説明

データ伝送装置およびデータ伝送方法

【課題】データ伝送処理システムにおいて、待機系のデータ伝送装置を、運用系のデータ伝送装置の代替装置としての位置付け以上に活用する。
【解決手段】基地局装置100は、監視制御部101と、送受信部102と、無線側スイッチ部103と、RNC側スイッチ部104と、アンテナ部とを有し、運用系送受信部A102a、運用系送受信部B102b、運用系送受信部C102cまたは運用系送受信部D102dのいずれかにおいて処理データの輻輳が発生した場合に、処理データの輻輳が発生した当該運用系送受信部102と待機系送受信部102eとを並列に機能させるよう制御し、当該運用系送受信部102と待機系送受信部102eとによって処理データのデータ送受信の負荷分散を図ることを可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ送信装置およびデータ受信装置間の送受信データを、運用系のデータ送受信手段へ入力して伝送し、該運用系のデータ送受信手段に障害が発生した場合に、該運用系のデータ送受信手段から待機系のデータ送受信手段へ切り換えて入力して該データを伝送するデータ伝送装置およびデータ伝送方法に関し、特に、待機系のデータ伝送装置を、運用系のデータ伝送装置の代替装置としての位置付け以上に効率的かつ有効的に活用することが可能なデータ伝送装置およびデータ伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話の基地局やネットワーク中継装置などのデータ送受信装置は、受信データに対してデータ変換処理、多重分離処理、変復調処理などを行い、送信先の端末装置へ向けてデータを送信する複数の運用系のデータ送受信部と、この運用系のデータ送受信部に障害が発生した場合のバックアップとして機能する待機系のデータ受信部を備えた冗長構成を取っている。
【0003】
例えば、特許文献1には、データ送受信装置が携帯電話の基地局である場合で、運用系のデータ送受信部に障害が発生したとき、この障害が発生した運用系のデータ送受信部のデータ処理を待機系のデータ受信部が引継ぐことによって、データ送受信部のデータ処理が断絶してしまうことを防止する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、運用系のデータ伝送装置と待機系のデータ伝送装置とを有するデータ伝送処理システムにおいて、運用系のデータ伝送装置においてデータ処理の輻輳が発生した場合に、待機系のデータ伝送装置へと切り換えて処理データを受け渡すこととし、運用系のデータ伝送装置におけるデータ処理の輻輳が解消されたときに、処理データの受け渡しを待機系のデータ伝送装置から運用系のデータ伝送装置へ復旧させる制御を行う負荷分散制御方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−280954号公報
【特許文献2】特開平2−98258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に代表される従来技術では、待機系のデータ受信部は、運用系のデータ送受信部に障害が発生したときにのみ使用されるだけであり、障害発生時でない通常時におけるデータ処理において、効率的に活用されているとはいえなかった。
【0007】
また、上記特許文献2に代表される従来技術では、運用系のデータ伝送装置において処理データの輻輳が発生した場合に、待機系のデータ伝送装置へと切り換えて処理データを受け渡すものの、この場合に使用されるデータ伝送装置は、待機系のデータ伝送装置のみである。
【0008】
しかし、これでは、従来からある、障害発生時には運用系のデータ伝送装置の使用を中止し、その代わりに待機系のデータ伝送装置を使用するという、“待機系のデータ伝送装置は、運用系のデータ伝送装置で障害が発生した時の代替装置である”という思想と何ら変わりない。したがって、待機系のデータ伝送装置を、単なる代替装置としての位置付け以上に有効に活用しているとはいえなかった。
【0009】
本発明は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、運用系のデータ伝送装置と待機系のデータ伝送装置とを有するデータ伝送処理システムにおいて、待機系のデータ伝送装置を、運用系のデータ伝送装置の代替装置としての位置付け以上に効率的かつ有効的に活用することが可能なデータ伝送装置およびデータ伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した問題を解決し、目的を達成するため、本発明は、装置間の送受信データを、運用系のデータ送受信手段へ入力して伝送し、該運用系のデータ送受信手段に障害が発生した場合に、該運用系のデータ送受信手段から待機系のデータ送受信手段へ切り換えて入力して該送受信データを伝送するデータ伝送装置であって、前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳を監視するデータ輻輳監視手段と、前記データ輻輳監視手段によって前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳が検出された場合に、前記運用系のデータ送受信手段とともに前記待機系のデータ送受信手段を前記送受信データの伝送に使用可能として該伝送の負荷分散を行う負荷分散手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記データ輻輳監視手段は、前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの待ち行列の長さが所定閾値を超えた場合に輻輳が検出されたとすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記データ輻輳監視手段によって輻輳が検出され、前記負荷分散手段によって前記待機系のデータ送受信手段が使用可能とされると、新たに伝送すべきデータのうち新たな制御情報を有するデータを該待機系のデータ送受信手段へ入力し、該待機系のデータ送受信手段へ入力したデータ以外のデータは、該運用系のデータ送受信手段へ入力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記負荷分散手段による前記負荷分散の実行中に前記運用系のデータ送受信手段の障害が発生した場合に、直ちに前記負荷分散手段による前記負荷分散を終了し、該運用系のデータ送受信手段から前記待機系のデータ送受信手段へ切り換えて該データを伝送することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、装置間の送受信データを、運用系のデータ送受信工程へ入力して伝送し、該運用系のデータ送受信工程に障害が発生した場合に、該運用系のデータ送受信工程から待機系のデータ送受信工程へ切り換えて入力して該送受信データを伝送するデータ伝送方法であって、前記運用系のデータ送受信工程へ入力されるデータの輻輳を監視するデータ輻輳監視工程と、前記データ輻輳監視工程によって前記運用系のデータ送受信工程へ入力されるデータの輻輳が検出された場合に、前記運用系のデータ送受信工程とともに前記待機系のデータ送受信工程を前記送受信データの伝送に使用可能として該伝送の負荷分散を行う負荷分散工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳が発生した場合に、該データの伝送の負荷分散を行う際に、運用系のデータ送受信手段とともに待機系のデータ送受信手段を送信データの伝送に使用可能とするので、双方のデータ送受信手段を効率的に使用して負荷分散を行うことが可能となるという効果を奏する。また、負荷分散を行うための新規な構成を必要とせず、既存の構成を利用して負荷分散が可能となり、低コストでデータ送受信処理能力を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、負荷分散手段によって負荷分散を開始するタイミングを、運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳が実際に発生する前に設定することが可能となり、実際の輻輳によってデータの損失や欠落が発生し、データ再送を未然に防止し、データ再送の無駄を抑制することが可能になるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳が発生した場合に、該データの伝送の負荷分散を行う際に、新たに伝送すべきデータのうち新たな制御情報を有するデータを待機系のデータ送受信手段へ入力し、それ以外のデータは継続して該運用系のデータ送受信手段へ入力するので、新たに伝送すべきデータのうち新たな制御情報を有するデータは輻輳を回避してスムースに伝送されることが可能となるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳が発生した場合に、該データの伝送の負荷分散を行う際に、新たに伝送すべきデータを待機系のデータ送受信手段へ入力するので、新たに伝送すべきデータは輻輳を回避してスムースに伝送されることが可能となるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳が発生した場合に、該データの伝送の負荷分散を行う際に、新たに伝送すべきデータを運用系のデータ送受信手段および待機系のデータ送受信手段の双方へ交互に入力するので、効率的な負荷分散が可能となるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、負荷分散中であっても、通常の運用系および待機系の冗長構成の作動を優先するので、負荷分散機能を有しつつも冗長構成の本来の目的を達成できるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、負荷分散中であれば、通常の運用系および待機系の冗長構成の作動よりも負荷分散を優先し、データ輻輳の解消を優先するので、データ輻輳がより早く解消されうるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照し、本発明のデータ伝送装置およびデータ伝送方法に係る実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、本発明のデータ伝送装置を、携帯電話の基地局装置(BTS(Base Transceiver Station))に適用した場合を示すこととするが、基地局装置に代表される無線通信の中継装置に限定されず、ルータなどに代表される有線通信(光通信や電気通信)の中継装置にも適用可能である。
【実施例】
【0023】
先ず、実施例にかかる基地局装置の構成について説明する。図1は、実施例にかかる基地局装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、基地局装置100は、監視制御部101と、送受信部102と、無線側スイッチ部103と、RNC(無線ネットワーク制御装置(Radio Network Controller equipment))側スイッチ部104と、アンテナ部105とを有する。
【0024】
監視制御部101は、基地局装置100全体の監視制御を行う機能部である。監視制御部101は、装置監視制御部101aと、負荷分散制御機能部101bと、送受信チャネル設定情報記憶部101cと、送受信部運用状態情報記憶部101dとをさらに有する。
【0025】
装置監視制御部101aは、制御端末装置300の入力手段からの制御指示に基づいて、基地局装置100ごとに運用状況、運用設定を管理する。装置監視制御部101aによって管理される運用状況は、送受信部運用状態情報記憶部101dに記憶される。また、装置監視制御部101aによって管理される運用設定は、送受信チャネル設定情報記憶部101cに記憶される。
【0026】
制御端末装置300の入力手段から入力される制御指示には、運用系の送受信部102にキューイングされる処理データが輻輳状態と判断されるデータキューの使用率の閾値などが含まれる。装置監視制御部101aは、ある運用系の送受信部102に故障または輻輳が発生した場合、故障または輻輳が発生した運用系の送受信部の運用設定を、待機系の送受信部102へ引継ぎ、送受信部102を切り換えて、基地局装置100の正常運用を継続させる。
【0027】
また、装置監視制御部101aは、負荷分散制御機能部101bによる負荷分散制御状況やデータキューの使用率などの情報、待機系の送受信部102への運用の引継ぎ状況に関する情報などを制御端末装置300の表示手段へ表示させる。
【0028】
負荷分散制御機能部101bは、装置監視制御部101aの指示に基づいて、無線側スイッチ部103およびRNC側スイッチ部104のスイッチを切り換え、故障または輻輳が発生した運用系の送受信部102の処理を待機系の送受信部102へ引継ぎ、基地局装置100の正常運用を継続させる。
【0029】
送受信部102は、運用系の送受信部として運用系送受信部A102a、運用系送受信部B102b、運用系送受信部C102cおよび運用系送受信部D102dの4つの送受信部を、待機系の送受信部として待機系送受信部102eを有する。すなわち、実施例の基地局装置100は、通常使用する送受信部として4つの運用系の送受信部102と、故障または輻輳の発生時に使用する送受信部として1つの待機系の送受信部102を有している。しかし、これに限定されず、運用系および待機系ともに少なくとも一つの送受信部を含むように構成されていれば、運用系および待機系は、いずれの数の送受信部を含むこととしてもよい。
【0030】
送受信部102は、対向するデータ送信装置およびデータ受信装置、すなわち、無線ネットワーク制御装置200および携帯端末装置や、監視制御部101からの制御情報に従い、対向するデータ送信装置から送信データ信号を受信し、該送信データ信号の変換などを行い、対向するデータ受信装置へ送信する。
【0031】
無線側スイッチ部103は、アンテナ105aと、運用系送受信部A102aおよび/または待機系送受信部102eとを接続する無線側スイッチ部A103a、アンテナ105bと、運用系送受信部B102bおよび/または待機系送受信部102eとを接続する無線側スイッチ部B103b、アンテナ105cと、運用系送受信部C102cおよび/または待機系送受信部102eとを接続する無線側スイッチ部C103c、アンテナ105dと、運用系送受信部D102dおよび/または待機系送受信部102eとを接続する無線側スイッチ部D103dを有する。
【0032】
また、RNC側スイッチ部104は、無線ネットワーク制御装置200と、運用系送受信部A102aおよび/または待機系送受信部102eとを接続するRNC側スイッチ部A104a、無線ネットワーク制御装置200と、運用系送受信部B102bおよび/または待機系送受信部102eとを接続するRNC側スイッチ部B104b、無線ネットワーク制御装置200と、運用系送受信部C102cおよび/または待機系送受信部102eとを接続するRNC側スイッチ部C104c、無線ネットワーク制御装置200と、運用系送受信部D102dおよび/または待機系送受信部102eとを接続するRNC側スイッチD104dを有する。
【0033】
なお、無線ネットワーク制御装置200は、1台の装置として図示しているが、これに限定されず、RNC側スイッチ部104ごとに異なる無線ネットワーク制御装置200が接続されることとしてもよい。
【0034】
上記の構成によって、無線ネットワーク制御装置200と、ある携帯端末装置との間で、RNC側スイッチ部A104a、運用系送受信部A102aまたは待機系送受信部102e、無線側スイッチ部A103aおよびアンテナ105aを介してデータの送受信が行われる。また、無線ネットワーク制御装置200と、ある携帯端末装置との間で、RNC側スイッチ部B104b、運用系送受信部B102bまたは待機系送受信部102e、無線側スイッチ部B103bおよびアンテナ105bを介してデータの送受信が行われる。
【0035】
また、無線ネットワーク制御装置200と、ある携帯端末装置との間で、RNC側スイッチ部C104c、運用系送受信部C102cまたは待機系送受信部102e、無線側スイッチ部C103cおよびアンテナ105cを介してデータの送受信が行われる。また、無線ネットワーク制御装置200と、ある携帯端末装置との間で、RNC側スイッチ部D104d、運用系送受信部D102dまたは待機系送受信部102e、無線側スイッチ部D103dおよびアンテナ105dを介してデータの送受信が行われる。
【0036】
そして、運用系送受信部A102a、運用系送受信部B102b、運用系送受信部C102cまたは運用系送受信部D102dのいずれかにおいて処理データの輻輳が発生した場合に、処理データの輻輳が発生した当該運用系送受信部102と待機系送受信部102eとを並列に機能させるよう制御し、当該運用系送受信部102と待機系送受信部102eとによって処理データのデータ送受信の負荷分散を図ることを可能とした。
【0037】
なお、無線側スイッチ部A103aとRNC側スイッチ部A104a、無線側スイッチ部B103bとRNC側スイッチ部B104b、無線側スイッチ部C103cとRNC側スイッチ部C104c、無線側スイッチ部D103dとRNC側スイッチ部D104dは、負荷分散制御機能部101bの制御の下に、送受信部として運用系のみ、または運用系および待機系の双方を選択するようにそれぞれが同期して制御される。
【0038】
ここで、1つの無線側スイッチ部103およびRNC側スイッチ部104の組み合わせによって待機系送受信部102eが選択されているときには、待機系送受信部102eは、他の無線側スイッチ部103およびRNC側スイッチ部104の組み合わせによって同時に選択されることはない。しかし、これに限定されず、待機系送受信部102eは、無線側スイッチ部103およびRNC側スイッチ部104の複数の組み合わせによって選択されることとしてもよい。また、無線側スイッチ部103およびRNC側スイッチ部104のある組み合わせの代替を行っていると同時に、無線側スイッチ部103およびRNC側スイッチ部104の他の組み合わせにおける輻輳の負荷分散を行うことが可能であるように制御されてもよい。
【0039】
次に、図1に示した基地局装置100の送受信部102(運用系送受信部102a〜102d、待機系送受信部102e)の構成について説明する。図2は、図1に示した基地局装置100の送受信部102の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、送受信部102は、負荷監視機能部102−1と、チャネル制御部102−2と、データ処理部102−3とを有する。
【0040】
負荷監視機能部102−1は、チャネル制御部102−2の輻輳状態監視を行う。また、監視制御部101の負荷分散制御機能部101bと連携して、故障切り換えなどの通常の冗長制御を行う通常運用モードと、輻輳時の負荷分散制御を行う負荷分散モードへの状態遷移を制御する。さらに、負荷監視機能部102−1は、負荷分散モード時に、チャネル設定情報などの制御情報を待機系送受信部102eへも受け渡し、運用系および待機系の双方によりデータ信号送受信処理を行うことを可能とする。制御情報の運用系および待機系へのラウンドロビン方式を採用する。なお、負荷分散モード時に、チャネル設定情報などの制御情報を待機系送受信部102eへのみ受け渡すこととする場合は、待機系のみよりデータ信号送受信処理を行うことを可能とするため、制御情報を待機系へのみ受け渡す制御を行う。
【0041】
チャネル制御部102−2は、送受信データのチャネル設定情報、ユーザの識別情報などの制御情報(制御メッセージ)に基づいて通信チャネルの設定・維持を行い、また、データ処理部102−3が備える処理待ちデータのキューへキューイングされているデータのキューイング状況を監視する。
【0042】
データ処理部102−3は、処理データのキューを含み、さらに、ベースバンド信号のデータフォーマットを変換する入出力データ変換部102−3aと、ベースバンド信号の多重分離を行う多重分離部102−3bと、ベースバンド信号の変調・復調処理部102−3cとを備える。
【0043】
RNC側スイッチ部104から入力されたベースバンド信号は、データ処理部102−3のキューにおける処理待ちを経て、入出力データ変換部102−3a、多重分離部102−3bおよび変調・復調処理部102−3cによる信号処理を経て、無線側スイッチ部103へ受け渡される。また、無線側スイッチ部103から入力されたベースバンド信号は、データ処理部102−3のキューにおける処理待ちを経て、入出力データ変換部102−3a、多重分離部102−3bおよび変調・復調処理部102−3cによる信号処理を経て、RNC側スイッチ部104へ受け渡される。
【0044】
次に、図1に示したスイッチ部(無線側スイッチ部103およびRNC側スイッチ部104)の状態について説明する。図3−1は、通常時のスイッチ部の状態を示す図であり、図3−2は、負荷分散時のスイッチ部の状態を示す図である。
【0045】
図3−1に示すように、通常運用時においては、アンテナ部105または無線ネットワーク制御装置200側の接点と、運用系送受信部の接点との間のみがオンとなっており、全てのデータは、運用系送受信部を介して送受信されることとなる。
【0046】
一方、図3−2に示すように、負荷分散時においては、アンテナ部105または無線ネットワーク制御装置200側の接点と、運用系送受信部の接点および待機系送受信部の接点の双方がオンとなっており、運用系送受信部において輻輳が発生してから以降にスイッチ部に到着したデータは、待機系送受信部を介して迂回して送受信されることとなる。このように、データ輻輳発生時に、運用系送受信部および待機系送受信部の双方を利用してデータ送受信を行うこととすると、負荷分散を図り、輻輳の早期解消を図り、輻輳によるデータ損失・再送の発生を抑止することができる。
【0047】
次に、図1に示した基地局装置100において行われる通常から負荷分散への移行処理について説明する。図4は、図1に示した基地局装置100において行われる通常から負荷分散への移行処理を示すシーケンス図である。同図に示す処理の前提として、基地局装置100は、通常モードで運用中であるとする。また、一例として、運用系送受信部A102aにおいて輻輳が発生した場合を示すこととする。
【0048】
先ず、監視制御部101は、制御メッセージを運用系送受信部A102aへ送信する(ステップS101)。この制御メッセージを受信した運用系送受信部A102aは、負荷状態判定処理を行う(ステップS102)。ここで、負荷分散が必要な状況であると判定されたので、次のステップS103の応答メッセージの送信に続いて、ステップS104において、運用系送受信部A102aは、負荷分散開始要求のメッセージを、監視制御部101へ送信する。なお、ステップS102で、運用系送受信部A102aによって、負荷分散が必要な状況であると判定されなかった場合は、ステップS103以降の処理は行われず、通常から負荷分散への移行処理は終了する。
【0049】
なお、ステップS102の負荷状態の判定は、制御メッセージのキューイング数が閾値に達したか否かを基準として行われる。しかし、これに限定されず、CPU(Central Processing Unit)の使用率が、一定時間以上連続して一定値以上となったか否か、制御メッセージが到着してから該制御メッセージが処理されるまでにかかった時間を処理遅延時間として、この処理遅延時間が一定値以上となったか否かを基準としてもよい。
【0050】
続いて、負荷分散開始要求を受信した監視制御部101は、運用状態判定を行う(ステップS105)。ここで、現在のモードを判定し、現在のモードが通常モードであるので、負荷分散モードへの移行が可能であると判定される。続いて、監視制御部101は、運用系送受信部A102aに対して、負荷分散開始要求に対する応答を送信する(ステップS106)。
【0051】
続いて、監視制御部101は、運用系送受信部A102aに対して、負荷分散モードへの移行を通知する(ステップS107)。続いて、監視制御部101は、待機系送受信部102eに対して、負荷分散モードへの移行を通知する(ステップS108)。
【0052】
ステップS107で負荷分散モードへの移行通知を受信した運用系送受信部A102aは、監視制御部101に対して、負荷分散モード移行応答を通知する(ステップS109)。また、ステップS108で負荷分散モード移行通知を受信した待機系送受信部102eは、監視制御部101に対して、負荷分散モード移行応答を通知する(ステップS110)。
【0053】
続いて、ステップS109およびステップS110よって、運用系送受信部A102aおよび待機系送受信部102eから負荷分散モード移行応答を通知された監視制御部101は、スイッチ制御を行う(ステップS111)。すなわち、RNC側スイッチ部A104aおよび無線側スイッチ部A103aのスイッチを制御して、運用系送受信部A102aおよび待機系送受信部102eを同時に機能させる。このようにして、以降は、負荷分散モードへと移行する。
【0054】
次に、図1に示した基地局装置100において行われる負荷分散から通常への移行処理について説明する。図5は、図1に示した基地局装置100において行われる負荷分散から通常への移行処理を示すシーケンス図である。同図に示す処理の前提として、基地局装置100は、負荷分散モードで運用中であるとする。また、一例として、運用系送受信部A102aが負荷分散の対象である場合を示すこととする。
【0055】
先ず、監視制御部101は、制御メッセージを運用系送受信部A102aへ送信する(ステップS121)。この制御メッセージを受信した運用系送受信部A102aは、負荷状態判定処理を行う(ステップS122)。ここで、負荷分散が不要な状況であると判定されたので、次のステップS123の応答メッセージの送信に続いて、ステップS124において、運用系送受信部A102aは、負荷分散終了要求のメッセージを、監視制御部101へ送信する。なお、ステップS122で、運用系送受信部A102aによって、負荷分散が不要な状況であると判定されなかった場合は、ステップS123以降の処理は行われず、負荷分散から通常への移行処理は終了する。なお、ステップS122の負荷状態の判定は、ステップS102と同様の基準に基づいて行われる。
【0056】
続いて、負荷分散終了要求を受信した監視制御部101は、運用系送受信部A102aに対して、負荷分散終了に対する応答を送信する(ステップS125)。続いて、監視制御部101は、運用系送受信部A102aに対して、負荷分散モード終了を通知する(ステップS126)。続いて、監視制御部101は、待機系送受信部102eに対して、負荷分散モード終了を通知する(ステップS127)。
【0057】
続いて、ステップS127で、監視制御部101から負荷分散モード終了通知を受信した待機系送受信部102eは、運用系送受信部A102aに対して、チャネル情報の引継ぎ情報を送信する(ステップS128)。チャネルの引継ぎ情報を受信した運用系送受信部A102aは、引継ぎチャネル情報を設定する(ステップS129)。そして、運用系送受信部A102aは、待機系送受信部102eに対して、引継ぎチャネル情報設定完了通知を送信する(ステップS130)。
【0058】
続いて、運用系送受信部A102aは、監視制御部101に対して、負荷分散モード終了応答を送信する(ステップS131)。そして、待機系送受信部102eも、監視制御部101に対して、負荷分散モード終了応答を送信する(ステップS132)。
【0059】
続いて、ステップS131およびステップS132よって、運用系送受信部A102aおよび待機系送受信部102eから負荷分散モード終了応答を通知された監視制御部101は、スイッチ制御を行う(ステップS133)。すなわち、RNC側スイッチ部A104aおよび無線側スイッチ部A103aのスイッチを制御して、待機系送受信部102eの機能を停止させ、運用系送受信部A102aのみを機能させる。このようにして、以降は、通常モードへと移行する。
【0060】
次に、図1に示した基地局装置100において行われる故障切り換え処理について説明する。図6は、図1に示した基地局装置100において行われる故障切り換え処理を示すシーケンス図である。同図に示す処理の前提として、基地局装置100は、運用系送受信部A102aの負荷分散モードで運用中であるとする。また、この場合に、一例として、運用系送受信部B102bが故障切り換えの対象である場合を示すこととする。
【0061】
先ず、運用系送受信部B102bにおいて故障が発生したことが検知され、監視制御部101に対して、該故障が通知される(ステップS141)。運用系送受信部B102bから故障通知を受信した監視制御部101は、運用系送受信部B102bの故障を検出し(ステップS142)、運用状態判定を行う(ステップS143)。ここで、現在のモードを判定し、現在のモードが負荷分散モードであるので、通常モードへの移行が可能であると判定される。
【0062】
続いて、監視制御部101は、運用系送受信部A102aに対して、負荷分散モード終了を通知する(ステップS144)。続いて、監視制御部101は、待機系送受信部102eに対して、負荷分散モード終了を通知する(ステップS145)。
【0063】
続いて、ステップS144で、監視制御部101から負荷分散モード終了通知を受信した待機系送受信部102eは、運用系送受信部A102aに対して、チャネル情報の引継ぎ情報を送信する(ステップS146)。チャネルの引継ぎ情報を受信した運用系送受信部A102aは、引継ぎチャネル情報を設定する(ステップS147)。そして、運用系送受信部A102aは、待機系送受信部102eに対して、引継ぎチャネル情報設定完了通知を送信する(ステップS148)。
【0064】
続いて、運用系送受信部A102aは、監視制御部101に対して、負荷分散モード終了応答を送信する(ステップS149)。そして、待機系送受信部102eも、監視制御部101に対して、負荷分散モード終了応答を送信する(ステップS150)。
【0065】
続いて、ステップS149およびステップS150よって、運用系送受信部A102aおよび待機系送受信部102eから負荷分散モード終了応答を通知された監視制御部101は、スイッチ制御を行う(ステップS151)。すなわち、RNC側スイッチ部A104aおよび無線側スイッチ部A103aのスイッチを制御して、待機系送受信部102eの機能を停止させ、運用系送受信部A102aのみを機能させる。
【0066】
続いて、監視制御部101は、運用系送受信部B102bの設定情報を、待機系送受信部102eに対して送信する(ステップS152)。運用系送受信部B102bの設定情報を受信した待機系送受信部102eは、運用系送受信部B102bの設定情報を設定する(ステップS153)。そして、待機系送受信部102eは、監視制御部101に対して、運用系送受信部B102bの設定情報の設定完了を通知する(ステップS154)。このようにして、以降は、運用系送受信部B102bの故障切り換えである通常モードへと移行する。
【0067】
以上記した故障切り換え処理によれば、負荷分散処理よりも故障切り換え処理を優先して行うので、基地局装置100の送受信部102が冗長構成を取った本来の目的を達成しつつ、データ送受信処理の輻輳発生時には負荷分散を行うことが可能となる。
【0068】
次に、図1に示した基地局装置100において行われる故障切り換え処理の他の実施例について説明する。図7は、図1に示した基地局装置100において行われる故障切り換え処理の他の実施例を示すシーケンス図である。同図に示す処理の前提として、基地局装置100は、運用系送受信部A102aの負荷分散モードで運用中であるとする。また、この場合に、一例として、運用系送受信部B102bが故障切り換えの対象である場合を示すこととする。
【0069】
先ず、運用系送受信部B102bにおいて故障が発生したことが検知され、監視制御部101に対して、該故障が通知される(ステップS161)。運用系送受信部B102bから故障通知を受信した監視制御部101は、運用系送受信部B102bの故障を検出し(ステップS162)、運用状態判定を行う(ステップS163)。ここで、現在のモードを判定し、現在のモードが負荷分散モードであるので、負荷分散モードを継続すると判定される。
【0070】
そして、図5に示した、負荷分散から通常への移行処理の実行によって、負荷分散モードが終了する。その後、通常モードへと移行する。そして、監視制御部101は、再び運用状態判定を行う(ステップS164)。ここで、現在のモードを判定し、現在のモードが通常モードであると判定される。
【0071】
続いて、監視制御部101は、スイッチ制御を行う(ステップS165)。すなわち、RNC側スイッチ部B104bおよび無線側スイッチ部B103bのスイッチを制御して、運用系送受信部A102aとともに待機系送受信部102eを機能させる。
【0072】
続いて、監視制御部101は、運用系送受信部B102bの設定情報を、待機系送受信部102eに対して送信する(ステップS166)。運用系送受信部B102bの設定情報を受信した待機系送受信部102eは、運用系送受信部B102bの設定情報を設定する(ステップS167)。そして、待機系送受信部102eは、監視制御部101に対して、運用系送受信部B102bの設定情報の設定完了を通知する(ステップS168)。このようにして、以降は、運用系送受信部B102bの故障切り換えである通常モードへと移行する。
【0073】
以上記した故障切り換え処理の他の実施例によれば、故障切り換え処理よりも負荷分散処理を優先して行うので、基地局装置100の送受信部102において発生したデータ送受信処理の輻輳時には、迅速に輻輳を解消させることが可能となる。
【0074】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施例で実施されてもよいものである。また、実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
【0075】
具体的には、本発明は、図8に示すような送受信部の冗長構成を持つ一般的なデータ伝送装置へも適用可能である。すなわち、図1に示した基地局装置100の一方のデータ送受信装置である無線ネットワーク制御装置200をデータ送受信装置600aとし、他方のデータ送受信装置である携帯端末装置をデータ送受信装置600bとした場合に、スイッチ部1−A503aが、データ送受信装置600aと、運用系送受信部A102aおよび/または待機系送受信部102eとの接続を仲介し、スイッチ部1−B503bが、データ送受信装置600aと、運用系送受信部B102bおよび/または待機系送受信部102eとの接続を仲介し、スイッチ部1−C503cが、データ送受信装置600aと、運用系送受信部C102cおよび/または待機系送受信部102eとの接続を仲介し、スイッチ部1−D503dが、データ送受信装置600aと、運用系送受信部D102dおよび/または待機系送受信部102eとの接続を仲介する。
【0076】
また、同様に、スイッチ部2−A504aが、データ送受信装置600bと、運用系送受信部A102aおよび/または待機系送受信部102eとの接続を仲介し、スイッチ部2−B504bが、データ送受信装置600bと、運用系送受信部B102bおよび/または待機系送受信部102eとの接続を仲介し、スイッチ部2−C504cが、データ送受信装置600bと、運用系送受信部C102cおよび/または待機系送受信部102eとの接続を仲介し、スイッチ部2−D504dが、データ送受信装置600bと、運用系送受信部D102dおよび/または待機系送受信部102eとの接続を仲介する。
【0077】
このように、本発明は、有線ネットワークにおいてデータを送受信するデータ送受信装置600aおよびデータ送受信装置600bが対向する場合であっても、データ送受信処理の輻輳が発生した場合には、待機系送受信部102eを運用系送受信部102と並行して機能させて、輻輳の早期解消を図ることを可能とする。
【0078】
上記実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記実施例で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0079】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0080】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)(またはMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などのマイクロ・コンピュータ)および当該CPU(またはMPU、MCUなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されてもよい。
【0081】
(付記1)装置間の送受信データを、運用系のデータ送受信手段へ入力して伝送し、該運用系のデータ送受信手段に障害が発生した場合に、該運用系のデータ送受信手段から待機系のデータ送受信手段へ切り換えて入力して該送受信データを伝送するデータ伝送装置であって、
前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳を監視するデータ輻輳監視手段と、
前記データ輻輳監視手段によって前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳が検出された場合に、前記運用系のデータ送受信手段とともに前記待機系のデータ送受信手段を前記送受信データの伝送に使用可能として該伝送の負荷分散を行う負荷分散手段と
を備えたことを特徴とするデータ伝送装置。
【0082】
(付記2)前記データ輻輳監視手段は、前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの待ち行列の長さが所定閾値を超えた場合に輻輳が検出されたとすることを特徴とする付記1に記載のデータ伝送装置。
【0083】
(付記3)前記データ輻輳監視手段によって輻輳が検出され、前記負荷分散手段によって前記待機系のデータ送受信手段が使用可能とされると、新たに伝送すべきデータのうち新たな制御情報を有するデータを該待機系のデータ送受信手段へ入力し、該待機系のデータ送受信手段へ入力したデータ以外のデータは、該運用系のデータ送受信手段へ入力することを特徴とする付記1または2に記載のデータ伝送装置。
【0084】
(付記4)前記データ輻輳監視手段によって輻輳が検出され、前記負荷分散手段によって前記待機系のデータ送受信手段が使用可能とされると、新たに伝送すべきデータを該待機系のデータ送受信手段へ入力することを特徴とする付記1または2に記載のデータ伝送装置。
【0085】
(付記5)前記データ輻輳監視手段によって輻輳が検出され、前記負荷分散手段によって前記待機系のデータ送受信手段が使用可能とされると、新たに伝送すべきデータを該運用系のデータ送受信手段および該待機系のデータ送受信手段の双方に交互に入力することを特徴とする付記1または2に記載のデータ伝送装置。
【0086】
(付記6)前記負荷分散手段による前記負荷分散の実行中に前記運用系のデータ送受信手段の障害が発生した場合に、直ちに前記負荷分散手段による前記負荷分散を終了し、該運用系のデータ送受信手段から前記待機系のデータ送受信手段へ切り換えて該データを伝送することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載のデータ伝送装置。
【0087】
(付記7)前記負荷分散手段による前記負荷分散の実行中に前記運用系のデータ送受信手段の障害が発生した場合に、前記データ輻輳監視手段による前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳の検出の終了後に、該運用系のデータ送受信手段から前記待機系のデータ送受信手段へ切り換えて該データを伝送することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載のデータ伝送装置。
【0088】
(付記8)装置間の送受信データを、運用系のデータ送受信工程へ入力して伝送し、該運用系のデータ送受信工程に障害が発生した場合に、該運用系のデータ送受信工程から待機系のデータ送受信工程へ切り換えて入力して該送受信データを伝送するデータ伝送方法であって、
前記運用系のデータ送受信工程へ入力されるデータの輻輳を監視するデータ輻輳監視工程と、
前記データ輻輳監視工程によって前記運用系のデータ送受信工程へ入力されるデータの輻輳が検出された場合に、前記運用系のデータ送受信工程とともに前記待機系のデータ送受信工程を前記送受信データの伝送に使用可能として該伝送の負荷分散を行う負荷分散工程と
を含んだことを特徴とするデータ伝送方法。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、運用系のデータ伝送装置と待機系のデータ伝送装置とを有するデータ伝送処理システムにおいて、待機系のデータ伝送装置を、運用系のデータ伝送装置の代替装置としての位置付けを超えて効率的、有効的に活用したい場合に有用であり、特に、運用系のデータ伝送装置において、処理データの輻輳が発生した場合に、待機系のデータ伝送装置を利用して、データ処理の負荷分散を行いたい場合に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施例にかかる基地局装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】基地局装置の送受信部の構成を示す機能ブロック図である。
【図3−1】通常時のスイッチ部の状態を示す図である。
【図3−2】負荷分散時のスイッチ部の状態を示す図である。
【図4】通常から負荷分散への移行処理を示すシーケンス図である。
【図5】負荷分散から通常への移行処理を示すシーケンス図である。
【図6】故障切り換え処理を示すシーケンス図である。
【図7】故障切り換え処理のその他の実施例を示すシーケンス図である。
【図8】本発明にかかる一般的なデータ伝送装置の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0091】
100 基地局装置
101 監視制御部
101a 装置監視制御部
101b 負荷分散制御機能部
101c 送受信チャネル設定情報記憶部
101d 送受信部運用状態情報記憶部
102 送受信部
102a 運用系送受信部A
102b 運用系送受信部B
102c 運用系送受信部C
102d 運用系送受信部D
102e 待機系送受信部
102−1 負荷監視機能部
102−2 チャネル制御部
102−3 データ処理部
102−3a 入出力データ変換部
102−3b 多重分離部
102−3c 変調・復調処理部
103 無線側スイッチ部
103a 無線側スイッチ部A
103b 無線側スイッチ部B
103c 無線側スイッチ部C
103d 無線側スイッチ部D
104 RNC側スイッチ部
104a RNC側スイッチ部A
104b RNC側スイッチ部B
104c RNC側スイッチ部C
104d RNC側スイッチ部D
105 アンテナ部
105a、105b、105c、105d アンテナ
200 無線ネットワーク制御装置
300 制御端末装置
600a、600b データ送受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置間の送受信データを、運用系のデータ送受信手段へ入力して伝送し、該運用系のデータ送受信手段に障害が発生した場合に、該運用系のデータ送受信手段から待機系のデータ送受信手段へ切り換えて入力して該送受信データを伝送するデータ伝送装置であって、
前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳を監視するデータ輻輳監視手段と、
前記データ輻輳監視手段によって前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの輻輳が検出された場合に、前記運用系のデータ送受信手段とともに前記待機系のデータ送受信手段を前記送受信データの伝送に使用可能として該伝送の負荷分散を行う負荷分散手段と
を備えたことを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項2】
前記データ輻輳監視手段は、前記運用系のデータ送受信手段へ入力されるデータの待ち行列の長さが所定閾値を超えた場合に輻輳が検出されたとすることを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
【請求項3】
前記データ輻輳監視手段によって輻輳が検出され、前記負荷分散手段によって前記待機系のデータ送受信手段が使用可能とされると、新たに伝送すべきデータのうち新たな制御情報を有するデータを該待機系のデータ送受信手段へ入力し、該待機系のデータ送受信手段へ入力したデータ以外のデータは、該運用系のデータ送受信手段へ入力することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ伝送装置。
【請求項4】
前記負荷分散手段による前記負荷分散の実行中に前記運用系のデータ送受信手段の障害が発生した場合に、直ちに前記負荷分散手段による前記負荷分散を終了し、該運用系のデータ送受信手段から前記待機系のデータ送受信手段へ切り換えて該データを伝送することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のデータ伝送装置。
【請求項5】
装置間の送受信データを、運用系のデータ送受信工程へ入力して伝送し、該運用系のデータ送受信工程に障害が発生した場合に、該運用系のデータ送受信工程から待機系のデータ送受信工程へ切り換えて入力して該送受信データを伝送するデータ伝送方法であって、
前記運用系のデータ送受信工程へ入力されるデータの輻輳を監視するデータ輻輳監視工程と、
前記データ輻輳監視工程によって前記運用系のデータ送受信工程へ入力されるデータの輻輳が検出された場合に、前記運用系のデータ送受信工程とともに前記待機系のデータ送受信工程を前記送受信データの伝送に使用可能として該伝送の負荷分散を行う負荷分散工程と
を含んだことを特徴とするデータ伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−147835(P2008−147835A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−330498(P2006−330498)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】