説明

ドキュメント処理システムおよび方法

【課題】ドキュメント処理において生成されるデータのセキュリティを向上させるドキュメント処理システムおよび方法を提供する。
【解決手段】先ず、ドキュメント処理装置のコントローラとデータ通信可能な着脱可能な記憶装置が受け入れられる。この記憶装置の存在が検出された後、ドキュメント処理動作が開始され、その結果生成されるデータ・ファイルが着脱可能な記憶装置に転送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドキュメント処理システムおよび方法に関し、特に、ドキュメント処理において生成されるデータのセキュリティを向上させるドキュメント処理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のオフィス業務においては、通常、支出、保守、スペース、および電力使用量を抑えるために、共用のドキュメント処理装置を用いている。ドキュメント処理装置は、通常、画像走査、コピー、印刷、ファクシミリ通信、電子メールの送信、あるいは光学文字認識等のドキュメント処理機能を有する。しばしば、複数のドキュメント処理機能が1つの装置に含まれており、このような装置は多機能周辺装置またはMFP(Multi-Function Peripheral)と呼ばれている。
【0003】
MFP等のドキュメント処理装置は、インテリジェントなコントローラを用いており、このようなコントローラは、少なくとも1つのプロセッサと記憶手段を有する。コントローラの記憶手段には、通常、RAMに加えて、ROM、ハードディスク、フラッシュ・メモリあるいはその他の不揮発性の記憶装置ストレージが含まれる。コントローラは、ドキュメント処理装置の動作を指示し、ドキュメント処理動作によって、通常、一時的なファイルおよび持続的なファイルの一方または両方が生成される。ここで、一時的なファイルはドキュメント処理動作が完了すれば不要となるファイルであり、持続的なファイルは完了したドキュメント処理動作の結果を含むファイルである。持続的なファイルの例には、画像ファイル、テキスト・ファイル、またはワードプロセッシング・ファイル等が含まれる。
【0004】
ドキュメント処理装置を共用する環境において、特定のタスクが機密情報を含んでいる場合がある。コントローラの記憶手段または任意のその他の共用の記憶手段もしくは共通的にアクセス可能な記憶手段に保存された機密情報が存在することは、機密性に危険を及ぼす可能性がある。このような危険性には、保存されているファイルに対する直接的なアクセスが含まれる。機密情報を単に削除しても、通常は、データを完全に消すことは不可能であり、削除した後も、保存されていた特定の情報を取得することは依然として可能である。また、ドキュメント処理動作の際に生成された有効なまたは最近削除された一時ファイルをレビューすることによって、機密情報を検出することも可能である。
【0005】
より安全なデータ消去技術によって、共用のドキュメント処理装置に存在する機密情報の保護を支援することも可能ではあるが、このような技術によっても絶対的にセキュリティを確保できるものではない。さらには、ドキュメント処理装置がネットワークに接続されているか、あるいはその他の方式によって同時にアクセス可能な状態になっており、データを削除する前に、データがアクセス可能な状態のままになっている可能性もある。
【0006】
したがって、このような問題点を解決するドキュメント処理システムおよび方法が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来の問題点に鑑みてなされたもので、ドキュメント処理において生成されるデータのセキュリティを向上させるドキュメント処理システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるドキュメント処理システムは、ドキュメント処理動作を制御するコントローラ有する。また、本システムは、コントローラの制御にしたがってドキュメント処理動作を実行する手段を有し、実行されるドキュメント処理動作に伴ってデータ・ファイルが生成される。本システムは、コントローラとデータ通信を行い転送されたデータを保存する補助的な(secondary)不揮発性記憶手段を受け入れるインターフェイスと、インターフェイスに補助的な不揮発性記憶手段が存在すること検出する検出手段とを、さらに、有する。また、本システムは、検出手段によって補助的な不揮発性記憶手段の存在を検出した後に、ドキュメント処理動作を開始する開始手段と、開始された前記ドキュメント処理動作の結果として生成されるデータ・ファイルを補助的な不揮発性記憶手段に転送する第1の転送手段とを有する。
【0009】
本発明の一実施形態においては、ドキュメント処理動作は、画像走査、またはコピー、または印刷、または電子メールの送信、または光学的文字認識、またはファクシミリ通信の処理動作である。
【0010】
本発明の別の実施形態においては、補助的な不揮発性記憶手段は、フラッシュ・メモリ、または磁気記録媒体、または光学記録媒体、またはICメモリカード、または着脱可能なディスク記憶装置である。
【0011】
本発明のさらなる実施形態において、本システムは、コントローラに関連付けられ、転送されたデータを保存するデータ記憶手段を、さらに、有し、検出手段によって補助的な不揮発性記憶手段の存在が検出されない場合に、ドキュメント処理動作の実行に伴って生成されるデータ・ファイルをデータ記憶手段に転送する第2の転送手段を、さらに、有する。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態においては、本システムは、補助的な不揮発性記憶手段に保存されたデータ・ファイルの消去を選択的に実行する手段を、さらに、有する。
【0013】
また、本発明によるドキュメント処理方法は、ドキュメント処理動作を制御するコントローラの制御にしたがってドキュメント処理動作を実行し、このドキュメント処理動作の実行に伴ってデータ・ファイルを生成するステップと、コントローラとデータ通信を行い転送されたデータを保存する補助的な不揮発性記憶装置を受け入れるステップと、補助的な不揮発性記憶装置が存在することを検出するステップと、補助的な不揮発性記憶装置の存在を検出した後にドキュメント処理動作を開始するステップと、開始されたドキュメント処理動作の結果として生成されるデータ・ファイルを補助的な不揮発性記憶装置に転送するステップとを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ドキュメント処理において生成されるデータのセキュリティを向上させるドキュメント処理システムおよび方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、適宜、図面を参照しながら本発明による実施形態の説明を行う。図1は本発明による実施形態が適用されるドキュメント処理システム全体の構成例である。図に示したシステム100は、コンピュータ・ネットワーク102として表されている分散コンピューティング環境を利用している。コンピュータ・ネットワーク102は、複数の電子装置間におけるデータの交換を可能とする本技術分野で知られている任意の分散通信システムである。コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、仮想ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、パーソナル・エリア・ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク、インターネット、イントラネットまたはそれらの任意の組み合わせを含む本技術分野で知られている任意のコンピュータ・ネットワークである。本発明による一実施形態において、コンピュータ・ネットワーク102は、例えば、トークン・リング、IEEE802.11(x)、Ethernet(登録商標)またはその他の無線ベースまたは有線ベースのデータ通信メカニズム等の既存の多数のデータ転送メカニズムによって例示されるような物理レイヤおよびトランスポート・レイヤから構成される。尚、図にコンピュータ・ネットワーク102を示したが、本発明は、本技術分野で知られているようなスタンドアローンの形態でも同様に実施可能である。
【0016】
システム100は、さらに、様々なドキュメント処理を実行するために適切な多機能周辺装置(Multi-Function Peripheral;以下、MFPということがある)として図に表されている、ドキュメント処理装置104を含む。しかし、MFPはドキュメント処理装置の一形態であって、本発明におけるドキュメント処理装置がMFPに限定されるものではない。ドキュメント処理装置における処理動作には、例えば、ファクシミリ通信、画像走査、コピー、印刷、電子メール、ドキュメント管理またはドキュメント保存等がある。本発明による一形態においては、ドキュメント処理装置104は、リモート・ドキュメント処理サービスを外部装置あるいはネットワークに接続された装置に対して提供する。ドキュメント処理装置104は、ユーザあるいはネットワークに接続された装置等とやり取りするように構成された、ハードウェア、ソフトウェアおよびこれらの任意の適切な組み合わせを含んでいる。
【0017】
また、本発明による一実施形態において、ドキュメント処理装置104は、例えば、IEEE 1394あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ、多様なICメモリカード等の、複数の着脱可能なポータブル・データ記憶装置112を受け入れるためのインターフェイスを備える。ポータブル・データ記憶装置112は、フラッシュ・メモリ、磁気記録媒体および光学記録媒体等の任意の不揮発性メモリを含んでいる。ドキュメント処理装置104は、例えば、このようなポータブル・データ記憶装置112を一時データ・ストレージとして使用することができる。ポータブル・データ記憶装置112については、後ほど説明する。
【0018】
本発明の実施形態においては、ドキュメント処理装置104は、さらに、タッチ・スクリーン、LCD、タッチ・パネルまたは英数字キーパッド等のユーザ・インターフェイス106を備え、ユーザは、このようなユーザ・インターフェイスを介してドキュメント処理装置104と直接やり取りすることができる。本発明による実施形態においては、ユーザ・インターフェイス106は、ユーザに対して情報を伝達するとともに、ユーザから選択内容を受け取るために有効に用いられる。ユーザ・インターフェイス106は、本技術分野で知られているように、ユーザにデータを提供するために適切な種々のコンポーネントからなる。本発明における一実施形態においては、ユーザ・インターフェイス106は、1つまたは複数のグラフィック要素、テキスト・データまたは画像等をユーザに表示し、ユーザから入力情報を受け取り、その入力情報を、後で説明するように、コントローラ108等のバックエンド・コンポーネントに伝達するディスプレイ装置を有する。ドキュメント処理装置104は、適切な通信リンク114を介して、コンピュータ・ネットワーク102に通信可能に接続されている。適切な通信リンク114としては、例えば、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、Bluetooth(登録商標)、公衆交換電話網、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続、または本技術分野において知られている他の適切な有線または無線のデータ通信チャネルがある。
【0019】
本発明による実施形態において、ドキュメント処理装置104は、さらに、ドキュメント処理装置104による処理動作を容易にする、コントローラ108として示した、適切なバックエンド・コンポーネントを内蔵している。コントローラ108は、ドキュメント処理装置104の動作の制御、あるいはユーザ・インターフェイス106を介した画像の表示の制御、または電子画像データの操作の制御等の処理を円滑にするように構成されたハードウェア、ソフトウェアあるいはこれらの適切な組み合わせによって実装される。以下の説明においては、コントローラ108という用語は、後述する動作を実行し、もしくは実行させ、もしくは制御し、またはその他の方法で管理するように機能するハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせを含むドキュメント処理装置104と関連する任意の多数のコンポーネントの意味で、使用する。なお、図および上記の説明において、コントローラ108をドキュメント処理装置104に内蔵された形態としたが、コントローラ108は、ドキュメント処理装置104に通信可能に接続された外部装置の形態であってもよい。コントローラ108との関連において説明を行う処理動作は、本技術分野において知られている任意の汎用コンピューティング・システムによって実行可能である。したがって、コントローラ108は、そのような汎用的なコンピューティング装置を表しており、以下の説明において使用する際にも、そのように意図されている。さらに、以下におけるコントローラ108の使用は、例としての実施形態にすぎず、当業者には明らかな他の実施形態も本発明の一実施形態による着脱可能なデータ記憶装置を用いたセキュリティ面で安全なドキュメント処理システムおよび方法を用いることができる。コントローラ108の構成等については、後ほど図2と図3を参照しながら説明を行う。
【0020】
また、ドキュメント処理装置104にはデータ記憶装置110が通信可能に接続されている。データ記憶装置110は、例えば、ハードディスク・ドライブ、その他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、フラッシュ・メモリまたはそれらの任意の組み合わせを含む本技術分野で知られている大容量記憶装置である。一実施形態においては、データ記憶装置110は、ドキュメント・データ、画像データ、または電子データベースのデータ等を保存するように適切に適合されている。データ記憶装置110は、図においてはシステム100の独立したコンポーネントとして示しているが、例えば、内蔵ハードディスク・ドライブ等のような、ドキュメント処理装置104の内部記憶装置、あるいはコントローラ108のコンポーネント等として実装することができる。
【0021】
システム100は、さらに、通信リンク118を介してコンピュータ・ネットワーク102とデータ通信可能なユーザ装置116を含む。図においてはユーザ装置116をノート形パーソナル・コンピュータとして示しているが、これは例示にすぎない。ユーザ装置116は、例えば、コンピュータ・ワークステーション、デスクトップ形パーソナル・コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant ;携帯情報端末)、ウェブ適合携帯電話、スマート・フォン、専用通信ネットワーク用の装置、またはその他のウェブ適合電子装置を含む本技術分野において知られている任意のパーソナル・コンピューティング装置を表している。通信リンク118は、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiMax、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11(x)、専用通信ネットワーク、赤外線接続、光接続、公衆交換電話網、または本技術分野において知られている他の適切な無線または有線のデータ通信チャネルである。ユーザ装置116は、電子ドキュメント、ドキュメント処理インストラクション、ユーザ・インターフェイスの修正、アップグレード、更新、またはパーソナル化データ等を生成し、生成されたデータを、ドキュメント処理装置104あるいはコンピュータ・ネットワーク102に接続された他の類似装置に送る。
【0022】
次に、図2および図3を参照しながら、本発明による実施形態におけるシステムの動作が実行されるコントローラのハードウェアおよび機能構成等を説明する。図2に本発明による実施形態においてシステム100の動作が実行される、すなわち、図1においてコントローラ108として示した、バックエンド・コンポーネントであるコントローラ200のハードウェア・アーキテクチャの構成例を説明するための図を示す。尚、図においては、コントローラの構成要素の意義をより明確にするため、参照符号232で示した、コントローラ以外のドキュメント処理装置の構成要素の一部を併せて示している。コントローラ200は、本明細書に記載する動作を円滑に実行する能力を有する、本技術分野において知られている任意の汎用的なコンピューティング装置を表している。コントローラ200は、少なくとも一つのCPUを含むプロセッサ202を含む。プロセッサ202は、互いに協調して動作する複数のCPUから構成されることもある。また、コントローラ200には、BIOS機能、システム機能、システム構成データおよびコントローラ200の動作に使用する他のルーチンもしくはデータ等の静的または固定的なデータ、あるいはインストラクションのために有効に使用される、不揮発性または読出し専用メモリ(ROM)204が含まれている。
【0023】
また、コントローラ200には、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ、または他の任意の適切なアドレス指定可能かつ書込み可能なメモリ・システムから構成されるRAM206が含まれている。RAM206は、プロセッサ202により処理されるアプリケーションおよびデータ処理に関係するデータ・インストラクションのための記憶領域を提供する。
【0024】
ストレージ・インターフェイス208は、コントローラ200に関連するデータの不揮発性保存、大容量保存または長期的な保存のためのメカニズムを提供する。ストレージ・インターフェイス208は、参照符号216で示したディスク・ドライブ、あるいは光学式ドライブ、テープ・ドライブ等の適切な任意のアドレス指定可能、またはシリアル記憶装置等の大容量記憶装置の他、当業者に知られている適切な任意の記憶媒体を使用する。
【0025】
ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、ネットワークとの間の入出力を適切にルーティングすることによって、コントローラ200が他の装置と通信することを可能にする。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、コントローラ200に対する外部装置との一つまたは複数のコネクションのインターフェイスを適切にとる。図においては、例えば、Ethernet(登録商標)およびトークン・リング等の固定または有線ネットワークとのデータ通信のための少なくとも一つのネットワーク・インターフェイス・カード214と、WiFi(Wireless Fidelity)、WiMax、無線モデム、セルラ・ネットワークまたは適切な任意の無線通信システム等の手段を介した無線通信のために適切な無線インターフェイス218を示している。ネットワーク・インターフェイス・サブシステム210は、任意の物理的データ転送レイヤあるいは物理的データ転送レイヤではないデータ転送レイヤまたはプロトコル・レイヤを適切に利用する。図においては、ネットワーク・インターフェイス・カード214は、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークまたはそれらの組合せから適切に構成される物理的ネットワーク220を介したデータ交換を行うために、相互接続されている。
【0026】
プロセッサ202、読出し専用メモリ(ROM)204、RAM206、ストレージ・インターフェイス208およびネットワーク・インターフェイス・サブシステム210の間のデータ通信は、バス212によって例示したバス・データ転送メカニズムを介して行われる。
【0027】
また、ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス222もバス212を介してデータ通信を行う。ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス222は、様々なドキュメント処理動作を実行するために、ドキュメント処理ハードウェア232との接続を提供する。そのようなドキュメント処理動作には、コピー・ハードウェア224によって実行されるコピー、画像走査ハードウェア226によって実行される画像走査、印刷ハードウェア228によって実行される印刷、およびファクシミリ・ハードウェア230によって実行されるファクシミリ通信が含まれる。コントローラ200は、これらのドキュメント処理動作のいずれかまたは全部を適切に動作させる。複数のドキュメント処理動作を実行可能なシステムは、前述したように、MFP(多機能周辺装置)または多機能装置と呼ばれる。システム100の機能は、ドキュメント処理装置と関連するインテリジェント・サブシステムとして図2に示したコントローラ200(図1におけるコントローラ108に対応)を含む、ドキュメント処理装置104等の適切なドキュメント処理装置において実行される。
【0028】
次に図3を参照しながら、システムの動作が実行されるコントローラの機能ブロックと動作の概要を説明する。図3に、本発明による実施形態のシステム100の動作が実行されるコントローラの機能ブロックの構成例を説明するための図を示す。尚、図3においても、コントローラの機能要素の意義をより明確にするため、コントローラ以外のドキュメント処理装置の機能要素の一部を併せて示している。図3は、ソフトウェアおよびオペレーティング・システム機能と関連して、図2に示したハードウェアの機能性を例示している。
【0029】
コントローラの機能は、ドキュメント処理エンジン302を含む。一実施形態において、ドキュメント処理エンジン302は、印刷動作、コピー動作、ファクシミリ通信動作および画像走査動作を可能にする。これらの機能は、産業界において一般に好まれるドキュメント処理周辺装置であるMFPと関連付けられることが多い。しかし、コントローラが上記のドキュメント処理動作のすべてを可能にする必要は必ずしもない。コントローラは、上記のドキュメント処理動作のサブセットである、専用のドキュメント処理装置、あるいはより限定した目的のドキュメント処理装置においても有効に利用される。
【0030】
ドキュメント処理エンジン302はユーザ・インターフェイス・パネル310と適切にインターフェイスされており、ユーザまたは管理者は、このユーザ・インターフェイス・パネル310を介して、ドキュメント処理エンジン302によって制御される機能にアクセスすることができる。アクセスは、コントローラへローカルに接続されたインターフェイスを介して行われるか、遠隔のシン・クライアント(thin client)またはシック・クライアント(thick client)によって遠隔から行われる。
【0031】
ドキュメント処理エンジン302は、印刷機能部304、ファクシミリ通信機能部306および画像走査機能部308とデータ通信を行う。これらの機能部は、印刷、ファクシミリの送受信、およびドキュメント画像をコピーのために取得するか、またはドキュメント画像の電子バージョンを生成するための、ドキュメント画像走査の実際の処理動作を容易にする。
【0032】
ジョブ・キュー(job queue)312は、印刷機能部304、ファクシミリ通信機能部306および画像走査機能部308とデータ通信を行う。ビットマップ・フォーマット、ページ記述言語(PDL)フォーマットまたはベクター・フォーマット等の種々の画像形式は、画像走査機能部308からジョブ・キュー312を介して以降の処理のために中継される。
【0033】
ジョブ・キュー312は、また、ネットワーク・サービス機能部314ともデータ通信を行う。一実施形態において、ジョブ制御信号、状態データまたは電子ドキュメント・データが、ジョブ・キュー312とネットワーク・サービス機能部314との間で交換される。このように、適切なインターフェイスが、クライアント側ネットワーク・サービス機能320を介したコントローラへのネットワーク・ベースのアクセスのために設けられ、このインターフェイスは、任意の適切なシン・クライアントまたはシック・クライアントである。一実施形態において、ウェブ・サービス・アクセスは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ユニフォーム・データ・ダイアグラム・プロトコルまたは他の任意の適切な交換メカニズムによって実行される。ネットワーク・サービス機能部314は、また、FTP、電子メール、またはテルネット(TELNET)等による通信のために、クライアント側ネットワーク・サービス機能320とのデータ交換も有効に提供する。このように、コントローラ機能は、種々のネットワーク・アクセス・メカニズムによって、電子ドキュメントおよびユーザ情報のやり取りを容易にする。
【0034】
ジョブ・キュー312は、また、画像プロセッサ316ともデータ通信を行う。画像プロセッサ316は、印刷機能部304、ファクシミリ通信機能部306または画像走査機能部308等の装置機能部と、電子ドキュメントを交換するために適したフォーマットに変換するラスタ画像処理(RIP)、ページ記述言語インタープリタまたは任意の適切な画像処理を行うメカニズムである。
【0035】
さらに、ジョブ・キュー312はジョブ解析部(job parser)318とデータ通信を行い、このジョブ解析部318はクライアント装置サービス部322等の外部装置からの印刷ジョブ言語ファイルを受け取る働きをする。クライアント装置サービス部322は、電子ドキュメントの印刷、ファクシミリ通信、またはコントローラ機能による処理が有効である他の適切な電子ドキュメントの入力を含む。ジョブ解析部318は、受け取った電子ドキュメント・ファイルを解析し、前述した機能およびコンポーネントに関連する処理のために、解析した電子ドキュメント・ファイル情報をジョブ・キュー312に中継する働きをする。
【0036】
次に、本発明における動作の概要を説明する。先ず、少なくとも1つのプロセッサと、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)および不揮発性メモリを含む記憶装置を有するコントローラの指示の下で、少なくとも1つのドキュメント処理動作が実行される。ドキュメント処理動作は、一時的な(temporary)データ・ファイルまたは持続的な(persistent)データ・ファイルの少なくともいずれかを生成する。次いで、コントローラとデータ通信可能な補助的な(secondary)不揮発性メモリが受け入れられ、この補助的な不揮発性メモリの存在が検出される。補助的な不揮発性メモリの存在が検出された後に、少なくとも1つのドキュメント処理動作が開始される。次いで、少なくとも1つのドキュメント処理動作の結果、生成される、それぞれのデータ・ファイルは、補助的な不揮発性メモリに転送(directed)される。
【0037】
本発明の例示的な一実施形態においては、先ず、ユーザ120が、ドキュメント処理装置104の所に行き、ドキュメント処理装置104によって実行する少なくとも1つのドキュメント処理動作を、ユーザ・インターフェイス106を介して、選択する。ドキュメント処理動作の選択を、ユーザ装置116から行い、通信リンク118、コンピュータ・ネットワーク102および通信リンク114を介して、ドキュメント処理装置104に伝達することも可能である。ドキュメント処理装置104によって実行するドキュメント処理動作は、例えば、画像走査、コピー、印刷、電子メールの送信、光学的文字認識またはファクシミリ通信等から選択可能である。
【0038】
ドキュメント処理装置104に関連するコントローラ108の制御の下、ドキュメント処理装置104は、選択されたドキュメント処理動作を実行する。前述したように、コントローラ108は、プロセッサ202と、RAM206および不揮発性メモリ(ROM)204を含むコントローラの記憶装置を有する。図1に示したデータ記憶装置110もコントローラの記憶装置の一例である。データ記憶装置110は、例えば内蔵ハードディスク・ドライブ等のような、ドキュメント処理装置104あるいはコントローラ108の内部記憶コンポーネントとして、実装することができる。選択されたドキュメント処理動作によって、一時的なデータ・ファイルまたは持続的なデータ・ファイルが生成される。
【0039】
次いで、セキュリティ面で安全なドキュメント処理の利用を所望するユーザ120は、ドキュメント処理装置104に関連するコントローラ108と通信可能な補助的な(secondary)不揮発性メモリ112を取り付ける。補助的な不揮発性メモリは、図1においては、ポータブル・データ記憶装置112として示されている。ポータブル・データ記憶装置112として、例えば、フラッシュ・メモリ、磁気記録媒体または光学記録媒体等の任意の不揮発性メモリを含む、例えば、IEEE 1394あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ、多様なICメモリカード等を利用することができる。さらに、補助的な不揮発性メモリ112をユーザ装置116と関連付けることも可能である。図1に示した実施形態においては、補助的な不揮発性メモリ112とユーザ装置116の間のデータ通信は、通信リンク114、コンピュータ・ネットワーク102および通信リンク118を介して、行うことができる。
【0040】
補助的な不揮発性メモリ112が受け入れられると、コントローラ108は、補助的な不揮発性メモリ112の存在を検出する。本発明の一実施形態によれば、フラッシュ・メモリ・ベースの形態の補助的な不揮発性メモリ112の受け入れは、コントローラ108に関連する適切なインターフェイスを介した、補助的な不揮発性メモリ112の物理的な挿入、接続に対応する。コントローラ108によって補助的な不揮発性メモリ112の存在が検出されると、ドキュメント処理装置104は、少なくとも1つの選択されたドキュメント処理動作を開始する。前述したように、ドキュメント処理動作によって、一時的なデータ・ファイルまたは持続的なデータ・ファイルが生成される。次いで、コントローラ108は、少なくとも1つの選択されたドキュメント処理動作の結果、生成されるそれぞれのデータ・ファイルを、補助的な不揮発性メモリ112に保存するために、補助的な不揮発性メモリに転送する。したがって、機密情報は、ドキュメント処理装置104に関連するデータ記憶装置110には保存されず、補助的な不揮発性メモリ112に転送されるため、機密情報が保護される。一実施形態において、選択されたドキュメント処理動作が完了すると、コントローラ108は、補助的な不揮発性メモリ112にあるデータ・ファイルの消去を選択的に実行する。
【0041】
コントローラ108が補助的な不揮発性メモリ112の存在を検出しない場合には、コントローラ108は、それぞれのデータ・ファイルを、図1にデータ記憶装置110として示したコントローラの記憶装置に転送する。しかし、データ記憶装置110のようなコントローラの記憶装置に保存された場合には、データ・ファイルはセキュリテォ面で安全に保存はできない。
【0042】
以上、図1ないし図3を参照しながらシステム100とその構成コンポーネントについて説明を行ったが、図4と図5のフローチャートを参照しながら行う以下に述べる動作説明によって、理解がより深まるであろう。
【0043】
次に図4および図5を参照しながら、本発明による実施形態におけるドキュメント処理動作を説明する。図4に、本発明による実施形態における基本的な動作例を表すフローチャートを示す。先ず、S402で、ドキュメント処理装置104は、ドキュメント処理装置104に関連するコントローラ108の指示の下で、少なくとも1つのドキュメント処理動作を実行する。図2を参照しながら説明を行ったように、コントローラ108は、プロセッサ202と、RAM206および不揮発性メモリ(ROM)204を含むコントローラの記憶装置を有する。図1に示したデータ記憶装置110もコントローラの記憶装置の一例である。前述したように、データ記憶装置110は、例えば内蔵ハードディスク・ドライブ等のような、ドキュメント処理装置104あるいはコントローラ108の内部記憶コンポーネントとして、実装することができる。ドキュメント処理動作は、その動作結果として、一時的な(temporary)データ・ファイルまたは持続的な(persistent)データ・ファイルの少なくともいずれかを生成する。
【0044】
S404において、コントローラ108とデータ通信可能であって、着脱可能な補助的な(secondary)不揮発性メモリ112が装着される。補助的な不揮発性メモリ112は、図1で示したポータブル・データ記憶装置112に対応する。次いでS406において、ドキュメント処理装置104に関連するコントローラ108が、受け入れられた補助的な不揮発性メモリ112の存在を検出する。前述したように、ポータブル・データ記憶装置112として、例えば、フラッシュ・メモリ、磁気記録媒体または光学記録媒体等の任意の不揮発性メモリを含む、例えば、IEEE 1394あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ、多様なICメモリカード等を利用することができる。さらに、補助的な不揮発性メモリ112をユーザ装置116と関連付けることも可能である。例えば、図1に示した実施形態においては、補助的な不揮発性メモリ112とユーザ装置116の間のデータ通信は、通信リンク114、コンピュータ・ネットワーク102および通信リンク118を介して、行うことができる。
【0045】
S406で、補助的な不揮発性メモリ112の存在を検出した後、S408において、ドキュメント処理装置104は少なくとも1つのドキュメント処理動作を開始する。ここで、開始される少なくとも1つのドキュメント処理動作は、ユーザ120によって予め選択することができる。ドキュメント処理装置104によって開始されるドキュメント処理動作は、例えば、画像走査、コピー、印刷、電子メールの送信、光学的文字認識またはファクシミリ通信等から選択可能である。前述したように、ドキュメント処理動作は、ドキュメント処理装置104に関連するコントローラ108の制御の下で実行される。ドキュメント処理動作を実行した際に、S410において、コントローラ108は、補助的な不揮発性メモリ112に保存するために、少なくとも1つのドキュメント処理動作の結果として生成されるそれぞれのデータ・ファイルを補助的な不揮発性メモリ112に転送する。
【0046】
次に図5を参照しながら、本発明による実施形態における動作を詳細に説明する。図5に、本発明による実施形態における動作例を詳細に表したフローチャートを示す。先ずS502で、ドキュメント処理装置104に関連するコントローラ108は、ユーザ120によって選択された内容にしたがって、ドキュメント処理装置104によって実行するドキュメント処理動作を検証する。前述したように、ユーザによる選択は、ユーザ・インターフェイス106を介して、直接的に実行可能である。また、ユーザによる選択は、ユーザ装置116から実行し、通信リンク118、コンピュータ・ネットワーク102および通信リンク114を介してドキュメント処理装置104に伝達することも可能である。ドキュメント処理装置104によって実行するドキュメント処理動作は、例えば、画像走査、コピー、印刷、電子メールの送信、光学的文字認識またはファクシミリ通信等から選択可能である。
【0047】
ユーザ選択内容が検証されると、S504において、ドキュメント処理装置104は、コントローラ108の指示の下、選択されたドキュメント処理動作を実行する。図2を参照しながら前述したように、コントローラ108は、プロセッサ202と、RAM206および不揮発性メモリ204を含むコントローラの記憶装置を備える。図1に示したデータ記憶装置110もコントローラの記憶装置の一例である。前述したように、コントローラの記憶装置は、例えば内蔵ハードディスク・ドライブ等のような、ドキュメント処理装置104あるいはコントローラ108の内部記憶コンポーネントとして、実装することができる。ドキュメント処理動作は、その動作結果として、一時的なデータ・ファイルまたは持続的なデータ・ファイルの少なくともいずれかを生成する。
【0048】
S506において、コントローラ108とデータ通信可能な補助的な(secondary)不揮発性メモリ112が受け入れられる。補助的な不揮発性メモリは、図1においては、着脱可能なポータブル・データ記憶装置112として示されている。ポータブル・データ記憶装置112として、例えば、フラッシュ・メモリ、磁気記録媒体または光学記録媒体等の任意の不揮発性メモリを含む、例えば、IEEE 1394あるいはUSBインターフェイスを有する各種ドライブ、多様なICメモリカード等を利用することができる。さらに、補助的な不揮発性メモリ112をユーザ装置116と関連付けることも可能である。例えば、図1に示した実施形態においては、補助的な不揮発性メモリ112とユーザ装置116の間のデータ通信は、通信リンク114、コンピュータ・ネットワーク102および通信リンク118を介して、行うことができる。コントローラ108と補助的な不揮発性メモリの間におけるデータ通信は、本技術分野において知られているように、セキュリティ面で安全なデータ通信プロトコルによって実行される。したがって、セキュリティ面で安全な通信チャネルにより、コントローラ108と補助的な不揮発性メモリの間の通信におけるデータの秘密が保証される。
【0049】
次いでS508において、補助的な不揮発性メモリ112の存在が検出されたか否かの判断が行われる。この判断結果が肯定的なものである場合、すなわち補助的な不揮発性メモリ112の存在が検出された場合には、処理はS510に進み、ドキュメント処理装置104に関連するコントローラ108は、ユーザ120によって選択された処理動作を検証する。ドキュメント処理装置104によって実行するドキュメント処理動作は、例えば、画像走査、コピー、印刷、電子メールの送信、光学的文字認識またはファクシミリ通信等から選択可能である。また、S510において検証されるドキュメント処理動作は、S502においてユーザによって選択されたものと同一であっても、あるいはS502において選択されたものとは異なっていてもよい。
【0050】
選択されたドキュメント処理動作が検証されると、処理はS512に進み、ドキュメント処理装置104は、ユーザ120によって選択されたドキュメント処理動作を開始する。次にS514において、補助的な不揮発性メモリ112のタイプが判定される。判定される補助的な不揮発性メモリ112のタイプは、例えば、フラッシュ・ドライブ、磁気記憶装置、多様なICメモリカード、あるいは着脱可能な各種のディスク記憶装置等である。次いで、ドキュメント処理動作が実行されると、S516において、コントローラ108は、選択されたドキュメント処理動作の結果として生成されるそれぞれのデータ・ファイルを保存するために、検出された補助的な不揮発性メモリ112に転送する。次いで、選択されたドキュメント処理動作が完了すると、処理はS518に進み、ドキュメント処理装置104に関連するコントローラ108は、補助的な不揮発性メモリ112に保存されたデータ・ファイルの消去を選択的に実行する。選択されたドキュメント処理動作が完了すると、ユーザ120は、補助的な不揮発性メモリ112を取り外すことによって、ドキュメント処理装置104のコントローラ108と補助的な不揮発性メモリ112の間のデータ通信を終了させることができる。
【0051】
S508に戻り、補助的な不揮発性メモリ112の存在が検出されない旨の判断が行われた場合には、処理はS520に進む。S520においては、選択されたドキュメント処理動作によって生成されるそれぞれのデータ・ファイルを、図1においてデータ記憶装置110として示したコントローラの記憶装置に、転送する。しかし、データ・ファイルがデータ記憶装置110のようなコントローラの記憶装置に保存された場合には、それらのデータ・ファイルはセキュリテォ面で安全に保存はできない。
【0052】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ドキュメント処理において生成されるデータのセキュリティを向上させるドキュメント処理システムおよび方法が提供される。また、本発明の一実施形態によれば、着脱可能なデータ記憶装置を使用したセキュリティ面で安全なドキュメント処理システムおよび方法が提供される。さらに、本発明の一実施形態によれば、共用のドキュメント処理装置におけるデータ・セキュリティを提供するシステムおよび方法が提供される。さらには、本発明の一実施形態によれば、共用ドキュメント処理装置におけるドキュメント処理動作に伴って生成される一時的なデータ・ファイルまたは持続的なデータ・ファイルに関するセキュリティを提供するシステムおよび方法が提供される。
【0053】
本発明は、ソース・コード、オブジェクト・コード、部分的にコンパイルされた形のようなコード中間ソースおよびオブジェクト・コードの形、あるいは本発明の実施形態で使用するために適した任意の他の形のコンピュータ・プログラムに適用される。コンピュータ・プログラムは、スタンドアローンのアプリケーション、ソフトウェア・コンポーネント、スクリプトまたは他のアプリケーションへのプラグ・インとすることができる。本発明を実施するコンピュータ・プログラムは、例えば、ROMやRAM等の記憶媒体、CD−ROM等の光記録媒体、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気記録媒体等の、コンピュータ・プログラムを伝達することができる任意の実体または装置である担体上で具体化することができ、あるいは電気ケーブルまたは光ケーブルによって、または無線や他の手段によって伝えられる電気信号や光信号等の任意の担体によって伝達することができる。コンピュータ・プログラムは、サーバからインターネットを介してダウンロードすることもできる。また、コンピュータ・プログラムの機能は集積回路に組み込むこともできる。説明を行った本発明の原理を実質的にコンピュータまたはプロセッサに実行させるコードを含む任意およびすべての実施形態は、本発明の範囲内にある。
【0054】
本発明の好ましい実施形態の以上の説明は、例示と説明のために行った。説明は網羅的ではなく、本発明を開示した形態に限定しようとするものでもない。以上の開示を鑑みて明らかな修正または変形が可能である。例えば、本発明による実施形態の説明に記したシステムおよび方法は、通信、一般コンピューティング、またはデータ処理等を含む、データのセキュリティ確保が必要な複数の様々な電子工学分野に対しても適用可能であり、本発明がドキュメント処理分野への適用に限定されるものではない。実施形態は、本発明の原理とその実際的な応用例を最もよく示し、それにより当業者が、本発明を、意図された特定の使用に適した様々な実施形態において様々な修正で使用できるように選択され説明された。そのようなすべての修正と変形は、特許請求の範囲の記載に明示されるとおりの本発明の原理および範囲内において、当業者によって行われ得ることは明らかであり、特許請求の範囲の記載によって定められる本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明による実施形態が適用されるドキュメント処理システム全体の構成例である。
【図2】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラのハードウェアの構成例を説明するための図である。
【図3】本発明による実施形態のシステムの動作が実行されるコントローラの機能ブロックの構成例を説明するための図である。
【図4】本発明による実施形態における基本的な動作例を表すフローチャートである。
【図5】本発明による実施形態における動作例を詳細に表したフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
100 システム
102 コンピュータ・ネットワーク、分散通信システム
104 ドキュメント処理装置、MFP
106 ユーザ・インターフェイス
108 コントローラ
110 データ記憶装置
112 ポータブル・データ記憶装置、補助的な不揮発性メモリ
114、118 通信リンク
116 ユーザ装置
120 ユーザ
200 コントローラ
202 プロセッサ
204 読み出し専用メモリ、ROM
206 RAM
208 ストレージ・インターフェイス
210 ネットワーク・インターフェイス・サブシステム
212 バス
214 ネットワーク・インターフェイス・カード
216 ディスク・ドライブ
218 無線インターフェイス
220 物理的ネットワーク
222 ドキュメント・プロセッサ・インターフェイス
224 コピー・ハードウェア
226 画像走査ハードウェア
228 印刷ハードウェア
230 ファクシミリ・ハードウェア
232 ドキュメント処理ハードウェア
302 ドキュメント処理エンジン
304 印刷機能部
306 ファクシミリ通信機能部
308 画像走査機能部
310 ユーザ・インターフェイス・パネル
312 ジョブ・キュー
314 ネットワーク・サービス機能部
316 画像プロセッサ
318 ジョブ解析部
320 クライアント側ネットワーク・サービス機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメント処理動作を制御するコントローラと、
このコントローラの制御にしたがってドキュメント処理動作を実行し、このドキュメント処理動作の実行に伴ってデータ・ファイルを生成するドキュメント処理手段と、
前記コントローラとデータ通信を行い、転送されたデータを保存する補助的な不揮発性記憶手段を受け入れるインターフェイスと、
このインターフェイスに前記補助的な不揮発性記憶手段が存在すること検出する検出手段と、
この検出手段によって前記補助的な不揮発性記憶手段の存在を検出した後に、ドキュメント処理動作を開始する開始手段と、
この開始手段によって開始された前記ドキュメント処理動作の結果として生成されるデータ・ファイルを前記補助的な不揮発性記憶手段に転送する第1の転送手段と
を有することを特徴とするドキュメント処理システム。
【請求項2】
前記ドキュメント処理動作は、画像走査、またはコピー、または印刷、または電子メールの送信、または光学的文字認識、またはファクシミリ通信の処理動作であることを特徴とする請求項1に記載のドキュメント処理システム。
【請求項3】
前記補助的な不揮発性記憶手段は、フラッシュ・メモリ、または磁気記録媒体、または光学記録媒体、またはICメモリカード、または着脱可能なディスク記憶装置であることを特徴とする請求項1に記載のドキュメント処理システム。
【請求項4】
前記システムは、前記コントローラに関連付けられ、転送されたデータを保存するデータ記憶手段を、さらに、有し、
前記検出手段によって前記補助的な不揮発性記憶手段の存在が検出されない場合に、前記ドキュメント処理動作の実行に伴って生成される前記データ・ファイルを前記データ記憶手段に転送する第2の転送手段を、さらに、有することを特徴とする請求項1に記載のドキュメント処理システム。
【請求項5】
前記補助的な不揮発性記憶手段に保存されたデータ・ファイルの消去を選択的に実行する手段を、さらに、有することを特徴とする請求項1に記載のドキュメント処理システム。
【請求項6】
ドキュメント処理動作を制御するコントローラの制御にしたがってドキュメント処理動作を実行し、このドキュメント処理動作の実行に伴ってデータ・ファイルを生成するステップと、
前記コントローラとデータ通信を行い、転送されたデータを保存する補助的な不揮発性記憶装置を受け入れるステップと、
前記補助的な不揮発性記憶装置が存在することを検出するステップと、
前記補助的な不揮発性記憶装置の存在を検出した後に、ドキュメント処理動作を開始するステップと、
この開始ステップによって開始された前記ドキュメント処理動作の結果として生成されるデータ・ファイルを前記補助的な不揮発性記憶装置に転送するステップと
を含むことを特徴とするドキュメント処理方法。
【請求項7】
前記ドキュメント処理動作は、画像走査、またはコピー、または印刷、または電子メールの送信、または光学的文字認識、またはファクシミリ通信の処理動作であることを特徴とする請求項6に記載のドキュメント処理方法。
【請求項8】
前記補助的な不揮発性記憶装置は、フラッシュ・メモリ、または磁気記録媒体、または光学記録媒体、またはICメモリカード、または着脱可能なディスク記憶装置であることを特徴とする請求項6に記載のドキュメント処理方法。
【請求項9】
前記補助的な不揮発性記憶装置の存在が検出されない場合に、前記ドキュメント処理動作の実行に伴って生成される前記データ・ファイルを、前記コントローラに関連付けられ転送されたデータを保存する前記補助的な不揮発性記憶装置とは異なるデータ記憶装置に転送するステップを、さらに、含むことを特徴とする請求項6に記載のドキュメント処理方法。
【請求項10】
前記補助的な不揮発性記憶装置に保存されたデータ・ファイルの消去を選択的に実行するステップを、さらに、含むことを特徴とする請求項6に記載のドキュメント処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−65676(P2009−65676A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229729(P2008−229729)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】