説明

ネガ型感光性平版印刷材料

【課題】各種レーザーに対して高い感度を有し、平版印刷材料が高温度且つ高湿度の環境下に保存されても、処理安定性が高く、印刷時に地汚れの発生しないネガ型感光性平版印刷材料を提供する。
【解決手段】支持体上に、光重合性の感光層を有するネガ型感光性平版印刷材料に於いて、感光層に側鎖に重合性二重結合を有しかつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマー、有機ホウ素塩、及び分子中に亜リン酸エステル構造とフェノール構造を有する化合物を含有することを特徴とする感光性平版印刷材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に各種レーザーを用いて画像を形成する走査露光用のネガ型感光性平版印刷材料であり、特に750nm以上の近赤外から赤外光の波長範囲にある光に感度を有するネガ型感光性平版印刷材料である。
【背景技術】
【0002】
従来から広く用いられているネガタイプの感光性平版印刷材料は、アルミニウム支持体に塗布された感光性塗膜(感光層)を有する。この塗膜は、露光された部分(露光部)は硬化し、露光されなかった部分(未露光部)は現像処理で溶出される。硬化した部分が画像部として残り印刷時にインキを受理し、一方、溶出した部分は親水性のアルミニウム表面が露出し印刷時に水(湿し水)を受理することによって印刷がなされる。
【0003】
近年、画像形成技術の進歩に伴い、可視光に対して高感度を示す感光性平版印刷材料が求められるようになってきた。例えば、アルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、赤色LED等を用いた出力機に対応した感光性平版印刷材料の研究も活発に行われている。
【0004】
更に、半導体レーザーの著しい進歩によって700〜1300nmの近赤外レーザー光源を容易に利用できるようになったことに伴い、該レーザー光に対応する感光性平版印刷材料が注目されている。
【0005】
光重合を利用し、かつ近赤外レーザーに対応した感光性平版印刷材料としては、例えば、特開平8−114916号、特開2000−122273号、特開2002−278080号、特開2002−283752号、特開2002−241547号、特開2004−126031号公報等に記載されている。
【0006】
一般的に知られている光重合を利用したネガ型の感光性平版印刷材料は、アクリレート系の重合性二重結合を有するモノマーあるいはポリマーの光重合反応を利用したものである。このようなアクリレート系の重合反応は、露光時における酸素の存在は露光による重合反応を著しく阻害し、十分な画像形成ができなくなるので、これを防ぐために感光層上部に酸素バリア性を高めるためにポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂からなる酸素遮断層(オーバー層)を設けることが通常行われている。例えば、特開平8−137096号、特開平9−160226号、特開平9−236911号、特開2001−166488号公報等に記載されている。上述した特許文献に記載されている近赤外レーザー用の感光性平版印刷材料も同様にオーバー層が設けられている。また、オーバー層は、感光層を保護する役目も兼ね備えている。
【0007】
しかしながら、このようなオーバー層の存在によりレーザー露光の際に光の散乱等による画質の低下の問題や、現像の際に、アルカリ現像に先立ってオーバー層除去のためのプレ水洗工程が必要となること、および製造にあたって感光層塗布後に更にオーバー層を塗布する工程が必要である等の問題があった。
【0008】
一方、特開2001−290271号(特許文献1)、特開2002−244288号公報(特許文献2)、特開2002−287340号公報(特許文献3)では、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有するモノマーあるいはポリマーの光重合反応を利用した系が記載されている。これらは上記アクリレート系と異なりオーバー層を有していなくても良く、且つ十分な画像形成をできるだけの感度を有している。そして平版印刷材料の経時安定性等の問題を解決するために、特開2002−244288号公報(特許文献2)に記載されている感光層中にヒンダートアミン系化合物を含有する方法、あるいは特開2002−287340号公報(特許文献3)に記載されている感光層中にヒンダートフェノール系化合物を含有する方法があるが、これらの平版印刷材料を高温度且つ高湿度条件下の環境にて経時させると、感光層の安定性が十分なレベルではなく、結果現像処理時に未露光部が十分に溶出されない、印刷時に地汚れを引き起こす等の問題がある。
【0009】
一方、特開2004−219690号公報(特許文献4)では、亜リン酸エステル化合物を感光性組成物に含有するロイコ染料の安定剤として用いる方法が記載されている。
【特許文献1】特開2001−290271号公報
【特許文献2】特開2002−244288号公報
【特許文献3】特開2002−287340号公報
【特許文献4】特開2004−219690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、各種レーザーに対して高い感度を有し、平版印刷材料が高温度且つ高湿度の環境下に保存されても、処理安定性が高く、印刷時に地汚れの発生しないネガ型感光性平版印刷材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
1)支持体上に、光重合性の感光層を有するネガ型感光性平版印刷材料に於いて、感光層に側鎖に重合性二重結合を有しかつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマー、有機ホウ素塩、及び分子中に亜リン酸エステル構造とフェノール構造を有する化合物を含有することを特徴とする感光性平版印刷材料。
2)前記感光層に、エチレン性不飽和化合物を含有する1)に記載の感光性平版印刷材料。
3)前記感光層に、有機ホウ素塩を380nmから1300nmの波長域において増感する増感色素を含有する1)に記載の感光性平版印刷材料。
4)前記感光層に、トリハロアルキル置換化合物を含有する1)、2)または3)のいずれかに記載の感光性平版印刷材料。
5)前記トリハロアルキル置換化合物がトリハロメチル基を有する含窒素複素環化合物またはトリハロメチルスルホニル化合物である4)に記載の感光性平版印刷材料。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ネガ型感光性平版印刷版が、各種レーザーに対して高い感度を有し、
平版印刷材料が高温度且つ高湿度の環境下に保存されても、処理安定性が高く、印刷時に地汚れの発生しない安定した印刷性能を有する事である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は光重合性の感光層を有するネガ型感光性平版印刷材料であり、該感光層には、側鎖に重合性二重結合を有しかつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマー(以後、重合性二重結合含有ポリマーと称す)、有機ホウ素塩、及び分子中に亜リン酸エステル構造とフェノール構造とを有する化合物(以後、亜リン酸エステル−フェノール化合物と称す)を含有する。
【0014】
[亜リン酸エステル−フェノール化合物]
本発明に用いられる亜リン酸エステル−フェノール化合物は、分子中に少なくとも1つ以上の亜リン酸エステル構造とフェノール構造とを有する化合物である。好ましい亜リン酸エステル−フェノール化合物は下記一般式で表される。
【0015】
【化1】

【0016】
式中、X11及びX12は、アルキル基、アリール基等であり、これらは置換基(アルキル基、アリール基等)を有していても良く、又、X11とX12は連結した構造でも良い。Yは2価の連結基であり、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。Zはフェノール構造であり、例えば4−ヒドロキシフェニル基、3−(tert−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル基、3−(tert−ブチル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル基、3、5−ジ−(tert−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル基等が挙げられる。特に好ましい亜リン酸エステル−フェノール化合物の具体例を下記に示す。
【0017】
【化2】

【0018】
【化3】

【0019】
上述したような亜リン酸エステル−フェノール化合物の含有量は、重合性二重結合含有ポリマーに対して、0.1〜20質量%の範囲が好ましく、更には0.3〜10質量%の範囲で含まれることが好ましい。又、亜リン酸エステル−フェノール化合物はヒンダートフェノール系化合物と併用して用いても良く、亜リン酸エステル−フェノール化合物とヒンダートフェノール系化合物の含有比率に制限は無いが、亜リン酸エステル−フェノール化合物に対してヒンダートフェノール系化合物が0.1〜10倍量の比率で含有するのが特に好ましい。亜リン酸エステル−フェノール化合物の作用機構は定かではないが、平版印刷材料の感光層中に何らかの要因で発生したラジカル種をフェノール構造で捕獲し、更に酸素等の影響を亜リン酸エステル構造により抑制すると推測している。
【0020】
[重合性二重結合含有ポリマー]
本発明の重合性二重結合含有ポリマーはアルカリ可溶性ポリマーであることが好ましい。この場合において共重合体組成中に含まれるカルボキシル基含有モノマーの割合として、トータル組成100重量%中に於いて5重量%以上99重量%以下であることが好ましく、これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。より好ましくは、共重合体組成中に含まれるカルボキシル基含有モノマーの割合は、トータル組成100重量%中に於いて10重量%以上80重量%以下であり、特に20重量%以上70重量%以下が好ましい。また共重合体組成中に含まれる重合性二重結合を有するモノマーの割合は、トータル組成100重量%中に於いて1重量%以上95重量%以下であることが好ましく、より好ましくは10重量%以上80重量%以下であり、特に20重量%以上75重量%以下が好ましい。
【0021】
上記のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
【0022】
重合性二重結合含有ポリマーの側鎖に重合性二重結合を導入する場合のモノマーとしては、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ビニルアクリレート、ビニルメタクリレート、1−プロペニルアクリレート、1−プロペニルメタクリレート、β−フェニルビニルメタクリレート、β−フェニルビニルアクリレート、ビニルメタクリルアミド、ビニルアクリルアミド、α−クロロビニルメタクリレート、α−クロロビニルアクリレート、β−メトキシビニルメタクリレート、β−メトキシビニルアクリレート、ビニルチオアクリレート、ビニルチオメタクリレート等が挙げられる。
【0023】
本発明に用いられる重合性二重結合含有ポリマーとして特に好ましくは、ビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマー(以後、ビニルフェニル基含有ポリマーと称す)である。ビニル基が置換したフェニル基は直接もしくは連結基を介して主鎖と結合したものであり、連結基としては特に限定されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フェニル基は置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。上記したビニルフェニル基含有ポリマーとは、更に詳細には、下記化4で表される基を側鎖に有するものである。
【0024】
【化4】

【0025】
式中、Zは連結基を表し、R22、R23及びR24は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R25は置換可能な基または原子を表す。nは0または1を表し、mは0〜4の整数を表し、kは1〜4の整数を表す。
【0026】
上記一般式について更に詳細に説明する。Zの連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R26)−、−C(O)−O−、−C(R27)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記化5で表される基等の単独もしくは2つ以上が複合した基が挙げられる。ここでR26及びR27は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0027】
【化5】

【0028】
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していても良い。化4で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
【0029】
【化6】

【0030】
【化7】

【0031】
【化8】

【0032】
【化9】

【0033】
上記化4で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R22及びR23が水素原子でR24が水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。更に、Zの連結基としては複素環を含むものが好ましく、kは1または2であるものが好ましい。
【0034】
化4で示される基を有し、かつカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として有するポリマーの例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100重量%中に於ける各繰り返し単位の重量%を表す。
【0035】
【化10】

【0036】
【化11】

【0037】
【化12】

【0038】
【化13】

【0039】
本発明の重合性二重結合含有ポリマーは、更に他のモノマーを共重合体成分として含んでもよい。他のモノマーとしては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーが挙げられる。
【0040】
本発明に係わる重合性二重結合含有ポリマーの分子量については好ましい範囲が存在し、重量平均分子量として1000から100万の範囲にあることが好ましく、さらに5000から50万の範囲にあることがさらに好ましい。
【0041】
本発明は、光重合開始剤として有機ホウ素塩が好ましく用いられる。有機ホウ素塩として、特に化1で示される有機ホウ素アニオンを有する化合物を用いることが好ましい。
【0042】
【化14】

【0043】
化14において、R31、R32、R33およびR34は各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R31、R32、R33およびR34の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
【0044】
上記の有機ホウ素アニオンは、これと塩を形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウムイオンが挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、スルホニウム、∃一ドニウムおよびホスホニウム化合物が挙げられる。アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲での感光性を付与することが行われる。
【0045】
本発明に係わる好ましい様態の一つとして、有機ホウ素塩を380nm〜1300nmの波長域に増感する増感色素とともに含む感光性組成物であり、この場合の有機ホウ素塩は可視光から赤外光の波長領域に感光性を示さず、増感色素の添加によって初めてこうした波長領域の光に感光性を示すものである。
【0046】
この場合の有機ホウ素塩としては、先に示した化14で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を以下に示す。
【0047】
【化15】

【0048】
【化16】

【0049】
感光性組成物中に於ける有機ホウ素塩の割合については好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100重量部において該有機ホウ素塩は0.1重量部から50重量部の範囲で含まれていることが好ましい。
【0050】
本発明の感光性平版印刷材料は、更にエチレン性不飽和化合物を含有するのが好ましい。これを組み合わせることによって更に高感度が実現でき、また印刷性能に優れた平版印刷版を得ることができる。
【0051】
本発明に係わるエチレン性不飽和化合物としては、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する重合性化合物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
【0052】
或いは、上記の重合性化合物に代えてラジカル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、アクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和化合物として同様に好ましく用いることが出来る。
【0053】
エチレン性不飽和化合物として、更に好ましい態様は、分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する重合性化合物が挙げられる。該化合物を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度のネガ型感光材料を作製する上で極めて好ましい。
【0054】
分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する重合性化合物は、代表的には下記一般式で表される。
【0055】
【化17】

【0056】
式中、Zは連結基を表し、R41、R42及びR43は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R44は置換可能な基または原子を表す。mは0〜4の整数を表し、kは2以上の整数を表す。
【0057】
更に詳細に説明する。Zの連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R45)−、−C(O)−O−、−C(R46)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR45及びR46、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0058】
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
【0059】
上記化17で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R41及びR42は水素原子で、R43は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、kは2〜10の化合物が好ましい。以下に化17で表される化合物の具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
【0060】
【化18】

【0061】
【化19】

【0062】
【化20】

【0063】
上記のようなエチレン性不飽和化合物が感光性組成物中に占める割合に関しては好ましい範囲が存在し、全感光性組成物100重量部中においてエチレン性不飽和化合物は1重量部から60重量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5重量部から50重量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
【0064】
本発明に係わる増感色素については、380nm〜1300nmの波長域において光重合開始剤の分解を増感するものであり、種々のカチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミン、およびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。さらには近年380〜410nmの範囲に発振波長を有するバイオレット半導体レーザーを搭載した出力機(プレートセッター)が開発されている。この出力機に対応する高感度である感光系としては増感色素としてピリリウム系化合物やチオピリリウム系化合物を含む系が好ましい。本発明に関わる好ましい増感色素の例を以下に示す。
【0065】
【化21】

【0066】
【化22】

【0067】
【化23】

【0068】
【化24】

【0069】
【化25】

【0070】
【化26】

【0071】
上記の増感色素の内で、特に本発明の課題の一つである750nm以上の近赤外から赤外光の波長領域の光に感光性を持たせる系に於いては、増感色素としてこうした波長領域に吸収を有することが必要であり、こうした目的で使用される特に好ましい例を以下に示す。
【0072】
【化27】

【0073】
【化28】

【0074】
上記のような増感色素と光重合開始剤との量的な比率に於いて好ましい範囲が存在する。増感色素1重量部に対して光重合開始剤は0.01重量部から100重量部の範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは光重合開始剤が0.1重量部から50重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0075】
本発明の感光性組成物は、光重合開始剤として上記有機ホウ素塩とともにトリハロアルキル置換化合物を組み合わせて用いるのが好ましい。これらを併用することによって更なる高感度化が実現できる。ここで言うトリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
【0076】
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
【0077】
【化29】

【0078】
【化30】

【0079】
上記したトリハロアルキル置換化合物を併用する場合、有機ホウ素塩に対する割合としては、有機ホウ素塩1重量部に対してトリハロアルキル置換化合物は0.1重量部から50重量部の範囲で含まれていることが好ましい。
【0080】
上記に述べたポリマー溶液中に光重合開始剤、増感色素及びエチレン性不飽和化合物が含まれる感光性組成物に於いて、該ポリマーをマトリックスとしてこうした加剤が均一に分散されており、恐らくは加剤の酸化を防止するためと推測されるが、本発明の特徴の一つとして感光性平版印刷材料の保存安定性が格段に向上することが挙げられる。
【0081】
本発明の感光性平版印刷材料は、空気中の酸素の影響を受けることなく光照射により直ちに硬化し、現像液に不溶性となることから、感光層上にオーバー層を設ける必要が無く、また露光後に何ら加熱処理を行うこと無く、良好に現像および印刷を行うことが出来るという利点も併せ持つ。
【0082】
感光性平版印刷材料を構成する他の要素として重合禁止剤の添加も好ましく行うことが出来る。例えば、キノン類、フェノール系などの化合物が好ましく使用され、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、カテコール、t−ブチルカテコール、2−ナフトール等のキノン系及びフェノール系化合物、特開平6−161097号、特開平10−260529号公報等に記載のN−ニトロソフェニルヒドロキシアミン塩(例えば、セリウム、アルミニウム、アンモニウム等の塩)等が挙げられる。これらの重合禁止剤と先に述べたエチレン性不飽和化合物との好ましい割合は、エチレン性不飽和化合物1重量部に対して0.001から0.1重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0083】
感光性平版印刷材料を構成する他の要素として着色剤の添加も好ましく行うことが出来る。着色剤としては露光および現像処理後に於いて画像部の視認性を高める目的で使用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素および顔料を使用することが出来、バインダー1重量部に対して0.005重量部から0.5重量部の範囲で好ましく添加することが出来る。
【0084】
感光性平版印刷材料を構成する要素については上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することも出来る。例えば感光性平版印刷材料のブロッキングを防止する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させる等の目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
【0085】
感光層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5ミクロンから10ミクロンの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1ミクロンから5ミクロンの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は上述の3つの要素を混合した溶液を作成し、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体については、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。
【0086】
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する材料を印刷版として使用するためには、これに密着露光あるいはレーザー走査露光を行い、露光された部分が架橋することでアルカリ性現像液に対する溶解性が低下することから、後述するアルカリ性現像液により未露光部を溶出することでパターン形成が行われる。
【0087】
本発明に係わるレーザー走査露光に使用する特に好ましいレーザー光源は、近赤外領域に発振波長を有するレーザーであり、各種半導体レーザー、YAGレーザーやガラスレーザー等の固体レーザーが最も好ましい。
【0088】
アルカリ性現像液としては、本発明に係わる重合体を溶解する液で有れば特に制限は無いが、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド等のようなアルカリ性化合物を溶解した水性現像液が良好に未露光部を選択的に溶解し、下方の支持体表面を露出出来るため極めて好ましい。さらには、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種アルコール類をアルカリ性現像液中に添加することも好ましく行われる。こうしたアルカリ性現像液を用いて現像処理を行った後に、アラビアゴム等を使用して通常のガム引きが好ましく行われる。
【0089】
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0090】
<感光性平版印刷版の作製>
砂目立て及び陽極酸化処理が施された厚み0.24mmのアルミニウム板上に、下記の感光層塗工液を乾燥厚みが3.5μmになるよう塗布を行い、75℃の温風にて乾燥を行い、本発明及び比較のサンプルプレートを得た。内容を表1に示す。
【0091】
<感光層塗工液処方>
重合性二重結合含有ポリマー(P−1;質量平均分子量約9万) 10質量部
有機ホウ素塩(BC−2) 2質量部
エチレン性不飽和化合物(C−5) 2質量部
増感色素(S−39) 0.4質量部
トリハロアルキル置換化合物(T−1もしくはBS−1) 1質量部
10%フタロシアニン分散液 0.5質量部
ジオキサン 70質量部
シクロヘキサノン 20質量部
亜リン酸エステル−フェノール化合物(表1に記載)
0.2質量部もしくは無し
ヒンダートフェノール系化合物(HP−1) 0.2質量部もしくは無し
【0092】
【表1】

【0093】
【化31】

【0094】
<サンプルプレートの強制加温加湿条件>
各サンプルプレートの一部を温度が40度、湿度が35%の室内(暗室)で2週間放置し、高温低湿経時サンプルを得た。一方、残りのサンプルプレートを温度が35度、湿度が80%に調節された室内(暗室)に2週間放置し、高温高湿経時サンプルを得た。
【0095】
<レーザー露光>
上記の強制経時サンプルを、830nm半導体レーザーを搭載した外面ドラム方式プレートセッター、大日本スクリーン製造株式会社製PT−R4000を使用して、ドラム回転速度1000rpm解像度2400dpi、レーザー照射エネルギー100mJ/cmの条件で露光を行った。
【0096】
<現像処理>
露光後に自動現像機として大日本スクリーン製造株式会社製PS版用自動現像機PD−1310を使用し、下記現像液を使用して現像処理(現像液温度30℃15秒処理)を行い、続いて下記処方のガム液を塗布し、ネガ型の平版印刷版を得た。
【0097】
<現像液>
35%アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
(花王(株)社製界面活性剤) 30g
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド 60g
リン酸 10g
N−エチルモノエタノールアミン 35g
EDTA2Na 1g
水で 1L
<ガム液>
リン酸1カリ 5g
アラビアガム 25g
デヒドロ酢酸 0.5g
EDTA2Na 1g
水で 1L
【0098】
<印刷版評価方法>
上記現像処理で得られた平版印刷版を目視もしくは顕微鏡(倍率50倍)で観察し、非画像部(未露光部)の残膜の度合いを以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
4:非画像部に全く残膜が無い
3:非画像部の僅かな部分に残膜が存在する(目視では確認できないが顕微鏡では確認できる)
2:非画像部の一部に残膜が存在する(目視で確認できる)
1:非画像部に明らかに残膜が存在する
【0099】
<印刷試験>
上記現像処理で得られた平版印刷版を、印刷機リョービ560に装着し、給湿液として10%イソプロピルアルコール水溶液、インキとして大日本インキ化学工業製Fグロス紫(ソフトタイプ)を用いて印刷を行い、50000枚目の印刷物を白色コート紙にサンプリングした。印刷時の条件は室内温度が22℃、室内湿度が45%であった。
【0100】
<印刷物評価方法>
印刷物の非画像部の地汚れを目視もしくは顕微鏡(倍率50倍)で観察し、以下の基準で評価した。
4:印刷物に全く地汚れが無い
3:印刷物の僅かな部分に地汚れが存在する(目視では確認できないが顕微鏡では確認できる)
2:印刷物の一部に地汚れが存在する(目視で確認できる)
1:印刷物に明らかに地汚れが存在する
尚、全てのサンプルの印刷物に於いて、画像部の欠落や欠損は無かった。
【0101】
【表2】

【0102】
比較の平版印刷材料は高温度且つ高湿度の環境下で保存された場合、処理安定性が悪化し、又印刷物にも地汚れが発生するが、本発明の平版印刷材料は処理安定性及び印刷時の地汚れの両項目に於いて全く問題が無い事が判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に、光重合性の感光層を有するネガ型感光性平版印刷材料に於いて、感光層に側鎖に重合性二重結合を有しかつカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として有するポリマー、有機ホウ素塩、及び分子中に亜リン酸エステル構造とフェノール構造とを有する化合物を含有することを特徴とする感光性平版印刷材料。
【請求項2】
前記感光層に、エチレン性不飽和化合物を含有する請求項1に記載の感光性平版印刷材料。
【請求項3】
前記感光層に、有機ホウ素塩を380nmから1300nmの波長域において増感する増感色素を含有する請求項1に記載の感光性平版印刷材料。
【請求項4】
前記感光層に、トリハロアルキル置換化合物を含有する請求項1、2または3のいずれかに記載の感光性平版印刷材料。
【請求項5】
前記トリハロアルキル置換化合物がトリハロメチル基を有する含窒素複素環化合物またはトリハロメチルスルホニル化合物である請求項4に記載の感光性平版印刷材料。

【公開番号】特開2007−155988(P2007−155988A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−349193(P2005−349193)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】