説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、パルス移動距離学習方法

【課題】車速パルスの1パルスあたりの移動距離を実際の正確な値に近づけるまでの時間を短縮することができる、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、パルス移動距離学習方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、予め記憶部に記憶された車速パルスの1パルスあたりの移動距離と、任意の2地点間において検出された車速パルスのパルス数と当該2地点間の距離に基づいて算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して記憶部に格納し、記憶部に格納された差分に基づいて統計処理による学習により1パルスあたりの移動距離を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、パルス移動距離学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車速パルスに基づいた車速や移動距離などの算出値を、実際の値に近づける補正技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、パルス検出センサにより車速パルスを検出し、距離検出センサにより車両から静止対象物までの第1の距離と、ある区間走行後の車両から静止対象物までの第2の距離と、を検出し、第1および第2の距離に基づいて、当該区間における第1の走行距離を算出し、当該区間において検出された車速パルスに基づいて第2の走行距離を算出し、第1の走行距離と第2の走行距離に基づいて車速パルスの補正値を算出する、車速パルスの補正システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−317206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の車速パルスに関する補正技術においては、補正により実際の正確な値に近づけるまでに時間がかかってしまうという問題点を有していた。
【0006】
例えば、特許文献1に記載の車速パルスの補正システムにおいては、予め記憶された初期値と、距離検出センサにより検出される走行距離とに基づいて、補正値を算出しているため、初期値が現実の値との間に大きな誤差がある場合や、検出される走行距離と実際の走行距離との間に誤差がある場合等により、実際の正確な値を算出するための補正値を得るまでに時間がかかってしまうという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、車速パルスの1パルスあたりの移動距離を実際の正確な値に近づけるまでの時間を短縮することができる、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、パルス移動距離学習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するため、本発明のナビゲーションシステムは、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、車速パルス検出部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、を備え、上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信手段と、上記車種情報受信手段により受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得手段と、上記車速パルス移動距離取得手段により取得された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信するパルス移動距離情報送信手段と、を備え、上記ナビゲーション装置の上記制御部は、上記車種情報を上記ナビゲーションサーバに送信する車種情報送信手段と、上記ナビゲーションサーバから送信される上記パルス移動距離情報を受信するパルス移動距離情報受信手段と、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出手段と、上記パルス移動距離受信手段により受信された上記パルス移動距離情報の上記1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出手段により算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納手段と、上記差分格納手段により上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記ナビゲーション装置の上記制御部は、上記パルス移動距離情報補正手段により補正された上記パルス移動距離情報である補正パルス移動距離情報を、上記車種情報に対応付けて上記ナビゲーションサーバに送信する補正パルス移動距離情報送信手段と、上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報に対応付けられた上記補正パルス移動距離情報を受信する補正パルス移動距離情報受信手段と、上記補正パルス移動距離情報受信手段により受信された上記補正パルス移動距離情報を、当該車種情報に対応付けて上記パルス移動距離記憶手段に格納する補正パルス移動距離情報格納手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記ナビゲーション装置の上記制御部は、案内経路上で経路案内を行う経路案内手段、を更に備え、上記パルス移動距離算出手段は、上記任意の2地点として上記経路案内手段による上記案内経路上の2地点を設定し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のナビゲーション装置は、記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、車速パルス検出部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置であって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、を備え、上記制御部は、上記車種情報を上記ナビゲーションサーバに送信する車種情報送信手段と、上記ナビゲーションサーバから送信される、上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を受信するパルス移動距離情報受信手段と、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出手段と、上記パルス移動距離受信手段により受信された上記パルス移動距離情報の上記1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出手段により算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納手段と、上記差分格納手段により上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明のナビゲーションサーバは、車速パルス検出部を少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバであって、上記記憶部は、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、を備え、上記制御部は、上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信手段と、上記車種情報受信手段により受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得手段と、上記車速パルス移動距離取得手段により取得された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信することにより、当該パルス移動距離情報による上記1パルスあたりの移動距離と、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出された上記車速パルスのパルス数と当該2地点間の距離に基づいて算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して統計処理による学習により1パルスあたりの移動距離を補正させるパルス移動距離情報送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明のナビゲーションサーバは、車速パルス検出部を少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバであって、上記記憶部は、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、を備え、上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信手段と、上記車種情報受信手段により受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得手段と、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスを上記ナビゲーション装置から受信する車速パルス受信手段と、上記車速パルス受信手段により受信された上記車速パルスのパルス数、および、上記2地点間の距離に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出手段と、上記パルス移動距離受信手段により取得された上記パルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出手段により算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納手段と、上記差分格納手段により上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正手段と、上記パルス移動距離情報補正手段により補正された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信することにより、上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスの上記1パルスあたりの移動距離を設定させるパルス移動距離情報設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明のパルス移動距離学習方法は、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、車速パルス検出部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行されるパルス移動距離学習方法であって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、を備え、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記車種情報を上記ナビゲーションサーバに送信する車種情報送信ステップと、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信ステップと、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記車種情報受信ステップにて受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得ステップと、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記車速パルス移動距離取得ステップにて取得された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信するパルス移動距離情報送信ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記ナビゲーションサーバから送信される上記パルス移動距離情報を受信するパルス移動距離情報受信ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記パルス移動距離受信ステップにて受信された上記パルス移動距離情報の上記1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出ステップにて算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記差分格納ステップにて上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明のパルス移動距離学習方法は、記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、車速パルス検出部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置において実行されるパルス移動距離学習方法であって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記車種情報を上記ナビゲーションサーバに送信する車種情報送信ステップと、上記ナビゲーションサーバから送信される、上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を受信するパルス移動距離情報受信ステップと、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出ステップと、上記パルス移動距離受信ステップにて受信された上記パルス移動距離情報の上記1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出ステップにて算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納ステップと、上記差分格納ステップにて上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のパルス移動距離学習方法は、車速パルス検出部を少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバにおいて実行されるパルス移動距離学習方法であって、上記記憶部は、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信ステップと、上記車種情報受信ステップにて受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得ステップと、上記車速パルス移動距離取得ステップにて取得された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信することにより、当該パルス移動距離情報による上記1パルスあたりの移動距離と、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出された上記車速パルスのパルス数と当該2地点間の距離に基づいて算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して統計処理による学習により上記1パルスあたりの移動距離を補正させるパルス移動距離情報送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明のパルス移動距離学習方法は、車速パルス検出部を少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバにおいて実行されるパルス移動距離学習方法であって、上記記憶部は、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、を備え、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信ステップと、上記車種情報受信ステップにて受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得ステップと、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスを上記ナビゲーション装置から受信する車速パルス受信ステップと、上記車速パルス受信ステップにて受信された上記車速パルスのパルス数、および、上記2地点間の距離に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出ステップと、上記パルス移動距離受信ステップにて取得された上記パルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出ステップにて算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納ステップと、上記差分格納ステップにて上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正ステップと、上記パルス移動距離情報補正ステップにて補正された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信することにより、上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスの上記1パルスあたりの移動距離を設定させるパルス移動距離情報設定ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、ナビゲーションサーバは、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶部に記憶し、ナビゲーションサーバは、ナビゲーション装置から送信される車種情報を受信し、受信した車種情報に対応するパルス移動距離情報を記憶部から取得し、取得したパルス移動距離情報をナビゲーション装置に送信し、ナビゲーション装置は、車種情報をナビゲーションサーバに送信し、ナビゲーションサーバから送信されるパルス移動距離情報を受信し、任意の2地点間において車速パルス検出部により検出される車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離およびパルス数に基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出し、受信したパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、算出した1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して記憶部に格納し、記憶部に格納した差分に基づいて、統計処理による学習によりパルス移動距離情報を補正することができる。これにより、本発明は、サーバから送信される車速パルスの1パルスあたりの移動距離を基準値として、車速パルスの1パルスあたりの移動距離を実際の正確な値に近づけるまでの時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、更に、ナビゲーション装置は、補正したパルス移動距離情報である補正パルス移動距離情報を、車種情報に対応付けてナビゲーションサーバに送信し、ナビゲーションサーバは、ナビゲーション装置から送信される車種情報に対応付けられた補正パルス移動距離情報を受信し、受信した補正パルス移動距離情報を、当該車種情報に対応付けて記憶部に格納することができる。これにより、本発明は、端末(ナビゲーション装置)側での学習結果をサーバ側に反映させて、より基準値として正確な1パルスあたりの移動距離をサーバに記憶させることができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、ナビゲーション装置は、案内経路上で経路案内を行い、任意の2地点として案内経路上の2地点を設定し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出することができる。これにより、本発明は、車両が通過する予定の案内経路上に予め2地点を設定して、より正確に2地点間の距離とパルス数を測定して、車速パルスの1パルスあたりの移動距離をより実際の正確な値に近づけることができるという効果を奏する。
【0021】
なお、上記において、本発明のナビゲーションシステムを一例に効果の説明をしたが、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、パルス移動距離学習方法においても同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、第2の実施形態におけるナビゲーションサーバ200の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、第2の実施形態におけるナビゲーションサーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施形態における1パルスあたりの移動距離の計算の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明にかかるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、パルス移動距離学習方法並びにプログラムの実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0024】
以下、本発明の構成および処理について、第1の実施形態(ナビゲーションシステム)、第2の実施形態(ナビゲーションサーバ(サーバ主導型))の順にて詳細に説明する。
【0025】
[第1の実施形態]
最初に、本発明の第1の実施形態(ナビゲーションシステム)について、図1および図2を参照して以下に説明する。
【0026】
[ナビゲーションシステムの構成]
まず、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例について、図1を参照して以下に説明する。ここで、図1は、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0027】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態のナビゲーションシステムは、概略的に、ナビゲーションサーバ200およびナビゲーション装置100を通信可能に接続して構成される。通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。また、これらナビゲーションシステムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
[ナビゲーションサーバ200の構成]
ここで、図1において、ナビゲーションサーバ200は、ナビゲーション装置100から送信される車種情報を受信し、受信した車種情報に対応するパルス移動距離情報を記憶部106から取得し、取得したパルス移動距離情報をナビゲーション装置100に送信する等の機能を有する。ナビゲーションサーバ200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300を経由し、ナビゲーション装置100と相互に通信可能に接続されており、制御部202と記憶部206とを備えて構成される。制御部202は、各種処理を行う制御手段であり、車種情報に対応するパルス移動距離情報の取得等を行う。通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ナビゲーションサーバ200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、ナビゲーション装置100等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。記憶部206は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(パルス移動距離データベース206a等)を格納する。
【0029】
これら記憶部206の各構成要素のうち、パルス移動距離データベース206aは、車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段である。ここで、「車種情報」とは、車両の車種を特定するための情報のことであり、例えば、車種名(一例として、車名(商品名)や車両の種類(セダン、ワゴン、スポーツカー等)等)のほか、メーカー名、型番、グレード、排気量、エンジン型式、年式等の情報を含んでもよい。
【0030】
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、車種情報受信部202a、パルス移動距離情報取得部202b、パルス移動距離情報送信部202c、補正パルス移動距離情報受信部202d、および、補正パルス移動距離情報格納部202eを備えて構成される。
【0031】
このうち、車種情報受信部202aは、ナビゲーション装置100から送信される車種情報を受信する車種情報受信手段である。
【0032】
また、パルス移動距離情報取得部202bは、車種情報受信部202aにより受信された車種情報に対応するパルス移動距離情報をパルス移動距離データベース206aから取得するパルス移動距離情報取得手段である。
【0033】
また、パルス移動距離情報送信部202cは、パルス移動距離情報取得部202bにより取得されたパルス移動距離情報をナビゲーション装置100に送信するパルス移動距離情報送信手段である。
【0034】
また、補正パルス移動距離情報受信部202dは、ナビゲーション装置100から送信される、車種情報に対応付けられた補正パルス移動距離情報を受信する補正パルス移動距離情報受信手段である。
【0035】
また、補正パルス移動距離情報格納部202eは、補正パルス移動距離情報受信部202dにより受信された補正パルス移動距離情報を車種情報に対応付けてパルス移動距離データベース206aに格納する補正パルス移動距離情報格納手段である。ここで、補正パルス移動距離情報格納部202eは、補正パルス移動距離情報受信部202dにより受信された補正パルス移動距離情報に基づいて、当該車種情報に対応するパルス移動距離データベース206aに記憶されたパルス移動距離情報を更新してもよい。また、補正パルス移動距離情報格納部202eは、複数のナビゲーション装置100から送信された同一の車種情報に対応付けられた複数の補正パルス移動距離情報に基づいて統計処理を行い、当該統計処理結果に基づいてパルス移動距離データベース206aに記憶された対応するパルス移動距離情報を補正してもよい。
【0036】
[ナビゲーション装置100の構成]
また、図1において、ナビゲーション装置100は、車種情報をナビゲーションサーバ200に送信し、ナビゲーションサーバ200から送信されるパルス移動距離情報を受信し、任意の2地点間において車速パルス検出部114により検出される車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離およびパルス数に基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出し、受信したパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、算出した1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して記憶部106に格納し、記憶部106に格納した差分に基づいて、統計処理による学習によりパルス移動距離情報を補正する等の機能を有する。第1の実施形態におけるナビゲーション装置100は、車速パルス検出部114と出力部118と入力部116と記憶部106と制御部102を備えて構成される。ここで、ナビゲーション装置100は、リアルタイムに現在位置情報の取得が行えるよう、GPS機能やIMES機能等を有する位置取得部112を備えていてもよい。
【0037】
ナビゲーション装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、携帯電話やPHSやPDA等の携帯ナビゲーション装置100等である。第1の実施形態において、ナビゲーション装置100は、カーナビゲーションを行う車載の情報処理端末であってもよい。ここで、ナビゲーション装置100は、例えば、車両に搭載されたECU(Electronic Control Unit、または、Engine Control Unit)と通信可能であり、ECUから車速パルスや車種情報等を取得することができ、車両から電力の供給を受けられ、通信モジュールを内蔵しており、通信圏内でナビゲーションサーバ200等とネットワーク300を介して通信可能であり、地図データ等のデータをナビゲーションサーバ200からダウンロードして更新することも可能な装置であってもよい。
【0038】
ここで、位置取得部112は、例えば、位置発信装置500から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段であってもよい。ここで、位置発信装置500は、軌道データや時刻情報に関する位置情報信号(GPS信号)を発信するGPS装置であってもよく、また、GPS信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするIMES(Indoor Message System)技術を実現するIMES装置であってもよい。なお、IMES技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。また、位置発信装置500は、屋外で受信したGPS信号を屋内で発信するGPSリピータであってもよい。また、位置発信装置500は、建物(例えば、立体駐車場等)内の各フロアや地下構造物(例えば、トンネル、地下駐車場等)の各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報(位置ID等)が割り振られている。そして、ナビゲーション装置100が通信可能範囲に入ると、ナビゲーション装置100は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグシステムやBluetooth(登録商標)等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。また、位置発信装置500は、無線LANのアクセスポイントであってもよい。第1の実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出してもよい。また、位置取得部112は、無線LAN信号等を受信して、アクセスポイントの識別情報を取得してもよい。第1の実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得したアクセスポイント固有の識別情報からアクセスポイントの位置を特定して位置情報を取得してもよい。
【0039】
また、位置取得部112は、例えば、方位センサにて検出したナビゲーション装置100の進行方向等の方位情報、車速パルス検出部114により検出される車速パルスのパルス数に比例した移動距離情報、および、地図データに基づいてナビゲーション装置100の利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。ここで、方位センサには、ナビゲーション装置100の絶対走行方位を検出する地磁気センサおよびナビゲーション装置100の相対走行方位を検出する光ジャイロが使用されてもよい。また、方位センサは、地磁気センサと加速度センサを組み合わせることで方位や傾きに関する情報を取得できる電子コンパスであってもよい。また、位置取得部112は、各車両に搭載された通信装置の車車間通信から自車位置を示す位置情報を取得してもよい。
【0040】
また、車速パルス検出部114は、車軸の回転数に比例して発生される車速パルスを検出する車速パルス検出手段である。例えば、車軸の回転と連動する車両の部位が磁化されている場合、車速パルス検出部114は、その磁気の変動を読み取ることにより車速パルスを検出する。なお、車両において車速パルスの信号がECUに送信される構成としてもよく、この場合、車速パルス検出部114はECUから車速パルスを読み取ってもよく、また、車速パルス検出部114を当該ECUの一部として構成してもよい。
【0041】
また、通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ナビゲーション装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、ナビゲーションサーバ200等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。また、ネットワーク300は、ナビゲーション装置100とナビゲーションサーバ200等の外部機器とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網、一般電話回線網を含む)、イントラネット、電力線通信(PLC)等であってもよい。
【0042】
また、出力部118は、地図データや案内経路データ等を出力するための出力手段である。ここで、出力部118としては、地図データや案内経路データ等を表示するための表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)であってもよく、また、案内経路に関する音声案内データ等を音声として出力する音声出力手段(例えば、スピーカ等)であってもよい。また、入力部116は、出発地や現在位置や目的地等を入力させるための入力手段(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等)であってもよい。入出力制御インターフェース部108は、位置取得部112や、車速パルス検出部114、出力部118、入力部116等の制御を行う。
【0043】
また、記憶部106は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種のファイル(パルス移動距離ファイル106a〜統計データファイル106c等)を格納してもよい。
【0044】
このうち、パルス移動距離ファイル106aは、車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段である。このパルス移動距離ファイル106aには、パルス移動距離情報受信部102bにより受信されるパルス移動距離情報が初期データとして格納される。このパルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報の初期データは、パルス移動距離情報補正部102fにより補正され、補正パルス移動距離情報として更新される。なお、このパルス移動距離ファイル106aに格納されるパルス移動距離情報(補正パルス移動距離情報)は、現在位置情報取得部102cにより現在位置情報を取得する場合や、経路案内部102hにより経路案内を行う場合など、車速パルス検出部114により検出される車速パルスに基づいて車両の車速や移動距離等を求める場合等に利用される。
【0045】
また、地図データベース106bは、地図データを記憶する地図データ記憶手段である。一例として、この地図データベース106bに記憶される地図データは、主に、1)地図描画用データと、2)ネットワークデータと、3)スポットデータを含んで構成され、経路探索や地図表示等の目的のために利用される。
【0046】
1)地図描画用データは、地図を描画するためのデータであり、例えば、建物や道路や、山・河川等の地形等を描画するための描画用データである。描画用データは、一例として、地図上で一つの地域や敷地や領域等を多角形のポリゴンで表したデータであってもよく、二次元表示または三次元表示用のデータであってもよい。また、描画用データは、全国および各地方の道路地図等の屋外地図データであってもよく、高さ情報を持つ建築物(例えば、立体駐車場等)に関するフロア案内地図等の屋内地図データであってもよい。
【0047】
2)ネットワークデータは、交通網を規定するネットワークデータであり、一例として、ノードとリンクとによって構成される道路や通路等に関するデータである。例えば、交差点等の道路網表現上の結節点であるノードに関するノードデータと、ノード間の道路区間であるリンクに関するリンクデータとの組み合わせによって構成されている。より具体的には、ノードデータは、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、および、交差点名称等を含んで構成されてもよい。また、リンクデータは、リンク番号、接続する道路の種別(高速道路か一般道路か等)、国道や県道や市道等の路線番号、重用する路線情報、リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長(すなわち、当該道路区間の移動距離)、道路供用状況、異常気象時通行規制区間、車重制限、車両高さ制限、幅員、道路幅員区分、車線数、制限速度など交通規制、高架やトンネルや橋等のリンク内属性、および、名称等を含んで構成されてもよい。
【0048】
3)スポットデータは、ある地点に情報を対応付けたデータであり、例えば、緯度・経度等に対応付けて、店舗等の施設情報や、注記(地名等の文字情報等)、アイコン(施設や広告などをアイコン表示するためのデータ等)、記号(地図記号等)等の情報が格納されている。
【0049】
これら各種の地図データは、地図データベース106bに予め記憶されており、ナビゲーション装置100の制御部102は、定期的にネットワーク300を介して最新の地図データをナビゲーションサーバ200等の外部機器等からダウンロードして地図データベース106bに記憶された各種の地図データをアップデートしてもよい。すなわち、地図データは、ナビゲーションサーバ200の記憶部206に記憶される構成としてもよく、ナビゲーション装置100は、制御部202の処理により、当該地図データをナビゲーションサーバ200からダウンロードして地図データファイル106bに格納してもよい。また、これらの各種の地図データは、経度および緯度で区画化されたメッシュ単位(例えば、JIS規格の第1〜3次地域区画メッシュデータ、100mメッシュデータ等)で構成されてもよい。
【0050】
また、統計データファイル106cは、差分格納部102eにより算出された1パルスあたりの移動距離の差分を、統計データとして記憶する統計データ記憶手段である。すなわち、統計データファイル106cには、パルス移動距離情報受信部102bにより受信され、パルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、パルス移動距離算出部102dにより算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分が統計データとして蓄積される。
【0051】
この他、記憶部106は、案内経路上において出力部118に出力される案内データ(音声案内データや表示案内データ等)や車種情報等を記憶してもよい。例えば、音声案内データ、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられた「次の交差点を左に曲がります」や、現在位置が選択施設に近づいた場合に対応付けられた「まもなく選択施設です」等の音声案内用のデータであり、ナビゲーション装置100の制御部102が音声案内を実行する際に用いられる。また、表示案内データは、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられたターンバイターン(TBT)や、現在位置が選択施設に近づいた旨の案内等の表示案内用のデータであり、ナビゲーション装置100の制御部102が表示案内を実行する際に用いられる。ここで、TBTとは、右左折等の誘導を画面に表示する矢印ナビゲーションである。
【0052】
また、制御部102は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、車種情報送信部102a、パルス移動距離情報受信部102b、現在位置情報取得部102c、パルス移動距離算出部102d、差分格納部102e、パルス移動距離情報補正部102f、補正パルス移動距離情報送信部102g、および、経路案内部102hを備えて構成される。ここで、制御部102は、地図データベース106bに格納されたネットワークデータ等を用いて案内経路の探索を行ってもよい。また、これに限らず、ナビゲーションサーバ200がネットワークデータを記憶部206に記憶しており、ナビゲーション装置100の制御部102は、ナビゲーションサーバに経路探索条件を送信し、ナビゲーションサーバ200の制御部202は、記憶部206に記憶されたネットワークデータを用いて経路探索条件を満たす案内経路の探索を行い、ナビゲーション装置100の制御部102は、案内経路の探索結果を受信することにより案内経路を取得してもよい。
【0053】
図1において、車種情報送信部102aは、車種情報をナビゲーションサーバ200に送信する車種情報送信手段である。ここで、車種情報送信部102aにより送信される車種情報は、予め記憶部106に記憶された車種情報であってもよく、車両のECUから取得した車種情報であってもよく、利用者により入力部116を介して入力された車種情報であってもよい。
【0054】
また、パルス移動距離情報受信部102bは、ナビゲーションサーバ200から送信されるパルス移動距離情報を受信し、パルス移動距離ファイル106aに格納するパルス移動距離情報受信手段である。
【0055】
また、現在位置情報取得部102cは、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。ここで、現在位置情報取得部102cは、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を所定周期ごと(例えば、1秒ごと)に取得してもよい。また、現在位置情報取得部102cは、位置取得部112にて位置発信装置500から受信した位置情報信号から算出した位置情報のほか、位置取得部112の方位センサにて検出した車両の進行方向等の方位情報や、車速パルス検出部114により検出したパルス数に基づく移動距離情報や車速情報等を加味して、現在位置情報を取得してもよい。例えば、移動距離情報は、車速パルス検出部114により検出したパルス数に、パルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報で規定された1パルスあたりの移動距離を乗ずることにより算出してもよく、車速情報は、車速パルス検出部114により検出した単位時間あたりのパルス数に、当該パルス移動距離情報で規定された1パルスあたりの移動距離を乗ずることにより算出してもよい。また、現在位置情報取得部102cは、利用者により入力部116を介して入力された現在位置についての位置座標等をナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、利用者により入力部116を介して入力された現在位置は、利用者が現実に存在する位置であってもよく、利用者により任意に選択された仮想の現在位置(一例として、東京にいる利用者により選択された大阪の駅や空港等の任意の地点)であってもよい。具体的には、現在位置情報取得部102cは、入力部116を介して利用者に出力部118に表示された地図データを表示した表示画面上で指定(例えば、タッチパネル式の出力部118での指定操作等)させた座標、および/または、方位情報をナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。また、現在位置情報取得部102cは、車両の位置情報をナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。
【0056】
また、パルス移動距離算出部102dは、任意の2地点間において車速パルス検出部114により検出される車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離およびパルス数に基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出手段である。例えば、パルス移動距離算出部102dは、2地点間の距離を当該2地点間で検出された車速パルスのパルス数で除することにより、1パルスあたりの移動距離を算出する。ここで、パルス移動距離算出部102dは、地図データベース106bに記憶されたネットワークデータに基づいて任意の2地点を設定し、現在位置情報取得部102cにより取得される現在位置情報の更新により、当該設定した2地点の始点と終点を判定し、始点から終点までの間に車速パルス検出部114により検出されたパルス数と、当該ネットワークデータのリンクデータに格納されたリンク長(道路区間の移動距離)と、に基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出してもよい。また、パルス移動距離算出部102dは、任意の2地点として、ネットワークデータの2つのノード(例えば、2つの分岐点など)を設定してもよく、経路案内部102hによる案内経路上の2地点を設定してもよい。例えば、任意の2地点間は、高速道路のインターチェンジ間の区間や、ネットワークデータにおけるリンクで特定される区間であってもよい。ここで、道路リンクは、所定の長さ(例えば、100m以上等)を有するノード間の道路区間であってもよく、複数のリンクが連結して所定の長さを形成した複合リンクであってもよい。なお、2地点間の距離は、ネットワークデータ等に格納された既知の距離データから取得することに限られず、パルス移動距離算出部102dは、2地点間において現在位置情報取得部102cにより取得された現在位置情報に基づいて2地点間の距離を算出してもよい。例えば、パルス移動距離算出部102dは、GPS信号等から現在位置情報として算出された、2つの地点間の直線距離や、多数の地点の曲線距離を算出する等により、2地点間の距離を求めてもよい。
【0057】
また、差分格納部102eは、パルス移動距離情報受信部102bにより受信されパルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、パルス移動距離算出部102dにより算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して統計データファイル106cに格納する差分格納手段である。すなわち、差分格納部102eは、パルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離を基準値として、パルス移動距離算出部102dにより算出された1パルスあたりの移動距離の測定値との差分を算出し、統計データファイル106cに統計データとして蓄積させる。
【0058】
また、パルス移動距離情報補正部102fは、差分格納部102eにより統計データファイル106cに格納された差分の統計データに基づいて、統計処理による学習によりパルス移動距離情報を補正してパルス移動距離ファイル106aに格納するパルス移動距離情報補正手段である。例えば、パルス移動距離情報補正部102fは、統計データファイル106cに蓄積された差分の統計データに基づいて統計処理により適切な1パルスあたりの移動距離を学習して、1パルスあたりの移動距離の補正値を取得しパルス移動距離ファイル106aに記憶されたパルス移動距離情報を更新する。このように、パルス移動距離情報補正部102fは、パルス移動距離ファイル106aのパルス移動距離情報に学習結果を反映させていくことにより、1パルスあたりの移動距離を実際の正確な値に近づけていく。
【0059】
また、補正パルス移動距離情報送信部102gは、パルス移動距離情報補正部102fにより補正されパルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報である補正パルス移動距離情報を、車種情報に対応付けてナビゲーションサーバ200に送信する補正パルス移動距離情報送信手段である。ここで、補正パルス移動距離情報送信部102gは、パルス移動距離情報受信部102bにより受信されパルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報の初期データが、パルス移動距離情報補正部102fにより何回更新されたかをカウントし、所定の回数更新された場合に、パルス移動距離ファイル106aに格納された更新後の補正パルス移動距離情報をナビゲーションサーバ200に送信してもよい。
【0060】
また、経路案内部102hは、案内経路上で経路案内を行う経路案内手段である。例えば、経路案内部102hは、地図データベース106bに記憶されたネットワークデータ等を用いて制御部202により生成された案内経路データや、ナビゲーションサーバ200から受信した案内経路データ等に基づいて、音声案内データや表示案内データ等を出力部118に出力することにより、経路案内を行う。ここで、経路案内部102hは、現在位置情報取得部102cにより取得される現在位置情報の更新に応じて音声案内データや表示案内データ等を順次、出力部118に出力してもよく、例えば、現在位置情報に基づく現在位置が案内経路上の分岐点等に近づいた場合に、方向指示のための音声案内データや表示案内データ等を出力部118に出力させてもよい。また、経路案内部102hは、地図データベース106bに記憶された地図描画データによる表示画面に、案内経路や、現在位置情報取得部102cにより取得される現在位置情報による現在位置ポインタ等を重畳して出力部118に表示させてもよい。
【0061】
以上で、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例の説明を終える。
【0062】
[ナビゲーションシステムの処理]
次に、このように構成された第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例について、以下に図2を参照して詳細に説明する。図2は、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【0063】
図2に示すように、まず、ナビゲーション装置100の車種情報送信部102aは、車種情報をナビゲーションサーバ200に送信する(ステップSA−1)。ここで、車種情報送信部102aにより送信される車種情報は、予め記憶部106に記憶された車種情報であってもよく、車両のECUから取得した車種情報であってもよく、利用者により入力部116を介して入力された車種情報であってもよい。
【0064】
そして、ナビゲーションサーバ200の車種情報受信部202aは、ナビゲーション装置100から送信される車種情報を受信する(ステップSA−2)。
【0065】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離情報取得部202bは、車種情報受信部202aにより受信された車種情報に対応するパルス移動距離情報をパルス移動距離データベース206aから取得する(ステップSA−3)。すなわち、パルス移動距離情報取得部202bは、ナビゲーション装置100が対象とする車両の車種に対応する、車速パルスの1パルスあたりの移動距離を定義したパルス移動距離情報をパルス移動距離データベース206aから取得する。
【0066】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離情報送信部202cは、パルス移動距離情報取得部202bにより取得されたパルス移動距離情報をナビゲーション装置100に送信する(ステップSA−4)。
【0067】
そして、ナビゲーション装置100のパルス移動距離情報受信部102bは、ナビゲーションサーバ200から送信されるパルス移動距離情報を受信し、パルス移動距離ファイル106aに格納する(ステップSA−5)。
【0068】
そして、ナビゲーション装置100のパルス移動距離算出部102dは、車速パルスを計測するための任意の2地点(車速パルスを計測する区間の始点および終点)を設定する(ステップSA−6)。パルス移動距離算出部102dは、任意の2地点として、地図データベース106bに記憶されたネットワークデータに基づいて2つのノード(例えば、2つの分岐点など)を設定してもよく、経路案内部102hによる案内経路上の2地点を設定してもよい。例えば、任意の2地点で特定される区間は、ネットワークデータにおけるリンクで特定される区間であってもよく、経路案内部102hによる案内経路上の高速道路のインターチェンジ間の区間であってもよい。ここで、リンクは、所定の長さ(例えば、100m以上等)を有するノード間の道路区間であってもよく、複数のリンクが連結して所定の長さを形成した複合リンクであってもよい。
【0069】
そして、ナビゲーション装置100のパルス移動距離算出部102dは、現在位置情報取得部102cにより取得される現在位置情報に基づいて、現在位置が設定した2地点の始点に到達したか否かを判定する(ステップSA−7)。
【0070】
そして、ナビゲーション装置100のパルス移動距離算出部102dは、始点に到達していないと判定した場合は(ステップSA−7、No)、現在位置情報取得部102cにより取得される現在位置情報の更新に従って現在位置が始点に到達するまで判定処理を続け、始点に到達したと判定した場合は(ステップSA−7、Yes)、車速パルス検出部114により検出される車速パルスのカウントを開始する(ステップSA−8)。
【0071】
そして、ナビゲーション装置100のパルス移動距離算出部102dは、現在位置情報取得部102cにより取得される現在位置情報に基づいて、現在位置が設定した2地点の終点に到達したか否かを判定する(ステップSA−9)。
【0072】
そして、ナビゲーション装置100のパルス移動距離算出部102dは、終点に到達していないと判定した場合は(ステップSA−9、No)、車速パルス検出部114により検出される車速パルスのカウントを続行し(ステップSA−8)、終点に到達したと判定した場合は(ステップSA−9、Yes)、車速パルスのカウントを終了する。
【0073】
そして、ナビゲーション装置100のパルス移動距離算出部102dは、設定した2地点間においてカウントした車速パルスのパルス数と2地点間の距離とに基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出する(ステップSA−10)。例えば、パルス移動距離算出部102dは、2地点間の距離を、車速パルスのパルス数で除することにより、1パルスあたりの移動距離を算出する。ここで、パルス移動距離算出部102dは、2地点間の距離を、地図データベース106bに記憶されたネットワークデータのリンク長(例えば、複合リンクの場合はリンク長の和)から求めてもよく、現在位置情報取得部102cにより取得された現在位置情報の履歴に基づいて算出してもよい。例えば、パルス移動距離算出部102dは、設定した2地点間において、現在位置情報取得部102cにより取得された現在位置情報の更新履歴を記憶部106に記憶しておき、現在位置として求められた各地点間の距離の和を計算することにより、設定した2地点間の距離を算出してもよく、現在位置として求められた多数の地点を曲線で結び、その曲線距離を計算することにより、設定した2地点間の距離を算出してもよい。
【0074】
そして、ナビゲーション装置100の差分格納部102eは、パルス移動距離情報受信部102bにより受信されパルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、パルス移動距離算出部102dにより算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して統計データファイル106cに格納する(ステップSA−11)。すなわち、差分格納部102eは、パルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離を基準値として、パルス移動距離算出部102dにより算出された1パルスあたりの移動距離の測定値との差分を算出し、統計データファイル106cに統計データとして蓄積させる。
【0075】
そして、ナビゲーション装置100のパルス移動距離情報補正部102fは、差分格納部102eにより統計データファイル106cに格納された差分の統計データが、統計処理を行えるまで十分蓄積されたか否かを判定する(ステップSA−12)。例えば、パルス移動距離情報補正部102fは、統計データファイル106cに蓄積された差分の統計データが所定数に達したか否かにより判定を行ってもよい。
【0076】
統計データファイル106cに差分の統計データが十分に蓄積されていないと判定された場合(ステップSA−12、No)、ナビゲーション装置100は、処理をステップSA−6に戻し、上述したステップSA−6〜ステップSA−12の処理を繰り返す。
【0077】
一方、統計データファイル106cに差分の統計データが十分蓄積されたと判定した場合(ステップSA−12、Yes)、ナビゲーション装置100のパルス移動距離情報補正部102fは、統計データファイル106cに蓄積された差分の統計データに基づいて、統計処理による学習によりパルス移動距離情報を補正してパルス移動距離ファイル106aに格納する(ステップSA−13)。例えば、パルス移動距離情報補正部102fは、統計データファイル106cに蓄積された差分の統計データに基づいて公知の統計処理により適切な1パルスあたりの移動距離を学習し、1パルスあたりの移動距離の補正値を取得してパルス移動距離ファイル106aのパルス移動距離情報を補正パルス移動距離情報として更新する。このように、パルス移動距離情報補正部102fは、統計データファイル106cに一定量の差分の統計データが蓄積される度に、パルス移動距離ファイル106aのパルス移動距離情報に学習結果を反映させていくことにより、1パルスあたりの移動距離を実際の正確な値に近づけていく。
【0078】
そして、ナビゲーション装置100の補正パルス移動距離情報送信部102gは、パルス移動距離情報補正部102fにより補正されパルス移動距離ファイル106aに格納された補正パルス移動距離情報を、車種情報に対応付けてナビゲーションサーバ200に送信する(ステップSA−14)。ここで、補正パルス移動距離情報送信部102gは、パルス移動距離情報受信部102bにより受信されパルス移動距離ファイル106aに格納されたパルス移動距離情報の初期データが、パルス移動距離情報補正部102fにより何回更新されたかをカウントし、所定の回数更新された場合に、パルス移動距離ファイル106aに格納された更新後の補正パルス移動距離情報をナビゲーションサーバ200に送信してもよい。
【0079】
そして、ナビゲーションサーバ200の補正パルス移動距離情報受信部202dは、ナビゲーション装置100から送信される、車種情報に対応付けられた補正パルス移動距離情報を受信する(ステップSA−15)。
【0080】
そして、ナビゲーションサーバ200の補正パルス移動距離情報格納部202eは、補正パルス移動距離情報受信部202dにより受信された補正パルス移動距離情報を車種情報に対応付けてパルス移動距離データベース206aに格納する(ステップSA−16)。ここで、補正パルス移動距離情報格納部202eは、補正パルス移動距離情報受信部202dにより受信された補正パルス移動距離情報に基づいて、当該車種情報に対応するパルス移動距離データベース206aに記憶されたパルス移動距離情報を更新してもよい。また、補正パルス移動距離情報格納部202eは、複数のナビゲーション装置100から送信された同一の車種情報に対応する複数の補正パルス移動距離情報に基づいて統計処理を行い、当該統計処理結果に基づいてパルス移動距離データベース206aに記憶された対応するパルス移動距離情報を補正してもよい。
【0081】
以上で、第1の実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例の説明を終える。
【0082】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態(ナビゲーションサーバ200(サーバ主導型))について、図3〜図5を参照して以下に説明する。なお、第2の実施形態においては、ナビゲーションサーバ200にてナビゲーション装置100の車速パルス検出部114で検出される車速パルスの1パルスあたりの移動距離を調整し、このデータをナビゲーション装置100に送信することにより、当該ナビゲーション装置100において車速パルスから算出される移動距離や車速等を調整するよう機能させている。このように、第2の実施形態は、ナビゲーションサーバ200にてサーバ主導で処理を行う点が第1の実施形態と異なる。
【0083】
[ナビゲーションサーバ200(サーバ主導型)の構成]
まず、第2の実施形態におけるナビゲーションサーバ200(サーバ主導型)の構成の一例について、図3を参照して以下に説明する。ここで、図3は、第2の実施形態におけるナビゲーションサーバ200の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0084】
図3に示すように、本発明の第2の実施形態のナビゲーションサーバ200は、位置取得部112と車速パルス検出部114と出力部118と入力部116と制御部102とを少なくとも備えたナビゲーション装置100に通信可能に接続され、制御部202と記憶部206とを少なくとも備えて構成される。通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。また、これらナビゲーションサーバ200およびナビゲーション装置100の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0085】
図3において、ナビゲーションサーバ200は、ナビゲーション装置100から送信される車種情報を受信し、受信した車種情報に対応するパルス移動距離情報を記憶部106から取得し、任意の2地点間において車速パルス検出部114により検出される車速パルスをナビゲーション装置100から受信し、受信した車速パルスのパルス数と当該2地点間の距離とに基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出し、取得したパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、算出した1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して記憶部106に格納し、記憶部106に格納した差分に基づいて統計処理による学習によりパルス移動距離情報を補正し、補正したパルス移動距離情報をナビゲーション装置に送信することにより、車速パルス検出部により検出される車速パルスの1パルスあたりの移動距離を設定させる等の機能を有する。
【0086】
なお、ナビゲーションサーバ200における、通信制御インターフェース部204、記憶部206のパルス移動距離データベース206a、制御部202の車種情報受信部202a、パルス移動距離情報取得部202bの機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、ナビゲーション装置100における、位置取得部112、車速パルス検出部114、出力部118、入力部116の機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0087】
図3において、地図データベース206bは、地図データを記憶する地図データ記憶手段である。一例として、この地図データベース206bに記憶される地図データは、第1の実施形態において上述したように、1)地図描画用データと、2)ネットワークデータと、3)スポットデータを含んで構成され、経路探索や地図表示等の目的のために利用される。なお、これら各種の地図データは、地図データベース206bに予め記憶されており、ナビゲーションサーバ200の制御部102は、定期的にネットワーク300を介して最新の地図データをダウンロードして地図データベース206bに記憶された各種の地図データをアップデートしてもよい。
【0088】
また、統計データファイル206cは、パルス移動距離算出部202nにより算出された1パルスあたりの移動距離の差分を、統計データとして記憶する統計データ記憶手段である。すなわち、統計データファイル206cには、パルス移動距離情報取得部202bによりパルス移動距離データベース206aから取得されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、パルス移動距離算出部202nにより算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分が統計データとして蓄積される。
【0089】
また、図3において、制御部202は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、車種情報受信部202a、パルス移動距離情報取得部202b、経路探索条件受信部202f、経路探索部202g、経路案内情報生成部202h、経路案内制御部202i、位置情報信号受信部202j、現在位置情報取得部202k、車速パルス受信部202m、パルス移動距離算出部202n、差分格納部202p、パルス移動距離情報補正部202q、および、パルス移動距離情報設定部202rを備えて構成される。なお、車種情報受信部202a、および、パルス移動距離情報取得部202bの機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0090】
このうち、経路探索条件受信部202fは、ナビゲーション装置100から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信手段である。ここで、経路探索条件には、経由地等を含んでいてもよく、また、経路探索条件は、入力部116を介して利用者により入力された情報であってもよい。
【0091】
また、経路探索部202gは、経路探索条件受信部202fにより受信された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、地図データベース206bに記憶されたネットワークデータ等を用いて探索し、案内経路データを生成する経路探索手段である。
【0092】
また、経路案内情報生成部202hは、経路探索部202gにより生成された案内経路データと現在位置情報取得部202kにより取得されたナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報とに基づく経路案内情報を生成する経路案内情報生成手段である。ここで、経路案内情報生成部202hは、経路探索部202gにより生成された案内経路データに、現在位置情報取得部202kにより取得されたナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を重畳して表示した表示画面からなる経路案内情報を生成してもよい。また、経路案内情報生成部202hは、地図データベース206bに記憶された案内経路を含む地図の地図描画データ上に、経路探索部202gにより生成された案内経路データ、および/または、現在位置情報取得部202kにより取得された現在位置情報を重畳して表示した表示画面からなる経路案内情報を生成してもよい。また、経路案内情報生成部202hは、記憶部206に記憶された案内データに基づく経路案内情報を生成してもよい。具体的には、経路案内情報生成部202hは、案内データに含まれる案内経路上において出力される音声案内データ、および/または、案内データに含まれるTBT等の表示案内データを表示した表示画面からなる経路案内情報を生成してもよい。
【0093】
また、経路案内制御部202iは、経路案内情報生成部202hにより生成された経路案内情報をナビゲーション装置100に送信することにより、当該ナビゲーション装置100の出力部118に出力させ、経路案内を実行する経路案内制御手段である。例えば、経路案内制御部202iは、経路案内情報生成部202hにより生成された経路案内情報をナビゲーション装置100に送信することにより、表示データである経路案内情報を表示した表示画面を出力部118に表示させ、経路案内を実行してもよい。また、経路案内制御部202iは、案内データに基づく経路案内情報をナビゲーション装置100に送信することにより、表示案内データである経路案内情報を表示した表示画面を出力部118に表示、および/または、音声案内データである経路案内情報を出力部118に出力させ、経路案内を実行してもよい。
【0094】
また、位置情報信号受信部202jは、ナビゲーション装置100から送信される、ナビゲーション装置100の位置取得部112により取得された位置情報信号を受信する位置情報信号受信手段である。ここで、位置情報信号受信部202jは、更に、ナビゲーション装置100の位置取得部112の方位センサにて検出したナビゲーション装置100の進行方向等の方位情報を受信してもよい。また、位置情報信号受信部202jは、所定周期ごと(例えば、1秒ごと等)にナビゲーション装置100から送信される、ナビゲーション装置100の位置取得部112により取得された位置情報信号を受信してもよい。また、位置情報信号受信部202jは、利用者によりナビゲーション装置100の入力部116を介して入力された現在位置、および/または、進行方向等についての情報を受信してもよい。具体的には、位置情報信号受信部202jは、ナビゲーション装置100の入力部116を介して利用者にナビゲーション装置100の出力部118に表示された地図データを表示した表示画面上で指定(例えば、タッチパネル式のナビゲーション装置100の出力部118での指定操作等)させた座標、および/または、方位情報を受信してもよい。ここで、位置情報信号受信部202jは、ナビゲーション装置100から送信される、ナビゲーション装置100の位置取得部112により受信された位置情報信号を所定周期ごと(例えば、1秒ごと等)に受信してもよい。
【0095】
また、現在位置情報取得部202kは、位置情報信号受信部202jにより受信された位置情報信号に基づき、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。ここで、現在位置情報取得部202kは、位置情報信号受信部202jにより受信された位置情報信号から算出した位置情報、および/または、位置情報信号受信部202jにより受信された方位情報を含むナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を取得してもよい。また、位置情報信号受信部202jにより所定周期ごと(例えば、1秒ごと等)に受信された位置情報信号に基づき、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を取得してもよい。また、現在位置情報取得部202kは、位置情報信号受信部202jにより受信された、利用者によりナビゲーション装置100の入力部116を介して入力された現在位置、および/または、進行方向等についての情報をナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を取得してもよい。
【0096】
また、車速パルス受信部202mは、ナビゲーション装置100から送信される、ナビゲーション装置100の車速パルス検出部114により検出された車速パルスを受信する車速パルス受信手段である。また、車速パルス受信部202mは、所定周期ごと(例えば、1秒ごと等)にナビゲーション装置100から送信される、ナビゲーション装置100の車速パルス検出部114により検出された車速パルスのパルス数を受信してもよい。
【0097】
また、パルス移動距離算出部202nは、任意の2地点間において、車速パルス受信部202mにより受信された車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離およびパルス数に基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出手段である。例えば、パルス移動距離算出部202nは、2地点間の距離を当該2地点間でナビゲーション装置100の車速パルス検出部114で検出された車速パルスのパルス数で除することにより、1パルスあたりの移動距離を算出する。ここで、パルス移動距離算出部202nは、地図データベース206bに記憶されたネットワークデータに基づいて任意の2地点を設定し、現在位置情報取得部102cにより取得される現在位置情報の更新により、当該設定した2地点の始点と終点を判定し、始点から終点までの間に車速パルス検出部114により検出され位置情報信号受信部202jにより受信された車速パルスのパルス数と、当該ネットワークデータのリンクデータに格納されたリンク長(道路区間の移動距離)と、に基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出してもよい。また、パルス移動距離算出部202nは、任意の2地点として、ネットワークデータの2つのノード(例えば、2つの分岐点など)を設定してもよく、経路案内制御部202iにより制御される案内経路上の2地点を設定してもよい。例えば、任意の2地点間は、高速道路のインターチェンジ間の区間や、ネットワークデータにおけるリンクで特定される区間であってもよい。ここで、道路リンクは、所定の長さ(例えば、100m以上等)を有するノード間の道路区間であってもよく、複数のリンクが連結して所定の長さを形成した複合リンクであってもよい。なお、2地点間の距離は、ネットワークデータ等に格納された既知の距離データから取得することに限られず、パルス移動距離算出部202nは、2地点間において現在位置情報取得部202kにより取得された現在位置情報に基づいて2地点間の距離を算出してもよい。例えば、パルス移動距離算出部202nは、現在位置情報として算出された、2つの地点間の直線距離や、多数の地点の曲線距離を算出する等により、2地点間の距離を求めてもよい。
【0098】
また、差分格納部202pは、パルス移動距離情報取得部202bにより取得されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、パルス移動距離算出部202nにより算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して統計データファイル206cに格納する差分格納手段である。すなわち、差分格納部202pは、パルス移動距離情報取得部202bにより取得されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離を基準値として、パルス移動距離算出部202nにより算出された1パルスあたりの移動距離の測定値との差分を算出し、統計データファイル206cに統計データとして蓄積させる。
【0099】
また、パルス移動距離情報補正部202qは、差分格納部202pにより統計データファイル206cに格納された差分の統計データに基づいて、統計処理による学習によりパルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正手段である。例えば、パルス移動距離情報補正部202qは、統計データファイル206cに蓄積された差分の統計データに基づいて統計処理により適切な1パルスあたりの移動距離を学習して、1パルスあたりの移動距離の補正値を取得してパルス移動距離情報を補正する。このように、パルス移動距離情報補正部202qは、パルス移動距離情報取得部202bによりパルス移動距離データベース206aから取得されたパルス移動距離情報に学習結果を反映させていくことにより、1パルスあたりの移動距離を実際の正確な値に近づけていく。
【0100】
また、パルス移動距離情報設定部202rは、パルス移動距離情報補正部202qにより補正されたパルス移動距離情報をナビゲーション装置100に送信することにより、車速パルス検出部114により検出される車速パルスの1パルスあたりの移動距離を設定させるパルス移動距離情報設定手段である。このナビゲーション装置100に設定されたパルス移動距離情報は、車速パルス検出部114により検出される車速パルスに基づいて車速や移動距離等を求めるために利用される。
【0101】
以上で、第2の実施形態におけるナビゲーションサーバ200の構成の一例の説明を終える。
【0102】
[ナビゲーションサーバ200(サーバ主導型)の処理]
次に、このように構成された第2の実施形態におけるナビゲーションサーバ200の処理の一例について、以下に図4を参照して詳細に説明する。図4は、第2の実施形態におけるナビゲーションサーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【0103】
図4に示すように、まず、ナビゲーション装置100の制御部102は、車種情報をナビゲーションサーバ200に送信する(ステップSB−1)。ここで、車両情報は、116を介して利用者により入力された情報であってもよく、車両のECUから取得された情報であってもよく、予め設定された情報であってもよい。
【0104】
そして、ナビゲーションサーバ200の車種情報受信部202aは、ナビゲーション装置100から送信される車種情報を受信する(ステップSB−2)。
【0105】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離情報取得部202bは、車種情報受信部202aにより受信された車種情報に対応するパルス移動距離情報をパルス移動距離データベース206aから取得する(ステップSB−3)。すなわち、パルス移動距離情報取得部202bは、ナビゲーション装置100が対象とする車両の車種に対応する、車速パルスの1パルスあたりの移動距離を定義したパルス移動距離情報をパルス移動距離データベース206aから取得する。
【0106】
そして、ナビゲーション装置100の制御部102は、利用者により入力部116を介して入力された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件をナビゲーションサーバ200に送信する(ステップSB−4)。
【0107】
そして、ナビゲーションサーバ200の経路探索条件受信部202fは、ナビゲーション装置100から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を受信する(ステップSB−5)。
【0108】
そして、ナビゲーションサーバ200の経路探索部202gは、経路探索条件受信部202fにより受信された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、地図データベース206bに記憶されたネットワークデータ等を用いて探索し、案内経路データを生成する(ステップSB−6)。ここで、出発地は、現在位置情報取得部202kにより、位置情報信号受信部202jによりナビゲーション装置100から受信された位置情報信号に基づき取得された現在位置情報に基づくナビゲーション装置100の利用者の現在位置であってもよい。
【0109】
そして、ナビゲーションサーバ200の経路案内情報生成部202hは、地図データベース206bに記憶された地図描画データ上に、経路探索部202gにより生成された案内経路データ、および、現在位置情報取得部202kにより所定周期ごと(例えば、1秒ごと等)に取得される現在位置情報を重畳して表示した表示画面からなる経路案内情報を生成する(ステップSB−7)。ここで、経路案内情報生成部202hは、記憶部206に記憶された案内データに含まれる案内経路上において出力される音声案内データ、および/または、案内データに含まれるTBT等の表示案内データを表示した表示画面からなる経路案内情報を生成してもよい。
【0110】
そして、ナビゲーションサーバ200の経路案内制御部202iは、経路案内情報生成部202hにより生成された経路案内情報をナビゲーション装置100に送信することにより、当該ナビゲーション装置100の出力部118に経路案内情報を出力させ、経路案内を実行する(ステップSB−8)。
【0111】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離算出部202nは、経路案内制御部202iにより制御される案内経路上等の任意の2地点間において、車速パルス受信部202mにより受信される車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離およびパルス数に基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出する(ステップSB−9)。
【0112】
ここで、図5を参照して、本実施形態における1パルスあたりの移動距離の計算の一例を説明する。図5は、本実施形態における1パルスあたりの移動距離の計算の一例を示すフローチャートである。
【0113】
図5に示すように、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離算出部202nは、現在位置情報取得部202kにより、位置情報信号受信部202jによりナビゲーション装置100から受信された位置情報信号に基づき取得された現在位置情報に基づくナビゲーション装置100の利用者の現在位置と、2地点間の始点と、が一致した場合、ナビゲーション装置100に車速パルスの取得コマンドを送信する(ステップSC−1)。
【0114】
そして、ナビゲーション装置100の制御部102は、ナビゲーションサーバ200から送信される車速パルスの取得コマンドを受信する(ステップSC−2)。
【0115】
そして、ナビゲーション装置100の制御部102は、ステップSC−2にて受信した取得コマンドに基づき、ナビゲーション装置100の搭載車両のECU等から車速パルス検出部114により検出された車速パルスのデータ(例えば、車速パルスの累積カウント値等)を取得し、ナビゲーションサーバに送信する(ステップSC−3)。
【0116】
そして、ナビゲーションサーバ200の車速パルス受信部202mは、ナビゲーション装置100から送信される車速パルスデータを受信する(ステップSC−4)。
【0117】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離算出部202nは、ステップSC−4にて車速パルス受信部202mにより受信された車速パルスデータを記憶部206に格納する(ステップSC−5)。
【0118】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離算出部202nは、現在位置情報取得部202kにより、位置情報信号受信部202jによりナビゲーション装置100から受信された位置情報信号に基づき取得された現在位置情報に基づくナビゲーション装置100の利用者の現在位置と、当該2地点間の終点とが一致した場合、ナビゲーション装置100に車速パルスの取得コマンドを送信する(ステップSC−6)。
【0119】
そして、ナビゲーション装置100の制御部102は、ナビゲーションサーバ200から送信される車速パルスの取得コマンドを受信する(ステップSC−7)。
【0120】
そして、ナビゲーション装置100の制御部102は、ステップSC−7にて受信した取得コマンドに基づき、ナビゲーション装置100の搭載車両のECU等から車速パルス検出部114により検出された車速パルスデータを取得し、ナビゲーションサーバに送信する(ステップSC−8)。
【0121】
そして、ナビゲーションサーバ200の車速パルス受信部202mは、ナビゲーション装置100から送信される車速パルスデータを受信する(ステップSC−9)。
【0122】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離算出部202nは、ステップSC−9にて車速パルス受信部202mにより受信された車速パルスデータに含まれる車速パルスの累積カウント値と、ステップSC−5にて記憶部206に格納した車速パルスデータに含まれる車速パルスの累積カウント値との差分から、当該2地点間における車速パルスのパルス数を算出する(ステップSC−10)。
【0123】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離算出部202nは、ステップSC−10にて算出した車速パルスのパルス数と当該2地点間の距離とに基づいて、1パルスあたりの移動距離を算出する(ステップSC−11)。例えば、パルス移動距離算出部202nは、2地点間の距離を車速パルスのパルス数で除することにより、1パルスあたりの移動距離を算出してもよい。なお、2地点間の距離は、地図データベース206bに記憶されたネットワークデータのリンク長(例えば、複合リンクの場合はリンク長の和)から求めてもよく、2地点間で現在位置情報取得部202kにより取得された現在位置情報の履歴に基づいて算出してもよい。例えば、パルス移動距離算出部202nは、2地点間において、現在位置情報取得部102cにより取得された現在位置情報の更新履歴を記憶部106に記憶しておき、現在位置として求められた各地点間の距離の和を計算することにより、設定した2地点間の距離を算出してもよく、現在位置として求められた多数の地点を曲線で結び、その曲線距離を計算することにより、設定した2地点間の距離を算出してもよい。
【0124】
再び図4に戻り、パルス移動距離算出部202nにより1パルスあたりの移動距離が算出されると(ステップSB−9)、ナビゲーションサーバ200の差分格納部202pは、パルス移動距離情報取得部202bにより取得されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、パルス移動距離算出部202nにより算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して統計データファイル206cに格納する(ステップSB−10)。すなわち、差分格納部202pは、パルス移動距離情報取得部202bにより取得されたパルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離を基準値として、パルス移動距離算出部202nにより算出された1パルスあたりの移動距離の測定値との差分を算出し、統計データファイル206cに統計データとして蓄積させる。
【0125】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離情報補正部202qは、差分格納部202pにより統計データファイル206cに格納された差分の統計データが、統計処理を行えるまで十分蓄積されたか否かを判定する(ステップSB−11)。例えば、パルス移動距離情報補正部202qは、統計データファイル206cに蓄積された差分の統計データが所定数に達したか否かにより判定を行ってもよい。
【0126】
統計データファイル206cに差分の統計データが十分に蓄積されていないと判定された場合(ステップSB−11、No)、ナビゲーションサーバ200は、ステップSB−9に処理を戻し、上述したステップSB−9〜ステップSB−11の処理を繰り返す。なお、経路案内制御部202iの制御による経路案内が終了している場合は、ナビゲーション装置100は、ステップSB−5に処理を戻してもよい。
【0127】
一方、統計データファイル206cに差分の統計データが十分蓄積されたと判定した場合(ステップSB−11、Yes)、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離情報補正部202qは、統計データファイル206cに蓄積された差分の統計データに基づいて、統計処理による学習によりパルス移動距離情報を補正する(ステップSB−12)。例えば、パルス移動距離情報補正部202qは、統計データファイル206cに蓄積された差分の統計データに基づいて公知の統計処理により適切な1パルスあたりの移動距離を学習し、1パルスあたりの移動距離の補正値を取得してパルス移動距離情報を補正する。このように、パルス移動距離情報補正部202qは、統計データファイル206cに一定量の差分の統計データが蓄積される度に、パルス移動距離情報に学習結果を反映させ、1パルスあたりの移動距離を実際の正確な値に近づけていく。
【0128】
そして、ナビゲーションサーバ200のパルス移動距離情報設定部202rは、パルス移動距離情報補正部202qにより補正されたパルス移動距離情報をナビゲーション装置100に送信することにより(ステップSB−13)、車速パルス検出部114により検出される車速パルスの1パルスあたりの移動距離を設定させる(ステップSB−14)。すなわち、このナビゲーション装置100に設定されたパルス移動距離情報は、車速パルス検出部114により検出される車速パルスに基づいて車速や移動距離等を求めるために利用される。なお、パルス移動距離情報設定部202rは、同一の車種情報に対応する複数のナビゲーション装置100についてパルス移動距離情報補正部202qにより補正されたパルス移動距離情報に基づいて統計処理を行い、当該統計処理結果に基づいてパルス移動距離データベース206aに記憶された対応するパルス移動距離情報を更新してもよい。
【0129】
以上で、第2の実施形態におけるナビゲーションサーバ200の処理の一例の説明を終える。
【0130】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0131】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0132】
このほか、文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや施設検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0133】
また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0134】
例えば、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200の各装置が備える処理機能、特に制御部102、および、制御部202にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じてナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHD等の記憶部106、206等は、OSとして協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0135】
また、このコンピュータプログラムは、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0136】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0137】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0138】
記憶部106、206に格納される各種のデータベース等(パルス移動距離ファイル106a〜統計データファイル106c、パルス移動距離データベース206a〜統計データファイル206c等)は、RAM、ROM等のメモリ装置、HDやSSD等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0139】
また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0140】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
以上詳述したように、本発明によれば、車速パルスの1パルスあたりの移動距離を実際の正確な値に近づけるまでの時間を短縮することができる、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、パルス移動距離学習方法を提供することができるので、ナビゲーションを支援する情報機器や情報処理分野などの様々な分野において極めて有用である。
【符号の説明】
【0142】
100 ナビゲーション装置
102 制御部
102a 車種情報送信部
102b パルス移動距離情報受信部
102c 現在位置情報取得部
102d パルス移動距離算出部
102e 差分格納部
102f パルス移動距離情報補正部
102g 補正パルス移動距離情報送信部
102h 経路案内部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a パルス移動距離ファイル
106b 地図データベース
106c 統計データファイル
108 入出力制御インターフェース部
112 位置取得部
114 車速パルス検出部
116 入力部
118 出力部
200 ナビゲーションサーバ
202 制御部
202a 車種情報受信部
202b パルス移動距離情報取得部
202c パルス移動距離情報送信部
202d 補正パルス移動距離情報受信部
202e 補正パルス移動距離情報格納部
202f 経路探索条件受信部
202g 経路探索部
202h 経路案内情報生成部
202i 経路案内制御部
202j 位置情報信号受信部
202k 現在位置情報取得部
202m 車速パルス受信部
202n パルス移動距離算出部
202p 差分格納部
202q パルス移動距離情報補正部
202r パルス移動距離情報設定部
204 通信制御インターフェース部
206 記憶部
206a パルス移動距離データベース
206b 地図データベース
206c 統計データファイル
300 ネットワーク
500 位置発信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、車速パルス検出部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、
上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信手段と、
上記車種情報受信手段により受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得手段と、
上記車速パルス移動距離取得手段により取得された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信するパルス移動距離情報送信手段と、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記制御部は、
上記車種情報を上記ナビゲーションサーバに送信する車種情報送信手段と、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記パルス移動距離情報を受信するパルス移動距離情報受信手段と、
任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出手段と、
上記パルス移動距離受信手段により受信された上記パルス移動距離情報の上記1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出手段により算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納手段と、
上記差分格納手段により上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記ナビゲーション装置の上記制御部は、
上記パルス移動距離情報補正手段により補正された上記パルス移動距離情報である補正パルス移動距離情報を、上記車種情報に対応付けて上記ナビゲーションサーバに送信する補正パルス移動距離情報送信手段と、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、
上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報に対応付けられた上記補正パルス移動距離情報を受信する補正パルス移動距離情報受信手段と、
上記補正パルス移動距離情報受信手段により受信された上記補正パルス移動距離情報を、当該車種情報に対応付けて上記パルス移動距離記憶手段に格納する補正パルス移動距離情報格納手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記ナビゲーション装置の上記制御部は、
案内経路上で経路案内を行う経路案内手段、
を更に備え、
上記パルス移動距離算出手段は、
上記任意の2地点として上記経路案内手段による上記案内経路上の2地点を設定し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出することを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項4】
記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、車速パルス検出部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置であって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、
を備え、
上記制御部は、
上記車種情報を上記ナビゲーションサーバに送信する車種情報送信手段と、
上記ナビゲーションサーバから送信される、上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を受信するパルス移動距離情報受信手段と、
任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出手段と、
上記パルス移動距離受信手段により受信された上記パルス移動距離情報の上記1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出手段により算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納手段と、
上記差分格納手段により上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーション装置。
【請求項5】
車速パルス検出部を少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバであって、
上記記憶部は、
車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、
を備え、
上記制御部は、
上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信手段と、
上記車種情報受信手段により受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得手段と、
上記車速パルス移動距離取得手段により取得された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信することにより、当該パルス移動距離情報による上記1パルスあたりの移動距離と、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出された上記車速パルスのパルス数と当該2地点間の距離に基づいて算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して統計処理による学習により上記1パルスあたりの移動距離を補正させるパルス移動距離情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーションサーバ。
【請求項6】
車速パルス検出部を少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバであって、
上記記憶部は、
車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、
上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信手段と、
上記車種情報受信手段により受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得手段と、
任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスを上記ナビゲーション装置から受信する車速パルス受信手段と、
上記車速パルス受信手段により受信された上記車速パルスのパルス数、および、上記2地点間の距離に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出手段と、
上記パルス移動距離受信手段により取得された上記パルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出手段により算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納手段と、
上記差分格納手段により上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正手段と、
上記パルス移動距離情報補正手段により補正された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信することにより、上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスの上記1パルスあたりの移動距離を設定させるパルス移動距離情報設定手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーションサーバ。
【請求項7】
制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、車速パルス検出部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行されるパルス移動距離学習方法であって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
上記車種情報を上記ナビゲーションサーバに送信する車種情報送信ステップと、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、
上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信ステップと、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、
上記車種情報受信ステップにて受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得ステップと、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、
上記車速パルス移動距離取得ステップにて取得された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信するパルス移動距離情報送信ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記パルス移動距離情報を受信するパルス移動距離情報受信ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
上記パルス移動距離受信ステップにて受信された上記パルス移動距離情報の上記1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出ステップにて算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
上記差分格納ステップにて上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正ステップと、
を含むことを特徴とする、パルス移動距離学習方法。
【請求項8】
記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、車速パルス検出部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置において実行されるパルス移動距離学習方法であって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、
を備え、
上記制御部において実行される、
上記車種情報を上記ナビゲーションサーバに送信する車種情報送信ステップと、
上記ナビゲーションサーバから送信される、上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を受信するパルス移動距離情報受信ステップと、
任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスのパルス数を計測し、当該2地点間の距離および上記パルス数に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出ステップと、
上記パルス移動距離受信ステップにて受信された上記パルス移動距離情報の上記1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出ステップにて算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納ステップと、
上記差分格納ステップにて上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正ステップと、
を含むことを特徴とする、パルス移動距離学習方法。
【請求項9】
車速パルス検出部を少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバにおいて実行されるパルス移動距離学習方法であって、
上記記憶部は、
車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、
を備え、
上記制御部において実行される、
上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信ステップと、
上記車種情報受信ステップにて受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得ステップと、
上記車速パルス移動距離取得ステップにて取得された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信することにより、当該パルス移動距離情報による上記1パルスあたりの移動距離と、任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出された上記車速パルスのパルス数と当該2地点間の距離に基づいて算出された1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して統計処理による学習により上記1パルスあたりの移動距離を補正させるパルス移動距離情報送信ステップと、
を含むことを特徴とする、パルス移動距離学習方法。
【請求項10】
車速パルス検出部を少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバにおいて実行されるパルス移動距離学習方法であって、
上記記憶部は、
車両の車種に関する車種情報に対応付けて、当該車種の車両における車速パルスの1パルスあたりの移動距離に関するパルス移動距離情報を記憶するパルス移動距離情報記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、
上記ナビゲーション装置から送信される上記車種情報を受信する車種情報受信ステップと、
上記車種情報受信ステップにて受信された上記車種情報に対応する上記パルス移動距離情報を上記車速パルス移動距離記憶手段から取得するパルス移動距離情報取得ステップと、
任意の2地点間において上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスを上記ナビゲーション装置から受信する車速パルス受信ステップと、
上記車速パルス受信ステップにて受信された上記車速パルスのパルス数、および、上記2地点間の距離に基づいて、上記1パルスあたりの移動距離を算出するパルス移動距離算出ステップと、
上記パルス移動距離受信ステップにて取得された上記パルス移動距離情報の1パルスあたりの移動距離と、上記パルス移動距離算出ステップにて算出された上記1パルスあたりの移動距離と、の差分を算出して上記記憶部に格納する差分格納ステップと、
上記差分格納ステップにて上記記憶部に格納された上記差分に基づいて、統計処理による学習により上記パルス移動距離情報を補正するパルス移動距離情報補正ステップと、
上記パルス移動距離情報補正ステップにて補正された上記パルス移動距離情報を上記ナビゲーション装置に送信することにより、上記車速パルス検出部により検出される上記車速パルスの上記1パルスあたりの移動距離を設定させるパルス移動距離情報設定ステップと、
を含むことを特徴とする、パルス移動距離学習方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−112536(P2011−112536A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269925(P2009−269925)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】