説明

トロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法およびトロイダル無段変速機のディスクの研磨装置

【課題】ディスクの加工を精度良く行うことができると共に、ディスクを量産できるトロイダル型無段変速機のディスクの研磨装置および研磨方法を提供すること。
【解決手段】第1ディスク10の被研磨軌道面41と、第2ディスク11の被研磨軌道面42との間に第1砥石1を挟持した状態で、第1ディスク10と第2ディスク11とを同時で回転させて、第1ディスク10の被研磨軌道面41と、第2ディスク11の被研磨軌道面42とを同時に研磨する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法およびトロイダル無段変速機のディスクの研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法としては、特開2008−68362号公報(特許文献1)に記載されているものがある。このトロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法は、先端が断面略円弧状である一方、基部が断面矩形の砥石を使用している。そして、一枚のディスクを回転テーブルに装着して回転させ、上記砥石の基部をつかんで揺動させて、その砥石の断面略円弧状の先端面によって、回転しているディスクの被研磨軌道面を研磨するようにしている。
【0003】
このトロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法は、一枚の回転しているディスクの軌道面を、その軌道面に沿った略円弧状の砥石の先端面で研磨するから、精度良く研磨できるという長所を有している。
【0004】
しかしながら、上記従来のトロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法は、一枚のディスクの軌道面を精度良く加工できるけれども、ディスクを一枚毎に回転テーブルに装着し、ディスクを一枚毎に研磨加工しなければならないため、トロイダル型無段変速機のディスクを研磨する際の工数が多くなって、生産性が低いという問題がある。また、ディスク毎に軌道面精度の若干のばらつきが存在する場合、2枚のディスクを組み合わせて使用する際にこのばらつきによって回転ぶれが発生し、振動に悪影響を及ぼす可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−68362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、加工精度が高い上に、多数のディスクを研磨する際の工数が少なく、かつ、生産性が高いトロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法およびトロイダル型無段変速機のディスクの研磨装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この発明のトロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法は、
少なくとも一つの断面弧状の研磨面を有する第1研磨部材と、被研磨軌道面を有する環状の第1ディスクと、被研磨軌道面を有する環状の第2ディスクとを用意し、
上記第1ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面とを互いに対向させて配置すると共に、上記第1研磨部材を、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面との間に位置させ、
その後、上記第1ディスクおよび第2ディスクを同時に回転させて、上記第1研磨部材の上記研磨面で、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面とを同時に研磨することを特徴としている。
【0008】
尚、断面弧状の研磨面は、球状の研磨部材の表面のように、一体連続であっても良いし、または、離散的に存在する複数の断面弧状の部分からなっていても良い。
【0009】
本発明によれば、第1研磨部材の断面弧状の研磨面で、第1ディスクの被研磨軌道面と、第2ディスクの被研磨軌道面とを、同時に研磨することができる。したがって、従来のディスク毎に研磨する方法と比較して、複数のディスクを同時に研磨できて、多数のディスクを研磨する際の工数を格段に低減でき、生産性を格段に向上させることができる。
【0010】
また、本発明によれば、第1ディスクおよび第2ディスクが回転している状態で、断面弧状の第1研磨部材の研磨面で、第1ディスクおよび第2ディスクの被研磨軌道面を研磨するようになっているから、第1ディスクおよび第2ディスクの被研磨軌道面を精密に研磨することができる。また、相対する2枚のディスクを同時に同じ砥石にて加工することによって、ピッチ径や軌道曲率半径等の精度をより近づけることが可能となる。
【0011】
また、一実施形態では、
上記第1研磨部材は、一方向に延在して、その一方向の両端に研磨面を有し、
上記第1ディスクおよび上記第2ディスクを、同軸上に配置し、
上記第1研磨部材の一端の研磨面が、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面に沿って移動すると共に、上記第1砥石部材の他端の研磨面が、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面に沿って移動するように、上記第1研磨部材の中央部を支持して揺動させる。
【0012】
上記実施形態によれば、第1,第2ディスクの被研磨軌道面が回転するのと同時に、第1研磨部材の断面弧状の研磨面が、第1,第2ディスクの被研磨軌道面に沿うように、第1ディスクの径方向に揺動するから、第1,第2ディスクの被研磨軌道面を、第1,第2ディスクの周方向に精密に研磨できると同時に、第1,第2ディスクの径方向に精密に研磨できる。したがって、第1,第2ディスクの被研磨軌道面の加工精度を近づけることによって、性能の向上が期待できる。
【0013】
また、一実施形態では、
少なくとも一つの断面弧状の研磨面を有する第2研磨部材と、被研磨軌道面を有する環状の第3ディスクと、被研磨軌道面を有する環状の第4ディスクとを用意し、
上記第1ディスクと、上記第2ディスクと、上記第3ディスクと、上記第4ディスクとを同軸上に配置し、
上記第3ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第4ディスクの上記被研磨軌道面とを互いに対向させて配置すると共に、上記第2研磨部材を、上記第3ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第4ディスクの上記被研磨軌道面との間に位置させ、
上記第1ディスクおよび上記第2ディスクを回転させると同時に、上記第3ディスクおよび上記第4ディスクを同時に回転させて、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面および上記第2ディスクの上記被研磨軌道面を上記第1研磨部材の上記研磨面で同時に研磨すると共に、上記第3ディスクの上記被研磨軌道面および上記第4ディスクの上記被研磨軌道面を上記第2研磨部材の上記研磨面で同時に研磨する。
【0014】
上記実施形態によれば、4枚のディスクの被研磨軌道面を同時に研磨することができるから、ディスクを一枚ごとに研磨する方法と比較して、サイクルタイムを更に格段に短縮することができて、生産性を更に格段に向上させることができる。
【0015】
また、本発明のトロイダル型無段変速機のディスクの研磨装置は、
断面弧状の研磨面を有する研磨部材と、
被研磨軌道面を有する環状の第1ディスクの貫通穴と、被研磨軌道面を有する環状の第2ディスクの貫通穴とに挿通されて、上記第1ディスクと上記第2ディスクとを同軸上に位置させる軸部材と、
上記第1ディスクと、上記第2ディスクとの間に予圧を付与することによって、上記研磨部材の上記研磨面を、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面とに接触させる予圧付与機構と、
上記第1ディスクと上記第2ディスクとを同時に回動させるディスク回転機構と
を備えることを特徴としている。
【0016】
本発明によれば、予圧付与機構で、上記研磨部材の上記研磨面を、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面とに接触させた後、ディスク回転機構を駆動して、第1ディスクと、第2ディスクとを同時に回転させることによって、研磨部材の研磨面で、第1ディスクの上記被研磨軌道面と、第2ディスクの上記被研磨軌道面とを、同時に研磨することができる。
【0017】
したがって、従来のディスク毎に研磨する方法と比較して、複数のディスクを同時に研磨できて、多数のディスクを研磨する際の工数を格段に低減でき、生産性を格段に向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のトロイダル型無段変速機のディスクの研磨装置および研磨方法によれば、多数のディスクを研磨する際の工数を低減でき、かつ、生産性を格段に向上させることができる。また、相対する2枚のディスクを同時に同じ砥石にて加工することによって、ピッチ径や軌道曲率半径等の精度をより近づけることが可能となる。
【0019】
また、本発明のトロイダル型無段変速機のディスクの研磨装置および研磨方法によれば、問題がない加工精度を確保することができ、特に、研磨部材の断面弧状の研磨面がディスクの径方向に揺動する場合には、加工精度を近づけることによって、性能の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態のトロイダル型無段変速機のディスクの研磨装置を示す模式図である。
【図2】第1砥石を揺動させる揺動機構を模式的に示す図である。
【図3】この発明で採用できる他の形状の研磨部材を示す図2に対応する図である
【図4】この発明で採用できる他の形状の研磨部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態のトロイダル型無段変速機のディスクの研磨装置を示す模式図である。
【0023】
このトロイダル型無段変速機のディスクの研磨装置(以下、単に研磨装置という)は、二つの第1砥石1と、二つの第2砥石2と、軸部材としての回転軸3と、第1モータ4と、第2モータ5と、第1ナット6と、第2ナット7と、外歯歯車8と、歯付ベルト9と、第1転がり軸受37と、第2転がり軸受38と、四つの揺動機構(図1では、図示せず)とを備える。上記第1ナット6および第2ナット7は、予圧付与機構を構成している。
【0024】
上記第1砥石1および第2砥石2の夫々は、超仕上用砥石である。上記第1砥石1は、第1研磨部材を構成し、第2砥石2は、第2研磨部材を構成している。上記二つの第1砥石1は、略同一であり、二つの第2砥石2も、略同一である。また、上記第1砥石1は、第2砥石2と、略同一である。
【0025】
上記第1砥石1は、一方向に延在している。上記第1砥石1は、断面弧状の研磨面を有している。詳しくは、上記各第1砥石1は、板形状を有する。上記第1砥石1は、二つの直線と、二つの円弧とで囲まれた表面形状を有する。上記二つの直線は、互いに平行で同一の長さを有する。上記二つの直線の夫々は、第1砥石1の延在方向である上記一方向に延在している。また、上記二つの円弧は、略同一の形状であり、上記一方向に互いに対向するように配置されている。上記表面形状は、上記二つの直線の一方の垂直二等分線に対して略線対称な形状をしている。上記第1砥石1は、断面弧状の第1研磨面30と、断面弧状の第2研磨面31とを有する。上記第1研磨面30は、第1砥石1の上記一方向の一端部に存在し、第2研磨面31は、第1砥石1の上記一方向の他端部に存在している。
【0026】
上記回転軸3は、第1雄ねじ部70と、第2雄ねじ部71と、第1スプライン部81と、第2スプライン部82とを有し、第1雄ねじ部70は、回転軸3の軸方向の一端部に存在する一方、第2雄ねじ部71は、回転軸3の軸方向の他端部に存在している。上記第1スプライン部81は、第1雄ねじ部70の第2雄ねじ部71側に、第1雄ねじ部70に隣接して存在している。上記第2スプライン部82は、第2雄ねじ部71の第1雄ねじ部70側に、第2雄ねじ部71に隣接して存在している。
【0027】
上記第1スプライン部81の谷部の外径は、第1雄ねじ部70の最大外径よりも大きくなっている。また、上記第2スプライン部82の谷部の外径は、第2雄ねじ部71の最大外径よりも大きくなっている。上記回転軸3は、図示しない軸受等によって、三次元上の所定の位置に、位置決めされている。
【0028】
上記第1転がり軸受37および第2転がり軸受38の夫々は、回転軸3の外周面の軸方向の中央抜に締まり嵌めにより、外嵌されて固定されている。上記第1転がり軸受37と、第2転がり軸受38とは、軸方向の隙間がない状態で、軸方向に隣接されて、配置されている。上記第1転がり軸受37は、第2転がり軸受38よりも軸方向の第1雄ねじ部70側に配置されている。
【0029】
上記第1モータ4は、回転軸3を回転駆動するようになっている。上記外歯歯車8は、円筒内周面と、外歯を有する外周面とを有している。上記外歯歯車8の円筒内周面は、第1転がり軸受37の外周面と、第2転がり軸受38の外周面とに跨った状態で、それら二つの外周面に外嵌されて固定されている。上記歯付ベルト9は、外歯歯車8に噛合するようになっている。また、上記第2モータ5は、歯付ベルト9を回動させることによって、外歯歯車8を回動させるようになっている。
【0030】
上記回転軸3、第1モータ4、回転軸3の第1スプライン部81、回転軸3の第2スプライン部82、第2モータ5、第1転がり軸受37、第2転がり軸受38、外歯歯車8および歯付ベルト9は、ディスク回転機構を構成している。
【0031】
上記第1ナット6および第2ナット7の夫々は、雌ねじ部を有している。上記第1ナット6の雌ねじ部は、回転軸3の第1雄ねじ部70に螺合するようになっている一方、第2ナット7の雌ねじ部は、回転軸3の第2雄ねじ部71に螺合するようになっている。
【0032】
この研磨装置は、例えば、以下の手順で、四つのディスクを、所定位置に位置決めして、同時に研磨するようになっている。
【0033】
先ず、研磨すべき四つのディスクである、環状の第1ディスク10、環状の第2ディスク11、環状の第3ディスク12および環状の第4ディスク13を用意する。ここで、上記第1ディスク10は、その貫通穴の内周面に雌のスプラインを有し、また、第4ディスク13も、その貫通穴の内周面に雌のスプラインを有している。
【0034】
次に、上記第2ディスク11の被研磨軌道面42が第1雄ねじ部70側に向いている姿勢で、第2ディスク11を、回転軸3の軸方向の一方側から回転軸3をくぐらせて、第2ディスク11の貫通穴の内周面を、第1転がり軸受37の外周面に外嵌して固定する。また、上記第3ディスク12の被研磨軌道面43が第2雄ねじ部71側に向いている姿勢で、第3ディスク12を、回転軸3の軸方向の他方側から回転軸3をくぐらせて、第3ディスク12の貫通穴の内周面を、第2転がり軸受38の外周面に外嵌して固定する。
【0035】
続いて、各第1砥石1と、各第2砥石2とを、伸縮機構により、図1の紙面に垂直な方向に移動させて、各第1砥石1の第1研磨面31を、第2ディスク11の被研磨軌道面42に近接して配置すると共に、各第2砥石2の第1研磨面32を、第3ディスク12の被研磨軌道面43に近接して配置する。尚、上記伸縮機構は、例えば、シリンダに油を注入したり、シリンダ内の油を抜いたりして、シリンダのピストンを伸縮させることにより、後述の揺動軸を、伸縮させる構成等がある。
【0036】
その後、上記第1ディスク10を、その被研磨軌道面41を、軸方向の内方側に向けた状態で、回転軸3に外嵌させて、第1ディスク10のスプラインを、回転軸3の第1スプライン部81にスプライン嵌合する。また、同様に、上記第4ディスク13を、その被研磨軌道面44を、軸方向の内方側に向けた状態で、回転軸3に外嵌させて、第4ディスク13のスプラインを、回転軸3の第2スプライン部82にスプライン嵌合する。
【0037】
その後、上記第1ナット6を、皿ばね90を第1ディスク10との間に挟み込んだ状態で第1ディスク10の軸方向の外側から第1雄ねじ部70に螺合して締め付ける。また、上記第2ナット7を、皿ばね91を第4ディスク13との間に挟み込んだ状態で第4ディスク13の軸方向の外側から第2雄ねじ部に螺合して締め付ける。このようにして、各第1砥石1の第2研磨面30が、第1ディスク10の被研磨軌道面41に接触すると共に、各第1砥石1の第1研磨面31が、第2ディスク11の被研磨軌道面42に接触するようにする。また、上記各第2砥石2の第1研磨面32が、第3ディスク12の被研磨軌道面43に接触すると共に、各第2砥石1の第2研磨面33が、第4ディスク13の被研磨軌道面44に接触するようにする。
【0038】
尚、上記第1ナット6および第2ナット7を締め付けた状態で、第2ディスク11の軸方向の被研磨軌道面42側とは反対側の端面51は、第3ディスク12の軸方向の被研磨軌道面43側とは反対側の端面52に当接している。また、この状態で、二つの第1砥石1は、周方向に等間隔に配置され、第2砥石2も、周方向に等間隔に配置されている。また、この状態で、上記第1ディスク10の中心軸、第2ディスク11の中心軸、第3ディスク12の中心軸および第4ディスク13の中心軸は、略同一直線上に位置している。言い換えると、上記第1ディスク10、第2ディスク11、第3ディスク12および第4ディスク13は、略同軸配置されている。
【0039】
その後、図1に示すように、上記外歯歯車8の円筒内周面を、第2ディスク11の外周面と、第3ディスク12の外周面とに跨るように、第2ディスク11の外周面および第3ディスク12の外周面に、外嵌して固定する。
【0040】
その後、上記歯付ベルト9を、外歯歯車8と、第2モータ5のロータに形成した歯部とに噛合する。また、上記第1モータ4のロータを、回転軸3の軸方向の他方側の端部に周知の接続手段に接続して、第1モータ4の回転動力を、回転軸3に伝達できるようにする。
【0041】
このようにして、研磨装置に、上記第1〜第4ディスク10,11,12,13を、設置する。
【0042】
図2は、この研磨装置の揺動機構60を模式的に示す図である。
【0043】
図2に示すように、第1砥石1の揺動機構60は、挟持部61と、揺動軸62と、揺動モータ63とを備える。
【0044】
上記挟持部61は、略コ字状の部分と、第1突出部と、第2突出部とを有する。上記第1突出部は、略コ字状の部分の一端部から他端部側へ突出している一方、上記第2突出部は、略コ字状の部分の他端部から一端部側へ突出している。
【0045】
上記第1砥石1は、第1砥石1の厚さ方向に略垂直な方向に延在する一方側および他方側の表面64,65を有する。上記挟持部61の二つの突出部で、一方側の表面64の中央部および他方側の表面65の中央部を挟み込んで、挟持部61に対して第1砥石1が相対移動しないように(静止するように)している。
【0046】
上記揺動軸62は、挟持部61から延在している。上記揺動軸62は、第1砥石1の平面状の側面67の中央部180からその中央部180の法線方向に延在する仮想直線上に略位置している。上述のように、上記揺動軸62は、図示しない伸縮機構によって、伸縮自在できるようになっている。
【0047】
上記揺動モータ63は、油圧や、電気や、空気等によって、揺動軸62を、図2に矢印Eで示す方向に、時計回りの回転と、反時計回りの回転とが、一定周期で交互に繰り返すように回転させる。そのようにして、第1砥石1の側面67の長手方向が、回転軸3(図1参照)の軸方向に一致している状態を基準として、第1砥石1を、図1に矢印Bで示す第1ディスク10(図1参照)の径方向に、揺動させるようにしている。尚、説明しないが、上記第2砥石2も第1砥石1を揺動させる機構と同一の機構で第1砥石1と同じように揺動され、図1において、矢印Cに示す方向に揺動されるようになっている。
【0048】
上記構成において、この研磨装置は、次のように、4枚のディスク10,11,12,13の被研磨軌道面を研磨するようになっている。
【0049】
先ず、図1を用いた説明の手順で、4枚のディスクを研磨装置に設置する。
【0050】
続いて、第1モータ4と、第2モータ4と、四つの揺動モータ63とを同時に駆動する。このようにして、四つのディスク10,11,12,13を同時に回転させると共に、四つの砥石1,1,2,2を同時に揺動させる。
【0051】
詳しくは、上記第1ディスク10と第4ディスク13とを、回転軸3の回転速度と同じ回転速度で、図1に矢印Dで示す方向に回動すると同時に、第2ディスク11と第3ディスク12とを、外歯歯車8の回転速度と同じ回転速度で回動する。また、四つのディスク10,11,12,13の回転と同時に、四つの砥石1,1,2,2をディスク10,11,12,13の径方向に揺動させる。このようにして、四つのディスク10,11,12,13の被研磨軌道面41,42,43,44(図1参照)を同時に精密に研磨する。
【0052】
上記実施形態の研磨装置、研磨方法によれば、第1砥石1の断面弧状の研磨面30,31で、第1ディスク10の被研磨軌道面41と、第2ディスク11の被研磨軌道面42とを、同時に研磨することができる。したがって、従来のディスク毎に研磨する方法と比較して、多数のディスクを研磨する際の工数を格段に低減でき、生産性を格段に向上させることができる。
【0053】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法によれば、第1ディスク10および第2ディスク11が回転している状態で、断面弧状の第1砥石1の研磨面30,31で、第1ディスク10および第2ディスク11の被研磨軌道面41,42を研磨するようになっているから、第1ディスク10および第2ディスク11の被研磨軌道面41,42を精密に研磨することができる。
【0054】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法によれば、第1,第2ディスク10,11の被研磨軌道面41,42が回転するのと同時に、第1砥石1の断面弧状の研磨面30,31が、第1,第2ディスク10,11の被研磨軌道面41,42に沿うように、第1ディスク10の径方向に揺動するから、第1,第2ディスク10,11の被研磨軌道面41,42を、第1,第2ディスク10,11の周方向に精密に研磨できると同時に、第1,第2ディスク10,11の径方向に精密に研磨できる。したがって、第1,第2ディスク10,11の被研磨軌道面41,42の加工精度を、更に優れたものにすることができる。
【0055】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法によれば、4枚のディスク10,11,12,13の被研磨軌道面40,41,42,43を同時に研磨することができるから、サイクルタイムを更に格段に短縮することができて、生産性を更に格段に向上させることができる。
【0056】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法によれば、四つのディスク10,11,12,13を同時に加工できるから、セット内でのディスクピッチ径や曲率半径Rの問題がない精度を確保できて、ユニットでの加工精度を優れたものにすることができる。
【0057】
また、上記実施形態の研磨装置によれば、トロイダル無段変速機の部品の大部分を援用することができるから、研磨装置の製造コストを格段に低くすることができる。
【0058】
尚、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、四つのディスク10,11,12,13を一直線上に配置して、四つのディスクを同時に研磨したが、この発明の研磨装置、研磨方法では、二つのディスクを、一方のディスクと他方のディスクの被研磨軌道面が対向するように一直線上に配置して、二つの被研磨軌道面を、その二つの被研磨軌道面に挟持された研磨部材で研磨するようにしても良い。
【0059】
また、この発明の研磨装置、研磨方法では、Nを3以上の自然数とするとき、2×上記N個のディスクを、2×上記N個のディスクの2×上記N個の中心軸が略同一直線上に位置している状態で、被研磨軌道面が互いに対向する2つのディスクの対を上記N組形成するように配置すると共に、上記N組の上記対の夫々において上記各対の互いに対向する被研磨軌道面の間に砥石を挟持させ、その後、2×上記N個のディスクを同時に回転させて、2×上記N個のディスクの2×上記N個の被研磨軌道面を同時に研磨しても良い。
【0060】
尚、この研磨装置、研磨方法は、例えば、ディスクと回転軸のスプライン嵌合と、ディスクと回転軸との転がり軸受を介した接続とを交互に行い、転がり軸受を介したディスクを、実施形態で説明したように外歯歯車、歯付ベルトおよびモータで回転すると同時に、回転軸を、モータで回動する等の方法によって実現できる。
【0061】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、互いに対向する二つの被研磨軌道面41,42を、周方向に間隔をおいて配置された二つの第1砥石1で研磨したが、この発明の研磨装置、研磨方法では、互いに対向する二つの被研磨軌道面を、周方向に連続または間隔をおいて配置された三以上の研磨部材で研磨しても良い。
【0062】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、ナット6,7と、ディスク1,4との間には、皿ばね90,91が介在していたが、この発明ではナットと、ディスクとは、接触する構成であっても良い。
【0063】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、砥石1,2を挟んで互いに対向する第1ディスク10および第2ディスク11が、同時に回転したが、この発明では、研磨部材を挟んで互いに対向する二つのディスクは、同じ回転速度で回転しても良く、互いに異なる回転速度で回転しても良い。また、研磨部材を挟んで互いに対向する二つのディスクは、同じ方向に回転しても良く、互いに逆の方向に回転しても良い。
【0064】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、回転軸3と同じ回転速度で、回転軸3と同期回転するディスク10,13を、回転軸3とスプライン嵌合させていたが、この発明では、回転軸と同期回転するディスクを、回転軸と、セレーション嵌合、キー嵌合またはその他の周知の構造で嵌合して、回転軸と同期回転させるようにしても良い。
【0065】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、一部のディスク11,12を、軸受37,38や外歯歯車8等を使用して回動させたが、この発明では、全てのディスクを、スプライン嵌合、レーション嵌合、キー嵌合等で、同時に同じ方向に同じ回転速度(回転軸の回転速度に一致)で回転させるようにしても良い。
【0066】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、回転軸3の軸方向の両端に位置するディスク10,13の間の軸方向の予圧を、第1ナット6と、第2ナット7とで、ディスク10,11,12,13を挟み込むことにより、生成する構成であった。しかしながら、この発明の研磨装置、研磨方法では、例えば、軸方向の両端に位置するディスク間の予圧を、次のような装置、方法で、生成しても良い。
【0067】
例えば、回転軸の軸方向の一方側の端部に、軸方向の一端のディスクの軸方向の外方側の移動を規制するフランジ部を形成する一方、軸方向の他端のディスクを、油圧機構(例えば、特開2008−106787号公報図1〜4参照)や、電動アクチュエータや、コイルばね、つるまきばね、皿ばね等の弾性部材で、軸方向の一方側に付勢する構成であっても良い。また、回転軸の軸方向の一方側の端部に、軸方向の一端のディスクの軸方向の外方側の移動を規制する締結手段(ナット)の雌ねじを、回転軸に形成された雄ねじ固定する一方、軸方向の他端のディスクを、油圧機構や、電動アクチュエータや、コイルばね、つるまきばね、皿ばね等の弾性部材で、軸方向の一方側に付勢する構成であっても良い。要は、一端のディスクと、他端のディスクとの間に所定の予圧を生成できる機構であれば、周知の如何なる機構も、採用されることができる。また、加工は、ディスクの位置が変動しない状態で行っても良く、また、予圧(締め付け具合)を自由に変動させて、各ディスクの相対位置が変動しえる状態で、行っても良い。尚、予圧(締め付け具合)を自由に変動させる機構としては、被製造物であるトロイダル無段変速機で使用可能な油圧チャンバー機構がある。
【0068】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、軸方向に砥石1,2を介在させずに隣接するディスク11,12の軸方向の端面が互いに当接する構成であった。しかしながら、この発明では、回転軸や、回転軸に設置された軸受に、二つの段部を形成して、一方の段部に一方のディスクの軸方向の端面を当接支持する一方、他方の端部に他方のディスクの軸方向の端面を当接支持するようにして、軸方向に研磨部材を介在させずに隣接するディスクを、軸方向に間隔をおいて配置するようにしても良い。
【0069】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、転がり軸受37,38の外輪に、ディスク11,12が直接固定されていたが、この発明では、転がり軸受の外輪と、ディスクとの間に環状部材が存在しても良い。尚、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、ディスク11,12が転がり軸受37,38の外輪に相対回転不可に固定されていたが、その固定方法としては、スプライン嵌合、セレーション嵌合、キー嵌合等を採用できる。
【0070】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、揺動軸62(図2参照)が、挟持部61を介して砥石1に連なる構成であったが、この発明では、揺動軸は、図2に180で示す砥石の側面の中央部から、その中央部の法線方向に延在するように、上記砥石の側面に、埋め込み固定や接着剤等の手段によって固定されていても良い。このようにすると簡易な構成で、砥石を揺動させることができる。
【0071】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、研磨部材である第1,第2砥石1,2が、超仕上用砥石であったが、この発明の研磨装置、研磨方法では、研磨部材は、超仕上用砥石以外の砥石でも良く、砥石でなくても良い。例えば、この発明の研磨装置、研磨方法では、研磨部材として、トロイダル無段変速機のローラと同じ材料からなる研磨部材を使用すると共に、各ディスクの被研磨軌道面にアルミナやダイヤモンドペースト等の研磨剤を塗布して、ディスクの被研磨軌道面の研磨を行っても良い。
【0072】
また、上記実施形態の研磨装置、研磨方法では、図2に示すように、砥石1,2で構成される研磨部材が、板状の形状を有し、板の厚さ方向に垂直な表面(断面)が、二つの直線と、二つの円弧とで囲まれた形状を有していた。しかしながら、この発明の研磨方法、研磨装置では、図2に示す形状以外の形状を有する研磨部材が採用されていても良い。
【0073】
図3は、この発明で採用できる他の形状の研磨部材100を示す図2に対応する図である。尚、図3において、揺動機構60は、図2に示す揺動機構60と同じものである。
【0074】
図3に示す研磨部材100は、製造されるトロイダル無段変速機のローラと略同じ形状をしている。上記研磨部材100の中心軸を含む平面での、研磨部材100の断面形状は、図2に示す砥石1の厚さ方向に垂直な平面での、砥石1の断面形状と同一の形状をしている。この研磨部材100を用いた場合でも、研磨部材100をディスクの径方向に揺動させると共に、対向するディスクを同時に回転させることで、加工を行う。研磨部材100の材質としては、砥石を使用しても、製品のローラと同じ材質を用いても、どちらでも良い。
【0075】
上記研磨部材100として、製品のローラと同じ材質を用いる場合、被研磨軌道面に研磨剤を塗布し、かつ、研磨部材100の曲率半径Rを、ディスクの曲率半径R’に近づけることで、形状崩れを防止することができる。
【0076】
尚、上記研磨部材100の曲率半径Rは、ディスクの曲率半径R’と同じか、または、ディスクの曲率半径R’よりも少し小さいのが好ましい。
【0077】
そして、この砥石からなるか、または、製品のローラと同じ材質を用いる研磨部材100を、本来のローラと同様の運動をさせることで、ディスク加工面を使用時と同じ形状に近づけることができて、個々のディスクの加工精度ばらつきなどを排除することができる。尚、この研磨部材100の場合、研磨部材100に対する揺動機構の挟持部の固定にピボット機構を使用することもできる。
【0078】
図4は、この発明で採用できる他の形状の研磨部材200を示す図である。
【0079】
この研磨部材200は、球形状をしている。この研磨部材200は、揺動させずに、二つのディスクの互いに対向する二つの被研磨軌道面に挟持させて、研磨部材200を自由に転がすようにして、使用することができる。
【0080】
また、互いに対向する二つの被研磨軌道面の周方向に互いに間隔をおいて三つ以上配置すると、被研磨軌道面に研磨の際に与えられる予圧に周方向のばらつきが生じることを抑制できて、研磨を軌道面の周方向に均一に行うことができる。
【0081】
上記研磨部材200は、砥石で構成することも、硬球で構成することもできるが、研磨部材200を硬球で構成した場合、被研磨軌道面に研磨剤を塗布して加工を行う。このようにすると、軌道面の鏡面仕上げを行うことができる。
【0082】
尚、この研磨装置、研磨方法は、ディスクの軌道面の超仕上げ工程や、鏡面仕上げ等を行う超超仕上げ工程で使用されると好ましい。しかしながら、この発明の研磨装置、研磨方法は、軌道面を大雑把に成形する荒研磨工程でも使用することができる。
【0083】
この研磨装置、研磨方法は、例えば、次のようにして、荒研磨加工で使用する。
【0084】
先ず、使用研磨部材として、荒研磨用の球状の砥石を二つ用意すると共に、上記荒研磨用の球状の砥石と同じ大きさおよび同じ形状を有するダミーとしての球を四つ用意する。
【0085】
そして、図1に示す装置で、揺動機構を省略して、荒研磨前の第1ディスクの被研磨軌道面と、荒研磨前の第2ディスクの被研磨軌道面との間に、上記荒研磨用の球状の砥石一つと、ダミー球二つを挟持すると共に、荒研磨前の第3ディスクの被研磨軌道面と、荒研磨前の第4ディスクの被研磨軌道面との間に、上記荒研磨用の球状の砥石一つと、ダミー球二つを挟持する(尚、各対向するディスクに挟持されるダミー球の数は、一または三以上であっても良い)。
【0086】
その後、第1,2,3,4ディスクを、図1に示す装置と同様に同時に回転させて、各砥石およびダミー球を、自由に転がすようにして、各軌道の大雑把な成形を行う。このように、この発明の方法および装置を使用すると、同時に、偶数のディスク(数はいくら大きくても良い)を、同時に荒研磨することができるのである。
【符号の説明】
【0087】
1 第1砥石
2 第2砥石
3 回転軸
4 第1モータ
5 第2モータ
8 外歯歯車
9 歯付ベルト
10 第1ディスク
11 第2ディスク
12 第3ディスク
13 第4ディスク
30 第1砥石の断面弧状の第1研磨面
31 第1砥石の断面弧状の第2研磨面
32 第2砥石の断面弧状の第1研磨面
33 第2砥石の断面弧状の第2研磨面
37 第1転がり軸受
38 第2転がり軸受
41 第1ディスクの被研磨軌道面
42 第2ディスクの被研磨軌道面
43 第3ディスクの被研磨軌道面
44 第4ディスクの被研磨軌道面
60 揺動機構
100,200 研磨部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの断面弧状の研磨面を有する第1研磨部材と、被研磨軌道面を有する環状の第1ディスクと、被研磨軌道面を有する環状の第2ディスクとを用意し、
上記第1ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面とを互いに対向させて配置すると共に、上記第1研磨部材を、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面との間に位置させ、
その後、上記第1ディスクおよび第2ディスクを同時に回転させて、上記第1研磨部材の上記研磨面で、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面とを同時に研磨することを特徴とするトロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法。
【請求項2】
請求項1に記載のトロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法において、
上記第1研磨部材は、一方向に延在して、その一方向の両端に研磨面を有し、
上記第1ディスクおよび上記第2ディスクを、同軸上に配置し、
上記第1研磨部材の一端の研磨面が、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面に沿って移動すると共に、上記第1砥石部材の他端の研磨面が、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面に沿って移動するように、上記第1研磨部材の中央部を支持して揺動させることを特徴とするトロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のトロイダル無段変速機のディスクの研磨方法において、
少なくとも一つの断面弧状の研磨面を有する第2研磨部材と、被研磨軌道面を有する環状の第3ディスクと、被研磨軌道面を有する環状の第4ディスクとを用意し、
上記第1ディスクと、上記第2ディスクと、上記第3ディスクと、上記第4ディスクとを同軸上に配置し、
上記第3ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第4ディスクの上記被研磨軌道面とを互いに対向させて配置すると共に、上記第2研磨部材を、上記第3ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第4ディスクの上記被研磨軌道面との間に位置させ、
上記第1ディスクおよび上記第2ディスクを回転させると同時に、上記第3ディスクおよび上記第4ディスクを同時に回転させて、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面および上記第2ディスクの上記被研磨軌道面を上記第1研磨部材の上記研磨面で同時に研磨すると共に、上記第3ディスクの上記被研磨軌道面および上記第4ディスクの上記被研磨軌道面を上記第2研磨部材の上記研磨面で同時に研磨することを特徴とするトロイダル型無段変速機のディスクの研磨方法。
【請求項4】
断面弧状の研磨面を有する研磨部材と、
被研磨軌道面を有する環状の第1ディスクの貫通穴と、被研磨軌道面を有する環状の第2ディスクの貫通穴とに挿通されて、上記第1ディスクと上記第2ディスクとを同軸上に位置させる軸部材と、
上記第1ディスクと、上記第2ディスクとの間に予圧を付与することによって、上記研磨部材の上記研磨面を、上記第1ディスクの上記被研磨軌道面と、上記第2ディスクの上記被研磨軌道面とに接触させる予圧付与機構と、
上記第1ディスクと上記第2ディスクとを同時に回動させるディスク回転機構と
を備えることを特徴とするトロイダル型無段変速機のディスクの研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−35342(P2012−35342A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175198(P2010−175198)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】