説明

ナビゲーション装置

【課題】自車両が目的地に立ち寄ったか否かの判定精度の向上を図る。
【解決手段】ナビゲーション装置10は、基準オフ期間情報データベース22に、目的地のジャンルごとに設定されたACC電源のオフ期間を基準オフ期間として記憶しており、基準オフ期間抽出部26により、目的地設定部24によって設定された目的地に対応する基準オフ期間を基準オフ期間情報データベース22から抽出し、判定部27により、自車両位置検出部23によって検出される自車両の位置が目的地位置特定部25によって特定された目的地の位置から所定距離内となった状態でACC電源がオフされ、且つ、当該ACC電源のオフ期間が抽出された基準オフ期間を超えた場合に、自車両が目的地に立ち寄ったと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両が目的地に立ち寄ったか否かを判定する機能を備えたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のナビゲーション装置では、自車両が目的地に立ち寄ったか否かを判定する機能を利用して、種々のサービスを提供することが考えられている。このようなサービスの一例として、例えば、自車両が目的地(飲食店など)に立ち寄ったと判定された場合に、立ち寄った目的地の評価情報(口コミ情報など)を投稿するための入力画面を表示し、これにより、その目的地の評価情報を収集して利用することが考えられている。このようなサービスを実現するに際しては、自車両が目的地に立ち寄ったか否かを正確に判定することが求められる。そのため、自車両が目的地に立ち寄ったか否かの判定精度の向上を図るための種々の技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−164385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、自車両が目的地に立ち寄ったか否かの判定精度の向上を図ったナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
目的地に立ち寄った車両が当該目的地において実際にACC電源をオフする期間、即ち、ユーザがその目的地に滞在する期間は、例えば目的地がファーストフード店であれば15分程度、目的地がゴルフ場であれば4時間程度というように、その目的地のジャンルによって異なる。
【0006】
請求項1のナビゲーション装置によれば、基準オフ期間記憶手段は、目的地のジャンルごとに設定されたACC電源のオフ期間を基準オフ期間として記憶している。また、基準オフ期間抽出手段は、目的地設定手段によって設定された目的地に対応する基準オフ期間を基準オフ期間記憶手段から抽出する。そして、判定手段は、自車両位置検出手段によって検出される自車両の位置が目的地位置特定手段によって特定された目的地の位置から所定距離内となった状態でACC電源がオフされ、且つ、当該ACC電源のオフ期間(ACC電源がオフされてから再びオンされるまでの期間)が基準オフ期間抽出手段によって抽出された基準オフ期間を超えた場合に、自車両が目的地に立ち寄ったと判定する。
即ち、請求項1のナビゲーション装置によれば、自車両の位置が目的地の位置から所定距離内となった状態におけるACC電源のオフ期間が目的地のジャンルごとに設定された基準オフ期間を超えたか否かに基づいて、自車両が目的地に立ち寄ったか否かを判定するように構成した。これにより、目的地のジャンルに応じた基準(基準オフ期間)に基づいて、自車両が目的地に立ち寄ったか否かを判定することができ、その判定精度の向上を図ることができる。
【0007】
また、請求項2のナビゲーション装置によれば、基準オフ期間変更手段は、ACC電源のオフ期間に基づいて、基準オフ期間記憶手段に記憶されている基準オフ期間を変更する。
これにより、自車両が目的地に立ち寄ったか否かを判定するための基準(基準オフ期間)が、目的地において実際にACC電源がオフされた期間に応じたものとなり、判定精度の一層の向上を図ることができる。
【0008】
また、請求項3のナビゲーション装置にように、基準オフ期間の初期値を、目的地のジャンルごとに通常想定されるACC電源のオフ期間よりも小さい値に設定することで、当該ナビゲーション装置の使用を開始した当初においても、自車両が目的地に立ち寄ったと判定されやすくなる。これにより、自車両が目的地に立ち寄った場合の動作(例えば、口コミ情報の入力画面の表示動作など)を、ナビゲーション装置の使用開始当初から極力実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るものであり、ナビゲーション装置の構成を概略的に示すブロック図
【図2】基準オフ期間情報データベースに記憶された各種情報の一例を示す図
【図3】ナビゲーション装置の動作内容を示すフローチャート
【図4】立ち寄り判定処理の内容を示すフローチャート
【図5】口コミ情報入力画面の一例を示す図
【図6】本発明の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、ナビゲーション装置10は、例えば自動車などの車両に搭載され、制御装置11、位置検出部12、RTC13(Real Time Clock)、地図データ入力部14、操作スイッチ部15、外部メモリ16、表示器17、音声コントローラ18、リモコンセンサ19、通信部20、信号入力部21、基準オフ期間情報データベース22(基準オフ期間記憶手段に相当)などを備えている。制御装置11は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。ナビゲーション装置10は、制御装置11のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、自車両位置検出部23(自車両位置検出手段に相当)、目的地設定部24(目的地設定手段に相当)、目的地位置特定部25(目的地位置特定手段に相当)、基準オフ期間抽出部26(基準オフ期間抽出手段に相当)、判定部27(判定手段に相当)、基準オフ期間変更部28(基準オフ期間変更手段に相当)をソフトウェアによって仮想的に実現する。
【0011】
位置検出部12は、方位センサ31、ジャイロセンサ32(ジャイロスコープ)、距離センサ33およびGPS受信器34などを有している。方位センサ31は、車両の方位を検出する。ジャイロセンサ32は、車両の回転角度を検出する。距離センサ33は、車両の走行距離を検出する。GPS受信器34は、GPS(Global Positioning System)により車両の現在位置を測位するために、図示しないGPS衛星から送信される電波を受信する。
RTC13は、例えば日付や時刻など時間に関する情報を取得するための計時手段である。RTC13は、図示しない発信器が出力したクロックパルスのパルス数をカウントし、カウントしたカウント値が基準値に到達すると単位時間を示す単位時間信号を生成する。そして、RTC13は、生成した単位時間信号に基づいて端末時刻を生成する。
【0012】
地図データ入力部14は、地図データ記憶部35から地図データを取得する。地図データ記憶部35に記憶されている地図データは、複数のノードおよびノード同士をつなぐリンクにより形成された道路データ、背景データ、目印データ、マップマッチング用データ、目的地データ、交通情報を道路データに変換するためのテーブルデータなどの各種のデータを含んでいる。また、この地図データに含まれる道路データは、道路の種類(例えば、国道、高速道路、一般道路、細街路など)ごとに区別して記憶されている。この地図データには、地名、施設名、道路名や、これら各地点、各施設、各道路の位置などの情報が含まれている。地図データ記憶部35に記憶されている地図データは、図示しないドライブ装置によって地図データ入力部14に読み取られる。地図データ記憶部35としては、例えばDVDやCDなどの大容量記憶媒体、メモリカードあるいはハードディスクドライブなどの記憶媒体が用いられる。
【0013】
操作スイッチ部15は、表示器17の画面の近傍に設けられているメカニカルスイッチや、表示器17の画面に設けられているタッチパネルスイッチなどから構成されている。ユーザは、操作スイッチ部15の各スイッチを用いて、車両の目的地、表示器17の画面や表示態様の切り替え(例えば、地図縮尺の変更、メニュー画面の選択、経路の探索、経路案内の開始、現在位置の修正および音量の調整など)を行う各種のコマンドの入力を行う。これにより、ナビゲーション装置10は、ユーザの指示に従って作動する。リモコンセンサ19は、リモコン36との間でコマンドなどの送受信を行う。リモコン36には、複数の操作スイッチが設けられている。リモコン36の操作スイッチを操作することにより、リモコン36からリモコンセンサ19を経由して各種の指令信号が制御装置11へ送信される。操作スイッチ部15およびリモコン36は、何れの操作によっても制御装置11に同一の機能を実行させることができる。
【0014】
外部メモリ16は、例えば着脱可能なフラッシュメモリカードやハードディスクドライブによって構成されている。なお、外部メモリ16は、例えばナビゲーション装置10の制御装置11に設けられているRAMやEEPROM、あるいは地図データ記憶部35などと共用してもよい。表示器17は、例えば液晶や有機ELなどのカラーディスプレイを有している。表示器17の画面には、車両の現在位置周辺の地図が各種縮尺で表示されるとともに、この地図表示に重ねて車両の現在位置および進行方向を示す現在地マークが表示される。また、目的地までの経路案内を実行する場合には、表示器17の画面には経路案内用の画面が表示される。
音声コントローラ18は、車載スピーカ37に接続している。音声コントローラ18は、制御装置11から入力した音声出力信号を車載スピーカ37へ出力する。音声出力信号に基づいて車載スピーカ37から出力される音声は、案内に関する音声、操作説明に関する音声、盗難防止機能の動作中であることを報知する音声、音声認識結果に応じたトークバック音声などである。
【0015】
制御装置11は、車両が走行経路に沿って移動可能とするために、表示器17の画面に現在地周辺の道路地図を表示するとともに、車両の現在位置および進行方向を示す現在地マークを道路に重ねて表示する。この場合、車両の走行に伴って現在地の表示は、表示器17に表示された地図上を移動する。表示器17に表示された地図は、車両の現在位置に応じてスクロールされる。このとき、制御装置11は、車両の現在位置を道路上にあわせるマップマッチングを実施する。
通信部20は、例えば無線の通信回線を経由して、図示しない情報センターとの間でデータ通信を行う。即ち、通信部20は、各種のデータの送信機能および受信機能を有する。なお、情報センターは、例えば、渋滞情報、交通規制情報、事故情報、路面情報、イベント情報、店舗情報、天候情報、後述する口コミ情報入力画面F(図5参照)を介して投稿された口コミ情報などの各種の情報を保有している。
【0016】
信号入力部21は、車両のキースイッチ(図示せず)からACC信号(アクセサリ信号)を入力する。制御装置11は、信号入力部21がキースイッチから入力しているACC信号がオン(ハイレベル)である場合、つまり、ACC電源(アクセサリ電源)がオンされている場合には、ナビゲーション装置10を電源オン状態として、図示しない車載バッテリからの動作電力を全ての機能ブロックに供給させることで通常動作(ウェイクアップ状態での動作)させる。一方、制御装置11は、信号入力部21がキースイッチから入力しているACC信号がオフ(ロウレベル)である場合、つまり、ACC電源がオフされている場合には、ナビゲーション装置10を電源オフ状態として、車載バッテリからの動作電力を限定した機能ブロックに供給させることで低消費電力動作(スリープ状態での動作)させる。
【0017】
基準オフ期間情報データベース22には、例えば図2に示すように、目的地のジャンルごとに目的地の名称、住所、電話番号などの情報が記憶されているとともに、目的地のジャンルごとに設定されたACC電源のオフ期間が基準オフ期間として記憶されている。なお、基準オフ期間の初期値は、目的地のジャンルごとに通常想定されるACC電源のオフ期間(その目的地において多くのユーザが一般的、常識的に滞在すると考えられる期間)よりも極力小さい値に設定されている。
【0018】
自車両位置検出部23は、位置検出部12などからの入力信号に基づいて、ナビゲーション装置10を搭載した車両(自車両)の現在位置を検出する。
目的地設定部24は、操作スイッチ部15、或いは、リモコン36から入力されるコマンドに基づいて、自車両の経路案内における目的地を設定する。
目的地位置特定部25は、目的地設定部24によって設定された目的地の位置を、地図データ入力部14から入力される地図データに基づいて特定する。
基準オフ期間抽出部26は、目的地設定部24によって設定された目的地に対応する基準オフ期間を基準オフ期間情報データベース22から抽出する。
【0019】
判定部27は、自車両が、目的地設定部24によって設定された目的地に立ち寄ったか否かを判定する。この判定部27による判定処理の内容については、後述の動作説明において説明する。
基準オフ期間変更部28は、目的地設定部24によって設定された目的地における実際のACC電源のオフ期間に基づいて、基準オフ期間情報データベース22に記憶されている基準オフ期間のうち、その目的地に対応する基準オフ期間を変更する。
【0020】
次に、上述の構成のナビゲーション装置10の動作内容について、図3および図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図3に示すように、ナビゲーション装置10の制御装置11は、ユーザが操作スイッチ部15、或いは、リモコン36を介して目的地を設定すると、即ち、目的地設定部24によって目的地が設定されると(ステップA1)、その目的地までの案内経路として推奨する経路(例えば、走行距離が最も短い経路や走行時間が最も短い経路)を探索し(ステップA2)、その経路に基づいて自車両の経路案内を開始する(ステップA3)。
【0021】
制御装置11は、経路案内を開始すると、自車両が目的地に到着したか否かを予備的に判定する(ステップA4)。この場合、制御装置11は、自車両位置検出部23(位置検出部12)によって検出される自車両の位置が目的地位置特定部25によって特定された目的地の位置から所定距離内となった場合に、自車両が目的地に到着したと判断する。なお、この判断における所定距離は、適宜変更して設定することができる。また、制御装置11は、自車両位置検出部23(位置検出部12)によって検出される自車両の位置が目的地位置特定部25によって特定された目的地の位置に一致する場合にも、自車両が目的地に到着したと判断する。
【0022】
制御装置11は、自車両が目的地に到着したと判断すると(ステップA4:YES)、「立ち寄り判定処理」を実行する(ステップA5)。この「立ち寄り判定処理」は、自車両が実際に目的地に立ち寄ったか否かを判定する処理である。即ち、このステップA5の「立ち寄り判定処理」は、自車両が目的地に到着したか否かを正確に判定するための処理であり、自車両が目的地に到着したか否かを予備的に判定する上述のステップA4の判定処理とは異なる処理である。次に、この「立ち寄り判定処理」の内容について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0023】
この「立ち寄り判定処理」では、ナビゲーション装置10の制御装置11は、自車両位置検出部23(位置検出部12)によって検出される自車両の位置が目的地位置特定部25によって特定された目的地の位置から所定距離内となった状態(ステップA4にてYESと判断した状態)でACC電源がオフされると、そのACC電源がオフされてから再びオンされるまでの期間(ACC電源のオフ期間)を計時する(ステップB1)。また、制御装置11は、基準オフ期間抽出部26によって、設定された目的地のジャンルに対応する基準オフ期間を基準オフ期間情報データベース22から抽出する(ステップB2)。そして、制御装置11は、計時したACC電源のオフ期間が抽出した基準オフ期間を超えたか否かを判断する(ステップB3)。
【0024】
制御装置11は、計時したACC電源のオフ期間が抽出した基準オフ期間を超えた場合(ステップB3:YES)には、「自車両が実際に目的地に立ち寄った」と判定し、例えば図5に示す口コミ情報入力画面Fを表示器17に表示する(ステップB4)。この場合、口コミ情報入力画面Fには、ユーザが立ち寄った目的地(飲食店など)の評価情報を入力するための評価度ボタンFaと、ユーザが立ち寄った目的地の評価情報を後で入力することを可能とするためのチェックボックスFbとが設けられている。また、評価度ボタンFaは、複数段階(この場合、「大変満足」、「やや満足」、「満足」、「やや不満」、「不満」の5段階)に分けて設けられており、ユーザは、立ち寄った目的地に対して感じた評価度に応じて複数の評価度ボタンFaのうち何れか1つを、例えばタッチ操作によって選択することができる。また、ユーザは、例えば口コミ情報を入力する時間がないような場合には、例えばタッチ操作によってチェックボックスFbにチェックを入れることで、口コミ情報入力画面Fを一旦消去し、後で評価情報を入力することも可能である。
制御装置11は、口コミ情報入力画面Fの何れかの評価度ボタンFaが操作されると、或いは、チェックボックスFbがチェックされると、表示器17から口コミ情報入力画面Fを消去し(ステップB5)、この処理を終了する。
【0025】
一方、制御装置11は、上記のステップB3において、計時したACC電源のオフ期間が抽出された基準オフ期間を経過していない場合(ステップB3:NO)には、「自車両が実際には目的地に立ち寄っていない」と判定し、表示器17に口コミ情報入力画面Fを表示することなく、この処理を終了する。なお、上記のステップB2の処理(基準オフ期間の抽出処理)は、例えば、目的地が設定されたとき(ステップA1参照)に予め実行するように構成してもよい。
【0026】
制御装置11は、上述の「立ち寄り判定処理(ステップA5参照)」を終了すると、次に「基準オフ期間の更新処理」を実行する(ステップA6)。この「基準オフ期間の更新処理」では、制御装置11は、計時したACC電源のオフ期間(T)と抽出した基準オフ期間(S1)とに基づいて、次に示す式により補正基準オフ期間(S2)を演算する。
【0027】
S2=(S1×N+T)/N+1
なお、Nは、抽出した基準オフ期間(S1)を重み付けするための係数であり、例えば「100」などの極力大きめの数値に設定される。従って、補正基準オフ期間(S2)の演算においては、計時したACC電源のオフ期間(T)よりも抽出した基準オフ期間(S1)の方が反映されやすく、演算される補正基準オフ期間(S2)は、計時したACC電源のオフ期間(T)よりも抽出した基準オフ期間(S1)に近い値になりやすい。
【0028】
そして、制御装置11は、基準オフ期間情報データベース22に記憶されている基準オフ期間のうち抽出した基準オフ期間(S1)を、上記の演算により求めた補正基準オフ期間(S2)に変更し(新たな基準オフ期間とし)、この処理を終了する。
【0029】
以上に説明したように本実施形態によれば、自車両の位置が目的地の位置から所定距離内となった状態におけるACC電源のオフ期間が目的地のジャンルごとに設定された基準オフ期間を超えたか否かに基づいて、自車両が実際に目的地に立ち寄ったか否かを判定するように構成した。これにより、目的地のジャンルに応じた基準(基準オフ期間)に基づいて、自車両が目的地に立ち寄ったか否かを判定することができ、その判定精度の向上を図ることができる。
【0030】
また、設定された目的地における実際のACC電源のオフ期間に基づいて、その目的地に対応する基準オフ期間を変更するように構成した。これにより、以降の「立ち寄り判定処理」においては、自車両が当該目的地(当該目的地と同じジャンルに含まれる目的地を含む)に立ち寄ったか否かを判定するための基準(基準オフ期間)が、過去の当該目的地における実際のACC電源のオフ期間に応じたものとなり、判定精度の一層の向上を図ることができる。
また、基準オフ期間の更新処理が繰り返し実行されることにより、立ち寄り判定処理における判定基準(基準オフ期間)がユーザに適した値に近付くようになり、ユーザに最適な基準に基づいて立ち寄り判定処理を実行することが可能となる。
【0031】
また、基準オフ期間の初期値を、目的地のジャンルごとに通常想定されるACC電源のオフ期間よりも極力小さい値に設定することで、当該ナビゲーション装置10の使用を開始した当初においても、設定された目的地における実際のACC電源のオフ期間(当該目的地に実際にユーザが滞在した期間)が基準オフ期間を超えやすくなり、従って、自車両が目的地に立ち寄ったと判定されやすくなる。これにより、自車両が目的地に立ち寄った場合の動作(本実施形態では、口コミ情報入力画面Fの表示動作)を、ナビゲーション装置10の使用開始当初から極力実行することができる。なお、自車両が目的地に立ち寄った場合の動作は、口コミ情報入力画面Fの表示動作に限られるものではなく、例えば、その目的地の周辺で発生している渋滞情報や事故情報を表示したり、その目的地の周辺で開催されているイベント情報を表示したりするなど、種々の動作を実行することができる。
【0032】
本発明は、上述した一実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張することができる。
基準オフ期間情報データベース22に記憶されている基準オフ期間の値によっては、ユーザが実際に目的地に立ち寄ったにも関わらず立ち寄っていないと判定され、口コミ情報入力画面Fが表示されない場合も有り得る。そこで、例えば図6に示すように、表示器17の画面に自己申告ボタンDを設け、この自己申告ボタンDが操作された場合に、ナビゲーション装置10の制御装置11は、次の処理を実行するように構成してもよい。即ち、制御装置11は、自己申告ボタンDが操作されると、ユーザに対して目的地に立ち寄ったか否かを確認するための立ち寄り確認画面(図示せず)を表示器17に表示する。なお、この立ち寄り確認画面には、ユーザが「目的地に立ち寄ったこと」を入力することを可能とするためのボタンやチェックボックスなどが表示される。そして、制御装置11は、ユーザが当該立ち寄り確認画面を介して「目的地に立ち寄ったこと」を入力した場合に、口コミ情報入力画面Fを表示器17に表示する。この構成によれば、ユーザが目的地に実際に立ち寄ったにも関わらず口コミ情報入力画面Fが表示されなかった場合であっても、ユーザの自己申告による口コミ情報の投稿が可能となる。
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【符号の説明】
【0033】
図面中、10はナビゲーション装置、22は基準オフ期間情報データベース(基準オフ期間記憶手段)、23は自車両位置検出部(自車両位置検出手段)、24は目的地設定部(目的地設定手段)、25は目的地位置特定部(目的地位置特定手段)、26は基準オフ期間抽出部(基準オフ期間抽出手段)、27は判定部(判定手段)、28は基準オフ期間変更部(基準オフ期間変更手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の位置を検出する自車両位置検出手段と、
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段によって設定された目的地の位置を特定する目的地位置特定手段と、
目的地のジャンルごとに設定されたACC電源のオフ期間を基準オフ期間として記憶する基準オフ期間記憶手段と、
前記目的地設定手段によって設定された目的地に対応する前記基準オフ期間を前記基準オフ期間記憶手段から抽出する基準オフ期間抽出手段と、
前記自車両が目的地に立ち寄ったか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記自車両位置検出手段によって検出される前記自車両の位置が前記目的地位置特定手段によって特定された前記目的地の位置から所定距離内となった状態で前記ACC電源がオフされ、且つ、当該ACC電源のオフ期間が前記基準オフ期間抽出手段によって抽出された前記基準オフ期間を超えた場合に、前記自車両が前記目的地に立ち寄ったと判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記ACC電源のオフ期間に基づいて、前記基準オフ期間記憶手段に記憶されている前記基準オフ期間を変更する基準オフ期間変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記基準オフ期間の初期値は、目的地のジャンルごとに想定されるACC電源のオフ期間よりも小さい値に設定されていることを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−145433(P2012−145433A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3819(P2011−3819)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】