説明

ナビゲーション装置、及びナビゲーションプログラム

【課題】連続する音声案内の有用性を向上させることができるようにする。
【解決手段】ナビゲーション装置100が、音声案内の使用条件を示す音声案内使用条件と、音声案内の出力時機を示す音声案内出力時機条件とを含む音声案内情報を記憶する音声案内情報記憶部22を備え、目的地までの移動体の推奨移動経路を探索し、探索した推奨移動経路を示す推奨移動経路情報と音声案内情報とに基づいて、推奨移動経路上を移動するための音声案内を行い、推奨移動経路情報と音声案内情報とに基づいて、推奨移動経路上における音声案内の出力位置及び内容を事前に特定し、特定した音声案内の出力位置及び内容に基づいて、推奨移動経路において所定距離または所定時間内に所定回数以上音声案内が出力される音声案内連続領域を事前に特定し、特定した音声案内連続領域に進入する際に、その旨の注意を移動体のユーザに対して喚起するための音声案内注意喚起処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動経路を案内するナビゲーション装置、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両や人間などの移動体の目的地への到達を支援するためのシステムとして、ナビゲーションシステムが知られている。このナビゲーションシステムは、例えば、GPS(Global Positioning System)によって移動体の現在位置を導出し、この移動体の現在位置情報と道路地図情報とを基に経路探索処理によって推奨移動経路を求め、この推奨移動経路に基づいて移動経路の自動案内(以下、「経路誘導」という。)を行う。
【0003】
一般的なナビゲーションシステムを備えたナビゲーション装置には、経路の分岐点や複数の経路の合流点、および交差点など(以下、これらを合わせて「分岐合流点」と呼ぶ。)における走行経路の案内などを行う際に音声を出力するものがある。
【0004】
このようなナビゲーション装置には、例えば、自動音声案内を、音声案内に先駆けて注意音が出力される構成としたものなどがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−068385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなナビゲーション装置では、複数の音声案内が矢継ぎ早になされると、音声案内が始まることを認識しているユーザであっても困惑させてしまう場合があるといった問題があった。
【0007】
また、音声案内が連続的に行われるような場合に、何度も注意音を出力してしまうことによりユーザに煩わしさを感じさせてしまう場合があるという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した問題を解決すべく、連続する音声案内の有用性を向上させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のナビゲーション装置は、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、音声案内の内容を示す音声データと、音声案内の使用条件を示す音声案内使用条件と、音声案内の出力時機を示す音声案内出力時機条件とを含む音声案内情報を記憶する音声案内情報記憶手段と、前記目的地までの移動体の推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索手段と、該推奨移動経路探索手段により探索された推奨移動経路を示す推奨移動経路情報と前記音声案内情報とに基づいて、前記推奨移動経路上を移動するための音声案内を行う音声案内手段と、前記推奨移動経路情報と前記音声案内情報とに基づいて、前記推奨移動経路上における音声案内の出力位置及び内容を事前に特定する音声案内事前特定手段と、該音声案内事前特定手段によって特定された音声案内の出力位置及び内容に基づいて、前記推奨移動経路において所定距離または所定時間内に所定回数以上音声案内が出力される音声案内連続領域を事前に特定する音声案内連続領域事前特定手段と、前記音声案内連続領域事前特定手段により特定された音声案内連続領域に進入する際に、その旨の注意を前記移動体のユーザに対して喚起するための音声案内注意喚起処理を実行する音声案内注意喚起手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
上記の構成としたことで、連続する音声案内の有用性を向上させることができるようになる。
【0011】
移動体の現在位置を特定する現在位置特定手段を含み、前記音声案内事前特定手段は、前記音声案内出力時機条件に基づいて前記音声案内の出力位置を特定し、前記音声案内連続領域事前特定手段は、前記音声案内の出力位置と前記移動体の現在位置とに基づいて、前記移動体が前記推奨移動経路上を移動した場合に最初に到達することとなる音声案内連続領域を特定する構成とされていてもよい。
【0012】
交通規制情報を含む道路に関する情報である道路情報を取得する道路情報取得手段を含み、前記推奨移動経路探索手段は、前記移動体の現在位置と前記道路情報とに基づいて前記推奨移動経路を探索する構成とされていてもよい。
【0013】
前記音声案内連続領域の構成に応じた音声案内注意喚起処理の内容を示す音声案内注意喚起情報を記憶する音声案内注意喚起情報記憶手段を含み、前記音声案内注意喚起手段は、前記音声案内注意喚起情報記憶手段に記憶された音声案内注意喚起情報のうち、前記音声案内連続領域内に含まれる音声案内の出力位置に対応する音声案内情報の音声案内使用条件に基づいて音声案内連続領域の構成を特定する領域構成特定手段と、前記音声案内注意喚起情報記憶手段に記憶された音声案内注意喚起情報のうち、前記領域構成特定手段により特定された音声案内連続領域の構成に応じた音声案内注意喚起情報を選択する音声案内注意喚起情報選択手段と、該音声案内注意喚起情報選択手段により選択された音声案内注意喚起情報と対応する音声案内連続領域の位置とに基づいて、音声案内注意喚起処理を実行する位置である音声案内注意喚起位置を特定する音声案内注意喚起位置特定手段と、前記移動体の現在位置が前記音声案内注意喚起位置特定手段により特定された音声案内注意喚起位置であるか否かを判定する音声案内注意喚起実行判定手段とを有し、該音声案内注意喚起実行判定手段により前記移動体の現在位置が前記音声案内注意喚起位置であると判定された場合に、該音声案内注意喚起位置に応じた音声案内注意喚起処理を実行する構成とされていてもよい。
【0014】
前記音声案内注意喚起情報は、前記音声案内連続領域内に含まれる音声案内の出力位置の数に対応付けて音声案内注意喚起処理の内容を示し、前記領域構成特定手段は、前記音声案内連続領域内に含まれる音声案内の出力位置の数を特定し、前記音声案内注意喚起情報選択手段は、前記音声案内の出力位置の数に応じた音声案内注意喚起情報を選択する構成とされていてもよい。
【0015】
前記音声案内注意喚起手段は、前記音声案内連続領域に進入することを直接的または間接的に報知するため音声を出力することにより音声案内注意喚起処理を実行する構成とされていてもよい。
【0016】
前記音声案内連続領域事前特定手段は、複数の音声案内の出力位置それぞれにおいて、最も近い他の音声案内の出力位置までの道程が所定範囲以内である場合に、該複数の音声案内の出力位置を含む領域を音声案内連続領域として特定する構成とされていてもよい。
【0017】
また、本発明のナビゲーションプログラムは、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、前記ナビゲーション装置に、前記目的地までの移動体の推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索処理と、該推奨移動経路探索処理にて探索された推奨移動経路を示す推奨移動経路情報と音声案内の内容を示す音声データと、音声案内の使用条件を示す音声案内使用条件と、音声案内の出力時機を示す音声案内出力時機条件とを含む音声案内情報を記憶する音声案内情報記憶手段に記憶された音声案内情報とに基づいて、前記推奨移動経路上を移動するための音声案内を行う音声案内処理と、前記推奨移動経路情報と前記音声案内情報とに基づいて、前記推奨移動経路上における音声案内の出力位置及び内容を事前に特定する音声案内事前特定処理と、該音声案内事前特定処理にて特定された音声案内の出力位置及び内容に基づいて、前記推奨移動経路において所定距離または所定時間内に所定回数以上音声案内が出力される音声案内連続領域を事前に特定する音声案内連続領域事前特定処理と、前記音声案内連続領域事前特定処理にて特定された音声案内連続領域に進入する際に、その旨の注意を前記移動体のユーザに対して喚起するための音声案内注意喚起処理を実行する音声案内注意喚起処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、連続する音声案内の有用性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ナビゲーション装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】制御部と記憶部の構成の例を説明するための説明図である。
【図3】音声案内情報記憶部における音声案内情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】音声案内注意喚起情報記憶部における音声案内注意喚起情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】選択済音声案内注意喚起情報管理テーブルにおける選択済音声案内注意喚起情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図6】ナビゲーション装置が実行する経路誘導処理の例を示すフローチャートである。
【図7】選択済音声案内注意喚起情報管理テーブルに登録される選択済音声案内注意喚起情報の例について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置100の構成の例を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、PND(Portable
Navigation Device)や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成されるものである。本例においては、図1に示すように、ナビゲーション装置100は、制御部10と、記憶部20と、メモリ30と、表示部40と、センサ部50と、通信部60と、入力部70とを含む。以下、ナビゲーション装置100が移動体である車両に搭載されている場合について説明する。
【0022】
なお、図示しないが、ナビゲーション装置100は、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、OS(オペレーティング・システム)等を有する。
【0023】
制御部10は、例えばCPU(中央処理装置)により構成され、記憶部20に記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーション装置100に動作制御させるためのコンピュータプログラムであり、ナビゲーションプログラムを含む。)に従い、ナビゲーション装置100を構成する各要素を統括制御し、経路探索機能、経路誘導機能、サービス情報(ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル・旅館といった店舗情報や、有名な施設情報、行楽地情報といったPOI(Point Of Interest)情報)を検索する情報検索機能を含む各種の処理を実行するための各種の機能を有する。なお、これらの各種の機能は、一般のナビゲーション装置が備える公知の技術によって実現される。制御部10の構成については、後で詳しく説明する。
【0024】
記憶部20は、ROMやRAMなどで構成され、ナビゲーション装置100が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。また、記憶部20には、地図情報などナビゲーション装置として必要な各種情報を記憶する記憶媒体である。記憶部20の構成については、後で詳しく説明する。
【0025】
メモリ30は、制御部10が処理する各種情報を一時的に保持する記憶媒体であり、RAMなどの半導体記憶装置により構成される。
【0026】
出力部40は経路誘導に関する情報を出力する装置であり、例えば画像情報を表示する画像表示装置(ディスプレイ装置、モニタ)と、音声情報を音声出力する音声出力装置(スピーカ装置)とを含む。画像表示装置は、道路地図情報と車両の現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの推奨移動経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって道順などを報知する。
【0027】
また、音声出力装置は、各種音声情報に基づいて各種音声を出力することで、聴覚によって移動経路の道順(例えば、「100m先を右折」など)や、移動経路に関連する情報(例えば、道路名称や交通規制情報、付近のお奨め施設の紹介など)などを報知する。なお、音声出力装置を含む出力部40は、制御部10または経路誘導部13からの通知を受けて音声案内などを行う。
【0028】
センサ部50は、ナビゲーション装置100の現在位置(すなわち、ユーザの現在位置)を測位する機能を備えており、例えば、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、このGPS信号に基づいて位置を測定するGPSセンサや、初期位置から移動量(距離)を計測する速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサ等からなる。
【0029】
GPSセンサは、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の現在位置(GPS測位解)を算出する。
【0030】
また、センサ部50は、GPS信号を受信するGPS受信機(アンテナ)の他、受信したGPS信号のデコード等の処理を行い、制御部10に通知する機能を有する。
【0031】
通信部60は、インターネットなどの通信ネットワークに無線あるいは有線によって接続し、通信ネットワークに接続された管理サーバなどの外部の装置と情報の送受信を行うための機能を有する。
【0032】
入力部70は、制御部10に対する各種指示をユーザから受け付ける機能を備える。本例では、入力部70は、例えば、表示部40の表示画面上に表示される操作ボタンなどによって構成される。
【0033】
図2は、本例における制御部10と記憶部20の構成の例を説明するための説明図である。図2に示すように、制御部10は、経路探索部11と、自車位置特定部12と、経路誘導部13と、音声案内事前特定部14と、音声案内連続領域事前特定部15と、音声案内注意喚起実行部16とを含む。
【0034】
経路探索部11は、出発位置(例えば、車両の現在位置やユーザにより入力された位置)から目的地(例えば、ユーザにより入力された住所が示す位置)までの推奨移動経路を導出する経路探索処理を行う。経路探索処理では、例えば、入力部70を介して出発地(または、現在位置)と目的地とを示す情報の入力を受け付けて、受け付けた情報に基づいて、道路情報を参照して出発地から目的地までの推奨移動経路を導出するとともに、導出した推奨移動経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、経路探索処理に必要な情報、例えば現在位置の特定や移動経路周辺地図を生成するためなどに用いられる地図情報は、予め記憶部20に記憶されている構成としてもよいし、通信部60により外部の管理サーバなどから取得する構成としてもよい。
【0035】
自車位置特定部12は、車両の現在位置情報を特定する処理を行う。ここで、現在位置は、例えば緯度と経度により示される。自車位置特定部12は、例えば、センサ部50から通知される情報に基づいて現在位置を示す現在位置情報を特定する。
【0036】
経路誘導部13は、経路探索部11により探索された推奨移動経路を用いた一般的な経路誘導(ユーザの現在位置に応じた推奨移動経路を含む地図の表示や、音声案内など)を行うための処理を行う機能を有する。なお、本例においては、経路誘導部13は、経路探索部11により探索された推奨移動経路を示す推奨移動経路情報と後述する音声案内情報記憶部22に記憶された音声案内情報とに基づいて、誘導対象の車両が推奨移動経路上を移動するための音声案内を行う。音声案内情報に基づく音声案内については、車両の走行位置などに応じた音声案内を行う公知の方法を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0037】
音声案内事前特定部14は、推奨移動経路情報と音声案内情報とに基づいて、推奨移動経路上における音声案内の出力位置及び内容を事前に特定する。本例においては、音声案内事前特定部14は、音声案内情報が含む「音声案内使用条件」に基づいて音声案内を使用する位置と内容を特定する。すなわち、音声案内事前特定部14は、推奨移動経路上の音声案内使用条件を満たす位置に音声案内情報を対応付ける。また、音声案内事前特定部14は、「音声案内出力時機条件」に基づいて音声案内の出力位置を特定する。すなわち、ユーザが音声案内を聞いてから実際に音声案内の内容に従った運転を行えるように音声案内使用条件を満たす位置と出力時機との関係を調整できる構成としている。なお、音声案内使用条件と音声案内出力時機条件とが地図上の同じ位置を示す構成とされていてもよい。音声案内情報については後で詳しく説明する。
【0038】
なお、音声案内事前特定部14は、経路探索部11により導出された推奨移動経路に対応する音声案内情報のうち、既に音声案内が不要であるとみなせるもの(例えば、既に車両が通過した位置に対応する音声案内情報や、車両の走行速度と現在位置とから音声出力を行うのは不適切だと思われる位置に対応する音声案内情報など)については、音声案内の出力位置及び内容の特定を省略する構成としてもよい。この場合、判定条件を予め記憶部20に記憶しておく構成とすればよい。
【0039】
音声案内連続領域事前特定部15は、声案内事前特定部14によって特定された音声案内の出力位置及び内容に基づいて、推奨移動経路において所定距離または所定時間内に所定回数以上音声案内が出力される音声案内連続領域(または所定距離または所定時間内に所定回数以上音声案内を行うこととなる経路)を事前に特定する。本例においては、音声案内連続領域事前特定部15は、所定距離または所定時間内に所定回数以上音声案内が出力される領域であると判定するための条件(すなわち、音声案内連続領域を構成する条件)を満たす音声案内の出力位置の組み合わせを特定する。
【0040】
なお、音声案内連続領域を構成する条件としては、例えば「複数の音声案内出力位置それぞれにおいて、最も近い他の音声案内出力位置までの道程が所定範囲以内であること」や、「300m中に5つの音声案内出力位置があること」、「法定速度で走行した場合に5分間で6回音声出力することとなる位置にある音声案内出力位置の組み合わせであること」など、種々の内容が考えられる。なお、音声案内連続領域を構成する条件は、記憶部20に予め記憶されているものとする。また、音声案内連続領域の構成条件がユーザにより設定可能な構成としてもよい。また、音声案内連続領域を構成する条件が、後述する音声案内注意喚起情報記憶部23に音声案内注意喚起使用条件として予め記憶された構成としてもよい。
【0041】
音声案内注意喚起実行部16は、音声案内連続領域事前特定部15により特定された音声案内連続領域に進入する際に、その旨の注意を車両のユーザ(すなわち、ナビゲーション装置100のユーザ)に対して喚起するための音声案内注意喚起処理を実行する機能を有する。本例においては、音声案内注意喚起実行部16は、後述する音声案内注意喚起情報記憶部23に記憶された音声案内注意喚起情報のうち、音声案内連続領域の構成に応じた音声案内注意喚起情報を選択し、選択した音声案内注意喚起情報と対応する音声案内連続領域の位置とに基づいて、音声案内注意喚起処理を実行する位置である音声案内注意喚起位置を特定し、特定した音声案内注意喚起位置と車両の現在位置が一致(または、接近や通過など)したか否かを判定し、車両の現在位置が音声案内注意喚起位置であると判定した場合に、音声案内注意喚起位置に応じた音声案内注意喚起処理(例えば、出力部40に音声案内注意喚起音声を出力させるための処理)を実行する。
【0042】
また、本例において、記憶部20は、図2に示すように、道路地図情報記憶部21と、音声案内情報記憶部22と、音声案内注意喚起情報記憶部23と、選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル24とを含む。
【0043】
道路地図情報記憶部21は、一定の緯度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲(以下、「メッシュ」という。)に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。この地図情報は、道路地図情報記憶部21に記憶されるほか、例えばSDメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、CD−ROMやDVD−ROM等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。また、道路地図情報記憶部21は、道路情報として、道路をノードとリンクで表して管理し、各ノードとリンクに関して経路構成ノード情報と経路構成リンク情報とを記憶する記憶媒体である。すなわち、経路探索部11は、経路探索処理において必要な情報を道路地図情報記憶部21から取得することとなる。以下、適宜地図情報と道路情報とを合わせて「道路地図情報」と呼ぶ。
【0044】
なお、道路情報は、時期や車両の進行方向によって異なる内容となる場合がある。ここで、本例における道路情報には、各リンクの長さや通過時間を経路コストとして格納されている。また、道路情報は、複数の階層を持っており、本例においては近傍用(全ての道路を格納)、近距離用(細街路以外の道路を格納)、中距離用(県道以上の道路を格納)、遠距離用(高速道、国道を格納)が設定されている。この場合、例えば道路情報を構成するノードとリンクに階層情報を設定するようにすればよい。これにより、経路探索の条件によって経路探索の対象となる道路情報を使い分けることができる。すなわち、例えば現在位置から目的地までの距離が長距離である場合には、間に存在する道路情報の量が膨大になるため、遠距離用が設定された道路情報を用いて経路探索処理を行うことにより、経路探索部11の処理負荷を軽減させることができる。
【0045】
音声案内情報記憶部22は、音声案内に用いる音声案内情報を記憶する記憶媒体である。
【0046】
図3は、音声案内情報記憶部22における音声案内情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、本例における音声案内情報は、音声案内情報を一意に特定するための音声案内IDと、音声案内の内容を示す音声データと、音声案内使用条件と、音声案内出力時機条件とを含む。
【0047】
ここで、「音声案内使用条件」とは、音声案内の使用条件を示す情報である。本例においては、音声案内使用条件は、音声案内情報を推奨移動経路情報と対応付けする条件を示す。音声案内使用条件としては、例えば、「右折位置」、「左折位置」、「事故情報が設定された位置」などが含まれる。
【0048】
また、「音声案内出力時機条件」とは、音声案内情報が示す音声案内の出力時機を示す情報である。音声案内出力時機条件は、ユーザが事前に(すなわち、例えば音声案内に対応する位置を通り過ぎてしまう前に)音声案内を聴取できる条件を示すことが好ましい。音声案内出力時機条件としては、例えば「車両位置が対応ノードよりXm手前を通過」などが含まれる。なお、音声案内出力時機条件として、車両の平均速度や経路の法定速度などから音声案内の出力時機を特定する条件を含む構成としてもよい。
【0049】
音声案内注意喚起情報記憶部23は、ユーザに対する音声案内注意喚起の方法を示す音声案内注意喚起情報を記憶する記憶する記憶媒体である。音声案内注意喚起情報は、ナビゲーション装置100が、ユーザに対して種々の事象に対する注意を喚起する処理を実行するためのものであれば良い。本例においては、音声案内注意喚起情報が、音声案内連続領域の構成に応じた音声案内注意喚起処理の内容を示すものである場合について説明を行なう。
【0050】
図4は、音声案内注意喚起情報記憶部23における音声案内注意喚起情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、本例における音声案内注意喚起情報は、音声案内注意喚起情報を一意に特定するための音声案内注意喚起IDと、種類と、処理内容と、音声案内注意喚起使用条件と、音声案内注意喚起実行時機条件とを含む。
【0051】
ここで、音声案内注意喚起情報の「種類」としては、音声通知による音声案内注意喚起を示す「音声通知」のほか、ナビゲーション装置100の少なくとも一部を振動させることで注意を喚起する「振動通知」や、表示装置の表示画面に所定の画像を表示することで注意を喚起する「表示通知」など、種々の種類が考えられる。こうした構成は、例えばナビゲーション装置100の利用態様に応じて適宜選択されることが好ましい。すなわち、例えば、徒歩で移動するユーザに対しては、振動により通知する方が適切である場合も考えられる。以下、本例においては、「音声通知」による音声案内注意喚起を行う場合を例にして説明を行なう。
【0052】
また、「処理内容」とは、音声案内注意喚起のために実行する処理の内容を示す情報である。例えば、種類「音声案内」に対応する処理内容としては、「これより先、音声案内連続領域に進入します」や、「これからちょっと忙しいよ?頑張ってね♪」などといった音声案内を実行するための音声データなどが対応付けされているものとする。
【0053】
また、「音声案内注意喚起使用条件」とは、音声案内連続領域に対して音声案内注意喚起情報を使用する条件を示す情報である。音声案内注意喚起使用条件としては、例えば、「右折位置と左折位置とがそれぞれ1つ以上含まれること」や、「事故情報が設定された位置が含まれること」などが含まれる。
【0054】
また、「音声案内注意喚起実行時機条件」とは、音声案内注意喚起情報が示す音声案内注意喚起を実行する時機の条件を示す情報である。音声案内注意喚起実行時機条件は、音声案内連続領域に対する音声案内注意喚起の実行位置(音声案内注意喚起位置)が特定可能なものであればよい。本例においては、音声案内注意喚起実行時機条件として、「音声案内連続領域に対して50m手前の位置」などが含まれる。
【0055】
選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル24は、推奨移動経路情報に対応する音声案内注意喚起情報を含む選択済音声案内注意喚起情報を記憶する記憶媒体である。なお、音声案内注意喚起情報が音声以外の情報(例えば、振動や画像表示)を示す場合、音声を示す場合と同様に選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル24にて管理する構成としてもよいし、他のテーブルで管理する構成としてもよい。
【0056】
図5は、選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル24における選択済音声案内注意喚起情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、本例における選択済音声案内注意喚起情報は、音声案内連続領域番号と、音声案内連続領域構成内容と、音声案内注意喚起情報を一意に特定するための音声案内注意喚起IDと、音声案内注意喚起IDが示す音声案内注意喚起情報における処理内容と、音声案内注意喚起位置とを含む。
【0057】
ここで、「音声案内連続領域番号」とは、音声案内連続領域を構成する音声案内出力位置の組み合わせに対して付与される番号である。なお、本例においては、音声案内連続領域番号は、制御部10により音声案内連続領域毎に異なる番号が付与されるものとする。
【0058】
また、「音声案内連続領域構成内容」は、音声案内連続領域内に含まれる音声案内の出力位置に対応する音声案内情報の音声案内使用条件に基づいて特定される音声案内連続領域の構成を示す。本例においては、音声案内連続領域構成内容は、音声案内連続領域事前特定部15により特定される。
【0059】
また、「音声案内注意喚起位置」は、音声案内注意喚起処理を実行する位置である音声案内注意喚起位置を示す。本例においては、音声案内注意喚起位置は、音声案内注意喚起実行部16により、音声案内注意喚起情報と対応する音声案内連続領域の位置とに基づいて特定される。
【0060】
次に、本例のナビゲーション装置100の動作について図を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0061】
図6は、ナビゲーション装置100が実行する経路誘導処理の例を示すフローチャートである。経路誘導処理では、車両が推奨移動経路上を走行するように誘導するための音声案内と併せて、音声案内注意喚起情報に基づいた音声案内注意喚起を実行するための処理が行われる。
【0062】
本例における経路誘導処理は、例えば、制御部10が、ナビゲーション装置100のユーザAによる出発地と目的地の入力を受け付けて、経路探索部11による推奨移動経路の探索を開始したことにより開始される。
【0063】
経路誘導処理において、先ず、制御部10は、経路探索部11により、推奨移動経路を探索する(ステップS101)。なお、制御部10は、探索した推奨移動経路を示す推奨移動経路を記憶部20に記憶する。
【0064】
推奨移動経路を探索すると、制御部10は、経路誘導部13により、音声案内を含む経路誘導を開始する(ステップS102)。
【0065】
経路誘導を開始すると、制御部10は、音声案内事前特定部14により、探索した推奨移動経路に対応する音声案内情報を特定する(ステップS103)。なお、ここで特定する音声案内情報は推奨移動経路上における音声案内連続領域を特定するために用いるものであるが、経路誘導部13による音声案内のために利用する構成としてもよい。
【0066】
音声案内情報を特定すると、制御部10は、音声案内事前特定部14により、特定した音声案内情報に対応する音声案内出力位置を特定する(ステップS104)。
【0067】
音声案内出力位置を特定すると、制御部10は、音声案内連続領域事前特定部15により、特定した音声案内出力位置と音声案内の内容とに基づいて、音声案内連続領域を特定する(ステップS105)。
【0068】
図7は、このとき選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル24に登録される選択済音声案内注意喚起情報の例について説明するための説明図である。図7おいて、車両の現在位置Pと目的地Gとを結ぶ推奨移動経路を構成するノードであって音声案内情報が対応付けされたノードがノードN1,N2,N3である。本例においては、このノードN1,N2,N3に対し、各音声案内情報における音声案内出力時機条件に従って音声案内出力位置S1,S2,S3が特定されているとする。この場合、音声案内領域事前特定部14は、記憶部20に予め記憶された音声案内連続領域の構成条件に基づいて、音声案内連続領域を特定する。本例においては、図7(B)に示すように、音声案内出力位置S1,S2,S3を含む領域が音声案内連続領域SN1として特定される場合を例にして説明を行なうものとする。なお、このとき音声案内事前特定部14は、各ノードN1,N2,N3に対応する音声案内情報を音声案内連続領域の特定に参酌する構成としてもよい。以下、適宜図7を参照して説明を行なう。
【0069】
音声案内連続領域を特定すると、制御部10は、特定した音声連続領域の構成を特定する(ステップS106)。本例においては、制御部10は、音声案内連続領域に含まれる音声案内情報の音声案内使用条件を参照して、音声案内連続領域の構成内容を選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル24に登録する。
【0070】
音声案内連続領域の構成を特定すると、制御部10は、音声案内注意喚起実行部16により、音声案内注意喚起情報記憶部23を参照して、特定した音声連続領域の構成に応じた音声案内注意喚起情報を選択する(ステップS107)。なお、制御部10は、選択した音声案内注意喚起情報の音声案内注意喚起IDと処理内容とを選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル24に登録する(図5参照)。
【0071】
音声案内注意喚起情報を選択すると、制御部10は、音声案内注意喚起実行部16により、選択した音声案内注意喚起情報と音声案内連続領域の位置とに基づいて、音声案内注意喚起位置を特定する(ステップS108)。本例においては、音声案内注意喚起実行部16は、音声案内注意喚起情報における音声案内注意喚起実行時機条件に基づく音声案内注意喚起位置を特定し、選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル24に登録する。すなわち、例えば図7(B)に示すように、音声案内連続領域SN1に応じた音声案内注意喚起位置D1を特定し、音声案内注意喚起位置D1を示す座標を選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル24に登録する。なお、「音声案内連続領域の位置」とは、例えば「音声案内連続領域において車両の現在位置に最も近い座標」など、音声案内注意喚起実行時機条件により音声案内注意喚起位置を特定可能な位置であればよい。
【0072】
音声案内注意喚起位置を登録すると、制御部10は、車両の現在位置が音声案内注意喚起の実行位置と一致するか否かを判定する(ステップS109)。ここで、車両の現在位置が音声案内注意喚起位置と一致しないと判定すると(ステップS109のN)、制御部10は、所定の間隔(所定の経過時間や走行距離など)を空けて再度ステップS109の処理を実行する。
【0073】
一方、車両の現在位置が音声案内注意喚起位置と一致したと判定すると(ステップS109のY)、制御部10は、選択済音声案内注意喚起情報における処理内容に従って車両の現在位置に応じた音声案内注意喚起を実行する(ステップS110)。
【0074】
音声案内注意喚起を実行すると(すなわち、音声案内注意喚起情報における処理内容が示す処理を実行すると)、制御部10は、車両の現在位置から目的地までの推奨移動経路上に音声案内注意喚起位置があるか否か判定する(ステップS111)。ここで、車両の現在位置から目的地までの推奨移動経路上に音声案内注意喚起位置があると判定すると(ステップS111のY)、制御部10は、ステップS109の処理に移行する。
【0075】
一方、車両の現在位置から目的地までの推奨移動経路上に音声案内注意喚起位置がないと判定すると(ステップS111のN)、制御部10は、ここでの処理を終了する。
【0076】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、表示装置の表示画面における地図上に移動体(例えば、車両)の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置100が、音声案内の内容を示す音声データと、音声案内の使用条件を示す音声案内使用条件と、音声案内の出力時機を示す音声案内出力時機条件とを含む音声案内情報を記憶する音声案内情報記憶部22を備え、目的地までの移動体の推奨移動経路を探索し、探索した推奨移動経路を示す推奨移動経路情報と音声案内情報とに基づいて、推奨移動経路上を移動するための音声案内を行い、推奨移動経路情報と音声案内情報とに基づいて、推奨移動経路上における音声案内の出力位置及び内容を事前に特定し、特定した音声案内の出力位置及び内容に基づいて、推奨移動経路において所定距離または所定時間内に所定回数以上音声案内が出力される音声案内連続領域(すなわち、所定回数以上連続して音声案内が出力される領域)を事前に特定し、特定した音声案内連続領域に進入する際に、その旨の注意を移動体のユーザに対して喚起するための音声案内注意喚起処理(例えば、特定した音声案内連続領域の構成の特定、音声案内連続領域の構成に応じた音声案内注意喚起情報の選択、選択した音声案内注意喚起情報に対応する音声案内注意喚起位置の特定、車両の現在位置と音声案内注意喚起位置の一致判定、および音声案内注意喚起の実行に必要な処理)を実行する構成としているので、連続する音声案内の有用性を向上させることができるようになる。
【0077】
すなわち、ユーザに連続する音声案内に対する心構えをする機会を与えることにより、音声案内の有用性を高めることができるようになる。
【0078】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置100が、移動体(例えば、車両)の現在位置を特定し、音声案内出力時機条件に基づいて音声案内の出力位置を特定し、音声案内の出力位置と移動体の現在位置とに基づいて、移動体が推奨移動経路上を移動した場合に最初に到達することとなる音声案内連続領域を特定する構成としてもよい。このような構成とすることにより、音声案内注意喚起情報と音声案内注意喚起位置とを対応付ける対象とする音声案内連続領域が多数になることによる処理速度の低下を防止することができるようになる。なお、ナビゲーション装置100が、移動体の現在位置から近い位置に存在する音声案内連続領域から順に音声案内注意喚起情報と音声案内注意喚起位置とを対応付けしていく構成としてもよい。
【0079】
なお、上述した実施の形態では出発位置と目的地とに基づいて推奨移動経路を導出する場合について説明したが、ナビゲーション装置100が、交通規制情報を含む道路に関する情報である道路情報を取得し、移動体(例えば、車両)の現在位置と道路情報とに基づいて推奨移動経路を探索する構成としてもよい。このような構成とすることにより、推奨移動経路を導出していない場合であっても、連続する音声案内に対してユーザに注意を喚起することができるようになる。すなわち、例えば車両が一方通行の道路を走行している場合には、ナビゲーション装置100が、少なくとも一方通行が終わる位置までを移動体の推奨移動経路として導出することができるようになる。
【0080】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、音声案内連続領域の構成に応じた音声案内注意喚起処理の内容を示す音声案内注意喚起情報を記憶する音声案内注意喚起情報記憶部23を備え、音声案内注意喚起情報記憶部23に記憶された音声案内注意喚起情報のうち、音声案内連続領域内に含まれる音声案内の出力位置に対応する音声案内情報の音声案内使用条件に基づいて音声案内連続領域の構成を特定し、音声案内注意喚起情報記憶部23に記憶された音声案内注意喚起情報のうち、特定した音声案内連続領域の構成に応じた音声案内注意喚起情報を選択し、選択した音声案内注意喚起情報と対応する音声案内連続領域の位置とに基づいて、音声案内注意喚起処理を実行する位置である音声案内注意喚起位置を特定し、移動体の現在位置が特定した音声案内注意喚起位置であるか否かを判定し、移動体の現在位置が音声案内注意喚起位置であると判定された場合に、音声案内注意喚起位置に応じた音声案内注意喚起処理(例えば、音声案内注意喚起情報が示す処理内容を実行する処理)を実行する構成としているので、ユーザに対し、連続する音声案内の内容に応じた注意を喚起させることができるようになる。また、音声案内注意喚起の方法にバリエーションを持たせることができるようになる。
【0081】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、音声案内注意喚起情報が、音声案内連続領域内に含まれる音声案内の出力位置の数に対応付けて音声案内注意喚起処理の内容を示し、ナビゲーション装置100が、音声案内連続領域内に含まれる音声案内の出力位置の数を特定し、特定した音声案内の出力位置の数に応じた音声案内注意喚起情報を選択する構成としてもよい。このような構成とすることにより、音声案内注意喚起情報の選択が容易となる。なお、この場合、連続する音声案内の数自体をユーザに報知する構成としてもよい。
【0082】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、音声案内連続領域に進入することを直接的または間接的に報知するため音声を出力することにより音声案内注意喚起処理を実行する構成としているので、ユーザに心構えをする必要があることを容易に認識させることができるようになる。なお、例えば「これより先、音声案内連続領域に進入します」が直接的に、「これからちょっと忙しいよ?頑張ってね♪」が間接的に、移動体が音声案内連続領域に侵入することを報知するための音声であるといえる。
【0083】
また、音声案内注意喚起の方法として音声通知を行うことで、車両を運転中のユーザがナビゲーション装置の表示画面を視認する必要がなく、安全性を確保できる。なお、音声案内注意喚起情報における処理内容と音声案内注意喚起使用条件の組み合わせを適宜変更可能な構成とすることにより、ユーザの運手状況(例えば、移動速度など)に応じて、例えば、右左折が連続することに対する周囲への安全の気配りを促すことや、音声案内が短時間で連続することに対して「これから指示が連続します。スピードを控えめにし、周りの状況に注意してください。」といった警告を行えるようにして、ユーザに対して安全対策を効果的に促せる構成とされることが好ましい。
【0084】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置100が、複数の音声案内の出力位置それぞれにおいて、最も近い他の音声案内出力位置までの道程が所定範囲以内である場合に、複数の音声案内の出力位置を含む領域を音声案内連続領域として特定する構成としているので、音声案内が連続する位置を正確に特定することができるようになる。
【0085】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置100が、音声案内連続領域を特定する範囲を所定範囲に限定する構成としてもよい。すなわち、例えば移動体の現在位置を基準として、推奨移動経路上の走行距離や分岐点の数によって音声案内連続領域を特定する範囲を限定する構成としてもよい。このような構成とすることにより、移動体が推奨緯度経路上から外れてナビゲーション装置100が一般的なリルート処理を実行する場合などに、音声案内注意喚起情報の選択に要した処理負荷が無駄となることを防止できるようになる。なお、この場合、車両の平均走行速度などを用いて音声案内連続領域を特定する範囲を限定する構成としてもよい。
【0086】
なお、上述した実施の形態においては、移動体の移動経路を案内するナビゲーション装置について説明したが、本発明に関して、「経路」を例えば「作業手順」と捉えることにより、案内が連続することを報知するための機器(例えば、料理の作成手順を報知する機器など)であればカーナビ以外にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、車両の進路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、音声出力が可能なカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【0088】
10 制御部
11 経路探索部
12 自車位置特定部
13 経路誘導部
14 音声案内事前特定部
15 音声案内連続領域事前特定部
16 音声案内注意喚起実行部
20 記憶部
21 道路地図情報記憶部
22 音声案内情報記憶部
23 音声案内注意喚起情報記憶部
24 選択済音声案内注意喚起情報管理テーブル
30 メモリ
40 出力部
50 センサ部
60 通信部
70 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、
音声案内の内容を示す音声データと、音声案内の使用条件を示す音声案内使用条件と、音声案内の出力時機を示す音声案内出力時機条件とを含む音声案内情報を記憶する音声案内情報記憶手段と、
前記目的地までの移動体の推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索手段と、
該推奨移動経路探索手段により探索された推奨移動経路を示す推奨移動経路情報と前記音声案内情報とに基づいて、前記推奨移動経路上を移動するための音声案内を行う音声案内手段と、
前記推奨移動経路情報と前記音声案内情報とに基づいて、前記推奨移動経路上における音声案内の出力位置及び内容を事前に特定する音声案内事前特定手段と、
該音声案内事前特定手段によって特定された音声案内の出力位置及び内容に基づいて、前記推奨移動経路において所定距離または所定時間内に所定回数以上音声案内が出力される音声案内連続領域を事前に特定する音声案内連続領域事前特定手段と、
前記音声案内連続領域事前特定手段により特定された音声案内連続領域に進入する際に、その旨の注意を前記移動体のユーザに対して喚起するための音声案内注意喚起処理を実行する音声案内注意喚起手段とを含む
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するようにナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムであって、
前記ナビゲーション装置に、
前記目的地までの移動体の推奨移動経路を探索する推奨移動経路探索処理と、
該推奨移動経路探索処理にて探索された推奨移動経路を示す推奨移動経路情報と音声案内の内容を示す音声データと、音声案内の使用条件を示す音声案内使用条件と、音声案内の出力時機を示す音声案内出力時機条件とを含む音声案内情報を記憶する音声案内情報記憶手段に記憶された音声案内情報とに基づいて、前記推奨移動経路上を移動するための音声案内を行う音声案内処理と、
前記推奨移動経路情報と前記音声案内情報とに基づいて、前記推奨移動経路上における音声案内の出力位置及び内容を事前に特定する音声案内事前特定処理と、
該音声案内事前特定処理にて特定された音声案内の出力位置及び内容に基づいて、前記推奨移動経路において所定距離または所定時間内に所定回数以上音声案内が出力される音声案内連続領域を事前に特定する音声案内連続領域事前特定処理と、
前記音声案内連続領域事前特定処理にて特定された音声案内連続領域に進入する際に、その旨の注意を前記移動体のユーザに対して喚起するための音声案内注意喚起処理を実行する音声案内注意喚起処理とを
実行させるためのナビゲーションプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−68055(P2012−68055A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211040(P2010−211040)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】