを通信回線を介して送受することもできる。
【0070】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係るデータベースシステム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施の形態に係るデータベースシステム100の概略構成を示す図
【図2】サーバ101のハードウェア構成図
【図3】記憶部202が保持する情報を示す図
【図4】データスキーマ301、アクセススキーマ302、管理スキーマ303を示す図
【図5】クライアント端末103のハードウェア構成図
【図6】データベースシステム100における商品情報閲覧制御方法を示す図
【図7】データベースシステム100におけるデータベース300の情報閲覧制御方法の処理手順を示すフローチャート
【図8】ユーザ(A社)でログインした場合の商品情報閲覧の画面遷移を示す図
【図9】ユーザ(B社)でログインした場合の商品情報閲覧の画面遷移を示す図
【図10】アクセススキーマ302における商品情報閲覧制御の関連テーブル制御と処理の流れを示す図
【図11】登録会社(仕入先会社)の登録を示す図
【図12】商品情報30の登録会社の追加、削除、変更等のメンテナンス処理における関連テーブル制御と処理の流れを示す図
【図13】従来のデータシステム1000におけるユーザのアクセス権限に関するデータ制限方法を示す図
【符号の説明】
【0072】
100………データベースシステム
101………サーバ
102………ユーザ
103………クライアント端末
104………ユーザグループ
109………ネットワーク
110………Webサーバ
111………アプリケーション
112………データベース管理手段
201、401………制御部
202、402………記憶部
300………データベース
301………データスキーマ
302………アクセススキーマ
303………管理スキーマ
310………実データ
311………商品登録会社管理テーブル
312………登録会社管理テーブル
313………プロダクトテーブル
314………商品スペック情報管理テーブル
331………ユーザ情報テーブル
332………セッション情報ログテーブル
30………商品情報
41………プロダクトID
42………登録会社ID
43………登録会社名
51………ユーザID
52………所属会社名

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのクライアント端末にネットワークを介して接続され、情報を記憶する少なくとも1つのデータベースを有し、前記データベースの情報を閲覧制御するデータベースサーバであって、
前記ユーザの所属会社識別情報を有するユーザ情報と、
前記情報と、前記情報と登録した登録会社識別情報を対応付ける管理テーブルと、からなるデータスキーマと、ログインユ−ザの所属会社識別情報による前記情報のフィルタリング処理を行うアクセススキーマと、を記憶する前記データベースと、
前記アクセススキーマを介して、前記データスキーマの情報をアクセスするアクセス手段と、
を備え、
前記アクセススキーマは、
ログインした前記クライアント端末の前記ユーザ情報から前記所属会社識別情報を取得し、ログインユーザを判別する手段と、
前記情報の登録会社識別情報を取得する手段と、
取得したログインユ−ザの所属会社識別情報と、前記情報の登録会社識別情報とを比較し、当該所属会社識別情報と同じ登録会社識別情報を有する前記情報のみを抽出し、参照可能とするフィルタリング処理を行うフィルタリング手段と、
を具備することを特徴とするデータベースサーバ。
【請求項2】
前記データベースに対する前記情報の追加/削除/変更に応じて、前記管理テーブルの当該情報に対応付けられる前記登録会社識別情報を追加/削除/変更することを特徴とする請求項1記載のデータベースサーバ。
【請求項3】
前記データベースに前記情報を登録するユーザの所属会社識別情報の追加/削除/変更に応じて、前記ユーザ情報、及び前記管理テーブルの前記登録会社識別情報を追加/削除/変更することを特徴とする請求項1記載のデータベースサーバ。
【請求項4】
ユーザのクライアント端末と、情報を記憶する少なくとも1つのデータベースを有し、前記データベースの情報を閲覧制御するデータベースサーバと、がネットワークを介して接続されるシステムであって、
前記データベースサーバは、
前記ユーザの所属会社識別情報を有するユーザ情報と、
前記情報と、前記情報と登録した登録会社識別情報を対応付ける管理テーブルと、からなるデータスキーマと、ログインユ−ザの所属会社識別情報による前記情報のフィルタリング処理を行うアクセススキーマと、を記憶する前記データベースと、
前記アクセススキーマを介して、前記データスキーマの情報をアクセスするアクセス手段と、
を備え、
前記アクセススキーマは、
ログインした前記クライアント端末の前記ユーザ情報から前記所属会社識別情報を取得し、ログインユーザを判別する手段と、
前記情報の登録会社識別情報を取得する手段と、
取得したログインユ−ザの所属会社識別情報と、前記情報の登録会社識別情報とを比較し、当該所属会社識別情報と同じ登録会社識別情報を有する前記情報のみを抽出し、参照可能とするフィルタリング処理を行うフィルタリング手段と、
を具備することを特徴とするデータベースシステム。
【請求項5】
コンピュータを請求項1から請求項3のいずれかに記載のデータベースサーバとして機能させるプログラム。
【請求項6】
コンピュータを請求項1から請求項3のいずれかに記載のデータベースサーバとして機能させるプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−234286(P2008−234286A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72571(P2007−72571)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】