説明

ナノ粒子、導電性インク及び配線形成装置

【課題】電気的信頼度の優れた配線を形成する。
【解決手段】強磁性を有するコアーシェル構造のナノ粒子とこのナノ粒子を含む導電性インクが提示されている。また磁場を用いてこのような強磁性を有する導電性インクによって微細配線を形成し、吐出されたインク内のナノ粒子が均一に分布されるようにしてコーヒーステインとマイグレーションが発生されなく電気的信頼度の優れた配線形成装置が提示されている。本発明の一実施形態によれば、強磁性コアと上記強磁性コアを取り囲む伝導性物質層を含むナノ粒子が提供される。本発明の他の実施形態によれば、上記導電性インクを基板の片側に吐出するインクジェットヘッドと上記基板の他側に上記インクジェットヘッドに対応して位置する磁場形成部を含み、上記磁場形成部は、上記導電性インクが吐出されて配線を形成する際、上記導電性インクに磁場が及ぶようにする配線形成装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子、これを含む導電性インク及びこれを用いた配線形成装置に関するもので、特に微細配線を形成するためのナノ粒子、導電性インク及び配線形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、インクジェット方式によって基板に微細配線を形成する方法が提示されているが、この方法は選択的に微細配線を形成することができるので工程簡略化を通じる時間的または経済的側面で長所がある。しかし、電子機器の大きさが漸次より小くなることに伴ってより微細な配線の形成が要求されている。しかし、この方法によって軽量化及び少量化の趨勢より要求されている配線の大きさや配線間の間隔を満足させるには印刷技術の解像度に問題点がある。この解像度は、インクジェットヘッドから吐出されるインクの直径とインクの表面張力及び界面張力によって決まるが、導電性を有する配線を形成するために金属ナノ粒子を含まなければならないなどの問題のためインクジェットヘッドの大きさと吐出される滴の直径自体を減らすことには限界がある。
【0003】
また、インクジェット方式によってインクを吐出した際、基板上での広がりも問題になり微細配線を形成することの障害となっている。このような広がりは、インクの吐出速度、粘度、乾燥速度、インク内の金属粒子の重量比、基板の表面性質などの力学的性質に応じて変わる。
【0004】
またこのように形成されたインク液滴が乾燥されながら、乾燥される速度差による伝達性流れによって金属粒子が液滴の縁に集中してコーヒーステイン(coffee stain)現象が生ずることになる。これは、配線自体の伝導性や金属のマイグレーション(migration)現象を起こして結果的に製品の信頼性に影響を及ぼすようになる。
【0005】
したがって、このインクジェット方式に応じて微細パターンを形成しながら電気的信頼性の優れた配線を形成するための多様な努力が試みされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような問題点を解決するために本発明は、強磁性を有するコアーシェル構造のナノ粒子を提供する。またこのような強磁性ナノ粒子を含む導電性インクを提供する。また本発明は、磁場を用いてこのような強磁性を有する導電性インクによって微細配線を形成する配線形成装置を提供する。また本発明は、吐出されるインク内のナノ粒子を均一に分布させ、コーヒーステインとマイグレーションが発生しない、電気的信頼度の優れた配線形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、強磁性コアと上記強磁性コアを取り囲む伝導性物質層を含むナノ粒子を提示することができる。
【0008】
好ましい実施例によれば強磁性コアは、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンまたはこれらの合金から成る群から選択される一つ以上の金属を含むことができる。また伝導性物質層は、銀、銅、金、白金、アルミニウムまたはこれらの合金から成る群から選択される一つ以上の金属を含むことができる。
【0009】
ここで、形成されたナノ粒子の大きさは5乃至50nmであることが好ましい。
【0010】
好ましい実施例によれば強磁性コアは、上記ナノ粒子100重量部に対して5乃至40重量部を含むことができる。
【0011】
本発明の他の実施形態によれば、上記ナノ粒子を含む導電性インクを提示することができる。
【0012】
本発明のまた他の実施形態によれば、上記導電性インクを基板の片側に吐出するインクジェットヘッドと、上記基板の他側に上記インクジェットヘッドに対応して位置する磁場形成部を含み、上記磁場形成部は、上記導電性インクが吐出されて配線を形成する際、上記導電性インクに磁場が及ぶようにする配線形成装置を提示することができる。
【0013】
好ましい実施例によればこの磁場は、上記導電性インクが吐出される方向と平行な方向に形成されられる。
【0014】
ここで、上記磁場形成部は磁石を含んでもよいし、電源と上記電源から電流の供給を受けて磁場を形成するコイルとを含んでもよい。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明の効果】
【0016】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、強磁性を有するコアーシェル構造のナノ粒子を含む導電性インクは、磁場を付与すると配線形成装置から吐出されるインク内のナノ粒子が均一に分布されるのでコーヒーステインとマイグレーションが発生することなく、電気的信頼度の優れた配線を形成することができる。また本発明による配線形成装置によれば、導電性インクがノズルから吐出される際磁場の影響でインクの直進性が向上して正確な配線形成が可能になり、吐出速度が向上して配線作業を高速化することができる。さらに磁場の形成位置と強さを調節すれば基板上に導電性インクが吐出される際インク液滴と基板間の接触角を大きくしてより微細な配線を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明によるナノ粒子と導電性インクに関する好ましい実施例を添付図面を参照して詳しく説明する。また、本発明の好ましい実施例を詳しい説明に先立ち、基板に吐出されたインクより発生可能な現象に対して説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、従来技術によって基板上に吐出された導電性インクに関する図面である。図1は、ナノ粒子21を含む導電性インク23がノズルを通じて基板22の片側面に吐出された際の断面図と、導出されたインク液滴の模式図を示している。この導電性インク23は、配線パターンの全面がすべて印刷されるまで待機する間、または連続される後工程が遂行されるまでインク表面から乾燥が始まる。この際、導電性インク23の内部的には、インク液滴の縁部分と中心部分の厚さの差によって乾燥速度が異なる。例えば凹レンズ模様に形成される液滴において厚さが薄ら液滴の縁部分が先に乾燥されて厚い液滴の中心部は遅く乾燥される。
【0019】
これによってインク内部で伝達性流れが形成されてインク内に分散されているナノ粒子がインク液滴の縁に移動するピーニング(pinning)現象または、コーヒーステイン現象が起こる。ナノ粒子のこのような不均一分布状態より焼成過程を経ると形成された配線の通電性に問題が発生し、巨視的には製品の電気的信頼度を落とすことになる。
【0020】
またインクの液滴間または形成された単位配線内の金属粒子が縁に集中していて金属のイオン化により陰極から金属の析出されるマイグレーションが発生しやすい。このようなマイグレーション現象も製品の電気的信頼度を落として不良率を高める一つの要因になる。
【0021】
本発明は、磁場を用いてこのようなコーヒーステイン現象とマイグレーションが発生せず、ナノ粒子が導電性インク内にて均一に分布するように配線形成装置を提示する。このような磁場により微細配線を形成するためには磁性を有するナノ粒子を含むインクであれば制限なしに使用可能である。このような磁性を有するナノ粒子のうち、コアーシェル構造のナノ粒子に関して詳しく説明する。
【0022】
図2は本発明の好ましい一実施例によるナノ粒子の断面図である。本発明は、強磁性コア311とこの強磁性コアを取り囲む伝導性物質層313を含むコアーシェル構造のナノ粒子を提供する。ナノ粒子のうち強磁性コアは、配線形成の際磁場の影響を受けて微細配線を形成できるようにし、導電性インク内でナノ粒子が均一に分布されられるようにする。このような強磁性コアとして、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンまたはこれらの合金から成る群から選択される一つ以上の金属を含むことができる。強磁性コアとして好ましいのは、鉄または鉄を含む合金であるが、これはこの金属の磁性が優れるからである。強磁性コアは、形成された金属ナノ粒子100重量部に対して5乃至40重量部を含むのが好ましい。この重量部が磁場の影響を受け得る磁性を有しかつ焼成後ナノ粒子間の通電性が優れて望む電気伝導度を得ることができるからである。
【0023】
本発明のナノ粒子のうち、伝導性物質層は焼成によって互いにネッキング(necking)されて配線に電流が流れるようにする役目をする。鉄またはこれらの合金などの強磁性金属だけで形成されたナノ粒子より導電性インクを製造して配線を形成する場合、磁性は強いが焼成後に所望の優れた電気伝導度を得にくいという問題点がある。したがって伝導性の優れた金属によって膜を形成させると強磁性と高伝導性を満足するナノ粒子を得ることができるのである。また伝導性物質をコアにする場合より本発明のようにシェルに形成するのが伝導性の側面でより有利である。このような伝導性物質として、銀、銅、金、白金、アルミニウムまたはこれらの合金から成る群から選択される一つ以上の金属を含むことができる。コアーシェル構造のナノ粒子の大きさは、5乃至50nmであることが導電性インクの形態としてノズルをパスして微細配線を形成することに適している。
【0024】
このようなコアと伝導性物質層は、当業者であれば容易く実施できるナノ粒子製造方法によって形成させることができる。ナノ粒子製造方法としては、不活性気体凝縮法、化学気体凝縮法及びスパッタリングなどの気相法と共沈法、ゾルーゲル法及びミセル(micelle)を用いた化学的熱分解法、水熱法などの液相法を例にあげることができる。さらに機械化学的反応を用いたナノ粉末合成法のような固相法がある。このような製造方法は、これに制限されるのではないが、界面活性剤と還元剤を使用する液相法を段階的に用いて本発明のコアーシェル構造のナノ粒子を合成することができる。
【0025】
本発明のコアーシェル構造のナノ粒子を溶媒と混合してノズルをパスすることに好適な10乃至50cpsの粘度を有する導電性インクを製造する。この際ソニケータなどによって分散させてナノ粒子が溶媒内で安定的に分散できるようにするのが重要である。このようなナノ粒子と混合する溶媒としては、焼成によって容易く除去されられる溶媒が好ましく、これに制限されるのではないが、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテートとエチルアルコール水溶液をあげることができる。
【0026】
以上、コアーシェル構造のナノ粒子とこれを含む導電性インクに関して説明したが、以下本発明による配線形成装置に関する好ましい実施例を添付図面を参照して詳しく説明する。
【0027】
図3は、本発明の好ましい一実施例によって基板上に吐出された導電性インクに関する図面である。図3は、上述したコアーシェル構造のナノ粒子31を含む導電性インク33が基板32上に吐出されて配線を形成される際インクの吐出方向に磁場を加えた場合、導電性インク内部でのナノ粒子の挙動を表す。導電性インク33内に分散されていたナノ粒子はインク液滴の下側(基板方向)に移動して、液滴の中心と縁に均一に配列される。この後、インクの表面が乾燥されてもナノ粒子は磁場の影響により伝達性流れによる移動をしないのでコーヒーステイン現象が発生しない。インクが焼成されるまで導電性インクに磁場を加えるのが好ましく、これによりナノ粒子が均一に分散されている配線を得ることができる。このような配線は、電気伝導度が優れてマイグレーションの起きる恐れが少なく、電気信頼度も向上する。
【0028】
また導電性インクがノズルより吐出される際、磁場の影響によりインクの直進性が向上し、正確な配線形成が可能であり、吐出速度が向上し配線作業を高速化することができる。また磁場の形成位置と強さを調節すれば基板上に導電性インクが吐出される際インク液滴と基板間の接触角を大きくしてより微細な配線を形成することができる。
【0029】
図4は、本発明の好ましい一実施例による配線形成装置に関する模式図である。図4は、導電性インク33を基板32の片側に吐出するインクジェットヘッド34と、この基板の他側に上記インクジェットヘッド34に対応して位置する磁場形成部37を含む配線形成装置を示す。ここで、磁場形成部37は、導電性インク33が基板の片側に吐出されて配線を形成する際、導電性インク33に磁場が及ぶように基板の上部に磁場を形成する。このような磁場形成部37は、任意の極を有する磁石を含むことができる。
【0030】
図5は、本発明の好ましい他の一実施例による配線形成装置に関する模式図である。図5は、導電性インク33を基板32の片側に吐出するインクジェットヘッド34と、この基板の他側に上記インクジェットヘッド34に対応して位置する磁場形成部37を含む配線形成装置を示す。ここで、磁場形成部37は電源371、コイル373、コア375を含む。電源371からコイル373に電流が流れることにより電磁石が形成される。電磁石は、基板32の上部に磁場38を形成する。
【0031】
さらに、例示されていないが、当業者であれば分かる磁場を形成させる手段は本発明の磁場形成部として用いることができる。本実施例に記載されていないが本特許請求範囲を脱しない範囲内で磁場形成部に含まれる他の構成要素の追加または削除が可能であることは勿論である。
【0032】
ここで、磁場形成部37は、基板と一定した間隔で離隔されるように配置されるか基板と接するように配置されて、基板の上側に位置する空間内に磁場を形成させることができる。このように形成される磁場38の方向は、基板上に吐出される導電性インクが所望の位置に配線を形成させるようにすれば良いし、インク吐出方向と平行な方向に形成されるのが好ましい。これはインクの直進性を進めて配線形成位置の制御がより容易いからである。この際、磁場38の強さは、導電性インクに含まれているナノ粒子の磁性の強さ、導電性インク内のナノ粒子の含有比、導電性インクの吐出の大きさまたは吐出速度などの提供される磁性の強度に応じて異なる。また基板とノズル間の距離、基板と磁場形成部間の距離など磁場の及ぶ範囲によって磁場の強さは変更されられる。また磁場38は、基板の面積程度形成させることができるし、ノズルの移動に応じて移動しながらノズルの位置に対向されるように形成させることもできる上記のような条件に適する磁場の形成できる磁場形成部を具備すれば良い。
【0033】
以上、ナノ粒子、導電性インク及び導電性配線に関して説明したが、以下ではこれらに関する実施例によってより具体的に説明する。
【0034】
コアーシェルナノ粒子の製造に関して説明する。
【実施例1】
【0035】
(1)Feの含まれたコアの合成に関して説明する。0.63gFeClと6gセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(cetyltrimethyll ammonium bromide)を20mlのHO、10gの1−ペンタノール(1−penthanol)と30gのヘキサン(hexane)にとかす。ここに10mlのHOに0.37gのNaBHをとかした還元溶液を注入して2時間撹拌する。撹拌が完了すれば、磁石を用いて合成されたナノ粒子を溶媒と分離した後、メタノールで洗滌する。洗滌されたFeナノ粒子を50℃の真空オーブンにて乾燥させた。
【0036】
(2)Fe/Agナノ粒子の合成に関して説明する。段階(1)より形成されたFeナノ粒子を0.75gのAgNO、3gのセチルトリメチルアンモニウムブロマイドとともに20mlのHO、20gの1−ペンタノール及び40gのヘキサンにとかす。ここに0.11gのNaBHをとかした還元溶液を注入して12時間撹拌する。撹拌が完了すれば、磁石を用いて合成されたナノ粒子を溶媒と分離した後、メタノールで洗滌する。洗滌されたナノ粒子を50℃の真空オーブンにて乾燥させてコアーシェル構造のFe/Agナノ粒子を得た。
【実施例2】
【0037】
(1)Feの含まれたコア合成に関して説明する。Feアルカノアート4mmolを1−オクタデカン50mlに分散させて、これを昇温速度が5℃/分になるようにして310℃まで加熱し、30分間還流させた。その後、常温にこれを冷やした後、ここに150mlのアルコールを添加してFeナノ粒子を沈澱させた。沈澱されたFeナノ粒子は強磁石を用いて回収した後、これをアルコール及びアセトンの混合溶液にて2回以上洗滌して乾燥させた。ここで1−オクタデカンの代わりにトルエン、キシレン、1−ヘキサデカンのような炭化水素溶媒を使用してもFeナノ粒子を得ることができる。
【0038】
(2)Fe/Agナノ粒子の合成に関して説明する。段階(1)より合成されたFeナノ粒子に対してモル比2:1でAgアルカノアートを1−オクタデカンにとかした後、段階(1)のような方法によって熱分解した後、洗滌、乾燥してコアーシェル構造のFe/Agナノ粒子を得た。
【実施例3】
【0039】
(1)Coの含まれたコア合成に関して説明する。Coアルカノアート4mmolを1−オクタデカン50mlに分散させてこれを昇温速度が7℃/分になるようにして350℃まで加熱して30分間還流させた。その後常温にこれを冷やした後、ここに150mlのアルコールを添加してCoナノ粒子を沈澱させた。沈澱されたCoナノ粒子は遠心分離機を利用して回収した後これをアルコール及びアセトンの混合溶液にて2回以上洗滌して乾燥させた。ここで1−オクタデカンの代わりにトルエン、キシレン、1−ヘキサデカンのような炭化水素溶媒を使ってもCoナノ粒子を得ることができる。
【0040】
(2)Co/Auナノ粒子の合成に関して説明する。段階(1)より合成されたCoナノ粒子に対してモル比2:1でAuアルカノア−トを1−オクタデカンにとかした後、段階(1)のような方法によって熱分解した後、洗滌、乾燥してコアーシェル構造のCo/Auナノ粒子を得た。
【実施例4】
【0041】
(1)標準溶液(stock solution)の製造:100mlの蒸留水に1.44gの塩酸を添加する。この溶液に2.535gのFeClをとかす。
【0042】
(2)ミセル溶液製造:565gのトリトン(Triton)X−100(Polyoxyethylene(10) isooctylphenyl ether)を250mlの蒸留水に添加して15分以上ソニケーションさせる。
【0043】
(3)塩基性溶液作り:10gのNaOHを250mlの蒸留水にとかす。
【0044】
(4)Feコアナノ粒子合成:段階(3)の塩基性溶液に段階(2)のミセル溶液を添加してこれを70乃至80℃まで昇温させる。この昇温された溶液に段階(1)の標準溶液25mlをゆっくり液滴単位で添加して30分間反応させる。反応が完結されると常温に冷やした後、遠心分離してFeナノ粒子を得る。得られたナノ粒子をエチルアルコールで3回以上洗滌した後真空オーブンの50℃で乾燥させてFeナノ粒子を得る。
【0045】
(5)ナノ粒子合成:段階(4)より合成されたFeコア粒子とこのFeコア粒子に対してモル比2:1でAgNOを蒸留水にとかした後、ここに0.5gのグルコースを還元剤として添加した。これを15分間ソニケーションさせた後、80℃に昇温させて1時間反応させた。反応が完結されれば常温に冷やした後、遠心分離してナノ粒子を得た。得られたナノ粒子をエチルアルコールにて3回以上洗滌して真空オーブンの50℃で乾燥させてFe/Ag粒子を得た。
【0046】
導電性インクの製造に関して説明する。
【0047】
実施例1乃至4に応じて製造された15乃至20nmのコアーシェル構造ナノ粒子100gをジエチレングリコールブチルエーテルアセテートとエチルアルコール水溶液に入れて、ウルトラソニケータによって分散させて20cpsの導電性インクを製造した。このように製造された導電性インクはインクジェット方式によって回路基板に印刷されて導電性配線を形成することができる。
【0048】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】従来技術によって基板上に吐出された導電性インクに関する図面である。
【図2】本発明の好ましい一実施例によるナノ粒子の断面図である。
【図3】本発明の好ましい一実施例によって基板上に吐出された導電性インクに関する図面である。
【図4】本発明の好ましい一実施例による配線形成装置に関する模式図である。
【図5】本発明の好ましい他の一実施例による配線形成装置に関する模式図である。
【符号の説明】
【0050】
21 ナノ粒子
22 基板
23 導電性インク
31 ナノ粒子
32 基板
33 導電性インク
34 インクジェットヘッド
35 ノズル
37 磁場形成部
38 磁場
311 強磁性コア
313 伝導性物質層
371 電源
373 コイル
375 コア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性コアと前記強磁性コアを取り囲む伝導性物質層を含むナノ粒子。
【請求項2】
前記強磁性コアは、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンまたはこれらの合金から成る群から選択される一つ以上の金属を含む請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項3】
前記伝導性物質層は、銀、銅、金、白金、アルミニウムまたはこれらの合金から成る群から選択される一つ以上の金属を含む請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項4】
大きさが5乃至50nmである請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項5】
前記強磁性コアは、前記ナノ粒子100重量部に対して5乃至40重量部を含む請求項1に記載のナノ粒子。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のナノ粒子を含む導電性インク。
【請求項7】
請求項6に記載の前記導電性インクを基板の片側に吐出するインクジェットヘッドと、前記基板の他側に前記インクジェットヘッドに対応して位置する磁場形成部を含み、前記磁場形成部は前記導電性インクが吐出されて配線を形成する際、前記導電性インクに磁場が及ぶようにする配線形成装置。
【請求項8】
前記磁場は、前記導電性インクが吐出される方向と平行な方向に形成される請求項7に記載の配線形成装置。
【請求項9】
前記磁場形成部は磁石を含む請求項7に記載の配線形成装置。
【請求項10】
前記磁場形成部は、電源と前記電源から電流の供給を受けて磁場を形成するコイルを含む請求項7に記載の配線形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−63662(P2007−63662A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183799(P2006−183799)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】