説明

ナビゲーションシステム

【課題】歩行者を目的地まで案内するナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】来訪者100が電界通信を行う携帯端末2を保持し、位置情報を電界通信により送信する送信装置4の通信電極31を各誘導ポイントに配置する。これにより、来訪者100が誘導ポイントに到着して通信電極31に接触するだけで、現在位置および次に向かうべき誘導ポイントを知ることができる。また、通信電極31の周囲に通信電極32A,32B,32C,32Dを配置し、それらに方向情報を送信する送信装置4を接続する。これにより、来訪者100がどの方向から来たのか、あるいは、どの方向へ向かうのかを特定し、来訪者100の向かう方向を上としたフロア図を携帯端末2に表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者を目的地まで案内するナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの携帯端末に地図を表示して歩行者を目的地まで案内するナビゲーションシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなナビゲーションシステムでは、GPS(Global Positioning System)などを利用して歩行者の現在位置を特定し、目的地までの経路を探索する。
【特許文献1】特開2007−205718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、地下街、建物内などでは、GPS衛星の電波を受信しづらく、歩行者の現在位置を特定する精度が低くなるため、案内ができなくなるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、歩行者の位置を把握して目的地まで案内するナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の本発明に係るナビゲーションシステムは、利用者が保持する携帯端末と携帯端末に位置情報を送信する位置通知装置と携帯端末に方向情報を送信する複数の方向通知装置とを備えたナビゲーションシステムであって、位置通知装置は、誘導ポイントに配置された電界通信用の第1の電極と、第1の電極に利用者が接触したときに、誘導ポイントの位置を示す位置情報に基づく電界を当該利用者に誘起して携帯端末に送信する送信手段と、を有し、方向通知装置は、第1の電極の周囲に配置された電界通信用の第2の電極と、第2の電極に利用者が接触したときに、第2の電極が第1の電極を基準として配置された方向を示す方向情報に基づく電界を当該利用者に誘起して携帯端末に送信する送信手段と、を有し、携帯端末は、表示手段と、地図情報を記憶する記憶手段と、位置通知装置が送信した位置情報および方向通知装置が送信した方向情報を受信する受信手段と、受信した位置情報に基づいて利用者が次に向かうべき誘導ポイントを算出する算出手段と、位置情報および算出した誘導ポイントを含む地図情報を記憶手段から読み出して表示手段に表示させるとともに、方向情報に基づいて地図情報の表示の向きを更新する地図更新手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
本発明にあっては、利用者が誘導ポイントに配置された第1の電極に接触したときに、携帯端末がその誘導ポイントの位置を示す位置情報を受信し、その位置情報と次に向かうべき誘導ポイントに応じた地図情報を表示する。これにより、利用者は、自分の現在位置を把握するとともに、次に向かう誘導ポイントを知ることができる。また、携帯端末が方向情報を受信することにより、利用者が向かっている方向を特定することができる。これにより、利用者は、自分が現在向いている方向を容易に認識し、次の誘導ポイントへ向かうことが可能である。
【0007】
第2の本発明に係るナビゲーションシステムは、利用者が保持する携帯端末と携帯端末に地図情報を送信する地図送信装置と携帯端末に方向情報を送信する方向通知装置とを備えたナビゲーションシステムであって、地図送信装置は、誘導ポイントに配置された電界通信用の第1の電極と、地図情報を記憶する記憶手段と、記憶手段から地図情報を読み出す読出手段と、第1の電極に利用者が接触したときに、読み出した地図情報に基づく電界を当該利用者に誘起して携帯端末に送信する送信手段と、を有し、方向通知装置は、第1の電極の周囲に配置された電界通信用の第2の電極と、第2の電極に利用者が接触したときに、第2の電極が第1の電極を基準として配置された方向を示す方向情報に基づく電界を当該利用者に誘起して携帯端末に送信する送信手段と、を有し、携帯端末は、表示手段と、地図送信装置が送信した地図情報および方向通知装置が送信した方向情報を受信する受信手段と、受信した地図情報を表示手段に表示させるとともに、方向情報に基づいて地図情報の表示の向きを更新する地図更新手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、携帯端末が地図情報を受信することにより、携帯端末に予め地図情報を記憶させておく必要がなくなる。
【0009】
上記ナビゲーションシステムにおいて、携帯端末は、利用者を識別するID情報を格納した記憶手段と、記憶手段からID情報を読み出し、当該ID情報に基づく電界を利用者に誘起して地図送信装置に送信する送信手段と、を有し、地図送信装置は、携帯端末が送信したID情報を受信する受信手段を有し、読出手段は、当該ID情報に応じた地図情報を読み出すことを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、携帯端末がID情報を送信することにより、地図送信装置は、利用者に応じた地図情報を選択して送信することができる。
【0011】
上記ナビゲーションシステムにおいて、第1の電極および第2の電極は、床に配置されていることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、床に第1、第2の電極を配置することにより、利用者が誘導ポイントに到着するだけで、携帯端末が位置情報や地図情報を受信することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、歩行者の位置を把握して目的地まで案内するナビゲーションシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを説明するための説明図である。本実施の形態におけるナビゲーションシステムは、人体などの電界伝達媒体を通信路とした電界通信を行う携帯端末を用いて、施設に訪れた来訪者を目的地まで誘導するものである。
【0015】
建物に訪れた来訪者100は、受付に向かい「施設A」への訪問を申し込む。そして、誘導用の携帯端末2を受け取り、入退出ゲートで認証を行って内部へ入る。このとき、携帯端末2には、現在位置として入退出ゲートが示され、次の目的地として「誘導ポイント1」が示される。
【0016】
誘導ポイントには、来訪者100が向かうべき地点であると認識できるように、例えば床に模様が描かれたり、天井から標識などがぶら下げられている。さらに、誘導ポイントの床には、通信電極31が配置されている。来訪者100が誘導ポイント1に到着すると、来訪者100が通信電極31に接触する。これにより、通信電極31に接続された送信装置(図示せず)から、電界伝達媒体である来訪者100の人体を介して、その誘導ポイントの位置情報が来訪者100の携帯する携帯端末2に送信される。位置情報を受信した携帯端末2は、現在位置および次の目的地を更新する。
【0017】
図2は、携帯端末2の外観を示す図である。携帯端末2は、フロア図などを表示する表示部25を備える。来訪者100は、携帯端末2の表示部25に表示されたフロア図を参照し、携帯端末2が示す誘導ポイントを通過して目的地へ到達する。
【0018】
図3は、誘導ポイントに設置された通信電極の構成を示す平面図である。同図に示すように、誘導ポイントには丸印とその周囲に三角形が描かれており、丸印に対応して通信電極31が配置され、その周囲に4つの通信電極32A,32B,32C,32Dが配置されている。図4に示すように、通信電極31,32A,32B,32C,32Dには送信装置4がそれぞれ接続されている。送信装置4は、来訪者100が立っている誘導ポイントの位置を示す位置情報や来訪者100がどの方向に向かっているのかを示す方向情報を送信する。なお、通信電極31の周囲に配置する通信電極32A,32B,32C,32Dは、4つに限るものではなく、別の並び方で配置するものであってもよい。
【0019】
図5は、通信電極31,32A,32B,32C,32Dのそれぞれに接続される送信装置4の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置4は、送信部41、制御回路42および記憶部43を備えており、送信部41には通信電極31が接続される。なお、他の通信電極32A,32B,32C,32Dにも同様の送信装置4がそれぞれ接続される。
【0020】
送信部41は、送信すべきデータに基づく電界を通信電極31を介して電界伝達媒体に誘起させ、この誘起した電界を用いてデータの送信を行う。つまり、送信部41は、誘導ポイントに配置された通信電極31に接触した来訪者100に対して送信すべきデータに基づく電界を誘起することで、来訪者100が携帯する携帯端末2へデータを送信する。
【0021】
記憶部43には、通信電極31が配置された誘導ポイントの位置を示す位置情報が記憶されており、制御回路42は、所定の時間間隔で記憶部43から位置情報を読み出して送信部41に供給する。
【0022】
また、通信電極31の周囲に配置された他の通信電極32A,32B,32C,32Dに接続される送信装置4それぞれの記憶部43には、接続された通信電極32A,32B,32C,32Dが通信電極31に対してどの方向に配置されているのかを示す方向情報が記憶されている。
【0023】
図6は、来訪者100が携帯する携帯端末2の構成を示すブロック図である。同図に示す携帯端末2は、電極21、電界検出光学部22、信号処理回路23、波形整形回路24、表示部25、位置算出部26および地図記憶部27を備える。携帯端末2は、送信装置4が来訪者100に誘起した電界を検出して位置情報、方向情報を取得し、表示部25に現在位置、次の目的地を含む建物のフロア図を表示する。
【0024】
電界検出光学部22は、電極21が受信した電界を検出して電気信号に変換する。そして、この電気信号は、信号処理回路23で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、更に、波形整形回路24において波形整形されて位置算出部26に供給される。
【0025】
位置算出部26は、送信装置4から受信した位置情報に基づいて現在位置を特定するとともに、予め設定された最終目的地情報に基づいて次の目的地となる誘導ポイントを算出する。そして、地図記憶部27から現在位置、次の誘導ポイントを含む地図情報を読み出して、表示部25に地図情報(例えばフロア図など)と、現在位置、次の目的地を表示させる。
【0026】
また、位置算出部26は、送信装置4から受信した方向情報に基づいて、来訪者100がどの方向に向かっているのかを特定し、表示部25に表示させるフロア図の方向を算出する。来訪者100の向かう方向は、通信電極31,32A,32B,32C,32Dに接触する順番で特定することができる。例えば、通信電極32A,32B,32C,32Dのいずれかに接触した後で通信電極31に接触した場合には、接触した通信電極32A,32B,32C,32Dが配置されている方向から来訪者100が来たことが特定でき、通信電極31に接触した後で、通信電極32A,32B,32C,32Dのいずれかに接触した場合には、接触した通信電極32A,32B,32C,32Dが配置されている方向に来訪者100が向かっていると特定できる。
【0027】
次に、本実施の形態におけるナビゲーションシステムの動作の流れについて説明する。図7は、来訪者100が誘導ポイントに到達したときの動作の流れを示すフローチャートである。
【0028】
誘導ポイントに到達した来訪者100は、まず、誘導ポイントの周囲の通信電極32A,32B,32C,32Dに接触する(ステップ601)。携帯端末2に表示されたフロア図を参照しながら誘導ポイントに到達した来訪者100は、まず、誘導ポイントの周辺部に配置された通信電極32A,32B,32C,32Dに接触する。来訪者100が通信電極32A,32B,32C,32Dに接触すると、携帯端末2と接触した通信電極32A,32B,32C,32Dに接続された送信装置4との間で、来訪者100の人体を電界伝達媒体とする通信路が確立され、通信が可能となる。
【0029】
来訪者100が接触した通信電極32A,32B,32C,32Dに接続された送信装置4が送信する方向情報を来訪者100の携帯する携帯端末2が受信する(ステップ602)。携帯端末2が方向情報を受信することで、来訪者100がどちらの方向から来たのかを特定することができる。
【0030】
続いて、来訪者100が誘導ポイントの中央の通信電極31に接触する(ステップ603)。来訪者100が通信電極31に接触すると、携帯端末2と通信電極31に接続された送信装置4との間で、来訪者100の人体を電界伝達媒体とする通信路が確立され、通信が可能となる。
【0031】
通信電極31に接続された送信装置4が送信する位置情報を来訪者100の携帯する携帯端末2が受信すると、その位置情報に基づいて表示されたフロア図を更新する(ステップ604)。携帯端末2は、送信装置4が送信した位置情報を受信し、来訪者100の現在位置を特定する。そして、次の目的地となる誘導ポイントを算出し、現在位置および次の目的地を含むフロア図を表示する。フロア図は、来訪者100が来た方向を参照して、来訪者100が向かっている方向を上にして表示する。
【0032】
続いて、来訪者100が誘導ポイントの周囲の通信電極32A,32B,32C,32Dに接触する(ステップ605)。次の目的地へ向かう来訪者100は、誘導ポイントの周囲の通信電極32A,32B,32C,32Dに接触し、携帯端末2と接触した通信電極32A,32B,32C,32Dに接続された送信装置4との間で、来訪者100の人体を電界伝達媒体とする通信路が確立され、通信が可能となる。
【0033】
来訪者100が接触した通信電極32A,32B,32C,32Dに接続された送信装置4が送信する方向情報を来訪者100の携帯する携帯端末2が受信する(ステップ606)。携帯端末2は、接触した通信電極32A,32B,32C,32Dに接続された送信装置4が送信する方向情報を受信し、来訪者100が向かう方向を特定する。そして、来訪者100が向かう方向が携帯端末2の表示部25の上方向となるように、表示されたフロア図の向きを更新する。
【0034】
したがって、本実施の形態によれば、来訪者100が電界通信を行う携帯端末2を保持し、位置情報を電界通信により送信する送信装置4の通信電極31を各誘導ポイントに配置することにより、来訪者100が誘導ポイントに到着して通信電極31に接触するだけで、携帯端末2に表示された現在位置および次の誘導ポイントが更新されるので、来訪者100を目的地に誘導することができる。また、通信電極31の周囲に通信電極32A,32B,32C,32Dを配置し、それらに方向情報を送信する送信装置4を接続することにより、来訪者100がどの方向から来たのか、あるいは、どの方向へ向かうのかを特定し、来訪者100の向かう方向を上としたフロア図を携帯端末2に表示することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、図4に示すように、通信電極31,32A,32B,32C,32Dのそれぞれに個別の送信装置4を接続したが、図8に示すように、送信装置4が切替スイッチ44を備え、1つの送信装置4に通信電極31,32A,32B,32C,32Dを接続するものでもよい。この場合、切替スイッチ44を用いて出力先の通信電極31,32A,32B,32C,32Dを切り替え、送信装置4は、切り替えた通信電極31,32A,32B,32C,32Dに応じたデータを送信する。
【0036】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態におけるナビゲーションシステムを説明する。本実施の形態におけるナビゲーションシステムも第1の実施の形態と同様に、携帯端末にフロア図を表示し、各誘導ポイントへ来訪者100を誘導して目的地へ案内するものである。本実施の形態では、携帯端末7が来訪者100を識別するID情報を送信する点、および、来訪者100が誘導ポイントに到着したときに、来訪者100の携帯する携帯端末7に対して送信装置8が地図情報を送信する点で第1の実施の形態と異なっている。以下、本実施の形態におけるナビゲーションシステムで用いる携帯端末7および送信装置8について説明する。
【0037】
図9は、来訪者100が携帯する携帯端末7の構成を示すブロック図である。同図に示す携帯端末7は、電極71、電界検出光学部72、信号処理回路73、波形整形回路74、表示部75、送信部76、制御回路77および記憶部78を備える。来訪者100が携帯する携帯端末7は、来訪者100が誘導ポイントに到達し、誘導ポイントに配置された通信電極31,32A,32B,32C,32Dに接触したときに、後述する送信装置8から地図情報を受信して表示する。
【0038】
記憶部78には、来訪者100を識別するID情報、来訪者100の目的地などが記憶される。制御回路77は、記憶部78からID情報、目的地などのデータを読み出して送信部76に供給する。送信部76は、送信すべきデータに基づいた電界を電極71を介して来訪者100に誘起してデータを送信する。来訪者100を介して送信したデータは、送信装置8で受信される。そして、そのデータに応じた地図情報が送信装置8から返信される。
【0039】
送信装置8は、来訪者100に対して電界を誘起することでデータを送信する。送信装置8が来訪者100に対して誘起した電界は、電極71を介して電界検出光学部72において検出され、電気信号に変換される。この電気信号は、信号処理回路73で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、更に、波形整形回路74において波形整形されて表示部75に供給される。表示部75は、送信装置8から受信した地図情報を表示する。来訪者100は、表示部75に表示された地図情報を参照することで、次に向かうべき誘導ポイントを知ることができる。
【0040】
図10は、誘導ポイントに配置された通信電極31に接続される送信装置8の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置8は、電界検出光学部82、信号処理回路83、波形整形回路84、送信部85、地図読出部86および地図記憶部87を備える。本送信装置8は、来訪者100の携帯する携帯端末7が送信するID情報、目的地などのデータを受信したときに、その受信したデータに応じた地図情報を携帯端末7に送信するものである。
【0041】
携帯端末7が来訪者100に対して誘起した電界は、通信電極31を介して電界検出光学部82において検出され、電気信号に変換される。この電気信号は、信号処理回路83で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、更に、波形整形回路84において波形整形されて地図読出部86に供給される。
【0042】
地図読出部86は、受信したID情報、目的地に応じた地図情報を地図記憶部87から読み出し、送信部85へ供給する。読み出した地図情報には、現在位置および次に向かうべき誘導ポイントをマーキングしておく。次に向かうべき誘導ポイントは、受信した目的地の情報により算出する。送信装置8がID情報を受信することにより、例えば、来訪者100が部外者の場合は、立ち入り禁止箇所の詳細が表示されない地図情報を送信するなど、来訪者100に応じて送信する地図情報を選択することができる。
【0043】
送信部85は、読み出した地図情報に基づいた電界を通信電極31を介して来訪者100に誘起して地図情報を送信する。
【0044】
次に、本実施の形態におけるナビゲーションシステムが地図情報を更新する動作の流れについて説明する。図11は、来訪者100が誘導ポイントの中央に到着したときの動作の流れを示すフローチャートである。
【0045】
誘導ポイントに到着した来訪者100は、誘導ポイントの中央に設置された通信電極31に接触する(ステップ901)。来訪者100が通信電極31に接触すると、携帯端末7と通信電極31に接続された送信装置8との間で、来訪者100の人体を電界伝達媒体とする通信路が確立され、通信が可能となる。
【0046】
来訪者100が携帯する携帯端末7が送信した情報を送信装置8が受信する(ステップ902)。携帯端末7が来訪者100に対して電界を誘起することにより送信したID情報、目的地などの情報は、通信電極31を介して送信装置8が受信する。
【0047】
来訪者100のID情報などを受信した送信装置8は、受信した情報に基づいて地図情報を読み出して送信する(ステップ903)。送信装置8は、受信したID情報、目的地などの情報に応じた地図情報を地図記憶部87から読み出し、通信電極31を介して携帯端末7に対して送信する。
【0048】
携帯端末7は、地図情報を受信し、表示部75において表示する(ステップ904)。携帯端末7は、来訪者100に誘起された電界を検出して地図情報を受信し、その地図情報(フロア図)を表示部75において表示する。地図情報を表示する際には、通信電極31の周囲に配置された通信電極32A,32B,32C,32Dから受信した方向情報を参照し、来訪者100の進行方向が上となるようにする。
【0049】
したがって、本実施の形態によれば、携帯端末7が送信装置8から地図情報を受信することにより、携帯端末7に予め地図情報を記憶させておく必要がない。また、携帯端末7が来訪者100を識別するID情報を送信することにより、来訪者100に応じた地図情報を選択して送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムの概略を示す説明図である。
【図2】第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムで利用する携帯端末の外観を示す概略図である。
【図3】図1の誘導ポイントに配置された通信電極の構成を示す平面図である。
【図4】図3の通信電極のそれぞれに送信装置が接続される様子を示す概略図である。
【図5】図3の通信電極に接続される送信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムで利用する携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図7】第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】図3の通信電極が1つの送信装置に接続される別の様子を示す概略図である。
【図9】第2の実施の形態におけるナビゲーションシステムで利用する携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態におけるナビゲーションシステムで利用する送信装置の構成を示すブロック図である。
【図11】第2の実施の形態におけるナビゲーションシステムの動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0051】
2…携帯端末
21…電極
22…電界検出光学部
23…信号処理回路
24…波形整形回路
25…表示部
26…位置算出部
27…地図記憶部
31,32A,32B,32C,32D…通信電極
4…送信装置
41…送信部
42…制御回路
43…記憶部
44…切替スイッチ
7…携帯端末
71…電極
72…電界検出光学部
73…信号処理回路
74…波形整形回路
75…表示部
76…送信部
77…制御回路
78…記憶部
8…送信装置
82…電界検出光学部
83…信号処理回路
84…波形整形回路
85…送信部
86…地図読出部
87…地図記憶部
100…来訪者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が保持する携帯端末と前記携帯端末に位置情報を送信する位置通知装置と前記携帯端末に方向情報を送信する複数の方向通知装置とを備えたナビゲーションシステムであって、
前記位置通知装置は、
誘導ポイントに配置された電界通信用の第1の電極と、
前記第1の電極に前記利用者が接触したときに、前記誘導ポイントの位置を示す位置情報に基づく電界を当該利用者に誘起して前記携帯端末に送信する送信手段と、を有し、
前記方向通知装置は、
前記第1の電極の周囲に配置された電界通信用の第2の電極と、
前記第2の電極に前記利用者が接触したときに、前記第2の電極が前記第1の電極を基準として配置された方向を示す方向情報に基づく電界を当該利用者に誘起して前記携帯端末に送信する送信手段と、を有し、
前記携帯端末は、
表示手段と、
地図情報を記憶する記憶手段と、
前記位置通知装置が送信した前記位置情報および前記方向通知装置が送信した前記方向情報を受信する受信手段と、
受信した前記位置情報に基づいて前記利用者が次に向かうべき誘導ポイントを算出する算出手段と、
前記位置情報および算出した前記誘導ポイントを含む前記地図情報を前記記憶手段から読み出して前記表示手段に表示させるとともに、前記方向情報に基づいて前記地図情報の表示の向きを更新する地図更新手段と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
利用者が保持する携帯端末と前記携帯端末に地図情報を送信する地図送信装置と前記携帯端末に方向情報を送信する複数の方向通知装置とを備えたナビゲーションシステムであって、
前記地図送信装置は、
誘導ポイントに配置された電界通信用の第1の電極と、
地図情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記地図情報を読み出す読出手段と、
前記第1の電極に前記利用者が接触したときに、読み出した前記地図情報に基づく電界を当該利用者に誘起して前記携帯端末に送信する送信手段と、を有し、
前記方向通知装置は、
前記第1の電極の周囲に配置された電界通信用の第2の電極と、
前記第2の電極に前記利用者が接触したときに、前記第2の電極が前記第1の電極を基準として配置された方向を示す方向情報に基づく電界を当該利用者に誘起して前記携帯端末に送信する送信手段と、を有し、
前記携帯端末は、
表示手段と、
前記地図送信装置が送信した前記地図情報および前記方向通知装置が送信した前記方向情報を受信する受信手段と、
受信した前記地図情報を前記表示手段に表示させるとともに、前記方向情報に基づいて前記地図情報の表示の向きを更新する地図更新手段と、
を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記携帯端末は、
前記利用者を識別するID情報を格納した記憶手段と、
前記記憶手段から前記ID情報を読み出し、当該ID情報に基づく電界を前記利用者に誘起して前記地図送信装置に送信する送信手段と、を有し、
前記地図送信装置は、
前記携帯端末が送信した前記ID情報を受信する受信手段を有し、
前記読出手段は、当該ID情報に応じた前記地図情報を読み出すこと
を特徴とする請求項2記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記第1の電極および第2の電極は、床に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−222419(P2009−222419A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64485(P2008−64485)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】