説明

ナビゲーション装置及び走行速度情報調整方法

【課題】走行速度情報の調整精度を向上させ、普段走行し慣れている地域での到着予想時刻の予想精度を高くすることが可能な「ナビゲーション装置および走行速度情報調整方法」を提供する。
【解決手段】第1の領域(普段走行し慣れている地域:東京都)内を車両が走行した場合に限り、その走行中に取得した走行履歴情報に基づいて、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第1の走行速度情報を更新することにより、第1の領域以外の領域(走行し慣れていない領域:埼玉県)を走行したときには、その走行履歴情報によって第1の走行速度情報が更新されないようにして、第1の走行速度情報の調整精度を向上させ、普段走行し慣れている地域での到着予想時刻の予想精度を高くすることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び走行速度情報調整方法に関し、目的地に至る経路を構成する各道路リンクの距離情報と、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度情報とを用いて、当該目的地に到着する時刻である到着予想時刻を算出して画面表示するナビゲーション装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナビゲーション装置では、自立航法センサやGPS(Global Positioning System)受信機等を用いて車両の現在位置を検出し、その近傍の地図データを記録媒体から読み出して画面上に表示する。そして、画面上の所定箇所に自車位置を示す車両位置マークを重ね合わせて表示することにより、車両が現在どこを走行しているのかを一目で分かるようにしている。
【0003】
また、最近のナビゲーション装置の殆どには、運転者が所望の目的地に向かって道路を間違うことなく容易に走行できるようにした経路誘導機能が搭載されている。この経路誘導機能では、地図データを用いて現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな経路を自動探索し、その探索した経路を誘導経路として地図画面上で他の道路とは色を変えて太く描画する。また、車両が誘導経路上の案内交差点の一定距離内に近づいたときに、所定の交差点案内を行うことにより、運転者を目的地まで案内するようになっている。
【0004】
経路探索処理においては、一連の道路を細かく分割して表した個々のベクトルをリンク、各リンクの両端の点をノードとして、現在地から目的地に至る様々な経路上のリンクコストを順次加算し、リンクコストの合計が最も小さい経路を誘導経路として選択する。なお、コストとは、距離をもとに、道路幅員、道路種別(一般道か高速道路かなど)、右折および左折、交通規制などに応じた所定の定数を乗じた値であり、誘導経路として適正の程度を数値化したものである。
【0005】
この種のナビゲーション装置は、目的地に至る経路上にある各道路リンクの距離情報と、道路種別および走行速度範囲毎に予め設定された走行速度情報とを用いて、当該各道路リンク毎の所要走行時間を算出し、これらの各道路リンクの所要走行時間を合計することによって目的地に到着する時刻である到着予想時刻を算出して画面表示する機能を有している。
【0006】
また、車両の走行履歴(どの曜日・時間帯に、どの走行種別・走行速度範囲に該当する道路を、どのくらいの距離・どれくらいの時間で走行したか)を取得して、当該取得した走行履歴情報に基づいて、到着予想時刻やその計算に用いる走行速度情報を調整するようにした技術もある。この技術によれば、ユーザの運転習慣や過去の道路状況(例えば、道路形状や道路の渋滞状況など)を加味した上で、当該ユーザが何曜日の何時頃にどのくらいの走行速度で走行可能かについて道路種別および走行速度範囲毎に予測することができるので、目的地への到着予想時刻を精度良く算出することができる。
【0007】
なお、車両の走行中に走行頻度情報、Uターン頻度情報および走行レーン頻度情報を学習情報として取得し、当該取得した学習情報のうち、Uターン頻度情報および走行頻度情報を目的地までの経路設定に反映し、走行レーン頻度情報を走行案内時の走行レーン案内に反映する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の技術によれば、ユーザの運転習慣(ユーザの好み)に基づいた経路案内を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−29863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した走行履歴情報に基づいて走行速度情報を調整する技術には、次のような解決すべき課題があった。すなわち、走行履歴情報はどの地域でも常に学習されていくため、例えば、普段走行し慣れている地域(例えば、東京)を離れて、走行し慣れていない地域(例えば、北海道)に長期出張する場合を考えてみると、出張先(北海道)から普段走行し慣れている地域(東京)に戻ったとき、出張前よりも到着予想時刻の予想精度が低下している可能性が高い。これは、普段走行し慣れていない地域では、慣れない道路交通状況の中で走行するため、走行し慣れている地域を走行するときと比べて、例え同じ曜日・時間帯、同じ道路種別・走行速度範囲であっても運転者の運転傾向が変わることが多い。そして、その変わった運転傾向で走行したときの走行履歴情報に基づいて、到着予想時刻の算出に用いる走行速度情報が学習により変わってしまうからである。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、走行速度情報の調整精度を向上させ、普段走行し慣れている地域での到着予想時刻の予想精度を高くできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明では、第1の領域(普段走行し慣れている地域)内を車両が走行した場合に限り、その走行中に取得した走行履歴情報に基づいて、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第1の走行速度情報を更新するようにしている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明によれば、第1の領域以外の領域(走行し慣れていない領域)を走行したときには、その走行履歴情報によって第1の走行速度情報が更新されないので、第1の走行速度情報は、第1の領域で走行したときの走行履歴情報に基づく学習によって得られた内容が維持される。そのため、第1の走行速度情報の調整結果が、普段走行し慣れている地域でのユーザの運転習慣を忠実に反映したものとなる。よって、普段走行し慣れている地域での第1の走行速度情報の調整精度を向上させることができ、その第1の走行速度情報を用いて算出した到着予想時刻も精度良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態によるナビゲーション装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態による第1の走行速度情報の構成例を示す図である。
【図3】第1の実施形態による走行速度情報の調整動作例を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態による到着予想時刻の算出動作例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態によるナビゲーション装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態による第1および第2の走行速度情報記憶部の情報構成例を示す図である。
【図7】第2の実施形態による走行速度情報の調整動作例を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態による到着予想時刻の算出動作例を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態によるナビゲーション装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図10】第3の実施形態による第1および第2の走行速度情報記憶部の情報構成例を示す図である。
【図11】第3の実施形態による到着予想時刻の算出動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるナビゲーション装置100の全体構成例を示すブロック図である。図1において、11はDVD−ROM等の記録媒体であり、地図表示や経路探索等に必要な各種の地図データを記憶している。なお、ここでは地図データを記憶する記録媒体としてDVD−ROM11を用いているが、CD−ROM、ハードディスク、半導体メモリ等の他の記録媒体を用いても良い。
【0015】
DVD−ROM11に記録された地図データには、地図表示や経路探索等の各種処理に使用する道路ユニットのデータが含まれている。道路ユニットのデータは、道路に対応する道路リンクに関する情報(例えば、道路リンクの距離、リンクコスト、道路種別、走行速度範囲等)と、当該道路リンクの両端に当たるノードに関する情報とを含んでいる。
【0016】
12は車両の現在位置を所定間隔毎に検出する車両位置検出部であり、自立航法センサ、GPS受信機、位置計算用CPU等で構成されている。自立航法センサは、所定走行距離毎に1個のパルスを出力して車両の移動距離を検出する車速センサ(距離センサ)と、車両の回転角度(移動方位)を検出する振動ジャイロ等の角速度センサ(相対方位センサ)とを含む。自立航法センサは、これらの車速センサおよび角速度センサによって車両の相対位置および方位を検出する。
【0017】
位置計算用CPUは、自立航法センサから出力される自車両の相対的な位置および方位のデータに基づいて、絶対的な自車装置(推定車両位置)および車両方位を計算する。また、GPS受信機は、複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナで受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計算する(車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)。
【0018】
13は地図情報記憶部であり、DVD−ROM制御部14の制御によってDVD−ROM11から読み出された地図データを一時的に格納する。DVD−ROM制御部14は、DVD−ROM11からの地図データの読み出しを制御する。すなわち、DVD−ROM制御部14は、車両位置検出部12から車両現在位置の情報を入力し、その車両現在位置を含む所定範囲の地図データの読み出し指示を出力することにより、地図表示や誘導経路の探索に必要な地図データをDVD−ROM11から読み出して地図情報記憶部13に格納する。
【0019】
15は目的地設定部であり、誘導経路の目的地を設定する。この目的地の設定に関しては、従来と同様に、地図画像をスクロールさせて所望の地点に合わせたカーソル位置を目的地に設定したり、メニュー画面から施設名や地点名、電話番号、住所、郵便番号などのキーワードを入力して検索した地点を目的地に設定したりすることが可能である。
【0020】
16は誘導経路探索部であり、地図情報記憶部13に記憶されている地図データに基づいて、車両位置検出部12により検出された自車位置から、目的地設定部15により設定された目的地までの誘導経路を探索する。17は誘導経路メモリであり、誘導経路探索部16により探索された誘導経路を表す誘導経路データ(誘導経路を構成する現在位置から目的地に至るまでの道路リンクの集合)を一時的に格納する。
【0021】
18は現在時刻取得部であり、現在時刻および本日の曜日を取得する。なお、現在時刻取得部18は、例えばカレンダー情報等を有しており、本日の曜日を取得することができる。19は走行履歴情報取得部であり、車両位置検出部12により検出された自車位置情報、地図情報記憶部13に記憶されている地図データおよび現在時刻取得部18により取得された現在時刻および曜日に基づいて、車両の走行履歴を走行履歴情報として取得する。本実施形態では、走行履歴情報は、過去に走行した走行軌跡を構成する複数の道路リンクの各々、各道路リンクを走行した曜日・時刻、各道路リンクの道路種別・走行速度範囲をそれぞれ関連付けた情報である。20は走行履歴情報記憶部であり、走行履歴情報取得部19により取得された走行履歴情報を逐次記憶する。
【0022】
21は第1の走行速度情報記憶部であり、車両が第1の領域(普段走行し慣れている地域)を走行した場合における曜日、時間帯および道路種別、走行速度範囲毎の走行速度を示す第1の走行速度情報を記憶する。本実施形態では、ユーザが自宅としてナビゲーション装置100に登録した地点を含む都道府県を第1の領域とする。例えば、東京都内の地点が自宅として登録されている場合、普段走行し慣れている第1の領域が東京都であることを示す第1の領域情報が不揮発性のユーザメモリ(図示せず)に登録される。なお、第1の領域の範囲の設定の仕方はこれに限定されない。例えば、市区町村単位で第1の領域を設定しても良い。また、自宅から半径数[km]の範囲を第1の領域に設定しても良い。
【0023】
図2は、第1の実施形態による第1の走行速度情報の構成例を示す図である。第1の走行速度情報は、図2(a)に示すような親テーブルの各セルの中に図2(b)に示すような子テーブルを有する入れ子構造のテーブル情報である。すなわち、第1の走行速度情報は、図2(a)に示すように曜日(月曜日〜日曜日)毎、時間帯(6:00〜6:59、7:00〜7:59等)毎に区分された各セルの中に、図2(b)に示すように道路種別、走行速度範囲毎の走行速度情報を記憶したテーブル情報となっている。
【0024】
例えば、車両が木曜日の14:30頃に第1の領域を走行した場合、図2(a)において太枠で示したセルが備える図2(b)のテーブル情報が更新される。図2(b)に示すテーブル情報では、道路種別A〜D(例えば、高速道路、一般国道、主要地方道、都道府県道にそれぞれ対応)の何れか、および、走行速度範囲(10−20[km/h]、20−30[km/h]等)の何れかに該当する道路を走行した場合の平均走行速度が、該当する道路種別および走行速度範囲に対応するセルに格納される。例えば、車両が、道路種別が種別C、および、走行速度範囲が30−40[km/h]である道路を平均時速60[km/h]で走行した場合、図2(b)において太枠で示したセルに走行速度情報(60[km/h])が格納される。
【0025】
22は第1の抽出部であり、ユーザメモリに設定された第1の領域情報に基づいて、走行履歴情報記憶部20に記憶された走行履歴情報の中から、車両が第1の領域を走行したときの走行履歴情報を抽出する。そして、第1の抽出部22は、抽出した走行履歴情報を第1の走行速度算出部23に出力する。
【0026】
第1の走行速度算出部23は、第1の抽出部22から出力された走行履歴情報および地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(第1の領域に含まれる道路リンクに関する距離情報)に基づいて、車両が第1の領域を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を算出する。例えば、第1の抽出部22から出力された第1の領域における走行履歴情報と地図情報記憶部13に記憶されている道路リンクの距離情報とから、第1の領域において水曜日の14:15〜14:45(30分間)に道路種別D、走行速度範囲(50−60[km/h])の道路を30[km]走行したことが判った場合、第1の走行速度算出部23は、曜日(水曜日)、時間帯(14:00〜14:59)、道路種別(道路種別D)、走行速度範囲(50−60[km/h])の走行速度として60[km/h](=走行距離(30[km])/走行時間(1/2[h]))を算出する。そして、第1の走行速度算出部23は、算出した走行速度を示す走行速度情報を第1の更新部24に出力する。
【0027】
第1の更新部24は、第1の走行速度算出部23から出力された走行速度情報に基づいて、第1の走行速度情報記憶部21に記憶されている第1の走行速度情報を更新する。本実施形態では、第1の更新部24は、第1の走行速度情報により示される曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度の各々の値と、第1の走行速度算出部23から出力された走行速度情報により示される曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度の各々の値との差分を算出する。そして、第1の更新部24は、算出した差分の各々の所定割合(例えば、5[%])を第1の走行速度情報により示される曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度の各々の値に加算することによって第1の走行速度情報を更新する。
【0028】
25は所要走行時間算出部であり、誘導経路メモリ17に格納された誘導経路データ、地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(道路リンクの距離情報、道路種別等)および第1の走行速度情報記憶部21に記憶されている第1の走行速度情報に基づいて、現在位置から目的地までの誘導経路上の各道路リンクの所要走行時間を算出する。各道路リンクの所要走行時間は、当該道路リンクの距離情報により示される距離を、当該道路リンクを走行する場合の条件(すなわち、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲)に対応する走行速度(第1の走行速度情報を参照して取得する)で除算することにより算出される。そして、所要走行時間算出部25は、算出した各道路リンクの所要走行時間を示す所要走行時間情報を到着予想時刻算出部26に出力する。
【0029】
到着予想時刻算出部26は、所要走行時間算出部25から出力された所要走行時間情報により示される各道路リンクの所要走行時間を合計し、当該合計した所要走行時間を現在時刻取得部18により取得された現在時刻に加算することによって、目的地に到着する到着予想時刻を算出する。そして、到着予想時刻算出部26は、算出した到着予想時刻を示す到着予想時刻情報を誘導経路案内部27に出力する。
【0030】
誘導経路案内部27は、車両位置検出部12により検出された自車位置情報と、地図情報記憶部13に記憶されている地図データと、誘導経路メモリ17に格納された誘導経路データとに基づいて誘導経路案内を行う。具体的には、誘導経路案内部27は、地図情報記憶部13に記憶されている地図データに基づいて、ディスプレイ28への地図表示に必要な地図画像データを生成し、当該生成した地図画像データをディスプレイ28に出力することにより、地図画像を表示する。そして、誘導経路案内部27は、誘導経路メモリ17に格納されている誘導経路データに基づいて誘導経路の道路を他の道路とは異なる色で太く表示するための誘導経路描画データを生成し、当該生成した誘導経路描画データをディスプレイ28に出力することによって、誘導経路を地図画像に重ねて表示する。さらに、誘導経路案内部27は、到着予想時刻算出部26から出力された到着予想時刻情報により示される到着予想時刻を地図画像に重ねて表示する。
【0031】
次に、第1の実施形態のナビゲーション装置100による第1の走行速度情報の調整動作について説明する。図3は、第1の実施形態のナビゲーション装置100による第1の走行速度情報の調整動作例を示すフローチャートである。図3におけるステップS100の処理は、ナビゲーション装置100が起動することによって開始する。
【0032】
まず、第1の抽出部22は、ユーザメモリに設定された第1の領域情報に基づいて、走行履歴情報記憶部20に記憶された走行履歴情報の中に、車両が第1の領域を走行したときの走行履歴情報が存在するか否かについて判定する(ステップS100)。もし、車両が第1の領域を走行したときの走行履歴情報が存在しないと第1の抽出部22にて判定した場合(ステップS100にてNO)、ナビゲーション装置100は、図3における処理を終了する。
【0033】
一方、車両が第1の領域を走行したときの走行履歴情報が存在すると第1の抽出部22にて判定した場合(ステップS100にてYES)、第1の抽出部22は、当該第1の領域における走行履歴情報を走行履歴情報記憶部20から抽出する(ステップS120)。そして、第1の抽出部22は、抽出した走行履歴情報を第1の走行速度算出部23に出力する。
【0034】
次に、第1の走行速度算出部23は、第1の抽出部22から出力された走行履歴情報および地図情報記憶部13に記憶されている道路リンクの距離情報に基づいて、車両が第1の領域を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を算出する(ステップS140)。そして、第1の走行速度算出部23は、算出した走行速度を示す走行速度情報を第1の更新部24に出力する。
【0035】
最後に、第1の更新部24は、第1の走行速度算出部23から出力された走行速度情報に基づいて、第1の走行速度情報記憶部21に記憶されている第1の走行速度情報を更新する(ステップS160)。ステップS160の処理が完了することによって、ナビゲーション装置100は、図3における処理を終了する。
【0036】
次に、第1の実施形態のナビゲーション装置100による到着予想時刻の算出動作について説明する。図4は、第1の実施形態のナビゲーション装置100による到着予想時刻の算出動作例を示すフローチャートである。図4におけるステップS300の処理は、所要走行時間算出部25が誘導経路案内部27から到着予想時刻の算出要求を受け付けることにより開始する。なお、誘導経路を構成する各道路リンクの情報は、既に誘導経路メモリ17に記憶されているものとする。
【0037】
まず、所要走行時間算出部25は、現在位置を含む道路リンク(すなわち、目的地に至る誘導経路を構成する最初の道路リンク)を誘導経路メモリ17から抽出する(ステップS300)。次に、所要走行時間算出部25は、地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(道路リンクの距離情報)および第1の走行速度情報記憶部21に記憶されている第1の走行速度情報に基づいて、抽出した道路リンクの所要走行時間を算出する(ステップS320)。そして、所要走行時間算出部25は、算出した道路リンクの所要走行時間を示す所要走行時間情報を到着予想時刻算出部26に出力する。
【0038】
次に、所要走行時間算出部25は、誘導経路メモリ17に格納された誘導経路データを参照して、現在位置から目的地までの誘導経路上の経路を構成する全ての道路リンクの所要走行時間を算出したか否かについて判定する(ステップS340)。もし、全ての道路リンクの所要走行時間を算出していないと所要走行時間算出部25にて判定した場合(ステップS340にてNO)、所要走行時間算出部25は、前回抽出した道路リンクから目的地に繋がる次の道路リンクを誘導経路メモリ17から抽出する(ステップS360)。その後、処理はステップS320に遷移する。
【0039】
一方、全ての道路リンクの所要走行時間を算出したと所要走行時間算出部25にて判定した場合(ステップS340にてYES)、到着予想時刻算出部26は、所要走行時間算出部25から出力された所要走行時間情報により示される各道路リンクの所要走行時間を合計し、当該合計した所要走行時間を現在時刻取得部18により取得された現在時刻に加算することによって、目的地に到着する到着予想時刻を算出する(ステップS380)。ステップS380の処理が完了することによって、ナビゲーション装置100は、図4における処理を終了する。
【0040】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、第1の領域(普段走行し慣れている地域)内を車両が走行した場合に限り、その走行中に取得した走行履歴情報に基づいて、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第1の走行速度情報を更新するようにしている。
【0041】
このように構成した第1の実施形態によれば、第1の領域以外の領域(走行し慣れていない領域)を走行したときには、その走行履歴情報によって第1の走行速度情報が更新されないので、第1の走行速度情報は、第1の領域で走行したときの走行履歴情報に基づく学習によって得られた内容が維持される。そのため、第1の走行速度情報の調整結果が、普段走行し慣れている地域でのユーザの運転習慣を忠実に反映したものとなる。よって、普段走行し慣れている地域での第1の走行速度情報の調整精度を向上させることができ、その第1の走行速度情報を用いて算出した到着予想時刻も精度良いものとなる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図5は、第2の実施形態によるナビゲーション装置100′の全体構成例を示すブロック図である。第2の実施形態によるナビゲーション装置100′は、図1のナビゲーション装置100と異なり、第2の走行速度情報記憶部30、第2の抽出部31、第2の走行速度算出部32、第2の更新部33を更に備えて構成されている。また、ナビゲーション装置100′は、図1の所要走行時間算出部25に代えて所要走行時間算出部25′を備えて構成されている。なお、この図5において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0043】
第2の走行速度情報記憶部30は、車両が第2の領域(走行し慣れていない地域)を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第2の走行速度情報を記憶する。本実施形態でも、ユーザが自宅としてナビゲーション装置100に登録した地点を含む都道府県を第1の領域とする。例えば、東京都内の地点が自宅として登録されている場合、普段走行し慣れている第1の領域が東京都であることを表す第1の領域情報が不揮発性のユーザメモリ(図示せず)に登録される。一方、走行し慣れていない第2の地域である(東京都以外の)各都道府県を表す第2の領域情報がユーザメモリに登録される。
【0044】
図6は、第2の実施形態による第1および第2の走行速度情報記憶部21、30の情報構成例を示す図である。図6(a)は、第1の走行速度情報記憶部21に記憶されている第1の走行速度情報としての走行速度情報(東京都)を示す。図6(b)は、第2の走行速度情報記憶部30に記憶されている第2の走行速度情報としての走行速度情報(各都道府県)を示している。なお、第1および第2の走行速度情報の構成は、図2で説明した構成と同一であるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0045】
第2の抽出部31は、ユーザメモリに設定された第2の領域情報に基づいて、走行履歴情報記憶部20に記憶された走行履歴情報の中から、車両が第2の領域の各都道府県を走行したときの走行履歴情報を都道府県毎に区別して抽出する。そして、第2の抽出部31は、抽出した都道府県毎の走行履歴情報を第2の走行速度算出部32に出力する。
【0046】
第2の走行速度算出部32は、第2の抽出部31から出力された都道府県毎の走行履歴情報および地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(第2の領域に含まれる道路リンクの距離情報)に基づいて、車両が第2の領域(各都道府県の何れか)を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を都道府県毎に算出する。そして、第2の走行速度算出部32は、算出した都道府県毎の走行速度を示す走行速度情報を第2の更新部33に出力する。
【0047】
第2の更新部33は、第2の走行速度算出部32から出力された都道府県毎の走行速度情報に基づいて、第2の走行速度情報記憶部30に記憶されている都道府県毎の第2の走行速度情報をそれぞれ更新する。本実施形態では、第2の更新部33は都道府県毎に、第2の走行速度情報により示される曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度の各々の値と、第2の走行速度算出部32から出力された走行速度情報により示される曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度の各々の値との差分を算出する。そして、第2の更新部33は、算出した差分の各々の所定割合(例えば、5[%])を第2の走行速度情報により示される曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度の各々の値に加算することによって、第2の走行速度情報を都道府県毎に更新する。
【0048】
所要走行時間算出部25′は、誘導経路メモリ17に格納された誘導経路データ、地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(道路リンクの距離情報、道路種別および走行速度範囲)、第1および第2の走行速度情報に基づいて、現在位置から目的地までの誘導経路上の各道路リンクの所要走行時間を算出する。具体的には、所要走行時間算出部25′は、第1の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を第1の走行速度情報に基づいて算出する。各道路リンクの所要走行時間は、当該道路リンクの距離情報により示される距離を、当該道路リンクを走行する場合の条件(すなわち、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲)に対応する走行速度(第1の走行速度情報を参照して取得する)で除算することにより算出される。
【0049】
また、所要走行時間算出部25′は、第2の領域(各都道府県)に含まれる道路リンクの所要走行時間を第2の走行速度情報に基づいて算出する。各道路リンクの所要走行時間は、当該道路リンクの距離情報により示される距離を、当該道路リンクを走行する場合の条件(すなわち、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲)に対応する走行速度(第2の走行速度情報を参照して取得する)で除算することにより算出される。そして、所要走行時間算出部25′は、算出した各道路リンクの所要走行時間を示す所要走行時間情報を到着予想時刻算出部26に出力する。
【0050】
次に、第2の実施形態のナビゲーション装置100′による走行速度情報の調整動作について説明する。図7は、第2の実施形態のナビゲーション装置100′による第1および第2の走行速度情報の調整動作例を示すフローチャートである。図7におけるステップS500の処理は、ナビゲーション装置100′が起動することによって開始する。
【0051】
まず、第1の抽出部22は、ユーザメモリに設定された第1の領域情報に基づいて、走行履歴情報記憶部20に記憶された走行履歴情報の中に、車両が第1の領域を走行したときの走行履歴情報が存在するか否かについて判定する(ステップS500)。もし、車両が第1の領域を走行したときの走行履歴情報が存在しないと第1の抽出部22にて判定した場合(ステップS500にてNO)、処理はステップS580に遷移する。
【0052】
一方、車両が第1の領域を走行したときの走行履歴情報が存在すると第1の抽出部22にて判定した場合(ステップS500にてYES)、第1の抽出部22は、当該第1の領域における走行履歴情報を走行履歴情報記憶部20から抽出する(ステップS520)。そして、第1の抽出部22は、抽出した第1の領域における走行履歴情報を第1の走行速度算出部23に出力する。
【0053】
次に、第1の走行速度算出部23は、第1の抽出部22から出力された走行履歴情報および地図情報記憶部13に記憶されている道路リンクの距離情報に基づいて、車両が第1の領域を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を算出する(ステップS540)。そして、第1の走行速度算出部23は、算出した走行速度を示す走行速度情報を第1の更新部24に出力する。第1の更新部24は、第1の走行速度算出部23から出力された走行速度情報に基づいて、第1の走行速度情報記憶部21に記憶されている第1の走行速度情報を更新する(ステップS560)。
【0054】
次に、第2の抽出部31は、ユーザメモリに設定された第2の領域情報に基づいて、走行履歴情報記憶部20に記憶された走行履歴情報の中に、車両が第2の領域を走行したときの走行履歴情報が存在するか否かについて判定する(ステップS580)。もし、車両が第2の領域を走行したときの走行履歴情報が存在しないと第2の抽出部31にて判定した場合(ステップS580にてNO)、ナビゲーション装置100′は、図7における処理は終了する。
【0055】
一方、車両が第2の領域を走行したときの走行履歴情報が存在すると第2の抽出部31にて判定した場合(ステップS580にてYES)、第2の抽出部31は、走行履歴情報記憶部20に記憶された走行履歴情報の中から、車両が第2の領域を走行したときの走行履歴情報を都道府県毎に抽出する(ステップS600)。そして、第2の抽出部31は、都道府県毎に抽出した走行履歴情報を第2の走行速度算出部32に出力する。
【0056】
次に、第2の走行速度算出部32は、第2の抽出部31から出力された都道府県毎の走行履歴情報および地図情報記憶部13に記憶されている道路リンクの距離情報に基づいて、車両が第2の領域を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を都道府県毎に算出する(ステップS620)。そして、第2の走行速度算出部32は、都道府県毎に算出した走行速度を示す走行速度情報を第2の更新部33に出力する。
【0057】
最後に、第2の更新部33は、第2の走行速度算出部32から出力された都道府県毎の走行速度情報に基づいて、第2の走行速度情報記憶部30に記憶されている都道府県毎の第2の走行速度情報を更新する(ステップS640)。ステップS640の処理が完了することによって、ナビゲーション装置100′は、図7における処理を終了する。
【0058】
次に、第2の実施形態のナビゲーション装置100′による到着予想時刻の算出動作について説明する。図8は、第2の実施形態のナビゲーション装置100′による到着予想時刻の算出動作例を示すフローチャートである。図8におけるステップS700の処理は、所要走行時間算出部25′が誘導経路案内部27から到着予想時刻の算出要求を受け付けることにより開始する。なお、誘導経路を構成する各道路リンクの情報は、既に誘導経路メモリ17に記憶されているものとする。
【0059】
まず、所要走行時間算出部25′は、現在位置を含む道路リンク(すなわち、目的地に至る誘導経路を構成する最初の道路リンク)を誘導経路17から抽出する(ステップS700)。次に、所要走行時間算出部25′は、ユーザメモリに設定された第1の領域情報に基づいて、抽出した道路リンクが第1の領域に含まれるものか否かについて判定する(ステップS720)。
【0060】
もし、抽出した道路リンクが第1の領域に含まれるものであると所要走行時間算出部25′にて判定した場合(ステップS720にてYES)、所要走行時間算出部25′は、地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(道路リンクの距離情報)および第1の走行速度情報記憶部21に記憶されている第1の走行速度情報に基づいて、抽出した道路リンクの所要走行時間を算出する(ステップS740)。そして、所要走行時間算出部25′は、算出した道路リンクの所要走行時間を示す所要走行時間情報を到着予想時刻算出部26に出力する。
【0061】
一方、抽出した道路リンクが第1の領域に含まれない(すなわち、第2の領域の都道府県の何れかに含まれる)ものであると所要走行時間算出部25′にて判定した場合(ステップS720にてNO)、所要走行時間算出部25′は、地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(道路リンクの距離情報)および第2の走行速度情報記憶部30に記憶されている第2の走行速度情報に基づいて、抽出した道路リンクの所要走行時間を算出する(ステップS760)。そして、所要走行時間算出部25′は、算出した道路リンクの所要走行時間を示す所要走行時間情報を到着予想時刻算出部26に出力する。
【0062】
ステップS740またはS760における所要走行時間の算出処理が完了した後、所要走行時間算出部25′は、誘導経路メモリ17に格納された誘導経路データを参照して、現在位置から目的地までの誘導経路上の全ての道路リンクの所要走行時間を算出したか否かについて判定する(ステップS780)。もし、全ての道路リンクの所要走行時間を算出していないと所要走行時間算出部25′にて判定した場合(ステップS780にてNO)、所要走行時間算出部25′は、前回抽出した道路リンクから目的地に繋がる次の道路リンクを誘導経路メモリ17から抽出する(ステップS800)。その後、処理はステップS720に遷移する。
【0063】
一方、全ての道路リンクの所要走行時間を算出したと所要走行時間算出部25′にて判定した場合(ステップS780にてYES)、到着予想時刻算出部26は、所要走行時間算出部25から出力された所要走行時間情報により示される各道路リンクの所要走行時間を合計し、当該合計した所要走行時間を現在時刻取得部18により取得された現在時刻に加算することによって、目的地に到着する到着予想時刻を算出する(ステップS820)。ステップS820の処理が完了することによって、ナビゲーション装置100′は、図8における処理を終了する。
【0064】
以上詳しく説明したように、第2の実施形態では、第1の領域(普段走行し慣れている地域)内を車両が走行した場合に限らず、第2の領域(普段走行し慣れている地域)内を車両が走行した場合にも、それぞれの領域の走行中に取得した走行履歴情報に基づいて、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第1および第2の走行速度情報をそれぞれ更新するようにしている。
【0065】
このように構成した第2の実施形態によれば、第2の領域(走行し慣れていない領域)を走行したときには、その走行履歴情報によって第2の走行速度情報が更新されるので、第2の走行速度情報は、普段走行し慣れていない地域でのユーザの運転習慣を忠実に反映したものとなる。よって、第2の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を算出する際に第1の走行速度情報を使用する第1の実施形態と比べて、第2の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を第2の走行速度情報に基づいて算出する第2の実施形態の方が、到着予想時刻算出部26により算出される到着予想時刻が精度良いものとなる。
【0066】
なお、上記第2の実施形態では、誘導経路を構成する道路リンクのうち、第1の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を第1の走行速度情報に基づいて算出し、第2の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を第2の走行速度情報に基づいて算出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、誘導経路を構成する道路リンクのうち、第1の領域(東京都)の外側に隣接し、第2の領域(東京都に隣接する都道府県である神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県の何れか)の一部と重複する第3の領域を設け、当該第3の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を第2の走行速度情報ではなく第1の走行速度情報に基づいて算出し、当該第3の領域と重複しない第2の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を第2の走行速度情報に基づいて算出するようにしても良い。
【0067】
また、上記第2の実施形態では、走行履歴情報記憶部20に記憶された走行履歴情報の中から、車両が第2の領域の各都道府県を走行したときの走行履歴情報を都道府県毎に区別してすべて抽出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、誘導経路メモリ17に格納された誘導経路データにより示される誘導経路が含まれる都道府県の走行履歴情報だけを選択的に抽出するようにしてもよい。
【0068】
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。図9は、第3の実施形態によるナビゲーション装置100′′の全体構成例を示すブロック図である。第3の実施形態によるナビゲーション装置100′′は、図5のナビゲーション装置100′(第2の実施形態)と異なり、類似判定部40を更に備えて構成されている。また、ナビゲーション装置100′′は、図5の第1の走行速度情報記憶部21、第1の更新部24、第2の走行速度情報記憶部30、第2の更新部33、所要走行時間算出部25′の代わりに、第1の走行速度情報記憶部21′、第1の更新部24′、第2の走行速度情報記憶部30′、第2の更新部33′、所要走行時間算出部25′′をそれぞれ備えて構成されている。なお、この図9において、図5に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0069】
第1の走行速度情報記憶部21′は、第1の領域について初期設定された曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第1の初期設定情報と、車両が第1の領域を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第1の走行速度情報とを記憶する。
【0070】
第2の走行速度情報記憶部30′は、第2の領域について初期設定された曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第2の初期設定情報と、車両が第2の領域を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第2の走行速度情報とを記憶する。
【0071】
本実施形態でも、ユーザが自宅としてナビゲーション装置100に登録した地点を含む都道府県を第1の領域とする。例えば、東京都内の地点が自宅として登録されている場合、普段走行し慣れている東京都が第1の領域として不揮発性のユーザメモリ(図示せず)に設定される。一方、走行し慣れていない地域である(東京都以外の)各都道府県が第2の領域としてユーザメモリに設定される。
【0072】
図10は、第3の実施形態による第1および第2の走行速度情報記憶部21′、30′の情報構成例を示す図である。図10(a)は、第1の走行速度情報記憶部21′に記憶されている第1の初期設定情報としての初期設定情報(東京都)と、第1の走行速度情報としての走行速度情報(東京都)とを示している。図10(b)は、第2の走行速度情報記憶部30′に記憶されている第2の初期設定情報としての初期設定情報(各都道府県)と、第2の走行速度情報としての走行速度情報(各都道府県)とを示している。第1および第2の初期設定情報も図2と同様に、親テーブルの各セルの中に子テーブルを有する入れ子構造のテーブル情報である。
【0073】
第1の初期設定情報の子テーブルを構成する各セルには、例えば、第1の領域内における道路の道路種別や法定速度、道路形状、起こりやすい渋滞などの道路状況その他の道路特性を考慮して推定した走行速度が格納されている。また、第2の初期設定情報の子テーブルを構成する各セルには、例えば、第2の領域内における道路の道路種別や法定速度、道路形状、起こりやすい渋滞状況などの道路その他の道路特性を考慮して推定した走行速度が格納されている。
【0074】
第1の更新部24′は、第1の走行速度算出部23から出力された走行速度情報に基づいて、第1の走行速度情報記憶部21′に記憶されている2つの情報のうち、第1の初期設定情報ではなく第1の走行速度情報を更新する。第2の更新部33′は、第2の走行速度算出部32から出力された都道府県毎の走行速度情報に基づいて、第2の走行速度情報記憶部30′に記憶されている2つの情報のうち、第2の初期設定情報ではなく第2の走行速度情報を都道府県毎に更新する。なお、第1の更新部24′および第2の更新部33′による第1および第2の走行速度情報の更新処理は、第2の実施形態で説明した処理内容と同様であるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0075】
類似判定部40は、誘導経路メモリ17に格納された誘導経路データの道路リンクを含む各都道府県の第2の初期設定情報が第1の初期設定情報と類似するか否かについて判定する。本実施形態では、類似判定部40は、第1の初期設定情報および第2の初期設定情報において共通する幾つかのセル(1以上のセルで、すべてのセルでもよい)に格納された走行速度を任意にそれぞれ抽出して比較する。そして、その比較の結果、第1の初期設定情報および第2の初期設定情報の各セル間において比較した各走行速度の差分の合計(平均値等でもよい)が所定値以下であれば、類似判定部40は、第2の初期設定情報が第1の初期設定情報と類似すると判定する。
【0076】
なお、各セルでの差分の合計(平均値等)を比較するのではなく、各セル毎に個別に算出した差分が所定値以下か否かをそれぞれ判定し、所定数以上のセルにおいて差分が所定値以下となっている場合に、第2の初期設定情報が第1の初期設定情報と類似すると判定するようにしても良い。
【0077】
例えば、第2の初期設定情報(大阪府)は、大阪府の道路特性が東京都の道路特性と近いため、第2の初期設定情報(大阪府)の各セルおよび第1の初期設定情報(東京都)の各セルには、互いに近似した値の走行速度が記憶されている。そのため、第2の初期設定情報(大阪府)は第1の初期設定情報(東京都)と類似すると判定される。
【0078】
これに対し、第2の初期設定情報(北海道)は、北海道の道路特性が東京都の道路特性と大きく異なるため、第2の初期設定情報(北海道)の各セルには、第1の初期設定情報(東京都)の各セルに記憶された走行速度と大きく異なる値の走行速度が記憶されている。そのため、第2の初期設定情報(北海道)は第1の初期設定情報(東京都)と類似しないと判定される。
【0079】
所要走行時間算出部25′′は、誘導経路メモリ17に格納された誘導経路データ、地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(道路リンクの距離情報、道路種別等)、第1および第2の走行速度情報に基づいて、現在位置から目的地までの誘導経路上の各道路リンクの所要走行時間を算出する。具体的には、所要走行時間算出部25′′は、第1の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を第1の走行速度情報に基づいて算出する。各道路リンクの所要走行時間は、当該道路リンクの距離情報により示される距離を、当該道路リンクを走行する場合の条件(すなわち、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲)に対応する走行速度(第1の走行速度情報を参照して取得する)で除算することにより算出される。
【0080】
また、所要走行時間算出部25′′は、類似判定部40により第2の初期設定情報が第1の初期設定情報と類似すると判定された場合、第2の領域(各都道府県)に含まれる道路リンクの所要走行時間を第1の走行速度情報(東京都)に基づいて算出する。各道路リンクの所要走行時間は、当該道路リンクの距離情報により示される距離を、当該道路リンクを走行する場合の条件(すなわち、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲)に対応する走行速度(第1の走行速度情報を参照して取得する)で除算することにより算出される。
【0081】
また、所要走行時間算出部25′′は、類似判定部40により第2の初期設定情報が第1の初期設定情報と類似しないと判定された場合、第2の領域(各都道府県)に含まれる道路リンクの所要走行時間を第2の走行速度情報(各都道府県)に基づいて算出する。各道路リンクの所要走行時間は、当該道路リンクの距離情報により示される距離を、当該道路リンクを走行する場合の条件(すなわち、曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲)に対応する走行速度(第2の走行速度情報を参照して取得する)で除算することにより算出される。
【0082】
次に、第3の実施形態のナビゲーション装置100′′による到着予想時刻の算出動作について説明する。図11は、第3の実施形態のナビゲーション装置100′′による到着予想時刻の算出動作例を示すフローチャートである。図11におけるステップS900の処理は、所要走行時間算出部25′′が誘導経路案内部27から到着予想時刻の算出要求を受け付けることにより開始する。なお、誘導経路を構成する各道路リンクの情報は、既に誘導経路メモリ17に記憶されているものとする。
【0083】
まず、所要走行時間算出部25′′は、現在位置を含む道路リンク(すなわち、目的地に至る誘導経路を構成する最初の道路リンク)を誘導経路17から抽出する(ステップS900)。次に、所要走行時間算出部25′′は、ユーザメモリに設定された第1の領域情報に基づいて、抽出した道路リンクが第1の領域に含まれるものか否かについて判定する(ステップS920)。
【0084】
もし、抽出した道路リンクが第1の領域に含まれるものであると所要走行時間算出部25′′にて判定した場合(ステップS920にてYES)、所要走行時間算出部25′′は、地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(道路リンクの距離情報)および第1の走行速度情報記憶部21′に記憶されている第1の走行速度情報に基づいて、抽出した道路リンクの所要走行時間を算出する(ステップS940)。そして、所要走行時間算出部25′′は、算出した道路リンクの所要走行時間を示す所要走行時間情報を到着予想時刻算出部26に出力する。
【0085】
一方、抽出した道路リンクが第1の領域に含まれない(すなわち、第2の領域の都道府県の何れかに含まれる)ものであると所要走行時間算出部25′′にて判定した場合(ステップS920にてNO)、類似判定部40は、抽出した道路リンクが含まれる都道府県の第2の初期設定情報が第1の初期設定情報(東京都)と類似するか否かについて判定する(ステップS960)。
【0086】
もし、第2の初期設定情報が第1の初期設定情報と類似すると類似判定部40にて判定した場合(ステップS960にてYES)、所要走行時間算出部25′′は、地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(道路リンクの距離情報)および第1の走行速度情報に基づいて、抽出した道路リンクの所要走行時間を算出する(ステップS940)。そして、所要走行時間算出部25′′は、算出した道路リンクの所要走行時間を示す所要走行時間情報を到着予想時刻算出部26に出力する。
【0087】
一方、第2の初期設定情報が第1の初期設定情報と類似しないと類似判定部40にて判定した場合(ステップS960にてNO)、所要走行時間算出部25′′は、地図情報記憶部13に記憶されている地図データ(道路リンクの距離情報)および抽出した道路リンクが含まれる都道府県の第2の走行速度情報に基づいて、当該抽出した道路リンクの所要走行時間を算出する(ステップS980)。そして、所要走行時間算出部25′′は、算出した道路リンクの所要走行時間を示す所要走行時間情報を到着予想時刻算出部26に出力する。
【0088】
ステップS940またはS980における所要走行時間の算出処理が完了した後、所要走行時間算出部25′′は、誘導経路メモリ17に格納された誘導経路データを参照して、現在位置から目的地までの誘導経路上の全ての道路リンクの所要走行時間を算出したか否かについて判定する(ステップS1000)。もし、全ての道路リンクの所要走行時間を算出していないと所要走行時間算出部25′′にて判定した場合(ステップS1000にてNO)、所要走行時間算出部25′′は、前回抽出した道路リンクから目的地に繋がる次の道路リンクを誘導経路メモリ17から抽出する(ステップS1020)。その後、処理はステップS920に遷移する。
【0089】
一方、全ての道路リンクの所要走行時間を算出したと所要走行時間算出部25′′にて判定した場合(ステップS1000にてYES)、到着予想時刻算出部26は、所要走行時間算出部25′′から出力された所要走行時間情報により示される各道路リンクの所要走行時間を合計し、当該合計した所要走行時間を現在時刻取得部18により取得された現在時刻に加算することによって、目的地に到着する到着予想時刻を算出する(ステップS1040)。ステップS1040の処理が完了することによって、ナビゲーション装置100′′は、図11における処理を終了する。
【0090】
以上詳しく説明したように、第3の実施形態では、第2の領域の道路特性を考慮して設定された第2の初期設定情報が、第1の領域の道路特性を考慮して設定された第1の初期設定情報と類似する場合、所要走行時間算出部25′′は、第2の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を、第2の走行速度情報に代えて、第1の走行速度情報に基づいて算出するようにしている。
【0091】
このように構成した第3の実施形態によれば、第2の領域(例えば、大阪府)での走行実績が少なく第2の走行速度情報がユーザの運転習慣をまだ十分に反映した内容に学習されていない場合であっても、大阪府と道路特性が近い東京都に関する第1の走行速度情報を用いて到着予想時刻を精度よく算出することができる。すなわち、第2の領域(大阪府)の道路特性が第1の領域(東京都)の道路特性と近似している場合、つまり、第2の初期設定情報(大阪府)が第1の初期設定情報(東京都)と類似する場合は、走行履歴情報に基づき学習される第2の走行速度情報は、走行速度情報に基づき学習される第1の走行速度情報に近づく可能性が高い。したがって、学習が不十分な第2の走行速度情報を使って第2の領域での所要走行時間を算出する場合に比べて、十分に学習された第1の走行速度情報を使って第2の領域での所要走行時間を算出することにより、目的地までの到着予想時刻を精度良く算出することができる。
【0092】
なお、上記第3の実施形態では、第2の初期設定情報が第1の初期設定情報と類似する場合は常に、第2の走行速度情報に代えて第1の走行速度情報を用いて第2の領域での所要走行時間を算出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2の初期設定情報が第1の初期設定情報と類似しており、かつ、第2の走行速度情報の更新回数が所定回数に達していない場合に限り、第2の走行速度情報に代えて第1の走行速度情報を用いるようにしても良い。
【0093】
第2の領域での走行履歴情報に基づき第2の走行速度情報の学習がある程度進んだ後は、十分に学習された第2の走行速度情報を用いて第2の地域での所要走行時間を算出することにより、いつまでも異なる地域で学習された第1の走行速度情報を用いて第2の地域での所要走行時間を算出する場合に比べて、到着予想時刻をより精度良く算出することができる。
【0094】
なお、上記第1および第2の実施形態では、第1の走行速度情報(および第2の走行速度情報)の調整動作をナビゲーション装置100(100′)が起動したときに1度だけ行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ナビゲーション装置100(100′)が起動している間であれば、第1の走行速度情報(および第2の走行速度情報)の調整動作を所定時間間隔毎に行うようにしても良い。または、走行履歴情報が所定量ずつ蓄積される都度、第1の走行速度情報(および第2の走行速度情報)の調整動作を行うようにしても良い。
【0095】
また、上記第1〜第3の実施形態では、ナビゲーション装置100(100′,100′′)において第1の走行速度算出部23(および第2の走行速度算出部32)を備える例について説明したが、第1の走行速度算出部23(および第2の走行速度算出部32)を備えることは必ずしも必須ではない。例えば、走行履歴情報が、過去に走行した走行軌跡を構成する各道路リンクの平均走行速度も含む情報である場合には、走行履歴情報(走行距離、所要時間)から走行速度をわざわざ算出する必要がなくなるため、ナビゲーション装置100(100′,100′′)は第1の走行速度算出部23(および第2の走行速度算出部32)を備えなくても良い。
【0096】
その他、上記第1〜第3の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0097】
100,100′,100′′ ナビゲーション装置
19 走行履歴情報取得部
21,21′ 第1の走行速度情報記憶部
22 第1の抽出部
24 第1の更新部
25,25′,25′′ 所要走行時間算出部
26 到着予想時刻算出部
30,30′ 第2の走行速度情報記憶部
31 第2の抽出部
33 第2の更新部
40 類似判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行履歴を走行履歴情報として取得する走行履歴情報取得部と、
前記車両が第1の領域を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第1の走行速度情報を記憶する第1の走行速度情報記憶部と、
前記走行履歴情報取得部により取得された走行履歴情報の中から、前記車両が第1の領域を走行したときの走行履歴情報のみを選択して抽出する第1の抽出部と、
前記第1の抽出部により抽出された前記走行履歴情報に基づいて、前記第1の走行速度情報記憶部に記憶されている前記第1の走行速度情報を更新する第1の更新部とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記第1の領域とは異なる第2の領域を前記車両が走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第2の走行速度情報を記憶する第2の走行速度情報記憶部と、
前記走行履歴情報取得部により取得された走行履歴情報の中から、前記車両が前記第2の領域を走行したときの走行履歴情報のみを選択して抽出する第2の抽出部と、
前記第2の抽出部により抽出された前記走行履歴情報に基づいて、前記第2の走行速度情報記憶部に記憶されている前記第2の走行速度情報を更新する第2の更新部とを更に備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
出発地から目的地に至る経路を構成する道路リンクのうち、前記第1の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を前記第1の走行速度情報に基づいて算出し、前記第2の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を前記第2の走行速度情報に基づいて算出する所要走行時間算出部と、
前記所要走行時間算出部により算出された各道路リンクの所要走行時間を合計して前記目的地に到着する到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出部とを更に備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記第1の走行速度情報記憶部は、前記第1の領域について初期設定された曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第1の初期設定情報と前記第1の走行速度情報とを記憶し、
前記第2の走行速度情報記憶部は、前記第2の領域について初期設定された曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第2の初期設定情報と前記第2の走行速度情報とを記憶し、
前記第1の初期設定情報が前記第2の初期設定情報と類似するか否かについて判定する類似判定部を更に備え、
前記所要走行時間算出部は、前記類似判定部により類似すると判定された場合、前記第2の領域に含まれる道路リンクの所要走行時間を、前記第2の走行速度情報に代えて、前記第1の走行速度情報に基づいて算出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
前記第2の更新部による前記第2の走行速度情報の更新回数が所定回数に達したか否かについて判定する更新回数判定部を更に備え、
前記所要走行時間算出部は、前記類似判定部により類似すると判定され、かつ、前記更新回数判定部により所定回数に達していないと判定された場合、前記第2の道路リンクの所要走行時間を、前記第2の走行速度情報に代えて、前記第1の走行速度情報に基づいて算出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
車両の走行履歴を走行履歴情報として記憶した走行履歴情報記憶部から、前記車両が第1の領域を走行したときの走行履歴情報のみを選択して抽出する第1のステップと、
前記第1のステップにより抽出された前記走行履歴情報に基づいて、前記車両が第1の領域を走行した場合における曜日、時間帯、道路種別および走行速度範囲毎の走行速度を示す第1の走行速度情報を更新する第2のステップとを有することを特徴とする走行速度情報調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−216831(P2010−216831A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60797(P2009−60797)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】