説明

ナビゲーション装置およびナビゲーション装置に用いるプログラム

【課題】地図を表示する画像表示装置において、ユーザが見たい情報が地図中に表示されているか否かを、特別なセンサを必須とせず判定し、その判定結果に基づいて画像表示装置の消費電力を低減させる技術を提供することを目的とする。
する。
【解決手段】ナビゲーション制御装置1は、車両が走行中でかつ地図表示を行っている間は、フレームバッファ中の描画データの画素を対象とした輝度Yの度数分布を作成し、その度数分布において度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満であるという条件が満たされている間は、バックライトを消灯させるか通常よりも減光させ、また、階級の数が階級数閾値m以上の間は、バックライトを通常の明るさに制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置およびナビゲーション装置に用いるプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、省電力を目的として、画像表示装置の消費電力を一時的に低減させる技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の車両用ナビゲーション装置は、車室内カメラを使用してユーザが画面を見ていないことを識別したときに、LCDのバックライトを消灯させるようになっている。また、特許文献2の車両用ナビゲーション装置は、振動センサを用いて車両が停止しているか走行しているかを判別し、走行中にLCDのバックライトを消灯させるようになっている。また、特許文献3に記載のナビゲーション装置は、現在位置が経路案内を必要とする地点まで所定距離離れていること(すなわち、所定距離以上道なり走行であること)を判定したときに、画像表示装置への電源供給を遮断するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−292753号公報
【特許文献2】特開2006−171311号公報
【特許文献3】特開2008−008838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2の方法は、減光のタイミングを検出するためにカメラ、振動センサ等の外部センサを設けることが必須となるため、コストが増大してしまう恐れがある。また、特許文献3の方法も、現在位置を特定するためのセンサが必須になる。
【0006】
さらに、特許文献3の方法は、ユーザは案内地点に近づいたときにだけ画像表示装置を見ればよいという観点に立った方法であるが、ユーザは、案内地点に近づいていないときでも、地図表示を見たい場合がある。例えば道なり走行中、ユーザは、画面に表示されている地図中の施設名称等の情報を見たい場合もある。
【0007】
本発明は上記点に鑑み、地図を表示する画像表示装置において、ユーザが見たい情報が地図中に表示されているか否かを、特別なセンサを必須とせず判定し、その判定結果に基づいて画像表示装置の消費電力を低減させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、液晶ディスプレイ(2)に地図画像を表示させる地図表示制御装置であって、前記液晶ディスプレイ(2)に表示させるための地図画像の描画データを記憶する記憶媒体(19)と、演算部(18)と、を備え、
前記演算部(18)は、前記記憶媒体(19)中の描画データ中の画素を対象として、色空間を構成するチャネルの値の度数分布を作成し、その度数分布において、度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満であるという条件が満たされるか否かを判定する判定手段(120、125)と、前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされないと判定した場合、前記画像表示装置(2)のバックライト(22)の明るさを第1の明るさに制御し、また、前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされると判定した場合、前記バックライト(22)の明るさを前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさに制御する制御手段(110、130)と、を備えたことを特徴とする地図表示制御装置である。
【0009】
このようになっていることで、演算部(18)は、記憶媒体(19)の描画データ中の度数閾値nを超えるチャネル値の数が階級数閾値m未満ならば、地図画像中にユーザが見たいものが表示されている可能性が低いと判断してバックライト(22)通常よりも暗い第2の明るさに制御する。したがって、ユーザが見たい情報が地図中に表示されているか否かを、描画データのみに基づいて、特別なセンサを必須とせず判定することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、液晶ディスプレイ(2)に地図画像を表示させる地図表示制御装置であって、前記液晶ディスプレイ(2)に表示させるための地図画像の描画データを記憶する記憶媒体(19)と、演算部(18)と、を備え、前記演算部(18)は、前記記憶媒体(19)中の描画データ中の画素を対象として、色空間を構成するチャネルの値の分布のばらつき度が所定の閾値D未満であるという条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記条件が満たされないと判定した場合、前記画像表示装置(2)のバックライト(22)の明るさを第1の明るさに制御し、また、前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされると判定した場合、前記バックライト(22)の明るさを前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさに制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする地図表示制御装置である。
【0011】
このようになっていることで、演算部(18)は、記憶媒体(19)の描画データ中のチャネル値のばらつきが所定の閾値D未満ならば、地図画像中にユーザが見たいものが表示されている可能性が低いと判断してバックライト(22)を通常よりも暗い第2の明るさに制御する。したがって、ユーザが見たい情報が地図中に表示されているか否かを、描画データのみに基づいて、特別なセンサを必須とせず判定することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の地図表示制御装置において、前記演算部(18)は、前記バックライト(22)の明るさを前記第2の明るさに制御しているときに、前記チャネルの値の度数分布において、所定の指定値の度数が度数閾値E以上となった場合には、前記バックライト(22)を前記通常の明るさに戻すよう制御することを特徴とする。
【0013】
このようになっていれば、ユーザが地図表示に注目すべきタイミングで、当該指定値を満たすような色のアイコンを描画データ中の地図に重畳すれば、バックライト22を通常の明るさに戻すことができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、液晶ディスプレイ(2)に地図画像を表示させる地図表示制御装置に用いるプログラムであって、前記地図表示制御装置の演算部(18)を、前記液晶ディスプレイ(2)に表示させるための地図画像の描画データを生成して記憶媒体(19)に記録する記録手段(18a)、前記記憶媒体(19)中の描画データ中の画素を対象として、色空間を構成するチャネルの値の度数分布を作成し、その度数分布において、度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満であるという条件が満たされるか否かを判定する判定手段(120、125)、および前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされないと判定した場合、前記画像表示装置(2)のバックライト(22)の明るさを第1の明るさに制御し、また、前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされると判定した場合、前記バックライト(22)の明るさを前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさに制御する制御手段(110、130)として機能させることを特徴とするプログラムである。このように、請求項1に記載の発明は、プログラムとしても捉えることができる。
【0015】
また、請求項5において、液晶ディスプレイ(2)に地図画像を表示させる地図表示制御装置に用いるプログラムであって、前記地図表示制御装置の演算部(18)を、前記液晶ディスプレイ(2)に表示させるための地図画像の描画データを生成して記憶媒体(19)に記録する記録手段(18a)、前記記憶媒体(19)中の描画データ中の画素を対象として、色空間を構成するチャネルの値の分布のばらつき度が所定の閾値D未満であるという条件が満たされるか否かを判定する判定手段、および前記判定手段によって前記条件が満たされないと判定した場合、前記画像表示装置(2)のバックライト(22)の明るさを第1の明るさに制御し、また、前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされると判定した場合、前記バックライト(22)の明るさを前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさに制御する制御手段として機能させることを特徴とするプログラムである。このように、請求項2に記載の発明は、プログラムとしても捉えることができる。
【0016】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る車載ナビゲーションシステムの構成図である。
【図2】画像分析処理のフローチャートである。
【図3】フレームバッファ中の描画データの一例30と、その描画データ30に対応する輝度Yの度数分布を表すヒストグラムの図である。
【図4】建物34が画面内に入ったときの描画データ30とヒストグラムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車載ナビゲーションシステムの構成図を示す。この車載ナビゲーションシステムは、車両に搭載され、ナビゲーション制御装置1(地図表示制御装置)、液晶ディスプレイ2、GPS受信機3、車速センサ4等を備えている。
【0019】
液晶ディスプレイ2は、液晶パネル21およびバックライト22等から成る。液晶パネル21は、ナビゲーション制御装置1から液晶ディスプレイ2に出力された描画データに従った画像を表示する周知の板状の部材である。バックライト22は、液晶パネル21を背面から照らす光を発する光源であり、例えば、LED、冷陰極管等が用いられる。
【0020】
GPS受信機3は、GPS衛星から受信した信号に基づいて自機の現在位置を特定し、特定した現在位置を示す信号を出力する周知の装置である。車速センサ4は、車速に応じた車速パルス信号を出力する周知の装置である。
【0021】
ナビゲーション制御装置1は、車載ナビゲーションシステムの制御の中心となる装置であり、ジャイロセンサ11、インターフェース回路12、地図データ記憶媒体13、RAM14、バックライト駆動用電源15、電源制御IC16、およびCPU17等を備えている。
【0022】
ジャイロセンサ11は、車両の回転角速度を検出し、検出した回転角速度を示す信号を出力する装置である。インターフェース回路12には、GPS受信機3、車速センサ4、ジャイロセンサ11から出力された信号の入力を受け、これら受けた信号を、CPU17が扱うことのできる形式の信号に変換して出力する。なお、CPU17は、これらGPS受信機3、車速センサ4、ジャイロセンサ11から受けた信号に基づいて、車両の現在位置および向きを算出する。
【0023】
地図データ記憶媒体13は、地図データを記憶する記憶媒体(たとえば、CDメディア、DVDメディア、磁気記憶媒体等)である。地図データは、経路計算用データおよび地図表示用データを含んでいる。経路計算用データは、誘導経路を算出するためのノードデータ、リンクデータ等を含んでいる。
【0024】
地図表示用データは、道路表示用の道路データと、背景表示用の背景データと、名称表示用の名称データとを含んでいる。道路データは、道路毎に、その道路の表示範囲、道路種別(高速道路、高速道路以外の主要道、細街路等の別)、幅員等の情報を備えている。背景データは、背景毎にその背景の表示範囲、その背景の背景種別(水域、緑地、鉄道、建物、砂漠等の別)等の情報を含んでいる。名称データは、名称毎にその名称の表示位置、その名称が指し示す対象の種別(道路、水域、緑地、鉄道、建物、砂漠等の別)、その名称の文字列等の情報を含んでいる。なお、ここでいう緑地とは、田畑、森、山林等の領域に該当する。
【0025】
RAM14は、CPU17の作業用の記憶領域である。例えば、CPU17が地図データ記憶媒体13の地図データを利用する際には、このRAM14に地図データの一部を読み出して利用する。
【0026】
バックライト駆動用電源15は、車両に搭載されたバッテリから供給される電力をバックライト22に分配する装置である。このバックライト駆動用電源15は、CPU17からの制御により、単位時間当たりのバックライト22への供給電力量を変化させることができる。単位時間(例えば1秒)当たりの供給電力量を変化させる方法としては、例えば、バックライト22への印加電圧のPWM(Pulse Width Modulation)制御がある。単位時間当たりのバックライト22への供給電力量の増減に応じて、バックライト22の明るさも増減する。バックライト22の明るさの増減に応じて、液晶ディスプレイ2の表示の明るさも増減する。
【0027】
電源制御IC16は、CPU17の制御に従って、バックライト駆動用電源15の作動のオン、オフを切り替える装置である。作動がオンの間バックライト駆動用電源15は上述のような電力供給の作動を行い、作動がオフの間は、バックライト22への電力の供給を遮断する。
【0028】
CPU17は、演算部18、フレームバッファ19等を有している。フレームバッファ19は、液晶ディスプレイ2に出力するための描画データを一時的に記録するための記憶媒体である。CPU17は、フレームバッファ19に描画データが記録されると、その描画データを所定のタイミングで液晶ディスプレイ2に出力するようになっている。フレームバッファ19に描画データが記録されてから、その描画データに基づく表示を液晶ディスプレイ2が行うまでのタイムラグは、1/60秒よりも短いので、このタイムラグは人から見れば実質的にゼロである。
【0029】
本実施形態においては、このフレームバッファ19の内容に基づいて、バックライト駆動用電源15からバックライト22への単位時間当たりの電力供給量、または、電源制御IC16によるバックライト駆動用電源15のオン、オフを制御するようになっている。
【0030】
演算部18は、図示しないROM等の記憶媒体から読み出したプログラムに従って、ナビゲーションのための後述する各種演算処理および制御処理を行う装置である。
【0031】
例えば、図示しない操作部(メカニカルボタン、タッチパネル等)を用いてユーザが目的地を入力すると、演算部18は地図データ中の経路計算用データを用いて、車両の現在位置から当該目的地までの誘導経路を算出する。また、演算部18は、算出した誘導経路に沿った経路案内(右折指示、左折指示等)を行う。
【0032】
また、演算部18は、描画データ生成処理18aを実行する。描画データ生成処理18aは、液晶ディスプレイ2に表示させたい画像の描画データを繰り返し(例えば1/60秒間隔で)生成してフレームバッファ19に記録する処理である。例えば、液晶ディスプレイ2にメニュー表示を行わせる場合は、メニュー画像を生成してフレームバッファ19に記録し、液晶ディスプレイ2に地図表示を行わせる場合は、地図データ中の地図表示用データに基づいて地図の描画データを生成してフレームバッファ19に記録する。
【0033】
演算部18が地図の描画データを生成および記録する場合としては、ユーザが操作部に対して所定の地図表示操作を行った場合、演算部18が経路案内の処理を行っている場合等がある。表示する地図の範囲は、例えば、車両の現在位置の周辺である。
【0034】
この地図の描画データを生成する際、演算部18は、地図表示を行う領域(緯度、経度の範囲)の地図表示用データを地図データ記憶媒体13から読み出し、読み出した地図表示用データ中の道路データ、背景データ、および名称データに基づいて、道路、背景、および名称文字列を含む描画データを生成する。
【0035】
その際、道路の表示色は、道路データ中の当該道路の道路種別に基づいて決定する。例えば、異なる種別の道路には異なる表示色を割り当てる。また、背景の表示色は、背景データ中の当該背景の背景種別に基づいて決定する。例えば、異なる種別の背景には異なる表示色を割り当てる。また、名称の表示色は、名称データ中の当該名称が指し示す対象の種別に基づいて決定する。例えば、名称が指し示す対象の種別が異なれば割り当てる表示色も異なるようにする。
【0036】
なお、1つの道路種別の表示色の配色数は、2以下とする。例えば、高速道路の表示色としては、道路の左右端部および中央部を黒とし、それ以外の部分を青色とする。また、1つの背景種別の表示色の配色数は、1(すなわち単色)とする。例えば、緑地の表示色は、緑色とする。また、名称が指し示す対象の種別については、1つの種別に表示色の配色数は、1とする。例えば、指し示す対象の種別が水域となる名称の表示色は、黒色とする。
【0037】
また、演算部18は、地図の描画データを生成する際、地図以外の画像を描画データに含める場合がある。例えば、自車位置の周辺の地図の描画データを生成する際には、車両の現在位置に該当する部分に、自車位置マークを含める。この自車位置マークの配色数は、例えば1である。
【0038】
また、演算部18は、画像分析処理18bを実行する。画像分析処理18bは、フレームバッファ19に記録された地図の描画データの内容に従って、バックライト駆動用電源15または電源制御IC16の制御を行う処理である。図2に、この画像分析処理18bのフローチャートを示す。演算部18は、ナビゲーション制御装置1の作動中、この図2の画像分析処理18bを、所定間隔を空けて繰り返し実行する。例えば、図2の処理を1回終了した後、1秒後に、次の図2の処理の実行を開始する。
【0039】
以下、このフローチャートを参照して、画像分析処理18bを実行する演算部18の作動について説明する。まず、車両が停止中であったとする。この場合演算部18は、ステップ105において、車速センサ4から車速パルス信号を受けていないことに基づいて車両が走行していないと判定し、続いてステップ110でバックライト22を通常の明るさ(第1の明るさに相当する)に制御する。具体的には、電源制御IC16がバックライト駆動用電源15をオフにしているならばオンに切り替えさせ、電源制御IC16がバックライト駆動用電源15をオンにしているならばそれを継続させる。そして、バックライト駆動用電源15からバックライト22へ供給する単位時間当たりの電力供給量を通常量にする。例えば、PWM制御をしている場合は、PWM制御のデューティ比を通常の値(例えば1.0)に制御する。
【0040】
ステップ110の後は、図2の画像分析処理18bの1回分を終了し、所定時間後にまたこの画像分析処理18bの実行を再開する。このようになっていることで、車両の停止期間中は、液晶ディスプレイ2が通常の明るさで画像表示を行う。
【0041】
続いて車両が走行を開始したとする。この場合演算部18は、ステップ105において、車速センサ4から車速パルス信号を受けていることに基づいて車両が走行していると判定し、続いてステップ115に進む。ステップ115では、液晶ディスプレイ2が地図表示中であるか否かを判定する。具体的には、描画データ生成処理18aによってフレームバッファ19に地図の描画データが書き込まれているか否かを判定する。地図が表示されておらず、他の画像(例えばメニュー画像)が表示されている場合、続いてステップ110でバックライト22を通常の明るさに制御し、1回分の画像分析処理18bを終了する。
【0042】
ステップ115で液晶ディスプレイ2が地図表示中であると判定した場合は、続いてステップ120で、フレームバッファ19のヒストグラム分析を行う。具体的には、フレームバッファ19に記録された描画データ中のすべての画素の各々について、当該画素のR(赤)、G(緑)、B(青)の値から、当該画素の輝度を算出し、その輝度の度数分布を算出する。度数分布の階級の幅は、本実施形態では1とするが、他の例として、2、3等の多少の幅を有していてもよい。
【0043】
R、G、Bの値から輝度Yを算出する式としては、例えば、Y=0.3R+0.59G+0.11Bという式を用いるが、この式の係数を少し変えた式を用いても、それによって得られた値は実質的に輝度Yとみなせる。なお、本実施形態のR、G、Bの値は、0から255までの整数値をとることができる。また、輝度Yの値は、上記式を用いた結果の値の小数点以下を丸めて整数値にしたものを採用する。したがって、輝度Yの値も、0から255までの整数値を取ることができる。輝度Yが0の場合が最も暗く、255の場合が最も明るい。
【0044】
図3(a)、(b)に、フレームバッファ19中の描画データの一例30と、その描画データ30に対応する輝度Yの度数分布を表すヒストグラムを示す。図3(a)に示すように、この描画データ30中には、1本の高速道路31と、その道路31の周囲の緑地(または砂漠)32と、自車位置マーク33のみが表示されている。ここで、道路31の表示色、緑地(または砂漠)32の表示色、および自車位置マーク33の表示色は、それぞれ配色数が1であるとする。この場合、図3(b)に示すように、ヒストグラム中に、それぞれが高速道路31、緑地(または砂漠)32、自車位置マーク33に対応する3本のピークのみが現れるようになる。
【0045】
続いてステップ125では、今回のステップ120で算出した輝度Yの度数分布に基づいて、度数が度数閾値nを超える階級が、階級数閾値m未満であるか否かを判定する。ここで、度数閾値nは、例えば描画データの総ドット数(例えば、VGAなら640×480=307200)の1%以上の整数とする。また、階級数閾値mは、4とする。
【0046】
図3の事例では、度数閾値nを超える階級の数が3なので、ステップ125の判定結果がYES(肯定判定)となり、続いてステップ130に進み、バックライト22の電源をオフにするか、バックライト22を減光させることで、バックライト22への単位時間当たりの電力供給量を低減させる。前者の場合は、電源制御IC16を制御してバックライト駆動用電源15の作動をオフにする。後者の場合は、バックライト駆動用電源15からバックライト22への単位時間当たりの電力供給量を、通常の単位時間当たりの電力供給量よりも減らす。例えば、PWM制御をしている場合は、PWM制御のデューティ比を通常の値よりも低い値(例えば0.2)にすることで、単位時間当たりにバックライト22に電圧が印加される時間を低減させる。このようにすることで、フレームバッファ19中のある程度の範囲を占める色数が階級数閾値m未満と少ない場合は、バックライト22が消灯または通常より減光していることで、液晶ディスプレイ2の画像が見えないか、あるいは、通常の明るさよりも暗い明るさ(第2の明るさに相当する)の表示となる。
【0047】
続いてステップ135では、ユーザによる割り込み操作があるか否かを判定する。つまり、ユーザが図示しない操作部に対して何らかの操作を行ったか否かを判定する。操作がない場合は、今回の画像分析処理18bの実行を終了する。
【0048】
その後、車両が走行を続けると、その移動に応じて表示地図がスクロールする。すなわち、フレームバッファ19中の描画データに記録される地図の範囲が、車両の進行に伴って変化する。地図の範囲が変化している間も、描画データの内容が、高速道路31、緑地32、自車位置マーク33のままならば、上述のステップ105、115、120、125、130、135の処理が繰り返され、その結果、バックライト22は消灯しているかまたは通常より減光している状態が継続する。
【0049】
バックライト22が消灯しているかまたは通常より減光している状態で、車両がしばらく走行を続け、ある時点で、図4(a)に示すように、フレームバッファ19の描画データ30中に緑地とは異なる背景(具体的には建物)34が表示されるようになったとする。建物34の表示色は、高速道路31の表示色とも、緑地32の表示色とも、自車位置マーク33の表示色とも異なっているとする。
【0050】
このとき演算部18は、図2の処理において、ステップ105で走行中と判定し、ステップ115で地図表示中と判定し、ステップ120で、図4(b)にヒストグラムで示すような輝度Yの度数分布を作成する。この場合、度数が度数閾値nを超える階級の数が1つ増え、その結果、度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m以上となる。
【0051】
すると、ステップ125の判定結果がNO(否定判定)となり、演算部18はステップ125からステップ110に進み、バックライト22を通常の明るさに制御し、1回分の画像分析処理18bを終了する。このように、フレームバッファ19の描画データ30中に新たな色の背景が入ってきたことで、液晶ディスプレイ2の表示の明るさが通常に戻り、ユーザは、液晶ディスプレイ2を見て建物34を確認することができる。また、液晶ディスプレイ2の表示が明るくなることで、表示画面内に表示する情報が増えたことをユーザに伝えることができるという効果ももたらされる。
【0052】
また、建物34以外にも、新たな名称文字列または新たな種類の道路が描画データ30中に入ってきた場合も同様に、その結果輝度Yの度数分布において度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m以上となれば、液晶ディスプレイ2の表示の明るさが通常に戻る。
【0053】
その後、車両が更に走行し、建物34が描画データ30中から消えると、ステップ120で作成する輝度Yの度数分布は図3(b)に示すような状態に戻り、その結果演算部18は、ステップ125で度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満となったと判定してステップ130に進み、バックライト22への単位時間当たりの電力供給量を低減させる。
【0054】
このように、演算部18は、車両が走行中(ステップ105参照)でかつ演算部18が地図表示を行っている間(ステップ115参照)は、フレームバッファ19中の描画データの全画素を対象とした輝度Yの度数分布を作成し、その度数分布において度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満であるという条件が満たされている間は、バックライト22を消灯させるか通常よりも減光させ(ステップ125→130参照)、また、当該階級の数が階級数閾値m以上の間は、バックライト22を通常の明るさに制御する(ステップ125→110参照)。
【0055】
このようになっていることで、演算部18は、フレームバッファ19の描画データ中の度数閾値nを超える輝度の数が階級数閾値m未満ならば、地図画像中にユーザが見たいものが表示されている可能性が低いと判断してバックライト22を消灯させるか通常よりも減光させる。したがって、ユーザが見たい情報が地図中に表示されているか否かを、描画データのみに基づいて、特別なセンサを必須とせず判定することができる。
【0056】
なお、フレームバッファ19中の描画データの全画素を対象とした輝度Yの度数分布において度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満であるということは、フレームバッファ19の描画データ中の配色が所定の基準よりも単純となっているということに相当する。
【0057】
また演算部18は、フレームバッファ19の描画データ中の配色が所定の基準よりも単純となっているためにバックライト22を消灯させるか通常よりも減光させている場合でも、車両が停止すると、ステップ105からステップ110に進み、バックライト22の明るさを通常に制御する。このようにするのは、車両が停止した場合、ユーザは液晶ディスプレイ2を見る可能性が高くなるからである。
【0058】
また演算部18は、車両が走行中で、かつフレームバッファ19の描画データ中の配色が所定の基準よりも単純となっているためにバックライト22を消灯させるが通常よりも減光させている場合でも、液晶ディスプレイ2に表示させるのが地図表示でなくなった場合は、ステップ115から110に進み、バックライト22の明るさを通常に制御する。このようにするのは、地図以外の画像(例えばメニュー画像、テレビ放送画像、動画等)は、地図と異なり、画像の複雑度とユーザが見たい可能性が高いか否かとの関連性が低いからである。
【0059】
また演算部18は、車両が走行中で、かつフレームバッファ19の描画データ中の配色が所定の基準よりも単純となっているためにバックライト22を消灯させるか通常よりも減光させている場合でも、ユーザが操作部に対して操作を行った場合は、ステップ135からステップ140に進み、ステップ110と同様にバックライト22の明るさを通常の明るさに制御する。このようにするのは、ユーザがナビゲーションシステムに対して何らかの操作をしたということは、ユーザが液晶ディスプレイ2の表示を見たい可能性が高いからである。
【0060】
ステップ140に続いては、ステップ145で、所定の待機時間(例えば30秒)だけ待機し、その後図2の今回の処理を終了する。この待機時間は、図2の1回の処理の終了後から次の回の処理の開始時までの時間間隔よりも十分長いものとする。このようにするのは、ユーザが1度ナビゲーションシステムを操作した場合は、その後しばらくの時間継続的に液晶ディスプレイ2の表示を見たい可能性が高いからである。
【0061】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0062】
(1)例えば、ステップ130では、バックライト22の減光(または消灯)を、急激に行うのではなく、減光(または消灯)の際に目的とする明るさまで徐々に減光するようになっていてもよい。
【0063】
(2)また、上記実施形態においては、ステップ125で、描画データの輝度Yの度数分布に基づいてバックライト22を減光(または消灯)するか通常の明るさにするかを判定しているが、描画データの他の量の度数分布に基づいてバックライト22を減光(または消灯)するか通常の明るさにするかを判定するようになっていてもよい。
【0064】
例えば、R、G、Bのうち、いずれか1つの値(例えばGの値)の度数分布を用いて、度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満となるか否かに基づいて、バックライト22を減光(または消灯)するか通常の明るさにするかを判定するようになっていてもよい。
【0065】
また例えば、R、G、Bのうち、いずれか2つまたは3つの値の度数分布を用い、それら度数分布において、度数が度数閾値nを超える階級の総数が階級数閾値m未満となるか否かに基づいて、バックライト22を減光(または消灯)するか通常の明るさにするかを判定するようになっていてもよい。
【0066】
また、輝度ではなく、明度の度数分布を用いてもよいし、彩度の度数分布を用いてもよい。つまり、色空間の任意のチャネルの値の度数分布に基づいて、バックライト22を減光(または消灯)するか通常の明るさにするかを判定するようになっていればよい。ここで、チャネルとは、色空間を構成する変数をいう。例えば、RGBの色空間なら、R、G、B、ならびに、R、G、Bのうち任意の1個の関数(例えばf(R))、任意の2個の関数(例えば、g(R、B))、および3つすべての関数(例えば、上述の輝度Y)のそれぞれも、チャネルに相当する。
【0067】
(3)また、上記実施形態では、度数閾値nおよび階級数閾値mは固定値であったが、各種条件によって変化してもよい。例えば、描画データの地図中に自車位置マークが表示されている場合は、描画データの地図中に自車位置マークが表示されていない場合に比べ、階級数閾値mの値が自車位置マークの配色数だけ大きくなっていてもよい。
【0068】
(4)また、上記実施形態では、描画データ中の画素を対象とする色空間のチャネルの度数分布を用いて、「度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満となるか否か」に基づいて、バックライト22を減光(または消灯)するか通常の明るさにするかを判定するようになっているが、「度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満となるか否か」という判定以外にも、描画データ中の画素を対象とする色空間のチャネルの値の分布のばらつき度(例えば、分散、標準偏差)が所定の閾値D未満であるという条件が満たされるか否かを判定し、閾値D未満であるときに、バックライト22を減光(または消灯)すると判定し、閾値D以上であるときに、バックライト22を通常の明るさにすると判定するようになっていてもよい。
【0069】
例えば、図3(b)のような度数分布から図4(b)のような度数分布に変化する場合でも、描画データ中の全画素を対象とする色空間のチャネルの度数分布のばらつき度が増大するので、閾値Dを図3(b)の場合のばらつき度よりも大きく図4(b)のばらつき度よりも小さいものに設定すれば、第1実施形態と同等の作動を実現できる。
【0070】
図3(b)、図4(b)の例に限らず、描画データ中の全画素を対象とする色空間のチャネルの分布のばらつき度が大きいということは、その描画データ中で使用される色の幅が広いということだから、地図中に表れる情報も豊富であり、ユーザが見たい情報が地図中に表示されている可能性が高い。
【0071】
このようになっていることで、演算部18は、フレームバッファ19の描画データ中のチャネル値のばらつきが所定の閾値D未満ならば、地図画像中にユーザが見たいものが表示されている可能性が低いと判断してバックライト22を通常よりも暗い第2の明るさに制御する。したがって、ユーザが見たい情報が地図中に表示されているか否かを、描画データのみに基づいて、特別なセンサを必須とせず判定することができる。
【0072】
(5)また、上記実施形態では、描画データ中の全画素を対象とする色空間のチャネルの値の分布を用いて、バックライト22を減光(または消灯)するか通常の明るさにするかを判定するようになっているが、描画データ中の全画素ではなく、描画データ中の特定の一部の画素を対象とする色空間のチャネルの度数分布を用いて判定するようになっていてもよい。例えば、描画データ中の左半分の部分のみに地図が描画されている場合は、その左半分の部分のみの画素を対象とする色空間のチャネルの度数分布を用いて判定するようになっていてもよい。この場合、描画データ中の地図が描画されている部分が変化した場合は、それに応じて、バックライト22を減光(または消灯)するか通常の明るさにするかを判定するために使用する画素の範囲も変化するようになっていてもよい。
【0073】
(6)また、ナビゲーション制御装置1の演算部18は、表示用の画像を複数のレイヤに分けて作成し、それらレイヤを重ねた画像を液晶ディスプレイ2に表示させるようになっていてもよい。その場合、フレームバッファ19には、各レイヤの描画データが、それぞれ異なる領域に記録される。そして演算部18は、例えば、第1のレイヤ用の描画データとしては、地図表示用の画像を作成し、第2のレイヤ用の描画データとしては、ボタン画像を作成するようになっており、第1のレイヤ用の描画データのみに対して、描画データ対象とする色空間のチャネルの値の分布に基づく判定を行うようになっていてもよい。
【0074】
(7)また、上記の実施形態において、ナビゲーション制御装置1は、特定のチャネルの値の度数分布においてあらかじめ指定値が定められており、バックライト22の明るさを通常の明るさよりも暗い明るさ(第2の明るさに相当する)に制御しているときに、その指定値の度数が度数閾値E以上となった場合には、バックライト22を減光(または消灯)した状態から通常の明るさに戻すよう制御してもよい。
【0075】
そして、演算部18は、誘導経路上の案内ポイントの手前の所定距離内に車両が入った場合等に、その指定値を満たすような色のアイコン(例えば、誘導経路が案内ポイントで右折するなら右に曲がる矢印、誘導経路が案内ポイントで左折するなら左に曲がる矢印)を描画データ中の地図に重畳するようになっていてもよい。このアイコンの表示に使用する画素数は、上記度数閾値Eよりも大きいものとする。
【0076】
このようになっていれば、誘導経路上の案内ポイントの手前の所定距離内に車両が入った場合等の、ユーザが地図表示に注目すべきタイミングで、バックライト22を減光(または消灯)した状態から通常の明るさに戻すことができる。
【0077】
(8)また、上記実施形態のステップ120で作成する度数分布の階級の幅は、1であったが、必ずしもこの幅は1でなくともよい。
【0078】
(9)また、上記ステップ110および140で液晶ディスプレイ2の表示の明るさを通常の明るさに制御しているが、この通常の明るさは、ユーザの設定に応じて変化するようになっていてもよい。
【0079】
(10)また、1つの道路種別の表示色の配色数、1つの背景種別の表示色の配色数、および、名称が指し示す対象の種別の1種別の配色数は、上記実施形態のものに限らない。
【0080】
(11)また、上記の実施形態において、演算部18がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【0081】
(12)また、上記実施形態では、本発明の地図表示制御装置の一例として、ナビゲーション制御装置1を示したが、本発明の地図表示制御装置は、現在位置の周囲をディスプレイに表示させる地図表示機能を備えていれば、必ずしもナビゲーション制御装置でなくともよい。
【符号の説明】
【0082】
1 ナビゲーション制御装置
2 液晶ディスプレイ
13 地図データ記憶媒体
15 バックライト駆動用電源
16 電源制御IC
17 CPU
18 演算部
18a 描画データ生成処理
18b 画像分析処理
19 フレームバッファ
21 液晶部
22 バックライト
30 描画データ
31 高速道路
32 緑地または砂漠
33 自車位置マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶ディスプレイ(2)に地図画像を表示させる地図表示制御装置であって、
前記液晶ディスプレイ(2)に表示させるための地図画像の描画データを記憶する記憶媒体(19)と、
演算部(18)と、を備え、
前記演算部(18)は、
前記記憶媒体(19)中の描画データ中の画素を対象として、色空間を構成するチャネルの値の度数分布を作成し、その度数分布において、度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満であるという条件が満たされるか否かを判定する判定手段(120、125)と、
前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされないと判定した場合、前記画像表示装置(2)のバックライト(22)の明るさを第1の明るさに制御し、また、前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされると判定した場合、前記バックライト(22)の明るさを前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさに制御する制御手段(110、130)と、を備えたことを特徴とする地図表示制御装置。
【請求項2】
液晶ディスプレイ(2)に地図画像を表示させる地図表示制御装置であって、
前記液晶ディスプレイ(2)に表示させるための地図画像の描画データを記憶する記憶媒体(19)と、
演算部(18)と、を備え、
前記演算部(18)は、
前記記憶媒体(19)中の描画データ中の画素を対象として、色空間を構成するチャネルの値の分布のばらつき度が所定の閾値D未満であるという条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記条件が満たされないと判定した場合、前記画像表示装置(2)のバックライト(22)の明るさを第1の明るさに制御し、また、前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされると判定した場合、前記バックライト(22)の明るさを前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさに制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする地図表示制御装置。
【請求項3】
前記演算部(18)は、前記バックライト(22)の明るさを前記第2の明るさに制御しているときに、前記チャネルの値の度数分布において、所定の指定値の度数が度数閾値E以上となった場合には、前記バックライト(22)を前記通常の明るさに戻すよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の地図表示制御装置。
【請求項4】
液晶ディスプレイ(2)に地図画像を表示させる地図表示制御装置に用いるプログラムであって、前記地図表示制御装置の演算部(18)を、
前記液晶ディスプレイ(2)に表示させるための地図画像の描画データを生成して記憶媒体(19)に記録する記録手段(18a)、
前記記憶媒体(19)中の描画データ中の画素を対象として、色空間を構成するチャネルの値の度数分布を作成し、その度数分布において、度数が度数閾値nを超える階級の数が階級数閾値m未満であるという条件が満たされるか否かを判定する判定手段(120、125)、および
前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされないと判定した場合、前記画像表示装置(2)のバックライト(22)の明るさを第1の明るさに制御し、また、前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされると判定した場合、前記バックライト(22)の明るさを前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさに制御する制御手段(110、130)として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
液晶ディスプレイ(2)に地図画像を表示させる地図表示制御装置に用いるプログラムであって、前記地図表示制御装置の演算部(18)を、
前記液晶ディスプレイ(2)に表示させるための地図画像の描画データを生成して記憶媒体(19)に記録する記録手段(18a)、
前記記憶媒体(19)中の描画データ中の画素を対象として、色空間を構成するチャネルの値の分布のばらつき度が所定の閾値D未満であるという条件が満たされるか否かを判定する判定手段、および
前記判定手段によって前記条件が満たされないと判定した場合、前記画像表示装置(2)のバックライト(22)の明るさを第1の明るさに制御し、また、前記判定手段(120、125)によって前記条件が満たされると判定した場合、前記バックライト(22)の明るさを前記第1の明るさよりも暗い第2の明るさに制御する制御手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−150063(P2011−150063A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9963(P2010−9963)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】