説明

ナノワイヤの成長並びに他の用途のための触媒ナノ粒子の形成方法

ナノワイヤの成長に用いるための、ナノスケールの大きさの触媒領域からなる所定のパターンを形成する方法を提供する。当該方法は、非触媒材料によって包囲された触媒ナノアイランドあるいはナノスケールの触媒材料領域からなるアレイを製造するための、1つ又は複数のナノインプリンティングステップを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
シリコンナノワイヤの成長は、表面対体積比の大きいアレイを形成する可能性をもたらす。このようなアレイは、化学的若しくは環境的な検出、電気的変換(electrical transduction)、又は電子放出のために利用することができる。
【0003】
半導体ナノワイヤのバルク合成は、従来、蒸気−液体−固体(VLS)合成などの、遷移金属によって触媒される方法のいくつかのバリエーションを利用して達成されてきた。例えば、KaminsらによるJ. Appl. Phys. 89:1008−1018(2001)及び米国特許第6,248,674号を参照されたい。シリコンナノワイヤの作成に利用される標準の蒸気−液体−固体(VLS)合成技術においては、各ワイヤは、金、コバルト、ニッケル又は他の金属の単一粒子から成長する。高温炉内の触媒に送られた気体状のシリコン含有化学種は、溶融触媒の表面で凝縮し、そこで結晶化してシリコンナノワイヤとなる。
【0004】
標準のVLSプロセスによって作成されたシリコンナノワイヤは単結晶からなる。この標準のプロセスでは、触媒粒子の寸法によって、その触媒から成長するナノワイヤの直径が左右される。したがって、ナノワイヤの直径分布を均一にするには、固体基材上に単分散の触媒粒子を作成する必要がある。しかしながら、ナノメートルサイズの触媒小滴の作成は容易な作業ではない。ナノ粒子は、化学蒸着法やPVD法などの蒸着技術によって形成することができる。予め形成されたパターンにそれらを位置合わせすることができるが、そのようなパターンを作成するには、通常、コストのかかるリソグラフィをはじめとする、さらに他の処理が必要である。さらに、従来のリソグラフィ工程では、所望の小さい寸法のナノ粒子を容易に形成することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、ナノメートル領域の寸法を有する、一様に離間した触媒粒子を形成するための改良された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、素子用途用のナノスケールワイヤを形成するのに有用な触媒ナノ粒子アレイを作成するための、ナノインプリンティング又はソフトリソグラフィ法に関する。本発明の方法は、従来のリソグラフィあるいは電子ビームリソグラフィによって可能なものよりも小さい触媒アイランドをより迅速且つ安価に形成することができる。
【0007】
一実施形態では、触媒ナノ粒子のアレイを形成する方法は、(1)所望のパターンを形成するナノスケールの凸部を備える鋳型を設けるステップ、(2)前記凸部を触媒材料でコーティングするステップ、及び(3)基材を触媒材料に接触させることにより所望のパターンの触媒材料を基材に転写するステップ、を包含する。
【0008】
他の実施形態では、(1)基礎層上にマスキング材料層を付着させるステップ、(2)所望のパターンを形成するナノスケールの凸部を備える鋳型を設けるステップ、(3)マスキング材料に前記鋳型の凸部を押し込み、それによってマスキング層内に所望のパターンの凹部を形成するステップ、(4)前記凹部内の基礎層を露出させるステップ、及び(5)凹部内に触媒材料を局在化させるステップ、を含む方法によって、触媒のナノスケール領域を非触媒層の凹部内に局在化させる。好ましい実施形態では、基礎基材自体が、凹部内に局在化される触媒材料の供給源である。あるいはまた、触媒材料を、凹部内に選択的に付着させる。
【0009】
もう1つの実施形態は、露出した触媒のナノスケール領域を形成する方法であり、当該方法は、(1)基材を得るステップ、(2)基材上に触媒層を設けるステップ、(3)触媒層上に非触媒層を形成するステップ、(4)非触媒層上にマスキング材料層を付着させるステップ、(5)所望のパターンを形成するナノスケールの凸部を備える鋳型を設けるステップ、(6)マスキング材料に前記鋳型の凸部を押し込み、それによってマスキング層内に所望のパターンの凹部を形成するステップ、(7)凹部内の非触媒層の領域を露出させるステップ、(8)露出させた非触媒領域をエッチングして触媒層の領域を露出させるステップ、及び(9)マスキング材料を除去するステップ、を包含する。
【0010】
好ましい実施形態では、ナノスケールの厚さの平行層から形成された鋳型を、型押しプロセスに使用する。当該鋳型は、(1)第1の材料層と第2の材料層とからなる複数の交番層を設けて平行層のスタックを形成することであって、この場合、第1の材料が第2の材料とは異なり、各層がナノスケールの厚さを有し、(2)前記平行層に対して垂直にスタックを切断し及び/又は研磨し、それによって第1及び第2の材料の各層が露出する縁を作成すること、及び(3)第1の材料を第2の材料とは異なる度合で腐食するエッチング剤中でスタックの縁をエッチングすることによって、凹状線と凸状線との交番パターンを有する鋳型を作成し、それによってスタックの縁に前記パターンを作成すること、によって、作ることができる。次いで、当該鋳型を用いて、(1)触媒層を基材上に設け、且つ当該触媒層をマスキング材料層でコーティングすること、及び(2)鋳型の凸状線をマスキング材料層に押し込んで触媒層の細片を露出させることによって、マスキング材料層内に第1組のナノインプリント線を形成すること、及び(3)露出した触媒層の細片をエッチングしてナノスケールの幅を有する触媒の線を形成することをはじめとする、さらなるステップにおいて触媒の線形パターンを作成することができる。好ましくは、当該方法はさらに、(1)鋳型を回転させるステップ、及び(2)回転させた鋳型をマスキング材料に当て、それによりマスキング材料に第1組の線と交差する第2組の線を作成するステップ、及び(3)マスキング材料によって保護されていない触媒材料をエッチングするステップをさらに包含する。鋳型を連続して利用することよって作成された2組の線が直交する場合は、真四角の長方形アレイが作成される。あるいはまた、2組の線は、垂直でない角度に向けることができ、その場合、平行四辺形の斜めのアレイが作成される。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態は、非触媒層によって取り囲まれた触媒材料のナノスケール領域を露出させる方法である。出発材料は、基材、基材を覆う触媒材料層、及び触媒層上に形成されたマスキング層からなる多層複合物を含む。凹状と凸状のナノスケール細片が交番するパターンを形成された縁を有する鋳型を用いて、第1組の線をマスキング層に型押しする。次いで、鋳型が回転させ且つ再び当て、マスキング材料からなる多角形の規則的アレイが形成される。次いで、マスキング材料によって保護されていない触媒材料を非触媒材料で覆い、マスキング材料を除去して、非触媒材料によって取り囲まれた触媒材料のナノスケール領域を露出させる。次いで、触媒材料の露出領域をナノワイヤ成長のための触媒として用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のこれらの及びその他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面を参照することで、よりよく理解されるであろう。
【0013】
本発明によれば、素子用途用のナノワイヤを形成するのに有用な触媒材料のアレイを作成する方法が提供される。ナノワイヤを制御した状態で利用するために、ナノワイヤを基材上に所定のパターンで規則的に離間又は位置決めしなければならない。各ナノワイヤの成長は、一般に、基材表面の触媒ナノ粒子から進行する。ここに示すように、触媒ナノ粒子を基礎構造に位置合わせする必要がない場合、それらは、ナノスケールの造作を有する鋳型による基礎材料層上へのくぼみ形成を伴う、「ソフトリソグラフィ」、即ちナノインプリンティングによって形成することができる。
【0014】
図1A〜図1Cは、本発明の一態様に従って、鋳型を用いて基材に触媒を転写するステップを示している。鋳型は、典型的に、ナノスケールの寸法を有する凸部領域及び/又は凹部領域のアレイを備える。図1Aでは、鋳型10には、所望のパターンの全個別要素を形成する、ナノスケールの凸部20が設けられている。ナノインプリントリソグラフィに用いるのに適する鋳型は、米国特許第5,772,905号及び第6,309,580に開示されている(参照することで本明細書に取り入れる)。
【0015】
鋳型10は、柱、細片、長方形の立体、他の三次元構造のような、凸部20を備えることができる。電子ビームリソグラフィ、反応性イオンエッチング(RIE)や他の適切な技術を用いて、最小横方向寸法が25nmである凸部を得ることができる。好ましくは、鋳型の凸部の横方向寸法は、5nm〜20nmである。後に詳細に説明する方法、即ちChenらによる関連出願[HP整理番号No.100110197−1](参照することで本明細書に取り入れる)に開示されているような方法に従って、最新技術の電子ビームリソグラフィよりもずっと低いレベルの分解能にて所望のナノスケールの凸部パターンを有する鋳型10を作ることができる。凸部の一般的な深さは、所望の横方向寸法並びに作成する所望のくぼみの深さに応じて、5nm〜500nmである。
【0016】
一般に、鋳型10は、ナノインプリンティング工程中に加えられる圧力下で、その形状と完全性を保持できる比較的硬い材料で作成されなければならない。したがって、鋳型は、金属、絶縁体、半導体、セラミックス又はこれらの組み合わせなどの材料で作成することができる。
【0017】
図1B及び図1Cに示すように、鋳型10の凸部20を、所望の触媒を含有する材料でコーティングし、次いで、物理的接触によって、又は接近時の触媒材料と基材表面間のエネルギー的又は化学的引力によって、非触媒面50を有する基材40に、触媒材料30を転写する。
【0018】
一般に、触媒材料30は、ナノワイヤの成長に触媒作用を及ぼし得る触媒を含む。従って、触媒材料は、チタン、金、亜鉛、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、及びマンガンのような、シリコンナノワイヤを生成するために使用される金属を含むことができる。あるいはまた、触媒材料は、カーボンナノチューブ又は金属ナノワイヤの成長に触媒作用を及ぼし得る触媒を含むことができる。
【0019】
本発明の本態様では、基材40は、例えばシリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、アルミナ基材のような、鋳型から転写された触媒ナノ粒子を受け取ることのできる非触媒面50を有する任意の材料とし得る。
【0020】
図2A〜図2Dは、本発明の他の態様による、マスキング材料層をインプリントし基礎層を露出させるステップを示している。図2Aに示すように、インプリント前に、薄いマスキング層100を基礎層110上に付着させる。マスキング層100は、鋳型からのくぼみを保ち得る比較的柔軟な材料でなければならない。例えば、マスキング層として、スピンキャスティング(spin casting)などの適切な技術によって付着された熱可塑性高分子を挙げることができる。基礎層は、基材、非触媒層、又は触媒層とし得る。
【0021】
図2B及び図2Cに示すように、鋳型は、基礎層110を覆う薄いマスキング層100内に、凹部120で中断される、パターン形成されたマスク領域130を作成する。図2Bでは、ナノインプリンティング技術によって形成された凹部120が、基礎層110の露出領域140を露出させている。あるいはまた、図2C及び図2Dに示すように 、マスキング材料内に、基礎層と接触しておらず、鋳型のパターンとほぼ一致する圧縮領域を形成する。その後、反応性イオンエッチング(RIE)などのエッチング工程によって、型押しされたマスキング材料の残りの厚さにわたる方向性エッチングによって、基礎層を露出させる。
【0022】
本発明の一態様では、凹部120内の基礎材料110の露出領域140を触媒とし得る。代替の態様では、露出した基礎材料110は、触媒を周辺領域に付着させることなく選択的にその上に付着させ得るところの非触媒材料とすることができる。そのような選択的付着は、例えば化学蒸着法や液相析出によって行うことができる。
【0023】
図3A〜図3Dは、本発明の他の態様による、型押し後に非触媒層の下の触媒層を露出させるステップを示している。図3Aに示すように、型押し前に、次のように多層構造を作成する:(1)触媒層220を基材230の上に重ねて設ける;(2)非触媒層210を触媒層220の上に重ねて設ける;(3)薄いマスキング層200を下にある非触媒層210の上に付着させる。一般に、薄いマスキング層は、高分子材料などの、エッチング処理に耐える材料からなり、一方、非触媒層を構成する材料は、適切に選択されたエッチング剤のエッチングを受けやすい。例えば、シリコン酸化物層は、フッ化水素(HF)を含有する湿式エッチング剤、又は過フッ化炭化水素ガス中における乾式エッチングによって、選択的にエッチングすることができる。
【0024】
図3Bに示すように、鋳型は、非触媒層210の、覆われていない露出した凹部250で中断された、パターン形成されたマスキング層240を作成する。次いで、図3Cに示すように、非触媒層の露出領域をエッチング工程にかけ、露出した触媒領域270によって中断された、エッチングされた非触媒層260を形成する。好ましくは、当該エッチング工程は、パターン形成されたマスキング層240によって保護された非触媒層のアンダーカット部の発生を防ぐべく、反応性イオンエッチング(RIE)などの方向性エッチングプロセスを利用して行う。図3Dに示すように、例えば、溶媒中に選択的にマスキング材料を溶解させてマスキング材料を除去し、それによってエッチングされた非触媒層の上面を露出させ得る。
【0025】
図4A〜図4Bは、本発明の態様による、露出面に触媒を選択的に付加するステップを示している。より詳細には、前の手順のいくつかの態様によって、基礎層300の表面を露出させる領域によって中断された、パターン形成されたマスキング層310を作成する。図4Aに示すように、基礎層が触媒を含有しない場合には、パターン形成されたマスキング層全体にわたって、介在する基礎層300の露出面に触媒材料を選択的に付着させることによって、規則的に離間した触媒ナノアイランド320のアレイを生成することができる。次いで、図4Bに示すように、パターン形成されたマスキング層を除去して、僅かに高い触媒ナノアイランドが点在する基礎層を露出させることができる。
【0026】
いずれの場合も、触媒材料からなる個別のナノスケール領域のアレイを、鋳型のパターンによって決定された位置に形成し、次いで、シラン(SiH)やジクロロシラン(SiHCl)などのシリコン含有ガスを触媒分解することによって、ナノワイヤを成長させる。
【0027】
図5A〜図5Dは、本発明の他の態様による、ナノインプリンティング装置を用いて一様に離間したナノ粒子の規則的なアレイを作成するステップを示している。ナノインプリンティング装置は、先述の技術[米国特許第6,294,450号、第6,365,059号及び第6,407,443号、並びに米国特許出願第2001/0044300号、参照することで本明細書に取り入れる]を用いて設けることができる。図5Aに示すように、鋳型400は、鋳型基材430上に、第1の材料410の層と第2の材料420の層からなる2つの異種材料の交番層を複数成長又は付着させることによって構成される。交番層はスタックを形成し、各層の厚さは、必要なナノ粒子の寸法と間隔によって決定される。典型的な寸法と間隔は、5nm〜100nmである。スタックは、基材の主面と平行な主面を有する。スタックは、複数の交番層が露出するように、主面に対して垂直に切断され且つ/又は研磨される。次いで、第1の材料を第2の材料と異なる速度でエッチングするエッチング剤を使用して、露出した層を特定の深さまでエッチングし、それによってスタック構造の縁に凹部細片440のパターンを作成する。
【0028】
次いで、図5Bに示すように、この縁の構造を用いて、触媒層440上のマスキング材料層にナノインプリント線450を形成することができる。この場合、前述(前掲)のように、パターンによって保護されていない材料をエッチングして、ナノインプリント線を作成することができる。
【0029】
図5Cは、本発明の一態様による、さらに他の処理の結果を示している。図5Bと同じように第1組の線450を形成した後、鋳型を回転させ次に再び構造物に当てると、マスキング材料に第2組の線が作成される。基礎の素子材料をエッチングする前に、マスキング材料に両方のパターンを画定することも、あるいは各ナノインプリンティング段階後に素子材料をエッチングすることもできる。
【0030】
2組の交差する線は、図5Cのように、真四角のマスキング要素470から成る長方形アレイを作成するように直角とすることも、あるいは平行四辺形の斜めのアレイを作成するように直角でない角度に意図的に向けることもできる。さらに、鋳型を回転させ再び当てて、多角形のマスキング要素を作成することもできる。
【0031】
図5Dに示すように、触媒の露出領域をエッチングし、そして保護マスキング要素を除去することによって、触媒ナノアイランド480を作成することができる。あるいはまた、非触媒材料を最初に使用する場合は、ナノアイランドを処理して触媒アイランドを作成することができる。例えば、触媒は、図5C及び図5Dで形成されたアイランドへの選択的付加によって化学的に付加することも、あるいは様々な高さのアイランドと背景領域を用いて物理的に付加することもできる。次いで、これらの触媒ナノアイランドを、ナノワイヤ成長のための触媒として使用することができる。
【0032】
図6A〜図6Dは、非触媒層によって包囲された触媒領域を露出させる方法のもう1つの態様を示している。図6A及び図6Bに示すように、基材510上に触媒活性物質層500を形成し、触媒活性層500上に触媒非活性層530を形成する。図6Aは、非触媒層530を形成する前に、前述の方法、即ち第1組の線を型押しし、次いで鋳型を回転させ再び当ててマスキング材料に多角形の規則的アレイを作成する方法、を用いて所望の触媒活性領域の上にマスク520を形成することを示している。もう1つの選択肢(図示せず)は、ナノインプリンティングに適した柔らかさの材料からなるマスキング表面層の下に、硬いマスキング材料を含んで成る。パターンは、エッチングによって、硬いマスキング材料から成る基礎層に転写される。図6Bは、非触媒活性材料530が周辺領域を覆っており、触媒の保護領域には付着していない(又は例えば化学機械研磨によって除去されている)ことを示している。次いで、図6Cに示すように、マスキング材料を除去して、触媒非活性材料によって包囲されたナノメートルサイズの触媒活性材料540の領域を露出させる。
【0033】
本発明の前述の態様には多くの利点がある。詳細には、本発明の方法は、従来のリソグラフィや電子ビームリソグラフィで可能なものよりも小さい触媒アイランドを形成することができる。本方法はまた、ナノインプリンティングが、電子ビームリソグラフィのような逐次プロセス(パターンを逐次的に形成する)ではなく、並列プロセス(多くのパターンを同時に形成する)であるため、電子ビームリソグラフィよりも高速且つより安価に触媒アイランドを形成することができる。
【0034】
特定の好ましい態様を参照して本発明をかなり詳細に説明してきたが、他の態様も実施し得る。例えば、凹状細片のパターンを有するナノスケール鋳型を回転させる前述の技術を使用して、多角形の凸部からなる規則的アレイを有する中間鋳型を形成することもできる。次いで、基礎材料の中に又は基礎材料上に小さなナノアイランドのパターン全体を1回の型押しで形成することができる。あるいはまた、パターン画定技術とリフトオフ技術を用いることができ、そこでは、基礎材料にナノスケールのパターンが形成され、その後、パターン上に付着させた任意の材料と共に除去される。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲は、本明細書に包含される好ましい態様の記載に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1A〜図1Cは、本発明の一実施形態による、鋳型を用いて基材に触媒を転写するステップを示す
【図2】図2A〜図2Dは、本発明の一実施形態による、マスキング材料層を型押しし、基礎層を露出させるステップを示す
【図3】図3A〜図3Dは、本発明の一実施形態による、型押し後に非触媒層の下の触媒層を露出させるステップを示す
【図4】図4A〜図4Bは、本発明の一実施形態による、露出面に触媒を選択的に付加するステップを示す
【図5】図5A〜図5Dは、本発明の一実施形態による、1組又は複数組の線をナノインプリンティングする超格子鋳型を作成し使用するステップを示す
【図6】図6A〜図6Dは、本発明の一実施形態による、非触媒層によって取り囲まれた触媒領域を露出させるステップを示す







【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に触媒ナノ粒子のアレイを形成する方法であって、
i)所望のパターンを形成するナノスケールの凸部を備える鋳型を設けること、
ii)前記凸部を触媒材料でコーティングすること、及び
iii)前記触媒材料を前記基材に接触させることによって、前記所望のパターンの触媒材料を基材に転写すること、
を包含する、方法。
【請求項2】
シリコン含有ガスを分解することによって、前記触媒材料上においてシリコンナノワイヤを成長させるステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記鋳型が、微細リソグラフィによって製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記微細リソグラフィが、電子ビームリソグラフィである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
触媒ナノ粒子のアレイを形成する方法であって、
i)基礎層上にマスキング材料層を付着させること、
ii)所望のパターンを形成するナノスケールの凸部を備える鋳型を設けること、
iii)前記鋳型の前記凸部を前記マスキング材料に押し込み、それによって前記マスキング層内に前記所望のパターンの凹部を形成すること、
iv)前記凹部内の前記基礎層を露出させること、及び
v)前記凹部内に触媒材料を局在化させること、
を包含する、方法。
【請求項6】
前記基礎基材が、前記触媒材料を含有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒材料が、選択的に前記凹部内に付着している、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
シリコン含有ガスを分解することによって、前記触媒材料上においてシリコンナノワイヤを成長させるステップをさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記鋳型が、微細リソグラフィによって製造される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記微細リソグラフィが、電子ビームリソグラフィである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
非触媒材料で包囲された触媒材料のアレイを形成する方法であって、
i)基材を得ること、
ii)前記基材上に触媒層を設けること、
iii)前記触媒層の上に非触媒層を形成すること、
iv)前記非触媒層上にマスキング材料層を付着させること、
v)所望のパターンを形成するナノスケールの凸部を備える鋳型を設けること、
vi)前記マスキング材料に前記鋳型の前記凸部を押し込み、それによって前記マスキング層内に前記所望のパターンの凹部を形成すること、
vii)前記凹部内の前記非触媒層のナノスケール領域を露出させること、
viii)前記露出した非触媒領域をエッチングして、前記触媒層のナノスケール領域を露出させること、及び
ix)前記マスキング材料を除去すること、
を包含する、方法。
【請求項12】
一様に離間したナノ粒子の規則的アレイを形成する方法であって、
i)第1の材料層と第2の材料層からなる複数の交番層を設けて平行な層のスタックを形成することであって、この場合、前記第1の材料が前記第2の材料とは異なり、各層がナノスケールの厚さを有し、
ii)前記平行な層に垂直な、前記スタックの縁を作成することであって、この場合、前記第1及び第2の材料の各層が露出され、
iii)前記スタックの前記縁を、前記第1の材料を前記第2の材料とは異なる度合で腐食するエッチング剤中でエッチングすることにより凹状線と凸状線との交番パターンを有する鋳型を作り、それによって前記スタックの前記縁に前記パターンを作成すること、
iv)基材の上に重ねて触媒層を設けることであって、前記触媒層がマスキング材料層でコーティングされており、及び
v)前記マスキング材料層に前記鋳型の前記凸状線を押し込むことにより、前記マスキング材料層内に第1組のナノインプリント線を形成し、それによって前記触媒層の細片部を露出させること、
を包含する、方法。
【請求項13】
前記スタックの前記縁が、前記平行層に垂直に、前記スタックを切断するか又は研磨することによって作成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記触媒層の前記露出した細片部をエッチングして、ナノスケールの幅を有する触媒の線を形成することをさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
i)前記鋳型を回転させるステップ、及び
ii)前記回転させた鋳型を前記マスキング材料に当てることによって、前記第1組の線と交差する第2組のナノインプリント線を形成し、それによって前記マスキング材料内に多角形の規則的アレイを形成させるステップ、
をさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記マスキング材料内の前記多角形のアレイによって保護されていない触媒材料をエッチングして、触媒ナノアイランドを形成するステップをさらに包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記2組の線が直交しており、それによって真四角の長方形アレイを作ることができる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1組と第2組の線が垂直でない角度で向けられており、それによって平行四辺形の斜めのアレイが作られる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
ナノアイランドのアレイを形成する方法であって、
i)基礎層を覆うマスキング材料層を設けること、
ii)凹状線と凸状線との交番パターンを有する鋳型を得ることであって、前記線がナノスケールの幅を有し、
iii)前記マスキング材料層に前記鋳型の前記凸状線を押し込むことによって前記マスキング材料層内に第1組のナノインプリント線を形成し、それによって前記基礎層の細片部を露出させること、
iv)前記鋳型を回転させること、及び
v)前記回転させた鋳型を前記マスキング材料に当てることによって、前記第1組の線と交差する第2組のナノインプリント線を形成し、それによって前記マスキング材料内に多角形の規則的アレイを形成すること、
を包含する、方法。
【請求項20】
非触媒層で包囲された触媒材料のナノスケール領域を露出させる方法であって、
i)a)基材と、
b)前記基材を覆う触媒材料層と、
c)前記触媒層の上に形成されたマスキング層と、
を含んで成る多層複合物を設けること、
ii)凹状細片と凸状細片とが交番するパターン化された縁を有する鋳型を用いて、前記マスキング層内に第1組の線を型押しすることであって、前記細片がナノスケール範囲の横方向寸法を有し、
iii)前記鋳型を回転させ且つ再度当てて、規則的アレイ状のマスキング材料からなる多角形を形成すること、
iv)前記マスキング材料によって保護されていない前記触媒材料を非触媒材料で覆うこと、及び
v)前記マスキング材料を除去して、非触媒材料によって包囲された前記触媒材料のナノスケール領域を露出させること、
を包含する、方法。
【請求項21】
前記マスキング層が、型押しに適した柔らかさのマスキング材料からなる最上層と、前記最上層よりも硬い基礎マスキング材料層を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記多角形の規則的アレイが、エッチングによって前記基礎マスキング材料層に転写される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記触媒材料の露出領域が、ナノワイヤ成長のための触媒として使用される、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
i)所望のパターンを形成するナノスケールの凸部を備えた鋳型、及び
ii)前記凸部をコーティングする触媒材料、
を含んで成る素子。
【請求項25】
i)マスキング材料層、及び
ii)基礎層、
を含んで成る素子であって、前記マスキング材料が、前記基礎層を露出させる、所望のパターンのナノスケールの凹部を有する、素子。
【請求項26】
前記基礎層が、触媒材料を含有する、請求項25に記載の素子。
【請求項27】
前記ナノスケールの凹部内に付着した触媒材料をさらに含む、請求項25の素子。
【請求項28】
i)基材、
ii)前記基材上の触媒層、
iii)前記触媒層上の非触媒層、及び
iv)前記非触媒層上のマスキング材料層、
を含んで成る素子であって、前記マスキング材料が、前記非触媒層を露出させる、所望のパターンのナノスケールの凹部を有する、素子。
【請求項29】
前記ナノスケール凹部がまた、前記触媒層のナノスケールの領域も露出させる、請求項28に記載の素子。
【請求項30】
i)基材、及び
ii)前記基材上の触媒ナノアイランドの規則的アレイ、
を含んで成る素子。
【請求項31】
i)基材、
ii)前記基材上の触媒層、及び
iii)前記触媒層上の非触媒層、
を含んで成る素子であって、前記非触媒層が、前記触媒層を露出させる、規則的パターンのナノスケール開口部を有する、素子。

【公表番号】特表2006−504519(P2006−504519A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548369(P2004−548369)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/032062
【国際公開番号】WO2004/040049
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】