ナビゲーション装置、サーバ装置、交通情報システムおよび交通情報提示方法
【課題】 従来、交通情報システムにおいて、分岐点に接続するリンクの旅行時間を特定して提供する交通情報システムがある。しかし、そのような交通情報システムでは、複数の車線がある道路において、いずれかの車線が渋滞している場合に、その渋滞の列に並ぶ必要があるか否かを判断するための情報を示すことはできない。本発明の目的は、進行方向前方の渋滞に並ぶ必要の有無に関する情報を提示する技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明の交通情報システムでは、交通情報提供装置は分岐手前の道路の一部の区間の車両の渋滞度をナビゲーション装置に提供し、ナビゲーション装置は渋滞している道路を表示する際に、その区間の渋滞度が低ければ渋滞でない旨を表示するよう補正する。
【解決手段】
本発明の交通情報システムでは、交通情報提供装置は分岐手前の道路の一部の区間の車両の渋滞度をナビゲーション装置に提供し、ナビゲーション装置は渋滞している道路を表示する際に、その区間の渋滞度が低ければ渋滞でない旨を表示するよう補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通情報を提示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、交通情報システムにおいて、分岐点に接続するリンクの旅行時間を特定する際に、平均旅行時間を算出し、リンク旅行時間に基づいて渋滞か否かを表示していた。
【0003】
特許文献1には、このような交通情報システムについての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−283480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような交通情報システムでは、ナビゲーション装置は、複数の車線がある道路において、いずれかの車線が渋滞している場合に、その渋滞の列に並ぶ必要があるか否かを判断するための情報を示すことはできない。例えば、渋滞の原因が、路側にある人気施設の入場待ちの列であれば、並ぶ必要がない。従来の技術では、並ぶ必要がないことを運転者に示すことができない。
【0006】
本発明の目的は、交通情報システムにおいて、進行方向前方の渋滞に並ぶ必要があるか否かに関する情報を提示するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明のナビゲーション装置は、交通情報を用いて渋滞情報を表示するナビゲーション装置であって、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信手段と、前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定手段と、前記渋滞度判定手段により分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の交通情報を提示するサーバ装置は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信手段、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の交通情報提示システムは、交通情報を提示する交通情報システムであって、交通情報を提示するサーバ装置と、交通情報を用いて渋滞情報を報知するナビゲーション装置と、を備え、前記サーバ装置は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信手段を備え、前記ナビゲーション装置は、前記交通情報と、前記車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信手段と、前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定手段と、前記渋滞度判定手段により分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の交通情報提示方法は、交通情報を提供するサーバ装置は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信ステップを実施し、前記ナビゲーション装置は、前記交通情報と、前記車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信ステップと、前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定ステップと、前記渋滞度判定ステップにより分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知ステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
交通情報システムにおいて、進行方向前方の渋滞に並ぶ必要があるか否かに関する情報を提示するための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施形態が適用された交通情報提供システムの概略構成図である。
【図2】図2は、収集情報テーブルの構成例を示す図である。
【図3】図3は、統計交通情報テーブルの構成例を示す図である。
【図4】図4は、コストテーブルの構成例を示す図である。
【図5】図5は、車両密度情報テーブルの構成例を示す図である。
【図6】図6は、交通情報提供装置のハードウェア構成を示す図である。
【図7】図7は、ナビゲーション装置のハードウェア構成図である。
【図8】図8は、演算処理部の機能構成を示す図である。
【図9】図9は、リンクテーブルの構成例を示す図である。
【図10】図10は、走行情報収集処理のフロー図である。
【図11】図11は、統計交通情報提供処理のフロー図である。
【図12】図12は、統計交通情報提供処理の具体的なデータの例を示す図である。
【図13】図13は、渋滞情報出力処理のフロー図である。
【図14】図14は、表示補正処理のフロー図である。
【図15】図15は、渋滞情報出力処理の処理結果画面を模式的に示す図である。
【図16】図16は、具体的な実施例を示す図である。
【図17】図17は、具体的な実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態を適用した交通情報提供システム1000について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、交通情報提供システム1000は、交通情報提供装置110と、ネットワーク150を介して交通情報提供装置110と通信を行うことができるナビゲーション装置100と、道路に関する情報を測定してネットワーク150を介して交通情報提供装置110に送信することのできる路側機160と、を有する。
【0015】
交通情報提供システム1000は、ナビゲーション装置100を複数有するものであっても良いし、交通情報提供装置110を複数有するものであっても良い。また、交通情報提供システム1000は、路側機160を複数有するものであってもよい。
【0016】
交通情報提供装置110は、記憶部120と、制御部130と、送受信部140と、を備える。
【0017】
記憶部120は、収集情報テーブル300を格納する収集情報記憶領域121と、統計交通情報テーブル400とコストテーブル500とを格納する統計交通情報記憶領域122と、車両密度情報テーブル600を格納する交通状況情報記憶領域123と、を備える。
【0018】
図2に、収集情報テーブル300の構成例を示す。
【0019】
収集情報テーブル300は、ナビゲーション装置100から収集したナビゲーション装置100が搭載された車両の位置に関する情報を記憶するテーブルであり、交通情報提供装置110によって随時更新される。
【0020】
収集情報テーブル300は、レコードごとに、収集元識別子301と、時刻302と、座標303と、の情報を含む。
【0021】
収集元識別子301は、車両の位置に関する情報の提供を行ったナビゲーション装置100の識別子である。例えば、「X車」、「Y車」、等、ナビゲーション装置100が搭載された車両の識別子等である。
【0022】
時刻302は、車両の位置に関する情報の提供を行ったナビゲーション装置100が車両の位置を測定した時刻である。例えば、「2008/01/01 00:01:01」であれば、2008年1月1日午前0時1分1秒に位置を測定したことを示す。
【0023】
座標303は、車両の位置を示す座標である。例えば、「北緯NNN度NNN分NNN秒、東経EEE度EEE分EEE秒」等の緯度経度に関する座標の情報である。
【0024】
図3に、収集した交通情報を元に算出した統計交通情報を記憶するテーブルである統計交通情報テーブル400の構成例を示す。
【0025】
統計交通情報テーブル400は、統計交通情報提供処理において更新される。
【0026】
統計交通情報テーブル400は、レコードごとに、リンク識別子401と、リンク旅行時間402と、の情報を含む。
【0027】
ここで、リンクとは、道路を示す情報である。リンクは、地図上の所定の地点(ノードと呼ぶ)のうち2箇所を接続することで構成される。すなわち、地図上の所定の地点である開始ノードと、終了ノードを結ぶ仮想的な線を道路に見立てたものである。
【0028】
リンク識別子401は、リンクを識別する識別子である。
【0029】
リンク旅行時間402は、あるリンクの開始ノードから終了ノードまでを通行するのにかかる旅行時間(秒)である。例えば、リンク「a」の開始ノードから終了ノードまでを通行するのにかかる時間に関する情報である。
【0030】
図4に、コストテーブル500の構成例を示す。
【0031】
コストテーブル500は、統計交通情報を補完するためのコストを記憶するテーブルであり、統計交通情報提供処理により更新される。
【0032】
コストテーブル500は、進入リンク識別子501と、脱出リンク識別子502と、進入リンクへの追加コスト503と、の情報を含む。
【0033】
進入リンク識別子501は、分岐ノードに接続するリンクを識別する識別子である。例えば、分岐ノードを終了ノードとするリンクのリンク識別子等である。
【0034】
脱出リンク識別子502は、分岐ノードを開始ノードとするリンクのリンク識別子である。
【0035】
進入リンクへの追加コスト503は、進入リンク識別子501により識別されるリンクを通り、脱出リンク識別子502により識別されるリンクを通る経路を走行する場合に、進入リンクに加算する必要がある旅行時間である。例えば、リンク「a」からある分岐ノードに進入し、リンク「b」を通って脱出した場合、進入リンクであるリンク「a」に追加する旅行時間(例えば「8秒」)を示す。
【0036】
図5に、車両密度情報テーブル600の構成例を示す。
【0037】
車両密度情報テーブル600は、路側機160により取得した所定区間に存在する車両台数の密度(台/100m)を記憶するテーブルであり、統計交通情報提供処理により更新される。
【0038】
車両密度情報テーブル600は、リンク識別子601と、車両密度602と、の情報を含む。
【0039】
リンク識別子601は、リンクを識別する識別子である。
【0040】
車両密度602は、リンクの所定区間(例えばリンクの終了ノードから100メートル手前の区間等)において、測定時に左側車線に存在する車両の台数を、100メートル当たりの台数に換算した値である。
【0041】
図1の説明に戻る。
【0042】
制御部130は、走行情報受信部131と、統計交通情報算出部132と、統計交通情報配信部133と、を有する。
【0043】
走行情報受信部131は、ナビゲーション装置100から送信される位置情報等を受信する。そして、走行情報受信部131は、受信した情報を収集情報テーブル300に記憶する。
【0044】
例えば、走行情報受信部131は、ナビゲーション装置100からネットワーク150を介して送信された収集元識別子と、時刻と、座標と、の情報について、ネットワーク150を介して受信すると、収集情報テーブル300に記憶する。
【0045】
統計交通情報算出部132は、収集情報テーブル300に記憶された情報に基いて、終了リンクが分岐ノードであるリンクのリンク旅行時間を算出し、統計交通情報テーブル400に記憶する。また、分岐ノードから脱出するリンクごとに、進入リンクへの追加コストを算出し、コストテーブル500に記憶する。また、路側機160によって測定した所定の区間の距離と車両台数の情報とから車両の密度(例えば100mあたりの台数)を算出し、車両密度情報テーブル600に記憶する。
【0046】
統計交通情報配信部133は、所定のタイミングで、統計交通情報テーブル400と、コストテーブル500と、車両密度情報テーブル600と、に記憶された情報をナビゲーション装置100にネットワーク150を介して配信する。
【0047】
送受信部140は、ネットワーク150に接続し、他の接続された機器に対して情報を送信し、他の接続された機器から情報を受信する。
【0048】
次に、図6に、交通情報提供装置110のハードウェア構成例を示す。
【0049】
交通情報提供装置110は、ネットワーク150を介して、ナビゲーション装置100と通信を行うことができる。
【0050】
交通情報提供装置110は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)や、ワークステーション、サーバ装置、各種携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などの計算機である。
【0051】
交通情報提供装置110は、入力装置111と、出力装置112と、通信装置113と、演算装置114と、主記憶装置115と、外部記憶装置116と、それぞれの装置を互いに接続するバス117と、を有する。
【0052】
入力装置111は、例えばキーボードやマウス、あるいはタッチペン、その他ポインティングデバイスなどの入力を受け付ける装置である。
【0053】
出力装置112は、例えばディスプレイなどの、表示を行う装置である
通信装置113は、ネットワーク150などのネットワークを介して他の装置と通信を行う装置である。
【0054】
演算装置114は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0055】
主記憶装置115は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0056】
外部記憶装置116は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0057】
ここで、ネットワーク150は、携帯電話ネットワークなどの無線通信網であるが、インターネットや公衆用の無線LANなどの公衆網であってもよいし、その他通信を行うことが可能なネットワークであればよい。
【0058】
交通情報提供装置110の走行情報受信部131と、統計交通情報算出部132と、統計交通情報配信部133とは、交通情報提供装置110の演算装置114に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0059】
このプログラムは、主記憶装置115または外部記憶装置116内に記憶され、実行にあたって主記憶装置115上にロードされ、演算装置114により実行される。
【0060】
また、交通情報提供装置110の記憶部120は、交通情報提供装置110の主記憶装置115または外部記憶装置116により実現される。
【0061】
交通情報提供装置110の送受信部140は、交通情報提供装置110の通信装置113によって実現される。
【0062】
図7に、ナビゲーション装置100のハードウェア構成図を示す。
【0063】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、通信装置12と、を備えている。
【0064】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0065】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0066】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0067】
図8は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0068】
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、走行情報送信部102と、統計交通情報受信部103と、統計交通情報更新部104と、渋滞情報出力部105と、入力受付部106と、出力処理部107と、を有する。
【0069】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、マップマッチングを行った結果得られた信頼度とを対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。
【0070】
走行情報送信部102は、主制御部101が記憶装置3に記憶した位置情報をネットワーク150を介して交通情報提供装置110に送信する。例えば、ナビゲーション装置100が搭載された車両の識別子と、時刻と、座標と、を送信する。
【0071】
統計交通情報受信部103は、ネットワーク150を介して統計交通情報、交通状況情報等を受信する。
【0072】
統計交通情報更新部104は、統計交通情報受信部103が受信した統計交通情報に基づき、記憶装置3に記憶する統計交通情報を更新する。
【0073】
渋滞情報出力部105は、統計交通情報受信部104により更新された統計交通情報と交通状況情報とを用いて、経路上の渋滞に関する情報を表示させるための情報を作成し、出力処理部107を介してディスプレイ2に表示させる。
【0074】
入力受付部106は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部107に要求する。また、現在地(出発地)から目的地までの経路を探索する処理を主制御部101に要求する。
【0075】
出力処理部107は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0076】
なお、上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、走行情報送信部102、統計交通情報受信部103、統計交通情報更新部104、渋滞情報出力部105、入力受付部106、出力処理部107は、CPU21がRAM22やROM23にロードしたプログラムを実行することにより達成される。
【0077】
図7の説明に戻る。
【0078】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0079】
記憶装置3は、HDDや不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0080】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200が記憶されている。
【0081】
図9は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0082】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、リンクの開始ノードに接続される開始接続リンクと、終了ノードに接続される終了接続リンクと、を示す開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の通称(例えば、「環八通り」等)を示す通称227、などを含んでいる。
【0083】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0084】
図7に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0085】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0086】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0087】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0088】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0089】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0090】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。
【0091】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0092】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0093】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0094】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0095】
ビーコン受信装置11は、VICS(登録商標、Vehicle Information and Communication System)情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0096】
通信装置12は、携帯電話網などのネットワーク150に接続し、通信を行う装置である。なお、通信装置12は、ネットワーク150に接続することのできる外部装置(例えばナビゲーション装置100の外部に存在する携帯電話機)との接続を担う装置であってもよい。
【0097】
図1の説明に戻る。
【0098】
路側機160は、設置された道路について、少なくとも、所定の区間(例えばリンクの終了ノードから100メートル手前までの区間)について、左側車線に存在する車両の台数を、撮像した映像や、車両との信号の送受信により測定するとともに、測定した情報と、測定した区間の距離とを、ネットワーク150を介して交通情報提供装置110に送信する機能を備えた装置である。
【0099】
または、路側機160は、設置された道路を車両が走行する速度を測定し、速度に応じて車両の渋滞度を算出して交通情報提供装置110に送信するものであってもよい。
【0100】
なお、路側機160が測定する対象となる所定の区間は、リンク単位で提供される交通情報よりも細かな情報を取得するために、リンクよりも短い区間、すなわちリンクのうち限定された一部分である。
【0101】
次に、交通情報提供装置110の動作について説明する。
【0102】
図10は、交通情報提供装置110の走行情報収集処理の処理フローを示す図である。
【0103】
走行情報収集処理は、交通情報提供装置110における処理であり、ナビゲーション装置100から送信される走行に関する情報を受信して記憶する処理である。
【0104】
走行情報収集処理は、交通情報提供装置110の図示しない電源部に電源が投入されることで処理が開始される。
【0105】
まず、走行情報受信部131は、ナビゲーション装置100からネットワーク150を介して送信された走行情報を受信する(ステップS101)。
【0106】
具体的には、走行情報受信部131は、ネットワーク150から送信される情報を監視して、走行情報に関する情報を有する通信パケット等の情報を発見次第受信し、組み立てて走行情報とする。
【0107】
なお、走行情報は、車両識別子、時刻および位置の情報を含む情報である。
【0108】
次に、走行情報受信部131は、ステップS101で受信した走行情報を収集情報記憶領域121に記憶する(ステップS102)。
【0109】
具体的には、走行情報受信部131は、ステップS101で受信した走行情報を収集情報記憶領域121の収集情報テーブル300の収集元識別子301と、時刻302と、座標303として記憶する。
【0110】
そして、走行方法受信部131は、ステップS101に処理を戻し、次に送信される走行情報に対してステップS101以降の処理を実施する。
【0111】
以上が、走行情報収集処理の処理フローである。
【0112】
図11は、交通情報提供装置110の統計交通情報提供処理の処理フローを示す図である。
【0113】
統計交通情報提供処理は、交通情報提供装置110において収集した走行情報に関する情報を統計処理して統計交通情報を算出し、算出した統計交通情報をナビゲーション装置100に配信する処理である。
【0114】
統計交通情報提供処理は、所定の時刻あるいは所定の時間間隔にしたがって処理が開始される。あるいは、開始要求を受け付けた場合に処理が開始されるものであってもよい。
【0115】
まず、統計交通情報算出部132は、収集情報記憶領域121の情報を読み出し、収集元識別子301ごとに、座標303の情報に基づいて各リンクへの進入時刻と脱出時刻を求め、その差分からそのリンクの旅行時間を算出する(ステップS111)。
【0116】
具体的には、統計交通情報算出部132は、収集情報テーブル300の収集元識別子301の順にそのレコードをソートする。
【0117】
そして、統計交通情報算出部132は、収集元識別子301が同一であるレコードを時刻302の順に並べ、座標303の情報を時刻の順に読み出す。
【0118】
そして、統計交通情報算出部132は、読み出した座標を地図データと突合せ、リンクの開始ノードを通過したと予測される時刻を特定する。
【0119】
同様に、統計交通情報算出部132は、リンクの終了ノードを通過したと予測される時刻を特定する。
【0120】
統計交通情報算出部132は、リンクの終了ノードを通過したと予測される時刻からリンクの開始ノードを通過したと予測される時刻を差し引くことで、リンクの開始ノードを通過してからリンクの終了ノードを通過するまでにかかった時間を旅行時間として収集元識別子ごとに算出する。
【0121】
このように、統計交通情報算出部132は、収集元識別子302の各々について、リンク別の旅行時間を算出する。
【0122】
次に、統計交通情報算出部132は、脱出リンクが複数ある進入リンクについては脱出リンク別に進入リンクの相加平均旅行時間を求める(ステップS112)。
【0123】
ここで、ある同一のノードを開始ノードとするリンクが2本以上存在する場合に、その同一のノードを分岐ノードというものとする。また、そのリンクを脱出リンクといい、分岐ノードを終了ノードとするリンクを進入リンクというものとする。
【0124】
例えば、統計交通情報算出部132は、同一のリンクについて、異なる収集元識別子で識別される収集元の旅行時間を相加平均することにより、相加平均旅行時間を算出する。この際、リンクが分岐する分岐ノードに接続されたリンクについては、分岐先のリンクが同一である収集元ごとに相加平均旅行時間を求める。
【0125】
例えば、終了ノードにおいてリンクbとリンクcとに分岐するaというリンクがあるとする。この場合、統計交通情報算出部132は、進入リンクであるリンクaの通過後に脱出リンクであるリンクbを走行した収集元についての相加平均旅行時間と、進入リンクであるリンクaの通過後に脱出リンクであるリンクcを走行した収集元についての相加平均旅行時間と、を進入リンクaの相加平均旅行時間として求める。
【0126】
次に、統計交通情報算出部132は、ステップS112にて脱出リンク別に求めた進入リンクの相加平均旅行時間について、脱出リンク別に求めた進入リンクの相加平均旅行時間を比較し、そのうちの最小値を進入リンクの相加平均旅行時間として特定し統計交通情報テーブル400に記憶する(ステップS113)。
【0127】
具体的には、統計交通情報算出部132は、脱出リンクbを走行した収集元の相加平均旅行時間と、脱出リンクcを走行した収集元の相加平均旅行時間と、のうち最小値を進入リンクaのリンク旅行時間として統計交通情報テーブル400に記憶する。
【0128】
次に、統計交通情報算出部132は、脱出リンク別に、進入リンクへの追加するコストを算出して、コストテーブル500に記憶する(ステップS114)。
【0129】
具体的には、統計交通情報算出部132は、進入リンクのリンクIDをコストテーブル500の進入リンク識別子501として、また脱出リンクのリンクIDを脱出リンク識別子502として、設定する。そして、統計交通情報算出部132は、ステップS112にて算出した進入リンクの相加平均旅行時間からステップS113にて算出した進入リンクのリンク旅行時間を差し引いた差分の時間を、進入リンクへの追加コスト503として設定する。
【0130】
次に、統計交通情報配信部133は、路側機160から、各リンクの所定区間の左側車線の車両の台数に関する情報を取得し、車両の密度を算出する(ステップS115)。
【0131】
具体的には、統計交通情報配信部133は、道路に備え付けられた路側機160から、各リンクの所定の区間についての左側車線に存在する車両の台数の情報(例えば、あるリンクの終了ノードから100m手前までの区間の左側車線に存在する車両の台数に基づく情報)と測定した区間の距離とを取得する。そして、取得した車両の台数の情報と、測定した区間の距離とから、車両の密度(例えば100mあたりの車両台数)を算出し車両密度情報テーブル600に記憶させる。
【0132】
次に、統計交通情報配信部133は、すべてのナビゲーション装置100に対して、統計交通情報テーブル400の情報と、コストテーブル500の情報と、各リンクの所定の区間についての左側車線の車両の密度の情報と、を送信する(ステップS116)。
【0133】
具体的には、統計交通情報配信部133は、収集情報テーブル300の収集元識別子301に車両の識別子が含まれる車両に取り付けられたナビゲーション装置100に対して、統計交通情報テーブル400の情報と、コストテーブル500の情報と、車両密度テーブル600の車両の密度に関する情報と、を送信する。
【0134】
以上が、統計交通情報提供処理の処理フローである。
【0135】
図12に、上記の統計交通情報提供処理により変化する具体的なデータの例を説明する。
【0136】
図12(a)に示すように、移動体である車両1100は、道路リンクaを示すリンク1101を走行し、分岐ノード1102にてリンクbである脱出リンク1103を走行するという経路と、道路リンクaを示すリンク1101を走行し、分岐ノード1102にてリンクcである脱出リンク1104を走行する経路と、の二つの経路が存在する場合を例に説明する。
【0137】
ここで、道路リンクaである道路リンク1101を走行し、分岐ノード1102にて道路リンクbである脱出リンク1103を走行するという経路を通行した移動体による道路リンクaの通行時間の平均値をa1とし、道路リンクbの通行時間の平均値をb1とする。
【0138】
また、道路リンクaであるリンク1101を走行し、分岐ノード1102にて道路リンクcである脱出リンク1104を走行するという経路を通行した移動体による道路リンクaの通行時間の平均値をa2とし、道路リンクcの通行時間の平均値をc1とする。
【0139】
統計交通情報提供処理のステップS112の処理の結果、図12(b)の平均通行時間図1110の上段に示すように、道路リンクaおよび道路リンクbを走行するという経路を通行した移動体は、a1が15秒、b1が10秒であったとする。
【0140】
同様に、平均通行時間図1110の下段に示すように、道路リンクaおよび道路リンクbを走行するという経路を通行した移動体は、a2が7秒、c1が8秒であったとする。
【0141】
このような場合、統計交通情報提供処理のステップS113の処理の結果、統計交通情報テーブル400のリンク識別子aに対応する旅行時間の値はa1とa2の最小値を取った結果である7秒となり、リンク識別子bに対応する旅行時間の値はb1である10秒となり、リンク識別子cに対応する旅行時間の値はc1である8秒となる。
【0142】
また、統計交通情報提供処理のステップS114の処理の結果、コストテーブル500のリンク進入リンク識別子がaであり脱出リンク識別子がbである場合に対応する進入リンクaへの追加コストは、a1である15秒から統計交通情報テーブル400のaの値である7秒を差し引いた8秒となる。
【0143】
同様に、コストテーブル500のリンク進入リンク識別子がaであり脱出リンク識別子がcである場合に対応する進入リンクaへの追加コストは、a2である7秒から統計交通情報テーブル400のaの値である7秒を差し引いた0秒となる。
【0144】
以上が、統計交通情報提供処理により変化する具体的なデータの例である。
【0145】
次に、上記構成のナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0146】
図13は、ナビゲーション装置100の渋滞情報出力処理の処理フローを示す図である。
【0147】
渋滞情報出力処理は、受信した統計交通情報を用いて、誘導する経路の渋滞状況を表示する処理である。
【0148】
渋滞情報出力処理は、所定の時間間隔で処理が開始される。または、経路探索を行った後に続けて処理が開始される。または、主制御部101が開始要求を受け付けた場合に処理が開始される。
【0149】
まず、統計交通情報受信部103は、ネットワーク150を介して、交通情報提供装置110から送信された統計交通情報を受信する(ステップS121)。
【0150】
具体的には、統計交通情報受信部103は、ネットワーク150から受信するデータを監視し、統計交通情報が含まれる通信パケットを受信し、組み立てて、統計交通情報テーブル400の情報と、コストテーブル500の情報と、車両密度情報テーブル600の情報と、を受信する。
【0151】
次に、統計交通情報更新部104は、ステップS121で受信した統計交通情報を記憶装置3に記憶する(ステップS122)。
【0152】
次に、渋滞情報出力部105は、設定されている目的地に到る経路の出発地点から延びるリンクを進入リンクとして選択する(ステップS123)。
【0153】
例えば、渋滞情報出力部105は、設定されている目的地に到る経路を構成するリンクのうち、出発地となっている地点が含まれるリンクを進入リンクとして設定する(ステップS123)。
【0154】
次に、渋滞情報出力部105は、設定された進入リンクが経路の最後のリンクであるか否かを判定する(ステップS124)。
【0155】
具体的には、渋滞情報出力部105は、ステップS123にて設定された進入リンクが目的地の属するリンクである場合には、最後のリンクであると判定し、目的地の属するリンクでない場合には、最後のリンクではないと判定する。
【0156】
ステップS124の判定の結果、ステップS123にて設定された進入リンクが経路の最後である場合(ステップS124において「Yes」)、渋滞情報出力部105は、渋滞情報出力処理を終了する。
【0157】
ステップS123にて設定された進入リンクが経路の最後ではない場合(ステップS124において「No」)、渋滞情報出力部105は、経路の進入リンクに続くリンクを脱出リンクとして選択する(ステップS125)。
【0158】
具体的には、渋滞情報出力部105は、経路を探索して、進入リンクの次に通過するリンクを特定して、そのリンクを脱出リンクに設定する。
【0159】
次に、渋滞情報出力部105は、進入リンクと脱出リンクとの組み合わせに応じて、進入リンクへ追加する追加コストを特定する(ステップS126)。
【0160】
具体的には、渋滞情報出力部105は、記憶装置3に記憶されたコストテーブル500のレコードを読み出し、進入リンク501が進入リンクとして設定されたリンクと一致し、脱出リンク識別子502が脱出リンクとして設定されたリンクと一致するレコードを特定し、進入リンクへの追加コスト503の情報を特定する。
【0161】
次に、渋滞情報出力部105は、統計交通情報テーブル400を検索して、進入リンクとして設定されているリンクのリンク旅行時間402を取得する。そして、取得したリンク旅行時間に、ステップS126にて特定した追加コストを追加した値をリンク旅行時間として算出する(ステップS127)。
【0162】
次に、渋滞情報出力部105は、ステップS127にて算出した進入リンクの旅行時間は所定の閾値(例えば、リンクテーブル200のリンク旅行時間225の2倍の値)を超過しているか否かを判定する(ステップS128)。
【0163】
進入リンクの旅行時間が所定の閾値を超過していない場合(ステップS128で「No」)、渋滞情報出力部105は、後述するステップS130を処理する。
【0164】
進入リンクの旅行時間が所定の閾値を超過する場合(ステップS128で「Yes」)、渋滞情報出力部105は、後述する表示補正処理により、進入リンクとして設定されているリンクを渋滞表示する(ステップS129)。
【0165】
具体的には、渋滞情報出力部105は、表示補正処理を実施して、表示補正処理の結果、渋滞表示すべきであれば進入リンクとして設定されているリンクを強調して表示する(例えば、赤色等に着色する)よう出力処理部107に指示する。
【0166】
次に、渋滞情報出力部105は、経路に設定された次のリンクを進入リンクとして選択し、ステップS124に処理を戻す(ステップS130)。
【0167】
具体的には、渋滞情報出力部105は、経路情報上、進入リンクとして設定されているリンクの次に通過するリンクを特定し、特定したリンクを進入リンクに設定してステップS124に処理を戻す。
【0168】
以上が、渋滞情報出力処理の処理フローである。
【0169】
次に、渋滞情報出力処理のステップS129において実施される表示補正処理について説明する。
【0170】
図14は、表示補正処理の処理フローを示す図である。
【0171】
まず、渋滞情報出力部105は、ナビゲーション装置100を搭載した車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによって、ステップS125にて推奨経路に応じて特定された脱出リンクへ到達するか否かを判定する(ステップS201)。
【0172】
例えば、渋滞情報出力部105は、進入リンクの終了ノードを開始ノードとするリンクのうち、最も左側にあるリンクが脱出リンクである場合等に、ナビゲーション装置100を搭載した車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによって脱出リンクへ到達すると判定する。
【0173】
なお、ステップS201では、車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによって脱出リンクへ到達するか否かを判定することとしているため、交差点の形状とは無関係である。例えば、交差点を左折して脱出リンクへ到達する場合、交差点を直進して脱出リンクへ到達する場合、または左折道路がなく右方向へカーブする交差点を道なりに直進する場合等の交差点の形状と関係なく判定する。
【0174】
車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによっては脱出リンクへ到達しない場合には(ステップS201にて「No」)、渋滞情報出力部105は、後述するステップS203を実施する。
【0175】
車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによって脱出リンクへ到達する場合には(ステップS201にて「Yes」)、渋滞情報出力部105は、ステップS123にて設定した進入リンクの分岐手前の所定区間の左側車線が渋滞しているか否かを判定する(ステップS202)。
【0176】
具体的には、渋滞情報出力部105は、ステップS121にて受信した各リンクの所定の区間についての左側車線の車両の密度の情報から、進入リンクの特定の区間についての左側車線の車両密度の情報を取得し、所定の閾値以上、例えば10台/100m以上であるか否かにより渋滞であるか順調であるかを判定する。
【0177】
または、渋滞情報出力部105は、受信した車両の渋滞度や車速が所定の閾値以上であるか否かにより渋滞であるか順調であるかを判定してもよい。
【0178】
渋滞であれば(ステップS202において「Yes」)、渋滞情報出力部105は、当該進入リンクが渋滞であるとして表示する旨を決定する(ステップS203)。
【0179】
渋滞でなければ(ステップS202において「No」)、渋滞情報出力部105は、当該進入リンクが渋滞でないものとして、すなわち順調として表示する旨を決定する(ステップS204)。
【0180】
以上が、表示補正処理である。
【0181】
表示補正処理を実施することで、統計交通情報に基づくと渋滞であると表示されるべき分岐の手前のリンクであっても、路側機160により検知された情報に基づくと、分岐の手前の所定の区間の左側車線が順調なのであれば、順調であると表示することが可能となる。
【0182】
図15は、渋滞情報出力処理により出力される画面を簡略化して表示した図である。
【0183】
図15(a)は、自車1400がリンク1401を走行し、分岐ノード1402にて脱出リンク1403を走行するという経路が設定されている場合に、進入リンクであるリンク1401が渋滞を示す赤いマーク1405で強調表示される例を示すものである。
【0184】
図15(b)は、自車1400がリンク1401を走行し、分岐ノード1402にて脱出リンク1404を走行するという経路が設定されている場合に、進入リンクであるリンク1401が通常表示される例を示すものである。
【0185】
図15(c)は、従来技術による表示である。進入リンクであるリンク1401が脱出リンクとは無関係に通常表示される例を示すものである。
【0186】
ここで、図15に示すリンク1401のリンク識別子をaとし、リンク1403のリンク識別子をbとし、リンク1404のリンク識別子をcとする。
【0187】
すると、図15(a)のリンク1401は、統計交通情報テーブル400の情報によると、リンク識別子401が「a」である場合には、リンク旅行時間が「7(秒)」と算出される。コストテーブル500の情報によると、リンク「a」を進入リンクとしてリンク「b」を脱出リンクとする場合の進入リンクへの追加コストは「8(秒)」となる。
【0188】
そのため、リンク1401のリンク旅行時間は「7+8=15(秒)」と算出される。
【0189】
リンクaのリンク旅行時間が、リンクテーブル200のリンク旅行時間225上「7」秒である場合には、渋滞表示を行う閾値は「7×2=14(秒)」となり、リンク1401の旅行時間は閾値を超過することになる。そのため、リンク「a」についての、分岐ノード1402の手前100メートルの左側車線が「渋滞」である旨の情報を路側機から得られた場合には、渋滞を示す赤いマーク1405がリンク1401に表示される。
【0190】
なお、リンク1403の旅行時間は、統計交通情報テーブル400のリンク識別子401が「b」であるリンク旅行時間402は「10(秒)」であるため、「10(秒)」と算出される。
【0191】
つまり、図15(a)のようにリンク1401を走行しリンク1403を走行し終えるのにかかる時間は、「15(リンク1401の旅行時間)+10(リンク1403の走行時間)=25(秒)」となる。
【0192】
また、図15(b)の場合には、リンク1401は、統計交通情報テーブル400の情報によると、リンク識別子401が「a」である場合には、リンク旅行時間が「7(秒)」と算出される。コストテーブル500の情報によると、リンク「a」を進入リンクとしてリンク「c」を脱出リンクとする場合の進入リンクへの追加コストは「0(秒)」となる。
【0193】
そのため、リンク1401のリンク旅行時間は「7+0=7(秒)」と算出される。
【0194】
リンクaのリンク旅行時間が、リンクテーブル200のリンク旅行時間225上「7」秒である場合には、渋滞表示を行う閾値は「7×2=14(秒)」となり、リンク1401の旅行時間は閾値を超過しない。そのため、渋滞を示す赤いマーク1405はリンク1401には表示されない。
【0195】
なお、リンク1404の旅行時間は、統計交通情報テーブル400のリンク識別子401が「c」であり、リンク旅行時間402は「8(秒)」であるため、「8(秒)」と算出される。
【0196】
つまり、図15(b)のようにリンク1401を走行しリンク1404を走行し終えるのにかかる時間は、「7(リンク1301の旅行時間)+8(リンク1304の走行時間)=15(秒)」となる。
【0197】
従来技術による表示である図15(c)の場合には、リンク1401は、脱出リンクにかかわらず、リンク識別子401が「a」である場合には、リンク旅行時間が15秒と7秒の相加平均となる「11(秒)」と算出される。
【0198】
そのため、リンク1401のリンク旅行時間は「11(秒)」と算出される。
【0199】
リンクaのリンク旅行時間が、リンクテーブル200のリンク旅行時間225上「7」秒である場合には、渋滞表示を行う閾値は「7×2=14(秒)」となり、リンク1401の旅行時間は閾値を超過しない。そのため、渋滞を示す赤いマーク1405はリンク1401には表示されない。
【0200】
なお、リンク1403の旅行時間は、リンク1401とリンク1403の旅行時間の合計である25秒からリンク1401の旅行時間である11秒を差し引いた「14(秒)」と算出される。
【0201】
また、リンク1404の旅行時間は、リンク1401とリンク1404の旅行時間の合計である15秒からリンク1401の旅行時間である11秒を差し引いた「4(秒)」と算出される。
【0202】
つまり、図15(c)の従来例では、渋滞表示が適切になされないのに対し、図14(a)(b)に示す本発明によれば、実際の状況により近い渋滞表示を行うことが可能となる。
【0203】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0204】
本発明の一実施形態によると、経路に応じて、リンク旅行時間を変化させることができるため、たとえば、行き先によって渋滞度合いの異なる道路を通過するのにかかる時間を適切に算出することができるという効果を奏することができる。
【0205】
また、本発明の一実施形態においては、道路を渋滞表示しようとする際に、路側機160によって収集された情報に基づいて、その手前にある道路の所定の車線の所定の区間(例えば分岐の手前100メートル)が渋滞していると判定される場合には、渋滞している旨の表示を行う。ただし、手前にある道路の所定の車線の所定の区間が渋滞していない場合には、渋滞していない旨の表示を行う。
【0206】
このことは、例えば、運転者が、交差点から100メートル以上手前にある路側の人気店へ立ち寄る車両により引き起こされる道路の左側車線の渋滞を、交差点を左折する車両により引き起こされている渋滞であると誤解してしまい、無用な渋滞に巻き込まれてしまうという事態を避けることを可能とする。
【0207】
一般に、運転者は、自車の前方にある渋滞の原因が交差点を左折する車両によるものであるのか、それとも交差点の手前にある路側の人気店に入りきれずに道路まで延びた車両の列によるものであるのか、を事前に知ることは難しい。そのため、運転者は、交差点で左折できなくなるリスクを避けて走行する結果、本来参加する必要のない渋滞に参加してしまう場合がある。
【0208】
本発明の一実施形態によると、統計交通情報に基づくと交差点の手前の道路が渋滞を示すものであったとしても、交差点の手前の所定の区間の左側車線が渋滞していない場合には、その道路の渋滞は渋滞として表示されない。そのため、運転者は右側車線を走行することで渋滞を回避して速やかに交差点に進入することが可能となる。
【0209】
具体的な実施例を図16と図17とに示す。
【0210】
図16(a)は、交差点付近の実際の車両の配置を示す図である。
【0211】
図16(b)は、図16(a)の状態におけるナビゲーション装置100の表示画面を示す図である。
【0212】
交差点1500に向かって進行する自車1501が走行する道路は、車線境界線1502により左側車線1503と右側車線1504とにより構成される。
【0213】
交差点1500の自車1501側の手前100mの道路の左側車線の区域1505を測定する路側機1506と、人気施設1507と、が左側車線1503に接して存在する。
【0214】
自車1501の前方は、先行する車列1508により混雑している。
【0215】
また、自車1501は、交差点1500にて、分岐する道路1509に向かう経路が案内されている。
【0216】
図16(a)においては、車列1508は、分岐する道路1509に向かう車両により構成されている。すなわち、自車1501は、車列1508の最後尾に並ぶべき状況である。
【0217】
この場合、本発明の実施形態によると、路側機1506により区域1505の車両の密度が測定された結果、渋滞していると判定される(図14の表示補正処理のステップS202において「Yes」)ため、図14の表示補正処理のステップS203が実施され図16(b)に示す画面がナビゲーション装置100に表示される。
【0218】
図16(b)は、渋滞情報出力処理により出力される画面を簡略化して表示した図である。
【0219】
図16(b)は、自車1550がリンク1551を走行し、分岐ノード1552にて脱出リンク1553を走行するという経路が設定されている場合に、進入リンクであるリンク1551が渋滞を示す赤いマーク1555で強調表示され、メッセージ表示欄1556に「分岐まで続く渋滞です。左車線走行を維持してください。」との旨のメッセージが表示されることを示す。
【0220】
運転者は、赤いマーク1555が表示されたことと、メッセージ表示欄1556とを視認することで、先行する車列1508は分岐ノード1552まで続く渋滞によるものであることがわかり、車列1508の最後尾に並ぶべきであると判断できる。
【0221】
図17(a)は、交差点付近の実際の車両の配置を示す図である。
【0222】
図17(b)は、図17(a)の状態におけるナビゲーション装置100の表示画面を示す図である。
【0223】
交差点1500に向かって進行する自車1501が走行する道路は、車線1502により左側車線1503と右側車線1504とにより構成される。
【0224】
交差点1500の自車1501側の手前100mの道路の左側車線の区域1505を測定する路側機1506と、人気施設1507と、が左側車線1503に接して存在する。
【0225】
自車1501の前方は、先行する車列1508により混雑している。
【0226】
また、自車1501は、交差点1500にて、分岐する道路1509に向かう経路が案内されている。
【0227】
図17(a)においては、車列1508は、分岐する道路1509に向かう車両ではなく、交差点の手前にある人気施設1507に入ろうとする車両により構成されている。路側機1506は、区域1505に車両が無いことを測定している。すなわち、自車1501は、車列1508の最後尾に並ぶ必要はないという状況である。
【0228】
この場合、本発明の実施形態によると、路側機1506により区域1505の車両の密度が測定された結果、渋滞していないと判定される(図14の表示補正処理のステップS202において「No」)ため、図14の表示補正処理のステップS204が実施され図17(b)に示す画面がナビゲーション装置100に表示される。
【0229】
図17(b)は、渋滞情報出力処理により出力される画面を簡略化して表示した図である。
【0230】
図17(b)は、自車1550がリンク1551を走行し、分岐ノード1552にて脱出リンク1553を走行するという経路が設定されている場合に、進入リンクであるリンク1551が通常表示され、メッセージ表示欄1556に「分岐手前は渋滞していません。右車線を走行可能です。」との旨のメッセージが表示されることを示す。
【0231】
運転者は、リンク1551が通常表示されたことと、メッセージ表示欄1556とを視認することで、先行する車列1508は自車が走行する経路が渋滞しているために混雑しているわけではないことがわかり、車列1508に並ぶ必要はないと判断できる。
【0232】
また、左側走行ではなく右側走行を義務付ける交通法規が適用される国等においては、上記実施形態は左右を逆にして適用するものとする。
【0233】
例えば、路側機160は道路の右側車線を測定範囲とし、表示補正処理のステップS201においては、車両が進入リンクの右側車線を走行することで脱出リンクに到着するか否かを判定する。また、ステップS202においては、進入リンクの分岐手前の右側車線が渋滞しているか否かを判定する。
【0234】
本発明は、上記実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0235】
例えば、上記実施形態では、渋滞であることを判定するためにリンク旅行時間を基準にして閾値を設け、閾値を超過すると渋滞であると判定しているが、これに限らない。
【0236】
すなわち、例えば、リンクテーブル200のリンク長204をリンク旅行時間で割ることで速度を算出し、その速度が所定の速度(例えば、5km/時)を下回る場合には渋滞として判定するようにしてもよい。
【0237】
このようにすることで、渋滞情報を表示する基準を標準の基準に合わせることができる。
【0238】
また、図13に示す渋滞情報出力処理においては、ステップS121、ステップS122で統計交通情報を受信してからステップS123以降の処理を開始しているが、これに限らない。
【0239】
すなわち、例えば、ステップS121と、ステップS122からは独立したタイミングでステップS123〜ステップS130の処理を実施するようにしてもよい。
【0240】
このようにすることで、統計交通情報の配信スケジュールと関係なく渋滞情報出力を行うことができるようになり、交通情報提供システム1000の運用を柔軟に行うことが可能となる。
【0241】
また、上記表示補正処理のステップS204にて、渋滞情報出力部105は順調である旨を表示するとしているが、これに限られない。すなわち、自車から所定距離(例えば1km)内に交差点が近づいたと判定すると、前方の交差点付近は渋滞していない旨を表示するようにしてもよい。
【0242】
このようにすることで、より的確に運転者を誘導することができる。
【0243】
また、自車から所定距離(例えば1km)内に交差点が近づいたと判定すると、左側車線の渋滞に並ぶ必要がない旨を音声等により案内するようにしてもよい。
【0244】
このようにすることで、より的確に運転者の注意を喚起し、誘導することができる。
【0245】
以上が、変形の例である。
【0246】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0247】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・走行情報送信部、103・・・統計交通情報受信部、104・・・統計交通情報更新部、105・・・渋滞情報出力部、106・・・入力受付部、107・・・出力処理部、110・・・交通情報提供装置、111・・・入力装置、112・・・出力装置、113・・・通信装置、114・・・演算装置、115・・・主記憶装置、116・・・外部記憶装置、117・・・バス、120・・・記憶部、130・・・制御部、140・・・送受信部、150・・・ネットワーク、160・・・路側機、1000・・・交通情報提供システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通情報を提示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、交通情報システムにおいて、分岐点に接続するリンクの旅行時間を特定する際に、平均旅行時間を算出し、リンク旅行時間に基づいて渋滞か否かを表示していた。
【0003】
特許文献1には、このような交通情報システムについての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−283480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような交通情報システムでは、ナビゲーション装置は、複数の車線がある道路において、いずれかの車線が渋滞している場合に、その渋滞の列に並ぶ必要があるか否かを判断するための情報を示すことはできない。例えば、渋滞の原因が、路側にある人気施設の入場待ちの列であれば、並ぶ必要がない。従来の技術では、並ぶ必要がないことを運転者に示すことができない。
【0006】
本発明の目的は、交通情報システムにおいて、進行方向前方の渋滞に並ぶ必要があるか否かに関する情報を提示するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明のナビゲーション装置は、交通情報を用いて渋滞情報を表示するナビゲーション装置であって、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信手段と、前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定手段と、前記渋滞度判定手段により分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の交通情報を提示するサーバ装置は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信手段、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の交通情報提示システムは、交通情報を提示する交通情報システムであって、交通情報を提示するサーバ装置と、交通情報を用いて渋滞情報を報知するナビゲーション装置と、を備え、前記サーバ装置は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信手段を備え、前記ナビゲーション装置は、前記交通情報と、前記車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信手段と、前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定手段と、前記渋滞度判定手段により分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の交通情報提示方法は、交通情報を提供するサーバ装置は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信ステップを実施し、前記ナビゲーション装置は、前記交通情報と、前記車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信ステップと、前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定ステップと、前記渋滞度判定ステップにより分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知ステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
交通情報システムにおいて、進行方向前方の渋滞に並ぶ必要があるか否かに関する情報を提示するための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施形態が適用された交通情報提供システムの概略構成図である。
【図2】図2は、収集情報テーブルの構成例を示す図である。
【図3】図3は、統計交通情報テーブルの構成例を示す図である。
【図4】図4は、コストテーブルの構成例を示す図である。
【図5】図5は、車両密度情報テーブルの構成例を示す図である。
【図6】図6は、交通情報提供装置のハードウェア構成を示す図である。
【図7】図7は、ナビゲーション装置のハードウェア構成図である。
【図8】図8は、演算処理部の機能構成を示す図である。
【図9】図9は、リンクテーブルの構成例を示す図である。
【図10】図10は、走行情報収集処理のフロー図である。
【図11】図11は、統計交通情報提供処理のフロー図である。
【図12】図12は、統計交通情報提供処理の具体的なデータの例を示す図である。
【図13】図13は、渋滞情報出力処理のフロー図である。
【図14】図14は、表示補正処理のフロー図である。
【図15】図15は、渋滞情報出力処理の処理結果画面を模式的に示す図である。
【図16】図16は、具体的な実施例を示す図である。
【図17】図17は、具体的な実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態を適用した交通情報提供システム1000について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、交通情報提供システム1000は、交通情報提供装置110と、ネットワーク150を介して交通情報提供装置110と通信を行うことができるナビゲーション装置100と、道路に関する情報を測定してネットワーク150を介して交通情報提供装置110に送信することのできる路側機160と、を有する。
【0015】
交通情報提供システム1000は、ナビゲーション装置100を複数有するものであっても良いし、交通情報提供装置110を複数有するものであっても良い。また、交通情報提供システム1000は、路側機160を複数有するものであってもよい。
【0016】
交通情報提供装置110は、記憶部120と、制御部130と、送受信部140と、を備える。
【0017】
記憶部120は、収集情報テーブル300を格納する収集情報記憶領域121と、統計交通情報テーブル400とコストテーブル500とを格納する統計交通情報記憶領域122と、車両密度情報テーブル600を格納する交通状況情報記憶領域123と、を備える。
【0018】
図2に、収集情報テーブル300の構成例を示す。
【0019】
収集情報テーブル300は、ナビゲーション装置100から収集したナビゲーション装置100が搭載された車両の位置に関する情報を記憶するテーブルであり、交通情報提供装置110によって随時更新される。
【0020】
収集情報テーブル300は、レコードごとに、収集元識別子301と、時刻302と、座標303と、の情報を含む。
【0021】
収集元識別子301は、車両の位置に関する情報の提供を行ったナビゲーション装置100の識別子である。例えば、「X車」、「Y車」、等、ナビゲーション装置100が搭載された車両の識別子等である。
【0022】
時刻302は、車両の位置に関する情報の提供を行ったナビゲーション装置100が車両の位置を測定した時刻である。例えば、「2008/01/01 00:01:01」であれば、2008年1月1日午前0時1分1秒に位置を測定したことを示す。
【0023】
座標303は、車両の位置を示す座標である。例えば、「北緯NNN度NNN分NNN秒、東経EEE度EEE分EEE秒」等の緯度経度に関する座標の情報である。
【0024】
図3に、収集した交通情報を元に算出した統計交通情報を記憶するテーブルである統計交通情報テーブル400の構成例を示す。
【0025】
統計交通情報テーブル400は、統計交通情報提供処理において更新される。
【0026】
統計交通情報テーブル400は、レコードごとに、リンク識別子401と、リンク旅行時間402と、の情報を含む。
【0027】
ここで、リンクとは、道路を示す情報である。リンクは、地図上の所定の地点(ノードと呼ぶ)のうち2箇所を接続することで構成される。すなわち、地図上の所定の地点である開始ノードと、終了ノードを結ぶ仮想的な線を道路に見立てたものである。
【0028】
リンク識別子401は、リンクを識別する識別子である。
【0029】
リンク旅行時間402は、あるリンクの開始ノードから終了ノードまでを通行するのにかかる旅行時間(秒)である。例えば、リンク「a」の開始ノードから終了ノードまでを通行するのにかかる時間に関する情報である。
【0030】
図4に、コストテーブル500の構成例を示す。
【0031】
コストテーブル500は、統計交通情報を補完するためのコストを記憶するテーブルであり、統計交通情報提供処理により更新される。
【0032】
コストテーブル500は、進入リンク識別子501と、脱出リンク識別子502と、進入リンクへの追加コスト503と、の情報を含む。
【0033】
進入リンク識別子501は、分岐ノードに接続するリンクを識別する識別子である。例えば、分岐ノードを終了ノードとするリンクのリンク識別子等である。
【0034】
脱出リンク識別子502は、分岐ノードを開始ノードとするリンクのリンク識別子である。
【0035】
進入リンクへの追加コスト503は、進入リンク識別子501により識別されるリンクを通り、脱出リンク識別子502により識別されるリンクを通る経路を走行する場合に、進入リンクに加算する必要がある旅行時間である。例えば、リンク「a」からある分岐ノードに進入し、リンク「b」を通って脱出した場合、進入リンクであるリンク「a」に追加する旅行時間(例えば「8秒」)を示す。
【0036】
図5に、車両密度情報テーブル600の構成例を示す。
【0037】
車両密度情報テーブル600は、路側機160により取得した所定区間に存在する車両台数の密度(台/100m)を記憶するテーブルであり、統計交通情報提供処理により更新される。
【0038】
車両密度情報テーブル600は、リンク識別子601と、車両密度602と、の情報を含む。
【0039】
リンク識別子601は、リンクを識別する識別子である。
【0040】
車両密度602は、リンクの所定区間(例えばリンクの終了ノードから100メートル手前の区間等)において、測定時に左側車線に存在する車両の台数を、100メートル当たりの台数に換算した値である。
【0041】
図1の説明に戻る。
【0042】
制御部130は、走行情報受信部131と、統計交通情報算出部132と、統計交通情報配信部133と、を有する。
【0043】
走行情報受信部131は、ナビゲーション装置100から送信される位置情報等を受信する。そして、走行情報受信部131は、受信した情報を収集情報テーブル300に記憶する。
【0044】
例えば、走行情報受信部131は、ナビゲーション装置100からネットワーク150を介して送信された収集元識別子と、時刻と、座標と、の情報について、ネットワーク150を介して受信すると、収集情報テーブル300に記憶する。
【0045】
統計交通情報算出部132は、収集情報テーブル300に記憶された情報に基いて、終了リンクが分岐ノードであるリンクのリンク旅行時間を算出し、統計交通情報テーブル400に記憶する。また、分岐ノードから脱出するリンクごとに、進入リンクへの追加コストを算出し、コストテーブル500に記憶する。また、路側機160によって測定した所定の区間の距離と車両台数の情報とから車両の密度(例えば100mあたりの台数)を算出し、車両密度情報テーブル600に記憶する。
【0046】
統計交通情報配信部133は、所定のタイミングで、統計交通情報テーブル400と、コストテーブル500と、車両密度情報テーブル600と、に記憶された情報をナビゲーション装置100にネットワーク150を介して配信する。
【0047】
送受信部140は、ネットワーク150に接続し、他の接続された機器に対して情報を送信し、他の接続された機器から情報を受信する。
【0048】
次に、図6に、交通情報提供装置110のハードウェア構成例を示す。
【0049】
交通情報提供装置110は、ネットワーク150を介して、ナビゲーション装置100と通信を行うことができる。
【0050】
交通情報提供装置110は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)や、ワークステーション、サーバ装置、各種携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などの計算機である。
【0051】
交通情報提供装置110は、入力装置111と、出力装置112と、通信装置113と、演算装置114と、主記憶装置115と、外部記憶装置116と、それぞれの装置を互いに接続するバス117と、を有する。
【0052】
入力装置111は、例えばキーボードやマウス、あるいはタッチペン、その他ポインティングデバイスなどの入力を受け付ける装置である。
【0053】
出力装置112は、例えばディスプレイなどの、表示を行う装置である
通信装置113は、ネットワーク150などのネットワークを介して他の装置と通信を行う装置である。
【0054】
演算装置114は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0055】
主記憶装置115は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0056】
外部記憶装置116は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0057】
ここで、ネットワーク150は、携帯電話ネットワークなどの無線通信網であるが、インターネットや公衆用の無線LANなどの公衆網であってもよいし、その他通信を行うことが可能なネットワークであればよい。
【0058】
交通情報提供装置110の走行情報受信部131と、統計交通情報算出部132と、統計交通情報配信部133とは、交通情報提供装置110の演算装置114に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0059】
このプログラムは、主記憶装置115または外部記憶装置116内に記憶され、実行にあたって主記憶装置115上にロードされ、演算装置114により実行される。
【0060】
また、交通情報提供装置110の記憶部120は、交通情報提供装置110の主記憶装置115または外部記憶装置116により実現される。
【0061】
交通情報提供装置110の送受信部140は、交通情報提供装置110の通信装置113によって実現される。
【0062】
図7に、ナビゲーション装置100のハードウェア構成図を示す。
【0063】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、通信装置12と、を備えている。
【0064】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0065】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0066】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0067】
図8は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0068】
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、走行情報送信部102と、統計交通情報受信部103と、統計交通情報更新部104と、渋滞情報出力部105と、入力受付部106と、出力処理部107と、を有する。
【0069】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、マップマッチングを行った結果得られた信頼度とを対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。
【0070】
走行情報送信部102は、主制御部101が記憶装置3に記憶した位置情報をネットワーク150を介して交通情報提供装置110に送信する。例えば、ナビゲーション装置100が搭載された車両の識別子と、時刻と、座標と、を送信する。
【0071】
統計交通情報受信部103は、ネットワーク150を介して統計交通情報、交通状況情報等を受信する。
【0072】
統計交通情報更新部104は、統計交通情報受信部103が受信した統計交通情報に基づき、記憶装置3に記憶する統計交通情報を更新する。
【0073】
渋滞情報出力部105は、統計交通情報受信部104により更新された統計交通情報と交通状況情報とを用いて、経路上の渋滞に関する情報を表示させるための情報を作成し、出力処理部107を介してディスプレイ2に表示させる。
【0074】
入力受付部106は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部107に要求する。また、現在地(出発地)から目的地までの経路を探索する処理を主制御部101に要求する。
【0075】
出力処理部107は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0076】
なお、上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、走行情報送信部102、統計交通情報受信部103、統計交通情報更新部104、渋滞情報出力部105、入力受付部106、出力処理部107は、CPU21がRAM22やROM23にロードしたプログラムを実行することにより達成される。
【0077】
図7の説明に戻る。
【0078】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0079】
記憶装置3は、HDDや不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0080】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200が記憶されている。
【0081】
図9は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0082】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、リンクの開始ノードに接続される開始接続リンクと、終了ノードに接続される終了接続リンクと、を示す開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の通称(例えば、「環八通り」等)を示す通称227、などを含んでいる。
【0083】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0084】
図7に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0085】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0086】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0087】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0088】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0089】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0090】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。
【0091】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0092】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0093】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0094】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0095】
ビーコン受信装置11は、VICS(登録商標、Vehicle Information and Communication System)情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0096】
通信装置12は、携帯電話網などのネットワーク150に接続し、通信を行う装置である。なお、通信装置12は、ネットワーク150に接続することのできる外部装置(例えばナビゲーション装置100の外部に存在する携帯電話機)との接続を担う装置であってもよい。
【0097】
図1の説明に戻る。
【0098】
路側機160は、設置された道路について、少なくとも、所定の区間(例えばリンクの終了ノードから100メートル手前までの区間)について、左側車線に存在する車両の台数を、撮像した映像や、車両との信号の送受信により測定するとともに、測定した情報と、測定した区間の距離とを、ネットワーク150を介して交通情報提供装置110に送信する機能を備えた装置である。
【0099】
または、路側機160は、設置された道路を車両が走行する速度を測定し、速度に応じて車両の渋滞度を算出して交通情報提供装置110に送信するものであってもよい。
【0100】
なお、路側機160が測定する対象となる所定の区間は、リンク単位で提供される交通情報よりも細かな情報を取得するために、リンクよりも短い区間、すなわちリンクのうち限定された一部分である。
【0101】
次に、交通情報提供装置110の動作について説明する。
【0102】
図10は、交通情報提供装置110の走行情報収集処理の処理フローを示す図である。
【0103】
走行情報収集処理は、交通情報提供装置110における処理であり、ナビゲーション装置100から送信される走行に関する情報を受信して記憶する処理である。
【0104】
走行情報収集処理は、交通情報提供装置110の図示しない電源部に電源が投入されることで処理が開始される。
【0105】
まず、走行情報受信部131は、ナビゲーション装置100からネットワーク150を介して送信された走行情報を受信する(ステップS101)。
【0106】
具体的には、走行情報受信部131は、ネットワーク150から送信される情報を監視して、走行情報に関する情報を有する通信パケット等の情報を発見次第受信し、組み立てて走行情報とする。
【0107】
なお、走行情報は、車両識別子、時刻および位置の情報を含む情報である。
【0108】
次に、走行情報受信部131は、ステップS101で受信した走行情報を収集情報記憶領域121に記憶する(ステップS102)。
【0109】
具体的には、走行情報受信部131は、ステップS101で受信した走行情報を収集情報記憶領域121の収集情報テーブル300の収集元識別子301と、時刻302と、座標303として記憶する。
【0110】
そして、走行方法受信部131は、ステップS101に処理を戻し、次に送信される走行情報に対してステップS101以降の処理を実施する。
【0111】
以上が、走行情報収集処理の処理フローである。
【0112】
図11は、交通情報提供装置110の統計交通情報提供処理の処理フローを示す図である。
【0113】
統計交通情報提供処理は、交通情報提供装置110において収集した走行情報に関する情報を統計処理して統計交通情報を算出し、算出した統計交通情報をナビゲーション装置100に配信する処理である。
【0114】
統計交通情報提供処理は、所定の時刻あるいは所定の時間間隔にしたがって処理が開始される。あるいは、開始要求を受け付けた場合に処理が開始されるものであってもよい。
【0115】
まず、統計交通情報算出部132は、収集情報記憶領域121の情報を読み出し、収集元識別子301ごとに、座標303の情報に基づいて各リンクへの進入時刻と脱出時刻を求め、その差分からそのリンクの旅行時間を算出する(ステップS111)。
【0116】
具体的には、統計交通情報算出部132は、収集情報テーブル300の収集元識別子301の順にそのレコードをソートする。
【0117】
そして、統計交通情報算出部132は、収集元識別子301が同一であるレコードを時刻302の順に並べ、座標303の情報を時刻の順に読み出す。
【0118】
そして、統計交通情報算出部132は、読み出した座標を地図データと突合せ、リンクの開始ノードを通過したと予測される時刻を特定する。
【0119】
同様に、統計交通情報算出部132は、リンクの終了ノードを通過したと予測される時刻を特定する。
【0120】
統計交通情報算出部132は、リンクの終了ノードを通過したと予測される時刻からリンクの開始ノードを通過したと予測される時刻を差し引くことで、リンクの開始ノードを通過してからリンクの終了ノードを通過するまでにかかった時間を旅行時間として収集元識別子ごとに算出する。
【0121】
このように、統計交通情報算出部132は、収集元識別子302の各々について、リンク別の旅行時間を算出する。
【0122】
次に、統計交通情報算出部132は、脱出リンクが複数ある進入リンクについては脱出リンク別に進入リンクの相加平均旅行時間を求める(ステップS112)。
【0123】
ここで、ある同一のノードを開始ノードとするリンクが2本以上存在する場合に、その同一のノードを分岐ノードというものとする。また、そのリンクを脱出リンクといい、分岐ノードを終了ノードとするリンクを進入リンクというものとする。
【0124】
例えば、統計交通情報算出部132は、同一のリンクについて、異なる収集元識別子で識別される収集元の旅行時間を相加平均することにより、相加平均旅行時間を算出する。この際、リンクが分岐する分岐ノードに接続されたリンクについては、分岐先のリンクが同一である収集元ごとに相加平均旅行時間を求める。
【0125】
例えば、終了ノードにおいてリンクbとリンクcとに分岐するaというリンクがあるとする。この場合、統計交通情報算出部132は、進入リンクであるリンクaの通過後に脱出リンクであるリンクbを走行した収集元についての相加平均旅行時間と、進入リンクであるリンクaの通過後に脱出リンクであるリンクcを走行した収集元についての相加平均旅行時間と、を進入リンクaの相加平均旅行時間として求める。
【0126】
次に、統計交通情報算出部132は、ステップS112にて脱出リンク別に求めた進入リンクの相加平均旅行時間について、脱出リンク別に求めた進入リンクの相加平均旅行時間を比較し、そのうちの最小値を進入リンクの相加平均旅行時間として特定し統計交通情報テーブル400に記憶する(ステップS113)。
【0127】
具体的には、統計交通情報算出部132は、脱出リンクbを走行した収集元の相加平均旅行時間と、脱出リンクcを走行した収集元の相加平均旅行時間と、のうち最小値を進入リンクaのリンク旅行時間として統計交通情報テーブル400に記憶する。
【0128】
次に、統計交通情報算出部132は、脱出リンク別に、進入リンクへの追加するコストを算出して、コストテーブル500に記憶する(ステップS114)。
【0129】
具体的には、統計交通情報算出部132は、進入リンクのリンクIDをコストテーブル500の進入リンク識別子501として、また脱出リンクのリンクIDを脱出リンク識別子502として、設定する。そして、統計交通情報算出部132は、ステップS112にて算出した進入リンクの相加平均旅行時間からステップS113にて算出した進入リンクのリンク旅行時間を差し引いた差分の時間を、進入リンクへの追加コスト503として設定する。
【0130】
次に、統計交通情報配信部133は、路側機160から、各リンクの所定区間の左側車線の車両の台数に関する情報を取得し、車両の密度を算出する(ステップS115)。
【0131】
具体的には、統計交通情報配信部133は、道路に備え付けられた路側機160から、各リンクの所定の区間についての左側車線に存在する車両の台数の情報(例えば、あるリンクの終了ノードから100m手前までの区間の左側車線に存在する車両の台数に基づく情報)と測定した区間の距離とを取得する。そして、取得した車両の台数の情報と、測定した区間の距離とから、車両の密度(例えば100mあたりの車両台数)を算出し車両密度情報テーブル600に記憶させる。
【0132】
次に、統計交通情報配信部133は、すべてのナビゲーション装置100に対して、統計交通情報テーブル400の情報と、コストテーブル500の情報と、各リンクの所定の区間についての左側車線の車両の密度の情報と、を送信する(ステップS116)。
【0133】
具体的には、統計交通情報配信部133は、収集情報テーブル300の収集元識別子301に車両の識別子が含まれる車両に取り付けられたナビゲーション装置100に対して、統計交通情報テーブル400の情報と、コストテーブル500の情報と、車両密度テーブル600の車両の密度に関する情報と、を送信する。
【0134】
以上が、統計交通情報提供処理の処理フローである。
【0135】
図12に、上記の統計交通情報提供処理により変化する具体的なデータの例を説明する。
【0136】
図12(a)に示すように、移動体である車両1100は、道路リンクaを示すリンク1101を走行し、分岐ノード1102にてリンクbである脱出リンク1103を走行するという経路と、道路リンクaを示すリンク1101を走行し、分岐ノード1102にてリンクcである脱出リンク1104を走行する経路と、の二つの経路が存在する場合を例に説明する。
【0137】
ここで、道路リンクaである道路リンク1101を走行し、分岐ノード1102にて道路リンクbである脱出リンク1103を走行するという経路を通行した移動体による道路リンクaの通行時間の平均値をa1とし、道路リンクbの通行時間の平均値をb1とする。
【0138】
また、道路リンクaであるリンク1101を走行し、分岐ノード1102にて道路リンクcである脱出リンク1104を走行するという経路を通行した移動体による道路リンクaの通行時間の平均値をa2とし、道路リンクcの通行時間の平均値をc1とする。
【0139】
統計交通情報提供処理のステップS112の処理の結果、図12(b)の平均通行時間図1110の上段に示すように、道路リンクaおよび道路リンクbを走行するという経路を通行した移動体は、a1が15秒、b1が10秒であったとする。
【0140】
同様に、平均通行時間図1110の下段に示すように、道路リンクaおよび道路リンクbを走行するという経路を通行した移動体は、a2が7秒、c1が8秒であったとする。
【0141】
このような場合、統計交通情報提供処理のステップS113の処理の結果、統計交通情報テーブル400のリンク識別子aに対応する旅行時間の値はa1とa2の最小値を取った結果である7秒となり、リンク識別子bに対応する旅行時間の値はb1である10秒となり、リンク識別子cに対応する旅行時間の値はc1である8秒となる。
【0142】
また、統計交通情報提供処理のステップS114の処理の結果、コストテーブル500のリンク進入リンク識別子がaであり脱出リンク識別子がbである場合に対応する進入リンクaへの追加コストは、a1である15秒から統計交通情報テーブル400のaの値である7秒を差し引いた8秒となる。
【0143】
同様に、コストテーブル500のリンク進入リンク識別子がaであり脱出リンク識別子がcである場合に対応する進入リンクaへの追加コストは、a2である7秒から統計交通情報テーブル400のaの値である7秒を差し引いた0秒となる。
【0144】
以上が、統計交通情報提供処理により変化する具体的なデータの例である。
【0145】
次に、上記構成のナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0146】
図13は、ナビゲーション装置100の渋滞情報出力処理の処理フローを示す図である。
【0147】
渋滞情報出力処理は、受信した統計交通情報を用いて、誘導する経路の渋滞状況を表示する処理である。
【0148】
渋滞情報出力処理は、所定の時間間隔で処理が開始される。または、経路探索を行った後に続けて処理が開始される。または、主制御部101が開始要求を受け付けた場合に処理が開始される。
【0149】
まず、統計交通情報受信部103は、ネットワーク150を介して、交通情報提供装置110から送信された統計交通情報を受信する(ステップS121)。
【0150】
具体的には、統計交通情報受信部103は、ネットワーク150から受信するデータを監視し、統計交通情報が含まれる通信パケットを受信し、組み立てて、統計交通情報テーブル400の情報と、コストテーブル500の情報と、車両密度情報テーブル600の情報と、を受信する。
【0151】
次に、統計交通情報更新部104は、ステップS121で受信した統計交通情報を記憶装置3に記憶する(ステップS122)。
【0152】
次に、渋滞情報出力部105は、設定されている目的地に到る経路の出発地点から延びるリンクを進入リンクとして選択する(ステップS123)。
【0153】
例えば、渋滞情報出力部105は、設定されている目的地に到る経路を構成するリンクのうち、出発地となっている地点が含まれるリンクを進入リンクとして設定する(ステップS123)。
【0154】
次に、渋滞情報出力部105は、設定された進入リンクが経路の最後のリンクであるか否かを判定する(ステップS124)。
【0155】
具体的には、渋滞情報出力部105は、ステップS123にて設定された進入リンクが目的地の属するリンクである場合には、最後のリンクであると判定し、目的地の属するリンクでない場合には、最後のリンクではないと判定する。
【0156】
ステップS124の判定の結果、ステップS123にて設定された進入リンクが経路の最後である場合(ステップS124において「Yes」)、渋滞情報出力部105は、渋滞情報出力処理を終了する。
【0157】
ステップS123にて設定された進入リンクが経路の最後ではない場合(ステップS124において「No」)、渋滞情報出力部105は、経路の進入リンクに続くリンクを脱出リンクとして選択する(ステップS125)。
【0158】
具体的には、渋滞情報出力部105は、経路を探索して、進入リンクの次に通過するリンクを特定して、そのリンクを脱出リンクに設定する。
【0159】
次に、渋滞情報出力部105は、進入リンクと脱出リンクとの組み合わせに応じて、進入リンクへ追加する追加コストを特定する(ステップS126)。
【0160】
具体的には、渋滞情報出力部105は、記憶装置3に記憶されたコストテーブル500のレコードを読み出し、進入リンク501が進入リンクとして設定されたリンクと一致し、脱出リンク識別子502が脱出リンクとして設定されたリンクと一致するレコードを特定し、進入リンクへの追加コスト503の情報を特定する。
【0161】
次に、渋滞情報出力部105は、統計交通情報テーブル400を検索して、進入リンクとして設定されているリンクのリンク旅行時間402を取得する。そして、取得したリンク旅行時間に、ステップS126にて特定した追加コストを追加した値をリンク旅行時間として算出する(ステップS127)。
【0162】
次に、渋滞情報出力部105は、ステップS127にて算出した進入リンクの旅行時間は所定の閾値(例えば、リンクテーブル200のリンク旅行時間225の2倍の値)を超過しているか否かを判定する(ステップS128)。
【0163】
進入リンクの旅行時間が所定の閾値を超過していない場合(ステップS128で「No」)、渋滞情報出力部105は、後述するステップS130を処理する。
【0164】
進入リンクの旅行時間が所定の閾値を超過する場合(ステップS128で「Yes」)、渋滞情報出力部105は、後述する表示補正処理により、進入リンクとして設定されているリンクを渋滞表示する(ステップS129)。
【0165】
具体的には、渋滞情報出力部105は、表示補正処理を実施して、表示補正処理の結果、渋滞表示すべきであれば進入リンクとして設定されているリンクを強調して表示する(例えば、赤色等に着色する)よう出力処理部107に指示する。
【0166】
次に、渋滞情報出力部105は、経路に設定された次のリンクを進入リンクとして選択し、ステップS124に処理を戻す(ステップS130)。
【0167】
具体的には、渋滞情報出力部105は、経路情報上、進入リンクとして設定されているリンクの次に通過するリンクを特定し、特定したリンクを進入リンクに設定してステップS124に処理を戻す。
【0168】
以上が、渋滞情報出力処理の処理フローである。
【0169】
次に、渋滞情報出力処理のステップS129において実施される表示補正処理について説明する。
【0170】
図14は、表示補正処理の処理フローを示す図である。
【0171】
まず、渋滞情報出力部105は、ナビゲーション装置100を搭載した車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによって、ステップS125にて推奨経路に応じて特定された脱出リンクへ到達するか否かを判定する(ステップS201)。
【0172】
例えば、渋滞情報出力部105は、進入リンクの終了ノードを開始ノードとするリンクのうち、最も左側にあるリンクが脱出リンクである場合等に、ナビゲーション装置100を搭載した車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによって脱出リンクへ到達すると判定する。
【0173】
なお、ステップS201では、車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによって脱出リンクへ到達するか否かを判定することとしているため、交差点の形状とは無関係である。例えば、交差点を左折して脱出リンクへ到達する場合、交差点を直進して脱出リンクへ到達する場合、または左折道路がなく右方向へカーブする交差点を道なりに直進する場合等の交差点の形状と関係なく判定する。
【0174】
車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによっては脱出リンクへ到達しない場合には(ステップS201にて「No」)、渋滞情報出力部105は、後述するステップS203を実施する。
【0175】
車両が進入リンクの最も左側の車線を走行することによって脱出リンクへ到達する場合には(ステップS201にて「Yes」)、渋滞情報出力部105は、ステップS123にて設定した進入リンクの分岐手前の所定区間の左側車線が渋滞しているか否かを判定する(ステップS202)。
【0176】
具体的には、渋滞情報出力部105は、ステップS121にて受信した各リンクの所定の区間についての左側車線の車両の密度の情報から、進入リンクの特定の区間についての左側車線の車両密度の情報を取得し、所定の閾値以上、例えば10台/100m以上であるか否かにより渋滞であるか順調であるかを判定する。
【0177】
または、渋滞情報出力部105は、受信した車両の渋滞度や車速が所定の閾値以上であるか否かにより渋滞であるか順調であるかを判定してもよい。
【0178】
渋滞であれば(ステップS202において「Yes」)、渋滞情報出力部105は、当該進入リンクが渋滞であるとして表示する旨を決定する(ステップS203)。
【0179】
渋滞でなければ(ステップS202において「No」)、渋滞情報出力部105は、当該進入リンクが渋滞でないものとして、すなわち順調として表示する旨を決定する(ステップS204)。
【0180】
以上が、表示補正処理である。
【0181】
表示補正処理を実施することで、統計交通情報に基づくと渋滞であると表示されるべき分岐の手前のリンクであっても、路側機160により検知された情報に基づくと、分岐の手前の所定の区間の左側車線が順調なのであれば、順調であると表示することが可能となる。
【0182】
図15は、渋滞情報出力処理により出力される画面を簡略化して表示した図である。
【0183】
図15(a)は、自車1400がリンク1401を走行し、分岐ノード1402にて脱出リンク1403を走行するという経路が設定されている場合に、進入リンクであるリンク1401が渋滞を示す赤いマーク1405で強調表示される例を示すものである。
【0184】
図15(b)は、自車1400がリンク1401を走行し、分岐ノード1402にて脱出リンク1404を走行するという経路が設定されている場合に、進入リンクであるリンク1401が通常表示される例を示すものである。
【0185】
図15(c)は、従来技術による表示である。進入リンクであるリンク1401が脱出リンクとは無関係に通常表示される例を示すものである。
【0186】
ここで、図15に示すリンク1401のリンク識別子をaとし、リンク1403のリンク識別子をbとし、リンク1404のリンク識別子をcとする。
【0187】
すると、図15(a)のリンク1401は、統計交通情報テーブル400の情報によると、リンク識別子401が「a」である場合には、リンク旅行時間が「7(秒)」と算出される。コストテーブル500の情報によると、リンク「a」を進入リンクとしてリンク「b」を脱出リンクとする場合の進入リンクへの追加コストは「8(秒)」となる。
【0188】
そのため、リンク1401のリンク旅行時間は「7+8=15(秒)」と算出される。
【0189】
リンクaのリンク旅行時間が、リンクテーブル200のリンク旅行時間225上「7」秒である場合には、渋滞表示を行う閾値は「7×2=14(秒)」となり、リンク1401の旅行時間は閾値を超過することになる。そのため、リンク「a」についての、分岐ノード1402の手前100メートルの左側車線が「渋滞」である旨の情報を路側機から得られた場合には、渋滞を示す赤いマーク1405がリンク1401に表示される。
【0190】
なお、リンク1403の旅行時間は、統計交通情報テーブル400のリンク識別子401が「b」であるリンク旅行時間402は「10(秒)」であるため、「10(秒)」と算出される。
【0191】
つまり、図15(a)のようにリンク1401を走行しリンク1403を走行し終えるのにかかる時間は、「15(リンク1401の旅行時間)+10(リンク1403の走行時間)=25(秒)」となる。
【0192】
また、図15(b)の場合には、リンク1401は、統計交通情報テーブル400の情報によると、リンク識別子401が「a」である場合には、リンク旅行時間が「7(秒)」と算出される。コストテーブル500の情報によると、リンク「a」を進入リンクとしてリンク「c」を脱出リンクとする場合の進入リンクへの追加コストは「0(秒)」となる。
【0193】
そのため、リンク1401のリンク旅行時間は「7+0=7(秒)」と算出される。
【0194】
リンクaのリンク旅行時間が、リンクテーブル200のリンク旅行時間225上「7」秒である場合には、渋滞表示を行う閾値は「7×2=14(秒)」となり、リンク1401の旅行時間は閾値を超過しない。そのため、渋滞を示す赤いマーク1405はリンク1401には表示されない。
【0195】
なお、リンク1404の旅行時間は、統計交通情報テーブル400のリンク識別子401が「c」であり、リンク旅行時間402は「8(秒)」であるため、「8(秒)」と算出される。
【0196】
つまり、図15(b)のようにリンク1401を走行しリンク1404を走行し終えるのにかかる時間は、「7(リンク1301の旅行時間)+8(リンク1304の走行時間)=15(秒)」となる。
【0197】
従来技術による表示である図15(c)の場合には、リンク1401は、脱出リンクにかかわらず、リンク識別子401が「a」である場合には、リンク旅行時間が15秒と7秒の相加平均となる「11(秒)」と算出される。
【0198】
そのため、リンク1401のリンク旅行時間は「11(秒)」と算出される。
【0199】
リンクaのリンク旅行時間が、リンクテーブル200のリンク旅行時間225上「7」秒である場合には、渋滞表示を行う閾値は「7×2=14(秒)」となり、リンク1401の旅行時間は閾値を超過しない。そのため、渋滞を示す赤いマーク1405はリンク1401には表示されない。
【0200】
なお、リンク1403の旅行時間は、リンク1401とリンク1403の旅行時間の合計である25秒からリンク1401の旅行時間である11秒を差し引いた「14(秒)」と算出される。
【0201】
また、リンク1404の旅行時間は、リンク1401とリンク1404の旅行時間の合計である15秒からリンク1401の旅行時間である11秒を差し引いた「4(秒)」と算出される。
【0202】
つまり、図15(c)の従来例では、渋滞表示が適切になされないのに対し、図14(a)(b)に示す本発明によれば、実際の状況により近い渋滞表示を行うことが可能となる。
【0203】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0204】
本発明の一実施形態によると、経路に応じて、リンク旅行時間を変化させることができるため、たとえば、行き先によって渋滞度合いの異なる道路を通過するのにかかる時間を適切に算出することができるという効果を奏することができる。
【0205】
また、本発明の一実施形態においては、道路を渋滞表示しようとする際に、路側機160によって収集された情報に基づいて、その手前にある道路の所定の車線の所定の区間(例えば分岐の手前100メートル)が渋滞していると判定される場合には、渋滞している旨の表示を行う。ただし、手前にある道路の所定の車線の所定の区間が渋滞していない場合には、渋滞していない旨の表示を行う。
【0206】
このことは、例えば、運転者が、交差点から100メートル以上手前にある路側の人気店へ立ち寄る車両により引き起こされる道路の左側車線の渋滞を、交差点を左折する車両により引き起こされている渋滞であると誤解してしまい、無用な渋滞に巻き込まれてしまうという事態を避けることを可能とする。
【0207】
一般に、運転者は、自車の前方にある渋滞の原因が交差点を左折する車両によるものであるのか、それとも交差点の手前にある路側の人気店に入りきれずに道路まで延びた車両の列によるものであるのか、を事前に知ることは難しい。そのため、運転者は、交差点で左折できなくなるリスクを避けて走行する結果、本来参加する必要のない渋滞に参加してしまう場合がある。
【0208】
本発明の一実施形態によると、統計交通情報に基づくと交差点の手前の道路が渋滞を示すものであったとしても、交差点の手前の所定の区間の左側車線が渋滞していない場合には、その道路の渋滞は渋滞として表示されない。そのため、運転者は右側車線を走行することで渋滞を回避して速やかに交差点に進入することが可能となる。
【0209】
具体的な実施例を図16と図17とに示す。
【0210】
図16(a)は、交差点付近の実際の車両の配置を示す図である。
【0211】
図16(b)は、図16(a)の状態におけるナビゲーション装置100の表示画面を示す図である。
【0212】
交差点1500に向かって進行する自車1501が走行する道路は、車線境界線1502により左側車線1503と右側車線1504とにより構成される。
【0213】
交差点1500の自車1501側の手前100mの道路の左側車線の区域1505を測定する路側機1506と、人気施設1507と、が左側車線1503に接して存在する。
【0214】
自車1501の前方は、先行する車列1508により混雑している。
【0215】
また、自車1501は、交差点1500にて、分岐する道路1509に向かう経路が案内されている。
【0216】
図16(a)においては、車列1508は、分岐する道路1509に向かう車両により構成されている。すなわち、自車1501は、車列1508の最後尾に並ぶべき状況である。
【0217】
この場合、本発明の実施形態によると、路側機1506により区域1505の車両の密度が測定された結果、渋滞していると判定される(図14の表示補正処理のステップS202において「Yes」)ため、図14の表示補正処理のステップS203が実施され図16(b)に示す画面がナビゲーション装置100に表示される。
【0218】
図16(b)は、渋滞情報出力処理により出力される画面を簡略化して表示した図である。
【0219】
図16(b)は、自車1550がリンク1551を走行し、分岐ノード1552にて脱出リンク1553を走行するという経路が設定されている場合に、進入リンクであるリンク1551が渋滞を示す赤いマーク1555で強調表示され、メッセージ表示欄1556に「分岐まで続く渋滞です。左車線走行を維持してください。」との旨のメッセージが表示されることを示す。
【0220】
運転者は、赤いマーク1555が表示されたことと、メッセージ表示欄1556とを視認することで、先行する車列1508は分岐ノード1552まで続く渋滞によるものであることがわかり、車列1508の最後尾に並ぶべきであると判断できる。
【0221】
図17(a)は、交差点付近の実際の車両の配置を示す図である。
【0222】
図17(b)は、図17(a)の状態におけるナビゲーション装置100の表示画面を示す図である。
【0223】
交差点1500に向かって進行する自車1501が走行する道路は、車線1502により左側車線1503と右側車線1504とにより構成される。
【0224】
交差点1500の自車1501側の手前100mの道路の左側車線の区域1505を測定する路側機1506と、人気施設1507と、が左側車線1503に接して存在する。
【0225】
自車1501の前方は、先行する車列1508により混雑している。
【0226】
また、自車1501は、交差点1500にて、分岐する道路1509に向かう経路が案内されている。
【0227】
図17(a)においては、車列1508は、分岐する道路1509に向かう車両ではなく、交差点の手前にある人気施設1507に入ろうとする車両により構成されている。路側機1506は、区域1505に車両が無いことを測定している。すなわち、自車1501は、車列1508の最後尾に並ぶ必要はないという状況である。
【0228】
この場合、本発明の実施形態によると、路側機1506により区域1505の車両の密度が測定された結果、渋滞していないと判定される(図14の表示補正処理のステップS202において「No」)ため、図14の表示補正処理のステップS204が実施され図17(b)に示す画面がナビゲーション装置100に表示される。
【0229】
図17(b)は、渋滞情報出力処理により出力される画面を簡略化して表示した図である。
【0230】
図17(b)は、自車1550がリンク1551を走行し、分岐ノード1552にて脱出リンク1553を走行するという経路が設定されている場合に、進入リンクであるリンク1551が通常表示され、メッセージ表示欄1556に「分岐手前は渋滞していません。右車線を走行可能です。」との旨のメッセージが表示されることを示す。
【0231】
運転者は、リンク1551が通常表示されたことと、メッセージ表示欄1556とを視認することで、先行する車列1508は自車が走行する経路が渋滞しているために混雑しているわけではないことがわかり、車列1508に並ぶ必要はないと判断できる。
【0232】
また、左側走行ではなく右側走行を義務付ける交通法規が適用される国等においては、上記実施形態は左右を逆にして適用するものとする。
【0233】
例えば、路側機160は道路の右側車線を測定範囲とし、表示補正処理のステップS201においては、車両が進入リンクの右側車線を走行することで脱出リンクに到着するか否かを判定する。また、ステップS202においては、進入リンクの分岐手前の右側車線が渋滞しているか否かを判定する。
【0234】
本発明は、上記実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0235】
例えば、上記実施形態では、渋滞であることを判定するためにリンク旅行時間を基準にして閾値を設け、閾値を超過すると渋滞であると判定しているが、これに限らない。
【0236】
すなわち、例えば、リンクテーブル200のリンク長204をリンク旅行時間で割ることで速度を算出し、その速度が所定の速度(例えば、5km/時)を下回る場合には渋滞として判定するようにしてもよい。
【0237】
このようにすることで、渋滞情報を表示する基準を標準の基準に合わせることができる。
【0238】
また、図13に示す渋滞情報出力処理においては、ステップS121、ステップS122で統計交通情報を受信してからステップS123以降の処理を開始しているが、これに限らない。
【0239】
すなわち、例えば、ステップS121と、ステップS122からは独立したタイミングでステップS123〜ステップS130の処理を実施するようにしてもよい。
【0240】
このようにすることで、統計交通情報の配信スケジュールと関係なく渋滞情報出力を行うことができるようになり、交通情報提供システム1000の運用を柔軟に行うことが可能となる。
【0241】
また、上記表示補正処理のステップS204にて、渋滞情報出力部105は順調である旨を表示するとしているが、これに限られない。すなわち、自車から所定距離(例えば1km)内に交差点が近づいたと判定すると、前方の交差点付近は渋滞していない旨を表示するようにしてもよい。
【0242】
このようにすることで、より的確に運転者を誘導することができる。
【0243】
また、自車から所定距離(例えば1km)内に交差点が近づいたと判定すると、左側車線の渋滞に並ぶ必要がない旨を音声等により案内するようにしてもよい。
【0244】
このようにすることで、より的確に運転者の注意を喚起し、誘導することができる。
【0245】
以上が、変形の例である。
【0246】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0247】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・走行情報送信部、103・・・統計交通情報受信部、104・・・統計交通情報更新部、105・・・渋滞情報出力部、106・・・入力受付部、107・・・出力処理部、110・・・交通情報提供装置、111・・・入力装置、112・・・出力装置、113・・・通信装置、114・・・演算装置、115・・・主記憶装置、116・・・外部記憶装置、117・・・バス、120・・・記憶部、130・・・制御部、140・・・送受信部、150・・・ネットワーク、160・・・路側機、1000・・・交通情報提供システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通情報を用いて渋滞情報を表示するナビゲーション装置であって、
分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信手段と、
前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定手段と、
前記渋滞度判定手段により分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路を通行するのにかかる通行時間を含み、
前記受信手段により受信された通行時間に基づいて、前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示すか否かを判定する渋滞判定手段を備える、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記渋滞判定手段は、前記受信手段により受信された前記通行時間が所定の時間を超過する場合に渋滞していると判定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記渋滞報知手段は、前記分岐の手前の道路の前記車両の渋滞度が所定の閾値を超えない場合には、さらに、前記分岐の手前の道路の車列に加わる必要がない旨を報知する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記渋滞報知手段は、前記分岐の手前の道路の前記車両の渋滞度が所定の閾値を超えない場合には、さらに、前記分岐の付近は渋滞していないことを報知する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5に記載のナビゲーション装置であって、
前記車両の渋滞度に関する前記所定の区間は、前記分岐から手前側の所定の距離内であって、かつ、前記分岐の手前の道路の交通情報が示す区間の一部である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記車両の渋滞度に関する前記所定の区間は、前記分岐から手前側の所定の距離内の左側車線区間である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記車両の渋滞度に関する情報は、車両の密度である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
交通情報を提示するサーバ装置であって、
分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信手段、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のサーバ装置であって、
前記分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路を通行するのにかかる通行時間を含む、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載のサーバ装置であって、さらに、
道路の所定の区間に存在する車両の台数を測定して送信する路側機から送信される車両の台数に関する情報と、前記所定の区間の距離と、を受信する受信手段と、
前記車両の台数に関する情報と、前記所定の区間の距離と、に基づいて前記道路の所定の区間に存在する車両の渋滞度に関する情報を算出する車両渋滞度算出手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
交通情報を提示する交通情報システムであって、
交通情報を提示するサーバ装置と、
交通情報を用いて渋滞情報を報知するナビゲーション装置と、を備え、
前記サーバ装置は、
分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信手段を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記交通情報と、前記車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信手段と、
前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定手段と、
前記渋滞度判定手段により分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知手段と、を備える、
ことを特徴とする交通情報システム。
【請求項13】
交通情報を提示する交通情報提示方法であって、
交通情報を提供するサーバ装置は、
分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信ステップを実施し、
前記ナビゲーション装置は、
前記交通情報と、前記車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信ステップと、
前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定ステップと、
前記渋滞度判定ステップにより分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知ステップと、
を実施することを特徴とする交通情報提示方法。
【請求項1】
交通情報を用いて渋滞情報を表示するナビゲーション装置であって、
分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信手段と、
前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定手段と、
前記渋滞度判定手段により分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路を通行するのにかかる通行時間を含み、
前記受信手段により受信された通行時間に基づいて、前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示すか否かを判定する渋滞判定手段を備える、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記渋滞判定手段は、前記受信手段により受信された前記通行時間が所定の時間を超過する場合に渋滞していると判定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記渋滞報知手段は、前記分岐の手前の道路の前記車両の渋滞度が所定の閾値を超えない場合には、さらに、前記分岐の手前の道路の車列に加わる必要がない旨を報知する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記渋滞報知手段は、前記分岐の手前の道路の前記車両の渋滞度が所定の閾値を超えない場合には、さらに、前記分岐の付近は渋滞していないことを報知する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5に記載のナビゲーション装置であって、
前記車両の渋滞度に関する前記所定の区間は、前記分岐から手前側の所定の距離内であって、かつ、前記分岐の手前の道路の交通情報が示す区間の一部である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記車両の渋滞度に関する前記所定の区間は、前記分岐から手前側の所定の距離内の左側車線区間である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記車両の渋滞度に関する情報は、車両の密度である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
交通情報を提示するサーバ装置であって、
分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信手段、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のサーバ装置であって、
前記分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報は、分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路を通行するのにかかる通行時間を含む、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載のサーバ装置であって、さらに、
道路の所定の区間に存在する車両の台数を測定して送信する路側機から送信される車両の台数に関する情報と、前記所定の区間の距離と、を受信する受信手段と、
前記車両の台数に関する情報と、前記所定の区間の距離と、に基づいて前記道路の所定の区間に存在する車両の渋滞度に関する情報を算出する車両渋滞度算出手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
交通情報を提示する交通情報システムであって、
交通情報を提示するサーバ装置と、
交通情報を用いて渋滞情報を報知するナビゲーション装置と、を備え、
前記サーバ装置は、
分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信手段を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記交通情報と、前記車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信手段と、
前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定手段と、
前記渋滞度判定手段により分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知手段と、を備える、
ことを特徴とする交通情報システム。
【請求項13】
交通情報を提示する交通情報提示方法であって、
交通情報を提供するサーバ装置は、
分岐先の道路に応じた分岐の手前の道路が渋滞しているか否かに関する情報を含む交通情報と、前記分岐の手前の道路のうち前記分岐から手前の所定の区間における車両の渋滞度に関する情報と、を送信する送信ステップを実施し、
前記ナビゲーション装置は、
前記交通情報と、前記車両の渋滞度に関する情報と、を受信する受信ステップと、
前記交通情報が前記分岐の手前の道路が渋滞していることを示す場合に、当該分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えるか否かを判定する渋滞度判定ステップと、
前記渋滞度判定ステップにより分岐の手前の道路の車両の渋滞度が所定の閾値を超えないと判定された場合には、前記分岐の手前の道路は渋滞していない旨を報知する渋滞報知ステップと、
を実施することを特徴とする交通情報提示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−94983(P2011−94983A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246268(P2009−246268)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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