説明

トリアゾール誘導体、及びそのニコチン性アセチルコリン受容体モジュレーターとしての使用

本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体のモジュレーターであることがわかっている新規のトリアゾール誘導体に関する。本発明の化合物は、その薬理学的特性に起因して、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌性疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質乱用の停止によって引き起こされる離脱症状などの多様な疾患又は障害の治療に有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体のモジュレーターであることがわかっている新規のトリアゾール誘導体に関する。本発明の化合物は、その薬理学的特性に起因して、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌性疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、疼痛、及び化学物質乱用の停止によって引き起こされる離脱症状などの多様な疾患又は障害の治療に有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
内在性コリン作動性神経伝達物質であるアセチルコリンは、2種類のコリン作動性受容体、すなわちムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)を通じて、その生物学的効果を発揮する。
【0003】
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は、五量体リガンド依存性イオンチャンネルであり、中枢(CNS)及び末梢(PNS)神経系にくまなく広範に分布する。少なくとも12種のサブユニットタンパク質、すなわち、α2〜α10及びβ2〜β4が、神経細胞組織において確認された。これらのサブユニットは、受容体サブタイプの多様性を説明する非常に様々なホモマー及びヘテロマーの組合せを提供する。例えば、脳組織における高親和性ニコチン結合に関与する主な受容体は、組成物α4β2を有するが、一方受容体の別の主要な集団は、ホモマーα7を含む。
【0004】
数種のCNS障害におけるnAChRによって演じられる重要な役割の発見によって、これらの膜タンパク質に対する、及びそれらの機能を調節することが可能なリガンドに対する注意が喚起された。複数のレベルで別々のサブタイプが存在することによって、この受容体の生理学的役割の理解が複雑化したが、同時に、この種の受容体の薬理学的特性評価を向上させ、その受容体のモジュレーターの可能な治療上の使用をより安全にするために、選択的な化合物を発見する努力が重ねられた。
【0005】
WO2005/090333は、サイトカインの抑制剤として有用なトリアゾールアリールベンズアミドの調製を記載している。WO2007/025089は、抗感染、抗増殖、抗炎症、及び運動促進剤として、マクロライド系クラリスロマイシントリアゾールグリコシドの調製を記載している。WO2008/003770は、抗腫瘍剤としてのフェニルトリアゾール及び関連化合物の調製を記載している。しかしながら、本発明のトリアゾール誘導体は、今まで一度も開示されたことがない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ニコチン性受容体のモジュレーターの提供に当てられ、このモジュレーターは、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関連する疾患又は障害の治療に有用である。
【0007】
本発明の化合物は、その薬理学的特性に起因して、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌性疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、疼痛、並びに化学物質、特にニコチンの乱用の停止によって引き起こされる乱用傾向及び離脱症状などの多様な疾患又は障害の治療に有用であり得る。
【0008】
本発明の化合物はまた、様々な診断法における診断ツール又はモニタリング剤として、及び、特に生体内受容体画像処理(神経画像処理)にとって有用でもあり得るし、本発明の化合物は、標識又は非標識形態で使用されてよい。
【0009】
第1の態様において、本発明は、式I
【化1】


のトリアゾール誘導体、
立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、プロドラッグ、又はその薬学的に許容される添加塩を提供し、式中、
A及びBの1つはフェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよく、
A及びBのもう1つは、ピリジニル又はフラニル基を表わし、そのピリジニル及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい。
【0010】
第2の態様において、本発明は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体又は希釈剤と一緒に、治療有効量の本発明のトリアゾール誘導体又はその薬学的に許容される添加塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0011】
別の態様から見ると、本発明は、ヒトを含む哺乳類の疾患又は障害又は状態の治療、予防、又は緩和のための医薬組成物/薬剤の製造のための、本発明のトリアゾール誘導体、又はその薬学的に許容される添加塩の使用に関するものであり、その疾患、障害、又は状態は、コリン作動性受容体の調節に応答性である。
【0012】
さらに別の態様において、本発明は、ヒトを含む動物生体の疾患、障害、又は状態の治療、予防、又は緩和のための方法を提供し、その疾患、障害、又は状態は、コリン作動性受容体の調節に応答性であり、その方法は、治療有効量の本発明のトリアゾール誘導体を、それを必要とするかかる動物生体へ投与するステップを含む。
【0013】
本発明のその他の目的は、以下の詳細な記載及び実施例から、当業者にとって明白であろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
トリアゾール誘導体
第1の態様において、本発明は、式I
【化2】


のトリアゾール誘導体、
立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、プロドラッグ、又はその薬学的に許容される添加塩を提供し、式中、A及びBの1つは、フェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよく、A及びBのもう1つは、ピリジニル又はフラニル基を表わし、そのピリジニル及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい。
【0015】
より好ましい実施形態において、本発明のトリアゾール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、A及びBの1つは、フェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよく、A及びBのもう1つは、ピリジニル又はフラニル基を表わし、そのピリジニル及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい。
【0016】
別のより好ましい実施形態において、本発明のトリアゾール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、A及びBの1つは、フェニル基を表わし、そのフェニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換され、A及びBのもう1つは、ピリジニル又はフラニル基を表わし、そのピリジニル及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい。
【0017】
第3のより好ましい実施形態において、本発明のトリアゾール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、A及びBの1つは、ピリジニル基を表わし、そのピリジニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換され、A及びBのもう1つは、フェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい。
【0018】
第4のより好ましい実施形態において、本発明のトリアゾール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、A及びBの1つは、ピリジニル基を表わし、そのピリジニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換され、A及びBのもう1つは、フェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい。
【0019】
第5のより好ましい実施形態において、本発明のトリアゾール誘導体は、式Iの化合物であり、式中、A及びBの1つは、フラニル基を表わし、そのフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換され、A及びBのもう1つは、フェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい。
【0020】
別の好ましい実施形態において、本発明のトリアゾール誘導体は、式Iの化合物、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、プロドラッグ、又はその薬学的に許容される添加塩であり、式中、A及びBの1つは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるピリジニル基を表わし、A及びBのもう1つは、フェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい。
【0021】
より好ましい実施形態において、A及びBの1つは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるピリジニル基を表わし、A及びBのもう1つは、フェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい。
【0022】
別のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるピリジニルを表わす。
【0023】
第3のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるピリジニルを表わす。
【0024】
第4のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、又はアルコキシで置換されるピリジニルを表わす。
【0025】
第5のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、又はニトロで置換されるピリジニルを表わす。
【0026】
第6のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ、及び特にフルオロ若しくはクロロで、又はアルコキシ、及び特にメトキシで置換されるピリジニルを表わす。
【0027】
第7のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ、及び特にフルオロ又はクロロで置換されるピリジニルを表わす。
【0028】
第8のより好ましい実施形態において、Aは、アルコキシ、及び特にメトキシで置換されるピリジニルを表わす。
【0029】
第9のより好ましい実施形態において、Aは、ピリジニルを表わす。
【0030】
第10のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるフェニル基を表わす。
【0031】
第11のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ及びシアノから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるフェニル基を表わす。
【0032】
第12のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ、及び特にフルオロ又はクロロで2回置換されるフェニル基を表わす。
【0033】
第13のより好ましい実施形態において、Aは、シアノで場合によって置換されるフェニル基を表わす。
【0034】
第14のより好ましい実施形態において、Aは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるフラニル基を表わす。
【0035】
第15のより好ましい実施形態において、Aは、シアノで場合によって置換されるフラニル基を表わす。
【0036】
第16のより好ましい実施形態において、Bは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるピリジニル基を表わす。
【0037】
第17のより好ましい実施形態において、Bは、ハロ、トリフルオロメチル、又はトリフルオロメトキシで置換されるピリジニル基を表わす。
【0038】
第18のより好ましい実施形態において、Bは、ハロ、及び特にクロロで置換されるピリジニル基を表わす。
【0039】
第19のより好ましい実施形態において、Bは、ハロで場合によって置換されるピリジニル基を表わす。
【0040】
第20のより好ましい実施形態において、Bは、ピリジニル基を表わす。
【0041】
第21のより好ましい実施形態において、Bは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるフェニル基を表わす。
【0042】
第22のより好ましい実施形態において、Bは、ハロ、及び特にフルオロ若しくはクロロ、又はトリフルオロメチルで2回、場合によって置換されるフェニル基を表わす。
【0043】
第23のより好ましい実施形態において、Bは、シアノで場合によって置換されるフェニル基を表わす。
【0044】
第24のより好ましい実施形態において、Bは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるフラニル基を表わす。
【0045】
第25のより好ましい実施形態において、Bは、シアノで場合によって置換されるフラニル基を表わす。
【0046】
第3の好ましい実施形態において、本発明のトリアゾール誘導体は、式Iの化合物、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、プロドラッグ、又はその薬学的に許容される添加塩であり、式中、A及びBの両方とも、ピリジニル又はフラニル基を表わし、そのピリジニル及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換される。
【0047】
より好ましい実施形態において、A及びBの両方とも、ピリジニル又はフラニル基を表わし、そのピリジニル及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換される。
【0048】
別のより好ましい実施形態において、A及びBの両方とも、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるピリジニル基を表わす。
【0049】
第3のより好ましい実施形態において、A及びBの両方とも、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるピリジニル基を表わす。
【0050】
第4のより好ましい実施形態において、A及びBの両方とも、ハロ、及び特にフルオロで、又はアルコキシ、及び特にメトキシで置換されるピリジニル基を表わす。
【0051】
第5のより好ましい実施形態において、A及びBの両方とも、ハロ、及び特にフルオロで置換されるピリジニル基を表わす。
【0052】
第6のより好ましい実施形態において、A及びBの両方とも、アルコキシ、及び特にメトキシで置換されるピリジニル基を表わす。
【0053】
第7のより好ましい実施形態において、A及びBの両方とも、ピリジニル基を表わす。
【0054】
第8のより好ましい実施形態において、A及びBの両方とも、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるフラニル基を表わす。
【0055】
第9のより好ましい実施形態において、A及びBの両方とも、フラニル基を表わす。
【0056】
最も好ましい実施形態において、本発明の化合物は、
3−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ベンゾニトリル;
3−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン;
3−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ベンゾニトリル;
5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フラン−2−カルボニトリル;
3−(3−シアノフェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ベンゾニトリル;
3−[4−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ピリジン;
3−[1−(3−クロロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン;
2−クロロ−5−[4−(3−イソシアノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ピリジン;
3−[4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ベンゾニトリル;
3−[1−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン;
3−[4−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ベンゾニトリル;
2−クロロ−3−[4−(3−イソシアノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ピリジン;
3−フルオロ−5−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン;
2−フルオロ−5−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン;
2−メトキシ−5−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン;
3−フルオロ−5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ピリジン;
2−フルオロ−5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ピリジン;
3−ブロモ−5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ピリジン;
3−[1−(3−フルオロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン;又は
3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン;
その任意の異性体若しくは異性体の任意の混合物、又はその薬学的に許容される添加塩である。
【0057】
本明細書に記載されている2以上の実施形態の任意の組合せは、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0058】
薬学的に許容される塩
本発明のトリアゾール誘導体は、意図される投与に適切な任意の形態で提供されてよい。適切な形態は、本発明の化合物の薬学的に(すなわち、生理学的に)許容される塩、及びプレドラッグ又はプロドラッグの形態を含む。
【0059】
薬学的に許容される添加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコネート、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩誘導物、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩等などの、非毒性の無機及び有機酸添加塩が、限定することなく、挙げられる。かかる塩は、当技術分野でよく知られ記載されている手順によって形成されてよい。
【0060】
本発明の化合物の金属塩は、カルボキシ基を含有する本発明の化合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む。
【0061】
本発明の文脈において、N含有化合物の「オニウム塩」はまた、薬学的に許容される塩と考えられてもよい。好ましい「オニウム塩」としては、アルキルオニウム塩、シクロアルキルオニウム塩、及びシクロアルキルアルキルオニウム塩が挙げられる。
【0062】
立体の異性体
本発明の化合物は、幾何異性体(シストランス異性体)ばかりでなく、鏡像異性体、ジアステレオマーを含む別々の立体異性の形態で存在してよいことが、当業者によって理解されるだろう。本発明は、かかる立体異性体の全て、及びラセミ混合物を含むその任意の混合物を含む。
【0063】
ラセミ体は、既知の方法及び技術によって、光学的対掌体に分割することができる。鏡像異性体化合物(鏡像異性体中間体を含む)を分離する1つの方法は、光学活性のアミンの使用によるもの、及び酸による処理によって分割されたジアステレオマー塩を遊離することによるものである。ラセミ体を光学的対掌体に分割する別の方法は、光学活性マトリックス上でのクロマトグラフィーに基づく。したがって、本発明のラセミ化合物は、例えばD−又はL−(酒石酸塩、マンデル酸塩、若しくはカンファースルホン酸塩)塩の分別結晶によって、光学的対掌体に分割することができる。
【0064】
光学異性体を分割する追加の方法は、当技術分野において既知である。かかる方法は、Jaques J、Collet A、及びWilen Sによって、「鏡像異性体、ラセミ体、及び分割(Enantiomers,Racemates,and Resolutions)」、John Wiley and Sons、New York(1981年)に記載されている方法を含む。
【0065】
光学活性化合物はまた、光学活性出発物質又は中間体からも調製できる。
【0066】
トリアゾール誘導体を生成する方法
本発明のトリアゾール誘導体は、化学合成のための従来の方法、例えば実施例に記載されている方法によって調製してよい。本明細書に記載されている方法のための出発物質は、既知であり、又は市販の化学製品から従来の方法によって、容易に調製し得る。
【0067】
また、本発明の1つの化合物は、従来の方法を使用して、本発明の別の化合物へ転換できる。
【0068】
本明細書に記載されている反応の最終産物は、従来の技術によって、例えば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィー等によって、単離されてよい。
【0069】
生物活性
本発明は、ニコチン性受容体のモジュレーターの提供に当てられ、このモジュレーターは、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関連する疾患又は障害の治療に有用である。本発明の好ましい化合物は、ニコチン性アセチルコリンα4β2受容体サブタイプの正のアロステリック調節を示す。
【0070】
本発明の化合物は、その薬理学的特性に起因して、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌性疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症に関連する疾患又は障害、疼痛、並びに化学物質、特にニコチンの乱用の停止によって引き起こされる乱用傾向及び離脱症状などの多様な疾患又は障害の治療に有用であり得る。
【0071】
好ましい実施形態において、疾患、障害、又は状態は、中枢神経系に関連する。
【0072】
本発明の化合物はまた、様々な診断法における診断ツール又はモニタリング剤として、及び、特に生体内受容体画像処理(神経画像処理)にとって有用でもあり得るし、本発明の化合物は、標識又は非標識形態で使用されてよい。
【0073】
別の好ましい実施形態において、疾患、障害、又は状態は、認知障害、学習障害、記憶欠損及び機能障害、ダウン症候群、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害(ADHD)、トゥレット症候群、精神障害、鬱病、双極性障害、躁病、躁鬱病、統合失調症、統合失調症に関連する認知又は注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害、神経性食欲不振症、過食症、及び肥満症などの摂食障害、過眠症、侵害受容、エイズ認知症、老人性認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、不安神経症、非OCD不安障害、痙攣性疾患、痙攣、癲癇、神経変性障害、一過性無酸素症、誘発性神経変性、ニューロパチー、糖尿病性ニューロパチー、末梢性読字障害、遅発性ジスキネジア、運動過多症、疼痛、軽度の疼痛、中程度の若しくは強度の疼痛、急性、慢性、若しくは反復性の疼痛、片頭痛によって引き起こされる疼痛、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛、糖尿病性ニューロパチーに、ヘルペス後神経痛に、若しくは末梢神経損傷に関連する疼痛、過食症、心的外傷後症候群、社会恐怖症、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、黄体期後期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛狂、時差ボケ、不整脈、平滑筋収縮、狭心症、早期分娩、下痢、喘息、遅発性ジスキネジア、運動過多症、早漏、勃起困難、高血圧、炎症性障害、炎症性皮膚障害、ニキビ、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、下痢、又は、タバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールを含む、常習性物質の使用の停止によって引き起こされる乱用傾向及び離脱症状である。
【0074】
より好ましい実施形態において、本発明の化合物は、疼痛、軽度又は中程度又は強度の疼痛、急性、慢性、又は反復性の疼痛、片頭痛によって引き起こされる疼痛、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛、糖尿病性ニューロパチーに、ヘルペス後神経痛に、又は末梢神経損傷に関連する疼痛の治療、予防、又は緩和のために使用される。
【0075】
別のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、平滑筋収縮、痙攣性疾患、狭心症、早期分娩、痙攣、下痢、喘息、癲癇、遅発性ジスキネジア、運動過多症、早漏、又は勃起困難の治療、予防、又は緩和のために使用される。
【0076】
第3のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、神経変性障害、一過性無酸素症、又は誘発性神経変性の治療、予防、又は緩和のために使用される。
【0077】
第4のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、炎症性障害、炎症性皮膚障害、ニキビ、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、下痢の治療、予防、又は緩和のために使用される。
【0078】
第5のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、糖尿病性ニューロパチー、統合失調症、統合失調症に関連する認知若しくは注意欠陥、又は鬱病の治療、予防、又は緩和のために使用される。
【0079】
第6のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、疼痛、特に神経因性疼痛、糖尿病性ニューロパチー、統合失調症及び統合失調症に関連する認知若しくは注意欠陥、鬱病の治療、予防、又は緩和のために、並びに禁煙の達成を補助するために使用される。
【0080】
第7のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、常習性物質、特に、タバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、及びモルヒネなどのオピオイド、大麻、ベンゾジアゼピン、ベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールの使用の停止によって引き起こされる乱用傾向及び離脱症状の治療のために使用される。
【0081】
第8のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、不安神経症、認知障害、学習障害、記憶欠損及び機能障害、ダウン症候群、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害(ADHD)、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドゥラトゥレット症候群、精神障害、鬱病、躁病、躁鬱病、統合失調症、強迫性障害(OCD)、パニック障害、神経性食欲不振症、過食症、及び肥満症などの摂食障害、過眠症、侵害受容、エイズ認知症、老人性認知症、末梢性ニューロパチー、自閉症、読字障害、遅発性ジスキネジア、運動過多症、癲癇、過食症、心的外傷後症候群、社会恐怖症、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、黄体期後期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛狂、並びに時差ボケの治療のために使用される。
【0082】
第9のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、認知障害、精神障害、統合失調症、及び/又は鬱病の治療のために使用される。
【0083】
第10のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、痙攣性疾患、狭心症、早期分娩、痙攣、下痢、喘息、癲癇、遅発性ジスキネジア、運動過多症、早漏、及び勃起困難を含む、平滑筋収縮に関連する疾患、障害、又は状態の治療のために使用される。
【0084】
第11のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、甲状腺中毒症、褐色細胞腫、高血圧、及び不整脈などの内分泌性障害の治療のために使用される。
【0085】
第12のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、一過性無酸素症及び誘発性神経変性を含む、神経変性障害の治療のために使用される。
【0086】
第13のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、ニキビ及び酒さなどの炎症性皮膚障害、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、並びに下痢を含む、炎症性疾患、障害、又は状態の治療のために使用される。
【0087】
第14のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、片頭痛によって引き起こされる疼痛、術後疼痛、及び幻肢痛ばかりでなく、疼痛、軽度、中程度、若しくは強度の疼痛、又は急性、慢性、若しくは反復性の疼痛の治療のために使用される。疼痛は特に、神経因性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛、糖尿病性ニューロパチーに、ヘルペス後神経痛に、若しくは末梢神経損傷に関連する疼痛であってよい。
【0088】
最後に、最も好ましい実施形態において、本発明の化合物は、鬱病、認知、認知症、肥満症の治療、又はニコチン中毒によって引き起こされる乱用傾向及び離脱症状に関連する治療に有用であり得る。
【0089】
本文脈において、「治療」は、自発的に常習性物質の摂取量を減らす結果となる治療ばかりでなく、乱用傾向及び離脱症状及び禁断の治療、予防、予防薬、及び緩和を包含する。
【0090】
別の態様において、本発明の化合物は、診断薬として、例えば様々な組織におけるニコチン性受容体の同定及び局在化のために使用される。
【0091】
医薬組成物
別の態様において、本発明は、治療有効量の本発明のトリアゾール誘導体、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、プロドラッグ、又はその薬学的に許容される添加塩を含む、新規の医薬組成物を提供する。
【0092】
治療における使用のための本発明の化合物は、原料化合物の形態で投与されてもよい一方で、1又は複数種のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又はその他の通例の薬学的補助剤と一緒に、医薬組成物中に、場合によって生理学的に許容される塩の形態で、有効成分を導入することが好ましい。
【0093】
好ましい実施形態において、本発明は、本発明のトリアゾール誘導体、又はその薬学的に許容される塩若しくは誘導体を、1又は複数種のその薬学的に許容される担体と一緒に含み、当技術分野において知られ、使用されている、その他の治療用及び/又は予防用の成分を場合によって含む、医薬組成物を提供する。担体(単数又は複数)は、製剤のその他の成分と両立し、その投与を受ける者にとって有害ではないという意味において、「許容」されなければならない。
【0094】
本発明の医薬組成物は、所望の治療に適する任意の好都合な経路によって投与されてよい。好ましい投与経路は、特に錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末、又は液体の形態での経口投与、及び特に皮膚、皮下、筋肉内、又は静脈内への注射での非経口投与を含む。本発明の医薬組成物は、標準的な方法、及び所望の製剤に適切な従来の技術の使用によって、当業者によって製造することができる。所望の場合、有効成分を徐放させるのに適応する組成物を、使用してよい。
【0095】
好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物がニコチン中毒によって引き起こされる乱用傾向及び離脱症状を有する患者を治療することが意図される場合、ガム、パッチ、スプレー、吸入器、エアロゾル等などの製剤が、考えられる。
【0096】
製剤及び投与のための技術に関するさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版に見つけられ得る。
【0097】
実際の用量は、治療される疾患の性質及び重篤度に依り、医師の裁量の範囲内であり、所望の治療効果を生むための、本発明の特定の状況への投薬の用量設定によって、変化し得る。しかし、1回分に付き、有効成分約0.1から約500mg、好ましくは約1から約100mg、最も好ましくは約1から約10mgを有する医薬組成物が、治療処置に適切であると、現在考えられている。
【0098】
有効成分は、1日に付き1又は数回分で、投与されてよい。場合によっては、0.1μg/kg i.v.及び1μg/kg p.o.程の低い用量で満足な結果を得ることができる。用量範囲の上限は、約10mg/kg i.v.及び100mg/kg p.o.であると、現在考えられている。好ましい範囲は、約0.1μg/kgから約10mg/kg/日i.v.及び約1μg/kgから約100mg/kg/日p.o.である。
【0099】
治療法
本発明のトリアゾール誘導体は、貴重なニコチン性及びモノアミン受容体モジュレーターであり、したがってnAChRモジュレーターの作用に応答性の様々な疾患ばかりでなく、コリン作動性機能不全に関る様々な病気の治療に有用である。
【0100】
別の態様において、本発明は、ヒトを含む動物生体の疾患又は障害又は状態の治療、予防、又は緩和のための方法を提供し、その疾患、障害、又は状態は、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性であり、その方法は、有効量の本発明のトリアゾール誘導体を、それを必要とするヒトを含む、かかる動物生体に投与することを含む。
【0101】
本発明の文脈において、用語「治療」は、治療、予防、予防薬、又は緩和を包含し、用語「疾患」は、疾病、疾患、障害、及び問題の疾患に関連する症状を包含する。
【0102】
本発明によって考えられる好ましい適応症は、上に述べられたものである。
【0103】
適切な用量範囲は、通例通り、正確な投与方法、投与される形態、投与が目的とする適応症、関る対象、関る対象の体重、並びに、さらに、担当医師又は獣医の選択及び経験に依って、1日0.1から1000ミリグラム、1日10〜500ミリグラム、及び特に1日30〜100ミリグラムであると、現在考えられている。
【0104】
場合によっては、満足な結果は、0.005mg/kg i.v.及び0.01mg/kg p.o.などの低い用量で得ることができる。用量範囲の上限は、約10mg/kg i.v.及び100mg/kg p.o.である。好ましい範囲は、約0.001から約1mg/kg i.v.及び約0.1から約10mg/kg p.o.である。
【実施例】
【0105】
本発明はさらに、以下の実施例を参照して説明され、請求される通りの本発明の範囲をいずれの方法においても制限されることを意図しない。
【0106】
調製例
(実施例1)
3−トリメチルシランエチルニル−ベンゾニトリル(中間化合物)
【化3】

【0107】
テトラヒドロフラン(50mL)を、3−ブロモベンゾニトリル(2g、10.9mmol)、トリフェニルホスフィン(0.3g、1.1mmol)、ヨウ化第一銅(0.21g、1.1mmol)、及びパラジウム(II)(ビストリフェニルホスフィン)ジクロリドの混合物へ添加し、その混合物を脱気した。トリエチルアミン(3.0mL、21.8mmol)を添加し、その混合物を、10分間、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。15分過ぎてから、トリメチルシリルアセチレン(1.4g、14.1mmol)を滴状で添加した。反応混合物を、一晩、室温で攪拌した。
【0108】
出発物質は何も残らなかった。減圧下、混合物を濃縮し、残留物をヘキサン(50mL)へ添加し、濾過した。濾過物を水で洗浄し、茶色の固体になるまで蒸発させた。収量1.9g(89%)。
【0109】
3−エチルニル−ベンゾニトリル(中間化合物)
【化4】

【0110】
炭酸カリウム(1.3g、9.4mmol)を、メタノール(50mL)に溶解した3−トリメチルシランエチルニル−ベンゾニトリル(1.9g、9.4mmol)の溶液へ添加した。反応混合物を、27時間、室温で攪拌し、濾過した。濾過物をメタノールで洗浄し、黒色のゴム質になるまで蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解し、有機層を、水、かん水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。生成物を、ヘキサン中18%の酢酸エチルで溶出して、シリカゲル(高さ10cm、直径2cm)のカラムクロマトグラフィーによって単離した。生成物画分を茶色の固体になるまで、真空下で蒸発させた。収量0.7g(59%)。
【0111】
3−アジド−ベンゾニトリル(中間化合物)の合成
【化5】

【0112】
水(40mL)中の3−アミノベンゾニトリル(3g、25.1mmol)を、反応混合物が5℃より低くなる速度で、濃縮塩酸(10mL)へ添加した。亜硝酸ナトリウム(1.9g、28mmol)を添加した。反応混合物を、0〜5℃で30分間、攪拌した。水(10mL)中のアジ化ナトリウム(1.8g、28mmol)を一滴ずつ添加した。固体が沈殿し、反応混合物をジエチルエーテル(100mL)へ添加した。相が分離し、水相をジエチルエーテルで抽出した。有機相を混合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、茶色の固体になるまで蒸発させた。溶出剤としてヘキサン/酢酸エチル(7/3)を使用して、シリカゲル(高さ20cm、直径5cm)のカラムクロマトグラフィーによって、生成物を単離した。生成物画分の蒸発によって、白色の固体を得た。収量2.1g(58%)。
【0113】
3−アジドピリジン(中間化合物)
【化6】

【0114】
硫酸銅(0.13g、0.8mmol)を、水(10mL)及びメタノール(5mL)の混合物中にピリジン−3−ボロン酸の溶液へ添加した。10分後、アジ化ナトリウム(0.6g、8.9mmol)を添加した。反応混合物を、1時間、室温で攪拌し、真空下で濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、濾過した。濾過物を、水、かん水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。濾過物を濃縮して、黒色の固体を産出した。生成物を、ヘキサン中5%の酢酸エチルで溶出して、シリカゲル(60〜120メッシュ)(高さ15cm、直径3cm)のカラムクロマトグラフィーによって単離した。生成物画分を蒸発させて、オフホワイトの固体を生成した。収量0.7g(84%)。
【0115】
3−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ベンゾニトリル(化合物1A)
【化7】

【0116】
3−エチニルピリジンを、メタノール及び水の混合物中に3−アジド−ベンゾニトリルの懸濁液へ添加した。混合物を5分間攪拌し、L−アスコルビン酸ナトリウム塩(1.2g、6.2)、硫酸銅(0.02g、0.1mmol)、及びトリエチルアミン(2.9mL、20.8mmol)を添加した。反応混合物を、一晩、室温で攪拌し、真空下で濃縮した。残留物を冷水に添加し、固体が沈殿し、濾過によって単離されて、茶色の固体を生成した。生成物を、ジクロロメタン/メタノール(9/1)で溶出して、シリカゲル(高さ20cm、直径4cm)の固体クロマトグラフィーによって単離し、生成物画分を真空下で蒸発させて、オフホワイトの固体を生成した。収量1.4g(54%)。融点214〜216℃。[M+H]のLC−ESI−HRMSは、248.0946Daを示す。計算値248.09362Da、偏差4ppm。
【0117】
これらと同様に、以下の化合物を合成した。
5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フラン−2−カルボン酸メチルエステル(中間化合物)
3−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン(化合物1B)
融点217〜219℃。
3−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ベンゾニトリル(化合物1C)
[M+H]のLC−ESI−HRMSは、248.0935Daを示す。計算値248.09362Da、偏差−0.5ppm。
3−(3−シアノフェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ベンゾニトリル(化合物1D)
[M+H]のLC−ESI−HRMSは、272.0935Daを示す。計算値272.093075Da、偏差1.6ppm。融点214.4〜217.3℃。
3−[4−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ピリジン(化合物1E)
[M+H]のLC−ESI−HRMSは、275.0494Daを示す。計算値275.049432Da、偏差−0.1ppm。融点94〜95.2℃。
3−[1−(3−クロロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン(化合物1F)
[M+H]のLC−ESI−HRMSは、257.05898Daを示す。計算値257.058854Da、偏差0.5ppm。融点170〜171℃。
2−クロロ−5−[4−(3−イソシアノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ピリジン(化合物1G)
[M+H]のLC−ESI−HRMSは、282.0539Daを示す。計算値282.054103Da、偏差−0.7ppm。融点.202.2〜203.6℃。
3−[4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ベンゾニトリル(化合物1H)
[M+H]のLC−ESI−HRMSは、282.0536Daを示す。計算値282.054103Da、偏差−1.8ppm。融点.219.3〜220℃。
3−[1−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン(化合物1I)
[M+H]のLC−ESI−HRMSは、275.04879Daを示す。計算値275.049432Da、偏差−2.3ppm。融点94.5〜97.1℃。
3−[4−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ベンゾニトリル(化合物1J)
[M+H]のLC−ESI−HRMSは、282.053Daを示す。計算値282.054103Da、偏差−3.9ppm。融点181〜182.6℃。
2−クロロ−3−[4−(3−イソシアノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ピリジン(化合物1K)
[M+H]のLC−ESI−HRMSは、282.05403Daを示す。計算値282.054103Da、偏差−0.3ppm。融点184〜185℃。
3−フルオロ−5−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン(化合物1L)
融点190.2〜191.6℃。
2−フルオロ−5−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン(化合物1M)
融点187〜188.7℃。
2−メトキシ−5−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン(化合物1N)
融点205.6〜206.9℃。
3−フルオロ−5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ピリジン(化合物1O)
融点190.6〜191.7℃。
2−フルオロ−5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ピリジン(化合物1P)
融点221.3〜222.6℃。
3−ブロモ−5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ピリジン(化合物1Q)
融点226.2〜227.8℃。
3−[1−(3−フルオロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン(化合物1R)
融点156.3〜158.2℃。
3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン(化合物1S)
融点179.9〜190.9℃。
【0118】
(実施例2)
5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フラン−2−カルボン酸(中間化合物)
【化8】

【0119】
0℃で、水酸化カリウム(0.15g、2.8mmol)を、テトラヒドロフラン/水(1/1)中に5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フラン−2−カルボン酸メチルエステル(0.75g、2.8mmol)の溶液へ添加した。反応混合物を、2時間、室温で攪拌した。pHが5から6の間になるまで、塩酸(1.5N)を添加し、形成された固体を、濾過によって単離した。白色の固体を、真空で乾燥した。収量0.66g(92%)。
【0120】
5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フラン−2−カルボン酸アミド(中間化合物)
【化9】

【0121】
5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フラン−2−カルボン酸(0.65g、2.5mmol)を、塩化オキサリル(10mL、118mmol)へ添加し、混合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(20μL、0.25mmol)へ添加した。反応混合物を、一晩、45℃で攪拌した。
【0122】
反応混合物を濃縮して、塩化オキサリルを除去し、残留物をテトラヒドロフランに溶解した。アンモニア水溶液(25%)を添加し、反応混合物を、一晩、室温で攪拌した。水を反応混合物へ添加し、固体が沈殿し、これを濾過よって単離し、水で洗浄し、真空で乾燥して、オフホワイトの固体を生成した。収量0.61g(95%)。
【0123】
5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フラン−2−カルボニトリル(化合物2A)
【化10】

【0124】
ピリジン(0.38mL、4.7mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中に5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フラン−2−カルボン酸アミド(0.6g、2.4mmol)の懸濁液へ添加し、混合物を0℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1g、5.9mmol)を添加し、反応混合物を、一晩、室温で攪拌した。
【0125】
反応混合物を、氷/水の混合物へ添加し、ジクロロメタン(150mL、3回)で抽出した。有機相を水(50mL)、かん水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮して、茶色のゴム質を生成した。生成物を、クロロホルム/メタノール(9/1)で溶出して、シリカゲル(高さ7cm、直径2cm)のカラムクロマトグラフィーによって単離した。生成物画分を蒸発させて、茶色の固体を生成した。収量0.023g(4%)。[M+H]のLC−ESI−HRMSは、238.0726Daを示す。計算値238.07234Da、偏差1.1ppm。
【0126】
(実施例3)
生物活性
FLIPRを用いたhα4β2の正のアロステリックモジュレーターの特性評価
この実験は、ヒトニコチン性アセチルコリン受容体サブタイプa4b2を安定的に発現するヒトHEK−293細胞において、様々なニコチン濃度(0.1nM〜100mM)によって誘発される応答に正の調節を行う、本発明を代表する化合物(すなわち化合物1及び2)の調節活性を示す。モジュレーター活性は、さらに詳細を下に述べる通り、蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)を使用して、蛍光ベースのアッセイとして、測定される。
【0127】
ニコチン+/−試験化合物の完全な濃度応答曲線が生成され、デルタpEC50値は、ニコチン+/−試験化合物のためのEC50値に基づいて算出される。EC50値(有効濃度50%)は、ニコチン濃度を表わし、この値で、ニコチン誘発応答は、最大ニコチン誘発応答の50%である。
【0128】
本発明の好ましい化合物は、ニコチンのみと比較して、試験化合物の10μMの存在で、1より大きいデルタpEC50値として測定された活性を示す。
【0129】
この実験の結果を下の表1に提示する。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


によって表わされるトリアゾール誘導体、
立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される添加塩(式中、
A及びBの1つは、フェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよく、
A及びBのもう1つは、ピリジニル又はフラニル基を表わし、そのピリジニル及びフラニルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい)。
【請求項2】
式中、A及びBの1つが、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されるピリジニル基を表わし、
A及びBのもう1つが、フェニル、ピリジニル、又はフラニル基を表わし、そのフェニル、ピリジニル、及びフラニルが、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、及びニトロから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換されてよい、請求項1に記載のトリアゾール誘導体、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される添加塩。
【請求項3】
式中、A及びBの両方が、ピリジニル又はフラニル基を表わし、そのピリジニル及びフラニルが、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、及びアルコキシから選択される置換基で、1又は複数回、場合によって置換される、請求項1に記載のトリアゾール誘導体、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される添加塩。
【請求項4】
3−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ベンゾニトリル;
3−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン;
3−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ベンゾニトリル;
5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−フラン−2−カルボニトリル;
3−(3−シアノフェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ベンゾニトリル;
3−[4−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ピリジン;
3−[1−(3−クロロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン;
2−クロロ−5−[4−(3−イソシアノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ピリジン;
3−[4−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ベンゾニトリル;
3−[1−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン;
3−[4−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ベンゾニトリル;
2−クロロ−3−[4−(3−イソシアノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イル]−ピリジン;
3−フルオロ−5−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン;
2−フルオロ−5−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン;
2−メトキシ−5−(1−ピリジン−3−イル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン;
3−フルオロ−5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ピリジン;
2−フルオロ−5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ピリジン;
3−ブロモ−5−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−ピリジン;
3−[1−(3−フルオロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン;又は
3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−ピリジン;
である、請求項1に記載のトリアゾール誘導体化合物、
立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される添加塩。
【請求項5】
少なくとも1種の薬学的に許容される担体又は希釈剤と一緒に、治療有効量の請求項1から4までのいずれか一項に記載のトリアゾール誘導体、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される添加塩を含む、医薬組成物。
【請求項6】
薬剤としての使用のための、請求項1から4までのいずれか一項に記載のトリアゾール誘導体、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
コリン作動性受容体の調節に応答性である、ヒトを含む哺乳類の疾患又は障害又は状態の治療、予防、又は緩和のための医薬組成物/薬剤の製造のための請求項1から4までのいずれか一項に記載のトリアゾール誘導体、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される添加塩の使用。
【請求項8】
疾患、障害、又は状態が、認知障害、学習障害、記憶欠損及び機能障害、ダウン症候群、アルツハイマー病、注意欠陥、注意欠陥多動性障害(ADHD)、トゥレット症候群、精神障害、鬱病、双極性障害、躁病、躁鬱病、統合失調症、統合失調症に関連する認知若しくは注意欠陥、強迫性障害(OCD)、パニック障害、神経性食欲不振症、過食症、及び肥満症などの摂食障害、過眠症、侵害受容、エイズ認知症、老人性認知症、自閉症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、不安神経症、非OCD不安障害、痙攣性疾患、痙攣、癲癇、神経変性障害、一過性無酸素症、誘発性神経変性、ニューロパチー、糖尿病性ニューロパチー、末梢性読字障害、遅発性ジスキネジア、運動過多症、疼痛、軽度の疼痛、中程度の若しくは強度の疼痛、急性、慢性、若しくは反復性の疼痛、片頭痛によって引き起こされる疼痛、術後疼痛、幻肢痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性頭痛、中枢性疼痛、糖尿病性ニューロパチーに、ヘルペス後神経痛に、若しくは末梢神経損傷に関連する疼痛、過食症、心的外傷後症候群、社会恐怖症、睡眠障害、仮性認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、黄体期後期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛狂、時差ボケ、不整脈、平滑筋収縮、狭心症、早期分娩、下痢、喘息、遅発性ジスキネジア、運動過多症、早漏、勃起困難、高血圧、炎症性障害、炎症性皮膚障害、ニキビ、酒さ、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、下痢、又は、タバコなどのニコチン含有製品、ヘロイン、コカイン、及びモルヒネなどのオピオイド、大麻、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、並びにアルコールを含む、常習性物質の使用の停止によって引き起こされる乱用傾向及び離脱症状である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
ヒトを含む動物生体の疾患又は障害又は状態の治療、予防、又は緩和の方法であって、その障害、疾患、又は状態が、コリン作動性受容体の調節に応答性であり、その方法が、治療有効量の請求項1から4までのいずれか一項に記載のトリアゾール誘導体、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその薬学的に許容される添加塩を、それを必要とするかかる動物生体へ投与するステップを含む上記方法。

【公表番号】特表2012−501317(P2012−501317A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524414(P2011−524414)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061262
【国際公開番号】WO2010/026134
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】