説明

データ通信装置及びその制御方法、並びにプログラム及び記憶媒体

【課題】通信機能のライセンスが有効でない場合でも適切に通信機能を利用可能とするデータ通信装置及びその制御方法、並びにプログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】印刷装置は、通信機能のライセンスが有効である場合に送信機能と受信機能の両方の使用が許可される。このライセンスが有効でない場合、送信機能は使用禁止とし、受信機能によるデータの受信は許可する。受信機能で受信したデータを、ユーザの指示により他の装置に送信することは禁止する。このデータはプリントアウト、削除、ネットワークを介してWebブラウザによる縮小画像の閲覧のみ許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライセンスが有効である場合に特定機能の使用を許可するデータ通信装置及びその制御方法、並びにプログラム及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ソフトウェアや装置の特定の機能をライセンスの付与により使用可能にすることが知られている(例えば、特許文献1)。また、ファクシミリや電子メール等による通信機能を備えたMFP(MultiFunction Peripheral)が知られている。そして、送信機能を一定回数(例えば100回)まではライセンスを購入しなくても使用可能とする「試用送信機能」を実装することで、送信機能の販売促進活動も行われている。
【0003】
ところで、上記のような送信機能を利用して文書等を送信した場合、その宛先からの返信が返ってくることは当然に考えられる。
【特許文献1】特開2005−135294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、送信機能のライセンスが有効となっていない場合にその返信があったとしても受信を拒否してしまったり、受信を許可したとしても受信したデータの扱いを禁止してしまっては当該返信を行った側との間でトラブルを招くおそれが生ずる。即ち、返信を行った側では、送ろうとした文書を送れなかったり、送った文書が届いているにも関わらず、その内容を確認できないといった事態を招くおそれがあった。一方、ライセンスが有効となっていないのに受信機能を制限なく使用できるようにしてしまうとライセンス管理側での利益を損なうなどの不都合が生じてしまう。
【0005】
本発明の目的は、通信機能のライセンスが有効でない場合でも適切に通信機能を利用可能とするデータ通信装置及びその制御方法、並びにプログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載のデータ通信装置は、ライセンスが有効である場合に送信機能及び受信機能の両方の使用を許可するデータ通信装置であって、前記ライセンスが有効であるか否か判断する判断手段と、前記判断手段により前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記送信機能に関する処理を禁止するとともに、前記受信機能に関する処理は禁止せずに当該受信機能で受信するデータに対する処理を制限する制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通信機能のライセンスが有効でない場合でも適切に通信機能を利用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷装置のブロック図である。
【0010】
本実施の形態の印刷装置は、ネットワークに接続され、他の機器とデータを送受信可能なデータ通信装置である。送信ライセンスが有効となっている場合に、ネットワークに接続される他の機器に対して、記憶媒体(システムボックス)に保存されている文書及び画像を含むデータを送信する送信機能の使用が許可される。なお、以下では画像の印刷機能を持った印刷装置を例に説明するが、本実施形態に係るデータ通信装置は、ライセンス管理されたデータ通信機能を有していれば十分であり、印刷機能を必須とするものではない。
【0011】
図1において、印刷装置(画像入出力装置)100は、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)101にてホストコンピュータ102、103に接続されている。LAN以外のネットワークを介して接続するようにしてもよい。
【0012】
印刷装置100は、原稿上の画像を読み取り、画像を表す画像データを生成するリーダ部110と、画像データに基づく画像の印刷を行うプリンタ部111と、オペレータによる操作を受け付けたり、画像データや各種機能の表示等を行う液晶パネルを備えた操作部112を有する。
【0013】
また、印刷装置100は、制御プログラムや画像データ等が書き込まれたハードディスクドライブ(HDD)113を備える。HDD113は、各種機能のライセンスが有効か否かを示すライセンス管理ファイルも保持する。また、印刷装置100は、各構成要素に接続されて各構成要素を制御するコントローラ部114を備える。
【0014】
リーダ部110は、シート状の原稿を搬送する原稿給紙ユニット115と、原稿上の画像を光学的に読み取って電気信号としての画像データに変換するスキャナユニット116とを有する。リーダ部110で原稿上の画像を読み取って得た画像データはプリンタ部111に出力して印刷を行ったり、LAN101を介して、あるいは電話回線を介して他の装置に送信することが可能である。LAN101を介した送信は、電子メールプロトコルによる送信、FTPによる送信などである。電話回線を介した送信はファクシミリプロトコルによる送信である。
【0015】
プリンタ部111は、記録用紙を収容する複数段の給紙カセットを備えた給紙ユニット117と、画像データに基づき現像剤を記録用紙に転写、定着するマーキングユニット118とを有する。更に、プリンタ部111は、画像が印字された記録用紙にソート処理やステイプル処理を施して、外部に排出する排紙ユニット119を有する。プリンタ部111はリーダ部110からの画像データ、LAN101を介して、あるいは電話回線を介して受信した画像データに基づく画像を印刷可能である。LAN101を介した受信は、LAN101上のホストコンピュータにインストールされているプリンタドライバからの印刷データの受信、電子メールプロトコルによる電子メールの受信などである。電話回線を介した受信は、ファクシミリプロトコルによる受信である。
【0016】
なお、LAN101を介して画像データを、電子メールプロトコル、FTPで通信する機能をネットワーク通信機能と呼ぶことにする。そして、電話回線を介してファクシミリプロトコルによって画像データの通信を行う機能をファクシミリ通信機能と呼ぶことにする。印刷装置100はこれら、ネットワーク通信機能、ファクシミリ通信機能の使用の許可を、ライセンスが有効であるか否かに応じて管理する。ライセンスは、ネットワーク通信機能とファクシミリ通信機能とで区別して管理してもよいし、一括して管理してもよい。一括して管理する場合は、ライセンスが有効でない場合、ネットワーク通信機能とファクシミリ通信機能の両方の機能の使用が制限される。
【0017】
図2は、図1の印刷装置100の内部構成を示す図である。
【0018】
リーダ部110では、原稿給紙ユニット115に積載されたシート状の原稿がその積載順に従って、先頭から順次1枚ずつプラテンガラス15上に給送される。
【0019】
スキャナユニット116で、所定の読取動作が終了した後、読み取られた原稿はプラテンガラス15上から原稿給紙ユニット115に排出される。また、スキャナユニット116では、原稿がプラテンガラス15上に搬送されてくるとランプ16が点灯し、次いで光学ユニット17の移動を開始させ、読み取り位置で固定する。光学ユニット17は搬送される原稿を下方から照射し、走査する。そして、原稿からの反射光は、複数のミラー18〜20、及びレンズ21を介してCCDイメージセンサ(以下、単に「CCD」と記す)22へと導かれ、走査された原稿上の画像はCCD22によって読み取られる。そして、CCD22で読み取られた画像データは、所定の処理が施された後、コントローラ部114(図2では図示省略)に転送される。
【0020】
また、原稿給紙ユニット115を用いない場合には、オペレータによりプラテンガラス15上に載置された原稿を、操作部112からの読取指示に応じて同様にランプ16を点灯し、次いで光学ユニット17の移動を開始させ、原稿を下方から照射し、走査することで、走査された原稿上の画像をCCD22によって読み取ることが可能である。
【0021】
次いで、プリンタ部111では、コントローラ部110から出力された画像データに対応するレーザ光が、レーザドライバにより駆動されるレーザ発光部24から発光される。マーキングユニット118の感光ドラム25にはレーザ光に応じた静電潜像が形成され、現像器26により静電潜像の部分に現像剤が付着する。
【0022】
一方、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、給紙ユニット117(117a、117b)から記録用紙が給紙されて、転写部27に搬送され、感光ドラム25に付着している現像剤が記録用紙に転写される。画像データに基づき現像剤が転写された記録用紙は定着部28に搬送され、定着部28における加熱・加圧処理により画像データに基づく現像剤が記録用紙に定着され、画像の印刷が行われる。
【0023】
そして、画像データに基づく画像を記録用紙の片面に印刷する場合は、定着部28を通過して片面にのみ画像が印刷された記録用紙が排出ローラ29によってそのまま排紙ユニット119に排出される。
【0024】
排紙ユニット119は、排出された記録用紙を束ねて記録用紙の仕分けを行い、また、仕分けされた記録用紙のステイプル処理を行う。
【0025】
また、画像データに基づく画像を記録用紙の両面に印刷する場合は、片面に画像が印刷された記録用紙を排出ローラ29まで搬送した後、排出ローラ29の回転方向を逆転させる。記録用紙は、その後、フラッパ30によって再給紙搬送路31へと導かれ、再給紙搬送路31に導かれた記録用紙は上述と同様にして転写部27に搬送され、反対面に画像が印刷される。
【0026】
図3は、図1におけるコントローラ部の詳細を示すブロック図である。
【0027】
メインコントローラ32は、CPU33とバスコントローラ34と後述する各種コントローラ回路を含む機能ブロックとを内蔵する。メインコントローラ32は、更に、ROMI/F35を介してROM36と接続され、DRAMI/F37を介してDRAM38と接続される。
【0028】
メインコントローラ32は、更に、コーデックI/F39を介してコーデック40と接続され、また、ネットワークI/F41を介してネットワークコントローラ42と接続されている。
【0029】
ROM36には、メインコントローラ32のCPU33で実行される各種制御プログラムや演算データが格納(記憶)されている。DRAM38は、CPU33が動作するための作業領域や画像データを蓄積するための領域として使用される。
【0030】
コーデック40は、DRAM38に蓄積されたラスタイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG等の周知の圧縮方式で圧縮し、また圧縮されたデータをラスタイメージに伸長する。また、コーデック40にはSRAM43が接続されており、SRAM43はコーデック40の一時的な作業領域として使用される。
【0031】
ネットワークコントローラ42は、ネットワーク44を介してLAN101との間で所定の制御動作を行う。ネットワークコントローラ42は、印刷装置100の状態に関する情報などを、HTML(HyperText Markup Language)形式のファイルに変換する機能を有す。そして、このHTMLファイルをHTTPによってネットワーク44上の他の装置に出力することにより、汎用のWebブラウザにより閲覧できるようにする。そして、このときHDD113に蓄積されている画像データを縮小し、HTMLファイルとリンクさせることにより、HDD113内の画像データの概略を他の装置のWebブラウザで確認できるようにすることができる。
【0032】
また、メインコントローラ32は、スキャナバス45を介してスキャナI/F46に接続され、プリンタバス47を介してプリンタI/F48に接続される。
【0033】
メインコントローラ32は、更に、PCIバス等の汎用高速バス49を介して拡張ボードを接続するための拡張コネクタ50及び入出力制御部(I/O制御部)51に接続されている。
【0034】
I/O制御部51は、リーダ部110やプリンタ部111との間で制御コマンドを送受信するための調歩同期式のシリアル通信コントローラ52が2チャンネル装備されている。シリアル通信コントローラ52は、I/Oバス53を介してスキャナI/F46及びプリンタI/F48に接続されている。
【0035】
スキャナI/F48は、第1の調歩同期シリアルI/F54及び第1のビデオI/F55を介してスキャナコネクタ56に接続され、更にスキャナコネクタ56は、リーダ部110のスキャナユニット116に接続されている。
【0036】
そして、スキャナI/F46は、スキャナユニット116から受信した画像データに対し所望の2値化処理や、主走査方向及び/または副走査方向の変倍処理を行う。また、スキャナI/F46は、スキャナユニット116から送られてきたビデオ信号に基づいて制御信号を生成し、スキャナバス45を介してメインコントローラ32に転送する。
【0037】
また、プリンタI/F48は、第2の調歩同期シリアルI/F57及び第2のビデオI/F58を介してプリンタコネクタ59に接続され、更に、プリンタコネクタ59は、プリンタ部111のマーキングユニット118に接続されている。
【0038】
そして、プリンタI/F48は、メインコントローラ32から出力された画像データにスムージング処理を施して、該画像データをマーキングユニット118に出力する。プリンタI/F48は、更に、マーキングユニット118から送られたビデオ信号に基づいて、生成された制御信号をプリンタバス47に出力する。
【0039】
CPU33は、ROM36からROMI/F35を介して読み出された制御プログラム、HDD113から読み出された制御プログラムに基づいて動作する。
【0040】
バスコントローラ34は、スキャナI/F46、プリンタI/F48、拡張コネクタ50等に接続された外部機器から入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時のアービトレーション(調停)やDMAデータ転送の制御を行う。
【0041】
即ち、例えば、DRAM38とコーデック40との間のデータ転送や、スキャナユニット116からDRAM38へのデータ転送、DRAM38からマーキングユニット118へのデータ転送等は、バスコントローラ34によって制御され、DMA転送される。
【0042】
I/O制御部51は、LCDコントローラ60及びキー入力I/F61を介してパネルI/F62に接続され、パネルI/F62は操作部112に接続されている。また、I/O制御部51は、E−IDEコネクタ63を介してHDD113(113a、113b)に接続され、更に、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するリアルタイムクロックモジュール64に接続されている。
【0043】
尚、リアルタイムクロックモジュール64は、バックアップ用電池65に接続されて該バックアップ用電池65によりバックアップされている。
【0044】
図4は、印刷装置100の試用送信ライセンスが切れた場合に、ネットワーク通信機能および/またはファクシミリ通信機能の受信機能に関する処理を制限する処理の流れの一例を示す模式図である(その1)。
【0045】
図4において、文書送信装置(ファクシミリ装置)Bから機器A(印刷装置100)に対してファクシミリプロトコルに従って画像データ(文書)が送信される(1)。機器Aは、受信した文書をシステムボックス内に保存する(2)。このとき、試用送信ライセンス切れとCPU33が判断すると、この時点では受信した文書の印刷を自動的には行わず、システムボックス内に保存しておくものとする。なお、システムボックスとは、HDD113上に設けられるエリアで、ファクシミリ受信した文書を保存しておくエリアである。
【0046】
ユーザが機器Aにあるシステムボックス内の文書を参照しようとした場合(3)、試用送信ライセンス切れであると、操作部112において、システムボックス内の文書を他の装置に転送するための送信機能のための選択ボタンを非表示とし、他の装置への転送を禁止する(4)。このとき、試用送信ライセンス切れであるため選択ボタンの選択が行えないことを示すメッセージを表示してもよい。
【0047】
一方、システムボックスに保存されている文書リストから選択した文書のプリント指示は許可する(5)。このときユーザ、は文書リストを参照するのみで必ずしも文書のプリント指示を出さなくても良いし、選択した文書を削除しても良い。プリント(或いは削除)指示を受けた機器Aは選択された文書をプリント(或いは削除)する(6)。以上の操作は、操作部112による操作に代えて、ネットワークコントローラ42で生成するHTMLファイルに基づくネットワーク上の他の装置からのWebブラウザによる操作としてもよい。
【0048】
以上のように、試用送信ライセンスが切れた(有効でない)場合、ファクシミリ受信は禁止せずに画像データの受信は許可するが、この受信した画像データの他の装置への転送は禁止するものである。そして、受信した画像データは、当該受信を行った印刷装置100(機器A)でのみ印刷を許可する。また、試用送信ライセンスが有効でない場合は、システムボックス内の画像データの送信だけではなく、リーダ部110で原稿を読み取って得た画像データの送信も禁止される。
【0049】
図4に基づく印刷装置100の処理の流れを図5のフローチャートに示す。本フローチャートは、ROM36、またはHDD113に記憶されている制御プログラムを読み出し、CPU33が実行する制御の流れを示すものである。
【0050】
まず、文書送信装置(ファクシミリ装置B)から画像データ(文書)が送信された場合、ステップS501で、文書をメモリ受信する。ステップS502で、試用送信ライセンス機能の残りライセンス数があるか否か(ライセンスの有無)を判断する。ここでの判断は、試用送信機能ライセンスの有り無し、及び、ライセンスの使用回数をカウントすることにより、試用送信ライセンスが有効であるか否かを判断する。まず、試用送信ライセンス使用回数が予め決められたMAX値(例えば100回)に達したか否かを判断し、MAX値に達していた場合、ライセンスが有効でないと判断する。ここで、ライセンスが残っていて送信機能が有効と判断した場合、ステップS503で、操作部112においてシステムボックス内に保存されている文書一覧を表示する。そしてユーザがシステムボックス内の文書の送信、プリント、削除のいずれかを選択できるようにする。ネットワーク上の他の装置がWebブラウザを用いて印刷装置100の操作を行う場合にもここでの操作部112の操作画面と同様の画面の表示を許可する。
【0051】
ここでユーザにより操作部112から、あるいはWebブラウザからシステムボックス内の文書に対する指示がなされると、ステップS504で、この指示が送信指示であるか否かを判断する。送信指示であったと判断された場合、ステップS505で、試用送信機能ライセンスの使用回数に+1を加算する。そして、ステップS506で、ステップS503にてユーザが選択した文書を指示に従い指定された宛先に送信し、処理を終了する。この例では、送信時にのみ使用回数の加算が行われる。なお、S506では、指定された送信が、ファクシミリ送信であればファクシミリ通信機能の使用回数に加算し、ネットワーク送信であればネットワーク通信機能の使用回数に加算する。もちろん、ネットワーク通信機能とファクシミリ通信機能とを区別せずに加算してもよい。
【0052】
ステップS504で、ユーザからの指示が送信ではなかったと判断された場合、ステップS508で、ユーザからの指示がプリント指示か否かを判断する。プリント指示であったと判断された場合、ステップS509で、ステップS503にてユーザが選択した文書をプリンタ部111でプリントし、処理を終了する。
【0053】
ステップS508で、ユーザからの指示がプリント指示ではなかったと判断された場合、ステップS510で、ユーザからの指示が削除指示であったか否かを判断する。削除指示であったと判断された場合、ステップS511で、ステップS503にてユーザが選択した文書をHDD133から削除し、処理を終了する。
【0054】
ステップS510で、ユーザからの指示が削除指示ではなかったと判断された場合、ステップS512で、その他の処理を行い、処理を終了する。
【0055】
また、ステップS502で、試用送信機能ライセンスがMAX値を超えており、試用送信ライセンスが有効でないと判断した場合、ステップS507で、操作部112で文書の送信のための操作を行うための送信ボタンを非表示にする等、送信機能の使用を禁止する表示とする。そして、ステップS508に進み、上述したフローに沿って処理を行う。
【0056】
以上の処理により、試用送信機能ライセンスが有効でない場合、送信機能は禁止する一方、受信機能は許可するが、受信文書は印刷装置100による印刷、Webブラウザによる閲覧に制限できる。
【0057】
次に、試用送信機能ライセンスが切れた場合に、ネットワーク通信機能および/またはファクシミリ通信機能の受信機能に関する処理を制限する方法としてメモリ受信自体を禁止する処理について図6を用いて説明する。
【0058】
図6は、この場合の処理の流れを示す模式図である(その2)。
【0059】
図6の例においても、図4の例と同様に文書送信装置Bから機器A(印刷装置100)に対してファクシミリプロトコルに従って画像データ(文書)が送信される(1)。機器Aは試用送信機能のライセンスカウント数を確認し、ライセンス切れ(有効でない)と判断する(2)。ライセンス切れの場合は、システムボックスへのメモリ受信を禁止し、それを操作部112に表示し、ユーザへ通知する。ただし、記録用紙切れ等のため、DRAM39への一時的保存のみ許可する。DRAM39からシステムボックスへの移動は、当該移動のための操作ボタンを操作部112に表示しないようにすることで禁止する。DRAM39に一時保存された文書はプリンタ部111によるプリントか削除のみ選択可能である(3)。
【0060】
記録用紙切れによりDRAM39に一時保存されていた文書があった場合、その旨が操作部112に表示されるので、それに対しユーザはプリント指示/削除指示が可能である(4)。ここでプリント指示があった場合、当該文書はプリンタ部111でプリントされる。削除指示があった場合、DRAM39から削除される。なお、上記(3)で記録用紙があった場合は、ユーザからの指示なしに自動的にプリンタ部111でプリントされる(6)。
【0061】
図7は、図6の例に基づく印刷装置100の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、ROM36、またはHDD113に記憶されている制御プログラムを読み出し、CPU33が実行する制御の流れを示すものである。
【0062】
まず、ステップS701で、文書送信装置Bから送信された画像データ(文書)を受信したと判断した場合、ステップS702に進む。
【0063】
ステップS702で、試用送信機能のライセンスカウンタに+1を加える。つまり、この例では文書の受信時にも使用回数の加算が行われる。ただし、使用回数がMAX値に達していても受信は許可するものとする。もちろん、S702を省略し、送信機能を使用した場合のみライセンスの使用回数を加算するようにしてもよい。
【0064】
ステップS703で、ステップS702の処理結果、試用送信機能ライセンスの使用回数がMAX値を超えていない場合、つまり試用送信機能ライセンスがまだ有効な場合、ステップS704で、メモリ受信機能(ユーザの操作で受信文書を任意に処理可能とすべくシステムボックスへ受信文書を蓄積する)を有効とする。そして、ステップS705では、S701で文書送信装置Bから受信した文書をHDD113内のシステムボックスに保存し、処理を終了する。これにより、ユーザは操作部112から、あるいは他の装置からWebブラウザを用いて受信文書を他の装置に転送することなどが可能となる。なお、予め操作部112で行っておいた設定により、受信した文書を、ここでシステムボックスに保存せず、あるいは保存するとともに、プリンタ部111でプリントするようにしてもよい。
【0065】
ステップS703で、試用送信機能ライセンスの使用回数がMAX値を超えていた場合、つまり試用送信機能ライセンスが無効であった場合、ステップS706で、システムボックスへのメモリ受信機能を無効とする。そして、ステップS707で、受信した文書を自動的にプリンタ部111でプリントし、処理を終了する。なお、このとき給紙カセットに記録用紙がないなど、プリントを実行できなかった場合、DRAM39に受信文書を一時的に保存しておく。このDRAM39に保存された文書は記録用紙が補充され、ユーザからプリント指示があるとプリンタ部111でプリントされる。削除指示された場合はプリントされずに削除される。なお、DRAM39に記憶された文書は他の装置からのWebブラウザによる閲覧はできないものとする。
【0066】
ステップS701で、文書送信ではないと判断した場合、ステップS708で、その他の処理を行い、処理を終了する。
【0067】
以上の処理により、試用送信機能ライセンスが有効でない場合、送信機能は禁止する一方、受信機能は許可するが、受信文書は印刷装置100による印刷に制限できる。
【0068】
次に、試用送信機能ライセンスが切れた場合に、ライセンス切れの警告を表すレポートを印刷出力する処理について図8を用いて説明する。なお、この処理はライセンスが切れたことをユーザに知らせるための処理であり、受信機能に関わる処理を制限するための処理ではない。従って、この図8の処理は前述の図4、6の例、受信機能に関する処理についての後述のような例に適宜組み合わせることが可能である。
【0069】
図8は、ライセンス切れ時の警告レポート出力の流れを示す模式図である(その3)。
【0070】
まず、文書送信装置Bから機器A(印刷装置100)に対してファクシミリプロトコルに従って画像データ(文書)が送信される(1)。ここでは、受信によってもライセンスの使用回数が加算されるものとし、機器Aは試用送信機能のライセンスカウント数を確認し、今回受信したことによりライセンスが切れたと判断する(2)。そして、システムボックス内の受信済み文書数を確認する。これは、ライセンスが切れてしまうとシステムボックス内の文書をユーザが扱うことができなくなるため、それを通知するために確認するものである。なお、システムボックス内の受信文書の印刷や転送を行うことによりライセンスの使用回数を加算するような運用も考えられるため、既に使用したライセンスの使用数と、システムボックス内の受信文書(今回受信した文書を含む)の数とを加算してその合計数が使用可能なライセンスのMAX値となったときに、ライセンスが切れたと判断するようにしてもよい。
【0071】
試用送信ライセンス数がMAX値に達した場合、システムボックスへの以降の追加受信不可を操作部112や他の装置上のWebブラウザを通じてユーザに通知する(3)。引き続き、試用送信ライセンス使用状況等を載せた警告レポートをプリンタ部111により出力する(4)。この警告レポートには、システムボックスにこれ以降、受信文書を追加できないこと、既に受信し、システムボックスに保存した文書のリストが記載される。これにより、ユーザはライセンスが切れたことを容易に知ることができる。さらに、試用送信機能ライセンスのMAX値、既に使用したライセンス数、システムボックス内の受信済み文書数を記載するようにしてもよい。これにより、さらにどういうライセンスを取得すればよいかを把握させることができる。さらに、ライセンスが有効でない場合の制限事項を記載するようにしてもよい。これによりライセンスを取得すべきかどうかを判断することができる。また、この警告レポートは印刷出力する以外、予め決められた宛先に電子メール等によって送信するようにしてもよい。また、この警告レポートを出力した後、あるいは警告レポートを出力した後、所定の時間経過後、所定回数の印刷処理後は、前述の処理において、許可していた受信文書の印刷をも禁止するようにしてもよい。
【0072】
図9は、図8の例に基づく印刷装置100の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、ROM36、またはHDD113に記憶されている制御プログラムを読み出し、CPU33が実行する制御の流れを示すものである。
【0073】
まず、ステップS901で、文書を受信するとS902に進む。ここで、文書を受信する毎にライセンスの使用数を加算する設定の場合、使用数を加算する。
【0074】
ステップS902では、試用送信機能ライセンスの使用数がMAX値に達していないか判断する。ここでの判断は、文書を受信する毎にライセンスの使用数を加算する設定(設定1)の場合は今回の受信によってMAX値に達したか判断するものである。一方、システムボックス内の受信文書の印刷あるいは転送によって使用数をカウントする設定(設定2)の場合は、既にカウントされている使用数とシステムボックス内の受信文書数(今回受信した文書を含む)の和がMAX値に達しているかどうかによって判断する。
【0075】
試用送信ライセンスの使用数がMAX値に達していないと判断された場合、つまり試用送信機能ライセンスがまだ有効な場合、ステップS903で、システムボックス内の文書をユーザに操作させるべく操作部112や他の装置のWebブラウザ上で表示可能とし、処理を終える。
【0076】
ステップS902で、試用送信ライセンスのMAX値に達したと判断された場合、つまり試用送信機能ライセンスが無効となった場合、ステップS904で、システムボックスに保存されている文書の送信を含め送信機能の使用を禁止する(設定1の場合)。設定2の場合はシステムボックス内の文書以外の送信を禁止する。なお、設定2の場合、送信は1文書につき1回までが許可される。送信に代えて印刷を行うようにしてもよい。
【0077】
そして、ステップS905で、操作部112や他の装置のWebブラウザ等でユーザに試用送信機能ライセンスが無効となったことや、システムボックス内に残っている文書数等を表示する。そして、ステップS906で、試用送信機能ライセンスが無効となったことを通知するための警告レポートをプリンタ部111により印刷出力し、処理を終了する。また、警告レポートは、プリンタ部111で印刷出力する以外、予め決められた宛先(管理者等)に電子メールによって送信するようにしてもよい。
【0078】
設定2では、システムボックス内の文書数分、試用送信機能ライセンス数を残しておくことで、システムボックス内の文書は送信機能を使用することが保証される。また、それ以上文書をシステムボックス内に受信させないことで、システムボックス内に送信不可能な文書を存在させないようにすることができる。
【0079】
更には、ライセンス切れを示す詳細情報を警告レポートにてユーザに情報提供することにより、送信ライセンスの購入を促すことも可能となる。
【0080】
次に、試用送信機能ライセンスが切れた場合に、システムボックスとその設定情報(例えばパスワード)をセットでネットワークに接続された送信ライセンスを持つ他の機器に転送する例について説明する。この例では、正規の送信ライセンスを購入するまでの間、他の機器において待避させたり、送信ライセンスを購入するまでの間、制限付きで転送先の機器内で受信文書を処理可能とする。これによって試用送信機能ライセンスが有効でない場合に受信機能に関する処理を制限するものである。
【0081】
図10は、この場合の処理の流れを示す模式図である(その4)。
【0082】
図10に示すように、ネットワークで接続された試用送信機能を搭載した機器A(印刷装置100)と文書送信装置B、正規の送信ライセンスを保持している機器C(印刷装置100と同様の構成を有する)があった場合を想定する。
【0083】
まず、文書送信装置Bから機器Aに対してファクシミリプロトコルに従って画像データ(文書)が送信される。すると、機器Aは試用送信機能ライセンスの使用回数を確認し、ここではMAX値に達しておりライセンス切れと判断する(2)。そして、ネットワーク上に正規の送信ライセンスを保持した機器があるかどうか検索する(3)。
【0084】
検索の結果、なかった場合は機器Aの内部で正規ライセンスが購入されるまでの間システムボックス内の情報、及びその設定情報を対応付けて待避しておく。退避している間はユーザによる文書の操作は禁止しておく。一方、検索の結果、正規送信ライセンスを持つ機器Cが見つかった場合、機器Cのシステムボックスにパスワードがかかっているか否かを問い合わせる(4)。
【0085】
パスワードがかかっていた場合、機器Cは機器Aに対し、その旨を通知する。パスワードがかかっていなかった場合は、機器Cはその旨を機器Aに通知する(5)。
【0086】
そして、機器Aは、受信文書を含むシステムボックスを設定情報とともに機器Cに送信する(6)。設定情報とは、機器Aのシステムボックスを操作するために必要な情報であり、例えばパスワード、また機器Aを特定する情報などが含まれる。。そして、機器Cにおいて、システムボックス(受信文書を含む)+設定情報を待避させる(7)。機器Cでは、自機において保持していたシステムボックス内文書とは区別し、制限付きで機器Aから転送された文書を使用可能とする(8)。
【0087】
このときの制限の内容として、
1、プロパティ(受信文書の送信元の情報や縮小画像)のみ参照可能とする。
2、通常通りの使用ができるが料金を割増する。
3、プリント出力のみ可能とする(1回プリントすると受信文書を消去する)。
等、種々の制限をかけてよいものとする。
【0088】
一方、機器Cでシステムボックスにパスワードがかかっていなかった場合、機器Cのシステムボックスに受信文書を保存させることが可能となるので、個々の受信文書をその設定情報(受信時間や送信元等の情報、機器Aが保有すべき情報であることを示す情報等)とともに転送し、機器Cの文書と区別して退避させる。
【0089】
図11は、図10の例に基づく印刷装置100(機器A)の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、ROM36、またはHDD113に記憶されている制御プログラムを読み出し、CPU33が実行する制御の流れを示すものである。
【0090】
まず、ステップS1201で、文書を受信する。すると、ステップS1202で、試用送信機能ライセンスがまだ残っているか否かを判断する。まだ残りライセンス数があった場合は、ステップS1203で、制限なく受信処理を実行し、処理を終了する。即ち、受信した文書はシステムボックスへの保存、他の装置への転送、印刷など、印刷装置100になされている設定に従って制限のない処理を許可する。
【0091】
ステップS1202で、試用送信機能ライセンスが残っていないと判断した場合、ステップS1204で、LAN101上に正規送信ライセンスを保有した機器があるか否かを検索する。
【0092】
正規送信ライセンスを保有した機器があると判断した場合、ステップS1205で、当該正規送信ライセンスを保有した機器に対して、システムボックスにパスワードがかかっているか否かを問い合わせる。なお、S1204の検索で複数の機器が見つかった場合は、そのうちの1台を選択したうえでS1205の問い合わせを行う。
【0093】
ステップS1206で、正規送信ライセンスを保有した機器からシステムボックスにパスワードがかかっている旨の返答を受信した場合、ステップS1207に進む。ステップS1207では、正規送信ライセンスを保有した機器に、システムボックス(受信文書を含む)と設定情報とを転送し、正規送信ライセンスを保有する機器のHDD113に保存させて処理を終了する。なお、S1207では、送信ライセンスを保有する機器以外への転送は禁止する。
【0094】
ステップS1206で、正規送信ライセンスを保有した機器のシステムボックスにパスワードがかかっていないと判断した場合、ステップS1208で、正規送信ライセンス保持機にシステムボックス内の文書、及び文書毎の設定情報を転送し、処理を終了する。
【0095】
ステップS1204で、ネットワーク上に正規送信ライセンスを保持した機器が見つからなかった場合、ステップS1209で、印刷装置100(図10では機器A)の正規の送信ライセンスが有効となるまでの間、システムボックス内の文書及び各文書の設定情報を待避し(ユーザによる操作ができないようにHDD113内でロックしておく)、処理を終了する。なお、待避した場合、送信機能のみ使用禁止とし、それ以外の処理(プリント、削除等)は有効としても構わない。
【0096】
また、ステップS1207、1208において、他の機器(図10では機器C)に転送した場合、元の機器(図10では機器A)である本印刷装置100においてはユーザに対してどの機器に転送したかを、操作部112上で表示、或いはプリンタ部111でレポートを出力する、他の機器のWebブラウザによってユーザに通知しても良い。また、S1206でシステムボックスにパスワードがかかっていないと判断された場合、さらに文書毎にパスワードをかける必要があるかどうかを問い合わせ、パスワードをかける必要がある場合、S1208でパスワードをさらに送るようにしてもよい。
【0097】
次に、図10の機器Cに対応する印刷装置100による処理の流れを説明する。
【0098】
図12は、この処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、ROM36、またはHDD113に記憶されている制御プログラムを読み出し、CPU33が実行する制御の流れを示すものである。
【0099】
図12において、ステップS1301で、正規送信ライセンスを保有しているか否かの問い合わせ(S1204による問い合わせ)を受信する。すると、ステップS1302で、正規送信ライセンスが有るか無いかを判別すべく、自装置のHDD113内のライセンス管理ファイルを検索する。正規送信ライセンスを保有していると判断した場合、ステップS1303で、自装置のシステムボックスにパスワードがかかっているか否かを判断する。
【0100】
システムボックスにパスワードがかかっていると判断した場合、ステップS1304で、システムボックスにパスワードがかかっている旨を問い合わせ元の機器(機器A)に通知する。
【0101】
ステップS1305で、通知先の機器(機器A)からシステムボックスとその設定情報(S1207で送信されたもの)を受信し、ステップS1306で、新システムボックスとして設定情報と共にHDD113に追加して保存する。ステップS1307で、ライセンスが切れた機器からの受信文書として自装置でもともと保存していた文書とは区別し、機能制限付きで保存し、処理を終了する。
【0102】
ステップS1303で、システムボックスにセキュリティがかかっていないと判断された場合、ステップS1308で、システムボックス内の各文書毎にパスワードをかける必要があるか否かを判断する。
【0103】
文書毎(各文書)にパスワードをかける必要があると判断した場合、ステップS1309で、文書毎にパスワードをかける必要がある旨を問い合わせ元の機器(機器A)に通知する。ステップS1310で、通知先の機器(機器A)からの文書及び文書毎の設定情報(パスワードをかける必要がある場合はパスワードも)を受信(S1208で送信されたもの)し、ステップS1311で、新文書として各設定情報と共にシステムボックス内に追加して保存する。そして、ステップS1307に進む。
【0104】
ステップS1308で、文書毎にパスワードをかける必要がないと判断した場合、ステップS1312で、その旨を問い合わせ元の機器(機器A)に通知し、ステップS1310の処理に進む。
【0105】
ステップS1302で、正規送信ライセンスを保有していないと判断した場合、ステップS1313で、正規送信ライセンスを保有していないことを問い合わせ元の機器(機器A)に通知し、処理を終了する。
【0106】
以上により、試用送信機能ライセンスが切れた後でも正規ライセンスを購入するまでの間、保持していた文書を待避することが可能となる。また、システムボックス、或いは文書を他の機器に転送することによって、制限付きで送信機能を使用し続けることも可能となる。更には、設定情報(パスワード)も付加しているため、セキュリティを保持した状態で使用することが可能である。
【0107】
以上のことから、試用送信機能ライセンスが切れた場合でも、制限を加えたうえでシステムボックス内のデータを参照、処理することが可能となる。更には、ライセンスが有効な他機への転送により、正規ライセンス購入までの間も安全な状態で送信機能を使用しつづけることが可能となる。
【0108】
本実施形態によって、ユーザは、試用送信機能のライセンスが切れた場合でも、システムボックス内の情報を確認することができ、送信機能ライセンスの購入をユーザに促すきっかけとなる。
【0109】
また、他装置にシステムボックス毎、或いはシステムボックス内文書を設定情報と共に転送することで、セキュリティのかかった状態を保ちつつ、ユーザに他装置において制限付(割増課金等)で送信機能を利用させる。それによりユーザには正規送信機能ライセンスを購入するまでの間、途切れることなく送信機能を提供することが可能となる。
【0110】
また、以上の種々の例では、ライセンス管理された通信機能のうち、送信機能の使用を禁止し、受信機能に関する処理は制限するものであったが、送信機能を完全に禁止するのではなく、例えばライセンス管理会社への送信のみ許可するようにしてもよい。これにより、ライセンス管理会社への連絡に限っては印刷装置100の送信機能を利用することが可能になる。
【0111】
また、本実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0112】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0113】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0114】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0115】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷装置のブロック図である。
【図2】図1の印刷装置の内部構成を示す図である。
【図3】図1におけるコントローラ部の詳細を示すブロック図である。
【図4】図1の印刷装置を含むシステムにおける処理の流れを示す模式図である。
【図5】図4の例における印刷装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図1の印刷装置を含むシステムにおける処理の流れを示す模式図である。
【図7】図6の例における印刷装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図1の印刷装置を含むシステムにおける処理の流れを示す模式図である。
【図9】図8の例における印刷装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図1の印刷装置を含むシステムにおける処理の流れを示す模式図である。
【図11】図10の例における印刷装置(機器A)の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図10の例における印刷装置(機器C)の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
100 印刷装置
101 LAN(ネットワーク)
102、103 ホストコンピュータ
112 操作部
113 ハードディスクドライブ
114 コントローラ部
115 原稿給紙ユニット
116 スキャナユニット
117 給紙ユニット
118 マーキングユニット
119 排紙ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライセンスが有効である場合に送信機能及び受信機能の両方の使用を許可するデータ通信装置であって、
前記ライセンスが有効であるか否か判断する判断手段と、
前記判断手段により前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記送信機能に関する処理を禁止するとともに、前記受信機能に関する処理は禁止せずに当該受信機能で受信するデータに対する処理を制限する制御手段と、
を有することを特徴とするデータ通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判断手段により前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記受信機能により受信したデータの印刷は許可するが、当該受信したデータの他装置への転送は禁止するよう制御することを特徴とする請求項1に記載のデータ通信装置。
【請求項3】
前記受信機能により受信したデータをWebブラウザで閲覧が可能な形式に変換する変換手段を有し、
前記制御手段は、前記判断手段により前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記受信機能により受信したデータの前記変換手段で変換された形式でのWebブラウザによる閲覧は許可するが、前記受信機能により受信したデータを前記変換手段で変換せずに他の装置に転送することは禁止するよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記判断手段により前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記受信機能により受信したデータの印刷は許可するが、当該受信したデータを印刷せずに所定のメモリに保存しておくことは禁止するよう制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項5】
前記判断手段により前記ライセンスが有効でないと判断された場合、警告レポートを出力する出力手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記判断手段により前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記受信機能により受信したデータの、前記ライセンスを有する他の装置への転送は許可し、前記ライセンスを有さない他の装置への転送は禁止するよう制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のデータ通信装置。
【請求項7】
ライセンスが有効である場合に送信機能及び受信機能の両方の使用を許可するデータ通信装置の制御方法であって、
前記ライセンスが有効であるか否か判断し、
前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記送信機能に関する処理を禁止するとともに、前記受信機能に関する処理は禁止せずに当該受信機能で受信するデータに対する処理を制限することを特徴とするデータ通信装置の制御方法。
【請求項8】
前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記受信機能により受信したデータの印刷は許可するが、当該受信したデータの他装置への転送は禁止するよう制御することを特徴とする請求項7に記載のデータ通信装置の制御方法。
【請求項9】
前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記受信機能により受信したデータをWebブラウザによって閲覧が可能な形式に変換された状態でのWebブラウザによる閲覧は許可するが、前記受信機能により受信したデータを前記形式に変換せずに他の装置に転送することは禁止するよう制御することを特徴とする請求項7または8に記載のデータ通信装置の制御方法。
【請求項10】
前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記受信機能により受信したデータの印刷は許可するが、当該受信したデータを印刷せずにメモリに保存しておくことは禁止するよう制御することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のデータ通信装置の制御方法。
【請求項11】
前記ライセンスが有効でないと判断された場合、警告レポートを出力することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載のデータ通信装置の制御方法。
【請求項12】
前記ライセンスが有効でないと判断された場合、前記受信機能により受信したデータの、前記ライセンスを有する他の装置への転送は許可し、前記ライセンスを有さない他の装置への転送は禁止するよう制御することを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載のデータ通信装置の制御方法。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれかに記載のデータ通信装置の制御方法を、コンピュータにより実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−122991(P2009−122991A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296684(P2007−296684)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】