説明

ナビゲーション装置

【課題】ハードディスク装置等の記憶装置を車両に搭載するナビゲーション装置20に好適な技術を提供する。
【解決手段】本発明では、地図データの更新データを当該更新データのエラーチェック情報(例えばチェックサム)と共に、地図データ格納部201に格納する。また、エラーチェック情報を用いて、当該エラーチェック情報と共に地図データ格納部201に格納された地図データの更新データを検証し、エラーが検出されなかった場合にのみ、当該更新データをナビゲーション装置20の地図表示に利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の現在位置を算出して表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の現在位置を表示したり、目的地までの経路を誘導したりするナビゲーション装置では、経路探索や、地図表示等のために地図データが必要である。この地図データは、主としてCD−ROMやDVD−ROMあるいはハードディスク装置等に格納され、ナビゲーション装置によって読み出される。ハードディスク装置を備えるナビゲーション装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
新しく道路が建設される等により道路地図が変更されると、ハードディスク装置に地図データが格納されている場合には、ナビゲーション装置のユーザは、CD−ROMやDVD−ROM、メモリカード等の記録媒体や、通信端末を介して、変更された道路地図に対応する地図データまたはその更新分をナビゲーション装置に読み込ませることにより、ハードディスク装置内の地図データを最新の状態に保つ。
【0004】
【特許文献1】特開2003−288751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハードディスク装置は、熱、電圧変化、振動等の要因により、書き込みエラーを起こす場合がある。ハードディスク装置を車両に搭載して使用する場合、宅内で使用する場合に比べて、熱、電圧変化、振動等に関する環境が厳しい。
【0006】
特許文献1に記載の技術では、データ書き込み時のハードディスク装置の温度が、ハードディスク装置の正常動作範囲内でない場合に、書き込むべきデータをハードディスク装置とは異なるバックアップ記憶手段に書き込む対策が施されているものの、ハードディスク装置に供給される電源電圧の変動や振動等の要因による書き込みエラーに関しては考慮されていない。
【0007】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ハードディスク装置等の記憶装置を車両に搭載するナビゲーション装置に好適な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明では、地図データの更新データを当該更新データのエラーチェック情報(例えばチェックサム)と共に、地図データ格納手段に格納する。また、エラーチェック情報を用いて、当該エラーチェック情報と共に地図データ格納手段に格納された地図データの更新データを検証し、エラーが検出されなかった場合にのみ、当該更新データをナビゲーション装置の地図表示に利用する。
【0009】
また、本発明は、例えば、車両の現在位置を表示装置に表示する車載用のナビゲーション装置であって、地図データを格納する地図データ格納手段と、現在位置を地図データ格納手段に格納されている地図データと共に前記表示装置に表示する現在位置表示手段と、エラーチェック情報が付加された地図データの更新データを取得し、取得した更新データを地図データ格納手段に格納する更新データ取得手段と、地図データ格納手段に格納されている地図データの更新データ部分のエラーを、当該更新データに付加されたエラーチェック情報を用いてチェックするエラーチェック手段とを備え、現在位置表示手段は、地図データ格納手段に格納されている地図データの更新データ部分のうち、エラーチェック手段によってエラーが検出されなかった地図データの更新データ部分を表示手段に表示することを特徴とするナビゲーション装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、書き込みがエラーとなった地図データに基づいて、ナビゲーション装置が動作することを防止することができる。従って、ハードディスク装置等の記憶装置を車両に搭載するナビゲーション装置に好適な技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る地図データ配信システム10のシステム構成図である。地図データ配信システム10は、基地局11、地図データ配信サーバ13、および車両14を備える。
【0013】
基地局11は、電波を介して、例えば、WCDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)やPHS(Personal Handyphone System)、無線LAN等の無線通信方式に基づいて車両14と通信すると共に、インターネット等の通信網12を介して、地図データ配信サーバ13と通信を行う。通信網12は、全て有線通信網によって構成されていてもよく、部分的に無線通信網によって構成されていてもよい。
【0014】
地図データ配信サーバ13は、施設や道路等の新たな建設、道路の規制内容の変更等に基づいて、道路データを含む地図データを更新する。また、基地局11および通信網12を介して、更新された地図データの要求を車両14から受信した場合に、当該更新された地図データを通信網12および基地局11を介して車両14へ送信する。
【0015】
なお、本実施形態において、地図データ配信サーバ13が作成する地図データは、道路データや住宅データ等の複数のカテゴリに分けられており、それぞれのカテゴリは、さらに、地図を複数の領域に分割することによって得られるメッシュ単位に分けられている。地図データ配信サーバ13は、それぞれのカテゴリにおいて、メッシュ単位の地図データを1つのファイルとして作成する。そして、地図データ配信サーバ13は、更新された地図データの要求を車両14から受信すると、変更のあったファイルを車両14へ送信する。
【0016】
また、地図データ配信サーバ13によって作成されたそれぞれのファイルにはチェックサムが付加されており、それぞれのファイルが更新された場合に、対応するチェックサムも更新される。そして、地図データ配信サーバ13は、更新された地図データの要求を車両14から受信すると、変更のあったファイルと共に対応するチェックサムを車両14へ送信する。
【0017】
車両14は、表示装置15、センサ16、通信端末17、およびナビゲーション装置20を有する。通信端末17は、最寄りの基地局11と、電波を介して、例えば、WCDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)やPHS(Personal Handyphone System)、無線LAN等の無線通信方式に基づいて通信する。
【0018】
センサ16は、GPS受信機や、方位センサ、車速センサ等であり、測地衛星に対する車両14の現在位置や、車両14の進行方位、車両14の移動距離等を測定し、測定信号をナビゲーション装置20へ送信する。
【0019】
ナビゲーション装置20は、道路データを含む地図データを格納しており、センサ16からの測定信号に基づいて、車両14の相対変位を算出し、当該相対変位および地図データに基づいて、車両14の現在位置を地図上に算出し、算出した現在位置と共に地図データを表示装置15に表示する。
【0020】
なお、表示装置15は、車両14の現在位置を画像として表示するが、音声を再生する手段を有し、ナビゲーション装置20が車両14の現在位置と共に生成した音声ガイダンス等を、当該車両14の現在位置と共に再生してもよい。
【0021】
図2は、ナビゲーション装置20の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。ナビゲーション装置20は、現在位置算出部200、地図データ格納部201、ステータス格納部202、ステータス更新部203、ファイル取得部204、および現在位置表示部205を備える。
【0022】
地図データ格納部201は、道路データを含む地図データを、複数のファイル単位で格納している。それぞれのファイルにはチェックサムが対応付けられている。地図データ格納部201に格納されているファイルおよびチェックサムは、ナビゲーション装置20の製造時に格納される、あるいは、ナビゲーション装置20を購入後の初期設定時にDVD−ROM等から読み込まれて地図データ格納部201に格納される。
【0023】
本例において、地図データ格納部201は、ハードディスク型記録装置である。また、他の例として、地図データ格納部201は、フラッシュROMやEEP(Electrically Erasable Programmable)ROM、Fe(Ferroelectric)RAM、M(Magnetoresistive)RAM等の不揮発性メモリであってもよい。
【0024】
ステータス格納部202は、地図データ格納部201に格納されているそれぞれのファイルのステータスを格納する。ステータスは、例えば、使用可、使用不可、更新中等である。
【0025】
ファイル取得部204は、通信端末17を介して、更新された地図データのファイルを地図データ配信サーバ13に要求し、当該要求に応答して地図データ配信サーバ13から送信されたファイルおよびチェックサムを受信する。そして、受信したファイルおよびチェックサムを地図データ格納部201に格納すると共に、受信したファイルのステータスを更新中としてステータス格納部202に設定する。
【0026】
ファイル取得部204は、例えば、地図データ格納部201に格納されているそれぞれのファイルのファイルIDおよびバージョンを、通信端末17を介して地図データ配信サーバ13に通知することにより、通知したファイルIDのファイルのバーションよりも新しいバージョンのファイルを要求する。
【0027】
ステータス更新部203は、ファイル取得部204によって更新されたファイルがチェックサムと共に地図データ格納部201に格納された等の所定のタイミングで、当該ファイルおよびチェックサムを地図データ格納部201から読み出す。そして、ステータス更新部203は、読み出したファイルのビット値の合計と対応するチェックサムとが一致するか否かを判定する。
【0028】
読み出したファイルのビット値の合計と読み出したチェックサムとが一致する場合、ステータス更新部203は、ステータス格納部202に格納されている、当該ファイルのステータスを更新中から使用可に変更する。一方、読み出したファイルのビット値の合計と読み出したチェックサムとが一致しない場合、ステータス更新部203は、ステータス格納部202に格納されている、当該ファイルのステータスを更新中から使用不可に変更する。
【0029】
また、ステータス更新部203は、車両14のエンジン始動時等の所定のタイミングで、ステータス格納部202を参照して、使用可のステータスを有するファイルのIDを抽出し、抽出したIDに対応するファイルおよびチェックサムを地図データ格納部201から読み出す。そして、ステータス更新部203は、読み出したファイルのそれぞれについて、当該ファイルのビット値の合計と対応するチェックサムとが一致するか否かを判定し、当該ファイルのビット値の合計と対応するチェックサムとが一致しないファイルのステータスであって、ステータス格納部202に格納されているステータスを使用不可に変更する。
【0030】
これにより、使用可のステータスが付与されたファイルが、熱やノイズ等によって壊れた場合にも、壊れたファイルのステータスを使用不可に更新することができる。
【0031】
現在位置算出部200は、センサ16からの測定信号に基づいて、車両14の相対変位を算出し、算出した相対変位および地図データ格納部201に格納されている地図データに基づいて、車両14の現在位置を算出する。このとき、現在位置算出部200は、ステータス格納部202を参照して、使用可のステータスを有するファイルを用いて、車両14の現在位置を算出する。
【0032】
現在位置表示部205は、現在位置算出部200が算出した車両14の現在位置に基づいて、表示装置15に表示する地図データを地図データ格納部201から取得し、取得した地図データと共に現在位置算出部200が算出した車両14の現在位置を表示装置15に表示する。このとき、現在位置表示部205は、ステータス格納部202を参照して、使用可のステータスを有するファイルを車両14の現在位置と共に表示装置15に表示する。
【0033】
また、現在位置表示部205は、車両14のエンジン始動時等の所定のタイミングで、ステータス格納部202を参照して、使用不可のステータスを有するファイルのIDを抽出し、抽出したIDに対応するファイルを更新すべき旨を表示装置15に表示させてもよい。
【0034】
これにより、使用可のステータスが付与されたファイルが、熱やノイズ等によって壊れた場合や、ファイルの更新に失敗したファイル等をユーザに通知することができ、これらのファイルの更新をユーザに促すことができる。
【0035】
図3は、地図データ格納部201に格納されるデータの構造の一例を示す図である。地図データ格納部201は、ファイル本体2013、ファイル本体2013のチェックサム2012、ファイル本体2013のバージョン2011を、それぞれのファイルを識別するファイルID2010に対応付けて格納する。
【0036】
地図データ格納部201を参照することにより、現在位置算出部200、ステータス更新部203、および現在位置表示部205は、特定のファイルIDおよびバージョンに対応するファイル本体およびチェックサムを取得することができる。
【0037】
図4は、ステータス格納部202に格納されるデータの構造の一例を示す図である。ステータス格納部202は、バージョン2021、ステータス2022を、それぞれのファイルのファイルID2020に対応付けて格納する。
【0038】
ステータス格納部202を参照することにより、現在位置算出部200、ステータス更新部203、現在位置表示部205は、特定のファイルIDおよびバージョンに対応するファイルのステータスを取得することができる。
【0039】
図5は、現在位置算出処理の一例を示すフローチャートである。例えば、車両14のエンジンが始動することにより、ナビゲーション装置20は、本フローチャートに示す現在位置算出処理を開始する。
【0040】
まず、現在位置算出部200は、ステータス格納部202を参照して、最新バージョンのそれぞれのファイルについて、更新中または使用不可のステータスが対応付けられているファイルが存在するか否かを判定する(S100)。更新中または使用不可のステータスが対応付けられているファイルが存在しない場合(S100:No)、現在位置算出部200は、ステップ102に示す処理を行う。
【0041】
更新中または使用不可のステータスが対応付けられているファイルが存在する場合(S100:Yes)、現在位置算出部200は、更新中または使用不可のステータスが対応付けられているファイルを更新すべき旨を表示装置15に表示する(S101)。そして、現在位置算出部200は、所定時間(例えば10ms)を計測するためのタイマをスタートする(S102)。
【0042】
次に、現在位置算出部200は、タイマの値を参照して、所定時間が経過したか否かを判定する(S103)。所定時間が経過していない場合(S103:No)、現在位置算出部200は、所定時間が経過するまでステップ103を繰り返す。
【0043】
所定時間が経過した場合(S103:Yes)、現在位置算出部200は、タイマをリセットスタートし(S104)、センサ16から測定信号を取得する(S105)。そして、現在位置算出部200は、センサ16から取得した測定信号に基づいて、車両14の相対変位を算出し、前回からの車両14の走行距離が所定距離(例えば20m)以上となったか否かを判定する(S106)。前回からの走行距離が所定距離未満の場合(S106:No)、現在位置算出部200は、再びステップ103に示した処理を行う。
【0044】
前回からの走行距離が所定距離以上の場合(S106:Yes)、現在位置算出部200は、算出した車両14の相対変位に基づいてステータス格納部202を参照し、算出した相対変位に対応する地図データのファイルの中で、使用可のステータスを有するファイルを用いて、車両14の現在位置を算出する(S107)。
【0045】
次に、現在位置表示部205は、現在位置算出部200が算出した車両14の現在位置に基づいて、地図データ格納部201に格納された地図データを有するファイルであって、使用可のステータスを有する最新バージョンのファイルの中から表示装置15に表示するファイルを取得する。そして、現在位置表示部205は、取得したファイルのデータと共に、現在位置算出部200が算出した車両14の現在位置を表示装置15に表示する(S108)。
【0046】
そして、現在位置算出部200は、車両14の走行距離をリセットして(S109)、再びステップ103に示した処理を行う。
【0047】
なお、ステップ107および108において、現在位置算出部200および現在位置表示部205は、算出した相対変位に対応する地図データのファイルの中で、最新バージョンのファイルのステータスが使用可である場合、当該ファイルを使用し、算出した相対変位に対応する地図データのファイルの中で、最新バージョンのファイルのステータスが使用不可である場合、当該ファイルよりも古いバージョンのファイルの中で、使用可のステータスを有する最新バージョンのファイルを使用する。また、算出した相対変位に対応する地図データのファイルの全てが使用不可である場合、現在位置表示部205は、エラーメッセージまたは対応するファイルを更新すべき旨を表示装置15に表示する。
【0048】
図6は、更新ファイル取得処理の一例を示すフローチャートである。例えば、車両14のエンジンが始動することにより、ナビゲーション装置20は、本フローチャートに示す更新ファイル取得処理を開始する。
【0049】
まず、ステータス更新部203は、ステータス格納部202を参照して、使用可のステータスを有するファイルのファイルIDを抽出する。そして、ステータス更新部203は、抽出したファイルIDのそれぞれに対応するファイル本体およびチェックサムを地図データ格納部201から取得し、取得したファイルのビット値の合計と対応するチェックサムとが一致するか否かを、それぞれのファイルについて判定する(S200)。
【0050】
次に、ステータス更新部203は、ステータス格納部202に格納されているステータスであって、ビット値の合計と対応するチェックサムとが一致しないファイルに対応するステータスを、使用不可に変更する(S201)。
【0051】
そして、ファイル取得部204は、更新されたファイルを要求するタイミングか否かを判定する(S202)。ステップ202において、ファイル取得部204は、予め定められた時間間隔毎に、通信端末17を介して地図データ配信サーバ13に更新されたファイルを要求してもよく、図示しない入力手段等によってナビゲーション装置20のユーザから更新ファイルの取得指示を受け付けた場合に、通信端末17を介して地図データ配信サーバ13に更新されたファイルを要求してもよい。
【0052】
ステップ202において、更新ファイルの要求タイミングでない場合(S202:No)、ファイル取得部204は、更新ファイルの要求タイミングになるまでステップ202を繰り返す。
【0053】
更新ファイルの要求タイミングである場合(S202:Yes)、ファイル取得部204は、通信端末17を介して、更新された地図データのファイルを地図データ配信サーバ13に要求し、当該要求に応答して地図データ配信サーバ13から送信されたファイルおよびチェックサムを受信する。そして、受信したファイルおよびチェックサムを地図データ格納部201に格納すると共に(S203)、受信したファイルに対応するステータスを更新中としてステータス格納部202に設定する(S204)。
【0054】
次に、ステータス更新部203は、更新されて地図データ格納部201に格納されたファイルを、対応するチェックサムと共に地図データ格納部201から読み出す。そして、ステータス更新部203は、読み出したファイルのビット値の合計を算出する(S205)。そして、ステータス更新部203は、算出したビット値の合計と対応するチェックサムとが一致するか否かを判定する(S206)。
【0055】
算出したビット値の合計と対応するチェックサムとが一致する場合(S206:Yes)、ステータス更新部203は、ステータス格納部202に格納されている、対応するファイルのステータスを使用可に変更し(S207)、ファイル取得部204は、再びステップ202に示した処理を行う。
【0056】
算出したビット値の合計と対応するチェックサムとが一致しない場合(S206:No)、ステータス更新部203は、ステータス格納部202に格納されている、対応するファイルのステータスを使用不可に変更し(S208)、ファイル取得部204は、再びステップ104に示した処理を行う。
【0057】
なお、ステップ208において、ステータス更新部203は、更新されたファイルの取得に失敗した旨を表示装置15に表示することにより、ナビゲーション装置20のユーザに、取得に失敗したファイルの再取得を促してもよい。
【0058】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0059】
上記説明から明らかなように、本実施形態によれば、書き込みがエラーとなった地図データ格納部201内の地図データに基づいて、ナビゲーション装置20が動作することを防止することができる。従って、ハードディスク装置等の記憶装置を車両に搭載するナビゲーション装置20に好適な技術を提供することができる。
【0060】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0061】
例えば、ナビゲーション装置20内の現在位置算出部200、ステータス更新部203、ファイル取得部204、現在位置表示部205のそれぞれは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよく、DSP(Digital Signal Processor)や汎用計算機によりソフトウェア的に実現されてもよく、あるいは、部分的にハードウェアまたはソフトウェアで実現させた機能ブロックを組み合わせて構成されてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、ファイル取得部204は、通信端末17を介して地図データ配信サーバ13から更新されたファイルを取得したが、他の例として、ファイル取得部204は、ケーブル等を介して直接地図データ配信サーバ13から更新されたファイルを取得してもよく、CD−ROMやDVD−ROM、メモリカード等の可搬性の記録媒体を介して、更新されたファイルを取得してもよい。
【0063】
また、本実施形態では、ファイルの信頼性を判定する指標としてチェックサムを用いたが、他の例として、CRC(Cyclic Redundancy Check)等の誤り検出/訂正符号を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に係る地図データ配信システム10のシステム構成図である。
【図2】ナビゲーション装置20の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】地図データ格納部201に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図4】ステータス格納部202に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図5】現在位置算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】更新ファイル取得処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
10・・・地図データ配信システム、11・・・基地局、12・・・通信網、13・・・地図データ配信サーバ、14・・・車両、15・・・表示装置、16・・・センサ、17・・・通信端末、20・・・ナビゲーション装置、200・・・現在位置算出部、201・・・地図データ格納部、2010、2020・・・ファイルID、2011、2021・・・バージョン、2012・・・チェックサム、2013・・・ファイル本体、202・・・ステータス格納部、2022・・・ステータス、203・・・ステータス更新部、204・・・ファイル取得部、205・・・現在位置表示処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を表示装置に表示する車載用のナビゲーション装置であって、
地図データを格納する地図データ格納手段と、
前記現在位置を前記地図データ格納手段に格納されている地図データと共に前記表示装置に表示する現在位置表示手段と、
エラーチェック情報が付加された地図データの更新データを取得し、取得した更新データを前記地図データ格納手段に格納する更新データ取得手段と、
前記地図データ格納手段に格納されている地図データの更新データ部分のエラーを、当該更新データに付加されたエラーチェック情報を用いてチェックするエラーチェック手段と
を備え、
前記現在位置表示手段は、
前記地図データ格納手段に格納されている地図データの更新データ部分のうち、前記エラーチェック手段によってエラーが検出されなかった地図データの更新データ部分を前記表示手段に表示すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記地図データの更新データ部分毎に、前記エラーチェック手段でのチェック結果を格納するチェック結果格納手段をさらに備え、
前記現在位置表示手段は、
前記チェック結果格納手段を参照して、前記地図データ格納手段に格納されている地図データの更新データ部分のうち、前記表示装置に表示する地図データの更新データ部分を判定すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記地図データ格納手段は、
地図データを構成する複数のデータブロックを、それぞれのデータブロックのエラーチェック情報と共に格納しており、
前記エラーチェック手段は、
所定のタイミングで、前記データブロックおよび前記地図データの更新データ部分のエラーを、付加されているエラーチェック情報を用いてチェックし、チェック結果を前記チェック結果格納手段に格納し、
前記現在位置表示手段は、
前記チェック結果格納手段を参照して、前記地図データ格納手段に格納されている地図データのデータブロックおよび更新データ部分のうち、前記表示装置に表示するデータブロックおよび更新データ部分を判定すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置であって、
前記所定のタイミングは、前記車両のエンジン始動時であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載のナビゲーション装置であって、
前記現在位置算出手段は、
エンジン始動時に、前記チェック結果格納手段を参照して、エラーが検出されたデータを更新すべき旨を前記表示装置に表示すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のナビゲーション装置であって、
前記地図データ格納手段は、ハードディスク型記録装置であることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−275856(P2006−275856A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−97174(P2005−97174)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】