説明

ナビゲーション装置

【課題】 正確なリンク旅行時間を算出する。
【解決手段】 時刻、車両位置および車速を時系列に検出し、検出した時刻と車両位置に基づいて道路リンクの走行所要時間(リンク旅行時間)を算出するとともに、道路地図データに基づいて道路リンクの長さを算出し、さらに、リンク旅行時間と道路リンクの長さとに基づいて道路リンクの走行速度(推定車速)を算出するとともに、検出した車速に基づいて道路リンクの平均車速を算出し、道路リンクの平均車速に対する推定車速の誤差を所定値と比較してリンク旅行時間が正確か否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路リンクの走行所要時間に基づいて目的地までの経路探索や経路誘導を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路に設置されたビーコンなどの感知機から車両の情報を取得して道路リンクの通過時間を計測し、リンク旅行時間としてFMやビーコンなどを介して車両に配信し、目的地までの経路探索や誘導に利用するナビゲーション装置が知られている。
また、より正確なリンク旅行時間や、感知機の設置されていない道路リンクのリンク旅行時間を車両に提供するために、情報センターにおいて車両から緯度、経度などのプローブ情報を収集し、リンク旅行時間を算出して車両に提供するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】特開平7−129893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一定時間ごとに取得した緯度経度情報からリンク旅行時間を算出する場合に、緯度経度を取得するためのGPSデータの測位誤差、道路地図データとマップマッチングする場合のマップマッチング誤差、マップマッチングした緯度経度を使ってリンク旅行時間を算出する場合の旅行時間計算誤差などによって、算出結果のリンク旅行時間に実際のリンク旅行時間とかけ離れた大きな誤差(以下、そのような大きな誤差を有するリンク旅行時間を異常値という)が発生し、目的地までの最少所要時間の経路を探索できなかったり、目的地まで最少所要時間で誘導できなかったりすることがある。
上述した従来のナビゲーション装置では、車両側でリンク旅行時間とリンク長から所要速度を算出し、一定速度以上の場合はそのリンク旅行時間を異常値として経路探索や経路誘導に利用しないようにしているが、速度が速い場合や遅い場合に対応できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
時刻、車両位置および車速を時系列に検出し、検出した時刻と車両位置に基づいて道路リンクの走行所要時間(リンク旅行時間)を算出するとともに、道路地図データに基づいて道路リンクの長さを算出し、さらに、リンク旅行時間と道路リンクの長さとに基づいて道路リンクの走行速度(推定車速)を算出するとともに、検出した車速に基づいて道路リンクの平均車速を算出し、道路リンクの平均車速に対する推定車速の誤差を所定値と比較してリンク旅行時間が正確か否かを判定し、正確であると判定されたリンク旅行時間に基づいて経路誘導と経路探索を行う。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、正確なリンク旅行時間を算出でき、正確な経路誘導と経路探索を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
《発明の第1の実施の形態》
図1は第1の実施の形態の構成を示す図である。位置情報入力装置1は車両の現在位置に関する情報(緯度、経度など)を入力するための装置であり、GPS受信機、入力操作部材(タッチパネル、ボタン、キーボードなど)、有線および無線ネットワーク、FMおよびビーコン放送受信機、携帯電話機などが含まれ、それらの内のいずれかもしくは複数の装置を使用する。
【0008】
車速情報入力装置2は車両の走行速度を入力する装置であり、車速センサー、GPS受信機、車両内ネットワーク、入力操作部材(タッチパネル、ボタン、キーボードなど)、有線および無線ネットワーク、FMおよびビーコン放送受信機、携帯電話機などが含まれ、それらの内のいずれかもしくは複数の装置を使用する。
【0009】
道路地図データベース3は道路地図データを記憶している。処理装置4はCPU4aやメモリ4bなどを備え、リンク旅行時間算出処理、車速計算処理、異常値判定処理および出力処理を行う。リンク旅行時間算出処理では、位置情報入力装置1から入力した位置情報の時系列データを道路地図データベース3の道路地図データと照合してマップマッチングを行い、道路リンクごとのリンク旅行時間を算出する。
【0010】
車速計算処理では、リンク旅行時間とリンク長に基づいて道路リンクごとの平均推定速度(以下、“推定車速”という)を算出するとともに、車速情報入力装置2から入力した車速情報に基づいて道路リンクの“平均車速”を算出する。異常値算出処理では、道路リンクごとの“推定車速”と実際の“平均車速”とを比較して誤差を求め、異常値を判定する。
【0011】
出力処理では、正確なリンク旅行時間に基づいてディスプレイに目的地や経由地までの所要走行時間を表示する一方、正確なリンク旅行時間を経路探索や経路誘導を行うソフトウエアへ出力し、目的地までの最少所要時間の経路を探索したり、目的地まで最少所要時間で誘導する処理に利用する。
【0012】
図2は第1の実施の形態の異常値判定処理を示すフローチャートである。処理装置4のCPU4aはイグニッションスイッチ(不図示)がオンされると、所定時間ごとにこの異常値判定処理を実行する。ステップ1において位置情報入力装置1から車両の現在位置に関する情報を入力するとともに、車速情報入力装置2から車両の走行速度に関する情報を入力する。
【0013】
図3に時刻、車両の位置情報および車速情報の時系列データ例を示す。この一実施の形態では2秒ごとに車両の現在位置の緯度、経度を入力し、1秒ごとに車速を入力するものとする。
【0014】
ステップ2ではリンク旅行時間算出処理を行い、入力した車両位置情報の時系列データを道路地図データベース3の道路地図データと照合してマップマッチングを行い、道路リンクごとのリンク旅行時間を算出する。
【0015】
図4は、図3に示す位置情報を経路上にマッピングした模式図である。直線と半円で表された部分を経路とし、A、B、Cは2秒おきに入力した車両位置(図3に示す緯度、経度の位置)、B1はマップマッチングにより推定された緯度、経度の車両位置、B2は本来入力されているべき緯度、経度の車両位置である。交点α、βは2つの経路が交わる交差点とし、交点αは位置AとBの中点、交点βは位置BとCの中点とする。また、α→B1→βの経路をリンクX、α→B2→βの経路をリンクYとする。
【0016】
今、車両はO点からD点に向かってリンクYを経由して走行したとする。GPS受信機による位置情報をA、B、Cとすると、位置Bは測位誤差などによりリンクX上にもリンクY上にも存在しないため、マップマッチングを実施する。位置Bは本来、位置B2にマッチすべきデータであるが、誤ったマップマッチングの結果、位置B1にマップマッチングしたとする。その結果、走行経路としてA→B1→Cが誤認定され、リンクXの旅行時間が算出される。
【0017】
道路地図データベース3から取得したリンクXのリンク長、すなわちα→B1間とB1→β間をそれぞれ15.5mとする。位置B1への到着時刻は、図3に示すデータから10時00分02秒とされたので、位置αへの到着時刻は比例関係により算出すると、
10時00分00秒+2秒×10m/(10m+15.5m)=10時00分00秒8
・・・(1)
と算出される。同様に、位置βへの到着時刻は10時00分03秒2と算出される。したがって、リンクXのリンク旅行時間は2.4秒となる。しかしながら、このリンク旅行時間は間違ったマップマッチングにより算出された時間であり、正しいリンク旅行時間を表していない。
【0018】
図2のステップ3において車速計算処理を行う。すなわち、上述したリンク旅行時間算出処理で算出したリンク旅行時間とリンク長とに基づいて道路リンクごとの“推定車速”を算出するとともに、車速情報入力装置2から入力した車速情報に基づいて道路リンクの“平均車速”を算出する。リンクXのリンク旅行時間は2.4秒と算出され、そのリンク長は31mであるから、リンクXの“推定車速”は次のように算出される。
31m/2.4秒=46.5km/h ・・・(2)
また、リンクXの“平均車速”は、10時00分00秒8から10時00分03秒2の間の車速の平均とし、
(35km/h+36km/h+37km/h)/3=36km/h ・・・(3)
と算出される。
【0019】
ステップ4において異常値算出処理を行って異常値か否かを判定する。すなわち、道路リンクごとの“推定車速”と実際の“平均車速”とを比較して誤差を求め、誤差が所定の割合(判定基準値)、例えば25%以上の場合は“推定車速”を算出する基になったリンク旅行時間を異常値と判定する。例えば図3および図4に示す例では、“推定車速”は(2)式から46.5km/hであり、また“平均車速”は(3)式から36km/hであるから、“推定車速”の“平均車速”からの誤差は、
46.5km/h−36km/h=10.5km/h ・・・(4)
となり、誤差の“平均車速”に対する割合は、
10.5km/h/36km/h=29.9% ・・・(5)
となり、上記判定基準値25%を超える。
【0020】
“平均車速”に対する誤差の割合が判定基準値25%以上の場合はステップ5へ進み、この“推定車速”を算出する基になったリンク旅行時間は異常値であると認定し、処理を終了する。一方、“平均車速”に対する誤差の割合が判定基準値25%未満の場合は、この“推定車速”を算出する基になったリンク旅行時間は正確な値であるとして処理を終了する。
【0021】
なお、上述した第1の実施の形態では、リンク単位で推定結果のリンク旅行時間が正確な値であるか異常値であるかを判定する例を示したが、複数のリンクをまとめて一つのリンクと見なし、このような拡大リンク単位でリンク旅行時間の異常判定を行うようにしてもよい。
【0022】
また、上述した第1の実施の形態では、リンク旅行時間を、リンクの終端前後の点列データを利用して時間を比例配分して算出する例を示したが、複数の点列データを利用して計算するようにしてもよい。
【0023】
さらに、上述した一実施の形態では“平均車速”を、複数の車速を単純平均して算出する例を示したが、加重平均などの他の手法により算出してもよい。さらにまた、上述した一実施の形態では、誤差の割合により異常値か否かを判定する例を示したが、誤差が予め設定した基準値以上の場合に異常値であると判定してもよい。
【0024】
このように第1の実施の形態によれば、時刻、車両位置および車速を時系列に検出し、検出した時刻と車両位置に基づいて道路リンクの走行所要時間(リンク旅行時間)を算出するとともに、道路地図データに基づいて道路リンクの長さを算出し、さらに、リンク旅行時間と道路リンクの長さとに基づいて道路リンクの走行速度(推定車速)を算出するとともに、検出した車速に基づいて道路リンクの平均車速を算出し、道路リンクの平均車速に対する推定車速の誤差を所定値と比較してリンク旅行時間が正確な値か否かを判定し、正確な値であると判定されたリンク旅行時間に基づいて経路誘導と経路探索を行うようにしたので、正しいリンク旅行時間に基づいて正確な経路誘導と経路探索を行うことができる。
【0025】
《発明の第2の実施の形態》
図5に示すように、各車両からプローブ交通情報センターへ位置情報と車速情報を提供し、プローブ交通情報センターにおいて、複数の車両から得た位置情報と車速情報に基づいてリンク旅行時間を算出するとともに、算出結果のリンク旅行時間に対して上述した第1の一実施の形態の異常値判定処理を施し、異常値を排除した正確なリンク旅行時間を車両へ配信する第2の実施の形態を説明する。
【0026】
図6は、第2の実施の形態の車両側の構成とプローブ交通情報センター側の構成を示す図である。なお、図1に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明する。また、図6では1台の車両の構成を示すが、多くの車両にも同様な構成の装置が搭載されている。
【0027】
車両側の処理装置4Aは、通信装置6を介してプローブ交通情報センター10と交信し、車両の位置情報と車速情報を出力するとともに、プローブ交通情報センター10からリンク旅行時間を入力する。通信装置6は携帯電話や専用の無線通信装置であり、プローブ交通情報センター10の通信装置13と情報の授受を行う。
【0028】
車両側で入手した位置情報と車速情報は、図3に示すような時系列データの形式に加工されてプローブ交通情報センター10へ送られる。なお、車両側で位置情報と車速情報を入手するたびにプローブ交通情報センター10へ送ってもよいし、メモリ4bに一時記憶し、一定時間蓄積して複数の情報をまとめて送るようにしてもよい。また、この一実施の形態では車両において入手した位置情報と車速情報を無線通信によりプローブ交通情報センター10へ送る例を示すが、それらの情報をメモリカードなどの記録媒体に記録してプローブ交通情報センター10へ送るようにしてもよい。
【0029】
プローブ交通情報センター10には道路地図データベース11、処理装置12、通信装置13などが設置されている。道路地図データベース11は道路地図データを記憶している。処理装置12はCPU12a、メモリ12bなどを備え、上述したリンク旅行時間算出処理、車速計算処理および異常値判定処理を行う他、正確なリンク旅行時間を各車両に配信する処理を行う。通信装置13は携帯電話や専用の無線通信装置であり、車両側の通信装置6と情報の授受を行う。
【0030】
図7(a)は車両側で実行される処理を示すフローチャートであり、図7(b)はプローブ交通情報センター側で実行される処理を示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、第2の実施の形態の動作を説明する。車両側の処理装置4Aはイグニッションスイッチ(不図示)がオンされると、図7(a)に示す処理を繰り返し実行する。また、プローブ交通情報センター10の処理装置12は常に図7(b)に示す処理を繰り返し実行する。
【0031】
車両側処理装置4Aは、ステップ11で位置情報入力装置1から車両の現在位置に関する情報を入力するとともに、車速情報入力装置2から車両の走行速度に関する情報を入力する。続くステップ12で入手した位置情報と車速情報を図3に示すような形式の時系列データに加工し、通信装置6を介してプローブ交通情報センター10へ送信する。
【0032】
プローブ交通情報センター10の処理装置12は、ステップ21で通信装置13を介して車両側から送られた位置情報と車速情報を受信する。続くステップ22において上述したリンク旅行時間算出処理を行い、入力した車両位置情報の時系列データを道路地図データベース3の道路地図データと照合してマップマッチングを行い、道路リンクごとのリンク旅行時間を算出する。
【0033】
次に、プローブ交通情報センター10の処理装置12は、ステップ23で車速計算処理を行う。すなわち、上述したリンク旅行時間算出処理で算出したリンク旅行時間とリンク長とに基づいて道路リンクごとの“推定車速”を算出するとともに、車速情報入力装置2から入力した車速情報に基づいて道路リンクの“平均車速”を算出する。
【0034】
プローブ交通情報センター10の処理装置12は、ステップ24において異常値算出処理を行って異常値か否かを判定する。すなわち、道路リンクごとの“推定車速”と実際の“平均車速”とを比較して誤差を求め、誤差が所定の割合、例えば25%以上の場合は“推定車速”を算出する基になったリンク旅行時間を異常値と判定する。
【0035】
さらに、プローブ交通情報センター10の処理装置12は、ステップ25で図8に示すようにリンク旅行時間の中から異常値を排除し、正確なリンク旅行時間を通信装置13を介して車両へ配信する。図8において、リンク番号102では“平均車速”の29km/hに対し“推定車速”が68km/hであり、明らかに判定基準値25%を超えるので、リンク番号102のリンク旅行時間10secを異常値として排除する。
【0036】
なお、リンク旅行時間をメモリカードなどの記録媒体に記録して車両に提供するようにしてもよい。また、複数の車両の位置情報と車速情報に基づいて算出した複数のリンク旅行時間を集計し、平均化などの処理を行ってから車両へ提供するようにしてもよい。
【0037】
車両側処理装置4Aは、ステップ13でプローブ交通情報センター10から通信装置6を介してリンク旅行時間情報を受信し、続くステップ14でリンク旅行時間情報に基づいて目的地や経由地までの所要走行時間を表示するとともに、目的地までの経路探索や経路誘導などを行う。
【0038】
このように第2の実施の形態によれば、車載ナビゲーション装置で時刻、車両位置および車速の時系列データを検出してプローブ交通情報センターへ送り、プローブ交通情報センターにおいて、リンク旅行時間算出処理、車速計算処理および異常値判定処理を行い、正確なリンク旅行時間を車載ナビゲーション装置へ配信するようにしたので、車載ナビゲーション装置にリンク旅行時間算出処理、車速計算処理および異常値判定処理を行う特別な機能を備える必要がなく、車載ナビゲーション装置を簡略化しながら、正しいリンク旅行時間に基づいて正確な経路誘導と経路探索を行うことができる。
【0039】
《発明の第3の実施の形態》
この第3の実施の形態では、図9に示すように、各車両において、入手した位置情報と車速情報に基づいてリンク旅行時間を算出し、算出結果のリンク旅行時間に対して第1の実施の形態の異常値判定処理を施し、異常値を排除した正確なリンク旅行時間をプローブ交通情報センターへ送信する。プローブ交通情報センターでは、各車両から入手した正確なリンク旅行時間を他の車両へ配信する。
【0040】
図10は、第3の実施の形態の車両側の構成とプローブ交通情報センター側の構成を示す図である。なお、図1および図6に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号を付して相違点を中心に説明する。また、図10では1台の車両の構成を示すが、多くの車両にも同様な構成の装置が搭載されている。
【0041】
車両側の処理装置4Bは、図2に示す処理を実行して正確なリンク旅行時間を求め、正確なリンク旅行時間を通信装置6を介してプローブ交通情報センター10へ送信するとともに、他車のリンク旅行時間をプローブ交通情報センター10から受信する。プローブ交通情報センター10の処理装置12Aは通信装置13を介して各車両と通信を行い、各車両から正確なリンク旅行時間を入手するとともに、各車両へ正確なリンク旅行情報を配信する。
【0042】
なお、リンク旅行時間をメモリカードなどの記録媒体に記録して車両に提供するようにしてもよい。また、複数の車両から得られた複数のリンク旅行時間を集計し、平均化などの処理を行ってから車両へ提供するようにしてもよい。
【0043】
このように第3の実施の形態によれば、車載ナビゲーション装置で時刻、車両位置および車速の時系列データを検出し、時系列データに基づいてリンク旅行時間算出処理、車速計算処理および異常値判定処理を行い、正確なリンク旅行時間をプローブ交通情報センターへ送るとともに、プローブ交通情報センターから複数の車載ナビゲーション装置へ正確なリンク旅行時間を配信するようにしたので、プローブ情報システムにおける通信トラフィックの改善を図りながら、正しいリンク旅行時間に基づいて正確な経路誘導と経路探索を行うことができる。
【0044】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、位置情報入力装置1および車速時の入力装置2が時系列データ検出手段を、処理装置4、4A、4B、12、12Aがリンク旅行時間算出手段、リンク長算出手段、推定車速算出手段、平均車速算出手段およびリンク旅行時間判定手段を、通信装置6、13が送信手段および受信手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項との対応関係になんら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】車両の位置情報と車速情報の時系列データ例を示す図である。
【図4】図3に示す位置情報を経路上にマッピングした模式図である。
【図5】第2の実施の形態の全体構成を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の車両側の構成とプローブ交通情報センター側の構成を示す図である。
【図7】(a)は車両側で実行される処理を示すフローチャートであり、(b)はプローブ交通情報センター側で実行される処理を示すフローチャートである。
【図8】異常なリンク旅行時間の排除例を示す図である。
【図9】第3の実施の形態の全体構成を示す図である。
【図10】第3の実施の形態の車両側の構成とプローブ交通情報センター側の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 位置情報入力装置
2 車速情報入力装置
3、11 道路地図データベース
4、4A、4B 処理装置
4a CPU
4b メモリ
5 出力装置
6 通信装置
10 プローブ交通情報センター
12、12A 処理装置
13 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻、車両位置および車速を時系列に検出する時系列データ検出手段と、
前記時系列データ検出手段により検出した時刻と車両位置に基づいて、道路リンクの走行所要時間(以下、リンク旅行時間という)を算出するリンク旅行時間算出手段と、
道路地図データに基づいて道路リンクの長さを算出するリンク長算出手段と、
前記リンク旅行時間と前記道路リンクの長さとに基づいて、道路リンクの走行速度(以下、推定車速という)を算出する推定車速算出手段と、
前記検出手段により検出した車速に基づいて道路リンクの平均車速を算出する平均車速算出手段と、
道路リンクの前記平均車速に対する前記推定車速の誤差を所定値と比較して前記リンク旅行時間が正確か否かを判定するリンク旅行時間判定手段とを備え、
前記リンク旅行時間判定手段により正確であると判定された前記リンク旅行時間に基づいて経路誘導と経路探索を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
複数の車両に搭載されたナビゲーション装置と情報センターとから成るナビゲーションシステムにおいて、
前記車載ナビゲーション装置は、時刻、車両位置および車速を時系列に検出する時系列データ検出手段と、前記時系列データ検出手段で検出された時刻、車両位置および車速を前記情報センターへ送信する送信手段と、前記情報センターから後記リンク旅行時間を受信する受信手段とを備え、
前記情報センターは、前記車載ナビゲーション装置から時刻、車両位置および車速の時系列データを受信する受信手段と、前記車載ナビゲーション装置から受信した時刻と車両位置に基づいて道路リンクの走行所要時間(リンク旅行時間という)を算出するリンク旅行時間算出手段と、道路地図データに基づいて道路リンクの長さを算出するリンク長算出手段と、前記リンク旅行時間と前記道路リンクの長さとに基づいて道路リンクの走行速度(以下、推定車速という)を算出する推定車速算出手段と、前記車載ナビゲーション装置から受信した車速に基づいて道路リンクの平均車速を算出する平均車速算出手段と、道路リンクの前記平均車速に対する前記推定車速の誤差を所定値と比較して前記リンク旅行時間が正確か否かを判定するリンク旅行時間判定手段と、前記リンク旅行時間判定手段により正確であると判定された前記リンク旅行時間を前記車載ナビゲーション装置へ送信する送信手段とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
複数の車両に搭載されたナビゲーション装置と情報センターとから成るナビゲーションシステムにおいて、
前記車載ナビゲーション装置は、時刻、車両位置および車速を時系列に検出する時系列データ検出手段と、前記時系列データ検出手段により検出した時刻と車両位置に基づいて道路リンクの走行所要時間(以下、リンク旅行時間という)を算出するリンク旅行時間算出手段と、道路地図データに基づいて道路リンクの長さを算出するリンク長算出手段と、前記リンク旅行時間と前記道路リンクの長さとに基づいて道路リンクの走行速度(以下、推定車速という)を算出する推定車速算出手段と、前記検出手段により検出した車速に基づいて道路リンクの平均車速を算出する平均車速算出手段と、道路リンクの前記平均車速に対する前記推定車速の誤差を所定値と比較して前記リンク旅行時間が正確か否かを判定するリンク旅行時間判定手段と、前記リンク旅行時間判定手段により正確であると判定された前記リンク旅行時間を前記情報センターへ送信する送信手段と、前記情報センターから前記リンク旅行時間を受信する受信手段とを備え、
前記情報センターは、前記車載ナビゲーション装置から前記リンク旅行時間を受信する受信手段と、受信した前記リンク旅行時間を複数の前記車載ナビゲーション装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム
【請求項4】
時刻、車両位置および車速を時系列に検出し、検出した時刻と車両位置に基づいて道路リンクの走行所要時間(以下、リンク旅行時間という)を算出するとともに、道路地図データに基づいて道路リンクの長さを算出し、さらに、前記リンク旅行時間と前記道路リンクの長さとに基づいて道路リンクの走行速度(以下、推定車速という)を算出するとともに、検出した車速に基づいて道路リンクの平均車速を算出し、道路リンクの前記平均車速に対する前記推定車速の誤差を所定値と比較して前記リンク旅行時間が正確か否かを判定し、正確であると判定された前記リンク旅行時間を経路誘導と経路探索に用いることを特徴とするリンク旅行時間の算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−184084(P2006−184084A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−376497(P2004−376497)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】