説明

ナビゲーション装置およびプログラム

【課題】 ナビゲーション装置が、従来よりもユーザの要求に沿った形の交差点拡大図表示を行うようにする。
【解決手段】 車両用ナビゲーション装置1が、誘導経路中の案内交差点についての予定進入退出方向に関連づけられたN値が学習基準値を超えると、当該案内交差点の拡大図の表示を抑制する。また、学習基準値以下であると、当該案内交差点の拡大図の表示を画像表示装置13に行わせる(145)。さらに、案内交差点の拡大図の表示を行っているときに消去操作を受け付けると、その消去の対象となる拡大図に係る案内交差点についての、誘導経路に沿った予定進入退出方向に関連づけられたN値を1増加させる(165)。さらに、案内交差点の拡大図の表示を行っていないときに拡大図表示操作を受け付けると、その拡大図に係る案内交差点についての、誘導経路に沿った予定進入退出方向に関連づけられたN値を1減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点拡大図を表示装置に表示させるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が誘導経路中の案内交差点の手前に来ると、それまで表示していた地図の、その交差点部分を拡大した図、すなわち交差点拡大図を表示装置に表示させるナビゲーション装置が広く知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、通り慣れた道路中の交差点についての交差点拡大図表示は、ユーザにとっては不要な場合がある。また、交差点拡大図が表示されると、その拡大表示によって隠れてしまう部分(例えば、その交差点周辺の地図、渋滞情報、工事情報等)があるので、交差点拡大図よりもそのような部分が表示された方がユーザにとって有益であるという場合もあり得る。
【0004】
このような場合に対処する方法として、例えば、過去の通過回数が多い交差点については、交差点拡大図表示を抑制することが考えられる。しかし、交差点によっては、何度通過しても拡大表示して欲しい交差点もあれば、数回通れば拡大表示は不要となるような交差点もある。さらに、どの交差点が何度も案内して欲しい交差点であるかは、ユーザの好み、年齢等によってまちまちである。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、ナビゲーション装置が、従来よりも個々のユーザの要求に沿った形の交差点拡大図表示を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、目的地までの誘導経路と地図とを重ねた画像を表示装置に表示させるナビゲーション装置が、(1)その誘導経路中の交差点に関連づけられて記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが抑制基準を満たすか否かを判定し、(2)その抑制基準を満たさないと判定することに基づいて、その誘導経路に沿った当該交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行い、(3)また、その抑制基準を満たすと判定することに基づいて、その誘導経路に沿った当該交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を、上記(2)における制御による拡大図の表示よりも抑制し、(4)また、その表示装置が上記(2)の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、消去操作を受け付けたことに基づいて、表示装置にその拡大図の表示を消去させ、(5)また、その表示装置が上記(2)の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、消去操作を受け付けたことに基づいて、その拡大図に係る交差点に関連づけられた表示抑制履歴データを、抑制基準を満たすためにより有利になるように変更することである。
【0007】
このようなナビゲーション装置は、交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせているとき、ユーザによるその交差点の拡大図の表示を消去する旨の消去操作を受け付けたことに基づいて、その消去の対象となる拡大図に係る交差点に関連づけられた表示抑制履歴データを、上記の抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する。そして、この表示抑制履歴データが、この抑制基準を満たすためにより有利になるような変更が積み重なった結果、この抑制基準を満たすようになると、ナビゲーション装置は、誘導経路に沿った、その抑制履歴データに関連づけられた交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を抑制するようになる。
【0008】
したがって、ナビゲーション装置は、ユーザによる交差点の拡大図の表示を消去する旨の消去操作の履歴に基づくことで、ユーザの要求に沿った形の交差点の拡大図表示を行うことができる。
【0009】
なお、表示抑制履歴データの変更とは、表示抑制履歴への新たなデータの追加も含まれる。また、拡大図の表示を抑制とは、拡大図の表示時間の低減、拡大図の拡大率の低減等に加え、全く拡大図を表示させないことも含む概念である。
【0010】
また、ナビゲーション装置は、より具体的には、上記(1)に示した判定として、誘導経路中の交差点について、その交差点へどの方向から入ってどの方向へ出るかの予定進入退出方向に関連づけられた表示抑制履歴データが、抑制基準を満たすか否かを判定するようになっており、また、上記(5)に示した変更として、表示装置が(2)の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、上記の消去操作を受け付けたことに基づいて、その消去の対象となる拡大図に係る交差点についての予定進入退出方向に関連づけられた表示抑制履歴データを、抑制基準を満たすためにより有利になるように変更するようになっていてもよい。
【0011】
このようになっていることで、交差点の予定進入退出方向毎に、拡大図の表示、抑制の判定が異なるようにできる。
【0012】
また、より具体的には、上記(1)における判定の基準となる抑制基準とは、表示抑制履歴データに含まれる計数データが基準単位数を超えるという基準であり、上記(5)における、抑制基準を満たすためにより有利になるような変更とは、計数データを1単位増加させる変更であってもよい。
【0013】
このようになっていることで、ユーザによる過去の消去操作の回数が所定回数を超えることに基づいて、その消去操作に係る交差点の拡大表示の抑制が行われることになる。
【0014】
また、ナビゲーション装置は、表示装置が交差点の拡大図の表示を行っていないときに、交差点の拡大図の表示を行う旨の拡大表示操作を受け付けたことに基づいて、その拡大表示操作に基づいて表示装置が拡大図を表示する交差点に関連づけられた表示抑制履歴データを、抑制基準を満たすためにより不利になるように変更するようになっていてもよい。
【0015】
このようになっていることで、拡大図の表示、抑制の判定に、ユーザによる拡大図表示の操作が反映されるようになる。したがって、ナビゲーション装置は、ユーザの要求により沿った形の交差点の拡大図表示を行うことができる。
【0016】
また、この場合、より具体的には、抑制基準とは、表示抑制履歴データに含まれる計数データが基準単位数を超えるという基準であり、この抑制基準を満たすためにより有利になるような変更とは、その計数データを1単位増加させる変更であり、また、この抑制基準を満たすためにより不利になるような変更とは、その計数データをα(正の実数)単位減少させる変更であるようになっていてもよい。
【0017】
このようになっていることで、ユーザによる過去の消去操作の回数から拡大操作の回数にαを乗じた値を減じた値が所定回数を超えることに基づいて、その消去操作に係る交差点の拡大表示の抑制が行われることになる。
【0018】
また、記拡大表示操作を受け付けたことに基づいて、その拡大表示操作に基づいて表示装置が拡大図を表示する交差点についての予定進入退出方向に関連づけられた表示抑制履歴データを、抑制基準を満たすためにより不利になるように変更するようになっていてもよい。
【0019】
このようになっていることで、交差点の予定進入退出方向毎に、拡大図の表示、抑制の判定が異なるようにできる。
【0020】
また、ナビゲーション装置は、交差点が渋滞しているか否かを判定し、渋滞していると判定することに基づいて、誘導経路に沿った当該交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を、上記(2)における制御による拡大図の表示よりも抑制するようになっていてもよい。これによって、渋滞時において、交差点拡大図以外の多様な情報を取得したいというユーザのニーズに応えることができる。
【0021】
また、ナビゲーション装置は、表示装置の画面表示内容を変更する旨のユーザによる画面表示変更操作を受け付けることができるようになっており、拡大図の表示を抑制した後の所定期間において受け付けた画面表示変更操作の履歴データを記憶媒体に記憶させ、拡大図の表示を抑制した場合、その操作の履歴データに基づいて、表示装置の画面表示内容を変更するようになっていてもよい。
【0022】
このようになっていることで、交差点拡大図の表示抑制後によく行われる操作をユーザが行う手間が省ける。
【0023】
また、本発明の特徴は、目的地までの誘導経路と地図とを重ねた画像を表示装置に表示させるナビゲーション装置が、(1)記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが抑制基準を満たすか否かを判定し、(2)その抑制基準を満たさないと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行い、(3)また、その抑制基準を満たすと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を、上記(2)における制御による拡大図の表示よりも抑制し、(4)また、その表示装置が上記(2)の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、消去操作を受け付けたことに基づいて、表示装置にその拡大図の表示を消去させ、(5)また、その表示装置が上記(2)の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、消去操作を受け付けたことに基づいて、表示抑制履歴データを、抑制基準を満たすためにより有利になるように変更することである。
【0024】
このようなナビゲーション装置は、交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせているとき、ユーザによるその交差点の拡大図の表示を消去する旨の消去操作を受け付けたことに基づいて、表示抑制履歴データを、上記の抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する。そして、この表示抑制履歴データが、この抑制基準を満たすためにより有利になるような変更が積み重なった結果、この抑制基準を満たすようになると、ナビゲーション装置は、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を抑制するようになる。
【0025】
したがって、ナビゲーション装置は、ユーザによる交差点の拡大図の表示を消去する旨の消去操作の履歴に基づくことで、ユーザの要求に沿った形の交差点の拡大図表示を行うことができる。
【0026】
また、本発明の特徴は、目的地までの誘導経路と地図とを重ねた画像を表示装置に表示させるナビゲーション装置が、(1)記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが抑制基準を満たすか否かを判定し、(2)その抑制基準を満たさないと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行い、(3)また、その抑制基準を満たすと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を、上記(2)における制御による拡大図の表示よりも抑制し、(4)また、交差点の手前の区間における、当該表示装置による当該交差点の拡大図の表示を必要としない旨のユーザの動作に基づいて、表示抑制履歴データを、抑制基準を満たすためにより有利になるように変更することである。
【0027】
このようなナビゲーション装置は、交差点の手前の区間において、ユーザによる当該交差点の拡大図の表示を必要としない旨の動作に基づいて、表示抑制履歴データを、上記の抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する。そして、この表示抑制履歴データが、この抑制基準を満たすためにより有利になるような変更が積み重なった結果、この抑制基準を満たすようになると、ナビゲーション装置は、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を抑制するようになる。
【0028】
したがって、ナビゲーション装置は、ユーザによる当該交差点の拡大図の表示を必要としない旨の動作の履歴に基づくことで、ユーザの要求に沿った形の交差点の拡大図表示を行うことができる。
【0029】
また、このナビゲーション装置は、交差点の手前の区間において、ユーザによる表示装置への視線を、ユーザの視線方向を認識する視線認識手段が一度も認識しなかったことに基づいて、表示抑制履歴データを、抑制基準を満たすためにより有利になるように変更するようになっていてもよい。
【0030】
このようになっていることで、ナビゲーション装置は、ユーザが一度も表示装置へ視線を向けなかったことの履歴に基づくことで、ユーザの要求に沿った形の交差点の拡大図表示を行うことができる。
【0031】
また、ナビゲーション装置は、交差点の手前の区間において、ユーザによる表示装置への視線を視線認識機能が認識したことに基づいて、表示抑制履歴データを、抑制基準を満たすためにより不利になるように変更するようになっていてもよい。
【0032】
このようになっていることで、拡大図の表示、抑制の判定に、ユーザが表示装置に視線を向けたことが反映されるようになる。したがって、ナビゲーション装置は、ユーザの要求により沿った形の交差点の拡大図表示を行うことができる。
【0033】
また、抑制基準とは、表示抑制履歴データに含まれる計数データが基準単位数を超えるという基準であり、抑制基準を満たすためにより有利になるような変更とは、計数データを1単位増加させる変更であり、抑制基準を満たすためにより不利になるような変更とは、係数データの、基準単位数を超えない値への変更であってもよい。
【0034】
このようになっていることで、抑制基準を満たすためにより有利になるような変更は一単位毎に行われるが、抑制基準を満たすためにより不利になるような変更は、表示抑制履歴データが一気に抑制基準を満たさない値になるよう行われる。したがって、ユーザが交差点の手前の区間において全く表示装置に視線を向けないことが何度も繰り返しあったとしても、ユーザが交差点の手前の区間において一度でも表示装置に視線を向けさえすれば、一気に抑制基準が満たされなくなる。
【0035】
また、ナビゲーション装置は、交差点の手前の区間において、ユーザが表示装置へ視線を向けたことに基づいて、当該区間内にいるうちに、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせるようになっていてもよい。このようになっていることで、ユーザの拡大地図を見たいという要求に即応することができる。
【0036】
また、上記(2)の制御による交差点の拡大図の表示は、当該交差点の3D拡大図の表示であり、上記(3)の制御による交差点の拡大図の表示は、当該交差点の2D拡大図の表示または交差点拡大図のない地図表示であってもよい。
【0037】
また、本発明は、上記のナビゲーション装置の機能をコンピュータに実現させるプログラムとしても実現可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。
【0039】
車載用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14、RAM16、ROM17、外部記憶媒体18、および制御回路19を有している。
【0040】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、自車両の速度を検出するための車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路19に出力する。
【0041】
操作スイッチ群12は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路19に出力する。
【0042】
画像表示装置13は、制御回路19から出力された映像信号に基いた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0043】
外部記憶媒体18は、HDD等の不揮発性の記憶媒体であり、制御回路19が読み出して実行するプログラム、経路案内用の地図データ、および表示抑制履歴データ、および画面変更操作履歴データ等を記憶している。なお、車両用ナビゲーション装置1は、CD−ROMやDVD−ROM等の持ち運び可能な記憶媒体からデータを読み出す装置を有し、その装置を用いてCD−ROMやDVD−ROMから上記のプログラムや地図データを読み出すようになっていてもよい。
【0044】
地図データは、道路片(リンク)および交差点(ノード)の位置情報、交差点と道路片との接続関係情報等の道路データ、施設毎の位置や名称から成る施設データ等を有している。
【0045】
表示抑制履歴データは、地図データ中の交差点、および交差点についての進入退出方向の組に関連づけられて記憶媒体に記憶されるデータである。具体的には、表示抑制履歴データは、交差点毎のエントリを複数有し、各エントリは、その交差点の進入退出方向毎のサブエントリを複数有している。ここで、交差点の進入退出方向は、その交差点を通過するときに、その交差点へどの方向から入ってどの方向へ出るかを表すものである。
【0046】
例えば東西に延びる道路と南北に延びる道路とが交差する四叉路の場合、北から入って東へ出る左折態様、北から入って南へ出る直進態様、北から入って西へ出る右折態様、東から入って南へ出る左折態様、東から入って西へ出る直進態様、東から入って北へ出る右折態様、南から入って西へ出る左折態様、南から入って北へ出る直進態様、南から入って東へ出る右折態様、西から入って北へ出る左折態様、西から入って東へ出る直進態様、および西から入って南へ出る右折態様の12種類の進入退出方向がある。
【0047】
なお、本実施形態においては、各交差点のエントリは、必ずしもその交差点の全ての進入退出方向についてのサブエントリを含んでいるわけではない。すなわち、その交差点を道なりに通過するような進入退出方向についてのサブエントリは有していない。例えば上記のような四叉路が通常の四叉路である場合は、その四叉路についてエントリは、4つの直進態様についてのサブエントリは有さず、右折態様および左折態様の合計8つのサブエントリのみ有する。
【0048】
そして、各エントリは、計数データを有している。この計数データは、車両用ナビゲーション装置1の出荷当初は、後述する学習基準値(基準単位数に相当する)と同じ値となっている。また、後述するように、計数データの値は増減するようになっている。なお、以下では、この計数データの値をN値と記す。
【0049】
画面変更操作履歴データは、画像表示装置13の画面表示内容を変更する旨のユーザによる画面表示変更操作の種別に関連づけられて記憶媒体に記憶される、画面表示変更操作の履歴データである。具体的には、画面変更操作履歴データは、画面表示変更操作の種別毎のエントリを複数有し、各エントリは、計数データを有している。この計数データの値は、車両用ナビゲーション装置1の出荷当初は、ゼロとなっている。また、この計数データの値も、N値と同じく、その値が増減するようになっている。なお以下では、この画面変更操作履歴データについての計数データの値をA値と記す。
【0050】
なお、画面表示変更操作の種別としては、例えば、進行方向に一定距離だけ地図をスクロールさせるための所定の操作、表示地図縮尺を拡大または縮小させるための所定の操作、地図表示を画面2分割画面から全画面表示に変更させるための所定の操作、およびVICS(Vehicle Information and Communication System)の情報表示画面に遷移させるための所定の操作等がある。
【0051】
制御回路(コンピュータに相当する)19は、ROM17および外部記憶媒体18から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、および外部記憶媒体18から情報を読み出し、RAM16および外部記憶媒体18に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13およびスピーカ14と信号の授受を行う。
【0052】
制御回路19がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、誘導経路探索処理、経路案内処理等がある。
【0053】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基いて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0054】
誘導経路探索処理は、入力装置からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。
【0055】
経路案内処理は、外部記憶媒体18から地図データを読み出し、算出された誘導経路、目的施設、経由施設、現在位置等を、この地図上に重ねた画像を画像表示装置13に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達したとき等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声信号をスピーカ14に出力する等、案内交差点の強調表示を行う処理である。なお、案内交差点とは、誘導経路に沿って、右左折等の非道なりで通過する対象の交差点をいう。
【0056】
ここで、経路案内処理のためのプログラムの一部として、自車両が案内交差点に近づいたときのための交差点拡大表示制御プログラム100を、図2および図3にフローチャートで示す。
【0057】
制御回路19は、経路案内処理中、この交差点拡大表示制御プログラム100を継続的に実行しており、ステップ110では、判定区間に進入したか否かを判定し、進入するまでこのステップを繰り返す。具体的には、自車両の現在位置が、案内経路に沿った案内交差点の手前の所定距離(例えば300メートル)内に入っているか否かを判定する。図4に、この判定区間と交差点の関係を示すための、案内交差点31を俯瞰した概略図を示す。この図においては、誘導経路に沿った進行方向は、矢印32に示す通り、道路33から案内交差点31に入って道路34に出る経路である。この場合、判定区間は、案内交差点31と、案内交差点31から誘導経路を逆に所定距離だけ辿った地点36との間の、矢印35で示す区間である。
【0058】
進入したと判定すると、続いてステップ115で、誘導経路に沿ってこれから進入する予定の案内交差点についての、誘導経路に沿った予定進入退出方向に関連づけられた表示抑制履歴データの計数データを読み出す。具体的には、表示抑制履歴データ中の、当該案内交差点のエントリ中の、当該予定進入退出方向に相当するサブエントリ中の計数データを読み出す。そして、その読み出した計数データのN値が、外部記憶媒体18に記憶された所定の学習基準値(所定の単位数に相当する)を超えるか否かを判定する。学習基準値は、例えば3である。
【0059】
なお、このN値が学習基準値を超えるという基準は、抑制基準に相当する。このN値が学習基準値を超える場合、続いてステップ120を実行し、学習基準値以下である場合、続いて図3のステップ145を実行する。
【0060】
ステップ120では、当該案内交差点についての交差点拡大図の表示を抑制する。交差点拡大図とは、経路案内処理においてそれまで表示させていた地図の当該交差点部分を拡大した図である。例えば、それまで画像表示装置13の表示画面の20分の1程度の面積を占めていた当該案内交差点の図を、その表示画面の右半分または左半分を占めるように拡大させたものが、交差点拡大図である。このステップ120では、交差点拡大図の表示は行わず、代わりに、現在交差点表示の抑制を行っている旨のアイコンを、画像表示装置13の表示画面の隅の部分に、例えば画面全体の10分の1程度の面積を占める程度の大きさで表示させる。このアイコンは、拡大図の表示の抑制の対象となっている当該案内交差点の地図であってもよい。
【0061】
図5に、このときに画像表示装置13が表示する画像の一例を示す。通常の地図表示41の右下隅に、上述のアイコン42がボタン形式で表示される。
【0062】
ステップ120に続いてステップ123では、学習操作の再現を行う。学習操作の再現とは、先述の画面変更操作履歴データに基づいて、表示装置の画面表示内容を変更する処理をいう。具体的には、画面変更操作履歴データのエントリのうち、そのA値が最も大きく、かつ所定の閾値(例えば3)を超えているものを選択し、その選択したエントリに関連づけられている画面表示変更操作が、実際に画像表示装置13に対して行われた場合と同じように、画像表示装置13の表示画面を変更させる。なお、A値が3を超えているエントリがない場合は、画面変更操作履歴データに基づく画面表示の変更は行わない。
【0063】
続いてステップ125で、例えば数秒程度の所定期間に渡る、画面表示変更操作の学習を開始する。この操作の学習は、図3に示す処理と並行して行われ、その実行中にユーザが操作スイッチ群12を用いて行った操作の内容をRAM16に蓄積し、所定期間が終了して学習を終了する際、RAM16に蓄積した操作内容が、画面変更操作履歴データのいずれのエントリに該当する操作であるかを特定し、その特定した1つまたは複数のエントリのA値を1だけ増加させる。
【0064】
続いてステップ130で、現在交差点拡大図の表示が行われておらず、かつ、当該案内交差点の拡大図の表示を行うことを要求する旨のユーザによる拡大表示操作を、操作スイッチ群12から受けたか否かを判定する。拡大表示操作としては、例えば、操作スイッチ群12のタッチパネルの、図5に示したアイコン42に相当する部分のタッチが該当する。現在交差点拡大図の表示が行われておらず、かつ、拡大表示操作を受けた場合、続いてステップ135を実行する。また、現在交差点拡大図を表示しているか、または、拡大表示操作を受けていない場合、続いてステップ142を実行する。
【0065】
ステップ135では、上述した交差点拡大図の表示を行う。上述した通り、交差点拡大図は、画像表示装置13の表示画面の大きな部分を占める。
【0066】
続いてステップ140では、N値を1だけ減少させる。このN値は、直前のステップ115で学習基準値と比較したものと同じサブエントリのN値である。このN値を1だけ減少させる処理は、現在のN値が学習基準値より低ければ、それを学習基準値から遠ざけ、現在のN値が学習基準値と同じかまたは高ければ、それを学習基準値に近づける処理であると言える。したがって、この処理は、受けた拡大表示操作の対象となる交差点の予定進入退出方向に関連づけられた表示抑制履歴データを、上述の抑制基準を満たすためにより不利にする処理である。
【0067】
続いてステップ142では、自車両が当該案内交差点を通過したか否かを判定し、通過した場合は続いてステップ144を実行し、通過していない場合は続いてステップ130を実行する。
【0068】
ステップ144では、現在交差点拡大図を表示していれば、その交差点拡大図の表示を消去し、通常の経路案内用の地図表示に戻る。ステップ144の後、続いてステップ110で、次の判定区間に進入したか否かを判定する。
【0069】
ステップ145では、ステップ135と同等の処理で、当該案内交差点の拡大図を画像表示装置13に表示させる。
【0070】
続いてステップ150では、現在交差点拡大図の表示が行われており、かつ、ユーザが交差点の拡大図の消去を要求しているか否を判定する。ユーザが交差点の拡大図の消去を要求しているとは、すなわち、ステップ145によって画像表示装置13が表示した交差点拡大図を消去する旨の、操作スイッチ群12に対するユーザの消去操作を検出したことに該当する。現在交差点拡大図の表示が行われており、かつ、消去操作があれば続いてステップ155を実行する。また、現在交差点拡大図の表示が行われていないか、または、消去操作がない場合は、続いてステップ170を実行する。
【0071】
ステップ155では、ステップ144と同等の処理で、交差点拡大図の消去を行う。
【0072】
続いてステップ157では、ステップ123と同等の処理で、学習操作の再現を行う。
【0073】
続いてステップ160では、ステップ125と同等の処理で、画面表示変更操作の学習を開始する。
【0074】
続いてステップ165では、N値を1だけ増加させる。このN値は、直前のステップ115で学習基準値と比較したものと同じサブエントリのN値である。このN値を1だけ増加させる処理は、現在のN値が学習基準値より低ければ、それを学習基準値に近づけ、現在のN値が学習基準値と同じかまたは高ければ、それを学習基準値からさらに引き離す処理であると言える。したがって、この処理は、受けた消去操作の対象となる交差点の予定進入退出方向に関連づけられた表示抑制履歴データを、上述の抑制基準を満たすためにより有利にする処理である。ステップ165に続いては、ステップ185を実行する。
【0075】
ステップ170では、現在交差点拡大図の表示が行われており、かつ、当該交差点への誘導経路に沿った進入道路が渋滞しているか否かを判定する。当該進入道路が渋滞しているか否かは、具体的には、自車両が当該判定区間に入ってから所定の時間(例えば2分)以上経過し、かつ、自車両が当該判定区間に入ってから現在までの自車両の平均車速が所定速度(例えば時速1km)以下である場合には、渋滞であると判定し、そうでない場合には、渋滞でないと判定する。なお、車両用ナビゲーション装置1がVICS等の交通情報の受信機能を有していれば、それを用いてこの交差点の渋滞の有無を判定してもよい。現在交差点拡大図の表示が行われており、かつ、渋滞であると判定すると、続いてステップ175を実行する。また、現在交差点拡大図の表示が行われていないか、または、渋滞でない場合、続いてステップ185を実行する。
【0076】
ステップ175では、ステップ155と同等の処理で、交差点拡大図の消去を行う。
【0077】
続いてステップ178では、ステップ157と同等の処理で、学習操作の再現を行う。
【0078】
続いてステップ180では、ステップ160と同等の処理で、画面表示変更操作の学習を開始する。ステップ180に続いては、ステップ185を実行する。
【0079】
続いてステップ185では、ステップ42と同等の処理で、自車両が交差点を通過したか否かを判定する。通過した場合、続いてステップ190を実行し、通過していない場合、続いてステップ150を実行する。
【0080】
ステップ190では、ステップ144と同様に、現在交差点拡大図を表示していれば、その交差点拡大図の表示を消去し、通常の経路案内用の地図表示に戻る。ステップ190の後、続いてステップ110で、次の判定区間に進入したか否かを判定する。
【0081】
以上のような交差点拡大表示制御プログラム100を制御回路19が実行することで、車両用ナビゲーション装置1は、(A)誘導経路中の案内交差点についての予定進入退出方向に関連づけられたN値が学習基準値を超えるか否かを判定し(ステップ115参照)、(B)学習基準値を超えると判定することに基づいて、誘導経路に沿った当該案内交差点の手前の区間における、画像表示装置13による当該案内交差点の拡大図の表示を抑制する(ステップ120参照)。また、(C)学習基準値以下であると判定することに基づいて、誘導経路に沿った当該案内交差点の手前の区間における、当該案内交差点の拡大図の表示を画像表示装置13に行わせる(ステップ145参照)。
【0082】
さらに車両用ナビゲーション装置1は、その案内交差点についての判定区間中で、(D)画像表示装置13が案内交差点の拡大図の表示を行っているときに、消去操作を受け付けたことに基づいて、画像表示装置13にその交差点の拡大図の表示を消去させ(ステップ150、155参照)、さらに、その消去の対象となる拡大図に係る案内交差点についての、誘導経路に沿った予定進入退出方向に関連づけられたN値を1増加させる(ステップ165参照)。
【0083】
このようになっているので、車両用ナビゲーション装置1は、自車両が案内経路に沿った走行を繰り返すうちに、ある案内交差点の進入退出方向について交差点拡大図の消去操作を行うことが多く、その案内交差点の進入退出方向についてのN値が学習基準値を超えるようになると、その交差点についての交差点拡大図の表示を抑制するようになる。
【0084】
したがって、車両用ナビゲーション装置1は、ユーザによる案内交差点の拡大図の表示を消去する旨の消去操作の履歴に基づくことで、ユーザの要求に沿った形の交差点の拡大図表示を行うことができる。
【0085】
また、車両用ナビゲーション装置1は、その案内交差点についての判定区間中で、(E)画像表示装置13が案内交差点の拡大図の表示を行っていないときに、拡大表示操作を受け付けたことに基づいて、誘導経路中の、自車両が次に進入する案内交差点の拡大図の表示を画像表示装置13に行わせ(ステップ130、135参照)、さらに、その拡大表示操作の対象となる案内交差点についての、その誘導経路に沿った予定進入退出方向に関連づけられたN値を、1減少させる(ステップ140参照)。
【0086】
このようになっているので、車両用ナビゲーション装置1は、自車両が案内経路に沿った走行を繰り返すうちに、ある案内交差点の進入退出方向について交差点拡大図の消去操作回数と拡大表示操作回数の差に基づく、その案内交差点の進入退出方向についてのN値が学習基準値を超えるようになると、その交差点についての交差点拡大図の表示を抑制するようになる。このようになっていることで、拡大図の表示、抑制の判定に、ユーザによる拡大図表示の操作が反映されるようになる。
【0087】
また、車両用ナビゲーション装置1は、(F)交差点が渋滞しているか否かを判定し(ステップ170参照)、渋滞していると判定することに基づいて、誘導経路に沿った当該交差点の手前の判定区間における、画像表示装置13による当該交差点の拡大図の表示を抑制する(ステップ175)。このようになっているので、渋滞時において、交差点拡大図以外の多様な情報を取得したいというユーザのニーズに応えることができる。
【0088】
また、車両用ナビゲーション装置1は、(G)表示装置の画面表示内容を変更する旨のユーザによる画面表示変更操作を受け付けることができるようになっており、拡大図の表示を抑制した後の所定期間において受け付けた画面表示変更操作の履歴データを記憶媒体に記憶させ(ステップ125、160、180参照)、(H)拡大図の表示を抑制した場合、その操作の履歴データに基づいて、表示装置の画面表示内容を変更する(ステップ123、157、178参照)。
【0089】
このようになっていることで、交差点拡大図の表示抑制後によく行われる操作をユーザが行う手間が省ける。
【0090】
なお、上記した実施形態においては、操作スイッチ群12が、受付手段に相当する。
【0091】
また、制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム100のステップ115を実行することで、抑制履歴判定手段として機能する。
【0092】
また、制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム100のステップ120および175を実行することで、抑制手段として機能する。
【0093】
また、制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム100のステップ135および145を実行することで、拡大表示制御手段として機能する。
【0094】
また、制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム100のステップ155を実行することで、消去制御手段として機能する。
【0095】
また、制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム100のステップ140および165を実行することで、履歴変更手段として機能する。
【0096】
また、制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム100のステップ170を実行することで、渋滞判定手段として機能する。
【0097】
また、制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム100のステップ125、160、および180を実行することで、学習手段として機能する。
【0098】
また、制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム100のステップ123、157、および178を実行することで、学習再現手段として機能する。
(第1実施形態の変形例)
なお、上記した実施形態においては、表示抑制履歴データは、交差点毎のエントリのそれぞれがその交差点の進入退出方向毎のサブエントリを有し、それぞれのサブエントリがN値を有するような構造となっている。しかし、必ずしもこのようになっている必要はない。
【0099】
例えば、表示抑制履歴データは、時間、交差点、および進入退出方向の組からなるエントリを複数有するような構造になっており、制御回路19は、消去操作、拡大表示操作を受ける毎に、その消去操作または拡大表示操作の区別、消去操作または拡大表示操作のあった日付および時刻、その消去操作または消去操作または拡大表示操作の対象となる案内交差点、および誘導経路に沿ったその案内交差点の進入退出方向から成るエントリをこの表示抑制履歴データに追加するようになっていてもよい。そして、制御回路19は、ステップ115で、N値が学習基準を超えるか否かの判定を行う代わりに、このエントリ中に、次に進入する案内交差点、および、現在の案内経路に沿ったその案内交差点の進入退出方向の組を有する消去操作および拡大表示操作のエントリを表示抑制履歴データから検索し、その検索の結果該当する消去操作のエントリの数から拡大表示操作のエントリの数を減算した値が学習基準値を超えるか否かを判定するようになっていてもよい。
【0100】
なお、この検索の際、現在から所定期間(例えば1年)以上過去の日付を有しているエントリを検索対象から除外するようになっていてもよい。すなわち、表示抑制履歴データ中の一定期間以上過去のデータは、交差点拡大図の表示、抑制の判定の対象から除外するようになっていてもよい。
【0101】
また例えば、表示抑制履歴データは、すべての交差点に共通する単一のN値であってもよい。すなわち、制御回路19は、交差点拡大図表示制御プログラムにおいて、判定区間の対象となる交差点に関わらず、同じN値の参照および変更の処理を行うようになっていてもよい。
【0102】
また、上記の実施形態においては、誘導経路中の案内交差点において交差点拡大図の表示、抑制の判定(交差点拡大表示制御プログラム100のステップ115に相当する)を、自車両が当該案内交差点の手前の判定区間に入った後に行っているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、誘導経路が確定した直後に、現在の自車両の位置に関わらず、その誘導経路中の案内経路について順次交差点拡大図の表示、抑制の判定を行い、その判定結果を外部記憶媒体18またはRAM16に記憶させておくようになっていてもよい。そして、自車両が誘導経路中のある案内交差点の判定区間に入ったときには、ステップ115で、その案内交差点について記憶された判定結果を読み出して、実際に交差点拡大図の表示、抑制を行うようになっていてもよい。
【0103】
また、上記の実施形態においては、ステップ120、およびステップ175においては、交差点拡大図の表示は行われていないが、このときに、ステップ135、145における交差点の場合よりも短時間だけ(例えば2秒だけ)、交差点拡大図を画像表示装置13に表示させるようになっていてもよい。また、ステップ135、145における交差点の場合よりも抑えた拡大率で、交差点拡大図を画像表示装置13に表示させるようになっていてもよい。すなわち、交差点拡大図の表示が、他の場合に比べて、抑制されていれば足りる。
【0104】
また、上記の実施形態においては、消去操作があった時に増加するN値と、拡大表示操作があったときに減少するN値の幅は同じとなっているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、ユーザが拡大図表示のためのボタンを押した場合、N値を正の実数α(例えば0.5)だけ減少させるように、上記のステップ140を変更してもよい。
【0105】
また、上記の実施形態においては、上記のステップ115で用いる学習基準値は一定となっているが、かならずしもこのようになっている必要はない。例えば、制御回路19は、ステップ170で渋滞であると判定した場合、学習基準値の値を下げ、その上でステップ115の判定処理に進むようになっていてもよい。すなわち、渋滞の場合には、学習基準値を下げるようになっていてもよい。
【0106】
また、上記の実施形態においては、車両用ナビゲーション装置が、本発明のナビゲーション装置の一例として示されているが、ナビゲーション装置としては、例えば人が携帯できるナビゲーション装置であってもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1’のハードウェア構成図を示す。なお、なお、図6と図1において同一の符号が付された構成要素は、互いに同一の機能を有するものであり、ここではその詳細についての説明は省略する。この図に示す通り、車両用ナビゲーション装置1’は、第1実施形態の車両用ナビゲーション装置1の構成要素に加え、視線認識装置15を有している。
【0107】
視線認識装置15は、視線認識のためのカメラおよび赤外線照射器である。図7に、車両50内における車両用ナビゲーション装置1’および視線認識装置15の配置を示す。車両用ナビゲーション装置1’の視線認識装置15以外の部分は、ドライバ51の前方のインストゥルメントパネル中央に配置されている。この車両用ナビゲーション装置1の画像表示装置13は、ドライバ51の顔の位置から見て左下の方向にある。したがって、この車両用ナビゲーション装置1の画像表示装置13をドライバ51が見るためには、ドライバ51は、フロントガラスを見るときの視線よりも視線を下げる必要がある。視線認識装置15は、フロントガラスと車両天井の境界付近に固定されている。視線認識装置15のカメラは、ドライバ51の眼52およびその付近を撮影し、その撮影画像を制御回路19に出力する。
【0108】
赤外線照射器は、ドライバ51の顔に向けて赤外線を照射する。カメラは、ドライバ51の顔に当たって反射したこの赤外線を受け、受けた赤外線に基づく画像データ、すなわちユーザの顔の画像データを制御回路19に出力する。また、カメラおよび赤外線照射器は、その撮影方向および照射方向が、ドライバ51の顔の動きに追従するようになっていてもよい。
【0109】
本実施形態の制御回路19の作動は、交差点拡大表示制御プログラム100に代えて図8に示す交差点拡大表示制御プログラム200を実行すること以外は、第1実施形態の制御回路19の作動と同じである。
【0110】
以下、この交差点拡大表示制御プログラム200を実行する制御回路19の作動について説明する。制御回路19は、経路案内処理中、この交差点拡大表示制御プログラム200を繰り返し実行し、まずステップ205で、自車両が案内交差点手前の所定距離(例えば数百メートル)以内に現在いるか否かを判定する。判定が肯定なら続いてステップ215を実行し、否定なら再度ステップ205を実行する。
【0111】
ステップ215では、視線認識処理を開始する。これによって、制御回路19は、交差点拡大表示制御プログラム200の実行と並列的にこの視線認識処理を実行し、その実行において、常時ドライバ51の画像表示装置13への視線を検出する。具体的には、制御回路19は、視線認識処理において、視線認識装置15から入力された画像の濃淡に基づき、その画像中におけるドライバ51の眼52の範囲、およびその眼52の中にある瞳孔の範囲を特定し、それに基づいて瞳孔が眼52の外形に対してどの位置にあるかを特定する。そして、その瞳孔が右下に移動したとき、すなわちドライバ51が左下に視線を移したとき、ドライバ51が画像表示装置13に視線を向けたと判定する。なお、この視線認識処理においては、眼52に対する瞳孔の位置のみならず、ドライバ51の顔の向きも検出し、その検出した顔の向きも加味してドライバ51の視線の向きを特定するようになっていてもよい。
【0112】
続いてステップ220では、カウンタXとしきい値α、しきい値βを比較する。カウンタXは、後述する通り、ドライバ51が案内交差点手前の区間で一度も画像表示装置13に視線を向けなかった回数を示す値である。このカウンタXおよびしきい値α、βは、それぞれ外部記憶媒体18に記憶されている整数値である。また、しきい値αはしきい値βよりも小さい。比較の結果、カウンタXがしきい値α未満であれば続いてステップ225を実行し、しきい値α以上しきい値β未満であれば続いてステップ230を実行し、しきい値β以上であれば続いてステップ235を実行する。
【0113】
ステップ225では、当該案内交差点についての3D交差点拡大図の表示を画像表示装置13に行わせる。図9に、このときに画像表示装置13に表示させる表示画像の一例60を示す。この表示画像60は、その左半分が、現在位置および案内経路を広域的に表す広域ルート図61となっており、その右半分が3D交差点拡大図62となっている。3D交差点拡大図62は、当該交差点を立体的に表す画像である。具体的には、3D交差点拡大図62は、前方の地平線63、立体的に描かれた信号機64、立体的に描かれた道路脇のビル65、および、遠近法を用いて近くが広く遠くが狭く描かれた道路66を含んでいる。なお、画像表示装置13によるこの3D交差点拡大図の表示は、自車両が当該交差点を抜けるまで行われる。
【0114】
ステップ225では、当該案内交差点についての2D交差点拡大図の表示を画像表示装置13に行わせる。図10に、このときに画像表示装置13に表示させる表示画像の一例70を示す。この表示画像70は、その左半分が広域ルート図71となっており、その右半分が2D交差点拡大図72となっている。2D交差点拡大図72は、当該交差点を上から見たときの道路を平面的に表し、道路付近の建物や信号機をアイコンとして表示する画像である。
【0115】
なお、ステップ220においてカウンタ値Xがβ以上の場合、画像表示装置13は、案内交差点手前以外における表示と同じ表示、例えば図11に示すような広域ルート図80のみの表示を行ってもよいし、全くなにも表示しないようになっていてもよい。
【0116】
ステップ235では、直前のステップ215で視線認識処理を開始して以降ドライバが画像表示装置13を見たか否か、すなわち画像表示装置13に視線を移したか否かを、当該視線認識処理の結果に基づいて判定する。見ていなければ続いてステップ240を実行し、見ていれば続いてステップ245を実行する。
【0117】
ステップ240では、自車両が当該案内交差点を通過したか否かを判定し、通過していれば続いてステップ242を実行し、通過していなければ続いてステップ235を実行する。このように、自車両が当該案内交差点を通過するか、あるいは画像表示装置13に視線を移すまでは、ステップ235および240の実行が交互に繰り返す。
【0118】
ステップ242では、RAM16中に割り当てられた変数である視線フラグの値をオフにする。この視線フラグは、ある案内交差点の手前の所定の区間でドライバが画像表示装置13を一度でも見たか、あるいは一度も見なかったかの情報を記録するためのフラグである。ステップ242の後、続いてステップ260を実行する。
【0119】
ドライバが画像表示装置13を見た後のステップ245では、上述の視線フラグの値をオンとする。続いてステップ250で、画像表示装置13が3D交差点拡大図の表示を現在行っていなければ、画像表示装置13に3D交差点拡大図を表示させる。
【0120】
続いてステップ255では、自車両が当該案内交差点を通過したか否かを判定し、通過していれば続いてステップ260を実行し、通過していなければ再度この判定を繰り返す。
【0121】
ステップ260では、視線フラグがオンであるか否かを判定する。そしてオンであれば続いてステップ265でカウンタXの値をゼロにクリアし、オフであれば続いてステップ270でカウンタXの値を現在の値よりも1だけ増やす。ステップ265および270の後、交差点拡大表示制御プログラム200の1回分の実行を終了する。
【0122】
以上のような交差点拡大表示制御プログラム200を制御回路19が実行することで、車両用ナビゲーション装置1’は、誘導経路中の案内交差点の手前において(ステップ205参照)、視線認識装置15を用いた視線認識処理を開始する(ステップ215参照)。さらに車両用ナビゲーション装置1’は、カウンタX(計数データおよび抑制履歴データに相当する)としきい値αおよびβを比較し(ステップ220参照)、カウンタXが値β以上の場合は当該交差点の拡大図を表示しないままルート図を表示し、カウンタXが値α以上値β未満の場合は2D交差点拡大図を表示し(ステップ230参照)、カウンタXが値α未満の場合は3D交差点拡大図を表示する(ステップ225参照)。
【0123】
そして更に、ドライバが画像表示装置13を一度も見ないまま(ステップ235参照)、自車両が当該案内交差点を通過すると(ステップ240参照)、車両用ナビゲーション装置1’は視線フラグをオフとする。また、自車両が当該案内交差点を通過するまでに(ステップ240参照)ドライバが画像表示装置13を一度でも見た場合(ステップ235参照)、車両用ナビゲーション装置1’は視線フラグをオンとして、3D交差点拡大図表示を行っていないなら行い(ステップ250参照)、その後当該交差点通過まで待つ(ステップ255参照)。
【0124】
また、当該交差点通過後は、視線フラグに基づいて(ステップ260参照)、視線フラグがオンのときカウンタXをゼロにクリアし(ステップ265参照)、視線フラグがオフのとき(ステップ270参照)、カウンタXの値を1だけ増加させる。すなわち、ドライバが画像表示装置13を一度も見ないまま自車両が当該案内交差点を通過した場合は、カウンタXの値が1増加し、自車両が当該案内交差点を通過するまでにドライバが画像表示装置13を一度でも見た場合は、カウンタXの値を一気にゼロに戻す。
【0125】
このような車両用ナビゲーション装置1’は、交差点の手前の区間において、当該交差点の拡大図の表示を必要としない旨のドライバ(ユーザに相当する)の挙動、すなわち、その区間内でドライバが一度も画像表示装置13に視線を向けないことに基づいて、表示抑制履歴データとしてのカウンタXを、上記の抑制基準、すなわちカウンタXがしきい値β以上であるという基準を満たすためにより有利になるように変更する。そして、この表示抑制履歴データが、この抑制基準を満たすためにより有利になるような変更が積み重なった結果、この抑制基準を満たすようになると、車両用ナビゲーション装置1’は、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の3D交差点拡大図の表示を抑制し、代わりに2D交差点拡大図の表示を行うか、または交差点拡大図を表示しないようになる。したがって、車両用ナビゲーション装置1’は、ドライバが一度も表示装置へ視線を向けなかったことの履歴に基づくことで、ドライバの要求に沿った形の交差点の拡大図表示を行うことができる。
【0126】
さらに、車両用ナビゲーション装置1’は、交差点の手前の区間において、ドライバによる表示装置への視線を視線認識機能が認識したことに基づいて、カウンタXを、抑制基準を満たさなくするよう一気にクリアする。したがって、交差点拡大図の表示、抑制の判定に、ドライバが表示装置に視線を向けたことが反映される。そしてまた、ドライバが交差点の手前の区間において全く表示装置に視線を向けないことが何度も繰り返しあったとしても、ドライバが交差点の手前の区間において一度でも表示装置に視線を向けさえすれば、一気に抑制基準が満たされなくなるので、ドライバの交差点拡大図を見たいという要求に対しては迅速に対応することができる。
【0127】
また、車両用ナビゲーション装置1’は、交差点の手前の区間において、3D交差点拡大図表示が行われていない場合でも、ドライバが表示装置へ視線を向けたことに基づいて、当該区間内にいるうちに、当該交差点の3D拡大図の表示を行うようになっている(ステップ250参照)ので、ドライバの拡大地図を見たいという要求に即応することができる。
【0128】
また、上述のしきい値αおよびβは、ユーザが操作スイッチ群12を操作することで自由に設定できるようになっている。具体的には、制御回路19は、しきい値α、βの設定を変更する旨の操作スイッチ群12の操作を検出すると、図12に示すようなしきい値設定画面90を画像表示装置13に表示させ、また所定の操作スイッチ群12の操作を検出すると、しきい値設定画面90の画像表示装置13による表示を終了させる。このしきい値設定画面90は、オンボタン91、オフボタン92、しきい値α表示部93、94、しきい値αアップボタン93a、しきい値αダウンボタン93b、しきい値β表示部95、96、しきい値βアップボタン96a、およびしきい値βダウンボタン 96bを有している。しきい値α表示部93、94は、その表示の時点におけるしきい値αの値を表し、しきい値β表示部95、96は、その表示の時点におけるしきい値βの値を表す。なお、上述の各ボタン91、92、93a、93b、96a、96bは、ユーザが操作スイッチ群12を用いて選択できるようになっている。操作スイッチ群12を用いた選択としては、例えば操作スイッチ群12のメカニカルスイッチを操作することでしきい値設定画面90上のカーソルを当該ボタンに移動して選択確定する操作や、操作スイッチ群12のタッチパネルの、当該ボタンに該当する部分をタッチする操作がある。
【0129】
制御回路19は、このしきい値設定画面90を表示させているとき、ユーザによるオンボタン91の選択を検出すると、交差点拡大表示制御プログラム200を実行することができるようになり、オフボタン92の選択を検出すると、交差点拡大表示制御プログラム200を実行しないようになる。また、アップボタン93aの選択を検出すると、しきい値αの値をその選択のあった回数分増加させ、その増加結果の値をしきい値α表示部93、94に反映させる。また、ダウンボタン93bの選択を検出すると、しきい値αの値をその選択のあった回数分減少させ、その減少結果の値をしきい値α表示部93、94に反映させる。また、アップボタン96aの選択を検出すると、しきい値βの値をその選択のあった回数分増加させ、その増加結果の値をしきい値β表示部95、96に反映させる。また、ダウンボタン96bの選択を検出すると、しきい値βの値をその選択のあった回数分現象させ、その減少結果の値をしきい値β表示部95、96に反映させる。
【0130】
なお、上記の第2実施形態においては、画像表示装置13が表示装置に相当する。また、車両用ナビゲーション装置1’の制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム200のステップ215を実行することで視線認識手段として機能し、ステップ220を実行することで抑制履歴判定手段として機能し、ステップ225を実行することで拡大表示制御手段として機能し、ステップ265およびステップ270を実行することで履歴変更手段として機能し、ステップ250を実行することで視線即応表示制御手段として機能する。また、制御回路19が、交差点拡大表示制御プログラム200のステップ230を実行すること、およびステップ220の判定の結果続いてステップ235を実行することで、抑制手段として機能する。
(第2実施形態の変形例)
なお、上記の第2実施形態においては、表示抑制履歴データは、単一のカウンタXであったが、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えばカウンタXは、第1実施形態のN値のように、交差点とその交差点の進入退出方向の組毎に1つ設けられていてもよい。
【0131】
具体的には、表示抑制履歴データが、交差点毎のエントリのそれぞれがその交差点の進入退出方向毎のサブエントリを有し、それぞれのサブエントリがカウンタ値Xを有するような構造となっていてもよい。そして、交差点拡大表示制御プログラム200の実行において、制御回路19は、手前の区間に入った案内交差点の現在の誘導経路に沿った進入方向および退出方向に該当するエントリのカウンタ値Xを、ステップ220、265、および270で用いるようになっていてもよい。このようになっていることで、車両用ナビゲーション装置1’は、交差点とその交差点の進入退出方向の組毎に、ドライバの要求に沿った交差点拡大図の表示および表示の抑制を行うことができる。
【0132】
また、例えば、表示抑制履歴データは、時間、交差点、および進入退出方向の組からなるエントリを複数有するような構造になっており、制御回路19は、交差点拡大表示制御プログラム200を1回実行する度に、その時に設定された視線フラグの値、その実行の日付および時刻、その実行の対象となる案内交差点、および誘導経路に沿ったその案内交差点の進入退出方向から成るエントリをこの表示抑制履歴データに追加するようになっていてもよい。そして、制御回路19は、ステップ220で、カウンタXとしきい値α、βの比較を行う代わりに、このエントリ中に、次に進入する案内交差点、および、現在の案内経路に沿ったその案内交差点の進入退出方向の組を有する視線フラグオンおよび視線フラグオフのエントリを表示抑制履歴データから検索し、その検索の結果該当する視線フラグオフのエントリの数から視線フラグオンのエントリの数を減算した値と、しきい値α、βとを比較するようになっていてもよい。
【0133】
なお、この検索の際、現在から基準期間(例えば1年)以上過去の日付を有しているエントリを検索対象から除外するようになっていてもよい。すなわち、表示抑制履歴データ中の基準期間以上過去のデータは、交差点拡大図の表示、抑制の判定の対象から除外するようになっていてもよい。
【0134】
また、上記の第2実施形態においては、誘導経路中の案内交差点において交差点拡大図の表示、抑制の判定(交差点拡大表示制御プログラム200のステップ220に相当する)を、自車両が当該案内交差点の手前の判定区間に入った後に行っているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、誘導経路が確定した直後に、現在の自車両の位置に関わらず、その誘導経路中の案内経路について順次交差点拡大図の表示、抑制の判定を行い、その判定結果を外部記憶媒体18またはRAM16に記憶させておくようになっていてもよい。そして、自車両が誘導経路中のある案内交差点の判定区間に入ったときには、ステップ220、225、230に代えて、その案内交差点について記憶された判定結果を読み出して、実際に交差点拡大図の表示、抑制を行うようになっていてもよい。
【0135】
また、上記の第2実施形態においては、制御回路19は、ステップ220でカウンタXがしきい値β以上であると判定した直後に、ステップ225における3D交差点拡大図表示の場合よりも短時間だけ(例えば2秒だけ)、3D交差点拡大図を画像表示装置13に表示させるようになっていてもよい。また、ステップ225における交差点の場合よりも抑えた拡大率で、3D交差点拡大図を画像表示装置13に表示させるようになっていてもよい。すなわち、交差点拡大図の表示が、ステップ225の場合に比べて、抑制されていれば足りる。
【0136】
また、制御回路19は、当該案内交差点手前の誘導経路に沿った進入道路が渋滞の場合には、それぞれ記憶しているしきい値α、βよりも小さくした2つの値を、上記のステップ220の判定において、α、βに代えて用いるようになっていてもよい。なお、渋滞しているか否かについては、例えばFM局から受信したVICS情報に基づいて判定すればよい。
【0137】
また、上記の第2実施形態においては、車両用ナビゲーション装置が、本発明のナビゲーション装置の一例として示されているが、ナビゲーション装置としては、例えば人が携帯できるナビゲーション装置であってもよい。
【0138】
また、上記の第2実施形態において、制御回路19が実行する視線認識処理は、その視線認識処理専用のハードウェアによって実現されていてもよい。
【0139】
また、上記の第2実施形態において、視線認識装置15は、助手席や後席に座る人の顔の画像も取得するようになっており、視線認識処理では、それら運転席以外の人の視線が画像表示装置13に向いていることを検出するようになっており、ステップ235では、車両の乗員の誰かが画像表示装置13を見たか否かを判定するようになっていてもよい。
【0140】
また、カウンタX、しきい値α、βは、外部記憶媒体18でなくても、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体(例えばEEPROM)に記憶されていれば足りる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】交差点拡大表示制御プログラム100のフローチャートである。
【図3】交差点拡大表示制御プログラム100のフローチャートである。
【図4】判定区間を示すための交差点概略図である。
【図5】車両用ナビゲーション装置1の画像表示装置13による画面表示例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1’のハードウェア構成図である。
【図7】車両用ナビゲーション装置1’および視線認識装置15の車両50内の配置を示す図である。
【図8】交差点拡大表示制御プログラム200のフローチャートである。
【図9】3D交差点拡大地図を含む地図表示の一例を示す図である。
【図10】2D交差点拡大地図を含む地図表示の一例を示す図である。
【図11】交差点拡大地図を含まない地図表示の一例を示す図である。
【図12】交差点拡大図表示切り替え設定画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0142】
1、1’…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…操作スイッチ群、
13…画像表示装置、14…スピーカ、15…視線認識装置、16…RAM、
17…ROM、18…外部記憶媒体、19…制御回路、31…案内交差点、
32…進行方向、33、34…道路、35…判定区間、36…地点、41…地図画像、
42…アイコン、50…車両、51…ドライバ、52…眼、
60、70、80…地図画像、61、71…広域ルート図、62…3D拡大地図、
63…地平線、64…信号機、65…ビル、66…道路、72…2D拡大地図、
90…しきい値設定画面、91…オンボタン、92…オフボタン、
93、94…しきい値A表示部、93a…しきい値Aアップボタン、
93b…しきい値Aダウンボタン、95、96…しきい値B表示部、
96a…しきい値Bアップボタン、 96b…しきい値Bダウンボタン、
100、200…交差点拡大表示制御プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導経路中の交差点に関連づけられて記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが、抑制基準を満たすか否かを判定する抑制履歴判定手段と、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たさないと判定することに基づいて、前記誘導経路に沿った当該交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行う拡大表示制御手段と、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たすと判定することに基づいて、前記誘導経路に沿った当該交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を、前記拡大表示制御手段の制御による拡大図の表示よりも抑制する抑制手段と、
ユーザによる交差点の拡大図の表示を消去する旨の消去操作を受け付ける受付手段と、
前記表示装置が前記拡大表示制御手段の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、前記受付手段が前記消去操作を受け付けたことに基づいて、前記表示装置にその拡大図の表示を消去させる消去制御手段と、
前記表示装置が前記拡大表示制御手段の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、前記受付手段が前記消去操作を受け付けたことに基づいて、その拡大図に係る交差点に関連づけられて記憶媒体に記憶された前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する履歴変更手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記抑制履歴判定手段は、前記誘導経路中の交差点について、その交差点へどの方向から入ってどの方向へ出るかの予定進入退出方向に関連づけられて記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが、抑制基準を満たすか否かを判定し、
前記履歴変更手段は、前記表示装置が前記拡大表示制御手段の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、前記受付手段が前記消去操作を受け付けたことに基づいて、その拡大図に係る交差点についての前記予定進入退出方向に関連づけられて記憶媒体に記憶された前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する履歴変更手段と、を備えた請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記抑制履歴判定手段が判定基準とする前記抑制基準とは、前記表示抑制履歴データに含まれる計数データが基準単位数を超えるという基準であり、
前記履歴変更手段が行う、前記抑制基準を満たすためにより有利になるような変更とは、前記計数データを1単位増加させる変更であることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記受付手段は更に、交差点の拡大図の表示を行う旨の拡大表示操作を受け付け、
前記拡大表示制御手段は更に、前記表示装置に交差点の拡大図の表示を行わせていないときに、前記受付手段が前記拡大表示操作を受け付けたことに基づいて、前記誘導経路中の、自車両が後に進入する交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行い、
前記履歴変更手段は更に、前記受付手段が前記拡大表示操作を受け付けたことに基づいて、その拡大表示操作に基づいて前記表示装置が拡大図を表示する交差点に関連づけられて前記記憶媒体に記憶された前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより不利になるように変更することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記抑制履歴判定手段が判定基準とする前記抑制基準とは、前記表示抑制履歴データに含まれる計数データが基準単位数を超えるという基準であり、
前記履歴変更手段が行う、前記抑制基準を満たすためにより有利になるような変更とは、前記計数データを1単位増加させる変更であり、
前記履歴変更手段が行う、前記抑制基準を満たすためにより不利になるような変更とは、前記計数データをα単位減少させる変更であり、
前記αは正の実数であることを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記履歴変更手段は、前記受付手段が前記拡大表示操作を受け付けたことに基づいて、その拡大表示操作に基づいて前記表示装置が拡大図を表示する交差点についての前記予定進入退出方向に関連づけられて前記記憶媒体に記憶された前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより不利になるように変更することを特徴とする請求項4または5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記交差点が渋滞しているか否かを判定する渋滞判定手段を備え、
前記抑制手段は更に、前記渋滞判定手段が渋滞していると判定することに基づいて、前記誘導経路に沿った当該交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を、前記拡大表示制御手段の制御による拡大図の表示よりも抑制することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記受付手段は、表示装置の画面表示内容を変更する旨のユーザによる画面表示変更操作を受け付け、
当該車載ナビゲーション装置は、前記抑制手段が前記拡大図の表示を抑制した後のある期間または、前記消去手段が前記拡大図の表示を消去させた後のある期間において前記受付手段が受け付けた画面表示変更操作の履歴データを記憶媒体に記憶させる学習手段と、
前記抑制手段が前記拡大図の表示を抑制した場合、または、前記消去手段が前記拡大図の表示を消去させた場合、前記学習手段が記憶媒体に記憶させた操作の履歴データに基づいて、表示装置の画面表示内容を変更する学習再現手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
誘導経路中の交差点に関連づけられて記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが、抑制基準を満たすか否かを判定する抑制履歴判定手段、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たさないと判定することに基づいて、前記誘導経路に沿った当該交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行う拡大表示制御手段、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たすと判定することに基づいて、前記誘導経路に沿った当該交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を、前記拡大表示制御手段の制御による拡大図の表示よりも抑制する抑制手段、
前記表示装置が前記拡大表示制御手段の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、ユーザによる交差点の拡大図の表示を消去する旨の消去操作を受け付ける受付手段が前記消去操作を受け付けたことに基づいて、前記表示装置にその拡大図の表示を消去させる消去制御手段、および
前記表示装置が前記拡大表示制御手段の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、前記受付手段が前記消去操作を受け付けたことに基づいて、その拡大図に係る交差点に関連づけられて記憶媒体に記憶された前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する履歴変更手段として、コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項10】
記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが、抑制基準を満たすか否かを判定する抑制履歴判定手段と、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たさないと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行う拡大表示制御手段と、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たすと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を、前記拡大表示制御手段の制御による拡大図の表示よりも抑制する抑制手段と、
ユーザによる交差点の拡大図の表示を消去する旨の消去操作を受け付ける受付手段と、
前記表示装置が前記拡大表示制御手段の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、前記受付手段が前記消去操作を受け付けたことに基づいて、前記表示装置にその拡大図の表示を消去させる消去制御手段と、
前記表示装置が前記拡大表示制御手段の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、前記受付手段が前記消去操作を受け付けたことに基づいて、前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する履歴変更手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項11】
記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが、抑制基準を満たすか否かを判定する抑制履歴判定手段、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たさないと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行う拡大表示制御手段、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たすと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を、前記拡大表示制御手段の制御による拡大図の表示よりも抑制する抑制手段、
前記表示装置が前記拡大表示制御手段の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、ユーザによる交差点の拡大図の表示を消去する旨の消去操作を受け付ける受付手段が前記消去操作を受け付けたことに基づいて、前記表示装置にその拡大図の表示を消去させる消去制御手段、および
前記表示装置が前記拡大表示制御手段の制御による交差点の拡大図の表示を行っているときに、前記受付手段が前記消去操作を受け付けたことに基づいて、前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する履歴変更手段として、コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項12】
記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが、抑制基準を満たすか否かを判定する抑制履歴判定手段と、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たさないと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行う拡大表示制御手段と、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たすと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を、前記拡大表示制御手段の制御による拡大図の表示よりも抑制する抑制手段と、
交差点の手前の区間における、当該表示装置による当該交差点の拡大図の表示を必要としない旨のユーザの動作に基づいて、前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する履歴変更手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項13】
前記履歴変更手段は、交差点の手前の区間において、ユーザによる前記表示装置への視線を、ユーザの視線方向を認識する視線認識手段が一度も認識しなかったことに基づいて、前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより有利になるように変更することを特徴とする請求項12に記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記履歴変更手段は、交差点の手前の区間において、ユーザによる前記表示装置への視線を前記視線認識手段が認識したことに基づいて、前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより不利になるように変更することを特徴とする請求項13に記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記抑制履歴判定手段が判定基準とする前記抑制基準とは、前記表示抑制履歴データに含まれる計数データが基準単位数を超えるという基準であり、
前記履歴変更手段が行う、前記抑制基準を満たすためにより有利になるような変更とは、前記計数データを1単位増加させる変更であり、前記抑制基準を満たすためにより不利になるような変更とは、前記係数データの、前記基準単位数を超えない値への変更であることを特徴とする請求項14に記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
交差点の手前の区間において、ユーザによる前記表示装置への視線を前記視線認識手段が認識したことに基づいて、当該区間内にいるうちに、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる視線即応表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項12ないし15のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
前記拡大表示制御手段は、当該交差点の3D拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行い、
前記抑制手段は、当該交差点の2D拡大図の表示または交差点拡大図のない地図表示を表示装置に行わせることを特徴とする請求項12ないし16のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
記憶媒体に記憶された表示抑制履歴データが、抑制基準を満たすか否かを判定する抑制履歴判定手段、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たさないと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、当該交差点の拡大図の表示を表示装置に行わせる制御を行う拡大表示制御手段、
前記抑制履歴判定手段が前記抑制基準を満たすと判定することに基づいて、誘導経路に沿った交差点の手前の区間における、表示装置による当該交差点の拡大図の表示を、前記拡大表示制御手段の制御による拡大図の表示よりも抑制する抑制手段、および
交差点の手前の区間における、当該表示装置による当該交差点の拡大図の表示を必要としない旨のユーザの動作に基づいて、前記表示抑制履歴データを、前記抑制基準を満たすためにより有利になるように変更する履歴変更手段として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−71619(P2006−71619A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−23419(P2005−23419)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】