説明

ドグ歯のテーパ角度測定方法及びその測定装置

【課題】 測定工数が削減されると共に測定精度が高められるドグ歯のテーパ角度測定方法及びその測定装置を提供する。
【解決手段】 ドグ歯車のドグ歯2の一方の歯面3の歯筋が、はすば歯車の歯形測定に使用される歯形測定機によってはすば歯車の歯筋に置換えられて測定される。したがって、ドグ歯車のドグ歯2のテーパ角度を歯形測定機を用いて測定することによって人為的誤差を排除することが可能になり、従来の測定機と比較して、ドグ歯2の位置決め精度及び位置決めの繰り返し精度並びに歯筋測定精度が高まって、テーパ角度の測定精度が向上する。また、段取りと測定とを測定するドグ歯毎に行う必要がなくなり、測定に係る工数を大幅に削減することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドグ歯車に形成されるドグ歯のテーパ角度測定方法及びその測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トランスミッション等に組込まれるドグ歯車1(図2参照)は、ドグ歯2のテーパ角度θ(図3参照)が、形状測定機によって測定されて保証される。このような形状測定機では、図8に示されるように、ドグ歯車1がワーク保持治具4に保持されて、測定の対象になるドグ歯2が、当該形状測定機に対して位置合わせされる。次に、この状態で、図9に示されるように、形状測定機の測定子5が測定の対象になるドグ歯2の一方の歯面3に沿って自動で移動されると、該ドグ歯2の一方の歯面3のプロフィールが記録紙に拡大されて描画される。そして、図10に示されるように、該記録紙に描画された歯面3のプロフィールPに基づいて、当該ドグ歯2の一方の歯面3のテーパ角度θが、ドラフタ13(製図板)を用いて導出される。さらに、上記測定子5が、図9に示されるように、測定の対象になるドグ歯2の中心線Cに対して反転されて、この状態で、測定子5が、測定の対象になるドグ歯2の他方の歯面3に沿って自動で移動されることにより、該ドグ歯2の他方の歯面3のプロフィールPが記録紙に拡大されて描画される。そして、該記録紙に描画された歯面3のプロフィールPに基づいて、ドグ歯2の他方の歯面3のテーパ角度θが、ドラフタ13を用いて導出される。
【0003】
しかしながら、上述した従来のドグ歯2のテーパ角度測定方法では、測定の対象になるドグ歯2の位置合わせが、作業者の感覚に依存して行われるため、当該位置合わせの再現性が低く、測定結果の繰返し精度が低い。また、記録紙に描画されたドグ歯2の歯面3のプロフィールPに基づいて、ドラフタ13を用いて当該ドグ歯2のテーパ角度θを読取る作業も手作業であるため、測定結果の信頼性に問題がある。さらに、測定の対象になるドグ歯2の位置合わせに多大な時間と手間とを要すると共に、1個のドグ歯2のテーパ角度θを測定するのに2回の段取り作業が発生して測定工数が増大する。また、ドグ歯車1が重量物(例えば、10数キログラムのドグ歯車1がある。)である場合には、当該ドグ歯車1をワーク保持治具4に軸を水平にセットする際の作業者への負担が大きく、さらに、手を滑らせてドグ歯車1を落下させる虞がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、第1の目的は、測定工数が削減されると共に測定精度が高められるドグ歯のテーパ角度測定方法を提供することにある。
また、第2の目的は、測定精度及び作業効率を高めることが可能なドグ歯のテーパ角度測定機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載のドグ歯のテーパ角度測定方法は、ドグ歯車が軸心回りに回転されて選択されたドグ歯が指定位置に位置決めされる位置決めステップと、指定位置に位置決めされたドグ歯の一方の歯面に測定子が接触されて該測定子が歯筋に沿って移動する間の該測定子の変位が測定される測定ステップと、該測定ステップの測定結果に基づいて歯筋データが算出されて、該歯筋データに基づいてドグ歯のテーパ角度が算出される演算ステップと、の各ステップを含んで構成されることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のドグ歯のテーパ角度測定方法において、演算ステップは、歯筋データに基づいてドグ歯車の歯車諸元に対するねじれ角誤差が算出されるねじれ角誤差算出ステップと、該ねじれ角誤差算出ステップによって算出されたねじれ角誤差に基づいてドグ歯車の歯車諸元に対するドグ歯のテーパ角度の誤差が算出される角度誤差算出ステップと、を含んで構成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のドグ歯のテーパ角度測定方法において、演算ステップでは、ドグ歯車の歯筋データがはすば歯車の歯筋データに置換えられて算出されて、ねじれ角誤差算出ステップでは、ドグ歯車のねじれ角誤差がはすば歯車のねじれ角誤差に置換えられて算出されると共に、角度誤差算出ステップでは、ドグ歯のテーパ角度の誤差がはすば歯車のねじれ角の誤差に置換えられて算出されることを特徴とする。
【0007】
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項4に記載のドグ歯のテーパ角度測定方法は、ドグ歯車のドグ歯の一方の歯面の歯筋がはすば歯車の歯筋に置換えられて歯形測定機によって測定されて、該歯形測定機の測定結果に基づいて前記ドグ歯のテーパ角度が算出されることを特徴とする。
【0008】
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載のドグ歯のテーパ角度測定方法に用いられるテーパ角度測定機であって、ドグ歯車が軸心回りに回転されて選択されたドグ歯が指定位置に位置決めされる位置決め手段と、指定位置に位置決めされたドグ歯の一方の歯面に接触される測定子と、該測定子を指定された経路で移動させる測定子移動手段と、指定位置に位置決めされたドグ歯の一方の歯面に接触された測定子が歯筋に沿って移動する間の測定子の変位が測定される測定手段と、該測定手段の測定結果に基づいてドグ歯の歯筋データが算出されて、該算出された歯筋データに基づいてドグ歯のテーパ角度が算出される演算手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のドグ歯のテーパ角度測定機において、演算手段は、算出された歯筋データに基づいてドグ歯車のねじれ角誤差が算出されるねじれ角誤差算出手段と、該ねじれ角誤差算出手段によって算出されたねじれ角誤差に基づいてドグ歯車のドグ歯のテーパ角度の誤差が算出される角度誤差算出手段と、を具備することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項4又は5に記載のドグ歯のテーパ角度測定機において、演算手段は、ドグ歯車のドグ歯の一方の歯面の歯筋データがはすば歯車の歯筋データに置換えられて算出されることを特徴とする。
【0010】
上記第2の目的を達成するために、本発明のうち請求項8に記載の発明は、上記請求項4に記載のドグ歯のテーパ角度測定方法に用いられるテーパ角度測定機であって、ドグ歯車のドグ歯の一方の歯面の歯筋をはすば歯車の歯筋に置換えて測定する歯筋測定手段を備えることを特徴とする。
【0011】
したがって、請求項1及び5に記載の発明では、ドグ歯車の選択されたドグ歯の一方の歯面の歯筋が測定されて該測定結果に基づいて歯筋データが算出される。そして、算出された歯筋データに基づいてドグ歯のテーパ角度が算出される。
請求項2及び6に記載の発明では、算出された歯筋データに基づいてドグ歯車の歯車諸元に対するねじれ角誤差が算出される。また、算出されたねじれ角誤差に基づいてドグ歯車の歯車諸元に対するテーパ角度の誤差が算出される。
請求項3及び7に記載の発明では、ドグ歯車のドグ歯の一方の歯面の歯筋がはすば歯車の歯筋に置換えられて測定される。
請求項4及び8に記載の発明では、ドグ歯車のドグ歯の歯筋が歯形測定機によってはすば歯車の歯筋に置換えて測定することが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
測定工数が削減されると共に測定精度が高められるドグ歯のテーパ角度測定方法及びその測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。本ドグ歯2のテーパ角度測定機6(以下、単にテーパ角度測定機6と称する。)は、ドグ歯車1のドグ歯2の一方の歯面3の歯筋がはすば歯車の歯筋に置換えられて測定される。これにより、本テーパ角度測定機6では、ドグ歯車1のテーパ角度θ(図3参照)が、はすば歯車の歯形測定に使用される歯形測定機によって測定される。図4に示されるように、本テーパ角度測定機6は、鉛直に向けられた軸線回りに回転可能なセンターアーバ7を備えて、該センターアーバ7に上記ドグ歯車1が装着される。そして、本テーパ角度測定機6では、上記センターアーバ7が軸線回りに位置決めされることにより、当該センターアーバ7に装着されたドグ歯車1の選択されたドグ歯2が測定初期位置(指定位置)に位置決めされる構造になっている。また、本テーパ角度測定機6は、テーブル8上に、上記センターアーバ7に対して図4に示されるY方向へ移動可能なY軸コラム9が設けられる。
【0014】
さらに、本テーパ角度測定機6は、上記Y軸コラム9の正面(センターアーバ7に臨む側の面)に、当該Y軸コラム9に対して図4に示されるZ方向へ移動可能なZ軸ヘッド10が設けられて、該Z軸ヘッド10の正面には、当該Z軸ヘッド10に対して図4に示されるX方向へ移動可能なX軸ヘッド11が設けられる。また、本テーパ角度測定機6は、上記X軸ヘッド11の正面(センターアーバ7に臨む側の面)に、測定子5を備える測定ヘッド12が設けられる。そして、本テーパ角度測定機6では、センターアーバ7、Y軸コラム9、Z軸ヘッド10、X軸ヘッド11を駆動する各サーボモータが、上記主制御装置(本実施の形態では、NC制御装置。)の軸制御部(位置決め手段及び測定子移動手段)によって制御されることにより、上記ドグ歯車1の選択されたドグ歯2が指定位置に位置決めされると共に、該指定位置に位置決めされたドグ歯2の歯面3に上記測定子5が接触されて、さらに、図1に示されるように、該測定子5が当該ドグ歯2の歯筋(歯車諸元に基づいた歯筋)に沿って移動される構造になっている。
【0015】
そして、本テーパ角度測定機6では、上記測定子5を上記ドグ歯2の歯筋(歯車諸元に基づいた歯筋)に沿って移動させた時の当該測定子5の変位が測定されて、該測定結果に基づいて上記主制御装置の歯筋データ算出部(測定手段)によって、上記ドグ歯車1のドグ歯2の歯筋データがはすば歯車の歯筋データに置換えられて算出される構造になっている。また、本テーパ角度測定機6は、はすば歯車の歯筋データに置換えられて算出されたドグ歯車1の歯筋データ(以下、単にドグ歯1の歯筋データと称する。)に基づいて、上記主制御装置の演算部(演算手段)によって、当該ドグ歯2のテーパ角度θのねじれ角誤差FH(以下、単にドグ歯1のねじれ角誤差FHと称する。)がはすば歯車のねじれ角誤差FHに置換えられて算出される構造になっている。さらに、本テーパ角度測定機6では、はすば歯車のねじれ角誤差FHに置換えられて算出されたドグ歯車1のねじれ角誤差FHに基づいて、当該ドグ歯2のテーパ角度θの誤差θ´がはすば歯車のねじれ角の誤差θ´に置換えられて算出される構造になっている。
【0016】
そして、本テーパ角度測定機6では、はすば歯車のねじれ角の誤差θ´に置換えられて算出されたドグ歯車1のテーパ角度の誤差θ´に基づいて、当該ドグ歯2のテーパ角度θが算出される構造になっている。なお、ドグ歯車1では軸直角モジュールmtが歯車諸元として規定されるが、はすば歯車の歯形を測定する歯形測定機においては歯車諸元として歯直角モジュールmnを手動入力する必要があるため、本テーパ角度測定機6では、ドグ歯車1の軸直角モジュールmtをはすば歯車の歯直角モジュールmnに換算しておいて、該換算された歯直角モジュールmnが測定条件として上記主制御装置の記憶部に入力される。この場合に、軸直角モジュールmtにcosθを乗ずることにより軸直角モジュールmtが歯直角モジュールmnに換算される(mn=mt×cosθ)。
【0017】
次に、本テーパ角度測定機6の作用を説明する。まず、必要な測定条件(図5参照)が主制御装置に手動入力される。なお、歯直角モジュールmnは、軸直角モジュールmtを当該歯直角モジュールmnに換算したものを入力する(mn=mt×cosθ、θは図3に示されるドグ歯2のテーパ角度。)。そして、被測定物としてのドグ歯車1が、本テーパ角度測定機6のセンターアーバ7に軸線が鉛直に向けられた状態に装着される。次に、主制御装置の測定開始ボタンが操作されると、ドグ歯車1が軸線回りに回転されて、当該ドグ歯車1における角度位相が0°のドグ歯2(選択されたドグ歯2)が測定初期位置(指定位置)に位置決めされる(位置決めステップ)。そして、該ドグ歯2の位置決めが完了すると、測定子5が指定された経路で移動されて角度位相が0°のドグ歯2の一方の歯面3の指定された位置に接触される。
【0018】
この状態で、図1に示されるように、測定子5が角度位相0°のドグ歯2の一方の歯面3の歯筋(歯車諸元に基づいた歯筋)に沿って移動されて、測定子5が当該ドグ歯2の歯筋に沿って移動する間の変位が測定される(測定ステップ)。そして、該測定子5による測定結果に基づいて、角度位相が0°のドグ歯2の歯筋データ(図6参照)がはすば歯車の歯筋データに置換えられて算出される。次に、ドグ歯車1が軸線回りに回転されて当該ドグ歯車1における角度位相が90°のドグ歯2が測定初期位置(指定位置)に位置決めされる。そして、ドグ歯2の位置決めが完了すると、測定子5が角度位相90°のドグ歯2の一方の歯面3の指定された位置に接触される。この状態で、測定子5が角度位相90°のドグ歯2の一方の歯面3の歯筋(歯車諸元に基づいた歯筋)に沿って移動されて、測定子5が当該ドグ歯2の歯筋に沿って移動する間の変位が測定される。そして、該測定子5による測定結果に基づいて、角度位相が90°のドグ歯2の歯筋データがはすば歯車の歯筋データに置換えられて算出される。
【0019】
このようにして、ドグ歯車1の角度位相が180°のドグ歯2と270°のドグ歯2とにおいても各々歯筋データがはすば歯車の歯筋データに置換えられて算出されて、さらに、角度位相が0°、90°、180°、270°の各ドグ歯2の各歯筋データの平均歯筋データがはすば歯車の平均歯筋データに置換えられて算出される。そして、該平均歯筋データが最小二乗法によって処理されて、該処理結果に基づいてドグ歯2のねじれ角誤差FHがはすば歯車のねじれ角誤差FHに置換えられて算出される。さらに、図7に示されるように、tanθ´=ねじれ角誤差FH÷歯筋測定有効幅BE(θ´:ドグ歯2のテーパ角度の誤差)が成立つことから、ドグ歯2のテーパ角度θの誤差θ´がはすば歯車のねじれ角θの誤差θ´に置換えられて算出されて出力される。そして、該出力されたテーパ角度θの誤差θ´に基づいて当該ドグ歯2のテーパ角度θが算出される。
【0020】
この実施の形態では以下の効果を奏する。
本テーパ角度測定機6では、ドグ歯車1のドグ歯2の一方の歯面3の歯筋が、はすば歯車の歯形測定に使用される歯形測定機によってはすば歯車の歯筋に置換えられて測定される。したがって、本テーパ角度測定機6では、歯筋の測定結果に基づいて、ドグ歯2の歯筋が歯形測定機によってドグ歯2の歯面3の歯筋データがはすば歯車の歯筋データに置換えられて算出される。また、本テーパ角度測定機6では、算出された歯筋データに基づいてドグ歯2のねじれ角誤差FHがはすば歯車のねじれ角誤差FHに置換えられて算出されて、該算出されたねじれ角誤差FHに基づいて、ドグ歯2のテーパ角度θの誤差θ´がはすば歯車のねじれ角θの誤差θ´に置換えられて算出される。そして、算出されたドグ歯2のテーパ角度θの誤差θ´に基づいて当該ドグ歯2のテーパ角度θが算出される。
【0021】
これにより、本テーパ角度測定機6では、ドグ歯車1のドグ歯2のテーパ角度θを歯形測定機を用いて測定することで人為的誤差を排除することが可能になり、従来の測定機と比較して、ドグ歯2の位置決め精度及び位置決めの繰り返し精度並びに歯筋測定精度が高まって、テーパ角度θの測定精度が向上する。また、従来の測定機のように、段取りと測定とを測定するドグ歯毎に行う必要がなくなり、測定に係る工数を大幅に削減することが可能になる。
また、本テーパ角度測定機6では、ドグ歯車1の軸直角モジュールmtをはすば歯車の歯直角モジュールmnに換算して、該換算された歯直角モジュールmnが測定条件として入力されるため、ドグ歯車1のドグ歯2の一方の歯面3の歯筋を、はすば歯車の歯筋に置換えて歯形測定機によって測定することが可能である。
【0022】
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
本実施の形態では、ドグ歯車1の角度位相が90°毎の4個のドグ歯2について一方の歯面3の歯筋を測定して各ドグ歯2の歯筋データを算出して、各ドグ歯2の歯筋データの平均歯筋データを算出したが、測定するドグ歯2の数は適宜設定すればよく、4個よりも少なくても多くてもよい。
歯面がインボリュート曲線を含む形状であれば、本テーパ角度測定機6を用いて、歯形が左右対称に形成される歯車(内歯でも外歯でもよい)の歯面のテーパ角度を測定してもよい。
ドグ歯車のドグ歯2の一方の歯面3を円筒面に置換えて真円度測定機を用いて測定してもよい。この場合、ドラフタを用いてテーパ角度θを読み取る作業が廃止されて測定精度が向上すると共に測定工数が削減される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本テーパ角度測定機の説明図であって、ドグ歯の一方の歯面の歯筋に沿って測定子が移動する状態を示す図である。
【図2】ドグ歯車の斜視図である。
【図3】図2におけるA部詳細図であって、ドグ歯のテーパ角度θを示す図である。
【図4】本テーパ角度測定機の概略構造を示す図である。
【図5】主制御装置に入力される測定条件を示す図である。
【図6】本テーパ角度測定機によって算出されて出力されたドグ歯車のドグ歯の歯筋データの一例を示す図である。
【図7】本テーパ角度測定機において、ドグ歯のテーパ角度θの誤差θ´とドグ歯の歯面のねじれ角誤差FHとの関係を説明図するための図である。
【図8】従来のテーパ角度測定方法の説明図であって、ワーク保持治具にドグ歯車が保持された状態を示す図である。
【図9】従来のテーパ角度測定方法の説明図であって、形状測定機によってドグ歯の歯筋が測定される状態を示す図である。
【図10】従来のテーパ角度測定方法の説明図であって、記録紙に記録されたドグ歯のプロフィールから、ドラフタによってドグ歯のテーパ角度が読取られる状態を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ドグ歯車、2 ドグ歯、3 歯面、5 測定子、6 テーパ角度測定機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドグ歯車が軸心回りに回転されて選択されたドグ歯が指定位置に位置決めされる位置決めステップと、前記指定位置に位置決めされたドグ歯の一方の歯面に測定子が接触されて該測定子が歯筋に沿って移動する間の該測定子の変位が測定される測定ステップと、該測定ステップの測定結果に基づいて歯筋データが算出されて、該歯筋データに基づいて前記ドグ歯のテーパ角度が算出される演算ステップと、の各ステップを含んで構成されることを特徴とするドグ歯のテーパ角度測定方法。
【請求項2】
前記演算ステップは、前記歯筋データに基づいて前記ドグ歯車の歯車諸元に対するねじれ角誤差が算出されるねじれ角誤差算出ステップと、該ねじれ角誤差算出ステップによって算出された前記ねじれ角誤差に基づいて前記ドグ歯車の歯車諸元に対する前記ドグ歯のテーパ角度の誤差が算出される角度誤差算出ステップと、を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のドグ歯のテーパ角度測定方法。
【請求項3】
前記演算ステップでは、前記ドグ歯車の歯筋データがはすば歯車の歯筋データに置換えられて算出されて、前記ねじれ角誤差算出ステップでは、前記ドグ歯車のねじれ角誤差が前記はすば歯車のねじれ角誤差に置換えられて算出されると共に、前記角度誤差算出ステップでは、前記ドグ歯のテーパ角度の誤差が前記はすば歯車のねじれ角の誤差に置換えられて算出されることを特徴とする請求項2に記載のドグ歯のテーパ角度測定方法。
【請求項4】
ドグ歯車のドグ歯の一方の歯面の歯筋がはすば歯車の歯筋に置換えられて歯形測定機によって測定されて、該歯形測定機の測定結果に基づいて前記ドグ歯のテーパ角度が算出されることを特徴とするドグ歯のテーパ角度測定方法。
【請求項5】
上記請求項1〜3のいずれかに記載のドグ歯のテーパ角度測定方法に用いられるテーパ角度測定機であって、
ドグ歯車が軸心回りに回転されて選択されたドグ歯が指定位置に位置決めされる位置決め手段と、前記指定位置に位置決めされた前記ドグ歯の一方の歯面に接触される測定子と、該測定子を指定された経路で移動させる測定子移動手段と、前記指定位置に位置決めされた前記ドグ歯の一方の歯面に接触された前記測定子が歯筋に沿って移動する間の前記測定子の変位が測定される測定手段と、該測定手段の測定結果に基づいて前記ドグ歯の歯筋データが算出されて、該算出された歯筋データに基づいて前記ドグ歯のテーパ角度が算出される演算手段と、を具備することを特徴とするドグ歯のテーパ角度測定機。
【請求項6】
前記演算手段は、算出された前記歯筋データに基づいて前記ドグ歯車のねじれ角誤差が算出されるねじれ角誤差算出手段と、該ねじれ角誤差算出手段によって算出されたねじれ角誤差に基づいて前記ドグ歯車の前記ドグ歯のテーパ角度の誤差が算出される角度誤差算出手段と、を具備することを特徴とする請求項5に記載のドグ歯のテーパ角度測定機。
【請求項7】
前記演算手段は、前記ドグ歯車のドグ歯の一方の歯面の歯筋データがはすば歯車の歯筋データに置換えられて算出されることを特徴とする請求項5又は6に記載のドグ歯のテーパ角度測定機。
【請求項8】
上記請求項4に記載のドグ歯のテーパ角度測定方法に用いられるテーパ角度測定機であって、ドグ歯車のドグ歯の一方の歯面の歯筋をはすば歯車の歯筋に置換えて測定する歯筋測定手段を備えることを特徴とするドグ歯のテーパ角度測定機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−24819(P2007−24819A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211170(P2005−211170)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】