説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびその方法

【課題】移動端末を用いた効率的なナビゲーションによる誘導を実現する。
【解決手段】本願開示のナビゲーションシステムは、情報提供装置とナビゲーション装置とを有し、本願開示の情報提供装置は、ナビゲーションによる誘導の目印となりうる複数の物体についての様々な情報を有し、ナビゲーション装置の要求に応じて、目的地までに存在しうる物体を適切に選択し、選択された物体の情報をナビゲーション装置に提供する。また、本願開示のナビゲーション装置は、GPSなどのセンサを用いて、ユーザの位置を検出し、検出された位置を、情報提供装置に対して出力することにより、その位置から目的地までに存在しうる物体の情報を取得し、ナビゲーション装置のカメラにより撮影した物体についての情報と、情報提供装置から取得した物体の情報とに基づいて、ナビゲーションによる誘導のための情報を生成し、ナビゲーション装置の表示画面に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、移動端末を用いたナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば,非特許文献1,2は、データベースなどのデバイスを動的に接続し、指定された情報をリアルタイムにユーザに提供するアクティブ・メタレベルシステムを開示する。
しかしながら、非特許文献1,2は、移動端末を用いたナビゲーションシステム、ナビゲーション装置およびその方法を開示せず、示唆すらしていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】倉林修一, 石橋直樹, 清木康: "モバイル・コンピューティング環境におけるアクティブ型マルチデータベースシステムの実現方式", 情報処理学会研究報告 2000-DBS-122, 2000, 463-470.
【非特許文献2】Shuichi Kurabayashi, Naoki Ishibashi, Yasushi Kiyoki: A Multidatabase System Architecture for Integrating Heterogeneous Databases with Meta-Level Active Rule Primitives. In Proceedings of the 20th IASTED International Conference on Applied Informatics, 2002, 378-387.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願開示のナビゲーション装置は、上記背景からなされたものであって、その1つの実施形態は、ナビゲーションの対象となる範囲内で撮影された全ての画像の内、ナビゲーションによる誘導の開始位置から誘導の目的地までの誘導の目印となり得る物体の全ての位置、撮影方向およびこれらの物体の画像の特徴を示す第1の特徴情報を用いて、ナビゲーションを行うナビゲーション装置であって、周囲に存在する物体の画像を撮影するカメラと、前記撮影によって得られた画像の特徴を示す第2の特徴情報を生成する第2の特徴情報生成ロジックと、前記第1の特徴情報の内、前記生成された第2の特徴情報に最も近いいずれかを選択する第1の特徴情報選択ロジックと、前記選択された第1の特徴情報と、前記第2の特徴情報とに基づいて、前記カメラによる前記第2の特徴情報が示す物体の撮影方向を検出する方向検出ロジックと、前記選択された第1の特徴情報と、前記検出された撮影方向とに基づいて、前記ナビゲーション装置が存在する位置における前記目的地への方向を示す誘導方向を決定する誘導方向決定ロジックと、前記撮影された画像と、前記誘導方向を示す画像とを表示する表示デバイスとを有する。
【0005】
[サマリー]
以下、本願開示のナビゲーションシステムの1つの実施形態の概要を説明する。
ただし、以下の説明は、本願開示事項の理解を助けることのみを目的とし、その技術的範囲の限定を目的としていない。
本願開示のナビゲーションシステムは、情報提供装置とナビゲーション装置とを有し、ユーザを所望の目的地へと誘導する。
本願開示の情報提供装置は、ナビゲーションによる誘導の目印となりうる建物などの複数の物体についての様々な情報を有する。
また、本願開示の情報提供装置は、ナビゲーション装置の要求に応じて、複数の物体のうちから、目的地までに存在しうる物体を適切に選択し、選択された物体についての情報を、ナビゲーション装置に提供する。
本願開示のナビゲーション装置は、GPSなどのセンサを用いて、ユーザの位置を検出し、検出された位置を、本願開示の情報提供装置に対して出力することにより、その位置から目的地までに存在しうる物体についての情報を取得する。
また、本願開示のナビゲーション装置は、ナビゲーション装置のカメラにより撮影した物体についての情報と、情報提供装置から取得した物体についての情報とに基づいて、ナビゲーションによる誘導のための情報を生成する。
さらに、本願開示のナビゲーション装置は、生成された情報を、ナビゲーション装置の表示画面に表示させて、ナビゲーションによる誘導を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本願の開示事項が適用されるナビゲーションシステムの構成を例示する図である。
【図2】図1に示した移動端末のハードウェア構成を例示する図である
【図3】図1に示したサーバ装置のハードウェア構成を例示する図である。
【図4】図1,図2に示した移動端末において実行される端末プログラムを例示する図である。
【図5】図2に示した出力デバイスの表示画面に出力される誘導方向表示画面を例示する図である。
【図6】図2に示した出力デバイスの表示画面に出力される経路履歴画面を例示する図である。
【図7】図1,図3に示したサーバ装置において実行されるサーバプログラムを例示する図である。
【図8】図1に示したナビゲーションシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[ナビゲーションシステム1]
以下、本願開示事項が適用されるナビゲーションシステム1を説明する。
図1は、本願の開示事項が適用されるナビゲーションシステム1の構成を例示する図である。
図1に示すように、ナビゲーションシステム1は、移動端末2−1〜2−n、移動端末2−1〜2−nとの間で無線回線を介したデータ伝送を行う基地局102−1〜102−n、および、サーバ装置4が、有線および無線通信の両方に対応したネットワーク100を介して接続されて構成される。
【0008】
なお、nは1以上の整数を示すが、すべてのnが常に同じ数を示すとは限らない。
また、以下、移動端末2−1〜2−nなど、複数ある構成部分のいずれか1つ以上を特定せずに示すときには、単に移動端末2などと略記することがある。
また、移動端末2、基地局102およびサーバ装置4など、情報通信および情報処理の主体となりうる構成部分を、ノードと総称することがある。
また、以下、各図において実質的に同じ構成部分には同じ符号が付される。
【0009】
[ハードウェア構成]
以下、ナビゲーションシステム1の各ノードのハードウェア構成を説明する。
図2は、図1に示した移動端末2のハードウェア構成を例示する図である。
図2に示すように、移動端末2は、無線通信回線または有線通信回線を介してネットワーク100と接続される通信装置120、データ処理部14およびGPSデバイス160から構成される。
データ処理部14は、CPU140、メモリ142、記録媒体154に対するデータの読み書きを行う記録媒体インタフェースなどのCPU周辺装置144、テンキーの入力ボタンなどの入力デバイス146、液晶表示画面などの出力デバイス148、および、カメ
ラ150などから構成される。
GPSデバイス160は、GPS用人工衛星104(図1)からの電波信号を受信し、移動端末2の位置(緯度・経度)を検出する。
つまり、移動端末2は、位置の検出、情報処理および情報通信を行うことができる一般的なコンピュータとしての構成部分を有している。
【0010】
図3は、図1に示したサーバ装置4のハードウェア構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ装置4は、通信装置120、CPU140、メモリ142、入力デバイス146、出力デバイス148およびHDD・CD装置などの記録媒体154に対してデータの記録を行う記録装置152から構成される。
つまり、サーバ装置4は、情報処理および情報通信が可能な一般的なコンピュータとしての構成部分を有している。
【0011】
[ソフトウェア]
以下、ナビゲーションシステム1の各ノードにおいて実行されるソフトウェア(プログラム)を説明する。
【0012】
[端末プログラム20]
まず、移動端末2において実行される端末プログラム20を説明する。
図4は、図1,図2に示した移動端末2において実行される端末プログラム20を示す図である。
図4に示すように、端末プログラム20は、ユーザインタフェース(UI)部200、通信処理部202、目的地設定部204、地図情報データベース(DB)206、位置検出部208、経路履歴DB210、情報取得部212、情報DB214、画像生成部216、画像特徴抽出部218、特徴情報選択部220、方向検出部222、誘導方向決定部224、経路履歴生成部226、表示部228、付加情報受入部230から構成される。
端末プログラム20は、例えば、メモリ142(図2)に記憶されて移動端末2(図1)に供給され、必要に応じて移動端末2にインストールされたOS(図示せず)上で、移動端末2のハードウェア資源を、具体的に利用して実行される(以下のプログラムについても同様である)。
端末プログラム20は、これらの構成部分により、カメラ150(図2)で撮影された画像の情報と、サーバ装置4(図1)から取得した情報とを用いて、ナビゲーションによる誘導を実現する。
【0013】
UI部200は、例えば、出力デバイス148(図2)の表示装置に対して、ナビゲーションを行うために必要な操作を促すGUI(Graphical User interface)画像(図示せず)を表示する。
また、UI部200は、表示したGUI画像に応じて、ユーザがナビゲーションによる誘導を受けるために入力した操作を、入力デバイス146から受け入れ、受け入れた操作を、端末プログラム20の各構成部分に対して出力する。
また、UI部200は、表示部222からユーザの操作に応じて生成されたナビゲーション画面を受け入れて、出力デバイス148の表示画面にナビゲーション画面を表示させる。
【0014】
通信処理部202は、移動端末2と、ネットワーク100を介したサーバ装置4との情報通信のための処理を行う。
目的地設定部204は、UI部200を介して入力されたナビゲーションによる誘導の目的地を示す位置(緯度・経度)を受け入れて、通信処理部202を介してサーバ装置4(図1)に対して出力する。
また、目的地設定部204は、入力された目的地を示す位置を、誘導方向決定部224
および経路履歴生成部226から参照可能に記憶する。
地図情報DB206は、ナビゲーションのために用いられ、道路および建物の位置を示す地図情報を、誘導方向決定部224および経路履歴生成部226から参照可能に記憶する。
なお、地図情報DB206は、地図情報を、通信処理部202を介して、サーバ装置4(図1)から取得してもよい。
【0015】
位置検出部208は、ナビゲーションによる誘導のために、ユーザがカメラ150(図2)により周囲の画像を撮影する操作に応じて、撮影時の移動端末2の位置を、GPSデバイス160(図2)により検出する。
なお、GPSデバイス160が、GPS用人工衛星104(図1)からの電波信号を受信できないときは、位置検出部208は、方向センサや加速度センサ(図示せず)を駆動して、移動端末2の位置を検出することもできる。
位置検出部208は、検出された位置を画像の撮影位置として、撮影された時間とともに経路履歴DB210に記憶させる。
また、位置検出部208は、画像の撮影位置を、情報取得部212、特徴情報選択部220、および、誘導方向決定部224に対して出力する。
また、位置検出部208は、移動端末2の位置を定期的に検出し、検出した位置を、経路履歴として経路履歴DB210に記憶させる。
【0016】
経路履歴DB210は、位置検出部208から入力された画像の撮影位置と撮影された時間と経路履歴とを、経路履歴生成部226から参照可能に記憶する。
情報取得部212は、位置検出部208から入力された移動端末2の位置を受け入れて、受け入れた位置と、受け入れた位置から目的地の位置までに存在し、誘導の目印となりうる1つ以上の物体の特徴情報の選択要求とを、通信処理部202を介してサーバ装置4(図1)に対して出力する(図1A)。
物体特徴情報は、例えば、物体(お店、建物、駅など)の位置およびその付加情報と、物体が撮影された方向と、その物体の画像特徴情報とを示す。
物体の画像特徴情報は、例えば、画像の変化点(建物の外観、窓、ドアなどを示すエッジ)、平均色相、彩度、輝度ヒストグラムを計算することにより求められる。
物体の付加情報は、例えば、お店の営業時間や建物に対するユーザのコメントなどを示す。
【0017】
また、情報取得部212は、選択要求に応じてサーバ装置4から返された目的地までの物体特徴情報を、情報DB214に記憶させる。
情報DB214は、サーバ装置4から返された1つ以上の物体特徴情報を、特徴情報選択部220から参照可能に記憶する。
画像生成部216は、ユーザがカメラ150(図2)により周囲の物体の画像を撮影する操作に応じて、撮影された物体の画像データ(以下、単に「撮影画像」と記述する)を生成する。
また、画像生成部216は、生成された撮影画像を、画像特徴抽出部218および誘導方向決定部224に対して出力する。
【0018】
画像特徴抽出部218は、画像生成部216から入力された撮影画像を受け入れて、撮影画像の特徴情報を抽出する。
また、画像特徴抽出部218は、抽出された撮影画像の特徴情報を、特徴情報選択部220および方向検出部222に対して出力する。
特徴情報選択部220は、情報DB214に記憶された1つ以上の物体特徴情報のうち、各物体特徴情報に含まれる物体の位置が、位置検出部208により入力された位置から所定の範囲内(例えば、半径30m以内)にある物体特徴情報(以下、「周辺物体特徴情報」と記述する)を選択する。
さらに、特徴情報選択部220は、周辺物体特徴情報それぞれと、画像特徴抽出部218から入力された撮影画像の特徴情報とを比較して、周辺物体特徴情報のうち、撮影画像の特徴情報と最も近いいずれかを選択する。
【0019】
具体的には、例えば、特徴情報選択部220は、周辺物体特徴情報それぞれに含まれる画像の変化点と、撮影画像の変化点とがどの程度類似しているかを示す類似度を計算し、最も類似度が高い周辺物体特徴情報のいずれかを選択する。
また、特徴情報選択部220は、選択された物体特徴情報を、方向検出部222誘導方向決定部224、および、付加情報受入部230に対して出力する。
方向検出部222は、画像特徴抽出部218から入力された撮影画像の特徴情報および特徴情報選択部220から入力された物体特徴情報を受け入れて、受け入れた情報を用いて、撮影画像の撮影方向を検出する。
【0020】
具体的には、例えば、方向検出部222は、物体特徴情報に含まれる画像の変化点と、撮影画像の変化点との差分から、撮影画像の傾きを計算する。
さらに、方向検出部222は、撮影画像の傾きと、物体特徴情報に含まれる物体の撮影方向とに基づいて、撮影画像の撮影方向を検出する。
撮影方向は、ユーザがどのような位置から撮影画像を撮影しているか、つまり、ユーザの撮影方向を示す。
また、方向検出部222は、検出されたユーザの撮影方向を、誘導方向決定部224に対して出力する。
【0021】
誘導方向決定部224は、位置検出部208から入力された検出位置と、特徴情報選択部220から入力された物体特徴情報と、方向検出部222から入力されたユーザの撮影方向と、目的地設定部204から入力された目的地の位置と、地図情報DB206に記憶された地図情報とに基づいて、誘導方向を決定する。
具体的には、例えば、誘導方向決定部224は、検出位置または物体特徴情報に含まれる物体の位置と、目的地の位置と、地図情報とに基づいて、ユーザが次に進むべき道を選択する。
誘導方向決定部224は、さらに、ユーザの撮影方向と、選択された道とに基づいて、次に進むべき道をどの方向に進むべきかを示す誘導方向を決定する。
【0022】
誘導方向決定部224は、さらに、画像生成部216から入力された撮影画像に、決定された誘導方向を付加して、誘導方向表示画像を生成する(図5を参照して後述)。
また、誘導方向決定部224は、特徴情報選択部220から入力された物体特徴情報に付加情報が含まれているときは、誘導方向表示画像に、さらにその付加情報を示してもよい。
また、誘導方向決定部224は、生成された誘導方向表示画像を、表示部228に対して出力する。
経路履歴生成部226は、経路履歴DB210が記憶する撮影画像の位置などと、目的地設定部204から入力された目的地と、地図情報DB206に記憶された地図情報とに基づいて、経路履歴画像を生成する。
具体的には、例えば、経路履歴生成部226は、ユーザからの要求に応じて、これまでの撮影画像の位置と、それぞれの画像が撮影された時間と、経路履歴とを、経路履歴DB210から取得する。
【0023】
また、経路履歴生成部226は、経路履歴の表示に利用されうる地図情報を、地図情報DB206から取得する。
また、経路履歴生成部226は、地図情報に基づいて、地図画像を生成する。
さらに、経路履歴生成部226は、地図画像上の撮影位置に対応する場所に撮影位置アイコンと撮影時間を付加し、目的地に対応する場所に目的地アイコンを付加し、これまでにたどった経路を示す破線の矢印を付加して、経路履歴画像を生成する(図6を参照して後述)。
さらに、経路履歴生成部226は、生成した経路履歴画像を、表示部228に対して出力する。
【0024】
表示部228は、誘導方向決定部224から入力された誘導方向表示画像を受け入れて、受け入れた画像を、UI部を介して、出力デバイス148(図2)の表示画面に出力させる(以下、表示された画面を「誘導方向表示画面」と記述する)。
また、表示部228は、経路履歴生成部226から入力された経路履歴画像を受け入れて、受け入れた画像を、UI部200を介して、出力デバイス148の表示画面に出力させる(以下、表示された画面を「経路履歴画面」と記述する)。
付加情報受入部230は、特徴情報選択部220から入力された物体特徴情報に対応する物体の付加情報を、UI部200を介して、ユーザから受け入れて、受け入れた付加情報を、通信処理部202を介して、サーバ装置4(図1)に対して出力する。
【0025】
[誘導方向表示画面]
以下、出力デバイス148(図2)の表示画面に出力される誘導方向表示画面を説明する。
図5は、出力デバイス148の表示画面に出力される誘導方向表示画面を例示する図である。
図5に示すように、誘導方向表示画面は、撮影画像300、誘導方向矢印302、付加情報304から構成される。
撮影画像300は、画像生成部216により、ナビゲーションによる誘導に用いるために生成される。
【0026】
誘導方向矢印302は、誘導方向決定部224により決定された誘導方向を示し、誘導方向決定部224により、撮影画像300に付加される。
例えば、図5(A)に示すように、撮影画像に含まれる建物から右へ進むときには、撮影画像300に、右方向を示す誘導方向矢印302が付加される。
また、図5(B)に示すように、撮影画像に含まれる建物の右側の道を奥へと進むときには、撮影画像300に、奥方向を示す誘導方向矢印302が付加される。
付加情報304は、特徴情報選択部220により選択された物体特徴情報に含まれているときに、誘導方向決定部224により、撮影画像300に付加される。
例えば、図5に示すように、付加情報304は、誘導方向決定部224により、「5Fのお店は24時まで開いています」や「1Fロビーで待ち合わせ」と吹き出しで示されて、撮影画像300に付加される。
【0027】
[経路履歴画面]
以下、出力デバイス148(図2)の表示画面に出力される経路履歴画面を説明する。
図6は、出力デバイス148の表示画面に出力される経路履歴画面を例示する図である。
図6に示すように、経路履歴画面は、地図画像312、開始位置アイコン314、目的地アイコン316、撮影位置アイコン318、経路表示320、撮影時間322から構成される。
地図画像312は、経路履歴生成部226(図4)により、地図情報に基づいて生成される
【0028】
開始位置アイコン314は、経路履歴生成部226により、地図画像上の撮影位置に対
応する場所のうち、一番古い時間に撮影された位置に対応する場所に付加される。
目的地アイコン316は、経路履歴生成部226により、地図画像上の目的地に対応する場所に付加される。
撮影位置アイコン318は、経路履歴生成部226により、地図画像上の撮影位置に対応するそれぞれの場所に付加される。
経路表示320は、経路履歴生成部226により、地図画像上にこれまでたどった経路を示す破線の矢印として付加される。
撮影時間322は、経路履歴生成部226により、地図画像上の撮影位置に対応するそれぞれの場所に付加される。
【0029】
[サーバプログラム40]
以下、図1に示したサーバ装置4において実行されるサーバプログラム40を説明する。
図7は、図1に示したサーバ装置4において実行されるサーバプログラム40を示す図である。
図7に示すように、サーバプログラム40は、UI部200、通信処理部202、目的地DB400、物体特徴DB402、特徴情報提供部404、特徴情報選択部406から構成される。
サーバプログラム40は、これらの構成部分により、ナビゲーションによる誘導に利用されうる情報を、移動端末2(図1)の要求に応じて適切に選択し、移動端末2へ提供する。
【0030】
目的地DB400は、通信処理部202を介して移動端末2から入力された目的地を示す位置を、特徴情報選択部406から参照可能に記憶する。
物体特徴DB402は、ナビゲーションの対象となる全ての範囲内で撮影され、ナビゲーションによる誘導に利用されうる全ての物体の特徴情報を、UI部200または通信処理部202を介して外部から受け入れ、特徴情報選択部406から参照可能に記憶する。
また、物体特徴DB402は、物体の付加情報を、通信処理部202を介して、任意の移動端末2(図1)から受け入れ、受け入れた付加情報を、対応する物体特徴情報に付加して、特徴情報選択部406から参照可能に記憶する。
特徴情報提供部404は、通信処理部202を介して、移動端末2から入力された位置と、その位置から目的地までに存在しうる1つ以上の物体特徴情報の選択要求とを受け入れて、受け入れた位置と選択要求とを、特徴情報選択部406に対して出力する。
【0031】
また、特徴情報提供部404は、選択要求に応じて特徴情報選択部406から返された1つ以上の物体特徴情報を受け入れて、通信処理部202を介して、移動端末2に対して出力する(図1B)。
なお、移動端末2に対して出力する物体特徴情報に含まれる画像の特徴情報のサイズは、画像1枚当たり数バイト〜数十バイトなので、現在のネットワーク環境において、サーバ装置4は、数百枚の画像の特徴情報を、移動端末2に対して送信することができる。
特徴情報選択部406は、特徴情報提供部404から入力された位置と選択要求とを受け入れて、目的地DB400に記憶された目的地と、物体特徴DB402に記憶された物体特徴情報とを参照して、選択要求に応じた物体特徴情報を選択する。
具体的には、例えば、特徴情報選択部406は、移動端末2が存在する緯度・経度から目的地の緯度・経度までに含まれうる緯度・経度に位置する全ての物体の特徴情報を選択する。
【0032】
[ナビゲーションシステム1の第1の動作例]
以下、ナビゲーションシステム1の第1の動作例を説明する。
図8は、図1に示したナビゲーションシステム1の第1の動作を示すフローチャートで
ある。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、移動端末2において端末プログラム20(図4)が起動され、サーバ装置4においてサーバプログラム40(図7)が起動されると、端末プログラム20の目的地設定部204は、ユーザから入力された目的地を示す位置を受け入れて、通信処理部202を介して、サーバプログラム40の目的地DB400に記憶させる。
【0033】
ステップ102(S102)において、画像生成部216は、ユーザがカメラ150(図2)により周囲に存在する物体を撮影する操作を行った否かを判断する。
端末プログラム20は、操作を行ったときにはS104の処理に進み、これ以外のときには、S102の処理に留まる。
ステップ104(S104)において、画像生成部216は、ユーザのカメラ操作に応じて撮影された画像を生成する。
さらに、画像生成部216は、生成された撮影画像の特徴情報を抽出する。
【0034】
ステップ106(S106)において、位置検出部208は、GPSデバイス160(図2)などにより、移動端末2の位置を検出する。
ステップ108(S108)において、情報取得部212は、S106において
検出された位置と、その位置から目的地までに存在しうる1つ以上の物体特徴情報の選択要求を、通信処理部202を介して、サーバプログラム40の特徴提供部404に対して出力する(図1A)。
さらに、情報取得部212は、この要求に応じて特徴情報選択部406により選択された物体特徴情報を、通信処理部202を介して取得する(図1B)。
【0035】
ステップ110(S110)において、情報取得部212は、S108において受け取った物体特徴情報が1つ以上存在するか否かを判断する。
端末プログラム20は、物体特徴情報が1つ以上存在するときにはS112の処理に進み、これ以外のときには、S124の処理に進み、移動端末2の位置から目的地までに物体特徴情報が存在しない旨のエラーを出力デバイス148(図2)に表示する処理を行い、S102の処理に戻る。
ステップ112(S112)において、特徴情報選択部220は、S108において取得した1つ以上の物体特徴情報のうち、各物体特徴情報に含まれる位置が、S106において検出された位置から所定の範囲内にある物体特徴情報を選択する。
さらに、特徴情報選択部220は、選択された物体特徴情報それぞれと、S104において抽出された撮影画像の特徴情報との類似度を計算する。
【0036】
ステップ114(S114)において、特徴情報選択部220は、S112において計算した類似度が所定の閾値以上の物体特徴情報が存在する否かを判断する。
端末プログラム20は、存在するときには、S116の処理に進み、これ以外のときには、S124の処理に進み、S104において抽出された撮影画像の特徴情報に類似する物体特徴情報が存在しない旨のエラーを、表示デバイス148(図2)に出力する処理を行い、S102の処理に戻る。
ステップ116(S116)において、特徴情報選択部220は、S112において計算した類似度のうち、最も類似度が高い物体特徴情報を選択する。
ステップ118(S118)において、付加情報受入部230は、S116において選択された物体特徴情報に対応する物体の付加情報を、ユーザから受け入れて、受け入れた付加情報を、通信処理部202を介して、サーバプログラム40(図7)の物体特徴DB402に記憶させる。
【0037】
ステップ120(S120)において、方向検出部222は、S116において選択さ
れた物体特徴情報と、S104において抽出された撮影画像の特徴情報とに基づいて、撮影画像の傾きを計算する。
さらに、方向検出部222は、計算された撮影画像の傾きと、S116において選択された物体特徴情報に含まれる撮影方向とに基づいて、S104において生成された撮影画像の撮影方向を検出する。
ステップ122(S122)において、誘導方向決定部224は、S106において検出された位置またはS116において選択された物体特徴情報に含まれる位置と、目的地の位置と、地図情報とに基づいて、ユーザが次に進むべき道を選択する。
さらに、誘導方向決定部224は、S120において検出された撮影方向と、選択された道とに基づいて、誘導方向を決定し、S104において生成された撮影画像に誘導方向を付加して、誘導方向表示画像を生成する(図5)。
【0038】
ステップ126(S126)において、表示部228は、S122において生成された誘導方向表示画像を、UI部200を介して、出力デバイス148(図2)に対して出力する。
ステップ128(S128)において、端末プログラム20は、UI部200を介して、ユーザから目的地到着などによりナビゲーションを終了する要求がなされたか否かを判断する。
端末プログラム20は、要求がなされたときには、処理を終了し、これ以外のときには、S102の処理に戻る。
【0039】
[ナビゲーションシステム1の第2の動作例]
以下、ナビゲーションシステム1の第2の動作例を説明する。
S104(図8)において、GPSデバイス160(図2)による移動端末2の位置検出の代わりに、情報取得部212(図4)は、S104において抽出された撮影画像の特徴情報を用いて、移動端末2の位置を特定することもできる。
具体的には、例えば、情報取得部212は、通信処理部202を介して、サーバプログラム40の物体特徴DB402が記憶する全ての物体特徴情報を取得する。
さらに、情報取得部212は、取得した全ての物体特徴情報の内、S104において抽出された撮影画像の特徴情報と最も類似する物体特徴情報に含まれる位置を、移動端末2の位置として特定する。
また、S108において、目的地までに存在しうる1つ以上の物体特徴情報をサーバ装置4から取得する代わりに、情報取得部212は、移動端末2の位置として特定された位置から目的地までに存在し得る物体特徴情報を、サーバ装置4から取得した全ての物体特徴情報から選択することもできる。
【符号の説明】
【0040】
1・・・ナビゲーションシステム
100・・・ネットワーク
102・・・基地局
104・・・GPS用人工衛星
2・・・移動端末
120・・・通信装置
14・・・データ処理部
140・・・CPU
142・・・メモリ
144・・・CPU周辺装置
146・・・入力デバイス
148・・・出力デバイス
150・・・カメラ
154・・・記録媒体
160・・・GPSデバイス
20・・・端末プログラム
200・・・UI部
202・・・通信処理部
204・・・目的地設定部
206・・・地図情報DB
208・・・位置検出部
210・・・経路履歴DB
212・・・情報取得部
214・・・情報DB
216・・・画像生成部
218・・・画像特徴抽出部
220・・・特徴情報選択部
222・・・方向検出部
224・・・誘導方向決定部
226・・・経路履歴生成部
228・・・表示部
230・・・付加情報受入部
300・・・撮影画像
302・・・誘導方向矢印
304・・・付加情報
312・・・地図画像
314・・・開始位置アイコン
316・・・目的地アイコン
318・・・撮影位置アイコン
320・・・経路表示
322・・・撮影時間
4・・・サーバ装置
152・・・記録装置
40・・・サーバプログラム
400・・・目的地DB
402・・・物体特徴DB
404・・・特徴情報提供部
406・・・特徴情報選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供装置と、
ナビゲーション装置と
を有するナビゲーションシステムであって、
前記情報提供装置は、
前記ナビゲーションシステムによる誘導の範囲内で撮影された全ての画像から、この範囲内における誘導の目印となり得る物体の全ての位置、撮影方向およびその付加情報と、これらの物体の画像の特徴とを示す第1の特徴情報を記憶する特徴記憶ロジックと、
前記ナビゲーション装置が誘導する目的地の位置を示す第1の位置情報と、前記ナビゲーション装置による誘導の開始位置を示す第2の位置情報とに基づいて、前記ナビゲーション装置による誘導が開始された位置から、前記目的地までに存在しうる前記物体の第1の特徴情報を選択する特徴情報選択ロジックと、
前記選択された第1の特徴情報を、前記ナビゲーション装置に対して提供する情報提供ロジックと
を有し、
前記ナビゲーション装置は、
周囲に存在する物体の画像を撮影するカメラと、
前記撮影によって得られた画像の特徴を示す第2の特徴情報を生成する第2の特徴情報生成ロジックと、
前記ナビゲーション装置が存在する位置を検出する位置検出デバイスと、
前記提供された第1の特徴情報の内、前記生成された第2の特徴情報に最も近いいずれかを選択する第1の特徴情報選択ロジックと、
前記選択された第1の特徴情報と、前記第2の特徴情報とに基づいて、前記カメラによる前記第2の特徴情報が示す物体の撮影方向を検出する方向検出ロジッと、
前記検出された位置情報および前記提供された第1の特徴情報またはこれらのいずれかと、前記検出された撮影方向とに基づいて、前記ナビゲーション装置が存在する位置における前記目的地への方向を示す誘導方向を決定する誘導方向決定ロジックと、
前記撮影された画像と、前記誘導方向を示す画像とを表示する表示デバイスと
を有する
ナビゲーションシステム。
【請求項2】
ナビゲーションの対象となる範囲内で撮影された全ての画像の内、ナビゲーションによる誘導の開始位置から誘導の目的地までの誘導の目印となり得る物体の全ての位置、撮影方向およびこれらの物体の画像の特徴を示す第1の特徴情報を用いて、ナビゲーションを行うナビゲーション装置であって、
周囲に存在する物体の画像を撮影するカメラと、
前記撮影によって得られた画像の特徴を示す第2の特徴情報を生成する第2の特徴情報生成ロジックと、
前記第1の特徴情報の内、前記生成された第2の特徴情報に最も近いいずれかを選択する第1の特徴情報選択ロジックと、
前記選択された第1の特徴情報と、前記第2の特徴情報とに基づいて、前記カメラによる前記第2の特徴情報が示す物体の撮影方向を検出する方向検出ロジッと、
前記選択された第1の特徴情報と、前記検出された撮影方向とに基づいて、前記ナビゲーション装置が存在する位置における前記目的地への方向を示す誘導方向を決定する誘導方向決定ロジックと、
前記撮影された画像と、前記誘導方向を示す画像とを表示する表示デバイスと
を有するナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置が存在する位置を検出する位置検出デバイス
をさらに有し、
前記方向表示画像生成ロジックは、前記検出された位置情報および前記供給された第1の特徴情報またはこれらのいずれかと、前記検出された撮影方向とに基づいて、前記ナビゲーション装置が存在する位置における前記目的地への方向を示す誘導方向を決定する
請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記第1の特徴情報は、前記カメラにより撮影されたナビゲーションの開始位置の周囲の物体の画像から、前記第2の特徴情報生成ロジックが生成した第2の特徴情報と、ナビゲーションの対象となる全ての範囲内で撮影され、ナビゲーションによる誘導に用いられ得る全ての物体の画像の特徴を示す第3の特徴情報の内、前記ナビゲーションの開始位置の周囲の物体の画像から得られた第2の特徴情報に最も近いいずれかとを用いて、前記第1の特徴情報選択ロジックが、前記第1の特徴情報として選択した第1の特徴情報に含まれるナビゲーションによる誘導の開始位置を示す情報と、前記ナビゲーションによる誘導の目的地の位置を示す情報とに基づいて選択される
請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記第1の特徴情報は、前記位置検出デバイスが検出したナビゲーションの開始位置を示す情報と、前記ナビゲーションによる誘導の目的地の位置を示す情報とを含む要求に応じて、外部から供給される
請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記選択された第1の特徴情報に付加する付加情報を、外部から受け入れる付加情報受け入れロジック
をさらに有し、
前記表示デバイスは、前記選択された第1の特徴情報が示す物体の画像に、この第1の特徴情報に付加された付加情報を、さらに表示する
請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記カメラによる物体の撮影が行われるたびに、その撮影位置を示す情報を時系列に記憶する位置情報記憶ロジックと、
前記記憶された撮影位置を示す情報を用いて、撮影位置の履歴情報を示す画像を生成する経路履歴生成ロジックと
をさらに有し、
前記表示デバイスは、前記経路履歴生成ロジックにより生成された画像を表示する
請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
ナビゲーションの対象となる範囲内で撮影された全ての画像の内、ナビゲーションによる誘導の開始位置から誘導の目的地までの誘導の目印となり得る物体の全ての位置、撮影方向およびこれらの物体の画像の特徴を示す第1の特徴情報を用いて、ナビゲーションを行うナビゲーション方法であって、
周囲に存在する物体の画像を撮影し、
前記撮影によって得られた画像の特徴を示す第2の特徴情報を生成し、
前記第1の特徴情報の内、前記生成された第2の特徴情報に最も近いいずれかを選択し、
前記選択された第1の特徴情報と、前記第2の特徴情報とに基づいて、前記カメラによる前記第2の特徴情報が示す物体の撮影方向を検出し、
前記選択された第1の特徴情報またはこれらのいずれかと、前記検出された撮影方向とに基づいて、ナビゲーションによる誘導の開始位置における前記目的地への方向を示す誘導方向を決定し、
前記撮影された画像と、前記誘導方向を示す画像とを表示する
ナビゲーション方法。
【請求項9】
ナビゲーションの対象となる全ての範囲内で撮影され、ナビゲーションによる誘導に用いられ得る全ての物体の位置および撮影方向と、これらの物体の画像の特徴とを示す第1の特徴情報を記憶する特徴記憶ロジックと、
ナビゲーションによる誘導の目的地の位置を示す情報と、ナビゲーションによる誘導の開始位置を示す情報とに基づいて、ナビゲーションによる誘導が開始された位置から、前記目的地までに存在しうる前記物体の第1の特徴情報を選択する特徴情報選択ロジックと、
前記選択された第1の特徴情報を、外部へ提供する情報提供ロジックと
を有する情報提供装置。
【請求項10】
前記第1の特徴情報は、前記物体の付加情報をさらに含む
請求項9に記載の情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−216815(P2010−216815A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60546(P2009−60546)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【特許番号】特許第4376962号(P4376962)
【特許公報発行日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(509073637)キーパー=スミス エル・エル・ピー (3)
【Fターム(参考)】