説明

トンネル内に2方向衛星無線通信を拡張するシステム

本発明は、衛星視認性が存在しなくても、トンネル内を通過する車両に対して完全な送受信品質を保証するように、鉄道トンネル内に衛星信号を中継し、かつ、前記トンネル内で送信される信号を衛星に向かって中継する通信システムからなる。システムは、固定衛星局に接続される、地下通路照明用の固定端末、および、移動体衛星端末に接続される、車両上に設置された移動体端末に基づく。システムは、トンネル内で、衛星チャネルから無線チャネルへの、また、その逆の切換え動作を自動的に行い、車両−衛星接続の連続性を保証する。システムは、鉄道車両について選択的な用途を見出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星視認性(satellite visibility)が存在しなくても、トンネル内を通過する車両に対して完全な送受信品質を保証するように、トンネル内に衛星信号を中継し、かつ、前記トンネル内で送信される信号を衛星に向かって中継する通信システムに関する。
【0002】
システムは、固定衛星局に接続される、地下通路照明用(gallery illumination)の固定端末、および、移動体衛星端末に接続される、車両上に設置された移動体端末に基づく。
【0003】
システムは、トンネル内で、衛星チャネルから無線チャネルへの、また、その逆の切換え動作を自動的に行って、車両−衛星リンクの連続性を保証する。
【0004】
システムは、鉄道車両について選択的な用途を見出す。
【0005】
本発明は、車両−衛星視認性が存在しない状態で、車両上に配置された移動体端末装置と衛星との間で無線リンクによってデジタル信号および/またはアナログ信号を交換することができる。本発明は、車両が地下通路に入るときの、車両−衛星リンクの完全な中断の問題を克服することができる。
【0006】
本発明は、トンネル内を移動している間でも、1つまたは複数の列車に対してアナログ信号および/またはデジタル信号の送受信の連続性を保証する用途を鉄道産業に見出す。本発明の使用は、また、衛星の視認性を妨げる障害物の存在を特徴とする他の車両および/または市街地に拡張され得る。
【0007】
本発明は、特に、列車からの、また、列車への衛星を介したリンクについて特に有利であり、それは、本発明が、
a)列車が、トンネル内、より一般的には、衛星が視認できないエリア内を移動するときでさえも、広帯域なサービス、例えば、マルチチャネルデジタルテレビジョン、あるいは、乗客と地上ネットワーク(例えば、インターネット、email)との間の対話を必要とするサービスを中断なく提供でき、
b)トンネルを通して、より一般的には、衛星が視認できないエリアにおいてさえも、列車と地上サービスセンタとの間で、データ、例えば、列車の運行を管理するためのデータを交換できるからである。
【背景技術】
【0008】
トンネル内で無線によって通信する、知られているシステムは、GSM-Rであり、GSM-Rは、よく知られている標準GSMに基づいて電話通信サービスだけを可能にする。このシステムは、固有の性質によって、広帯域サービスをサポートすることができず、代わりに、広帯域サービスは、本明細書で述べる発明によって、トンネル内部においてさえも配信される。
【0009】
GSM-Rシステムは、地上ネットワークノード(terrestrial network nodes)を通して通過する信号だけを無線によって送信することを可能にし、したがって、トンネルを通って通過する列車からの/列車への衛星信号を中継できず、これは、代わりに、本明細書で述べる発明により可能になる。さらに、GSM-Rは、排他的に、デジタル信号をGSMフォーマットで送信でき、一方、本明細書で述べる発明は、任意のフォーマット、例えば、デジタルビデオ放送(Digital Video Broadcasting)(DVB)標準またはGSM、UMTSおよび他の将来の標準のファミリのデジタル信号およびアナログ信号を再送信できる。
【0010】
特許JP2171037(Satellite communication system in tunnel)に記載される発明は、トンネルの内部に、移動体に対する地上無線通信を拡張するという目的を有する。特許JP2171037では、地上基地局によって送信され、地下通路の外で列車によって受信される信号は、同時に、衛星にも送信され、それにより、トンネルに近接して配置されたリピータ(repeater)に中継される。トンネル内部の列車は、前記リピータによって再送信された信号を受信する。特許JP2171037に記載される解決策と違って、本発明は、列車がトンネルに入りトンネルを通過するときでさえも、列車を衛星視認エリアに関与させ、衛星通信の拡張を保証する問題に対処する。特許JP2171037は、列車に対する1方向通信の場合に対処するだけであるが、本発明は、また、特許JP2171037の装置によって得られないことになる2方向通信をサポートする。本明細書で開示される発明は、衛星視認性のあるエリア内とトンネル内の移動中の両方において、2方向通信をサポートできる移動体オブジェクトを装備する送受信機装置の特定の構成に基づく。さらに、本明細書で開示される発明は、また、チャネルの搬送波周波数を管理する関連方法によって、衛星チャネルからトンネル内で利用可能な無線チャネルへ、また、その逆に自動的に切換えて、異なる列車によって使用されるチャネル間の干渉現象を回避しながら、同じトンネル内部を同時に通過する複数の列車に対しても2方向通信の拡張を保証する方法に基づく。2方向通信およびチャネル間の自動切換えの管理のこれらの機能は、特許JP2171037の解決策では得ることができない。
【0011】
無線リピータによってトンネル内に移動体無線通信を拡張する問題は、また、特許JP11112409(Radio relay system for mobile communication)において対処されている。しかし、前記特許は、トンネル内で動作するリピータシステムの視認性と共に基地局から送信される地上無線信号を考慮するだけである。特許JP11112409に開示される特許は、衛星の使用を提供せず、さらに、トンネルの外と内に存在する2つの無線チャネル間における移動体端末の自動切換えについての解決策を提案せず、その結果、特許JP11112409に記載される解決策は、衛星通信をサポートできず、代わりに、衛星通信は、本明細書で述べる発明により、トンネル内部でも保証される。
【0012】
特許出願JP2001230718(Gap filler device for satellite broadcasting system and satellite broadcasting system)は、衛星信号の受信が不十分なエリア用の衛星通信システムを提案しており、衛星通信システムは、受信用衛星装置と同軸ケーブルによって接続された送信機装置を使用する。前記システムは、1方向通信(ブロードキャスト信号)だけをサポートし、こうした状況で動作しなければならない移動体端末の構成の問題に対して解決策をまったく提供しない。さらに、出願JP2001230718は、衛星無線チャネルからギャップフィラーシステムによって中継された無線チャネルへ、また、その逆への端末の自動切換えについての解決策をまったく提案していない。
【0013】
特許出願JP2001308765(Gap filler system for tunnel, and device for reception and device for transmission used in the gap filler system)について、類似の考慮も繰り返され得る。前記特許は、トンネルの外に配置された衛星受信機アンテナおよび光ファイバ接続によるトンネル内部の複数の無線送信機ユニットによって形成された通信システムによって、トンネル内部に衛星信号ブロードキャストを拡張するための解決策を提案している。
【0014】
ブロードキャスト衛星信号を中継する解決策は、また、特許出願US2005059343(Apparatus and method for identifying a gap filler in a satellite broadcasting system)および特許出願JP2004312349(Satellite mobile broadcasting system and ground repeater)で提案されている。これらの解決策は、受信端末だけを提供しており、したがって、移動体端末から、また、移動体端末への2方向通信を保証する問題を解決しない。衛星信号を中継するシステムは、信号復調および再変調動作を含む再生手法に基づき、したがって、解決策は、特定でかつ固有の波形を使用するデジタル信号について有効であるに過ぎない。本明細書で提案される解決策は、代わりに、増幅、搬送波周波数変換、および信号フィルタリング動作だけを採用するトランスペアレントな手法に基づいており、したがって、明らかな改善を可能にする一般的な波形を有するアナログ信号とデジタル信号の両方、および、上述した特許に関する機能の拡張をサポートし得る。さらに、出願US2005059343およびJP2004312349に記載される発明は、衛星信号の無線チャネルから中継された信号の無線チャネルへの、また、その逆への移動体端末の自動切換えの問題を解決せず、代わりに、自動切換えの問題は、本明細書で述べる発明によって解決される。
【0015】
先の考慮事項は、特許出願JP2005123901(Gap filler system)にも当てはまり、特許出願JP2005123901は、特定でかつ固有の波形の使用を提供する、1方向デジタル信号だけを中継する再生システムを提案し、一方、本明細書で述べる発明は、一般的な波形を有するアナログ信号とデジタル信号の両方をサポートし、2方向信号および2方向通信を使用することを可能にし、衛星信号の無線チャネルと中継された信号の無線チャネルとの間の自動切換えの問題を解決し、したがって、普通なら得ることができない新しくかつ拡張された機能が提供される。
【0016】
衛星の非視認エリアに位置する移動体端末に衛星信号を中継するさらなる解決策は、特許出願JP2003332964(Satellite broadcast system,gap filler,monitor,auxiliary unit and satellite broadcasting method)、特許JP11261999(Satellite-mobile object broadcasting system,repeater and reception terminal)、および特許出願JP2002050993(Satellite broadcasting system)に記載される。そこに記載される3つの衛星信号リピータシステムはすべて、受信のみの移動体端末によって動作し、衛星送信をブロードキャストすることが提案されている。したがって、述べられる解決策は、移動体端末から、また、移動体端末への2方向通信をサポートする問題を解決せず、代わりに、その問題は、本明細書で述べる発明によって保証される。
【0017】
最後に、同様に、排他的に、1方向通信をサポートするブロードキャスト衛星信号リピータシステムを述べた、特許出願JP2002190760(Satellite digital sound broadcasting system,and ground station,satellite and earth station in this system)および特許出願JP2002190758(Multi-antenna system for mobile object)に関して、本発明が、2方向通信および/または対話的通信などの、ずっと広い範囲の信号および通信タイプに関して動作することができ、従来技術に比べて明らかな改善がある点で、先の考慮事項と類似の考慮事項があてはまる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、種々の種類の障害物のために、衛星の視認性(visibility)が妨げられる(preclude)エリアでも、移動車両と衛星との間の無線リンクを拡張することができる。説明では、トンネルの存在を特徴とする経路に沿う列車の通過を考慮して、鉄道環境が参照される。本発明は、市街地および/または他の車両などの他の環境に適用され得る。
【0019】
システムは、固定衛星局に接続された、地下通路照明用の固体端末、および、列車上に設置され、かつ、移動体衛星端末に接続された移動体端末に基づく。
【0020】
衛星から列車への接続では、固定外部衛星局は、衛星によって送信され、かつ、列車に向けられる衛星信号を受信し、固定端末を通してトンネル内部で衛星信号を中継する。列車−衛星の接続では、固定端末は、列車によって送信され、かつ、衛星に送られる信号を受信し、固定外部衛星局を通してトンネル外部で中継する。
【0021】
列車は、移動体衛星端末に接続された、移動体端末と呼ばれる送受信機装置を装備する。後者は、列車と衛星との間に視認性が存在する期間、すなわち、障害物の存在が無い状態で、列車がオープンスペースを移動するとき、信号を衛星と直接交換することができる。列車が、その動きのために、衛星の視認エリアを放棄し、トンネルに入ると、システムは、衛星チャネルから、同じ衛星信号を運ぶが、異なる搬送波周波数にあるトンネル内で利用可能な無線チャネルへの切換えを自動的に達成する。同様に、列車が地下通路を出て、衛星の視認エリアに入ると、システムは、トンネル内で利用可能な無線チャネルから衛星チャネルへの切換えを自動的に達成する。
【0022】
チャネル間の切換えは、チャネルの品質に関する情報を処理し、チャネルのいずれが使用されるべきかを判定するロジックに従って起こる。
【0023】
衛星−列車方向の、衛星チャネルの搬送波周波数およびトンネル内のチャネルの搬送波周波数は、定義された周波数変換関係によって互いにリンクする。同様に、列車−衛星方向の、衛星チャネルの搬送波周波数およびトンネル内のチャネルの搬送波周波数は、定義された周波数変換関係によって互いにリンクする。
【0024】
システムは、列車のいずれの移動速度についても、ユーザによって認識可能な情報を喪失することなく、衛星チャネルとトンネル内のチャネルとの切換えを実施できる。
【0025】
本発明は、例証的で非制限的な目的のために述べられる実施形態を参照して本明細書で述べられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、外部固定衛星局に接続される、トンネル内に衛星接続を拡張する固定端末に関連する送受信システムのブロック図を示す。システムは、
・ 列車上に設置された移動体端末から、数Nの信号をN個の搬送波周波数(FRA1、FRA2、...、FRAN)で受信し、数Nの信号をN個の異なる搬送波周波数(FRD1、FRD2、...、FRDN)で衛星に中継すること、
・ 衛星から、数Mの信号をM個の搬送波周波数(FFA1、FFA2、...、FFAM)で受信し、数Mの信号をM個の異なる搬送波周波数(FFD1、FFD2、...、FFDM)で列車上に設置された移動体端末に中継することができる。
【0027】
システムは、N=3でM=1の場合を参照して本明細書で述べられる(衛星によって送信される信号の搬送波周波数はFFAで示され、トンネル内部で中継される同じ信号の搬送波周波数はFFDで示される)。しかし、本発明は、信号のより大きな数NおよびMに適合する。
【0028】
図1を参照すると、システムの動作は、以下のように述べられる。
1.列車上の移動体端末によって送信され、かつ、それぞれ、搬送波周波数FRA1、FRA2、FRA3の周りで占有帯域BR1、BR2、BR3ヘルツを有する信号RSA1、RSA2、RSA3は、トンネル内のアンテナ(AG)によって受信され、トンネル内の端子の低雑音増幅器ブロック(LNBG)を通過させられ、それぞれ、FRA1、FRA2、FRA3より低い搬送波周波数FRB1、FRB2、FRB3の周りで同じ占有帯域BR1、BR2、BR3ヘルツを有する信号RSB1、RSB2、RSB3が得られる。
【0029】
2.信号RSB1、RSB2、RSB3は、フィルタリングおよび等化デバイス(FER)を通過させられ、搬送波周波数FRC1、FRC2、FRC3の周りで占有帯域BR1、BR2、BR3ヘルツを有し、かつ、同じパワーレベルPである信号RSC1、RSC2、RSC3が得られる。
【0030】
3.信号RSC1、RSC2、RSC3は、固定衛星局の増幅器ブロック(BUCS)を通過させられ、それぞれ、FRC1、FRC2、FRC3より高い搬送波周波数FRD1、FRD2、FRD3の周りで占有帯域BR1、BR2、BR3ヘルツを有し、かつ、外部アンテナ(AE)を通して衛星に照射される信号RSD1、RSD2、RSD3が得られる。
【0031】
4.衛星によって送信され、かつ、搬送波周波数FFAの周りで占有帯域BFヘルツを有する信号FSAは、外部アンテナ(AE)によって受信され、固定衛星局の低雑音増幅器ブロック(LNBS)を通過させられ、FFAより低い搬送波周波数FFBの周りで同じ占有帯域BFヘルツを有する信号FSBが得られる。
【0032】
5.信号FSBは、フィルタリングデバイス(FF)を通過させられ、搬送波周波数FFCの周りで占有帯域BFヘルツを有する信号FSCが得られる。
【0033】
6.信号FSCは、トンネル内の固定端末の増幅器ブロック(BUCG)を通過させられ、FFCより高い搬送波周波数FFDの周りで占有帯域BFヘルツを有し、かつ、トンネル内のアンテナ(AG)を通して列車上の移動体端末に照射される信号FSDが得られる。
【0034】
信号RSA1、RSA2、RSA3、FSDがトンネルの中で(列車上の移動体端末とトンネル内に設置された固定端末との間で)送信される搬送波周波数と信号RSD1、RSD2、RSD3、FSAがトンネルの外で送信される搬送波周波数は、以下の関係によってリンクされる。
・ 衛星−列車接続:FFA=FFD+FFfissata(FFfissataは一定量を示す)。
・ 列車−衛星接続:FRA1=FRD1+FRfissata、FRA2=FRD2+FRfissata、FRA3=FRD3+FRfissata(FRfissataは一定量を示す)。
【0035】
図2は、列車−衛星チャネル上のフィルタリングおよび等化デバイス(図1のFER)の考えられる実施形態を示す。図2を参照すると、デバイスの動作は以下のように述べられる。
【0036】
・ 信号RSB1、RSB2、RSB3は、信号がその周りで受信される搬送波周波数FRB1、FRB2、FRB3を求める周波数測定デバイス(RDF)を通過させられる。
・ 信号RSB1、RSB2、RSB3は、周波数測定デバイス(RDF)を3つのパワー測定デバイス(RP1、RP2、RP3)に接続する3つの分岐R1、R2、R3上で複製される。
【0037】
・ 周波数測定デバイス(RDF)は、3つの信号、すなわち、
- 信号RSB1がその周りで送信される搬送波周波数FRB1に関する情報を運び、パワー測定デバイス(RP1)およびチャネルアイソレータおよび等化器(ICE1)デバイスに送られる信号SF1、
- 信号RSB2がその周りで送信される搬送波周波数FRB2に関する情報を運び、パワー測定デバイス(RP2)およびチャネルアイソレータおよび等化器(ICE2)デバイスに送られる信号SF2、
- 信号RSB3がその周りで送信される搬送波周波数FRB3に関する情報を運び、パワー測定デバイス(RP3)およびチャネルアイソレータおよび等化器(ICE3)デバイスに送られる信号SF3
を生成する。
【0038】
・ パワー測定デバイスRP1は、信号RSB1を変更されないまま送り、信号RSB1のパワーレベルを求め、信号SP1を通して、信号RSB1をチャネルアイソレータおよび等化器ICE1に伝達する。
【0039】
・ パワー測定デバイスRP2は、信号RSB2を変更されないまま送り、信号RSB2のパワーレベルを求め、信号SP2を通して、信号RSB2をチャネルアイソレータおよび等化器ICE2に伝達する。
【0040】
・ パワー測定デバイスRP3は、信号RSB3を変更されないまま送り、信号RSB3のパワーレベルを求め、信号SP3を通して、信号RSB3をチャネルアイソレータおよび等化器ICE3に伝達する。
【0041】
・ チャネルアイソレータおよび等化器ICE1は、搬送波周波数FRB1の周りに占有帯域BR1を有する信号RSB1をアイソレートし、信号RSB1のパワーをレベルPに等化する。得られる信号はRSB1eqである。
【0042】
・ チャネルアイソレータおよび等化器ICE2は、搬送波周波数FRB2の周りに占有帯域BR2を有する信号RSB2をアイソレートし、信号RSB2のパワーをレベルPに等化する。得られる信号はRSB2eqである。
【0043】
・ チャネルアイソレータおよび等化器ICE3は、搬送波周波数FRB3の周りに占有帯域BR3を有する信号RSB3をアイソレートし、信号RSB3のパワーをレベルPに等化する。得られる信号はRSB3eqである。
【0044】
・ コントローラおよび周波数変換器デバイス(CCF)は、3つの信号RSB1eq、RSB2eq、RSB3eqを結合し、周波数変換によって、それぞれ、周波数FRC1、FRC2、FRC3の信号RSC1、RCS2、RSC3を生成する。
【0045】
図3A、図3B、および図3Cは、列車上に設置された移動体端末に関連する送受信システムのブロック図の考えられる3つの実施形態を示す。3つの実施形態すべてにおいて、システムは、
・ トンネル内に設置された固定端末から、搬送波周波数(FFD)で信号を受信すること、
・ トンネル内に設置された固定端末へ、搬送波周波数(FRD)で信号を送信すること
ができる。
【0046】
図3A、図3B、および図3Cは、移動体端末の送受信チェーンおよび送受信チェーンの移動体衛星端末との統合の考えられる実施形態を示す。3つの実施形態は、受信チェーンに関する切換えが、アナログ信号で起こる(図3A)か、復調されたデジタル信号に関して起こる(図3B)か、復号され、フォーマットされたデジタル信号に関して起こる(図3C)かに応じて可能である。
【0047】
図3Aを参照すると、システムの動作は、以下のように述べられる。
1.TXdec信号を変換して得られた、フォーマッティングおよびコード化デバイス(COD)の出力のデジタル信号TXを使用して、変調器(MOD)によって、送信搬送波周波数FTX1が変調され、帯域幅BX1の信号TX1が得られる。
【0048】
2.信号TX1は、移動体衛星端末の無線周波数ブロック(RFS)に接続する分岐R1上に、または、トンネル内の移動体端末の増幅器ブロック(BUC)に接続する分岐R2上に信号TX1を経路制御する送信切換えデバイス(TXCOM)を通過させられる。
【0049】
3.送信切換えデバイス(TXCOM)は、信号がどの分岐(R1またはR2)上に経路制御されるかを指示する制御信号SC1を通して切換え制御デバイス(CC1)によって指令される。
【0050】
4.選択された分岐がR1である場合、信号TX1は、移動体衛星端末の無線周波数ブロック(RFS)を通過させられ、それにより、搬送波周波数FTX2Sに変換され、増幅され、移動体衛星端末のアンテナ(ATS)によって衛星に照射される。
【0051】
5.選択された分岐がR2である場合、信号TX1は、トンネル内の移動体端末の増幅器ブロック(BUC)を通過させられ、それにより、搬送波周波数FTX2G=FRAに変換され、増幅され、トンネル内の移動体端末のアンテナ(ATG)によってトンネル内の固定端末に照射される。
【0052】
6.切換え制御デバイス(CC1)は、切換えロジックを実装し、それぞれ、信号SC3およびSC4を通して、トンネル用の移動体端末から受信されるチャネル可用性情報および移動体衛星端末から受信されるチャネル可用性情報に応じて、どの送受信チェーン(トンネル用の移動体端末または移動体衛星端末)が使用されるべきかを判定する。
【0053】
7.衛星の視認性がある場合、搬送波周波数FX2Sで照射される信号RX2Sは、移動体衛星端末のアンテナ(ATS)によって受信され、移動体衛星端末の無線周波数ブロック(RFS)によって信号RX1Sに変換され、FX2Sより低い搬送波周波数FX1Sで、分岐R4を通して受信切換えデバイス(RXCOM1)に送られる。
【0054】
8.衛星の視認性がなく、移動体端末が、トンネル内に設置された固定端末の到達エリア内にある場合、搬送波周波数FX2G=FFDで照射される信号RX2Gは、トンネル内の移動体端末のアンテナ(ATG)によって受信され、トンネル内の移動体端末の低雑音指数ブロックによって信号RX1Gに変換され、FX2Gより低い搬送波周波数FX1Gで、パワー測定デバイス(RP)に送られる。
【0055】
9.信号RX1Gは、制御信号SC3によって切換え制御デバイス(CC1)に伝達される信号RX1Gのパワーレベルを計算するパワー測定デバイス(RP)を通って移動し、分岐R3を通して、受信切換えデバイス(RXCOM1)に達する。
【0056】
10.受信切換えデバイス(RXCOM1)は、どのアナログ入力信号(分岐R3または分岐R4)が、出力(信号RX1)まで進まなければならないかを指示する制御信号SC2を通して切換え制御デバイス(CC1)によって指令される。
【0057】
11.受信切換えデバイス(RXCOM1)の出力の信号RX1は、復調デバイス(DEM)によって信号RXに変換される。
【0058】
12.復調デバイス(DEM)の出力の信号RXは、復号およびフォーマッティングデバイス(DEC)によって信号RXdecに変換される。
【0059】
図3Bを参照すると、システムの動作は、図3Aで述べたシステムの動作に関してその差を示しながら述べられる。以降で指定されないシステムのすべての部分の動作は、図3Aに関して述べたものと同一であると考えられる。
【0060】
1.移動体衛星端末の無線周波数ブロック(RFS)の出力の信号RX1Sは、衛星チャネル用の復調デバイス(DEMS)によって信号RXSに変換され、分岐R4上を、受信切換えデバイス(RXCOM2)に送られる。
【0061】
2.パワー検出デバイス(RP)の出力の信号RX1Gは、トンネルチャネル用の復調デバイス(DEMG)によって信号RXGに変換され、分岐R3上を、受信切換えデバイス(RXCOM2)に送られる。
【0062】
3.受信切換えデバイス(RXCOM2)は、どのアナログ入力信号(分岐R3または分岐R4)が、出力(信号RX)まで進まなければならないかを指示する制御信号SC2を通して切換え制御デバイス(CC1)によって指令される。
【0063】
図3Cを参照すると、システムの動作は、図3Bで述べたシステムの動作に関してその差を示しながら述べられる。以降で指定されないシステムのすべての部分の動作は、図3Bに関して述べたものと同一であると考えられる。
【0064】
1.衛星チャネル用の復調デバイス(DEMS)の出力の信号RXSは、衛星チャネル用の復号およびフォーマッティングデバイス(DECS)によって信号RXdecSに変換され、分岐R4上を、受信切換えデバイス(RXCOM2)に送られる。
【0065】
2.トンネルチャネル用の復調デバイス(DEMG)の出力の信号RXGは、トンネルチャネル用の復号およびフォーマッティングデバイス(DECG)によって信号RXdecGに変換され、分岐R3上を、受信切換えデバイス(RXCOM2)に送られる。
【0066】
3.受信切換えデバイス(RXCOM2)は、どのアナログ入力信号(分岐R3または分岐R4)が、出力(信号RXdec)まで進まなければならないかを指示する制御信号SC2を通して切換え制御デバイス(CC2)によって指令される。
【0067】
4.切換え制御デバイス(CC2)は、切換えロジックを実装し、それぞれ、トンネルチャネル用の復号およびフォーマッティングデバイス(DECG)および衛星チャネル用の復号およびフォーマッティングデバイス(DECS)から到来する信号SC3およびSC4を通して受信されるチャネル可用性情報に応じて、どの送受信チェーン(トンネル用の移動体端末または移動体衛星端末)が使用されるべきかを判定する。
【0068】
アナログ信号(図3A)および復調信号(図3B)に関して行われる受信切換えを有する移動体端末の場合に使用される切換え制御デバイス(CC1)は、図4Aに述べるロジックに従って動作する。
【0069】
復号されフォーマッティングされた信号(図3C)に関して行われる受信切換えを有する移動体端末の場合に使用される切換え制御デバイス(CC2)は、図4Bに述べるロジックに従って動作する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】トンネル内の固定送受信システムのブロック図である。
【図2】戻りチャネル上のフィルタリングおよび等化デバイスのブロック図である。
【図3A】受信チェーンに関する切換えがアナログ信号で行われる場合の、移動体端末の送受信チェーンと送受信チェーンの移動体衛星端末との統合のブロック図を示す。
【図3B】受信チェーンに関する切換えが復調信号で行われる場合の、移動体端末の送受信チェーンと送受信チェーンの移動体衛星端末との統合のブロック図を示す。
【図3C】受信チェーンに関する切換えが復号されフォーマッティングされた信号で行われる場合の、移動体端末の送受信チェーンと送受信チェーンの移動体衛星端末との統合のブロック図を示す。
【図4A】受信チェーンに関する切換えがアナログ信号または復調信号で行われる場合の、切換え制御デバイスの動作ロジックフローである。
【図4B】受信チェーンに関する切換えが復号されフォーマッティングされた信号で行われる場合の、切換え制御デバイスの動作ロジックフローである。
【符号の説明】
【0071】
AG、AE、ATS、ATG アンテナ
LNBG、LNBS 受信デバイス
FER フィルタリングおよび等化デバイス
BUCS 送信デバイス
FF フィルタリングデバイス
BUCG、BUC 送信機デバイス
RP パワー測定デバイス
TXCOM 送信切換えデバイス
RXCOM1、RXCOM2 受信切換えデバイス
CC1、CC2 切換え制御デバイス
RFS 無線周波数ブロック
LNB 受信機デバイス
R1、R2、R3、R4 分岐
MOD 変調器デバイス
DEMS、DEMG 復調デバイス
COD フォーマッティングおよびコード化デバイス
DECS、DECG 復号し、フォーマッティングするデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星の信号の無線リンクを前記衛星の非視認エリア内に拡張する通信装置において、
a)前記非視認エリアの内部の送受信機アンテナ(AG)と、
b)前記アンテナAGの受信デバイス(LNBG)と、
c)フィルタリングおよび等化デバイス(FER)と、
d)前記アンテナAGによって受信された信号を、前記非視認エリアの外部の送受信機アンテナ(AE)に送信するデバイス(BUCS)と、
e)前記非視認エリアの外部の送受信機アンテナ(AE)と、
f)前記アンテナAEによって受信された信号を受信するデバイス(LNBS)と、
g)フィルタリングデバイス(FF)と、
h)前記アンテナAGに信号を送信するデバイス(BUCG)とによって本質的に構成される通信装置であって、
i)複数の信号(RSA1、RSA2、...、RSAN)は、前記アンテナ(AG)によって受信され、前記受信デバイス(LNBG)に入り、前記受信デバイス(LNBG)は、前記信号を増幅し、搬送波RSB1、RSB2、...、RSBNに変換することと、
ii)前記信号RSB1、RSB2、...、RSBNは、前記フィルタリングおよび等化デバイス(FER)に入り、周波数がデマルチプレクシングされ、レベルが等化され、周波数がリマルチプレクシングされ、それにより、信号RSC1、RSC2、...、RSCNを発生させることと、
iii)前記信号RSC1、RSC2、...、RSCNは、前記送信デバイス(BUCS)に入り、前記送信デバイス(BUCS)は、前記信号RSC1、RSC2、...、RSCNを、より高い搬送波周波数に周波数変換し、前記信号RSC1、RSC2、...、RSCNを増幅し、それにより、信号RSD1、RSD2、...、RSDNを発生させ、前記信号RSD1、RSD2、...、RSDNは、前記外部アンテナ(AE)を通して前記衛星に照射されることと、
iv)前記衛星から到来する信号FSAは、前記外部アンテナ(AE)によって受信され、前記受信デバイス(LNBS)に入り、前記受信デバイス(LNBS)は、前記信号FSAを増幅し、前記信号FSAをより低い搬送波周波数に周波数変換し、それにより、信号FSBを発生させることと、
v)前記信号FSBは、前記フィルタリングデバイス(FF)に入り、前記フィルタリングデバイス(FF)は、関心範囲以外の周波数を除去し、それにより、信号FSCを発生させることと、
vi)前記信号FSCは、前記送信デバイス(BUCG)に入り、前記送信デバイス(BUCG)は、前記信号FSCをより高い搬送波周波数に変換し、前記信号FSCを増幅し、それにより、信号FSDを発生させ、前記信号FSDは、前記アンテナ(AG)を通して前記非視認エリア内に照射されることとを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記衛星から直接到来する信号を送受信するための、または、請求項1に記載の、車両上に存在する通信装置において、
a)第1の送信および受信アンテナ(ATS)と、
b)第2の送信および受信アンテナ(ATG)と、
c)アナログ信号送信切換えデバイス(TXCOM)と、
d)アナログ信号受信切換えデバイス(RXCOM1)と、
e)切換え制御デバイス(CC1)と、
f)増幅器および周波数変換器を備える、前記デバイスTXCOMから前記アンテナATGに送信するデバイス(BUC)と、
g)前記アンテナATSに対する無線周波数送信および受信ブロック(RFS)と、
h)低雑音指数増幅器および周波数変換器を備える、前記アンテナATGから前記デバイスRXCOM1への受信機デバイス(LNB)と、
i)前記デバイスLNBからの出力信号のパワーを検出するデバイス(RP)とによって本質的に構成される通信装置であって、
i)衛星によって、または、無線リンクによって、前記非視認エリア内で送信され得るアナログ信号TX1は、前記送信切換えデバイス(TXCOM)に入り、前記送信切換えデバイス(TXCOM)は、前記切換え制御デバイス(CC1)から受信されるコマンドに応じて、前記無線周波数ブロック(RFS)に接続する分岐R1上に、または、前記送信機デバイス(BUC)に接続する分岐R2上に交互に、前記アナログ信号TX1を経路制御することと、
ii)前記切換え制御デバイス(CC1)から受信される前記コマンドは、前記無線周波数ブロック(RFS)および前記パワー測定デバイス(RP)から受信される信号可用性および品質情報に応じて確立されることと、
iii)前記信号TX1は、前記分岐R1上に経路制御される場合、前記無線周波数ブロック(RFS)に入り、前記無線周波数ブロック(RFS)は、前記信号TX1を前記信号TX1の周波数より高い搬送波周波数に周波数変換し、前記信号TX1を増幅し、前記アンテナ(ATS)を通して前記信号TX1を前記衛星に照射することと、
iv)前記信号TX1は、前記分岐R2上に経路制御される場合、前記デバイス(BUC)に入り、前記デバイス(BUC)は、前記信号TX1を前記信号TX1の周波数より高い搬送波周波数に周波数変換し、前記信号TX1を増幅し、前記アンテナ(ATG)を通して前記信号TX1を前記アンテナAGに照射することと、
v)前記衛星から送信される信号RX2Sは、前記アンテナ(ATS)によって受信され、前記無線周波数ブロック(RFS)に入り、前記無線周波数ブロック(RFS)は、前記信号RX2Sを増幅し、前記信号RX2Sのパワーレベルを求め、前記信号RX2Sを前記切換え制御デバイス(CC1)に伝達し、前記信号RX2Sを、前記信号RX2Sが受信された周波数より低い搬送波周波数に周波数変換し、それにより、信号RX1Sを発生させることと、
vi)前記信号RX1Sは、分岐R4を通して前記受信切換えデバイス(RXCOM1)に入ることと、
vii)前記アンテナAGによって送信される信号RX2Gは、前記アンテナ(ATG)によって受信され、前記デバイス(LNB)に入り、前記デバイス(LNB)は、前記信号RX2Gを増幅し、前記信号RX2Gを、前記信号RX2Gが受信された周波数より低い搬送波周波数に周波数変換し、それにより、信号RX1Gを発生させることと、
viii)前記信号RX1Gは、前記パワー検出デバイス(RP)に入り、前記パワー検出デバイス(RP)は、前記信号RX1Gのパワーレベルを求め、前記信号RX1Gを前記切換え制御デバイス(CC1)に伝達し、かつ、前記信号RX1Gを変更されないまま通過させることと、
ix)前記信号RX1Gは、分岐R3を通して前記受信切換えデバイス(RXCOM1)に入ることと、
x)前記信号RX1S、または、別法として、前記信号RX1Gは、前記切換え制御デバイス(CC1)から受信されるコマンドに応じて、前記受信切換えデバイス(RXCOM1)の出力分岐上に経路制御され、それにより、信号RX1が発生することとを特徴とする通信装置。
【請求項3】
前記衛星から直接到来する信号を送受信するための、または、請求項1に記載の、車両上に存在する通信装置において、
a)第1の送信および受信アンテナ(ATS)と、
b)第2の送信および受信アンテナ(ATG)と、
c)アナログ信号送信切換えデバイス(TXCOM)と、
d)デジタル信号受信切換えデバイス(RXCOM2)と、
e)切換え制御デバイス(CC1)と、
f)変調器デバイス(MOD)と、
g)増幅器および周波数変換器を備える、前記デバイスTXCOMから前記アンテナATGに送信するデバイス(BUC)と、
h)前記アンテナATSに対する無線周波数送信および受信ブロック(RFS)と、
i)前記アンテナATSから到来する信号を復調するデバイス(DEMS)と、
l)低雑音指数増幅器および周波数変換器を備える、前記アンテナATGから前記デバイスRXCOM2への受信機デバイス(LNB)と、
m)前記デバイスLNBからの出力信号のパワーを検出するデバイス(RP)と、
n)前記アンテナATGから到来する信号を復調するデバイス(DEMG)とによって本質的に構成される通信装置であって、
i)デジタル信号TXは、前記変調器デバイス(MOD)に入り、前記変調器デバイス(MOD)は、デジタル信号TXを、衛星によって、または、無線リンクによって、前記非視認エリア内で送信され得るアナログ信号TX1に変換することと、
ii)前記信号TX1は、前記送信切換えデバイス(TXCOM)に入り、前記送信切換えデバイス(TXCOM)は、前記切換え制御デバイス(CC1)から受信されるコマンドに応じて、前記無線周波数ブロック(RFS)に接続する分岐R1上に、または、前記送信機デバイス(BUC)に接続する分岐R2上に交互に、前記信号TX1を経路制御することと、
iii)前記切換え制御デバイス(CC1)から受信される前記コマンドは、前記無線周波数ブロック(RFS)および前記パワー測定デバイス(RP)から受信される信号可用性および品質情報に応じて確立されることと、
iv)前記信号TX1は、前記分岐R1上に経路制御される場合、前記無線周波数ブロック(RFS)に入り、前記無線周波数ブロック(RFS)は、前記信号TX1を前記信号TX1の周波数より高い搬送波周波数に周波数変換し、前記信号TX1を増幅し、前記アンテナ(ATS)を通して前記信号TX1を前記衛星に照射することと、
v)前記信号TX1は、前記分岐R2上に経路制御される場合、前記デバイス(BUC)に入り、前記デバイス(BUC)は、前記信号TX1を前記信号TX1の周波数より高い搬送波周波数に周波数変換し、前記信号TX1を増幅し、前記アンテナ(ATG)を通して前記信号TX1を前記アンテナAGに照射することと、
vi)前記衛星から送信される信号RX2Sは、前記アンテナ(ATS)によって受信され、前記無線周波数ブロック(RFS)に入り、前記無線周波数ブロック(RFS)は、前記信号RX2Sを増幅し、前記信号RX2Sのパワーレベルを求め、前記信号RX2Sを前記切換え制御デバイス(CC1)に伝達し、前記信号RX2Sを、前記信号RX2Sが受信された周波数より低い搬送波周波数に周波数変換し、それにより、信号RX1Sを発生させることと、
vii)前記信号RX1Sは、前記復調デバイス(DEMS)に入り、前記復調デバイス(DEMS)は、前記信号RX1Sをデジタル信号RXSに変換することと、
viii)前記信号RXSは、分岐R4を通して前記受信切換えデバイス(RXCOM2)に入ることと、
ix)前記アンテナAGによって送信される信号RX2Gは、前記アンテナ(ATG)によって受信され、前記デバイス(LNB)に入り、前記デバイス(LNB)は、前記信号RX2Gを増幅し、前記信号RX2Gを、記信号RX2Gが受信された周波数より低い搬送波周波数に周波数変換し、それにより、信号RX1Gを発生させることと、
x)前記信号RX1Gは、前記パワー検出デバイス(RP)に入り、前記パワー検出デバイス(RP)は、前記信号RX1Gのパワーレベルを求め、前記信号RX1Gを前記切換え制御デバイス(CC1)に伝達し、かつ、前記信号RX1Gを変更されないまま通過させることと、
xi)前記信号RX1Gは、前記復調デバイス(DEMS)に入り、前記復調デバイス(DEMS)は、前記信号RX1Sをデジタル信号RXGに変換することと、
xii)前記信号RXGは、分岐R3を通して前記受信切換えデバイス(RXCOM2)に入ることと、
xiii)前記信号RXS、または、別法として、前記信号RXGは、前記切換え制御デバイス(CC1)から受信されるコマンドに応じて、前記受信切換えデバイス(RXCOM2)の出力分岐上に経路制御され、それにより、信号RXが発生することとを特徴とする通信装置。
【請求項4】
前記衛星から直接到来する信号を送受信するための、または、請求項1に記載の、車両上に存在する通信装置において、
a)第1の送信および受信アンテナ(ATS)と、
b)第2の送信および受信アンテナ(ATG)と、
c)アナログ信号送信切換えデバイス(TXCOM)と、
d)デジタル信号受信切換えデバイス(RXCOM2)と、
e)切換え制御デバイス(CC2)と、
f)フォーマッティングおよびコード化デバイス(COD)と、
g)変調器デバイス(MOD)と、
h)増幅器および周波数変換器を備える、前記デバイスTXCOMから前記アンテナATGに送信するデバイス(BUC)と、
i)前記アンテナATSに対する無線周波数送信および受信ブロック(RFS)と、
l)前記アンテナATSから到来する信号を復調するデバイス(DEMS)と、
m)前記アンテナATSから到来する信号を復号し、フォーマッティングするデバイス(DECS)と、
n)低雑音指数増幅器および周波数変換器を備える、前記アンテナATGから前記デバイスRXCOM2への受信機デバイス(LNB)と、
o)前記デバイスLNBからの出力信号のパワーを検出するオプションのデバイス(RP)と、
p)前記アンテナATGから到来する信号を復調するデバイス(DEMG)と、
q)前記アンテナATGから到来する信号を復号し、フォーマッティングするデバイス(DECG)とによって本質的に構成される通信装置であって、
i)デジタル信号TXdecは、前記フォーマッティングおよびコード化デバイス(COD)に入り、前記フォーマッティングおよびコード化デバイス(COD)は、冗長ビットを付加し、また、前記冗長到来信号を含む前記ビットの送信順序が変更されるインタレース動作を実施してもよく、それにより、信号TXを発生させることと、
ii)前記デジタル信号TXは、前記変調器デバイス(MOD)に入り、前記変調器デバイス(MOD)は、前記デジタル信号TXを、衛星によって、または、無線リンクによって、前記非視認エリア内で送信され得るアナログ信号TX1に変換することと、
iii)前記信号TX1は、前記送信切換えデバイス(TXCOM)に入り、前記送信切換えデバイス(TXCOM)は、前記切換え制御デバイス(CC2)から受信されるコマンドに応じて、前記無線周波数ブロック(RFS)に接続する分岐R1上に、または、前記送信機デバイス(BUC)に接続する分岐R2上に交互に、前記信号TX1を経路制御することと、
iv)前記切換え制御デバイス(CC2)から受信される前記コマンドは、前記アンテナATSから到来する信号を復号し、フォーマッティングする前記デバイス(DECS)および前記アンテナATGから到来する信号を復号し、フォーマッティングする前記デバイス(DECG)から受信されるビットエラーレート情報に応じて確立されることと、
v)前記信号TX1は、前記分岐R1上に経路制御される場合、前記無線周波数ブロック(RFS)に入り、前記無線周波数ブロック(RFS)は、前記信号TX1を前記信号TX1の周波数より高い搬送波周波数に周波数変換し、前記信号TX1を増幅し、前記アンテナ(ATS)を通して前記信号TX1を前記衛星に照射することと、
vi)前記信号TX1は、前記分岐R2上に経路制御される場合、前記デバイス(BUC)に入り、前記デバイス(BUC)は、前記信号TX1を前記信号TX1の周波数より高い搬送波周波数に周波数変換し、前記信号TX1を増幅し、前記アンテナ(ATG)を通して前記信号TX1を前記アンテナAGに照射することと、
vii)前記衛星から送信される信号RX2Sは、前記アンテナ(ATS)によって受信され、前記無線周波数ブロック(RFS)に入り、前記無線周波数ブロック(RFS)は、前記信号RX2Sを増幅し、前記信号RX2Sを、前記信号RX2Sが受信された周波数より低い搬送波周波数に周波数変換し、それにより、信号RX1Sを発生させることと、
viii)前記信号RX1Sは、前記復調デバイス(DEMS)に入り、前記復調デバイス(DEMS)は、前記信号RX1Sをデジタル信号RXSに変換することと、
ix)前記信号RXSは、前記復号およびフォーマッティングデバイス(DECS)に入り、前記復号およびフォーマッティングデバイス(DECS)は、前記冗長ビットを除去し、ビットエラーレート(BERS)を計算し、前記ビットエラーレート(BERS)を前記切換え制御デバイス(CC2)に伝達し、また、前記信号を含む前記ビットの送信順序が回復されるデインタレース動作を実施してもよく、それにより、信号RXdesSを発生させることと、
x)前記信号RXdesSは、分岐R4を通して前記受信切換えデバイス(RXCOM2)に入ることと、
xi)前記アンテナAGによって送信される信号RX2Gは、前記アンテナ(ATG)によって受信され、前記デバイス(LNB)に入り、前記デバイス(LNB)は、前記信号RX2Gを増幅し、前記信号RX2Gを、記信号RX2Gが受信された周波数より低い搬送波周波数に周波数変換し、それにより、信号RX1Gを発生させることと、
xii)前記信号RX1Gは、前記オプションのパワー検出デバイス(RP)に入り、前記オプションのパワー検出デバイス(RP)は、前記信号RX1Gのパワーレベルを求め、前記信号RX1Gを変更されないまま通過させることと、
xiii)前記信号RX1Gは、前記復調デバイス(DEMG)に入り、前記復調デバイス(DEMG)は、前記信号RX1Sをデジタル信号RXGに変換することと、
xiv)前記信号RXGは、前記復号およびフォーマッティングデバイス(DECG)に入り、前記復号およびフォーマッティングデバイス(DECG)は、前記冗長ビットを除去し、ビットエラーレート(BERG)を計算し、前記ビットエラーレート(BERG)を前記切換え制御デバイス(CC2)に伝達し、また、前記信号を含む前記ビットの送信順序が回復されるデインタレース動作を実施してもよく、それにより、信号RXdecGを発生させることと、
xv)前記信号RXdecGは、前記分岐R3を通して前記受信切換えデバイス(RXCOM2)に入ることと、
xvi)前記信号RXdecS、または、別法として、前記信号RXdecGは、前記切換え制御デバイス(CC2)から受信されるコマンドに応じて、前記受信切換えデバイス(RXCOM2)の出力分岐上に経路制御され、それにより、信号RXdecが発生することとを特徴とする通信装置。
【請求項5】
衛星と車両との間で、非視認エリアにおいてさえも、信号の送信および受信を維持することができる衛星と車両との間の無線リンクシステムであって、請求項1に記載の装置および請求項2から4のいずれか一項に記載の装置を備える無線リンクシステム。
【請求項6】
請求項2または3に記載の通信装置に基づいて、衛星信号を、非視認エリアで利用可能な無線信号に切換える、また、その逆を行う方法であって、
a)前記無線周波数ブロック(RFS)から前記衛星信号のパワーレベル(LSS)を読み取るステップと、
b)前記パワー測定デバイス(RP)から、非視認エリア内の前記無線信号のパワーレベル(LSG)を読み取るステップと、
c)前記パワーレベル(LSS)を前記衛星信号用のプリセット閾レベル(LSSsoglia)と比較するステップと、
d)前記パワーレベル(LSS)が前記プリセット閾レベル(LSSsoglia)より大きい場合、
i)衛星信号を有する分岐を起動し、非視認エリア内の信号を有する分岐を停止するコマンドを前記受信切換えデバイス(RXCOM1またはRXCOM2)に送出するステップと、
ii)衛星信号を有する分岐を起動し、非視認エリア内の信号を有する分岐を停止するコマンドを前記送信切換えデバイス(TXCOM)に送出するステップと、
e)前記パワーレベル(LSS)が前記プリセット閾レベル(LSSsoglia)以下である場合、
i)前記パワーレベル(LSG)を非視認エリア内の信号用のプリセット閾レベル(LSGsoglia)と比較するステップと、
f)非視認エリア内の信号の前記パワーレベル(LSG)が、非視認エリア内の信号用の前記プリセット閾レベル(LSGsoglia)より大きい場合、
i)衛星信号を有する分岐を停止し、非視認エリア内の信号を有する分岐を起動するコマンドを前記受信切換えデバイス(RXCOM1またはRXCOM2)に送出するステップと、
ii)衛星信号を有する分岐を停止し、非視認エリア内の信号を有する分岐を起動するコマンドを前記送信切換えデバイス(TXCOM)に送出するステップと、
g)非視認エリア内の信号の前記パワーレベル(LSG)が、非視認エリア内のチャネル用の前記プリセット閾レベル(LSGsoglia)以下である場合、
i)衛星信号を有する分岐を起動し、非視認エリア内の信号を有する分岐を停止するコマンドを前記受信切換えデバイス(RXCOM1またはRXCOM2)に送出するステップと、
ii)衛星信号を有する分岐を起動し、非視認エリア内の信号を有する分岐を停止するコマンドを前記送信切換えデバイス(TXCOM)に送出するステップとを含む方法。
【請求項7】
請求項4に記載の通信装置に基づいて、非視認エリア、また、その逆のエリアで利用可能な、衛星信号と無線信号を切換える方法であって、
a)衛星チャネル上に存在するデジタル信号を復号し、フォーマッティングする前記デバイス(DECS)によって計算されたビットエラーレート(BERS)の値を読み取るステップと、
b)非視認エリア内の無線信号上に存在するデジタル信号を復号し、フォーマッティングする前記デバイス(DECG)によって計算されたビットエラーレート(BERG)の値を読み取るステップと、
c)前記衛星信号に関する前記ビットエラーレート(BERS)を前記衛星信号用のプリセット閾レベル(BERSsoglia)と比較するステップと、
d)前記衛星信号に関する前記ビットエラーレート(BERS)が、前記衛星信号用の前記プリセット閾レベル(BERSsoglia)より小さい場合、
i)衛星信号を有する分岐を起動し、非視認エリア内の信号を有する分岐を停止するコマンドを前記受信切換えデバイス(RXCOM1またはRXCOM2)に送出するステップと、
ii)衛星信号を有する分岐を起動し、非視認エリア内の信号を有する分岐を停止するコマンドを前記送信切換えデバイス(TXCOM)に送出するステップと、
e)前記衛星信号に関する前記ビットエラーレート(BERS)が、前記衛星信号用の前記プリセット閾レベル(BERSsoglia)以上である場合、非視認エリア内の信号に関する前記ビットエラーレート(BERG)を非視認エリア内の信号用のプリセット閾レベル(BERGsoglia)と比較するステップと、
f)非視認エリア内の信号に関する前記ビットエラーレート(BERG)が、非視認エリア内の信号用の前記プリセット閾レベル(BERGsoglia)より小さい場合、
i)衛星信号を有する分岐を停止し、非視認エリア内の信号を有する分岐を起動するコマンドを前記受信切換えデバイス(RXCOM2)に送出するステップと、
ii)衛星信号を有する分岐を停止し、非視認エリア内の信号を有する分岐を起動するコマンドを前記送信切換えデバイス(TXCOM)に送出するステップと、
g)非視認エリア内の信号に関する前記ビットエラーレート(BERG)が、BERGsoglia以上である場合、
i)衛星信号を有する分岐を起動し、非視認エリア内の信号を有する分岐を停止するコマンドを前記受信切換えデバイス(RXCOM2)に送出するステップと、
ii)衛星信号を有する分岐を起動し、非視認エリア内の信号を有する分岐を停止するコマンドを前記送信切換えデバイス(TXCOM)に送出するステップとを含む方法。
【請求項8】
請求項5に記載のシステムに基づいて、衛星チャネルと視認エリアで利用可能な無線信号の搬送波周波数を管理する方法であって、
a)前記信号(RSA1、RSA2、...、RSAN)が前記アンテナATGから前記アンテナAGへ送信されるN個の搬送波周波数(FRA1、FRA2、...、FRAN)を、それぞれ、前記信号(RSD1、RSD2、...、RSDN)が、前記衛星アンテナAEから前記衛星へ送信される搬送波周波数(FRD1、FRD2、...、FRDN)に、関係FRA1=FRD1+FRfissata、FRA2=FRD2+FRfissata、...、FRAN=FRDN+FRfissata(FRfissataは一定量を示す)に従って変換されるステップと、
b)前記信号(FSA1、FSA2、...、FSAM)が前記衛星から前記衛星アンテナAEへ送信されるM個の搬送波周波数(FFA1、FFA2、...、FFAM)を、それぞれ、前記信号(FSD1、FSD2、...、FSDM)が、前記衛星アンテナAGから前記アンテナATGへ送信される搬送波周波数(FFD1、FFD2、...、FFDM)に、関係FFA1=FFD1+FFfissata、FFA2=FFD2+FFfissata、...、FFAM=FFDM+FFfissata(FFfissataは一定量を示す)に従って変換されるステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2009−532927(P2009−532927A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502340(P2009−502340)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際出願番号】PCT/IT2006/000203
【国際公開番号】WO2007/113861
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(507198897)フィンメカニカ・ソシエタ・ペル・アツィオーニ (2)
【Fターム(参考)】