説明

ヌクレオシドおよび四級炭素中心を有するヌクレオチド類似体ならびに使用方法

本発明は、抗ウイルス剤または抗癌剤として有用な化合物を含む。該化合物は、3位に四級中心を有するテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロチエニル部分を含む、ヌクレオチド類似体を含む。該ヌクレオチド類似体は、癌またはウイルスを抑制するために使用することができる。そのため、本発明の化合物は、癌およびウイルスに関連する疾患または症状を治療、予防、および/または抑制するために有用である。したがって、本発明には、該化合物を含む医薬製剤、ならびにウイルスまたは腫瘍を抑制し、前述の疾患を治療、予防、または抑制するために該化合物および製剤を用いる方法も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年1月17日に出願された米国仮出願第60/881,043号の利益を主張するものであり、参照することによりその全体を本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、抗ウイルス剤および抗癌剤として有用なヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体の分野に関する。特に、本発明は、3位に四級中心を有するテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロチエニル部分を含む化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、最も重要な細胞代謝物のひとつである。主としてヌクレオシドは、細胞の主要な核酸であるRNAおよびDNAを含む単量体ユニットとして見られる。しかしながら、それらは細胞内における別の多くの重要な機能のためにも必要とされている。これらの機能には、補酵素(例えば、NAD+、NADP+、FADおよび補酵素A)、細胞プロセスのメディエーター(サイクリックAMP等)、酵素活性のアロステリックエフェクター、および活性化中間体(S‐アデノシルメチオニン)として、リン酸転移反応(ATP)におけるエネルギー貯蔵を含む。
【0004】
ヌクレオシド類似体は化学的に合成され、治療薬として用いられる。ヌクレオシド類似体は、例えば、DNAの合成を妨害することで腫瘍細胞等の急速に分裂する細胞を選択的に死滅させる抗癌剤として、特定の酵素活性を阻害するために利用することができる。化学療法においてよく使用されるヌクレオシド類似体は、6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、5−ヨード−2’−デオキシウリジンおよび6−チオグアニンである。ヌクレオチド類似体が正しいワトソン・クリック塩基対形成を妨げるため、DNAの合成が妨害される。
【0005】
ヌクレオシド類似体は、抗ウイルス剤としても用いられる。例として、アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノホビル、ザルシタビン、およびジドブジンが挙げられる。例えば、AZT(アジドチミジン)およびddI(ジデオキシイノシン)は、HIVの複製を抑制するために用いられる。プリン含有ヌクレオチド類似体は痛風を治療するために使用され、例えば、キサンチンオキシダーゼの活性を抑制するアロプリノールは、新規のプリン生合成に関与する酵素である。加えて、ヌクレオシド類似体は、臓器移植後に免疫系を抑制し、移植拒絶反応を低減するために用いられる。
【0006】
リン酸化型のヌクレオチド類似体は、癌またはウイルス感染症に関連する遺伝子の転写および翻訳を制御するために、アンチセンスRNA、siRNA(低分子干渉RNA)、またはmiRNA(マイクロRNA)として用いられる低分子重合体の配列にも含まれる。
【0007】
アンチセンスmRNAは、内在性のmRNAに相補的なmRNA転写物であり、すなわち、コード鎖に相補的な非コード鎖である。対象となる遺伝子の発現をブロックするためのストラテジーは、アンチセンスmRNAをコードするトランスジーンを導入することである。分解性酵素に対する不安定性または相補的なセンスRNAを有する二重鎖を形成する能力等、アンチセンスRNAの多様な特徴を変更する修飾された主鎖を有する類似性分子がヌクレオチド類似体を用いて設計されてきた。代替のアンチセンス分子には、ホスホロチオエート、モルホリノ、PNA(ペプチド核酸)、LNA(固定核酸)、および2’−Oアルキルオリゴを含む。
【0008】
時に短分子RNAまたはサイレンシングRNAとして知られる低分子干渉RNA(siRNA)は、様々な役割を果たす20〜25ヌクレオチド長のRNA分子の一種である。SiRNAは、それぞれの3’末端に2塩基のオーバーハングを有する短い二重鎖RNA(通常21塩基)から構成される明確な構造体である。とりわけsiRNAは、RNA干渉経路(RNAi)に関与し、そこではsiRNAが特異的遺伝子の発現に干渉する。加えて、siRNAは、RNAi関連経路において、例えば抗ウイルス機構として、またはゲノムのクロマチン構造を形成する上でも作用するが、これらの経路の複雑さは最近ようやく解明されたばかりである。SiRNAは、植物における転写後の遺伝子サイレンシング(PTGS)の一環として最初に発見された(米国特許第7,056,704号、およびHamilton and Baulcombe, Science, 1999, 286, 950−952を参照)。合成siRNAは、哺乳類細胞におけるRNAiを誘導することも示されており(Elbashir et al, Nature, 2001, 411, 494−498を参照)、RNAiを生物医学研究および創薬に利用することに関心をもたらす結果となった。
【0009】
マイクロRNA(miRNA)は約22塩基の長さの低分子リボ核酸鎖であり、細胞増殖およびアポトーシス、胚発生、神経可塑性およびリモデリングに関与し、さらにインスリン分泌にも関与する。脆弱性X精神遅滞の症例においてmiRNAが過剰に存在することが報告される一方、下方制御されたmiRNA遺伝子を有する癌があることが報告されている。
【0010】
アンチセンスRNA、siRNA、およびmiRNAは、実験的にアンチセンス療法として、または遺伝子の機能を研究するためのノックアウト生物を作成するために適用される。例えば、アンチセンスRNA、siRNA、またはmiRNAを細胞に導入することによりタンパク合成を抑制することは、多くの感染症または植物および動物における疾患を阻止するために有用である可能性がある。アンチセンスRNA、siRNA、またはmiRNAをコードする遺伝子は、プラスミドベクターを用いて、または遺伝子コーティングされた顕微鏡レベルのタングステンペレットを遺伝子銃を用いて細胞内に撃ち込むことにより、非常に容易に生物に導入することが可能である。アンチセンスRNA、siRNA、またはmiRNAが導入されると、mRNAに結合することにより標的タンパク質の合成を特異的に抑制する。アンチセンスRNA、siRNA、またはmiRNAは、治療において、例えば、B細胞リンパ腫および白血病を治療するため、HIV−1、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、喘息および癌を治療するために用いることができる。アンチセンスRNA、siRNA、またはmiRNAは、市販食品の生産、例えば、疾患管理および生鮮食品の保存においても用いることができる。例えば、siRNAは、DNAのメチル化を導くことにより、哺乳類遺伝子のサイレンシングにおける転写制御のための重要なツールとして用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第7,056,704号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Hamilton and Baulcombe, Science, 1999, 286, 950−952
【非特許文献2】Elbashir et al, Nature, 2001, 411, 494−498
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、ウイルスおよび癌と関連する疾患および状態を抑制するために、抗ウイルス剤または抗癌剤として用いることができる新しいヌクレオシド類似体を識別することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、抗ウイルス剤または抗癌剤として有用な化合物および該化合物の医薬組成物を含む。本発名の化合物は、C−3位に四級炭素中心を有する2’‐デオキシテトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロチエニル部分を含むヌクレオシド類似体を含む。
【0015】
本発明の第1の態様は、抗ウイルス剤または抗癌剤である化合物を提供する。該化合物を式I〜XXVIにより例示する。
【0016】
第2の態様において、本発明は、式I〜XXVIによる医薬的に容認可能な担体、賦形剤、または希釈剤、および医薬的に容認可能な化合物またはその塩を含む医薬組成物を含む。
【0017】
第3の態様において、本発明は、ウイルスまたは腫瘍を抑制するための方法を含み、抑制しようとする細胞に、式I〜XXVIによる化合物または本発明の第2の態様による医薬組成物を接触させるステップを含む。
【0018】
第4の態様において、本発明は、患者に式I〜XXVIによる医薬組成物を投与するステップを含む、患者のウイルスまたは腫瘍を抑制するための方法を含む。
【0019】
第5の態様において、本発明は、本発明の第2の態様に従って患者に医薬組成物を投与するステップを含む、患者における疾患または症状を治療するための方法を含み、該疾患もしくは症状はウイルスに関与するかまたは腫瘍である。疾患または症状は、卵巣癌、子宮頸癌、乳癌、皮膚癌、脳腫瘍、結腸直腸癌、肺癌、骨肉腫、神経膠芽腫、インフルエンザ、またはHPV、HIV、もしくはHCVによって引き起こされる疾患から選択できる。
【0020】
上記は、単に本発明の特定の態様を要約するものであって、本質的に制限することを意図するものではない。これらの態様および別の態様ならびに実施形態は、以下に、より完全に記載する。本明細書で参照するあらゆる種類のすべての参照文献は、参照することによりその全体を本書に組み込む。本明細書の明示的な開示と参照することにより組み込んだ参照文献との間に矛盾がある場合には、本明細書の明示的な開示を優先するものとする。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1の態様は、式
【化1】

の化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩であって、
AおよびBは、独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、−C(O)−NR4a、−C(O)OR、(CH)nC(O)OR、−C(O)−R、または−(CHMであり、
Mは−OR、ハロ、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、−SR、アリール、−CO、−COR、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−NH(CO)R、−NR6a、−CONR4a、−NHSO、−CO−CHOH、−SOR、−SONR5a、−O(CO)R、−N、またはC−Cアルキンであって、上記アルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
nは1〜3であり、
は0〜3であり、
は−H、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、上記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
は−H、アリール、−C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルであり、
は−H、C−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、上記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
およびR4aは、独立して−H、C−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、上記アルキルおよびアリールのそれぞれはC−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるか、または、
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成し、式中xは1〜5であり、AAは天然、非天然のD−またはL−アミノ酸であって、−(AA)は、カルボニルが保護されているかまたは保護されていない末端−COOR基を含み、
およびR5aは、独立して−H、アリール、C−Cアルキルアリール、C−Cアルキル、C−Cアルコキシであり、
およびR6aは、独立して−H、アリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、アリール、C−Cアルキルアリール、またはモノ〜ペルハロC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、アリール、C−Cアルキルアリール、またはモノ〜ペルハロC−Cアルキルであり、
10は−C(O)OR、−CH−C(O)OR、−CONR4a、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、上記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
XはOまたはSであり、
塩基はプリン誘導体またはピリミジン誘導体である、
化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩を提供する。
【0022】
XVII〜XXの化合物は環状エステルまたはラクトンである。環状エステルは、加水分解を起こして対応するヒドロキシカルボン酸誘導体を生じ得る。したがって、かかる環状エステル化合物は、プロドラッグとしての役割を果たし得る。
【0023】
実施形態Aは、式I〜VIIIによる化合物であって、
AおよびBは、独立してC−Cアルキル、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、または−(CHMであり、
Mは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるモノ〜ペルハロC−C3アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはアリールであり、
nは1〜3であり、
は−H、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、上記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
はアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
はC−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるモノ〜ペルハロC−Cアルキルまたはアリールであり、
およびR4aは、独立してC−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、上記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるか、または、
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成し、式中xは1〜5であり、AAは天然、非天然のD−またはL−アミノ酸であって、−(AA)はカルボニルが保護されているかまたは保護されていない末端−COOR基を含み、
およびR5aは、独立してアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
およびR6aは、独立してアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
はモノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであり、
塩基は
【化2】

から選択されるプリン誘導体またはピリミジン誘導体である、化合物を提供する。
【0024】
実施形態Bは、実施形態Aによる化合物であって、AおよびBは、独立して−CH、−CH(CH、−CF、−(CH−CF、−(CH−テトラゾール、−(CH−フェニルであり、上記フェニルはC−Cアルキル、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換される、化合物を提供する。
【0025】
実施形態Cは、実施形態Aによる化合物であって、Rは−CF、−CH−フェニル、またはハロ、−CN、−CF、−C(O)OR、−CH−COOR、C−Cアルコキシ、C−Cペルフルオロアルキル、もしくはC−Cアルキルで任意に置換されたフェニルである、化合物を提供する。
【0026】
実施形態Dは、実施形態Aによる化合物であって、Rはフェニルまたは−CH−フェニルである、化合物を提供する。
【0027】
実施形態Eは、実施形態Aによる化合物であって、Rは−CF、またはハロ、−CN、−CF、−C(O)OR、−CH−COOR、C−Cアルコキシ、C−Cペルフルオロアルキル、もしくはC−Cアルキルで任意に置換されたフェニルである、化合物を提供する。
【0028】
実施形態Fは、実施形態Aによる化合物であって、RおよびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)1−4を形成する、化合物を提供する。
【0029】
実施形態Gは、実施形態Fによる化合物であって、RおよびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成する、化合物を提供する。
【0030】
実施形態Hは、実施形態Gによる化合物であって、RおよびR4aは、それらが結合する窒素とともに−Arg−Arg−Argを形成する、化合物を提供する。
【0031】
実施形態Iは、実施形態Aによる化合物であって、RおよびR5aは独立して−CH−フェニルまたはフェニルである、化合物を提供する。
【0032】
実施形態Jは、実施形態Aによる化合物であって、RおよびR6aは−CH−フェニルまたはフェニルである、化合物を提供する。
【0033】
実施形態Kは、実施形態Aによる化合物であって、Rは4−メチルフェニル、フェニル、または−CFである、化合物を提供する。
【0034】
実施形態Lは、実施形態Aによる化合物であって、塩基は
【化3】

から選択される、化合物を提供する。
【0035】
実施形態Mは、実施形態Aによる化合物であって、塩基は
【化4】

から選択される、化合物を提供する。
【0036】
本発明は式I〜VIIIの非環式誘導体も提供する。よって、実施形態Nは、式
【化5】

の化合物またはその医薬的に容認可能な塩であって、
AおよびBは、独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、−C(O)−NR4a、−C(O)OR、−C(O)−R、または−(CHMであり、
Mは−OR、ハロ、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、−SR、アリール、−CO、−COR、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−NH(CO)R、−NR6a、−CONR4a、−NHSO、−CO−CHOH、−SOR、−SONR5a、−O(CO)R、−N、またはC−Cアルキンであって、上記アルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
nは1〜3であり、
は−H、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
は−H、アリール、−C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルであり、
は−H、C−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
およびR4aは、独立して−H、C−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるか、または、
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成し、式中xは1〜5であり、AAは天然、非天然のD−またはL−アミノ酸であって、−(AA)はカルボニルが保護されているかまたは保護されていない末端−COOR基を含み、
およびR5aは、独立して−H、アリール、C−Cアルキルアリール、C−Cアルキル、C−Cアルコキシであり、
およびR6aは、独立して−H、アリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、アリール、C−Cアルキルアリール、またはモノ〜ペルハロC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、アリール、C−Cアルキルアリール、またはモノ〜ペルハロC−Cアルキルであり、
はOH、C−Cアルキル、C−Cアルキル−アリール、アリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−OH、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
*は炭素原子がRまたはS配置にあることを示し、
塩基はプリン誘導体またはピリミジン誘導体である、化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩を、提供する。
【0037】
実施形態Oは、実施形態Nによる化合物であって、
AおよびBは、独立してC−Cアルキル、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、または−(CHMであり、
Mは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるモノ〜ペルハロC−Cアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはアリールであり、
nは1〜3であり、
は−H、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
はアリールまたは−C−Cアルキルアリールであり、
はC−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるモノ〜ペルハロC−Cアルキルまたはアリールであり、
およびR4aは、独立してC−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるか、または、
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成し、式中Xは1〜5であり、AAは天然、非天然のD−またはL−アミノ酸であって、−(AA)はカルボニルが保護されているかまたは保護されていない末端−COOR基を含み、
およびR5aは、独立してアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
およびR6aは、独立してアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
はモノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであり、
はC−Cアルキル、C−Cアルキル−アリール、アリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−OH、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
塩基は
【化6】

から選択される、化合物を提供する。
【0038】
実施形態Pは、実施形態Oによる化合物であって、AおよびBは、独立して−CH、−CH(CH、−CF、−(CH−CF、−(CH−テトラゾール、−(CH−フェニルであり、前記フェニルはC−Cアルキル、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換される、化合物を提供する。
【0039】
実施形態Qは、実施形態Oによる化合物であって、Rは−CF、−CH−フェニル、またはハロ、−CN、−CF、−C(O)OR、−CH−COOR、C−Cアルコキシ、C−Cペルフルオロアルキル、もしくはC−Cアルキルで任意に置換されたフェニルである、化合物を提供する。
【0040】
実施形態Rは、実施形態Oによる化合物であって、Rはフェニルまたは−CH−フェニルである、化合物を提供する。
【0041】
実施形態Sは、実施形態Oによる化合物であって、Rは−CF、またはハロ、−CN、−CF、−C(O)OR、−CH−COOR、C−Cアルコキシ、C−Cペルフルオロアルキル、もしくはC−Cアルキルで任意に置換されたフェニルである、化合物を提供する。
【0042】
実施形態Tは、実施形態Oによる化合物であって、RおよびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)1−4を形成する。RおよびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成することが好ましい、RおよびR4aは、それらが結合する窒素とともに−Arg−Arg−Argを形成することがより好ましい、化合物を提供する。
【0043】
実施形態Uは、実施形態Oによる化合物であって、RおよびR5aは独立して−CH−フェニルまたはフェニルである、化合物を提供する。
【0044】
実施形態Vは、実施形態Oによる化合物であって、RおよびR6aは−CH−フェニルまたはフェニルである、化合物を提供する。
【0045】
実施形態Wは、実施形態Oによる化合物であって、Rは4−メチルフェニル、フェニル、または−CFである、化合物を提供する。
【0046】
実施形態Xは、実施形態Oによる化合物であって、塩基は
【化7】

から選択される、化合物を提供する。
【0047】
実施形態Yは、実施形態Oによる化合物であって、塩基は
【化8】

から選択される、化合物を提供する。
【0048】
実施形態Zは、実施形態Oによる化合物を提供し、RはC−Cアルキル、C−Cアルキル−アリール、またはアリールであり、上記アルキルは−OHで任意に置換される。できれば、Rはメチル、エチル、tert−ブチル、ベンジル、フェニル、または−CHCHOHであることが好ましい。
【0049】
実施形態AAにおいて、本発明は実施形態Aによる化合物を提供し、AおよびBは独立してC−Cアルキル、−C(O)−NH、−C(O)OR、または−(CH)−OHであり、Rは−Hであり、RはC−Cアルキルであり、塩基は
【化9】

から選択される、化合物を提供する。
【0050】
実施形態BBは、実施形態AAによる化合物であって、AおよびBは独立して−CH、−C(O)OCH、または−(CH)−OHであり、塩基は
【化10】

である、化合物を提供する。
【0051】
実施形態CCは、実施形態AAによる化合物であって、AおよびBは独立して−CH、−C(O)−NH、−C(O)OCH、または−(CH)−OHであり、塩基は
【化11】

である、化合物を提供する。
【0052】
実施形態DDは、実施形態AAによる化合物であって、AおよびBは独立して−CH、−C(O)−NH、−C(O)OCH、または−(CH)−OHであり、塩基は
【化12】

である、化合物を提供する。
【0053】
実施形態EEは、実施形態AAによる化合物であって、AおよびBは独立して−CH、または−C(O)−NHであり、塩基は
【化13】

である、化合物を提供する。
【0054】
実施形態FFは、実施形態AAによる化合物であって、AおよびBは独立して−CH、−C(O)OCH、または−(CH)−OHであり、塩基は
【化14】

である、化合物を提供する。
【0055】
実施形態GGは、実施形態AAによる化合物であって、AおよびBは独立して−CH、または−C(O)OCHであり、塩基は
【化15】

である、化合物を提供する。
【0056】
実施形態HHは、実施形態Aによる化合物であって、AおよびBは独立して−CHまたは−(CH)−OHであり、塩基は
【化16】

である、化合物を提供する。
【0057】
実施形態IIは、式XVII〜XXによる化合物であって、Aは−CHであり、nは0であり、塩基は
【化17】

である、化合物を提供する。
【0058】
実施形態JJは、式IX〜XVIによる化合物であって、AおよびBは独立して−CHまたは−C(O)OCHCHであり、R10は−C(O)OCHCHであり、塩基は
【化18】

である、化合物を提供する。
【0059】
本発明はさらに式XXVおよびXXVIの化合物、
【化19】

またはその医薬的に容認可能な塩を提供し、Rは−Hまたは−OHである。
【0060】
第2の態様において、本発明は、式I〜XXVIによる医薬的に容認可能な担体、賦形剤、もしくは希釈剤および化合物を含む医薬組成物またはその医薬的に容認可能な塩を含む。
【0061】
第3の態様において、本発明は、ウイルスまたは腫瘍を抑制するための方法を含み、抑制しようとする細胞に、式I〜XXVIによる化合物または本発明の第2の態様による医薬組成物を接触させるステップを含む。
【0062】
第4の態様において、本発明は、式I〜XXVIによる医薬組成物を患者に投与するステップを含む、患者のウイルスまたは腫瘍を抑制するための方法を含む。
【0063】
第5の態様において、本発明は、本発明の第2の態様による医薬組成物を患者に投与するステップを含む、患者の疾患または症状を治療するための方法を含み、該疾患もしくは症状はウイルスに関与するかまたは腫瘍である。疾患または症状は、卵巣癌、子宮頸癌、乳癌、皮膚癌、脳腫瘍、結腸直腸癌、肺癌、骨肉腫、神経膠芽腫、インフルエンザ、またはHPV、HIV、もしくはHCVによって引き起こされる疾患であり得る。
【0064】
表1は本発明の化合物のある実施形態を示す。表1の化合物は、単に本発明の化合物の一部の特定の実施形態を示しているに過ぎず、本発明の範囲を決して制限するものではない。
【表1】

【0065】
定義
本明細書において用いる場合、次の単語および語句は、それらを用いる文脈に特に記載のない限り、またはそれらが何か異なる意味を持つと明示的に定義しない限り、以下に規定する意味を持つことを一般に意図する。
【0066】
記号「−」は単結合、「=」は二重結合、「≡」は三重結合、
【化20】

は単結合または二重結合を意味する。基が元の式から離れて描かれている場合、元の構造式から該基を分離するために、
【化21】

の記号を理論上切断された結合の末端に用いる。
【0067】
化学構造を描く、または記述する場合、特に明示的に記載しない限り、すべての炭素は、4価の原子価に一致する水素置換を有すると想定する。例えば、下の略図の左側にある構造では、9個の水素があることを暗に意味している。その9個の水素は、右側の構造に描かれている。構造中の特定の原子は、文字による式で水素(複数を含む)置換を有すると記述(明示的に水素と定義)されることもある(例えば、−CHCH−)。前述の描写技法は、ともすると複雑な構造となる記述に簡潔性および単純性を持たせるために、化学分野において頻繁にみられることは、当業者に理解されている。
【0068】
【化22】

【0069】
例えば、式
【化23】

において、基R’(RおよびR−R等)が環系上で「浮いている」ように描かれている場合、安定した構造が形成される限り、描かれた、暗示された、または明示的に定義された環原子のうちの1つの水素と交換されると仮定すると、特に明示的に定義しない限り、置換基R’は該環系のいずれの原子上に存在し得る。
【0070】
例えば、式
【化24】

において、基R’が、縮合環系上に浮いているように描かれる場合、特に記載の無い限り、環原子のうちの描かれた水素(例えば上の式中の−NH−)、暗示された水素(例えば上の式のように、水素は示されていないが存在すると理解される)、または明示的に定義された水素(例えば上の式のように、Z’は=CH−または−CH−)のうちの1つと交換されると仮定すると、安定した構造が形成される限り、置換基R’は該縮合環系のいずれの原子上に存在し得る。描かれた例において、R’基は、縮合環系の5員環上または6員環上のいずれかに存在し得る。上に描かれた式において、例えばyが2である場合、先と同様に、それぞれが環上の描かれた、暗示された、または明示的に定義された水素を置換すると仮定すれば、2つのR’基は環系のいずれの2つの原子上に存在し得る。
【0071】
例えば、式
【化25】

に示すように、R’基が飽和炭素を含む環系の上に存在するように描かれる場合において、本例では、それぞれが、環上の現時点で描かれた、暗示された、または明示的に定義される水素と置き換えられると仮定すれば、「y」は複数であり得、そうである場合、特に定義されない限り、結果として得られる構造が安定しているならば、2つのR’基は同じ炭素上に存在し得る。簡単な例として、R’がメチル基である場合、描かれた環の炭素(「環状の」炭素)上にジェミナルなジメチル基が存在することができる。別の例では、その炭素を含む同じ炭素上のR2つのR’基が環を形成し得、したがって、例えば下の式に描かれるような環を有するスピロ環式環(「スピロ環」基)構造を作成する。
【化26】

【0072】
「アルキル」には、直鎖、分岐鎖、または環式炭化水素の構造およびそれらの組み合わせを包括的に含むことを意図する。例えば、「Cアルキル」はn−ヘキシル、イソ−、ヘキシル、シクロ部ブチルエチル等を指し得る。低級アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。低級アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、5−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル等を含む。高級アルキルは、8個を上回る炭素原子を含むアルキル基を意味する。「C」アルキル(「C−C−アルキル」のように)は共有結合である。例示的なアルキル基は、C20またはそれを下回るアルキル基である。シクロアルキルはアルキルのサブセットであり、3〜13個の炭素原子からなる環式炭化水素を含む。シクロアルキル基の例には、c−プロピル、c−ブチル、c−ペンチル、ノルボルニル、アダマンチル等を含む。本出願において、アルキルはアルカニル、アルケニル、およびアルキニル残基(ならびにそれらの組み合わせ)を指し、それにはシクロヘキシルメチル、ビニル、アリル、イソプレニル等を含むことを意図する。したがって、特定数の炭素を有するアルキル残基を命名する場合、該当数の炭素を有するすべての幾何異性体を包含することを意図する。したがって、例えば、「ブチル」または「Cアルキル」は、それぞれn−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、イソブテニルおよびブト2−イニル基を含むことを意味し、また例えば、「プロピル」または「Cアルキル」は、それぞれn−プロピル、プロペニル、およびイソプロピルを含む。アルキルは、アルケニルおよびアルキニル基等の不飽和炭化水素も含む。
【0073】
「アルキレン」とは、炭素および水素原子のみから構成され、不飽和を含まず、1〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の2価の基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン等が挙げられる。アルキレンはアルキルのサブセットであり、アルキルと同一の残基を意味するが、2つの結合点を有しており、具体的には、完全に飽和状態である。アルキレンの例には、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)、ジメチルプロピレン(−CHC(CHs)CH−)、およびシクロヘキシルプロピレン(−CHCHCH(C13))を含む。
【0074】
「アルキリデン」とは、炭素および水素原子のみから構成され、2〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の不飽和の2価の基を意味し、例えば、エチリデン、プロピリデン、n−ブチリデン等が挙げられる。アルキリデンはアルキルのサブセットであり、アルキルと同一の残基を意味するが、2つの結合点を有し、具体的には、不飽和の二重結合である。本発明の不飽和には、少なくとも1つの二重結合を含む。
【0075】
「アルキリジン」とは、炭素および水素原子のみから構成され、2〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の不飽和の2価の基を意味し、例えば、プロピリド‐2‐イニル、n−ブチリド−1−イニル等が挙げられる。アルキリジンはアルキルのサブセットであり、アルキルと同一の残基を意味するが、2つの結合点を有し、具体的には、不飽和の三重結合である。本発明の不飽和には、少なくとも1つの三重結合を含む。
【0076】
上述の基である「アルキレン」、「アルキリデン」および「アルキリジン」はいずれも、任意に置換する場合、それ自体が不飽和を含むアルキル置換を含んでもよい。例えば、2−(2−フェニルエチル−ブト−3−エニル)−ナフタレン(IUPAC名)は、該基の2位にビニル基を有するn‐ブチリド‐3‐イニル基を含む。
【0077】
「アルコキシ」または「アルコキシル」とは、−O−アルキル基を意味し、例えば、1〜8個の炭素原子の直鎖、分岐鎖、環状配列、不飽和鎖、およびそれらの組み合わせを含み、酸素原子を介して元の構造に結合している。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。低級アルコキシとは、1〜6個の炭素を含む基を意味する。
【0078】
「アリール」とは、芳香族6〜14員環の炭素環を意味し、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アセナフタレン、アントラセン、インダン、テトラリン、フルオレン等の、モノ、二環式、縮合多環式もしくは縮合環系、または多環式基を含む。置換基としてのアリールには、1価または多価の置換基を含む。1価の置換基として、前述の環の例は、フェニル、ナフチル、アセナフチル、アントラセニル、インダニル、テトラリニルおよびフルオレニルと命名する。
【0079】
基が「C−Cアルキルアリール」または「C−Cアルキルアリール」と称される場合、アリール部分はアルキレン基を介して元の構造に結合している。例としては、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。「C−Cアルキル−アリール」または「C−Cアルキル−アリール」基中のアリールおよび対応するアルキレン部位は、任意に置換してもよい。
【0080】
「環状エステル」とは、単一の分子に結合するアルコールとカルボン酸との縮合反応から生成するラクトンを意味する。
【0081】
いくつかの実施例において、当業者には理解されるように、芳香族系上の隣接する2つの基は、縮合して環構造を形成し得る。縮合環構造はヘテロ原子を含み得、1つ以上の基で任意にそれを置換できる。加えて、かかる縮合基の飽和炭素(すなわち、飽和環構造)は、2つの置換基を含むことができることに留意されたい。
【0082】
「縮合多環式」または「縮合環系」とは、架橋または縮合環を有する、すなわち、環構造において2つの環が1つ以上の共有する原子を有する多環系を意味する。本願において、縮合多環および縮合環系は、必ずしもすべてが芳香族環である必要はない。一般的には、縮合多環は、例えばナフタレンまたは1,2,3,4‐テトラヒドロ‐ナフタレンのように、隣接する1組の原子を共有するが、必ずしもそうである必要はない。この定義によるとスピロ環系は縮合多環に含まれないが、本発明の縮合多環系は、それら自体が、縮合多環の1つの環原子を介して結合したスピロ環を有していてもよい。
【0083】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。「モノ−〜ペルハロゲン化」という語句は、別の基と組み合わされた場合、1つの水素、1つ以上の水素、またはすべての水素がハロに置き換えられた基を意味する。例えば、「モノ−〜ペルハロゲン化アルキル」は、−CHF、−CHCHCl、または−CF等の基を包含する。
【0084】
「ヘテロ原子」とは、O、S、NまたはPを意味する。
【0085】
「ヘテロシクリル」および「ヘテロシクロアルキル」とは、炭素原子と、窒素、リン、酸素および硫黄から構成される群から選択される1〜5個のヘテロ原子から構成される安定した3〜15員環の置換基を意味する。本発明の目的のために、ヘテロシクリル置換基は、単環式、二環式、または三環式の環系であり得、それらは、縮合環系および架橋環系と同様にスピロ環系を含み得、またヘテロシクリル中の窒素、リン、炭素または硫黄原子は、様々な酸化状態を採るように任意に酸化できる。特定の実施例において、−S(O)0−2‐基は、−S−(スルフィド)、−S(O)−(スルホキシド)、および−SO−(スルホン)を意味する。特定の実施例として明示的には定義しないが、便宜上、限定的ではないが具体的には、環状の芳香族窒素として定義する窒素は、それらの対応するNオキシド形態を含むものとする。したがって、例えばピリジル環を有する本発明の化合物には、対応するピリジル‐N‐オキシドも本発明の他の化合物として含むものとする。加えて、環状の窒素原子は、任意に四級化でき、環置換基は部分的または完全に飽和できるか、または芳香族であり得る。ヘテロシクリル基の例には、アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、カルバゾイル、シンノリニル、ジオキソラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、ペルヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾイル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、デカヒドロイソキノリル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル、およびオキサジアゾリルを含むが、これらに限定しない。
【0086】
「ヘテロアリール」とは、具体的には芳香族ヘテロシクリル基を意味する。
【0087】
基が「C−Cアルキルヘテロシクリル」、「C−Cアルキル−ヘテロシクリル」、または「C−Cアルキルヘテロアリール」と称される場合、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールは、アルキレン、アルキリデン、またはアルキリジン基のうちの1つを介して元の構造に結合している。例として、4−メチルピペラジン−1−イル)メチル(モルホリン−4−イル)メチル、(ピリジン−4−イル)メチル、2−(ピリジン−2−イル)エチル、4−(4−メチルピペラジン−l−イル)−2−ブテニル等が挙げられる。ヘテロシクリルアルキル基のヘテロシクリルと、対応するアルキレン、アルキリデン、またはアルキリジン部位の両方を、任意に置換できる。「ヘテロ脂肪族環アルキル」とは、具体的にはヘテロシクリル部位が非芳香族であるヘテロシクリルアルキルを意味し、「ヘテロアリールアルキル」とは、具体的には基のヘテロシクリル部位が芳香族であるヘテロシクリルアルキルを意味する。かかる用語は、1つより多くの様式で記載し得、例えば、「低級ヘテロシクリルアルキル」と「ヘテロシクリルCアルキル」とは、同義語である。加えて、単純化するために、ヘテロ環内の環原子(ヘテロ原子を含む)は、「C−C」(「C−C−ヘテロシクリル」および「C−C−ヘテロアリール」等のように)と表示し得、式中xおよびyは整数である。つまり、例えば、5〜14個の環状の炭素原子を含む環系ではなく、少なくとも1つのヘテロ原子を有する5〜14員環系は、C−C14−ヘテロシクリルと称する。
【0088】
好ましいヘテロシクリルおよびヘテロアリールには、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ピリドトリアゾール(pyridotriazolyl)、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、lH−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナンスリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、オキサゾリジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−l,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル,およびキサンテニルを含むが、これらに限定しない。
【0089】
「任意の」または「任意に」とは、その後に説明する事象または状況が生じても生じなくてもよいことを意味し、その説明は、該事象または状況が生じた場合と生じなかった場合を包含する。当業者は、1つ以上の任意の置換基を含むと説明されているいずれかの分子に関して、立体的に現実的な化合物および/または合成可能な化合物のみが含まれることを意味することを理解するだろう。「任意に置換された」とは、その用語の後に来るすべての用語を修飾することを意味する。つまり、例えば、「任意に置換されたC−Cアルキルアリール」という用語においては、分子の「C−Cアルキル」部位および「アリール」部位の両方が、置換されても置換されなくてもよい。任意の置換の例を、下の「置換された」という語句の定義において列挙する。
【0090】
「置換された」アルキル、アリール、ヘテロアリール,およびヘテロシクリルは、それぞれ、1つ以上の(例えば約5つまで、他の例においては約3つまで)水素原子が、アルキル(例えば、フルオロメチル)、アリール(例えば、4−ヒドロキシフェニル)、アリールアルキル(例えば、1−フェニル−エチル)、ヘテロシクリルアルキル(例えば、1−ピリジン−3−イル−エチル)、ヘテロシクリル(例えば、5−クロロ−ピリジン−3−イルまたは1−メチル−ピペリジン−4−イル)、アルコキシ、アルキレンジオキシ(例えばメチレンジオキシ)、アミノ(例えば、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ)、アミジノ、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アリールアルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、カルボキシ(−COH)、カルボアルコキシ(すなわち、アシルオキシまたは−OC(=O)R)、カルボキシアルキル(すなわち、エステルまたは−COR)、カルボキシアミド、ベンジルオキシカルボニルアミノ(CBZ−アミノ)、シアノ、アシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、チオール、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、カルバミル、アシルアミノ,およびスルホンアミドから独立して選択される置換基で置き換えられた、アルキル、アリール,およびヘテロシクリルを意味する。また、置換された基のそれぞれの置換基は任意に置換されるが、これらの任意の置換基自体はそれ以上置換されない。したがって、任意に置換される部分は、1つ以上の置換基を有していても有していなくてもよく、その置換基のそれぞれは1つ以上の置換基を有していても有していなくてもよい部分である。しかし、置換基の置換基は置換されなくてもよい。
【0091】
本発明のいくつかの化合物は、芳香族ヘテロシクリル系から離れた位置にイミノ、アミノ、オキソ、またはヒドロキシ置換基を有し得る。本開示のために、かかるイミノ、アミノ、オキソ、またはヒドロキシ置換基は、それらの対応する互変異性体、すなわち、アミノ、イミノ、ヒドロキシ、またはオキソ中に、それぞれ存在し得ることを理解されたい。
【0092】
本発明の化合物は、国際純正・応用化学連合(IUPAC)、国際化学・分子生物学連合(IUBMB)および化学情報検索サービス機関(CAS)により合意された命名法を系統的に適用することにより命名された。
【0093】
本発明の化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩は、不斉炭素原子、酸化硫黄原子または四級化窒素原子を、それらの構造の中に有し得る。
【0094】
本発明の化合物およびそれらの医薬的に容認可能な塩は、単一の立体異性体、ラセミ体、およびエナンチオマーとジアステレオマーとの混合物として存在し得る。該化合物は、幾何異性体として存在し得る。かかる単一の立体異性体、ラセミ体およびそれらの混合物、ならびに幾何異性体のすべてを、本発明の範囲に含むことを意図する。したがって、立体化学的な命名なしに化合物を請求する場合、すべての可能な立体異性体、ラセミ体、およびエナンチオマーとジアステレオマーとの混合物を含むことを理解されたい。
【0095】
化合物を構築する目的で本発明の化合物の一般的な表記を考慮する場合、かかる構築により、安定な構造が作られることが仮定される。換言すれば、当業者は、構築した化合物の中には、通常は安定な化合物(立体的に現実的な、および/または合成可能な化合物)と考えられないものも、理論上存在し得ることを認識するであろう。
【0096】
例えば‐OCH‐のように、その結合構造が2つのパートナー基に結合していると記述される特定の基に、すなわち2価の基の場合、他に明示的な記載がない限り、2つのパートナー基のいずれかが、該特定の基の1つの末端に結合し、もう一方のパートナー基が、必然的に該特定の基のもう1つの末端に結合することを理解されたい。換言すると、2価の基は、描かれた方向に限定すると解釈されるものではなく、例えば、「‐OCH‐」は、図示されたとおりの「‐OCH‐」だけでなく、「‐CHO‐」をも意味するものとする。
【0097】
天然、非天然のD−またはL−アミノ酸は、既知の自然発生型アミノ酸とともに合成アミノ酸を含む。
【0098】
プリンおよびピリミジン誘導体は、核酸に見られるもののような、すべての自然発生型プリンおよびピリミジン化合物を含む。プリンおよびピリミジンは、例えば、ハロまたはアルキル基を含む基で修飾された、修飾自然発生型プリンおよびピリミジンも含むが、これらに限定しない。
【0099】
「保護基」(protecting groupまたはprotective group)は、後の化学反応において官能基選択性を有するように、官能基の化学修飾によってもう1つの分子に導入された任意の分子である。例えば、保護基は、式I〜VIIIによる化合物の官能基、またはそれらの中間体のいずれに結合し得る。例えば、カルボニル基は、アセタールまたは環状ケタールに変換することにより、保護できる。該アセタールまたは環状ケタールは、その後カルボニルの保護基と呼ばれる。アセタールまたは環状ケタールは、酸性水溶液と反応させることにより、変換してカルボニルに戻すこともできる。これは、脱保護と称される。アルコールの保護基は、アセチル、テトラヒドロピラニルエーテル、メトキシメチルエーテル、β−メトキシエトキシメチルエーテル、p−メトキシベンジルエーテル、メチルチオメチルエーテル、およびシリルエーテルを含む。アミン保護基は、カルボベンジルオキシ基,tert−ブチルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、およびベンジルを含む。カルボニル保護基には、アセタールおよびアシラールを含む。カルボン酸保護基は、エチルエステル、ベンジルエステル、およびシリルエステルを含む。
【0100】
上述の好適な実施形態に加えて好ましいのは、好適な実施形態の組み合わせを含む実施形態である。
【0101】
ラセミ混合物またはラセミ混合物ではないジアステレオマーの混合物から、単一の立体異性体を調製および/または分離ならびに単離する方法は、当該分野において周知である。例えば、光学活性された(R)−および(S)−異性体またはL−およびD−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を用いて調製することができ、または、従来の手法を用いて分割することができる。エナンチオマー(R‐およびS‐異性体)は、当業者に既知の方法、例えば分離可能なジアステレオ異性体の塩または錯体を形成することにより;例えば、晶出化により、あるエナンチオマーとエナンチオマー特異的な試薬との選択的な反応(例えば、酵素的酸化または還元)の後で、修飾エナンチオマーと未修飾エナンチオマーを分離することにより、分離可能なジアステレオ異性体の誘導体の形成を介して;または、例えば、キラルリガンドが結合したシリカ等のキラル支持体上、もしくはキラル溶媒の存在下にける等のキラルな環境での、気体‐液体または液体クロマトグラフィーにより、分割することができる。所望のエナンチオマーを、上記の分離手順のうちの1つによって別の化学物質に変換する場合、所望のエナンチオマー形態を得るために、さらなるステップが必要である可能性が理解されるであろう。代替として、特定のエナンチオマーは、光学活性な試薬、基質、触媒または溶媒を用いた不斉合成によって、または不斉変換により一方のエナンチオマーを他方のエナンチオマーに変換することによって、合成できる。特定のエナンチオマーが濃縮されたエナンチオマーの混合物については、主要な成分のエナンチオマーを、再結晶により(収率の低下を伴って)、さらに濃縮できる。
【0102】
本発明の目的において、「患者」には、ヒトおよび他の動物(特に哺乳動物)、ならびに他の生物が含まれる。したがって、当該方法は、ヒトの治療および獣医学的用途の両方に適用可能である。好適な実施形態において、患者は哺乳動物であり、最も好適な実施形態において、患者はヒトである。
【0103】
「癌」とは、細胞増殖の病態を意味し、心臓:非上皮性悪性腫瘍(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;:気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、非上皮性悪性腫瘍、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(上皮性悪性腫瘍、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルム腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿管(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、非上皮性悪性腫瘍)、睾丸(セミノーマ、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、非上皮性悪性腫瘍、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝臓癌(肝細胞癌)、胆管細胞癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨大細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨大細胞腫;神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形神経膠芽腫、乏突起膠腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、非上皮性悪性腫瘍);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頚癌、前癌性子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類細胞腫]、顆粒膜/包膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、表皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫]、卵管(細胞腫);血液学:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;および副腎:神経芽細胞腫を含むが、これらに限定しない。したがって、本明細書に記載する「癌細胞」という用語は、上記に示す症状のうちのいずれかに罹患している細胞を含む。
【0104】
本明細書に記載する化合物の「医薬的に容認可能な塩」は、本発明の範囲内に含まれる。かかる塩は、無機塩基および有機塩基を含む医薬的に容認可能な無毒性の塩基から調製できる。無機塩基に由来する塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、第一鉄塩、亜鉛塩、銅塩、第一マンガン塩、アルミニウム塩、第二鉄、第二マンガン塩等を含む。特に好ましいのは、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。医薬的に容認可能な非毒性の有機塩基に由来する塩には、塩または一級、二級、および三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノ−エタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、イミダゾール、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ピペリジン、N−エチル−ピペリジン、モルホリン、N−エチルモルホリン、ポリアミン樹脂等の塩基性イオン交換樹脂を含む(例えば、参照することにより本明細書に組み込まれる、S. M. Berge, et al., ”Pharmaceutical Salts”, J. Pharm. Sci, 1977;66:1−19を参照)。
【0105】
「医薬的に容認可能な塩」は、遊離塩基の生物学的効果を保有する塩であり、生物学的にもその他においても望ましくないことはない、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、および酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等の有機酸によって形成される塩を意味する。
【0106】
本発明の化合物は、プロドラッグとして調製することもできる。「プロドラッグ」とは、生体内で(典型的には迅速に)変換し、例えば、血液中での加水分解により、上の式I〜XXで表される親化合物を与える化合物を意味する。一般的な例として、活性体がカルボン酸残基を有する化合物のエステルおよびアミド形態が挙げられるが、これらに限定しない。本発明の化合物の医薬的に容認可能なエステルの例には、アルキル鎖が直鎖または分岐鎖を有するアルキルエステル(例えば炭素数1〜6の)が含まれるが、これらに限定しない。容認可能なエステルには、シクロアルキルエステルおよびベンジル等のアリールアルキルアステルが含まれるが、これらに限定しない。本発明の化合物の医薬的に容認可能なアミドの例には、例えば、炭素数約1〜約6個の、一級アミド、ならびに二級および三級アルキルアミドが含まれるが、これらに限定しない。本発明の化合物のアミドおよびエステルは、従来の方法により調製することもできる。プロドラッグに関する詳細な議論は、T. Higuchi and V. Stella, ”Pro−drugs as Novel Delivery Systems”, Vol 14 of the A.C.S. Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に提供されており、参照することにより、両者をすべての目的のために本明細書に組み込む。
【0107】
加えて、本発明の化合物は、非溶媒和物中にも、また、水、エタノール等の医薬的に容認可能な溶媒を用いた溶媒和物中にも存在し得る。一般に、本発明の目的のためには、溶媒和物は非溶媒和物と同等であると考えられる。
【0108】
本発明の化合物は、薬理学的ツールとしても用いることができる。阻害剤としての使用に加えて、本発明の化合物は、細胞およびウイルスの機能および構造を調査するために用いることができる。したがって、本発明の化合物は、細胞物質の相互作用、またはウイルスと細胞物質との相互作用を調査するために用いることができる。
【0109】
加えて、本発明は、コンビナトリアル・ケミストリーを含む標準的な有機合成技術を用いて作成する化合物、または細菌による消化、代謝、酵素による変換等の生物学的方法によって作成する化合物のいずれをも網羅することを意図する。
【0110】
本明細書で使用する「治療する」または「治療」という語句は、異常な細胞増殖および浸潤を特徴とするヒトにおける病態の治療を対象とし、(i)特に、ヒトが、病態に罹患しやすいが、まだその疾患を有するとは診断されていない場合、ヒトに病態が生じるのを予防すること、(ii)病態を阻害すること、すなわち、その進展を阻止すること、および(iii)病態を緩和すること、すなわち、病態を後退させること、のうちの少なくとも1つを含む。当該技術分野で既知であるように、全身または局所的な送達、年齢、体重、健康状態全般、性別、食事、投与時間、薬物相互作用、および症状の重症度を調節する必要がある可能性があり、それは、当業者による通常の実験により確認される。
【0111】
一般的な投与
第2の態様において、本発明は、本発明によるヌクレオチド類似体および医薬的に容認可能な担体、賦形剤、または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。ある別の好適な実施形態において、投与は好ましくは経口経路であってもよい。本発明の化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩の、純粋な形態または適切な医薬組成物の形態での投与は、容認可能な投与形態または同様の有用性をもたらす薬剤のいずれかを介して実施することができる。したがって、投与は、例えば経口、経鼻、非経口(静脈内、筋肉内、または皮下)、局所、経皮、膣内、膀胱内、槽内、または直腸投与により、固体、半固体、凍結乾燥粉末の形態で、または液体剤形で、例えば、錠剤、座剤、丸薬、軟質弾性および硬質ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液、またはエアロゾル等、好ましくは正確な投与量を容易に投与するために好適な単位用量形態であってよい。
【0112】
該組成物は、従来の医薬担体または賦形剤、および活性薬剤としての本発明の化合物を含み、また加えて、別の薬物、薬剤、担体、補助剤等を含み得る。本発明の組成物は、抗癌剤または癌治療を受ける患者に一般的に投与する別の薬剤と組み合わせて用いることができる。補助剤には、防腐剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、着香剤、香料、乳化剤および分散剤が含まれる。例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の様々な抗菌剤および抗真菌剤により、微生物の作用を確実に阻止できる。例えば、等張剤、糖、塩化ナトリウム等を含むことが同じく望ましい場合がある。吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを使用することにより、注射可能な医薬剤形の長時間吸収を実現することができる。
【0113】
必要であれば、本発明の医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、酸化防止剤等、例えば、クエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエン等の少量の補助物質を含んでもよい。
【0114】
非経口注射に適した組成物は、生理学的に容認可能な無菌の水性または非水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および無菌注入可能な溶液または分散液に再構成される無菌粉末を含み得る。好適な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの好適な混合物、植物油(オリーブ油等)およびオレイン酸エチル等の注入可能な有機エステルを含む。例えば、レシチン等のコーティングを使用することにより、分散液の場合には必要な粒径を維持することにより、および界面活性剤を使用することにより、適正な流動性を維持することができる。
【0115】
好ましい投与経路の1つは経口であり、治療する病態の重症度によって調節可能な、簡便な毎日の投与計画を用いる。
【0116】
経口投与のための固形剤形は、錠剤、丸薬、粉末および顆粒を含む。かかる固形剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の少なくとも1つの不活性な慣用の賦形剤(または担体)、または(a)例えば、澱粉、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール,およびケイ酸等の充填剤または増量剤、(b)例えば、セルロース誘導体、澱粉、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアラビアゴム等の結合剤、(c)例えば、グリセロール等の保湿剤、(d)例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯澱粉またはタピオカ澱粉、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、複合ケイ酸塩,および炭酸ナトリウムの崩壊剤、(e)例えば、パラフィン等の溶解遅延剤、(f)例えば、四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム等の湿潤剤、(h)例えば、カオリンおよびベントナイト等の吸着剤、ならびに(i)例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等の滑剤またはそれらの混合物と混合させる。カプセル、錠剤および丸薬の場合には、剤形は緩衝剤を含んでもよい。
【0117】
上記のような固形剤形は、腸溶コーティングおよび当該技術分野で周知の別のもの等のコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。それらは鎮静剤(pacifying agents)を含んでいてもよく、活性化合物また化合物を腸管の特定の部位で除放するような組成物であってもよい。使用することができる包埋組成物の例は、ポリマー性物質およびワックスである。活性化合物は、適当な場合は、1つ以上の前述の賦形剤を用いたマイクロカプセル化された形態であってもよい。
【0118】
経口投与のための液体剤形は、医薬的に容認可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルを含む。かかる剤形は、例えば、任意の医薬補助剤を、本発明の化合物(複数を含む)またはその医薬的に容認可能な塩、および例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール等の担体;例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド等の可溶化剤および乳化剤;油、特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物等に、溶解、分散等して溶液または懸濁液を形成することにより調製する。
【0119】
活性化合物に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカントまたはこれらの物質の混合物等の懸濁剤を含有してもよい。
【0120】
直腸投与のための組成物は、例えば、本発明の化合物を、例えば低刺激性の賦形剤または担体と混合することにより調製することができるカカオバター、ポリエチレングリコール、または座薬ワックス等の座剤であり、これらは常温では固体だが体温では液体であるため、好適な体腔で融解し、その中で活性成分を放出する。
【0121】
本発明の化合物の局所投与のための剤形は、軟膏剤、粉末剤、噴霧剤、および吸入剤を含む。必要に応じて、活性成分を、生理学的に容認可能な担体および保存剤、緩衝剤、または推進剤のいずれかと、無菌の状態下で混合する。眼科製剤、眼軟膏、粉末、および溶液も、本発明の範囲内になることを企図する。
【0122】
一般的に、意図する投与形態に依存して、医薬的に容認可能な組成物は、本発明の化合物(複数を含む)またはそれらの医薬的に容認可能な塩を約1重量%〜約99%含み、好適な医薬賦形剤を99重量%〜1重量%含む。一実施例において、組成物は本発明の化合物(複数を含む)またはそれらの医薬的に容認可能な塩を約5重量%〜約75重量%含み、残りは好適な医薬賦形剤を含む。
【0123】
かかる剤形を実際に調製する方法は、当業者には既知であるか、または明らかであろう(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., (Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990を参照)。投与されるべき組成物は、いずれの場合も、本発明の教示に基づいて病態を治療するための、治療有効量の本発明の化合物またはその医薬的に容認可能な塩を含む。
【0124】
本発明の化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩は、使用する特異的な化合物の活性、化合物の代謝安定性および活性の長さ、年齢、体重、健康状態全般、性別、食事、投与形態および期間、排泄率、薬剤の組み合わせ、特定の疾患の重症度、および治療の受給等を含む様々な要因に依存して、異なる治療有効量で投与する。本発明の化合物は、1日約0.1〜約1,000mgの範囲内の投与量レベルで患者に投与することができる。例えば、体重約90kgの通常の大人には、体重1kg当たり1日約0.01〜50mgの範囲内の投与量となる。しかしながら、具体的に用いる投与量は異なり得る。例えば、投与量は、患者の要求、治療する症状の重症度、および用いる化合物の薬理学的活性等を含む要因の数に依存し得る。特定の患者に対する最適な投与量の決定は、当業者には周知である。
【0125】
一般的な合成手順
本発明の化合物は、容易に入手可能な試薬を用いて、当業者に周知の方法により調製することができる。例えば、四級炭素中心を含む本発明の化合物は、参照することにより、その全体を本明細書に組み込む、Cardinal−Davidら(”Synthesis of tertiary and quaternary stereogenic centers: a diastereoselective tandem reaction sequence combining Mukaiyama and free radical−based allylation”, J. Org. Chem. 2005, 70(3): 776−784)に従って調製できる。例えば、本発明の化合物は、反応スキーム1〜5に従って調製することができる。スキーム1〜5では、ZおよびYのうちの1つはA、他方はB、Rは−Hである。
【0126】
【化27】

【0127】
スキーム1における生成物の立体化学は、反応に用いるキラルなルイス酸によって決定する。スキーム2において、アリル化反応には、官能性を持つ四級中心を形成するためのアリル基の転移反応にアリルトリブチルスタンナンを用いる。この種の反応は、Cardinal−Davidら(”Synthesis of tertiary and quaternary stereogenic centers: a diastereoselective tandem reaction sequence combining Mukaiyama and free radical−based allylation”, J. Org. Chem. 2005, 70, 776−784)により詳細に記載されており、これは、参照することにより、その全体を本明細書に組み込む。
【0128】
【化28】

【0129】
【化29】

【0130】
【化30】

【0131】
スキーム5は、本発明の化合物の4’チオ類似体を合成するための方法を示す。
【化31】

【0132】
当業者は、本発明の化合物は、当業者の知識の範囲内である別の周知の合成方法を用いて合成することもできることを理解するであろう。例えば、エナンチオマー出発物質の同一性に依存して、本発明の化合物の4’位にあるL−異性体またはD−異性体を作ることができる。すべてのかかる異性体生成物を、本発明の化合物により具現化する。
【0133】
式I〜XXIVによる化合物を作製するために、上述の方法を用いることができる。下の表2は、式I〜XXIVの代表的な化合物を列記するものである。表2において、「−」で表される直線の結合は、アノマーが1つのみ存在することを意味する(αまたはβと識別されていない限り、アノマーの構成は未確定である)。
【化32】

で表された曲線の結合は、その化合物が2つのアノマーの混合物として単離されたことを意味する。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【0134】
生物学的検定
生物学的実施例1
MTT細胞増殖アッセイ
本発明の化合物の抗腫瘍作用を、細胞増殖アッセイによって評価した。Mosmann(Mosmann T., ”Rapid colorimetric assay for cellular growth and survival: application to proliferation and cytotoxicity assay”, J. Immunol. Methods 1983 Dec 16;65(l−2):55−63(参照することにより、その全体が組み込まれる))により最初に記載されたMTT[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド]細胞増殖アッセイは、生細胞からの活発なミトコンドリアの還元酵素が、淡黄色のMTTのテトラゾリウム環を切断する能力に基づいている。該切断反応は、多分に細胞膜不透過性である紫色のホルマザンの結晶を形成し、健康な細胞内堆積する結果となる。界面活性剤を添加することによる細胞の可溶化が、ホルマザンの結晶を遊離および可溶化させる。残る生細胞数は、作製されるホルマザン生成物のレベルに直接比例する。その後、色を分光光度測定により定量することができる。化合物で処理した細胞中の紫色ホルマザンの生成は、対照細胞における生成と比較して測定し、用量反応曲線を作成することができる。このアッセイは細胞増殖率を測定し、また反対に、代謝イベントがアポトーシスまたは壊死を引き起こした場合は、細胞生存率における低下を測定するため、実験室で合成した類似体の細胞毒性の評価も可能である。
【表3】

【0135】
下の表3は、細胞腫MOLT−4、NCI H1395、およびNCI H2052を用いた、本発明のいくつかの化合物の抗腫瘍および抗増殖性作用を示す。
【表4−1】

【表4−2】

【0136】
下の表4は、細胞腫Pane 02.03、PFSK−I、およびZR−75−1を用いた、本発明のいくつかの化合物の抗腫瘍および抗増殖性作用を示す。
【表5】

【0137】
表3および4に関して、アッセイは1%DMSOで行なった。省略形「n.d.」は、「未確定」を意味する。EC50、CC50およびSIの値は、次の定義を有する。
【0138】
EC50:有効濃度とは、72時間後に細胞の成長を50%減少させるために必要な濃度である。細胞の増殖は、いかなる阻害因子も含まない72時間後の総細胞数から、最初の細胞数を引いた数に等しい。72時間増殖させた後の総細胞数は、細胞系に依存して、最初の細胞数の230%から346%におよぶ。
【0139】
CC50細胞毒性濃度とは、24時間後に最初の細胞数の50%の細胞死を引き起こす濃度である。24時間成長させた後の総細胞数は、細胞系に依存して、最初の細胞数の103%から109%におよぶ。
【0140】
SI:選択性指数は、CC50/EC50の比である。
【0141】
n:統計的なサンプルサイズ
【0142】
生物学的実施例2
リン酸化アッセイ
3つのデオキシヌクレオシドキナーゼを用いて本発明の化合物の試験を行った。キナーゼには、数多くのヌクレオシド類似体プロドラッグの活性化の原因となるヒトdCK、最も広い基質特異性プロファイルを持ち、最も即効性のある既知のキナーゼであるキイロショウジョウバエdNK、および独自の2型キナーゼのサブファミリーのメンバーであり、ヒトチミジンキナーゼ1の良好な代理である、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)チミジンキナーゼを含む。化合物の基質濃度は100μMであった。
【0143】
カイネティックアッセイ。基質のリン酸化は、分光光度法と組み合わせた酵素アッセイ(Munch−Petersen et al. (2000) J. Biol. Chem. vol. 275 p.6673−6679; Schelling et al. (2001) Anal. Biochem vol.295 p.82−87)を用いて決定した。つまり、個々のヌクレオシド100μMを、50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.1M KCl、5mM MgCl2、1mM DTT、1mM ATP、0.21mMホスホエノールピルビン酸、0.18mM NADH、ならびに2ユニット/mlのピルビン酸キナーゼおよび2ユニット/mlの乳酸脱水素酵素(Roche Biochemicals, Indianapolis、インディアナ州)を含む反応緩衝液中で調製した。アッセイは、340nmでの吸光度の変化を計量することにより、37℃で行った。実験の経過に伴い、NADHの代謝回転を10%に制限するために酵素量を調節した。すべての実験を3回行った。
【表6】

【0144】
実験手順および実験データ
一般的な方法
無水条件を必要とするすべての反応は、陽性の窒素雰囲気下において、オーブンで乾燥させたガラス器内で標準的な注射器を用いて行った。テトラヒドロフラン(THF)およびエーテルは、使用直前にナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留した。ジクロロメタン(CHCl)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、i−PrNet、i−PrNH、EtNおよびTMSClを、N雰囲気下でCaHから新たに蒸留し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M溶液)を使用前に滴定した(無水THF中のジフェニル酢酸のエンドポイント)。メタノール、ベンゼン、p−トルエンスルホン酸、オキサリルクロリド、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、水素化ナトリウム、水素化カリウム、クロロトリエチルシラン(TESCl、THF中1M溶液)、ter/−ブチルジメチルクロロシラン(TBSCl)、臭化ベンジル、テトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中1M溶液)、酢酸(99.9%)、メチル−2−ブロモ酢酸、2−メチル−1,3−プロパンジオール、パラジウム(活性炭素上に10%)、ジフェニルジセレニド、三塩化ホウ素(BCl)、水素化トリブチルすず、アリルトリブチルすず、アリルトリメチルシラン、トリエチルボラン(ヘキサン中1M溶液)、臭化マグネシウムジエチルエーテラート(MgBr−OEt)、塩化ジメチルアルミニウム(MeAlCl、ヘキサン中1M溶液)、トリメチルアルミニウム(AlMe、ヘキサン中2M溶液)および三フッ化ほう素ジエチルエーテル(BF−OEt)の順に用いた。窒素圧を用いて、0.040〜0.063mmのシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行った。事前にコーティングしておいたシリカゲルプレート(0.25mm)上で分析用の薄層クロマトグラフィー(TLC)を行った。電熱による融点装置で融点を決定し、修正は行わなかった。500MHzのNMR分光計で、CDCl(δ=7.26ppm)を内部標準として用いてH NMRを記録した。CDCl(δ=77.1ppm)を内部標準として13C NMRスペクトルを125MHzで記録した。赤外線スペクトルは、FTIR分光計を用いて記録した。70eVで稼動させた機器上で電子衝撃(EI)質量スペクトルを記録した。FAB質量スペクトルを、イオン化させてまたはイオン化させずにVG AutospecQで記録した。
【0145】
【化33】

【0146】
CHCl(200mL)中の−78℃のオキサリルクロリド溶液(4.0mL、1.3等量)に、CHCl(20mL)中のジメチルスルホキシド溶液(5.7mL、2.3等量)を滴下して加えた。混合物を−60℃で15分撹拌し、CHCl(20mL)中のアルコール溶液(5.0mL、35.1mmol)を撹拌しながら滴下して加えた。−60℃で45分後経過させ、EtN(25mL、5等量)を加えて、0℃で45分間撹拌を続けた。撹拌する間、混合物を室温まで温め、EtO(300mL)で希釈した。有機層を水(2×25mL)および飽和水性NAClで洗浄し、MgSOで乾燥させて、濾過し、減圧下で濃縮してアルデヒド1を得た。アルデヒド1は、精製せずに次のステップに用いることができる。精製を必要とする場合は、30%EtOAc/ヘキサン(Pollex, A.; Millet, A.; Muller, J.; Hiersemann, M.; Abraham, L. J. Org. Chem. 2005; 70; 5579)を用いてシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーで1を精製した。
【0147】
【化34】

【0148】
二座ルイス酸
無水CHCl(0.25M)中のアルデヒド2の溶液(1等量)を10分間−78℃で撹拌しながら、窒素雰囲気下でTiCl(1.1等量)をゆっくりと加えた。窒素雰囲気下で、CHCl中のエノキシシラン溶液(1.5等量)を同じ温度(−78℃)で迅速に加えた。得られた溶液は、アルデヒドが完全に消費されたとTLCにより示唆されるまで(通常90分)撹拌した。反応混合物に飽和NHCl水溶液を注いだ。EtOAc(3×)で水層を抽出した後、有機層を合わせ、ブラインで連続的に洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濾過および濃縮した。シリカゲルを用いて20%EtOAc/ヘキサンで精製した。
【0149】
TiCl:IR(ニート)vmaxを用いた反応。3461.3、2950、2871.1、1741.35cm−1;MS(EI)339(M+Na)、317(M+1、15%)、209(M−108、5%);H(500MHz、CDC13)δ7.40−7.30(m、5H)、4.61(d、1H、J=11.9Hz、1H)、4.58(dd、J.=11.9Hz、2H)、4.38(dd、J=6.3、3.2Hz、1H)、3.77(dd、J=10.0、3.2Hz、2H)、3.78(s、3H)、3.73(dd、J=10.0、6.3Hz、1H)、(d、広幅、J=5Hz、1H)、1.90(s、3H)ppm;13C(125MHz、CDC13)δ171.25、137.79、128,75、128.66、128.18、128.08、74,66、73,80、70.69、60.90、53.56、23.44ppm;C1317BrO(M)についてのHRMS計算値、実測値316.0310。
【0150】
単座ルイス酸
−78℃の無水CHCl(0.1)中のアルデヒド(1等量)およびエノキシシランの溶液(2.5等量)に、ルイス酸BFOEt(1.1等量)を窒素雰囲気下において同じ温度(−78℃)でゆっくりと加えた。得られた溶液は、アルデヒドが完全に消費されたことがTLCにより分かるまで、少なくとも60分撹拌した。反応終了後、NaHCOの飽和水溶液を反応混合物に注いだ。EtOAc(3×)で水層を抽出した後、有機層を合わせ、ブラインで連続的に洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濾過および濃縮した。
【0151】
IR(ニート)vmax.3054.2、2986.9、2360.2、1734.7、1699.2cm−1;MS(FAB)319(10%、M+2)、299(20%、M−18)、225(25%、M−92)、209(M/Z、M−108).145(12%、M−172)、91(8%、M−226);H(500MHz、CDCl)δ7.38−7.28(m、5H)、4.51(dd、1H、J=11.7Hz、1H)、4.35(dd、J.=6.10、5.1Hz、1H)、3.70(s、3H)、3.69(dd、J=10.0、6.1Hz、1H)、3.61(dd、J=10.0、5.2Hz、1H)、2.6(広幅、1H)、1.91(s、3H)ppm;13C(125MHz、CDCl)δ170.9、137.7、128.69、128.15、128.09、74.77、73.83、70.56、64.90、53.39、23.71ppm;C113BrONa(M+Na)についてのHRMS計算値339.02、実測値339.02(−0.46ppm)
【0152】
【化35】

【0153】
−78℃の無水CHCl(0.1M)中のα−ブロモエステルの攪拌溶液(1等量)にAlMe(2.5等量)を加えた。混合物を同じ温度で10分間撹拌してから、アリールトリメチルシラン(2等量)およびEtB(ヘキサン中1M溶液0.2等量)を加えた。無水の空気雰囲気下(O)で反応を行った。TLCにより反応が完了したと判断されるまで(約4時間〜6時間)、0.2等量のEtBを無水の空気とともに20分ごとに加えた(Drierite(登録商標)を充填した管を介して注入した)。反応終了後、m−またはp−ジニトロベンゼン(0.2等量)を溶液に加え、混合物を同じ温度でさらに15分撹拌した。NHCl飽和水溶液を反応混合物に注いだ。乳濁液が現れた場合は、HCl(1M)を数滴加えることにより調節した。水層をEtOAc(3×)で抽出した後、有機層を合わせ、ブラインで連続的に洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濾過および濃縮した。
【0154】
IR(ニート)vmax.3480.9、2948.6、1732.4、1455.6cm−1;MS(EI)301(m/z、M+Na)、279(21%、M+1)、261(20%、M−17)、247(47%、M−31)、229(13%、M−49)、187(8%、M−90)、171(26%、M−107)、169(36%、M−109)、131(20%、M−147);H(500MHz、CDCl)δ7.37−7.28(m、5H)、5.37−5.67(m、2H)、5.08(dd、J=13.8、1.5Hz、1H)、4.52(dd、1H、J=11.7Hz、1H)、3.83(dd、J=5.85、2.70Hz、1H)、3.62(dd、J=9.7、3.0Hz、1H)、3.60(s、3H)、3.55(dd、J=9.7、6.1Hz、1H)、2.56(dd、J=13.5、7.2Hz、1H)、2.26(dd、J=13.5、7.6Hz、1H)、3.3(広幅、1H)、1.16(s、3H)ppm;13C(125MHz、CDCl)δ176.43、138.13、128.62、128.01、118.90、75.22、73.84、73.79、71.31、51.98、49.11、41.00、17.86ppm;C123(M)についてのHRMS計算値278.1518、実測値194.0791(4.2ppm)
【0155】
【化36】

【0156】
窒素雰囲気下にある0℃のDMF(0.1M)中のアルコール溶液に、イミダゾール(2等量)およびアリルクロロジメチルシラン(1.1等量)を経時的に加えた。混合物を同じ温度で2時間撹拌してからヘキサン/水(50/50)で希釈して相を分離し、ヘキサン(3×)で水層を抽出し、有機層を合わせ、ブラインで連続的に洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濾過および濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc=93:7)で粗油を精製して、シリルアルコールを無色の油として得た。
【0157】
IR(ニート)vmax.2953.8、1745.5cm−1;MS(EI)437(48%、M+Na)、357(m/z、M−57)、259(66%、M−155)、173(56%、M−241)、143(62%、M−271);H(500MHz、CDCl)δ7.37−7.28(m、5H)、5.77−5.71(m、1H)、4.86−4.84(m、2H)、4.57(s、2H)、4.53(dd、J=7.7、2.1Hz、1H)、4.03(dd、J=9.8、2.0Hz、1H)、3.79(s、3H)、3.50(dd、J=9.80、7.70Hz、1H)、1.62(s,3H)、1.61−1.59(m、2H)、0.13(s、3H)、0.12(s、3H);13C(125MHz、CDCl)δ170.98、138.16,134.37、128.60、127.88、113.78、76.17、73.57、72.21、60.52、53.23、25.40、22.36、−1.51、−1.84ppm;C1827NaOBrSiについてのHRMS計算値437.07、実測値437.07(−1.11ppm)
【0158】
【化37】

【0159】
トルエン(0.5M)中の臭化物溶液に、トリエチルボラン(ヘキサン中1M、1等量)を室温で加えた。反応混合物を16時間撹拌してから、2.5等量のTBAFを加えた。室温でさらに2時間置いた後、AcOEt(20L)で希釈して、HCl(1M、20mL)、水(20mL)、およびブラインで(20mL)で洗浄した。その後、混合物をMgSOで乾燥させて濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc=93:7)で粗油を精製して、純アルコールを得た。
【0160】
IR(ニート)vmax.3480.9、2949.0、1729.9、1117.1cm−1;MS(EI)(m/z、301M+Na)、279(22%、M+1)、247(43%、M−31)、171(40%、M−107);H(500MHz、CDCl)δ7.39−7.28(m、5H)、5.77−5.71(m、2H)、4.54(s、2H)4.00(dd、J=7.0、3.4Hz、1H)、3.63(s、3H)、3.56(dd、J=9.8、3.4Hz、1H)、3.51(dd、J=9.8、7.3Hz、1H)、2.55(dd、J=13.7、7.1Hz、1H)、2.32(dd、J=13.7、7.9Hz、1H)、1.19(s、3H)ppm;13C(125MHz、CDCl)δ173.35、135.49、131.38、126.12、125.49、125.46、116.04、71.63、71.11、68.97、49.42、46.74、38.54、14.66ppm;C1623(M+1)についてのHRMS計算値279.1596、実測値279.1588(−1.2ppm)
【0161】
【化38】

【0162】
OsO(1mol%)を10:1のアセトン−HO(10mL)中のオレフィン(1mmol)およびN−メチルモルホリンN−オキシド(NMO)(1.5mmol)の溶液に加え、オレフィンが完全に消費されたことがTLCで確認されるまで(3〜4時間)反応混合物を室温で撹拌した(薄層クロマトグラフィ(TLC)でモニタリングしながら)(Steven, V.; Ley, Chandrashekar Ramarao; Ai−Lan Lee, Niels Ostergaard, Stephen C. Smith, and Ian M. Shirley. Org. Lett. 2003, 5, 185−187)。反応混合物を濾過し、回収した沈殿物をHOおよびアセトンで洗浄した。水性飽和二亜硫酸ナトリウム(20mL)で濾液を処理し、酢酸エチルで抽出して乾燥させた(MgSO4)。
【0163】
Cl(0.2M)中の隣接ジオール溶液に、シリカゲルに担持させたNaIO試薬(ジオール1molにつき2.0g)懸濁液を室温で加えた(Yong−Li Zhong, Tony, K. M.; Shing, J. Org. Chem. 1997, 62, 2622−2624)。隣接ジオールが消失するまで(通常5〜10分)、反応をモニタリングした。セリットを用いた経路で混合物を濾過し、CHClで洗浄した。溶媒を除去することで、次のステップに用いるのに十分な純度のアルデヒド(ヘミアセタール)が得られた。
【0164】
窒素雰囲気下にある−40℃の無水CHCl(0.1M)中の粗アルデヒド溶液に、同じ温度のエタンチオールおよびBFOEt(1等量)を加えた。出発物質が消失するまで(30分)、TLCを用いて反応をモニタリングした。反応終了後、NaHCOの飽和水溶液を反応混合物中に注いだ。EtOAc(3×)で水層を抽出し、有機層を合わせ、ブラインで連続的に洗浄し、乾燥させて(MgSO)、濾過および濃縮した。
【0165】
IR(ニート)vmax.2949.8、1730.3、1452.6cm−1;MS(EI)(347、M+Na、76%)、263(m/z、M−61)231(94%、M−93)、141(58%、M−183)、H(500MHz、CDCl)δ7.36−7.26(m、5H)、5.59(dd、J=7.3、6.1Hz、1H)、4.60(d、J=12.0Hz、1H)、4.52(d、J=12.0Hz、1H)、4.10(dd、J=6.10、3.66Hz、1H)、3.70(dd、J=11.0、3.5Hz、1H)、3.65(s、3H)、3.53(dd、J=11.0、6.0Hz、1H)、3.0(dd、J=13.5、7.6Hz、2H)、4.54(s、2H)4.00(dd、J=7.0、3.4Hz、1H)、3.63(s、3H)、3.56(dd、J=9.8、3.4Hz、1H)、3.51(dd、J=9.8、7.3Hz、1H)、2.55(dd、J=13.7、7.1Hz、1H)、2.32(dd、J=13.7、7.9Hz、1H)、1.19(s、3H)ppm;13C(125MHz、CDCl)δ172.46、135.68、125.96、125.92、82.01、81.33、71.20、71.03、68.09、66.49、49.66、48.71、42.43、23.62、19.19、12.78ppm;C1724SNa(M+Na)についてのHRMS計算値347.1293、実測値347.1276(−3.2ppm)
【0166】
【化39】

【0167】
1FrIR(ニート)vmax.1688.3、1460.3、1275.9cm−1H(500MHz、CDC13)δ8.86(bd、1H)、7.88(d、J=8.2Hz、1H)、7.39−7.28(4H)、6.27(dd、J=5.59(dd、J=7.3、6.1Hz、1H)、4.60(d、J=12.0Hz、1H)、4.52(d、J=12.0Hz、1H)、4.10(dd、J=6.10、3.66Hz、1H)、3.70(dd、J=110.0、3.5Hz、1H)、3.65(s、3H)、3.53(dd、J=11.0、6.0Hz、1H)、3.0(dd、J=13.5、7.6Hz、2H)、4.54(s、2H)、4.00(dd、J=7.0、3.4Hz、1H)、3.63(s、3H)、3.56(dd、J=9.8、3.4Hz、1H)、3.51(dd、J=9.8、7.3Hz、1H)、2.55(dd、J=13.7、7.1Hz、1H)、2.32(dd、J=13.7、7.9Hz、1H)、1.19(s、3H)ppm;13C(125MHz、CDCl)δ172.46、135.68、125.96、125.92、82.01、81.33、71.20、71.03、68.09、66.49、49.66、48.71、42.43、23.62、19.19、12.78ppm;C8H18OS2(M)についての計算値194.0799、実測値194.0791(4.2ppm);Anal、C8H18OS2計算値:C 49.44;H 9.33.実測値:C、49.43;H、9.48.
【0168】
【化40】

【0169】
無水THF(0.1M)中のチオアセタール溶液(1等量)に、0℃で、CHCl(2.0等量)中の適当なペルシリル化プリンまたはピリミジン塩基溶液(1M)を加えた。その後、ヨウ素(2.0等量)を加えた。得られた溶液を0℃で30分間またはチオアセタールが完全に消費されたとTLCにより決定されるまで(通常30分〜2時間)撹拌した。AcOEt(5×総量)で希釈した。NaHCOZNa飽和水溶液(1/1)を反応混合物中に注いだ。分離後、EtOAc(2×)で水層を抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄してから乾燥させ(MgSO)、濃縮した。
【0170】
1FrH(500MHz、CDCl)δ8.00(bd、1H)、7.89(d、J=8.2Hz、1H)、7.40−7.29(4H)、6.27(dd、J=5.59(dd、J=7.3、6.1Hz、1H)、4.60(d、J=12.0Hz、1H)、4.52(d、J=12.0Hz、1H)、4.10(dd、J=6.10、3.66Hz、1H)、3.70(dd、J=110.0、3.5Hz、1H)、3.65(s、3H)、3.53(dd、J=11.0、6.0Hz、1H)、3.0(dd、J=13.5、7.6Hz、2H)、4.54(s、2H)、4.00(dd、J=7.0、3.4Hz、1H)、3.63(s、3H)、3.56(dd、J=9.8、3.4Hz、1H)、3.51(dd、J=9.8、7.3Hz、1H)、2.55(dd、J=13.7、7.1Hz、1H)、2.32(dd、J=13.7、7.9Hz、1H)、1.19(s、3H)ppm;13C(125MHz、CDCl)δ172.46、135.68、125.96、125.92、82.01、81.33、71.20、71.03、68.09、66.49、49.66、48.71、42.43、23.62、19.19、12.78ppm;C8H18OS2(M)についてのHRMS計算値194.0799、実測値194.0791(4.2ppm)
【0171】
無水THF(0.1M)中のチオアセタール溶液(1等量)に、0℃で、CHCl(2.0等量)中の適当なペルシリル化プリンまたはピリミジン塩基溶液(1M)を加えた。その後、ヨウ素(2.0等量)を加えた。得られた溶液を0℃で30分間またはチオアセタールが完全に消費されたとTLCにより決定されるまで(通常30分〜2時間)撹拌した。AcOEt(5×総量)で希釈した。NaHCOZNa飽和水溶液(1/1)を反応混合物中に注いだ。分離した後、EtOAc(2×)で水層を抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄してから乾燥させ(MgSO)、濃縮した。
【0172】
R=H、H(500MHz、CDCl)δ8.00(bd、1H)、7.89(d、J=8.2Hz、1H)、7.40−7.29(4H)、6.27(dd、J=5.59(dd、J=7.3、6.1Hz、1H)、4.60(d、J=12.0Hz、1H)、4.52(d、J=12.0Hz、1H)、4.10(dd、J=6.10、3.66Hz、1H)、3.70(dd、J=110.0、3.5Hz、1H)、3.65(s、3H)、3.53(dd、J=11.0、6.0Hz、1H)、3.0(dd、J=13.5、7.6Hz2H)、4.54(s、2H)4.00(dd、J=7.0、3.4Hz、1H)、3.63(s、3H)、3.56(dd、J=9.8、3.4Hz、1H)、3.51(dd、J=9.8、7.3Hz、1H)、2.55(dd、J=13.7、7.1Hz、1H)、2.32(dd、J=13.7、7.9Hz、1H)、1.19(s、3H)ppm;13C(125MHz、CDCl)δ172.46、135.68、125.96、125.92、82.01、81.33、71.20、71.03、68.09、66.49、49.66、48.71、42.43、23.62、19.19、12.78ppm;C18OS(M)についてのHRMS計算値194.0799、実測値194.0791(4.2ppm)
【0173】
【化41】

【0174】
ベンジルエーテルの開裂
無水THF(20mL)中のLiAlH懸濁液(1g、26mmol)を90分間還流した。混合物を−4℃まで冷却してから、試薬のTHF懸濁液(上で得られた)にエステル(26mmol)を滴下して加え、新しい混合物をで−4℃で2時間撹拌した(沈殿物が消失するまで)。HOを1mL、10%NaOHを1mL、およびHOを3mL連続して加え、注意深く反応を停止させた。新しい沈殿物が白色に変わり、粉末化するまで撹拌を続けた。MgSO4を加えた。濾過後、CHCl(5×10mL)で沈殿物を注意深くすすぎ、合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮して次のステップに使用する粗生成物を得た。
【0175】
−40℃のTHF中のエステル溶液(0.1M)に、水素化アルミニウムリチウム(THF中1M)を滴下して加えた(1.5等量)。得られた溶液を−40℃で2〜3時間またはエステルが完全に消費されたことがTLCにより決定されるまで撹拌した。NaSO飽和水溶液を反応混合物(LiAlH1.92ml/mmol)中に注いだ。沈殿物が白色に変わり、粉末化するまで撹拌を続けた。MgSO4を加えてしばらく撹拌を続け、濾過後、AcOEtで沈殿物を注意深くすすぎ、真空中で濃縮して次のステップに使用する粗生成物を得た。
【0176】
エーテル誘導体(1等量)をAcOEt(0.1M)に溶解させた。Pd/C(10%)を加えた。水素雰囲気下において、溶液を25℃で5時間撹拌した。濾過によりパラジウムを取り除き、真空下で溶媒を除去して、無色の油を得た。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(CHCl中MeOH10%)で精製し、120mgの7を白色の粉末として得た(2段階で65%)。
【0177】
以下の実施例は、本発明の化合物の特定の実施形態をどのように調製したか詳細に示している。当業者は、下の実施例に示す方法は、本発明をより詳細に示すものであって、決して本発明を限定するためのものではないことを理解するであろう。
【0178】
実施例1
LCB−1025、LCB−1024、LCB−1019、LCB−1009、LCB−1010、およびLCB−1032の調製
スキーム6に従い、市販のL‐リンゴ酸から開始して化合物LCB−1019、LCB−1024、およびLCB−1025を調製した。
【0179】
【化42】

【0180】
化合物Aは(Alan R. Battersby, J. Chem. Soc, Chem. Commun., 1989, 1116−1119)によって開発された手順を用いて調製した。
【0181】
【化43】

(2R,5S)−ジエチル5−アセトキシ−3−メチルテトラヒドロフラン−2,3−ジカルボン酸
【0182】
ジオキサン‐水(3:1、36mL)中の化合物Aの溶液(890mg、3.6mmol)に、2,6−ルチジン(0.845mL、2等量)、OsO4(水中10%、2.2mL、0.01等量)、およびNaIO(3.1g、4等量)を加えた。反応物を25℃で撹拌し、TLCでモニタリングした。反応終了後、セリットを通して混合物を濾過した。AcOEt(200mL)を加えて、飽和NaHSO(3×20mL)で洗浄した。水層を3回抽出した(AcOEt)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去して、生成物を精製せずに次のステップに用いた。粗アセテートをCHCl(5mL)に溶解させ、混合物AcO/ピリジンe20/20mL)、続いてDMAP(45mg)を0℃で加えた。反応が終了した後(30分)、EtOAc(100rnL)および(20mL)を加えた。有機層を抽出し、NaHCO(3×20mL)の飽和水溶液およびブライン(20ml)で洗浄した。溶媒を除去して(MgSO)乾燥させ、濾過および濃縮し、シリカゲル(ヘキサン100%〜10%EtOAc/ヘキサン)で精製した。
【0183】
H NMR(500MHz、CDCl)δ6.51(1H、s)、4.49(IH、s)、4.28−4.41(4H、m)、3.02(1H、dd、J=6.1Hz、13.9Hz)、1.97(1H、dd、J=2.2、13.9Hz)、1.62(3H、s)、1.30(3H、t、J=7Hz)、1.26(t、3H)
【0184】
【化44】

【0185】
CHCl中のアセテート(15mLのCHCl中1mmol)および塩基(CHCl中1M)の2等量の溶液に、TMSI(1等量)を加えた。反応終了後(2時間)、EtOAcを加えて、混合物をNaHCOとNaSOとの飽和溶液の混合物で洗浄した。EtOAcで水層を2回抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させてから濃縮した。
【0186】
【化45】

(2R,5S−ジエチル5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2,3−ジカルボン酸
【0187】
化合物を、100%ヘキサン〜50%AcOEt/ヘキサン(80%)を用いてシリカゲルで精製した。[α]25=+69°(c1.02、CHCl)。H NMR(500MHz、CDCl)δ8.17(1H、d、J=8.3Hz)、7.98(1H、bd)、6.29(1H、t、J=6.4Hz)、5.78(1H、d、J=8.3Hz)、4.35(1H、s)、4.32−4.19(2H、m)、4.14(2H、q、J=7.0Hz)、4.47(1H、s)、2.81(dd、1H、J=6.8、13.8Hz)、2.40(1H、dd、J=6.2、13.8Hz)、1.61(3H、s)、1.34(3H、t、J=7.1Hz)、1.26(3H、t、J=7.1Hz)ppm.13C NMR(100.6MHz、CDCl)δ172.5、170.3、163.3、150.6、140.9、102.5、86.1、85.0、62.2、62.0、52.8、42.0、23.7、14.3、14.2ppm;IR(neat)vmax2988、2807、1755、1703、1679、1467、1274cm−1;MS(ESI)m/z(MH+)341(100)、288(42)、229(50)、201(28)、155(13);C121(MH)についてのHRMS計算値341.1349、実測値341.1345
【0188】
【化46】

(2R,5S)−ジエチル5−(5−フルオロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2,3−ジカルボン酸
【0189】
化合物を、100%ヘキサン〜50%AcOEt/ヘキサン(70%)を用いてシリカゲルで精製した。[α]25=+69°(c1.09、CHCl)。H NMR(500MHz、CDCl)δ8.38(1H、d、J=6.7Hz)、8.18(1H、bd)、6.28(1H、t、J=6.5Hz)、4.35−4.20(2H、m)、4.38(1H、s)、4.15(2H、q、J=7.0Hz)、2.80(dd、1H、J=6.7、13.9Hz)、2.40(1H、dd、J=6.3、13.9Hz)、1.61(3H、s)、1.35(3H、t、J=7.1Hz)、1.23(3H、t、J=7.1Hz)ppm.13C NMR(100.6 MHz、CDCl) δ 172.4、170.2、156.9(J=7.0Hz)、149.2、140.8(J=237.2Hz)125.40(J=37.0Hz)、86.4、85.2、62.3、62.2、52.9、41.8、23.7、14.3、14.2ppm;IR(ニート)vmax3198、3072、2986、1722、1375、1269cm−1;MS(ESI)(MH+)359(25)、m/z288(100)、229(26)、201(16)、155(10);C1520F(MH)についてのHRMS計算値359.1225、実測値341.1254
【0190】
【化47】

(2R,5S)−ジエチル3−メチル−5−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)テトラヒドロフラン−2,3−ジカルボン酸
【0191】
化合物を、100%ヘキサン〜50%AcOEt/ヘキサン(73%)を用いてシリカゲルで精製した。[α]25=+50.2°(c1.05、CHCl).H NMR(500MHz、CDCl)δ8.80(1H、bd)、7.94(1H、s,)、6.34(1H、t、J=7.1Hz)、4.28−4.18(2H、m)、4.13(2H、q、J=7.2Hz)、2.78(dd、1H、J=7.3、13.7Hz)、2.34(1H、dd、J=6.3、13.7Hz)、1.59(3H、s)、1.34(3H、t、J=7.21Hz)、1.27(3H、t、J=7.1Hz)ppm.13C NMR(100.6MHz、CDCl)δ.172.6、170.4、163.8、150.7、136.5、111.2、85.6、84.8、62.1、62.0、52.9、41.5、23.8、14.3、14.2、12.9ppm;IR(ニート)vmax3148、284、1695、1467、1277cm−1;C1623(MH)についてのHRMS計算値355.1505、実測値355.1510。
【0192】
スキーム6に従って、化合物LCB−1009およびLCB−1010(アノマーαおよびβのC1318混合物)を調製した。
【0193】
【化48】

(±)メチル2−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−5−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)テトラヒドロフラン−3−カルボン酸
【0194】
αアノマー:H NMR(500MHz、CDOD)δ7.54(1H、s)、6.13(1H、t、J=6.4)、4.34(1H、t、J=3,9)、3.80−2.77(1H、m)、3.72(3H、s)、3.71(dd、1H、J=3.5、11.8Hz)、2.67(1H、dd、J=6.1、13.5Hz)、2.48(1H、dd、J=6.8、13.5Hz),1.92(3H、s)、1.38(3H、s)ppm
【0195】
βアノマー:H NMR(500MHz、CDOD)δ8.00(1H、s)、6.09(1H、dd、J=6.1、8.3Hz)、3.87(1H、dd、J=3,5、11.9Hz)、3.78(1H、dd、J=4.6、11.9Hz)、3.77(3H、s)、2.81(dd、1H、J=6.1、13.0Hz)、2.05(1H、dd、J=8.3、13.0Hz)、1.91(3H、s)、1.43(3H、s)ppm.MS(ESI)m/z;C1318Na(M+Na)についてのHRMS計算値321.1063、実測値321.1058
【0196】
スキーム6に従って化合物LCB−1032を調製した。
【0197】
【化49】

(±)1−(−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)−5−メチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
【0198】
H NMR(500MHz、CDOD)δ8.00(1H、s)、6.08(1H、dd、J=6.6、7.8Hz)、3.92(1H、dd、J=3.8、5.3Hz)、3.82(1H、dd、J=3.8、11.8Hz)、3.73(1H、dd、J=5.3、11.8Hz)、3.47(3H、s)、2.37(1H、dd、J=6.4、13.2Hz)、1.92(3H、s)、1.86(1H、dd、J=8.0、13.2Hz)、1.16(3H、s)ppm;C1218Na(M+Na)についてのHRMS計算値293.1113、実測値293.1179
【0199】
実施例2
LCB−1015、LCB−1020、LCB−1021、LCB−1022、LCB−1023、LCB−1026、およびLCB−1027の調製
【0200】
【化50】

5−アセトキシ−2−ベンジルオキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル
【0201】
前述のように調製したピリジン(5mL)中の2−ベンジルオキシメチル−5−ヒドロキシ−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル溶液(0.48g、1.7mmol)に、無水酢酸(0.32mL、3.4mmol)とDMAP(5mg)を加え、反応物を室温で撹拌した。3時間の撹拌後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.5N HClおよびブラインで洗浄してからMgSOで乾燥させ、減圧下で濾過および濃縮した。得られた粗残渣をカラムクロマトグラフィー(EA/ヘキサン=40:60)で精製した。生成物は2.8/1のアノマー混合物として単離した。
【0202】
主要化合物:RMN H(500MHz、CDCl)∂ppm:7.38−7.27(m、5H)、6.43(m、1)、4.51(dd、2H)、4.18(t、1H)、3.70−3.55(m、2H)、3.64(s、3H)、2.98(dd、1H)、2.08(s、3H)、1.88(d、1H)1.50(s、3H)
【0203】
副化合物:RMN H(500MHz、CDCl)∂ppm:7.38−7.27(m、5H)、6.32(m、1H)、4.51(dd、2H)、4.10(t、1H)、3.70−3.55(m、2H)、3.61(s、3H)、2.82(dd、1H)、2.18(dd、1H)2.04(s、3H)、1.44(s、3H)
【0204】
2−ベンジルオキシメチル−5−(5−フルオロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル
ビス−TMS−5−フルオロウラシル:ジクロロメタン(5mL)中の5−フルオロウラシル(130mg、1.0mmol)懸濁液に、N,O−Bis−TMS−アセトアミド(0.86mL、3.5mmol)およびTMS−Cl(0.1mL)を加えた。室温で2時間撹拌後、反応混合物(透明の溶液)を減圧下で濃縮してビス−TMS−5−フルオロウラシルを得た。
【0205】
ジクロロメタン(2.5mL)中の5−アセトキシ−2−ベンジルオキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル(213mg、0.66mmol)溶液に、ジクロロメタン(2.5mL)に溶解させた粗ビス−TMS−5−フルオロウラシル(1.0mmol)およびTMS−I(0.7mL、CHCl中1.0M)を加えた。室温で1時間撹拌後、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた粗残渣をカラムクロマトグラフィー(アセトン/CHCl=0:100〜10:90)で精製した。1つのアノマーのみ(配置は未確定)を単離した。
【0206】
RMN H(500MHz、CDCl)∂ppm:8.63(bs、1H)、7.97(d、1H)、7.25−7.13(m、5H)、6.13(td、1H)、4.35(s、2H)、3.90(t、1H)、3.62(d、2H)、3.50 (s、3H)、2.43(dd、1H)、2.12(dd、1H)、1.35(s、3H)
【0207】
5−(5−フルオロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル
【0208】
【化51】

【0209】
酢酸エチル(4mL)中の2−ベンジルオキシメチル−5−(5−フルオロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−pyrimidin−1−イル)−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル(70mg、0.18mmol)溶液を、窒素で3回パージしてからPd/C5%を加えた(50mg)。得られた懸濁液を水素で3回パージして、室温で一晩撹拌した。反応混合物をセリット(EAですすいだ)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗残渣をカラムクロマトグラフィー(アセトン/CHCl、20:80)で精製した。1つのアノマー(配置は未確定)を単離した。
【0210】
RMN H(500 MHz、CDOD)∂ppm:8.28(d、1H)、6.12(t、1H)、3.85(m、1H)、3.71(qd、2H)、3.64(s、3H)、2.58(dd、1H)、2.24(dd、1H)、1.38(s、3H)
【0211】
HRMS:計算値302.09 C1215FN、実測値FTMS +pESI (MH) 303.09818 C1216FN −1.70258 ppm
【0212】
6−メチル−1−(3a−メチル−4−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−b]フラン−2−イル)−lH−ピリミジン−2,4−ジオン
【0213】
【化52】

【0214】
メタノール(2mL)中の2−ベンジルオキシメチル−3−メチル−5−(6−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル(89mg、0.23mmol)溶液を窒素で3回パージしてからPd/C5%を加えた(40mg)。得られた懸濁液を水素で3回パージして、室温で一晩撹拌した。反応混合物をセリット(メタノールですすいだ)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗残渣をカラムクロマトグラフィー(アセトン/CHCl=20:80)で精製した。得られた残渣を酢酸エチルとヘキサンの混合物(1:9)中で超音波処理し、得られた固体を濾過により回収した。1つのアノマー(配置は未確定)を単離した。
【0215】
RMN H(500MHz、CDCl)∂ppm:9.84(bs、IH)、6.71(t、1H)、5.55(d、1H)、4.92(d、1H)、4.38 (dd、1H)、4.32(dd、1H)、2.88(dd、1H)、2.62(dd、1H)、2.17(s、3H)、1.54(s、3H)
【0216】
HRMS:計算値266.09 C12H14N2O5、実測値FTMS +pESI (M+H) 267.09769 C1215 +0.51815 ppm
【0217】
1−(4,5−Bis−ヒドロキシメチル−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−6−メチル−lH−ピリミジン−2,4−ジオン
【0218】
【化53】

0℃に冷却したTHF(1mL)中の6−メチル−1−(3a−メチル−4−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−b]フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2,4−ジオン(10mg、0.038mmol)溶液に、水素化アルミニウムリチウム溶液(0.075mL、THF中1.0M)を加えた。30分撹拌後、Na(0.15mL)飽和水溶液を添加することにより反応を停止させ、生じた混合物を室温で1時間撹拌した。その後MgSOを加えて、反応物を濾過および濃縮した。得られた粗残渣をカラムクロマトグラフィー(アセトン/CHC1=60:40)で精製した。
【0219】
RMN H(500MHz、CDOD)∂ppm:6.61(t、1H)、5.40(s、1H)、4.38(m、1H)、3.68(dd、1H)、3.60(dd、1H)3.41(dd、2H)、2.52(dd、1H)、2.14(dd、1H)、2.04(s、3H)、1.12(s、3H)
【0220】
HRMS:計算値270.12 C1218、実測値TOF MS/MS ES+ (MH) 271.20
【0221】
5−アセトキシ−2−ベンジルオキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル
スキーム7に従って、前述のように表題化合物を調製した。主要化合物:RMN H(500MHz、CDCl)∂ppm:7.37−7.27(m、5H)、6.30(dd、1H)、4.74(t、1H)、4.53(dd、2H)、3.71(s、3H)、3.67−3.58(m、2H)、2.58(dd、1H)、2.24(dd、1H)、2.04(s、3H)、1.25(s、3H)副化合物:RMN H(500MHz、CDCl)∂ppm:7.38−7.27(m、5H)、6.28(m、1H)、4.61−4.50(m、3H)、3.70(s、3H)、3.69−3.55(m、2H)、2.82(dd、1H)、2.05(dd、1H)、2.04(s、3H)、1.37(s、3H)
【0222】
2−ベンジルオキシメチル−5−(5−フルオロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル
スキーム7に従って、ビス−TMS‐チミンを用いて前述のように表題化合物を調製した。生成物は1:1のアノマー混合物として単離した。RMN H(混合物)(500MHz、CDCl)∂ppm:9.20(bs、1H)、8.98(bs、1H)、8.17(d、1H)、7.58(d、1H)、7.40−7.30(m、10H)、6.15(td、1H)、6.10(td、1H)、4.75(t、1H)、4.60−4.55(m、4H)、4.53(t、1H)、3.84(dd、1H)、3.78(s、3H)、3.70(s、3H)、3.70−3.60(m、3H)、2.84(dd、1H)、2.58(dd、2H)、1.85(dd、1H)、1.43(s、3H)、1.37(s、3H)
【0223】
スキーム7に従って、前述のように以下の化合物を調製した。得られた2つのアノマーをカラムクロマトグラフィー(アセトン/CHCl=40:60)で分離した。これらのアノマーの配置を確定しなかった。
【0224】
5−(5−フルオロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル
【化54】

LCB−1022−1、C1215FN(高速溶出アノマー)
【0225】
RMN H(500MHz、CDOD)∂ppm:7.88(d、1H)、6.08(t、1H)、4.64(m、1H)、3.78(dd、1H)、3.72(s、3H)3.70(dd、1H)、2.67(dd、1H)、2.50(dd、1H)、1.37(s、3H)
【0226】
HRMS:計算値302.09 C1215FN、実測値FTMS +pESI (M+H) 303.09882 C1216FN +0.41115 ppm
【0227】
5−(5−フルオロ−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル)−2−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸メチルエステル
【化55】

LCB−1023−1、C1215FN(低速溶出アノマー)
【0228】
RMN H(500MHz、CDOD)∂ppm:7.59(d、1H)、6.16(t、1H)、4.62(m、1H)、3.85(dd、1H)、3.80(dd、1H)3.76(s、3H)、2.63(dd、1H)、2.58(dd、1H)、1.39(s、3H)
【0229】
HRMS:計算値302.09 C1215FN、実測値FTMS +pESI (M+H) 303.09866 C1216FN −0.09227 ppm
【0230】
スキーム7に従って、対応するメチルエステルを用いて前述のように以下に記載する化合物を調製した。
【0231】
1−(4,5−ビス−ヒドロキシメチル−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−5−フルオロ−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
【化56】

【0232】
RMN H(500MHz、CDOD)∂ppm:8.44(d、1H)、6.08(t、1H)、3.92(m、1H)、3.83(dd、1H)、3.74(dd、1H)3.43(s、2H)、2.39(dd、1H)、1.84(dd、1H)、1.16(s、3H)
【0233】
1−(4,5−ビス−ヒドロキシメチル−4−メチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−5−フルオロ−1H−ピリミジン−2,4−ジオン
【化57】

【0234】
RMN H(500MHz、CDOD)∂ppm:7.97(d、1H)、6.11(t、1H)、4.22(m、1H)、3.68(m、2H)、3.52(s、2H)2.23(dd、1H)、2.15(dd、1H)、1.06(s、3H)
【0235】
実施例3
LCB−1016、LCB−1017、LCB−1028、およびLCB−1029の調製
【化58】

【0236】
CHCl(125mL)中の化合物A(8.6g、25mmol)の溶液(0℃)にAlMe(ヘキサン中2M、15mL、1.2等量)を加えた。同温度で反応物を30分撹拌してから、アリルトリブチルスズ(15.5mL、2等量)、BEt(CHCl中1M、5mL、0.2等量)および空気(注射器)を加えた。毎時間ごとに、0.2等量のBEtを培体に加え、続いて空気を加えた。0℃で5時間保った後、MeOH(10mL)およびNHClの飽和水溶液を加えて反応を停止させた。反応物を室温で2時間撹拌後、CHCl(×3)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させた。溶媒を除去して、ヘキサン/AcOEt(9:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーで粗精製し、所望の化合物B(m=5.29g、70%)を得た。
【0237】
(±)−(R)−メチル2−((S)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ヒドロキシエチル)−2−メチルペント−4−エノアート
H−NMR(500MHz、CD3OD)ppm5.72(m、1H)、5.10(m、2H)、3.75(dd、1H、J=3.0Hz、J=9.7Hz)、3.71(dd、1H、J=4.4Hz、J=10.4Hz)、3.71(s、3H)、3.66(dd、1H、J=5.8Hz、J=9.7Hz)、3.19(d、1H、J=5.9Hz)、2.57(dd、1H、J=7.1Hz、J=13.5Hz)、2.24(dd、1H、J=7.7Hz、J=13.5Hz)、1.17(s、3H)、0.91(s、9H)、0.08(s、6H)
【0238】
【化59】

【0239】
ジオキサン‐水(3:1、25mL)中の化合物B(800mg、2.6mmol)の溶液に、室温で、2,6−ルジチン(603μL、2等量)、OsO(水中4%wt、2%mol、651μL)およびNaIO(2.22g、4等量)を加えた。反応物を25℃で撹拌し、TLCでモニタリングした。3時間後、培体に水を加え、反応物をCHCl(×4)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させた。溶媒を除去して、粗生成物を精製せずに次のステップに用いた。ラクトールをピリジン(1mL)に溶解させて0℃で冷却した。DMAP(50mg)およびAcO(245μL、2等量)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。トルエン(2×)を同時に蒸発させることにより揮発性物質を除去した。粗アセテートはさらに精製することなく使用した。
【0240】
適当なシリル化塩基の溶液(5mL中1mmol、1等量)に、アセテート溶液(5mL中1mmol、1等量)を加え、続いてTMSI(CHCl中3M、1.1等量)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌後、MeOH(5mL)およびp−TsOH(1等量)を加えた。反応物を一晩撹拌した。Amberlite(登録商標)IRA−400樹脂(OH形態、5g)を加えて4時間撹拌した。揮発性物質を濾過および蒸発させた後、CHCl/iPrOから化合物を再結晶させて、対応するヌクレオシドのアノマーの混合物(1:1)を得た。
【0241】
(±)−4−アミノ−1−((3R,65)−3−メチル−4−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−6]フラン−2−イル)−1H−ピリミジン−2−オン
【化60】

【0242】
H−NMR(500MHz、CD3OD)ppm7.66(d、1H、J=7.4Hz)、7.51(d、1H、J=7.5Hz)、6.06(m、2H)、5.88(m、2H)、5.88(m、1H)、4.89(m、1H)、4.64(m、2H)、4.55(dd、1H、J=3.3Hz、J=11.3Hz)、4.48(dd、1H、J=3.3Hz、J=11.1Hz)、4.40(d、1H、J=11.1Hz)、2.94(dd、1H、J=7.0Hz、J=13.7Hz)、2.64(dd、1H、J=7.2Hz、J=14.3Hz)、2.56(dd、1H、J=3.6Hz、J=14.3Hz)、2.37(dd、1H、J=6.7Hz、J=13.7Hz)、1.47(s、3H)、1.42(s、3H);MS(ESI)m/z503.1(2MH)、274.0(M+Na)、252.1(MH);C1114(MH)についてのHRMS(ESI)計算値252.0984、実測値252.0984
【0243】
(±)−4−アミノ−5−フルオロ−1−((3R,6S)−3−メチル−4−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,4−6]フラン−2−イル)−1H−ピリジン−2−オン
【化61】

H−NMR(500MHz、CD3OD)7.87(d、1H、J=6.5Hz)、7.58(d、1H、J=6.6Hz)、6.00
(m、1H)、5.87(t、1H、J=6.8Hz)、4.90(d、1H、J=3.2Hz)、4.69(d、1H、J=11.4Hz)、4.66(d、1H,
J=3.3Hz)、4.56(dd、1H、J=3.3Hz、J=11.4Hz)、4.48(dd、1H、J=3.3Hz、J=11.1Hz)、4.41(d、1H、J=11.1Hz)、2.94(dd、1H、J=6.8Hz、J=13.7Hz)、2.62(m、2H)、2.33(dd、1H、J=6.8Hz、J=13.7Hz)、1.46(s、3H)、1.41(s、3H);MS(ESI)m/z539.1(2MH、60)、270.0(MH、100);C1113FN(MH)についてのHRMS(ESI)計算値270.0890、実測値270.0892

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[前記式中、AおよびBは、独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、−C(O)−NR4a、−C(O)OR、(CH)nC(O)OR、−C(O)−R、−C(O)−CHOH、または−(CHMであり、
Mは−OR、ハロ、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、−SR、アリール、−CO、−COR、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−NH(CO)R、−NR6a、−CONR4a、−NHSO、−CO−CHOH、−SOR、−SONR5a、−O(CO)R、−N、またはC−Cアルキンであって、前記アルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
nは1〜3であり、
は0〜3であり、
は−H、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
は−H、アリール、−C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルであり、
は−H、C−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
およびR4aは、独立して−H、C−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれはC−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるか、あるいは、
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成し、式中xは1〜5であり、AAは天然、非天然のD−またはL−アミノ酸であって、−(AA)は、カルボニルが保護されているかまたは保護されていない末端−COOR基を含み、
およびR5aは、独立して−H、アリール、C−Cアルキルアリール、C−Cアルキル、C−Cアルコキシであり、
およびR6aは、独立して−H、アリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、アリール、C−Cアルキルアリール、またはモノ〜ペルハロC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、アリール、C−Cアルキルアリール、またはモノ〜ペルハロC−Cアルキルであり、
10は−C(O)OR、−CH−C(O)OR、−CONR4a、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
XはOまたはSであり、ならびに
塩基はプリン誘導体またはピリミジン誘導体である]
の化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩。
【請求項2】
AおよびBは、独立してC−Cアルキル、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、または−(CHMであり、
Mは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるモノ〜ペルハロC−C3アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはアリールであり、
nは1〜3であり、
は−H、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
はアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
は、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるモノ〜ペルハロC−Cアルキルまたはアリールであり、
およびR4aは、独立してC−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるか、あるいは、
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成し、式中xは1〜5であり、AAは天然、非天然のD−またはL−アミノ酸であって、−(AA)はカルボニルが保護されているかまたは保護されていない末端−COOR基を含み、
およびR5aは、独立してアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
およびR6aは、独立してアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
はモノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであり、
塩基は
【化2】

から選択されるプリン誘導体またはピリミジン誘導体である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
AおよびBは、独立して−CH、−CH(CH、−CF、−(CH−CF、−(CH−テトラゾール、−(CH−フェニルであり、前記フェニルはC−Cアルキル、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
は−CF、−CH−フェニル、またはハロ、−CN、−CF、−C(O)OR、−CH−COOR、C−Cアルコキシ、C−Cペルフルオロアルキル、もしくはC−Cアルキルで任意に置換されたフェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
はフェニルまたは−CH−フェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
は−CF、またはハロ、−CN、−CF、−C(O)OR、−CH−COOR、C−Cアルコキシ、C−Cペルフルオロアルキル、もしくはC−Cアルキルで任意に置換されたフェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)1−4を形成する、請求項2に記載の化合物。
【請求項8】
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成する、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−Arg−Arg−Argを形成する、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
およびR5aは独立して−CH−フェニルまたはフェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項11】
およびR6aは−CH−フェニルまたはフェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
は4−メチルフェニル、フェニル、または−CFである、請求項2に記載の化合物。
【請求項13】
塩基は
【化3】

から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項14】
塩基は
【化4】

から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項15】
AおよびBは、独立してC−Cアルキル、−C(O)−NH、−C(O)OR、または−(CH)−OHであり、Rは−Hであり、RはC1−アルキルであり、
塩基は
【化5】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
AおよびBは、独立して−CH、−C(O)OCH、または−(CH)−OHであり、塩基は
【化6】

である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
AおよびBは、独立して−CH、−C(O)−NH、−C(O)OCH、または−(CH)−OHであり、塩基は
【化7】

である、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
AおよびBは、独立して−CH、−C(O)−NH、−C(O)OCH、または−(CH)−OHであり、塩基は
【化8】

である、請求項15に記載の化合物。
【請求項19】
AおよびBは、独立して−CHまたは−C(O)−NHであり、塩基は
【化9】

である、請求項15に記載の化合物。
【請求項20】
AおよびBは、独立して−CH、−C(O)OCH、または−(CH)−OHであり、塩基は
【化10】

である、請求項15に記載の化合物。
【請求項21】
AおよびBは、独立して−CHまたは−C(O)OCHであり、塩基は
【化11】

である、請求項15に記載の化合物。
【請求項22】
AおよびBは、独立して−CHまたは−(CH)−OHであり、塩基は
【化12】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
Aは−CHであり、nは0であり、塩基は
【化13】

である、請求項1に記載の式XVII〜XXによる化合物。
【請求項24】
AおよびBは、独立して−CHまたは−C(O)OCHCHであり、R10は−C(O)OCHCHであり、および塩基は
【化14】

である、請求項1に記載の式IX〜XVIによる化合物。
【請求項25】

【化15】

の化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩であって、
Rは−Hまたは−OHである、
化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩。
【請求項26】

【化16−1】

【化16−2】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】

【化17】

[前記式中、AおよびBは、独立してC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、−C(O)−NR4a、−C(O)OR、−C(O)−R、−C(O)−CHOH、または−(CHMであり、
Mは−OR、ハロ、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、−SR、アリール、−CO、−COR、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−NH(CO)R、−NR6a、−CONR4a、−NHSO、−CO−CHOH、−SOR、−SONR5a、−O(CO)R、−N、またはC−Cアルキンであって、前記アルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
nは1〜3であり、
は−H、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
は−H、アリール、−C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルであり、
は−H、C−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
およびR4aは、独立して−H、C−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるか、または、
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成し、式中xは1〜5であり、AAは天然、非天然のD−またはL−アミノ酸であって、−(AA)はカルボニルが保護されているかまたは保護されていない末端−COOR基を含み、
およびR5aは、独立して−H、アリール、C−Cアルキルアリール、C−Cアルキル、C−Cアルコキシであり、
およびR6aは、独立して−H、アリール、C−Cアルキルアリール、またはC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、アリール、C−Cアルキルアリール、またはモノ〜ペルハロC−Cアルキルであり、
はC−Cアルキル、アリール、C−Cアルキルアリール、またはモノ〜ペルハロC−Cアルキルであり、
はOH、C−Cアルキル、C−Cアルキル−アリール、アリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−OH、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
*は炭素原子がRまたはS配置にあることを示し、
塩基はプリン誘導体またはピリミジン誘導体である]
の化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩。
【請求項28】
AおよびBは、独立してC−Cアルキル、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、または−(CHMであり、
Mは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるモノ〜ペルハロC−C3アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはアリールであり、
nは1〜3であり、
は−H、−CH−P(O)(OH)、−P(O)(OH)、C−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
はアリールまたは−C−Cアルキルアリールであり、
はC−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるモノ〜ペルハロC−Cアルキルまたはアリールであり、
およびR4aは、独立してC−Cアルキル、−(CHC(O)OR(mは0〜4)、モノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換されるか、または、
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成し、式中xは1〜5であり、AAは天然、非天然のD−またはL−アミノ酸であって、−(AA)はカルボニルが保護されているかまたは保護されていない末端−COOR基を含み、
およびR5aは、独立してアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
およびR6aは、独立してアリールまたはC−Cアルキルアリールであり、
はモノ〜ペルハロC−Cアルキル、アリール、または−C−Cアルキルアリールであり、
はC−Cアルキル、C−Cアルキル−アリール、アリールであって、前記アルキルおよびアリールのそれぞれは、C−Cアルキル、ハロ、−OH、−CN、−C(O)OR、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換され、
塩基は
【化18】

から選択される、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
AおよびBは、独立して−CH、−CH(CH、−CF、−(CH−CF、−(CH−テトラゾール、−(CH−フェニルであり、前記フェニルはC−Cアルキル、−C−Cアルキル−C(O)OR、C−Cアルコキシ、およびモノ〜ペルハロC−Cアルキルから選択される1つ以上の基で任意に置換された、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
は−CF、−CH−フェニル、またはハロ、−CN、−CF、−C(O)OR、−CH−COOR、C−Cアルコキシ、C−Cペルフルオロアルキル、もしくはC−Cアルキルで任意に置換されたフェニルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
はフェニルまたは−CH−フェニルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項32】
は−CF、またはハロ、−CN、−CF、−C(O)OR、−CH−COOR、C−Cアルコキシ、C−Cペルフルオロアルキル、もしくはC−Cアルキルで任意に置換されたフェニルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項33】
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)1−4を形成する、請求項28に記載の化合物。
【請求項34】
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−(AA)を形成する、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
およびR4aは、それらが結合する窒素とともに−Arg−Arg−Argを形成する、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
およびR5aは独立して−CH−フェニルまたはフェニルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項37】
およびR6aは−CH−フェニルまたはフェニルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項38】
は4−メチルフェニル、フェニル、または−CFである、請求項28に記載の化合物。
【請求項39】
塩基は
【化19】

から選択される、請求項28に記載の化合物。
【請求項40】
塩基は
【化20】

から選択される、請求項28に記載の化合物。
【請求項41】
はC−Cアルキル、C−Cアルキル−アリール、またはアリールであり、前記アルキルは−OHで任意に置換される、請求項28に記載の化合物。
【請求項42】
はメチル、エチル、tert−ブチル、ベンジル、フェニル、または−CHCHOHである、請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
医薬的に容認可能な担体、賦形剤、または希釈剤、ならびに請求項1、25、および27のいずれか1項に記載の化合物またはそれらの医薬的に容認可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項44】
ウイルスまたは腫瘍を抑制するための方法であって、抑制することが所望される細胞に、請求項1、25、および27のいずれか1項に記載の化合物、または請求項43に記載の医薬組成物を接触させるステップを含む、方法。
【請求項45】
患者のウイルスまたは腫瘍を抑制するための方法であって、請求項43に記載の医薬組成物を前記患者に投与するステップを含む、方法。
【請求項46】
患者の疾患または症状を治療するための方法であって、前記疾患もしくは症状はウイルスに関連するかまたは腫瘍であり、請求項43に記載の医薬組成物を前記患者に投与するステップを含む、方法。
【請求項47】
前記症状または疾患は、卵巣癌、子宮頸癌、乳癌、皮膚癌、脳腫瘍、結腸直腸癌、肺癌、骨肉腫、神経膠芽腫、インフルエンザ、またはHPV、HIV、もしくはHCVによって引き起こされる疾患である、請求項46に記載の方法。

【公表番号】特表2010−519179(P2010−519179A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546024(P2009−546024)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際出願番号】PCT/IB2008/000697
【国際公開番号】WO2008/087558
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(501181260)
【Fターム(参考)】