説明

ナノスケール加工電極及び加工品、及びその製造方法

【課題】最適軸受性能のために微細溝ピッチ(<100ミクロン)、微細フィーチャ幅(<25ミクロン)、3Dで変化する溝深さ及び表面プロファイルなどのフィーチャを有するモータ軸受構成部品を提供すること。
【解決手段】加工品を製造するための方法、最終部品を作るための電極設計フィーチャ及びそのような電極を製造する方法が開示される。所望のプロファイルを有する導電性ブロックを含む電極が開示される。本発明の実施例の電極は、固く加工困難な材料を含む広い範囲の材料から作ることができる。この電極は、中実素材、又は中空コアを有するスリーブ又は充填されたコアを有するスリーブから作ることができる。そのような電極は、加工品に最適な溝形状を実現させるために使用することができる。光重合、選択的除去、鍍金、及び凹んだランド用の逆ECMを含むその他の方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナノスケール加工電極及びディスク駆動モータのスラスト部及びジャーナル部などの加工品に関する。
【背景技術】
【0002】
磁化可能媒体を有する磁気ディスクは、ほとんど全てのコンピュータ・システムのデータ記憶用に使用されている。現行の磁気ハードディスク・ドライブは、ディスク表面のわずか数ナノメートル上に読み書きヘッドを有して、且つ通常毎秒数メートルのかなりな高速で動作する。
【0003】
一般にディスクは、読み書きヘッドの下をディスクの表面が通過するように、スピンドル・モータによって回転するスピンドル上に取り付けられる。スピンドル・モータは一般にベース・プレートに固定されるシャフト、及びスピンドルが取り付けられ、シャフトが中に挿入されるスリーブを有するハブを含む。ハブに取り付けられた永久磁石が、ハブをシャフトに対して回転させるようにベース・プレート上のステータ巻線と相互作用する。回転を容易にするために、1つ以上の軸受がハブとシャフトの間に通常配設される。代替の設計は回転シャフト構造を使用する。その場合、スリーブがベース・プレートに取り付けられている。
【0004】
図1は、本発明の方法及び装置によって製造される流体軸受を有するスピンドル・モータが特に有用である磁気ディスク駆動部の概略図を示す。図1を参照すると、ディスク駆動部100は、シール120によってカバー115にシールされるベース110を有するハウジング105を通常含む。このディスク駆動部100は、磁気的に情報を記録するための磁気媒体(図示せず)によって被覆された表面140を有する多数のディスク135が取り付けられるスピンドル130を有する。スピンドル・モータ(この図に図示せず)がディスク135を回転させ、サスペンションアーム・アセンブリ150によってディスクの表面140の上方に懸架された読み書きヘッド145を通過させる。運転中、スピンドル・モータがディスク135を高速で回転させて読み書きヘッド145を通過させ、同時にサスペンションアーム・アセンブリ150がいくつかの半径方向に間隔のあいたトラック(図示せず)のうちの1つの上にこの読み書きヘッドを移動させ、位置決めする。これによって読み書きヘッド145が、ディスク135の表面140上の磁気媒体に対して選択された位置で磁気的に符号化された情報を読み且つ書き込むことが可能になる。
【0005】
ここ何年も記憶密度が増加する傾向にあり、且つ記憶システムの寸法も減少する傾向にある。この傾向は磁気記録ディスクの製造及び運転でのより大きな正確性及びより小さな公差に繋がってきている。例えば増加する記録密度を達成するために、この読み書きヘッドは記録ディスクの表面に対して益々近接して配置されなければならない。この近接化はディスクが実質的に単一平面で回転することを必要とする。ディスク回転のわずかな揺れ又は逃げもディスクの表面を読み書きヘッドと接触させる。これは「クラッシュ」として知られており、読み書きヘッド及びデータの喪失に結果としてなる記録ディスク表面を損傷させる可能性がある。
【0006】
前述の論議から記録ディスクを支持する軸受アセンブリが相当に重要なものであることが分かる。典型的な軸受アセンブリの1つは、1対の軌道輪の間で支持されるボール軸受を備え、これによって記録ディスクのハブが固定部材に対して回転できるようにする。しかしながらボール軸受アセンブリは、摩耗、逃げ及び製造の困難性などの多くの機械的な問題点を有する。その上、低減衰の故に動作衝撃及び振動に対する耐性に乏しい。
【0007】
代替の軸受設計の1つが流体軸受である。流体軸受では、空気又は液体などの潤滑流体が、ハウジングの固定部材とディスク・ハブの回転部材の間の支承表面をもたらす。空気に加えて、典型的な潤滑剤には油又は他の流体が含まれる。流体軸受は、一連の点界面を備えるボール軸受アセンブリと比較して広い表面領域上に支承界面を広げる。これは、増大した支承表面が回転部材と固定部材の間の揺れや逃げを減少させるので望ましい。さらに、界面領域での流体の使用は、非反復逃げを減少させるのを助ける減衰効果を軸受に付与する。
【0008】
ジャーナル、スラスト、及び円錐流体軸受に配設される動力学的圧力発生溝(すなわち流体動力学的溝)は、高流体圧力の局所的領域を発生させ、流体又は空気が軸受内に、且つ回転表面間に流体圧力をより均一に分布させるための移送機構をもたらす。
【0009】
図2Aは、ディスク駆動部100に有用な型式のスピンドル・モータ155の側断面図を示す。通常このスピンドル・モータ155は、周囲に取り付けられた1つ以上の磁石165を有する回転可能なハブ160を含む。磁石165は、ハブ160を回転させるように、ベース110に取り付けられたステータ巻線170と相互作用する。ハブ160は、一端にスラスト・プレート180を有するシャフト175に支持される。このスラスト・プレート180はシャフト175の一体化した部品であることができ、又は例えば圧入によってシャフトに取り付けられる別の部片であることもできる。シャフト175及びスラスト・プレート180は、ハブ160のスリーブ185及びスラスト・プレート・キャビティ190内に嵌合している。カウンタ・プレート195がスラスト・プレート180の上方に設けられ、ハブ160から延びる環状リング205の上にある。Oリング210がカウンタ・プレート195をハブ160に対してシールする。図2Aはスピンドル・モータの考え得る1つの構造である。別の考え得る構造には、図2Dに示すような円錐シャフト軸受を有するスピンドル・モータが含まれる。
【0010】
潤滑油又は強磁性流体などの流体がシャフト175とスリーブ185の間、及びスラスト・プレート180とスラスト・プレート・キャビティ190及びカウンタ・プレート195の間の界面領域を満たす。1つ以上のスラスト・プレート180、スラスト・プレート・キャビティ190、シャフト175、スリーブ185、又はカウンタ・プレート195は、流体軸受220、225を作り出すための本発明によって形成される圧力発生溝(この図に図示せず)を有する。溝はシャフト175の外側表面215又はスリーブ185上に形成されることができる。シャフト175の外側表面215の溝は、ハブ160を半径方向に回転可能に支持する動的クッションを有する1つ以上の流体ジャーナル軸受225を形成することがより好ましい。同様に、ジャーナル軸受もシャフト又はスリーブ又はその組合せの上に溝を有することができる。
【0011】
図2B及び図2Cは、シャフト175に対して回転させるためにスリーブ及びハブを支持するのに使用される流体軸受を形成する溝を示す、ハブ及びスリーブの組合せのそれぞれ垂直断面図及び上面図である。この分野でよく知られている設計原理によれば、スリーブ185はその外側表面上でハブ160を支持し、このハブは1つ以上のディスク(図示せず)を回転させるために支持するであろう。スリーブ185のメイン・ボアの内側表面は、シャフトの表面と協働する1対の溝212、214のセットを含み、間に介在する流体(図示せず)は、ハブ160をシャフト175の周りで回転させるように支持するのに使用されるジャーナル軸受を形成するであろう。
【0012】
通常そのような設計は、シャフトの一端部で支持される(且つ図2Aの180に示す)スラスト・プレートも含む。凹部216がスラスト・プレート180用に設けられ、第2の凹部218が、組み立てられたモータ中のスラスト・プレートの上に横たわり、スラスト・プレートの上側表面と共に流体軸受隙間を画成するのに使用されるカウンタ・プレート195用に設けられている。カウンタ・プレート195の下側表面219は、スラスト・プレート180の軸方向外側表面221と対面する。スラスト・プレート180の表面又はカウンタ・プレート195の表面のいずれかは、スラスト・プレート180及びカウンタ・プレート195を円滑な相対的な回転のために支持する圧力勾配を作り出すためにスラスト・プレート150の外側表面221と協働する、この場合は山形の連続形状である溝222(図2B)のセットも含む。これはスラスト・プレート180及びスラスト・プレートが取り付けられているシャフト175に対するハブ160及びスリーブ105の傾きも防止し、それ故ハブ160はシャフト175の周りに対して非常な安定性を有して回転する。
【0013】
図2Dは、シャフト(図示せず)の周りを回転するように、デュアル円錐及びジャーナル軸受によって支持されるハブ200の垂直断面図である。ハブ200は、その内側表面がハブ200を回転させるように支持する流体軸受を形成する溝を画成するスリーブと一体化されている。この技術でよく知られているように、シャフト(図示せず)はハブ200内に挿入され、軸受区域の上側及び下側端部のところで円錐区域210、212と対面するデュアル円錐表面を有する。このシャフトは、溝切りされる区域214、216によって画成されるジャーナル軸受と協働する平滑な中央区画をさらに含むであろう。流体軸受のこの分野でよく知られているように、流体は静止するシャフトとスリーブの内側の溝切りされる表面の間の隙間を満たす。ハブのベースから支持される巻線と協働するハブの内側表面に取り付けられた磁石の間の相互作用の推進力の下でスリーブが回転すると、溝切りされる区域の各々で圧力が形成される。このようにするとシャフトは、ハブ200及びディスク202を一定高速回転のために容易に支持する。スリーブの内側表面の圧力発生溝は、図2Dに容易に見ることができる。好ましい例ではそれらは、上側円錐用に2セットの溝230、232を、下側円錐用に対応するセット234、236を含む。この具体的な設計は、さらにシャフトを安定化させるために2つのジャーナル軸受240、242も使用する。
【0014】
流体軸受を考慮すると溝の正確さの重要性は、減摩性の媒体の動的クッションを形成するための層又は膜又は流体がその間に維持される、並列する表面を有する2つの相対的に回転する部材を流体軸受が一般に備えることである。動的クッションを形成させるために、少なくとも1つの表面、この場合はハブ及びスリーブの内側表面が、界面区域に流体の流れを誘起し動的高圧力の局所的区域を発生させる溝を備えることである。この溝は高くしたランド又はリブによって分離される。表面に相対的に近接して詰め込まれたこれらの小さな寸法を有する溝を形成することは極めて困難であろうことは容易に明らかである。この目的のために、この場合は図2Dのハブである加工品は、加工品に溝を形成するために溝切り装置に配置される。
【0015】
流体動力学的溝の形状は、所望の圧力均一さに依る。流体変位の質、したがって圧力均一性は一般に、溝深さ及び寸法の均一性に依る。溝幅の勾配と連動する溝深さの制御される勾配が、軸受表面に所望の圧力プロファイルをもたらすことができる。
【0016】
上記の問題点の結果として、流体軸受の溝の電解加工(ECM)が開発されてきている。大雑把に説明すれば、ECMは機械的又は熱的エネルギの使用なしで材料金属を取り除くプロセスである。基本的に電気エネルギが、流体動力学的溝をその上に形成するために流体軸受から材料を取り除くためのエッチング反応を形成するように化学薬品と組み合わされる。この方法を行うために直流電流が、アノードとして働く加工品(例えば、カウンタ・プレート、スリーブ・ジャーナル、又は円錐軸受)と形成されるべきパターンを通常保持しカソードとして働く電極の間を通過させられ、この電流が2つの表面間に存在する導電性電解液を通過する。アノード表面で、電子が電流によって取り除かれ、表面のところの分子構造の金属結合が壊される。これらの原子は電解液と共に金属イオンとして溶液内に入り、金属水酸化物を形成する。これらの金属水酸化物(MOH)分子は、ろ過して取り除くために運び去られる。しかしながらこのプロセスは、隙間の設定が、金属イオンが運び去られる速度及び体積を決めるであろうから、非常に正確に測定しなければならない隙間を横切って表面上に溝を正確に且つ同時に配置する必要性を引き起こす。単純な構造体でさえ、この問題は解決するのが困難である可能性がある。構造体が円錐軸受の内側表面であるとき、隙間幅の設定は極めて困難になる可能性がある。円錐部品に関連する製造可能性の問題は、しばしば円錐の直径を制御することを困難にする。機械的な公差に起因して、加工品は電極に対してずれる可能性があり、これは不均一な隙間を生じさせ対応して不均一な深さの流体軸受を生じさせる。したがって、寸法的に一貫性のある流体動力学的溝を形成するために、電極隙間に対する連続した一貫性のある加工品を保証するであろう、固定電極を有する工具を製造することは困難である。
【0017】
スラスト及びジャーナルの進歩した溝パターンは、現行ではECMプロセスによって製造される。このECMプロセスに使用される電極は高導電性材料から作られ、特定の形状及び深さの3Dパターンを反映するように加工された加工品表面を伴う円筒形状を通常有する。
【0018】
このECMプロセスは、電束場によって影響される領域内の加工品からの金属除去を起こさせるために、電解液を通る電束場を供給するように形状化された電極を使用する。この電極は、絶縁材料の区域によって分離される導電材料の区域を有する。これらの区域の形状及びパターンは一般に、電解作用によって加工されるべき領域の反転されたイメージである。加工は導電区域のゾーン内で起こり、絶縁材料のゾーン内では制限される。これらの電極は複雑であり且つ形状が多次元である可能性がある。
【0019】
これらの電極の製作は、電導及び絶縁材料の交互するゾーンの構造化を可能にする技術に依存する。製作可能性の典型的な制限には、これまでの機械切断工具の限定された寸法及び単一部片の多次元構造体を形成する能力が含まれる。他の製造方法にはフォトリソグラフィが含まれる可能性があり、これは構造体の形状に制限がある可能性があり、又は含まれるステップ数の多さに起因してコスト効率がより良くない可能性がある。
【0020】
現行のFDBモータは、スラスト及びジャーナル軸受に溝を付けるためにECMプロセスを使用する。通常は、ミリング・プロセスが電極に溝を機械加工するために使用される。電極に溝をミリングする従来型プロセスによっては、溝幅、深さ及び溝間の分離を制御することは困難である。
【0021】
さらに現行のFDBモータは、電極に溝を加工することによって、ジャーナル軸受に溝を付けるためにECMプロセスを使用する。この溝は次いで絶縁エポキシで注封される。この注封された電極は、余剰の絶縁材を取り除くために追加の加工又は研磨操作を必要とする(図9)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
正確で且つコスト効率のよい流体動力学的溝形成するための信頼性のある方法及び装置を提供するための、改良された電極及びそれを製造する方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の実施例は以下に関する。
【0024】
高溝ピッチを有する流体軸受モータの構成部品(加工品)。100ミクロンより小さなピッチ及び10ミクロンより小さなフィーチャ幅が実現可能である。
【0025】
電極及び/又はECMプロセスで通常溝切りされる加工品。加えるに、この発明の実施例は溝を直接加工品に付けるために使用することができる。
【0026】
加工品上のより平坦なランド及びより鋭いチャンネル壁(図8)に繋がる均一な電流/電流密度を作り出すように凸に形状化できる電極上の導電性部分(ランド)。
【0027】
加工品上に任意の所望のランド又は溝形状を結果として作り出すように形状化できる電極上の導電性部分(ランド)。これ3次元で実現可能であり、加工品の半径方向形態、溝深さ、及び他の形体を選択的に3次元で変更できる。
【0028】
スラスト、ジャーナル、及び円錐などの支承表面用、又は非支承表面又は加工品用を含む任意の形状の電極又は加工品のためのECMプロセス。
【0029】
電気的要因に対して最適化された、最適化された電極形状、電解質化学動力学、加工品と電極の間のより詰まった加工隙間と相まった電解質流れ動力学、正確且つ最適な形状を加工品に作りだすのを助けるECMプロセス中の超短パルス(時間)。
【0030】
本発明の一実施例は、導電性ブロックを貫通する第1の開口部及び導電性ブロックを貫通する第2の開口部を有する導電性ブロックを備える電極に関し、第2の開口部は第1の開口部から導電性ブロックの表面まで横断する。第1の開口部が固体のプラグを含まず、第2の開口部が第2の開口部を貫通する流体の流れを可能にするように構成するのが好ましい。第1の開口部が非導電性材料からなる固体プラグを含むのが好ましい。この電極が電解加工プロセスによって加工品上に溝パターンを形成するように構成されるのが好ましい。導電性ブロックの表面が、25ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有する溝を備える溝パターンを備えるのが好ましい。導電性ブロックの表面が、12ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有する溝を備える溝パターンを備えることが好ましい。第1の開口部及び前記第2の開口部が誘電体材料を全く含まないのが好ましい。アーク放電を全く伴わない実質的にゼロ加工隙間で加工品に溝パターンを形成するように電極が構成されるのが好ましい。電極がカウンタ・プレート電極、スリーブ・ジャーナル電極又は円錐軸受電極であることが好ましい。導電性ブロックの表面が、溝及び溝間に平坦な又は形状化された非平坦ランドを備える溝パターンを備えることが好ましい。
【0031】
別の実施例は、誘電体層の部分を除去するためにナノセコンド又はそれより小さなパルス時間を有するレーザ又は集束されたエネルギ・ビームによって、導電性ブロック上の誘電体層内に溝パターンを形成するステップを含む、電極を製造する方法に関する。この誘電体層は、導電性ブロックの導電性材料の除去閾値より低い除去閾値を有することが好ましい。レーザ除去は、導電性ブロックの導電性材料の除去を実質的に全く伴わずに行われることが好ましい。この誘電体層は、導電性ブロックの導電性材料の除去閾値より高い除去閾値を有することが好ましい。レーザ除去は導電性ブロックの導電性材料の破裂及び排除によって行われ、結果として導電性材料及び溝パターン領域の上にある誘電体層の誘電体材料の同時的な除去になることが好ましい。別の実施例は、誘電体層を形成するようにモノマーを重合させるステップをさらに含み、このモノマーは光活性モノマーである。レーザ又は集束されたエネルギ・ビームが絶縁材料を活性化させ、絶縁離隔部を作り出すように絶縁材料を電極の導電性部分の上に又はそれを覆って広げさせることが好ましい。
【0032】
さらに別の実施例は、中空導電性ブロックの部分のレーザ除去によって導電性ブロックの表面上に溝パターンを形成させるステップと、この溝パターン内に誘電体材料を形成させるステップとを含む、電極を製造する方法に関する。この溝が20ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有することが好ましい。溝パターン内の誘電体材料又は溝間の非平坦ランドのいずれかが、曲がった表面を有することが好ましい。さらに別の変形形態は、溝パターン内に金属を堆積させるステップをさらに含むことができる。パルス時間は100ピコセコンドより短いことが好ましい。このパルス時間が1ピコセコンドから1フェムトセコンドの間であることがより好ましい。
【0033】
本発明のさらに別の実施例は、流体軸受用の溝を備える溝パターンを備える加工品に関し、この溝パターンは100ミクロンより小さなピッチを有し、且つ溝は凸のランドを有する電極によって形成される実質的に垂直な壁を有する。この溝パターンは、10ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有することが好ましい。この溝パターンは、5ミクロン又はそれより小さな隙間のところで20ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有することが好ましい。この加工品は、カウンタ・プレート、スリーブ・ジャーナル又は円錐軸受であることが好ましい。
【0034】
本発明のその他の利点は、本発明を実施するために企図される最良の方法を単に示す目的で、本発明の好ましい実施例のみ示され説明される、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになるであろう。理解されるように、本発明、他の且つ異なる実施例の特性、及びその詳細は、全て本発明から逸脱することなく様々な明瞭な観点で改変することができる。したがって、図面及び説明は本質的に説明のためであり、限定するためではないと見なすべきである。
【0035】
本発明は、添付の図面と共に取り上げられるとき、本発明の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるであろう。
【実施例】
【0036】
本発明の基礎は、シャフト、スリーブ、円錐、平スラスト表面等などのモータ軸受構成部品上のランド及び溝形態に多次元変形形態を作るための、発明者等による認識及び実証にある。本発明の実施例によって、電極上に正確な対応する形状を作ることが可能になる。
【0037】
本発明の実施例の中で、フェムトセコンドパルス化レーザ加工方法によって電極上に微細フィーチャを製作することが可能になる。それは(予備加工された溝の中に誘電体材料を鋳込み、続いて誘電体表面を導電性要素と面一にするように表面研磨する)現行の注封プロセスと互換性があり、電極上に微細フィーチャ及び進化した形状を達成するためのドロップイン解決策である。この電極は伝統的なECMプロセスと互換性がある。本発明のこの実施例では、電極の構造体に使用される材料は任意の密度及び硬度のものであり得る。
【0038】
本発明の実施例では、流体軸受モータの溝切りされる部品は、電解加工プロセス(ECM)を使用して製造することができる。溝形状及び幅並びに溝密度は軸受性能を最適化するように加工することができる。いくつかの実施例での溝は、以下の機能を果すことができる。
−流体供給及び分配用のマイクロチャンネルとして
−電極上のランド形状化によるオーバーバーンの低減のため(図8)
−空気を追い出しキャビテーションを防止するため
−動力消費量を最適化するため、及び
−軸受剛性及び減衰特性を最適化するため
【0039】
本発明の実施例の中で、電解加工は流体軸受加工品部品上に様々な形状の溝を製作するのに使用することができる製造技術である。上記で明らかにしたように、ECM装置は、電極、電解液浴、加工品部品、電極と加工品の間に特定の隙間を設定する固定具から構成される。この隙間を介して高電流で電位を加えることによって、電極から加工物部品の表面へのパターンの転写が可能になる。結果として得られる溝の深さは、主として加工隙間、電流、ECMプロセス時間、電極上のランド形状からの結果である電束場の形状及び分布に依存する。この溝の幅並びにそれらの形状及びそれらの密度(部品の単位領域あたりの溝の数)は、ECM電極(ECM装置)と加工品の間の加工隙間、この加工隙間を通る電解液流量及びECM電極のフィーチャ形状によって画定される。これらの要因は、部品上の溝形状の幅及び壁の直線性(直角度)を決めることができる。
【0040】
加工品部品上の電解加工された溝の幅は、一般にオーバーバーンと呼ばれる現象に起因して電極上の当初の形体より大きい。加工品部品の溝幅に影響する主要因の1つは、電極パターンのフィーチャ幅である。
【0041】
本発明の実施例の電極は、1ミクロンから100ミクロン、好ましくは5ミクロンから50ミクロン、より好ましくは10ミクロンから20ミクロンの範囲の電極のフィーチャ幅を有する。一実施例では、この電極のフィーチャ幅は11ミクロンであった。ECMプロセス及びこの発明の実施例の電極を使用することによって、溝切りされる部品上に最小100ミクロンの溝幅及び限定された溝密度しか可能でなかった従来型電極によって生成する溝密度の3倍から5倍の、高密度溝を生成させることができる。例えば本発明の実施例は、2ミクロンから150ミクロン、好ましくは5ミクロンから100ミクロン、より好ましくは10ミクロンから30ミクロンの範囲の加工品のフィーチャ幅を有する、10ミクロンから150ミクロンの範囲の、好ましくは50ミクロンから100ミクロンの範囲のピッチを有する溝を加工物上に生成させる。一実施例では、加工品上の溝のピッチは(従来の加工品の溝の200ミクロン・ピッチ密度と比較して)80ミクロンであり、加工品のフィーチャ幅は20ミクロンであった。
【0042】
ECM電極のフィーチャ形状(フィーチャ幅、深さ及び壁直線性(直角度))は、その製造プロセスによって画成される。ECM電極は現行、(エンドミル切削負荷及びこの切削負荷に耐えるのに薄すぎる場合はランドに歪が結果として生じることに起因して)電極フィーチャ幅を35ミクロンまでに制限するエンドミルプロセスを使用して製造される。エンドミルによって作られる電極溝幅は、通常125マイクロメートルである最小のエンドミル直径によって制限される。これが、最終のECM部品上に結果として得られる溝幅及び溝密度を制限する。
【0043】
この発明の過程で発明者等は、高性能モータ製品の新世代は、溝幅で20ミクロンまでのかなりの低減及び(溝対ピッチの比を0.5に維持しながら)加工品部品上の面積当りの溝密度の増加並びに加工品部品上の壁直線性(直線垂直壁)を必要とするであろうことを見出した。これらの特徴を部品上に達成するために、発明者等は、加工隙間を減少させることが必要となるであろうことを認識した。微細フィーチャ幅電極と共に、加工隙間を減少させることでECM部品上に微細フィーチャを生成させることができる。
【0044】
従来型電極設計及び製造プロセスの欠点を修復するために本発明者等は、従来型電極の有効性の改善に、並びに導電性材料の中空円筒状素材から電極が作られる新規なECM電極設計に適用可能な設計及び製造プロセスに到達した。電極上に加工される溝パターンは、導電性材料の厚さを貫通切削するであろう。2つの考え得る構造を以下に説明する。
(1)中空コアを有する電極(図3):この溝パターンは導電性表面を貫通して加工される。円筒状素材の内側通路は開いたままにされ、露出された溝を通り電解質をポンプ輸送するために使用される。これは、半径方向電解液の流れ穴がジャーナル又は円錐電極内に置かれる現在の電極設計と異なる。
(2)充填コアを有する電極(図4):絶縁材料から作られるシャフトが、黄銅などの導電性材料の中空円筒の内側に鋳造され、取り付けられ又は差し込まれる。この導電性円筒の頂部層を選択的に取り除く又は切除するためのエネルギ閾値及びピーク出力を制御する水ジェット又はレーザ加工プロセスなどのマイクロ加工方法を導電性層から溝パターンを切り出すのに使用することができる。導電性円筒内の溝は、導電性円筒の導電層を内側の絶縁プラグまで完全に貫通するのが好ましい。この絶縁プラグは電極に構造的剛性をもたらすために使用することができる。
【0045】
本発明の電極の実施例では、溝チャンネルが導電性中空円筒の外側表面から内側表面まで「貫通した」溝であることが好ましいので、導電性中空円筒の導電性ランド区域間の短絡を防止するために溝を絶縁材で充填する必要は全くない。
【0046】
本発明の電極の利点のうちのいくつかには、以下が含まれる。
1.電極が非平坦ランドを有することができる。
2.電極を注封された層の研磨などの後処理ステップなしで作ることができる。
3.電極内の溝は、ECM処理中電極を貫通する電解液の流れのための追加の通路を提供することができる。
【0047】
図4及び図5は円筒形状の電極を示すけれども、本発明の実施例の電極は、板形状、円板形状、円錐形状、楕円横断面形状及び他の考え得る形状などの他の形状も同様に有することができる。同様に、本発明の電極は、カウンタ・プレート、スリーブ・ジャーナル又は円錐軸受用の電極であることもできる。
【0048】
本発明の電極の実施例(図10、11)のいくつかは、電極の外側誘電体(非電導)表面の下に配置される電極導電表面を有する。発明者等は、本発明の実施例の電極は加工品部品製造に関して重要な利点を有することを見出した。それによって外側電極表面と加工品部品の間の加工隙間のゼロまでの低減が可能になる。加工隙間のこの低減は、部品上の最終溝幅の低減に繋がる。加工隙間の低減は、良好な軸受性能のための望ましいパラメータである、加工品部品上の面積当りの溝密度の増加及びECM処理中の溝壁直線性の増加を可能にする。
【0049】
本発明の実施例の電極は、ECM電極を作るための正確なフィーチャを加工するためのマイクロスケールの又はナノスケールの方法によって、又は以下のように所望のフィーチャ又は領域上に選択的に焦点を結ばせることができるレーザ又は他の電磁気的放射を使用する直接材料積層(図12)又は除去(図9、図10)によって作ることができる。
任意選択1:液体の高エネルギ超精密ジェットを使用する機械的プロセスを溝領域の材料を加工するために使用することができる。ジェットの直径及び加工軌跡は、対応するフィーチャ幅を得るために制御することができる。
任意選択2:超高速レーザを使用するナノスケール加工:超短パルス・レーザを20ナノメートルと同じ程度のフィーチャを選択的に除去するように非常に高密度で使用することができる(図6)。
任意選択3:直接材料積層:この方法は、エネルギのこの集束されるビームを使用して接合、鍍金、固化、又は反応的に触媒作用化され得る絶縁材料(図10、図11)又は導電性材料(図13)の様々な層を付着させることによって開始する。この材料特性は、変化閾値を上回るエネルギ・レベルに曝される領域でのみ変化する。焦点化され、導かれ、且つ多次元で強度が変更されるこのエネルギの能力の故に、且つ非常に高い正確性及び解像度を有する故に、高度の複雑性及び正確性の単一又は数個構成の電極構造体を形成することが可能である。使用される材料は、最初に液体、粉体(固体)又はガスとして付着される光量子活性化されるポリマー、モノマー又は他の材料であることができる。これらの材料を連続する薄い層に付着させ且つ活性化させ、各層を各下にある層と互いに一体化し又は互いに接合させることによって、結果として得られる構造体は多次元、且つ多特性で変化することができる。
任意選択4:直接材料除去(除去):レーザ又は電磁気的エネルギ源を材料を直接取り除く(除去する)ために使用することができる。それは材料積層(任意選択3参照)に先立って表面又は構造体を準備する又は加工するために、又は材料積層後に仕上げ加工又は材料除去(図8)用に使用することができる。
【0050】
これらの方法は、再循環穴及び溝などの正確なフィーチャを加工するために適用することもできる。これらの方法の利点のいくつかは以下を含む。
1.これらのプロセスは50nm幅の範囲の極めて微細なフィーチャを加工することができる。これはより高い溝密度を可能にする。
2.このプロセスは比較的クリーンである。
3.このプロセスは、電極を製造する現行のプロセスに比較してより再現性のある可能性がある。
4.これらのプロセスは、フォトリソグラフィ・マスキング・プロセスでの処理ステップより低減した処理ステップ数を有するので、フォトリソグラフィ・マスキング及び化学的又は反応性エッチングと異なる。
5.これらのプロセスは、他の技術では困難又は不可能である多次元構造形状の製作を可能にする。例えば、頂部でのより微細なランド幅及び底部に向かって増大するフィーチャ幅。ここで、ランドの根元はランドの頂部より実質的により広く作ることができる。これは頂部で暴露されるランドが狭いために構造的強度をもたらす。これは従来型のミリング・プロセスによって達成することができない。
6.これらのプロセスによって、電極、モータ構成部品又は任意の他の構成部品にマイクロメートル又はナノメートル・スケールのフィーチャの製作が可能になる。
【0051】
本発明の実施例の電極は発明者等によって、約10ミクロンから12ミクロンの最小電極フィーチャ寸法を有して成功裏に製造され(例えば、図7のスラスト電極)、約20ミクロンから50ミクロンの加工品部品に約5ミクロンから20ミクロン隙間で最小の溝幅を生成させるためにECMプロセスで試験された。
【0052】
本実施例の電極は、例えば以下に説明するように製造することもできる。
【0053】
ステップ1:中空導電性ブロック上の誘電体層に溝パターンの形成。
任意選択(a):導電性ブロック上に誘電体層を被覆。この誘電体層の部分を溝を形成するためにレーザによって導電ブロックの表面まで、又は導電性ブロック内にくぼみを作るまで除去する。この誘電体層が導電性ブロックのものより低い除去閾値を有する場合、次いで導電性ブロックに対し最小限の障害しか有さないように誘電体層を除去する。誘電体層の誘電体材料が導電性ブロックのものより高い除去閾値を有する場合、次いで溝形成は焦点化されたレーザ・ビームによって導電性ブロックの導電材料の爆発及び排除によって行うことができ、結果として溝パターン領域での導電性材料及びその上の誘電材料の同時除去になる。
任意選択(b):導電性ブロック上に感光性モノマー又はレーザ又は光又は他の焦点化されたエネルギ源によって硬化させることができる任意の材料を被覆。感光性モノマー又は他の材料を導電性ブロック上に誘電体層を形成するように重合させる。この誘電体層の部分をレーザによって溝を形成するために導電ブロックの表面まで、又は導電性ブロック内にくぼみを作るまで除去する。この誘電体層が導電性ブロックのものより低い除去閾値を有する場合、次いで導電性ブロックに対し最小限の障害しか有さないように誘電体層を除去する。誘電体層の誘電体材料が導電性ブロックのものより高い除去閾値を有する場合、次いで溝形成は焦点化されたレーザ・ビームによって導電性ブロックの導電材料の爆発及び排除によって行うことができ、結果として溝パターン領域での導電性材料及びその上の誘電材料の同時除去になる。
【0054】
ステップ2:溝パターン内の金属の堆積。誘電体層を鍍金マスクとして働くように使用して、溝を導電性材料で満たし電極上に面一表面を形成するように、溝パターン内の溝が電解又は無電解方法によって鍍金される(図13)。
【0055】
この実施例の電極は、例えば、以下で説明するように製造することもできる。
【0056】
ステップ1:中空導電性ブロックに溝パターンの形成。溝は導電性ブロックの表面にレーザ加工される。
【0057】
ステップ2:この溝パターン内に誘電体材料の形成。溝パターンの溝を充填できるように、中空コアを有する導電性ブロック上をレーザ又は光によって硬化させることができる光活性モノマー又は任意の材料で被覆する。誘電体材料を硬化させるために光活性モノマー又は他の材料を高分子化させ、電極上に面一表面を形成する。
【0058】
本発明の実施例の方法によって、この電極は20ミクロン又はそれより小さな、より好ましくは11ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有する溝を有することができる。同様に、溝パターン内の誘電体材料又は溝間のランド領域(図8)のいずれかは、ECM処理中、加工品上の電界の焦点化又は形状化による加工品内の溝形成中のオーバーバーンを防止するための曲がった表面を有することもできる。
【0059】
本発明の実施例のECM電極を使用して加工品に溝を形成するための装置を、特に図5に示す。図2Dに示すような加工品がフレーム300内に配置される。見れば分かるようにこのフレーム300は、中央を貫通して走る1対の電極304を有する空洞302を画成するように構成されている。加工品200が空洞302内に配置されるとき、それは通常骨組み部片306の縁部内にしっかりと定位置に保持される。シャフト310に沿って軸方向に移動可能な電極304はそれぞれ、ハブ200の内側円錐210及び212と協働する円錐区域312、及び内側ハブ・ジャーナル部240及び242とそれぞれ協働する、円錐区域の狭い端部から延びるジャーナル区域314の両方を含む。
【0060】
加工品200がフレーム300内の定位置にあるとき、電極304は各電極と加工品の対面する表面の間の隙間が確立されるまで、シャフト310に沿って前後に移動させられる。この図に全体的に示されるように、電極304のそれぞれは加工品200の円錐201、212の内側表面及びジャーナル区域214、216上に課すべきパターンを担持することが分かる。残っている問題点は、ミクロン単位で計測しなければならない移動可能電極とフレームに定位置で保持されている加工品200の間の隙間を正確にセットし、且つ高速ベースで迅速且つ反復してそのようにすることであることも容易に明らかである。
【0061】
本発明の他の変形形態では、逆にしたECM極性の使用は、電解液を通る電荷の流れの方向を変更させるであろう。結果として、導電性ブロック上のランドは侵食される可能性がある。このプロセスは、ランドを所望の量だけ絶縁表面の下に窪ませるように制御することができる。そのような電極はオーバーバーンを最小限にするように、詰まった加工隙間で使用することができる。
【0062】
本願で、語「含む」は、語「含む」の前の材料が元素又は化合物を含むことを意味するが、その材料はさらに他の元素又は化合物を含むことができる。本願は、文章及び図でいくつかの数値的な範囲を開示している。開示されたこの数字的な範囲は、本発明は開示された数値範囲全体にわたり実施することができるので、明細書で正確な範囲限界がたとえ逐語的に述べられていないとしても、開示された数値範囲内の任意の範囲又は値に本質的に対応している。
【0063】
上記の説明は、当業者が本発明品を作り且つ使用することを可能にするように示され、具体的な用途及びその要件の文脈で提供されている。好ましい実施例に対する様々な改変は当業者にとって容易に明らかになるであろう。本明細書で画定される一般的な原理は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の実施例及び用途に適用することができる。したがって、この発明は図示の実施例に限定するためのものではなく、本明細書で開示された原理及び特徴と合致する最も広い範囲が認められるべきである。最後に、本願で参照された特許及び刊行物の開示全体は参照により本明細書で援用されている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】磁気ディスク駆動部の概略図である。
【図2A】図1のスピンドル・モータの垂直断面図である。
【図2B】本発明を使用して形成することができる溝を示す、モータの一部分、特にシャフト及びスラスト・プレートの垂直断面図である。
【図2C】本発明を使用して形成することができる溝を示す、モータの一部分、特にシャフト及びスラスト・プレートの水平断面図である。
【図2D】本発明によって有用に形成することができる型式のデュアル円錐軸受を示す、図1のディスク駆動部のスピンドル・モータに使用されるハブの垂直断面図である。
【図3】中空コアを有する電極の概略図である。
【図4】充填コアを有する電極の概略図である。
【図5】本発明のECM電極を使用して加工物内に溝を形成するための装置の概略図である。
【図6】本発明の実施例によって電極に実現された微細フィーチャ幅の図である。
【図7】スラスト電極の図である。
【図8】電極上の形状化されたランド並びにオーバーバーン及び溝形状へのその影響を示す概略図である。
【図9】従来方法で製造された電極の概略図である。
【図10】レーザーによる絶縁材料の直接除去によって作られた電極の概略図である。
【図11】液体感光性モノマーの選択的硬化によって作られた凹んだ電極の概略図である。
【図12】チャンネル内で液体感光性モノマーの選択的硬化によって作られた(凹んだ又は平らにされた)電極の概略図である。
【図13】溝内の金属鍍金によって追従される、レーザによる液体感光性モノマーの選択的硬化によって作られた(凹んだ又は平らにされた)電極の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性ブロックを貫通する第1の開口部及び前記導電性ブロックを貫通する第2の開口部を有する前記導電性ブロックを有し、前記第2の開口部が前記第1の開口部から前記導電性ブロックの表面まで横断している、電極。
【請求項2】
前記第1の開口部が固体のプラグを含まず、前記第2の開口部が前記第2の開口部を貫通する流体の流れを可能にするように構成されている、請求項1に記載の電極。
【請求項3】
前記第1の開口部が非導電性材料からなる固体プラグを含む、請求項1に記載の電極。
【請求項4】
前記電極が電解加工プロセスによって加工品上に溝パターンを形成するように構成されている、請求項1に記載の電極。
【請求項5】
前記導電性ブロックの前記表面が25ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有する溝を有する溝パターンを有している、請求項1に記載の電極。
【請求項6】
前記導電性ブロックの前記表面が12ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有する溝を有する溝パターンを有している、請求項1に記載の電極。
【請求項7】
前記第1の開口部及び前記第2の開口部が誘電体材料を全く含まない、請求項1に記載の電極。
【請求項8】
前記電極がアーク放電を全く伴わない実質的にゼロ加工隙間で加工品に溝パターンを形成するように構成されている、請求項1に記載の電極。
【請求項9】
前記電極がカウンタ・プレート電極、スリーブ・ジャーナル電極又は円錐軸受電極である、請求項1に記載の電極。
【請求項10】
前記導電性ブロックの前記表面が、溝及び溝間に平坦又は形状化された非平坦ランドを有する溝パターンを有している、請求項1に記載の電極。
【請求項11】
誘電体層の部分を除去するためにナノセコンド又はそれより小さなパルス時間を有するレーザ又は集束されたエネルギ・ビームによって、導電性ブロック上の前記誘電体層内に溝パターンを形成するステップを有する、電極を製造する方法。
【請求項12】
前記誘電体層が前記導電性ブロックの導電性材料の除去閾値より低い除去閾値を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザ除去が前記導電性ブロックの前記導電性材料の除去を実質的に全く伴わずに行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記誘電体層が前記導電性ブロックの導電性材料の除去閾値より高い除去閾値を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザ除去が、前記導電性ブロックの前記導電性材料の破裂及び排除によって行われ、結果として前記導電性材料及び前記溝パターン領域の上にある前記誘電体層の誘電体材料の同時的な除去になる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記誘電体層を形成するようにモノマーを重合させるステップをさらに有し、前記モノマーが光活性モノマーである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記レーザ又は焦点化されたエネルギ・ビームが絶縁材料を活性化させ、絶縁離隔部を作り出すように前記絶縁材料を前記電極の導電性部分の上に又はそれを覆って広げさせる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
導電性ブロックの部分の除去によって前記導電性ブロックの表面上に溝パターンを形成させるステップと、前記溝パターン内に誘電体材料を形成させるステップとを有する、電極を製造する方法。
【請求項19】
前記溝が20ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記溝パターン内の前記誘電体材料又は溝の間の非平坦ランドのいずれかが曲がった表面を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記溝パターン内に金属を堆積させるステップをさらに有する、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
前記除去が100ピコセコンドより短いパルス時間を有するレーザによるものである、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
前記除去が1ピコセコンドから1フェムトセコンドの間のパルス時間を有するレーザによるものである、請求項11に記載の方法。
【請求項24】
流体軸受用の溝を有する溝パターンを有し、前記溝パターンが100ミクロンより小さなピッチを有し、且つ前記溝が実質的に垂直な壁を有する加工品。
【請求項25】
前記溝パターンが10ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有する、請求項24に記載の加工品。
【請求項26】
前記溝パターンが5ミクロン又はそれより小さな隙間のところで20ミクロン又はそれより小さなフィーチャ幅を有する、請求項24に記載の加工品。
【請求項27】
前記加工品がカウンタ・プレート、スリーブ・ジャーナル又は円錐軸受である、請求項24に記載の加工品。
【請求項28】
前記実質的に垂直な壁が凸状のランドを有する電極によって形成される、請求項24に記載の加工品。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−268705(P2007−268705A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−64375(P2007−64375)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】