説明

ナビゲーション装置

【課題】地図を地名と共に表示するナビゲーション装置において、地名変更がなされた施行日以降にユーザが地名変更に対応するための処置をすることなく、地名変更がなされた施行日から即座に地名変更後の新地名を表示できるようにする。
【解決手段】ナビゲーション装置は、地図メモリから表示対象の地名文字列を取得し、地名変更データベースに表示対象の地名文字列と同じ旧地名文字列が保存されているか否かを検索する(#2)。そして、表示対象の地名文字列と同じ旧地名文字列が保存されている場合(#2でYES)、現在の日付が地名変更の施行日以降で、かつ、失効日よりも前であれば(#4でYES)、地図メモリから取得した地名文字列を地名変更データベースに保存されている新地名文字列に置き換えて(#5)、その地名文字列による地名をディスプレイに表示する(#3)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイに地図を地名と共に表示するナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディスプレイに地図を地名と共に表示するナビゲーション装置は、地図データ及び地名データを地図メモリに保存しており、地図メモリに保存している地図データ及び地名データを基に、ディスプレイに地図を地名と共に表示するようになっている。このようなナビゲーション装置において、市町村の合併等による地名変更に伴ってディスプレイに地名変更後の新地名を表示させるには、地図メモリに保存している地名データを書き換えなければならない。
【0003】
従来のナビゲーション装置では、地図メモリに保存されている地名データの書き換えは、例えば、地名変更された地名についての地名変更データが記録された地名データ書換用のCD−ROM等を用いて、行われるようになっている。すなわち、従来のナビゲーション装置では、地名変更がなされた施行日以降に、ユーザが地名データ書換用のCD−ROM等を入手して、ユーザが地名データ書換用のCD−ROMからナビゲーション装置に地名変更データを読み込ませる作業をすることにより、ナビゲーション装置の地図メモリに保存されている地名データを書き換えるようになっている。
【0004】
一方、地図を行政区分名と共に表示するナビゲーション装置において、市区町村合併等により行政区分名が変更された場合でも対応できるように、表示される行政区分名を、ユーザによる新行政区分名の入力によって修正できるようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。また、データ記録部に記録されている地図データに基いて地図を表示するナビゲーション装置において、道路や施設等が新設されたり、取り壊されたりした場合でも対応できるように、一定期間毎に、情報基地から地図データを受信して、データ記録部に記録された地図データを更新するようにしたものが知られている(例えば特許文献2参照)。また、情報記憶部に記憶されている地図情報に基いて地図を地図の属性情報(地名、道路や建物の名前等)と共に表示するナビゲーション装置において、地図の属性情報に変更があったり、新しい道路が追加になった場合でも対応できるように、基地局から地図情報を受信して、情報記憶部に記憶されている地図情報を更新し、また、更新した地図情報に、例えば道路工事情報などの一定期間のみ有効な情報が含まれている場合には、その情報については、有効期限を過ぎると削除するようにしたものが知られている(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2006−323096号公報
【特許文献2】特開2003−194546号公報
【特許文献3】特開2001−108454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述した従来のナビゲーション装置においては、地名変更に伴って地名変更後の新地名を表示させるには、地名変更がなされる施行日以降にユーザが地名変更に対応するための処置(例えば、地名データ書換用のCD−ROM等の入手や、地名データ書換用のCD−ROMからナビゲーション装置に地名変更データを読み込ませる作業等)をする必要があった。そして、ユーザが地名変更に対応するための処置をするまでは、地図メモリに保存されている地名データが書き換えられず、地名変更後の新地名を表示させることができなかった。
【0006】
なお、上述した特許文献1に記載のナビゲーション装置においては、行政区分名の変更が実施された以降に、ユーザが新行政区分名を入力しなければ(すなわちユーザが行政区分名の変更に対応する処置をしなければ)、変更された新しい行政区分名を表示させることができない。また、上述した特許文献2に記載のナビゲーション装置においては、情報基地から送信される地図データが変更された以降に、ユーザが情報基地からの地図データの受信エリア内に行かなければ(すなわちユーザが地図データの変更に対応する処置をしなければ)、データ記録部に記録された地図データを更新することができず、変更された新しい地図を表示させることができない。また、上述した特許文献3に記載のナビゲーション装置においては、基地局から送信される地図情報が変更された以降に、ユーザが基地局からの地図情報の受信エリア内に行かなければ(すなわちユーザが地図情報の変更に対応する処置をしなければ)、情報記憶部に記憶されている地図情報を更新することができず、変更された新しい地図の属性情報(地名、道路や建物の名前等)を表示させることができない。従って、これら特許文献1乃至特許文献3に記載の構成を適用したとしても、上記の問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、地名変更がなされる施行日以降にユーザが地名変更に対応するための処置をすることなく、地名変更がなされる施行日から即座に地名変更後の新地名を表示することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、地図を作成するための地図データ及び地名を示す地名データを保存する地図メモリと、画像を表示するためのディスプレイとを備え、地図メモリに保存されている地図データ及び地名データを基に、ディスプレイに地図を地名と共に表示するナビゲーション装置において、将来において地名変更されることが決まっている地名についての、地名変更前の旧地名を示す旧地名データ、地名変更後の新地名を示す新地名データ、及び地名変更がなされる施行日を示す施行日データを含む地名変更データを保存する地名変更データベースと、地名変更データベースに保存されている地名変更データを基に、将来において地名変更されることが決まっている地名について、その地名の地名変更がなされる施行日以降に、ディスプレイに表示する地名を地名変更後の新地名に更新する地名更新手段と、を備えるものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、地名更新手段は、ディスプレイに地名を表示する際に、ディスプレイに表示する表示対象の地名について、地名変更データベースに保存されている地名変更データを基に、地名変更がなされているか否かを判断し、表示対象の地名について地名変更がなされていると判断すれば、地名変更データベースに保存されている地名変更データを基に、表示対象の地名を地名変更後の新地名に更新するものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、地名更新手段は、表示対象の地名の地名変更後の地名をディスプレイに表示すると共に、表示対象の地名を示す地図メモリに保存されている地名データを、地名変更データベースに保存されている地名変更後の地名を示す新地名データに書き換えることにより、表示対象の地名を地名変更後の新地名に更新するものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、ディスプレイに表示する表示対象の地名が地名変更される地名である場合、地名変更がなされる施行日よりも前であれば、地名変更前の旧地名がディスプレイに表示され、地名変更がなされる施行日以降であれば、地名変更後の新地名がディスプレイに表示される。すなわち、地名変更されることが決まっている地名について、地名変更がなされる施行日以降にユーザが地名変更に対応するための処置をすることなく、地名変更がなされる施行日から即座に地名変更後の新地名をディスプレイに表示することができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、ディスプレイに地名を表示する際に、その表示対象の地名について、地名変更がなされているか否かが判断され、地名変更がなされていないと判断されれば、その表示対象の地名の地名変更前の旧地名がディスプレイに表示され、地名変更がなされていると判断されれば、その表示対象の地名の地名変更後の新地名がディスプレイに表示される。従って、そのときにディスプレイに表示する表示対象の地名についてのみ、地名変更がなされているか否かを判断すればよく、そのときにディスプレイに表示しない地名については、地名変更がなされているか否かを判断する必要がなく、処理を軽減することができ、表示対象の地名を素早くディスプレイに表示することができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、表示対象の地名について地名変更がなされていると判断されれば、地図メモリに保存されている表示対象の地名を示す地名データが地名変更後の地名を示す新地名データに書き換えられる。これにより、その地名を次回以降にディスプレイに表示する際に、地名データの書き換え処理を行う必要がなく、処理を軽減することができ、表示対象の地名を素早くディスプレイに表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施形態によるナビゲーション装置について図面を参照して説明する。図1(a)は、本実施形態によるナビゲーション装置の構成を示し、図1(b)は、このナビゲーション装置1により表示される地図の表示例を示す。
【0015】
ナビゲーション装置1は、地図を地名と共に表示する装置であり、画像を表示するためのディスプレイ11と、音声を出力するためのスピーカ12と、ユーザによりナビゲーション装置1の各種動作を指示するためにタッチ操作されるタッチパネル13等を備える。タッチパネル13は、例えばユーザが指でタッチパネル13上をタッチすることにより、そのタッチ位置を検出するものであり、透光性を有し、ディスプレイ11上に重ねて配置されている。従って、ディスプレイ11に表示される画像は、タッチパネル13越しに透けて見えるようになっている。ナビゲーション装置1は、例えば自動車内に設置して使用され、また、ユーザが携帯して持ち運びできるようになっている。
【0016】
このナビゲーション装置1は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等を利用してナビゲーション装置1の現在位置と移動方向を検出する機能を有しており、ディスプレイ11に、ナビゲーション装置1の現在位置を含むナビゲーション装置1の現在位置周辺の地図を、地名、及びナビゲーション装置1の現在位置と移動方向と共に表示するようになっている。
【0017】
図1(b)に示す例では、ディスプレイ11に、地図を表わす地図画像21と、地名を示す地名画像22(22a、22b、22c)と、ナビゲーション装置1の現在位置と移動方向を示す矢印画像23とが表示されている。地図画像21は、ナビゲーション装置1の現在位置を含むナビゲーション装置1の現在位置周辺の地図を表わしており、地名画像22(22a、22b、22c)は、各々、その表示位置に対応する地域の地名を地名文字列により表示している。矢印画像23は、その表示位置によりナビゲーション装置1の現在位置を示しており、その表示方向によりナビゲーション装置1の移動方向を示している。
【0018】
ナビゲーション装置1を所持するユーザが移動して、ナビゲーション装置1の現在位置や移動方向が変化すると、地図画像21による地図の表示範囲や表示方向が変化し、それに応じて、地名画像22の表示位置も変化する。このとき、地図画像21による地図の表示範囲や表示方向が変化して、それまで表示されていた地域が表示されなくなると、その地域の地名を示す地名画像22も表示されなくなり、また、それまで表示されていない地域が表示されると、その地域の地名を示す地名画像22が新しく表示される。
【0019】
ナビゲーション装置1は、このように、地図画像21により、ナビゲーション装置1の現在位置を含むナビゲーション装置1の現在位置周辺の地図を表示し、地名画像22により、地名を表示し、矢印画像23により、ナビゲーション装置1の現在位置と移動方向を表示する。
【0020】
また、このナビゲーション装置1は、ディスプレイ11に、ユーザにナビゲーション装置1を操作させるための操作ボタンを表示し、操作ボタンがユーザによりタッチ操作(操作ボタンの表示箇所に対応するタッチパネル13上の位置がユーザによりタッチ)されることにより、そのタッチ操作に応じて、ナビゲーション装置1の現在位置を含まない別の地域の地図の表示や、表示する地図の拡大、縮小等を行うようになっている。
【0021】
図1(b)に示す例では、ディスプレイ11に、地図画像21、地名画像22、及び矢印画像23に加え、操作ボタンを表わす画像としてメニューボタン画像24が表示されており、メニューボタン画像24をタッチ操作することにより、各種操作ボタン画像が表示され、それら各種操作ボタン画像をタッチ操作することにより、別の地域の地図の表示や、表示する地図の拡大や縮小等が行われる。
【0022】
ナビゲーション装置1の現在位置を含まない別の地域の地図の表示においては、ナビゲーション装置1の現在位置と移動方向を示す矢印画像23が表示されない以外は、図1(b)に示す例と同様に、地図を表わす地図画像21及び地名を示す地名画像22が表示される。
【0023】
このナビゲーション装置1は、市町村の合併等による地名変更に伴って、地名画像21により表示する地名を自動的に更新する機能を有している。
【0024】
図2は、ナビゲーション装置1の電気的ブロック構成を示す。ナビゲーション装置1は、上述の構成に加え、地図メモリ14と、地名変更データベース15と、位置・方向検出部16と、ナビゲーション装置1を制御するためのCPU等からなる制御部(地名更新手段)17等を備える。
【0025】
ディスプレイ11は、制御部17による制御のもと、画像を表示する。スピーカ12は、制御部17による制御のもと、音声を出力する。タッチパネル13は、マトリックス状に配列された多数の透明な感圧スイッチにより構成されており、制御部17による制御のもと、ユーザによるタッチパネル13上のタッチ位置を検出し、その検出結果を制御部17に出力する。
【0026】
地図メモリ14は、ディスプレイ11に表示する地図を作成するための地図データ及び各地の地名を示す地名データを保存している。地図メモリ14に保存している地図データ及び地名データは、制御部17による制御のもと、書き換え可能になっている。
【0027】
地名変更データベース15は、将来において地名変更されることが決まっている地名についての地名変更データを保存している。地名変更データベース15は、地名変更データとして、地名変更前の旧地名を示す旧地名データ、地名変更後の新地名を示す新地名データ、地名変更がなされる施行日を示す施行日データ、及び地名が存在しなくなる失効日を示す失効日データを保存している。
【0028】
位置・方向検出部16は、GPS受信機31と、地磁気センサ32と、ジャイロセンサ33とを有している。GPS受信機31は、GPS衛星からの電波を受信して、ナビゲーション装置1の現在位置(緯度及び経度等)を検出する。地磁気センサ32は、地磁気の方向を検出し、その検出した地磁気の方向を基にナビゲーション装置1の移動方向を絶対方位で検出する。ジャイロセンサ33は、ナビゲーション装置1の姿勢の変化を検出し、その検出した姿勢の変化を基にナビゲーション装置1の移動方向を相対方位で検出する。位置・方向検出部16は、これらGPS受信機31、地磁気センサ32、ジャイロセンサ33の検出結果を制御部17に出力する。
【0029】
制御部17は、地図メモリ14に保存されている地図データ及び地名データを基に、ディスプレイ11に、地図を地名と共に表示する。また、制御部17は、地名変更データベース15に保存されている地名変更データを基に、将来において地名変更されることが決まっている地名について、その地名の地名変更がなされる施行日以降に、ディスプレイ11に表示する地名を地名変更後の新地名に更新する。
【0030】
図3は、地名変更データベース15に保存されている地名変更データの例を示す。地名変更データベース15は、地名変更データとして、将来において地名変更されることが決まっている各地名について、地名変更前の旧地名を示す旧地名データ(旧地名文字列)を、地名変更後の新地名を示す新地名データ(新地名文字列)、地名変更がなされる施行日を示す施行日データ、及び地名が存在しなくなる失効日を示す失効日データと対応付けて保存している。
【0031】
図3に示す例では、地名変更データベース15には、旧地名データとして、旧地名が「○○府」の「AA郡BB町CC」であることを示す旧地名データ、旧地名が「○○府」の「AA郡FF町GG」であることを示す旧地名データ、旧地名が「△△県」の「JJJ郡KK町LL」であることを示す旧地名データ、・・・、が保存されている。そして、旧地名が「AA郡BB町CC」であることを示す旧地名データについては、その旧地名データに対応付けて、新地名が「DD市EE」であることを示す新地名データ、施行日が「2011年3月12日」であることを示す施行日データ、失効日が「なし」であることを示す失効日データが保存されている。また、旧地名が「AA郡FF町GG」であることを示す旧地名データについては、その旧地名データに対応付けて、新地名が「DD市FF町HH」であることを示す新地名データ、施行日が「2011年3月12日」であることを示す施行日データ、失効日が「なし」であることを示す失効日データが保存されている。また、旧地名が「JJJ郡KK町LL」であることを示す旧地名データについては、その旧地名データに対応付けて、新地名が「M市KK町NN」であることを示す新地名データ、施行日が「2009年2月1日」であることを示す施行日データ、失効日が「2010年4月1日」であることを示す失効日データが保存されている。なお、旧地名が「JJJ郡KK町LL」であることを示す旧地名データについては、その旧地名データに対応付けて、新地名が「M市KK区PP」であることを示す新地名データ、施行日が「2010年4月1日」であることを示す施行日データ、失効日が「なし」であることを示す失効日データも保存されている。地名変更データベース15は、このように、地名変更データとして、将来において地名変更されることが決まっている各地名についての旧地名を、地名変更後の新地名、施行日、及び失効日と対応付けて保存している。
【0032】
制御部17は、ディスプレイ11に地図を表示する際に、その地図上の地名を地図と共にディスプレイ11に表示する地名表示処理を行い、その地名表示処理において、地名を更新する地名更新処理を行う。すなわち、制御部17は、ディスプレイ11に地名を表示する際に、ディスプレイ11に表示する表示対象の地名について、地名変更データベース15に保存されている地名変更データを基に、地名変更がなされているか否かを判断し、そして、表示対象の地名について地名変更がなされていると判断すれば、地名変更データベース15に保存されている地名変更データを基に、表示対象の地名を地名変更後の新地名に更新する。
【0033】
図4は、上記ナビゲーション装置1の地名更新処理を含む地名表示処理のフローチャートを示す。地名表示処理において、制御部17は、まず、地図メモリ14から、ディスプレイ11に表示する表示対象の地名文字列(地名データ)を取得する。続いて、制御部17は、地名変更データベース15に、地図メモリ14から取得した表示対象の地名文字列と同じ旧地名文字列(旧地名データ)が保存されているか否かを検索する(#2)。
【0034】
ここで、表示対象の地名文字列と同じ旧地名文字列が保存されていない場合には(#2でNO)、制御部17は、表示対象の地名は地名変更がなされない地名であると判断して、表示対象の地名文字列(上記#1において地図メモリ14から取得した地名文字列)による地名をディスプレイ11に表示する(#3)。これにより、表示対象の地名が地名変更されない地名である場合には、その地名がそのままディスプレイ11に表示される。
【0035】
一方、表示対象の地名文字列と同じ旧地名文字列が保存されている場合には(#2でYES)、制御部17は、表示対象の地名が地名変更される地名であると判断して、その旧地名文字列に対応して地名変更データベース15に保存されている施行日データ及び失効日データを基に、現在の日付が、施行日以降で、かつ、失効日よりも前か否かを判断する(#4)。
【0036】
そして、現在の日付が、施行日以降で、かつ、失効日よりも前であれば(#4でYES)、制御部17は、表示対象の地名は地名変更がなされていると判断し、上記#1において地図メモリ14から取得した表示対象の地名文字列を地名変更データベース15に保存されている新地名文字列(新地名データ)に置き換えて(#5)、表示対象の地名文字列(すなわち上記#5において置き換えた新地名文字列)による地名をディスプレイ11に表示する(#3)。これにより、表示対象の地名が地名変更される地名であって、既に地名変更されている場合には、その地名の地名変更後の新地名がディスプレイ11に表示される。このとき、制御部17は、地図メモリ14に保存されている表示対象の地名文字列を地名変更データベース15に保存されている新地名文字列に書き換える。
【0037】
なお、現在の日付が、施行日以降でない場合、又は、失効日よりも前でない場合には(#4でNO)、制御部17は、地名変更データベース15の全ての旧地名文字列を検索したのでなければ(#6でYES)、上記#2以降の処理を繰り返し、地名変更データベース15の全ての旧地名文字列を検索したのであれば(#6でYES)、表示対象の地名文字列(上記#1において地図メモリ14から取得した地名文字列)による地名をディスプレイ11に表示する(#3)。
【0038】
この地名表示処理(地名更新処理)は、ディスプレイ11に地図を表示する際に、その地図と共にディスプレイ11に表示する全ての地名(上記図1(b)に示す例では、地名画像22a、22b、22cにより示される各地名)に対して行われ、また、地図の表示範囲の変化に伴って、それまで表示されていない地名を新しく表示する際にも、その新しく表示する地名に対して行われる。
【0039】
このような構成のナビゲーション装置1によれば、ディスプレイ11に表示する表示対象の地名が地名変更される地名である場合、地名変更がなされる施行日よりも前であれば、地名変更前の旧地名がディスプレイ11に表示され、地名変更がなされる施行日以降であれば、地名変更後の新地名がディスプレイ11に表示される。すなわち、地名変更されることが決まっている地名について、地名変更がなされる施行日以降にユーザが地名変更に対応するための処置をすることなく、地名変更がなされる施行日から即座に地名変更後の新地名をディスプレイ11に表示することができる。
【0040】
しかも、ディスプレイ11に地名を表示する際に、その表示対象の地名について、地名変更がなされているか否かが判断され、地名変更がなされていないと判断されれば、その表示対象の地名の地名変更前の旧地名がディスプレイ11に表示され、地名変更がなされていると判断されれば、その表示対象の地名の地名変更後の新地名がディスプレイ11に表示される。従って、そのときにディスプレイ11に表示する表示対象の地名についてのみ、地名変更がなされているか否かを判断すればよく、そのときにディスプレイ11に表示しない地名については、地名変更がなされているか否かを判断する必要がなく、処理を軽減することができ、表示対象の地名を素早くディスプレイ11に表示することができる。
【0041】
さらに、ディスプレイ11に表示する表示対象の地名について地名変更がなされていると判断されれば、地図メモリ14に保存されている表示対象の地名を示す地名データ(地名文字列)が地名変更後の地名を示す新地名データ(新地名文字列)に書き換えられる。これにより、その地名を次回以降にディスプレイ11に表示する際に、地名データの書き換え処理を行う必要がなく、処理を軽減することができ、表示対象の地名を素早くディスプレイ11に表示することができる。
【0042】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、上記#5の処理の後、地図メモリに保存している地名文字列は、新地名文字列に書き換えずに、そのまま保存しておいてもよい。また、ディスプレイに地名を表示する際に限られず、他のタイミング(例えば、日付が変わったタイミング)で、地名変更データベースに保存されている地名変更データを基に、地名変更がなされた地名の有無を判断し、地名変更がなされた地名について、地図メモリに保存している地名データを地名変更後の地名を示す新地名データに書き換えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示す斜視図、(b)は同ナビゲーション装置のディスプレイに表示される地図の例を示す図。
【図2】同ナビゲーション装置の電気的ブロック構成図。
【図3】同ナビゲーション装置の地名変更データベースに保存されている地名変更データの例を示す図。
【図4】同ナビゲーション装置の地名表示処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0044】
1 ナビゲーション装置
11 ディスプレイ
12 スピーカ
13 タッチパネル
14 地図メモリ
15 地名変更データベース
16 位置・方向検出部
17 制御部(地名更新手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を作成するための地図データ及び地名を示す地名データを保存する地図メモリと、画像を表示するためのディスプレイとを備え、前記地図メモリに保存されている地図データ及び地名データを基に、前記ディスプレイに地図を地名と共に表示するナビゲーション装置において、
将来において地名変更されることが決まっている地名についての、地名変更前の旧地名を示す旧地名データ、地名変更後の新地名を示す新地名データ、及び地名変更がなされる施行日を示す施行日データを含む地名変更データを保存する地名変更データベースと、
前記地名変更データベースに保存されている地名変更データを基に、将来において地名変更されることが決まっている地名について、その地名の地名変更がなされる施行日以降に、前記ディスプレイに表示する地名を地名変更後の新地名に更新する地名更新手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地名更新手段は、
前記ディスプレイに地名を表示する際に、
前記ディスプレイに表示する表示対象の地名について、前記地名変更データベースに保存されている地名変更データを基に、地名変更がなされているか否かを判断し、
前記表示対象の地名について地名変更がなされていると判断すれば、前記地名変更データベースに保存されている地名変更データを基に、前記表示対象の地名を地名変更後の新地名に更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地名更新手段は、前記表示対象の地名の地名変更後の地名を前記ディスプレイに表示すると共に、前記表示対象の地名を示す前記地図メモリに保存されている地名データを、前記地名変更データベースに保存されている地名変更後の地名を示す新地名データに書き換えることにより、前記表示対象の地名を地名変更後の新地名に更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−14630(P2009−14630A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179063(P2007−179063)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】