説明

ハイブリッド建設機械の制御装置

【課題】 小容量の電動モータMGを用いて、アクチュエータを短時間作動させるときには、電動モータを、定格容量を超えた範囲で回転させ、連続作動時間が長いときには、電動モータを定格容量以下で回転させる。
【解決手段】 コントローラCは、当該アクチュエータの作業時間が設定時間内にあるかどうかを判定する。そして、設定時間内にあると判定したときには、コントローラCは電動モータMGが定格容量を超えた範囲で回転する高出力設定にする。また、アクチュエータの作動時間が設定時間を超えているときには、コントローラCは電動モータが定格容量以下で回転する低出力設定にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばパワーショベル等の建設機械の駆動源を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械には、相対的に小容量の電動モータを用いるとともに、アクチュエータを作動させるときに、当該電動モータを定格容量以上で使用するのが通常である。このように、わざわざ小容量の電動モータを使用して、それを定格容量以上で使用するのは、次の理由からである。すなわち、電動モータが小容量になれば、その分、コストメリットが大きくなるとともに、建設機械のアクチュエータ、例えば、バケットシリンダ、アームシリンダ、ブームシリンダあるいは旋回モータ等は、その連続作動時間が数秒と非常に短いので、電動モータを定格容量以上で駆動しても焼損等の問題がほとんど発生しないということに基因している。
【特許文献1】特開2002−275945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように建設機械に相対的に小容量の電動モータを搭載してアクチュエータを短時間作動させる分には問題がないが、アクチュエータをある程度長時間作動させようとしたときには、次のような問題が発生する。例えば、走行モータを駆動して当該建設機械を移動させる場合に、その距離が長くなればなるほど、走行モータを連続運転させなければならないが、このような状況で電動モータを定格容量以上で長時間使用していると、電動モータが焼損してしまう。また、焼損を免れたとしても、長時間の連続運転によって消費電力が大きくなるので、移動先でバッテリーが不足して、アクチュエータを作動させることができなくなる。
この発明の目的は、アクチュエータを長時間作動させるときに、電動モータの出力を変化させて、電動モータの焼損やバッテリー不足などを防止できるハイブリッド建設機械の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の発明は、可変容量型のメインポンプと、このメインポンプに接続するとともにアクチュエータを制御するための複数の操作弁と、これら操作弁の切換状況を検出する操作状況検出手段を設けた回路系統とを備えたハイブリッド建設機械の制御装置を前提にする。そして、可変容量型のサブポンプと、このサブポンプの傾転角を制御する傾角制御器と、上記サブポンプの駆動源である電動モータと、上記サブポンプに接続するとともにメインポンプの吐出側に連通する合流通路と、アシスト制御を必要とするか否かの信号を入力するアシスト制御用入力手段と、タイマーと、上記サブポンプの傾転角および電動モータの回転数を制御するコントローラとを備えている。さらに、このコントローラは、上記操作状況検出手段からの信号に基づいて操作弁が切り換えられた状況にあると判定したとき、タイマーからの信号をもとにしてアクチュエータの作動時間が設定時間内にあるかどうかを判定する機能と、アクチュエータの作動時間が設定時間を超えたとき、電動モータの回転数あるいはサブポンプの傾転角のいずれか一方もしくは双方を、設定時間内にあるときよりも相対的に低い出力設定値に基づいて制御する機能とを備えている。
【0005】
第2の発明は、コントローラが、アクチュエータの作動時間が設定時間内にあると判定したとき、電動モータの回転数あるいはサブポンプの傾転角のいずれか一方もしくは双方を、走行モード時よりも相対的に高い出力設定値に基づいて制御する機能を備えている。
第3の発明は、アシスト制御用入力手段を設け、コントローラは、アクチュエータの作動時間が設定時間を超えたときであって、上記アシスト制御用入力手段からアシスト不要の信号が入力したとき、電動モータの回転数あるいはサブポンプの傾転角のいずれか一方もしくは双方をゼロ設定にする機能とを備えている。
第4の発明は、ハイパワー設定入力手段を設け、コントローラは、アクチュエータの作動時間が設定時間を超えたとき、ハイパワー設定入力手段からの信号が入力したときその入力信号に応じて、電動モータの回転数あるいはサブポンプの傾転角のいずれか一方もしくは双方を、相対的に高い出力設定値に基づいて制御する機能を備えている。
【発明の効果】
【0006】
第1の発明によれば、アクチュエータを長時間作動させるときには、電動モータを低出力で作動させられるので、当該アクチュエータを長時間作動させても電動モータが焼損したり、あるいはバッテリー不足が生じたりしない。
第2の発明によれば、アクチュエータを短時間で作動させるときには、従来と同様に最大定格容量の近傍で電動モータを作動させられるので、パワー不足になることはない。
第3の発明によれば、アクチュエータを長時間作動させるときでも、アシスト不要の信号が入力すれば、アシスト力をゼロに設定できるので、無駄なエネルギーを消費しなくてすむ。
第4の発明によれば、ハイパワー設定入力手段からの信号入力によって、長時間作動時にも高出力設定ができるので、例えば、走行中にぬかるみにはまったりしたときにも、そこから容易に脱出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1に示した実施形態は、パワーショベルの制御装置で、可変容量型の第1,2メインポンプMP1,MP2を備えるとともに、第1メインポンプMP1には第1回路系統を接続し、第2メインポンプMP2には第2回路系統を接続している。
上記第1回路系統には、その上流側から順に、旋回モータRMを制御する旋回モータ用の操作弁1、図示していないアームシリンダを制御するアーム1速用の操作弁2、ブームシリンダBCを制御するブーム2速用の操作弁3、図示していない予備用アタッチメントを制御する予備用の操作弁4および図示していない左走行用である第1走行用モータを制御する第1走行モータ用操作弁5を接続している。
【0008】
上記各操作弁1〜5のそれぞれは、中立流路6およびパラレル通路7を介して第1メインポンプMP1に接続している。
上記中立流路6であって、第1走行モータ用操作弁5の下流側にはパイロット圧生成機構8を設けている。このパイロット圧生成機構8はそこを流れる流量が多ければ高いパイロット圧を生成し、その流量が少なければ低いパイロット圧を生成するものである。
また、上記中立流路6は、上記操作弁1〜5のすべてが中立位置もしくは中立位置近傍にあるとき、第1メインポンプMP1から吐出された流体の全部または一部をタンクに導くが、このときにはパイロット圧生成機構8を通過する流量も多くなるので、上記したように高いパイロット圧が生成される。
【0009】
一方、上記操作弁1〜5がフルストロークの状態で切り換えられると、中立流路6が閉ざされて流体の流通がなくなる。したがって、この場合には、パイロット圧生成機構8を流れる流量がほとんどなくなり、パイロット圧はゼロを保つことになる。
ただし、操作弁1〜5の操作量によっては、ポンプ吐出量の一部がアクチュエータに導かれ、一部が中立流路6からタンクに導かれることになるので、パイロット圧生成機構8は、中立流路6に流れる流量に応じたパイロット圧を生成する。言い換えると、パイロット圧生成機構8は、操作弁1〜5の操作量に応じたパイロット圧を生成することになる。
【0010】
そして、上記パイロット圧生成機構8にはパイロット流路9を接続するとともに、このパイロット流路9を、第1メインポンプMP1の傾転角を制御するレギュレータ10に接続している。このレギュレータ10は、パイロット圧と逆比例して第1メインポンプMP1の吐出量を制御する。したがって、操作弁1〜5をフルストロークして中立流路6の流れがゼロになったとき、言い換えるとパイロット圧生成機構8が発生するパイロット圧がゼロになったときに第1メインポンプMP1の吐出量が最大に保たれる。
反対に、上記操作弁1〜5のすべてを中立位置に保ってパイロット圧が最高になったときには第1メインポンプMP1の吐出量がスタンバイ流量になる。
【0011】
上記のようにしたパイロット流路9には第1圧力センサー11を接続するとともに、この第1圧力センサー11で検出した圧力信号をコントローラCに入力するようにしている。そして、パイロット流路9のパイロット圧は、操作弁の操作量に応じて変化するので、第1圧力センサー11が検出する圧力信号は、第1回路系統の要求流量に比例することになる。
【0012】
一方、上記第2回路系統には、その上流側から順に、図示していない右走行用である第2走行用モータを制御する第2走行モータ用操作弁12、図示していないバケットシリンダを制御するバケット用の操作弁13、ブームシリンダBCを制御するブーム1速用の操作弁14および図示していないアームシリンダを制御するアーム2速用の操作弁15を接続している。なお、上記ブーム1速用の操作弁14には、その操作方向および操作量を検出するセンサー14aを設けている。
【0013】
上記各操作弁12〜15は、中立流路16を介して第2メインポンプMP2に接続するとともに、バケット用の操作弁13およびブーム1速用の操作弁14はパラレル通路17を介して第2メインポンプMP2に接続している。
上記中立流路16であって、アーム2速用の操作弁15の下流側にはパイロット圧生成機構18を設けているが、このパイロット圧生成機構18は、先に説明したパイロット圧生成機構8と全く同様に機能するものである。
【0014】
そして、上記パイロット圧生成機構18にはパイロット流路19を接続するとともに、このパイロット流路19を、第2メインポンプMP2の傾転角を制御するレギュレータ20に接続している。このレギュレータ20は、パイロット圧と逆比例して第2メインポンプMP2の吐出量を制御する。したがって、操作弁12〜15をフルストロークして中立流路16の流れがゼロになったとき、言い換えるとパイロット圧生成機構18が発生するパイロット圧がゼロになったとき、第2メインポンプMP2の吐出量が最大に保たれる。
反対に、上記操作弁12〜15のすべてを中立位置に保ってパイロット圧が最高になったときには第2メインポンプMP2の吐出量がスタンバイ流量になる。
上記のようにしたパイロット流路19には第2圧力センサー21を接続するとともに、この第2圧力センサー21で検出した圧力信号をコントローラCに入力するようにしている。そして、パイロット流路19のパイロット圧は、操作弁の操作量に応じて変化するので、第2圧力センサー21が検出する圧力信号は、第2回路系統の要求流量に比例することになる。
なお、上記パイロット圧生成機構8,18、パイロット流路9,19および圧力センサー11,21が相まって、この発明における操作弁の切換状況を検出する操作状況検出手段を構成するものである。ただし、この発明における操作状況検出手段は、例えば、個々の操作弁の操作レバーの操作位置を検出するセンサーで構成してもよい。
【0015】
上記のようにした第1,2メインポンプMP1,MP2は、一つのエンジンEの駆動力で同軸回転するものである。このエンジンEにはジェネレータ22を設け、エンジンEの余剰出力でジェネレータ22を回して発電できるようにしている。そして、ジェネレータ22が発電した電力は、バッテリーチャージャー23を介してバッテリー24に充電される。
なお、上記バッテリーチャージャー23は、通常の家庭用の電源25に接続した場合にも、バッテリー24に電力を充電できるようにしている。つまり、このバッテリーチャージャー23は、当該装置とは別の独立系電源にも接続可能にしたものである。
【0016】
また、第1回路系統に接続した旋回モータ用の操作弁1のアクチュエータポートには、旋回モータRMに連通する通路26,27を接続するとともに、両通路26,27のそれぞれにはブレーキ弁28,29を接続している。そして、旋回モータ用の操作弁1を図示の中立位置に保っているときには、上記アクチュエータポートが閉じられて旋回モータRMは停止状態を維持する。
上記の状態から旋回モータ用の操作弁1を例えば図面右側位置に切り換えると、一方の通路26が第1メインポンプMP1に接続され、他方の通路27がタンクに連通する。したがって、通路26から圧力流体が供給されて旋回モータRMが回転するとともに、旋回モータRMからの戻り流体が通路27を介してタンクに戻される。
旋回モータ用の操作弁1を上記とは逆に左側位置に切り換えると、今度は、通路27にポンプ吐出流体が供給され、通路26がタンクに連通し、旋回モータRMは逆転することになる。
【0017】
上記のように旋回モータRMを駆動しているときには、上記ブレーキ弁28あるいは29がリリーフ弁の機能を発揮し、通路26,27が設定圧以上になったとき、ブレーキ弁28,29が開弁して高圧側の流体を低圧側に導く。また、旋回モータRMを回転している状態で、旋回モータ用の操作弁1を中立位置に戻せば、当該操作弁1のアクチュエータポートが閉じられる。このように操作弁1のアクチュエータポートが閉じられても、旋回モータRMはその慣性エネルギーで回転し続けるが、旋回モータRMが慣性エネルギーで回転することによって、当該旋回モータRMがポンプ作用をする。この時には、通路26,27、旋回モータRM、ブレーキ弁28あるいは29で閉回路が構成されるとともに、ブレーキ弁28あるいは29によって、上記慣性エネルギーが熱エネルギーに変換されることになる。
【0018】
一方、ブーム1速用の操作弁14を中立位置から図面右側位置に切り換えると、第2メインポンプMP2からの圧力流体は、通路30を経由してブームシリンダBCのピストン側室31に供給されるとともに、そのロッド側室32からの戻り流体は通路33を経由してタンクに戻され、ブームシリンダBCは伸長することになる。
反対に、ブーム1速用の操作弁14を図面左側位置に切り換えると、第2メインポンプMP2からの圧力流体は、通路33を経由してブームシリンダBCのロッド側室32に供給されるとともに、そのピストン側室31からの戻り流体は通路30を経由してタンクに戻され、ブームシリンダBCは収縮することになる。なお、ブーム2速用の操作弁3は、上記ブーム1速用の操作弁14と連動して切り換るものである。
上記のようにしたブームシリンダBCのピストン側室31とブーム1速用の操作弁14とを結ぶ通路30には、コントローラCで開度が制御される比例電磁弁34を設けている。なお、この比例電磁弁34はそのノーマル状態で全開位置を保つようにしている。
【0019】
次に、第1,2メインポンプMP1,MP2の出力をアシストする可変容量型のサブポンプSPについて説明する。
上記可変容量型のサブポンプSPは、発電機兼用の電動モータMGの駆動力で回転するが、この電動モータMGの駆動力によって、可変容量型のアシストモータAMも同軸回転する構成にしている。そして、上記電動モータMGにはインバータIを接続するとともに、このインバータIをコントローラCに接続して、このコントローラCで電動モータMGの回転数等を制御できるようにしている。
また、上記のようにしたサブポンプSPおよびアシストモータAMの傾転角は傾角制御器35,36で制御されるが、この傾角制御器35,36は、コントローラCの出力信号で制御されるものである。
【0020】
上記サブポンプSPには吐出通路37を接続しているが、この吐出通路37は、第1メインポンプMP1の吐出側に合流する第1合流通路38と、第2メインポンプMP2の吐出側に合流する第2合流通路39とに分岐するとともに、これら第1,2合流通路38,39のそれぞれには、コントローラCの出力信号で開度が制御される第1,2比例電磁絞り弁40,41を設けている。
【0021】
一方、アシストモータAMには接続用通路42を接続しているが、この接続用通路42は、導入通路43およびチェック弁44,45を介して、旋回モータRMに接続した通路26,27に接続している。しかも、上記導入通路43にはコントローラCで開閉制御される電磁切換弁46を設けるとともに、この電磁切換弁46とチェック弁44,45との間に、旋回モータRMの旋回時の圧力あるいはブレーキ時の圧力を検出する圧力センサー47を設け、この圧力センサー47の圧力信号をコントローラCに入力するようにしている。
【0022】
また、導入通路43であって、旋回モータRMから接続用通路42への流れに対して、上記電磁切換弁46よりも下流側となる位置には、安全弁48を設けているが、この安全弁48は、例えば接続用通路42の系統に故障が生じたとき、通路26,27の圧力を維持して旋回モータRMがいわゆる逸走するのを防止するものである。
そして、上記ブームシリンダBCと上記比例電磁弁34との間には、接続用通路42に連通する導入通路43を設けるとともに、この導入通路43にはコントローラCで制御される電磁開閉弁50を設けている。
【0023】
さらに、上記コントローラCには、アシスト設定入力手段AIとハイパワー設定入力手段HIとを接続している。上記アシスト設定入力手段AIは、オペレータがアシストを必要とすると判断したときに自らオンの操作をするものである。また、ハイパワー設定入力手段HIは、同じくオペレータがオンオフを決めるもので、例えば当該建設機械をぬかるみから脱出させるためにハイパワーを必要とすると判断したとき、オペレータがオンの操作をするものである。
【0024】
一方、上記第1,2圧力センサー11,21からコントローラCに相対的に高い圧力信号が入力すると、コントローラCは、第1,2メインポンプMP1,MP2が最小吐出量を維持しているものと判定して傾角制御器35,36を制御し、サブポンプSPおよびアシストモータAMの傾転角をゼロもしくは最小にする。
なお、コントローラCが、上記のように第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出量が最小である旨の信号を受信したとき、コントローラCが電動モータMGの回転を停止してもよいし、その回転を継続させてもよい。
【0025】
電動モータMGの回転を止める場合には、消費電力を節約できるという効果があり、電動モータMGを回転し続けた場合には、サブポンプSPおよびアシストモータAMも回転し続けるので、当該サブポンプSPおよびアシストモータAMの起動時のショックを少なくできるという効果がある。いずれにしても、電動モータMGを止めるかあるいは回転し続けるかは、当該建設機械の用途や使用状況に応じて決めればよい。
【0026】
上記の状況で第1回路系統あるいは第2回路系統のいずれかの操作弁を切り換えれば、その操作量に応じて中立流路6あるいは16を流れる流量が少なくなり、それにともなってパイロット圧生成機構8あるいは18で生成されるパイロット圧が低くなる。このようにパイロット圧が低くなれば、それにともなって第1メインポンプMP1あるいは第2メインポンプMP2は、その傾転角を大きくして吐出量を増大させる。
したがって、パイロット流路9あるいは19のパイロット圧に応じて、第1,2回路系統の要求流量が決まることになる。例えば、パイロット圧が高ければ高いほど、当該回路系統の要求流量が少なく、パイロット圧が低ければ低いほど、当該回路系統の要求流量が多くなる。
【0027】
次に、コントローラCの機能を、図2のフローチャート図に基づいて説明するが、このコントローラCにはタイマーが内蔵されている。
コントローラCは、上記のように第1,2圧力センサー11,21からの信号を読み込む(ステップS1)とともに、このパイロット圧信号によって操作弁1〜5,12〜15が中立位置にあるか切換位置にあるかを判定する(ステップS2)。そして、操作弁1〜5,12〜15が切換位置にあれば、コントローラCは、タイマーを動作させて、アクチュエータの作動時間をカウントするとともに、上記パイロット圧信号に応じて第1,2回路系統の要求流量の按分比を演算する(ステップS3)。
なお、操作弁1〜5,12〜15が中立位置にあれば、コントローラCは、タイマーをリセットして、次に説明するステップ5に移行する(ステップ4)。
【0028】
次に、コントローラCは、アクチュエータの作動時間が設定時間をオーバーしているかいないかを判定する(ステップS5)とともに、作動時間が設定時間内にあるときには、コントローラCは、当該電動モータMGを、高出力設定の範囲内で、しかも定格容量を超えたところで回転させられるように、当該電動モータMGのパワー制御値およびトルク制御値を設定する(ステップS6,S7)。ただし、このときの上記パワー制御値およびトルク制御値のそれぞれは、あらかじめ設定されているものである。さらに、コントローラCは、ステップS3で演算した按分比に基づいて、第1,2回路系統に対する分流値を設定する(ステップS8)。
【0029】
そして、コントローラCは、高出力設定のパワー制御値およびトルク制御値を保ちながら、最も合理的な、電動モータMGの回転数およびサブポンプSPの傾転角を演算するとともに、その演算された回転数および傾転角で電動モータMGの回転数およびサブポンプSPの傾転角を制御するとともに、コントローラCは、第1,2比例電磁絞り弁40,41の開度を制御して、第1,2回路系統に対してサブポンプSPの吐出量を按分して供給できるようにする(ステップS9)。
【0030】
上記のようにアクチュエータの作動時間が設定時間内にあるときは、高出力設定のパワー制御値とトルク制御値をもとにして電動モータMGを、定格容量を超えたところで回転させるが、サブポンプSPの負荷が大きくなったときには、コントローラCは、例えば、サブポンプSPの傾転角を小さくして、上記高出力設定の範囲内で、パワー制御値とトルク制御値を維持する制御をする。反対に、サブポンプSPの負荷が小さくなれば、コントローラCは、例えば、サブポンプSPの傾転角を大きくするか、電動モータMGの回転数を上げるか、あるいはそれら傾転角と回転数との両方を同時に制御するかして、上記高出力設定の範囲内でパワー制御値とトルク制御値を維持する制御をする。
【0031】
一方、アクチュエータの上記作動時間が設定時間を超えているときには、コントローラCは、ステップS5からステップS10に移行してアシスト制御を必要とするか否かを、オペレータがアシスト設定入力手段AIをオンにしたかどうかで判定する。
オペレータがアシスト設定入力手段AIをオンにしていなければ、コントローラCは、アシストを必要としていないものと判定し、ステップS11に移行してアシストゼロの設定をする。アシストゼロの設定をした時には、コントローラCは、ステップS9において、例えば、サブポンプSPの傾転角をゼロにするか、あるいは電動モータMGの回転数をゼロにする。したがって、無駄なエネルギーを消費しなくてすむ。
【0032】
また、オペレータがアシスト設定入力手段AIをオンにしたときには、コントローラCは、ステップS12に移行して、大きなパワーを必要としているか否かを、オペレータがハイパワー設定入力手段HIをオンにしたかどうかで判定する。
大きなパワーを必要ないとオペレータが判断し、ハイパワー設定入力手段HIをオンにしなければ、コントローラCは、ステップS13およびS14に移行して、パワー制御値およびトルク制御値を低出力設定にする。つまり、電動モータMGを長時間連続回転しても、当該電動モータMGが焼損などしないようにするとともに、その制御値のもとでステップS8およびS9に移行して、電動モータMGの回転数やサブポンプSPの傾転角を制御する。
【0033】
さらに、上記ステップS12において、当該建設機械が、例えば、ぬかるみなどにはまって、走行モータに一時的に大きなパワーを必要するとオペレータが判断し、ハイパワー設定入力手段HIをオンにしたときには、コントローラCは、ステップS15およびS16に移行して、パワー制御値およびトルク制御値を高出力設定にする。つまり、電動モータMGを、高出力設定の範囲内で、一時的に定格容量を超えて回転させられる値にして、上記走行モータの出力を大きくし、当該建設機械がぬかるみなどから脱出できるようにする。
そして、ステップ16以降は、上記したのと同様に、コントローラCがステップ8およびステップ9を実行することになる。
【0034】
上記のようにしたこの実施形態によれば、アクチュエータの作動時間が設定時間内にあるとき、すなわち作動時間が短いときには、電動モータMGを、高出力設定の範囲内で定格容量を超えたところで利用できるので、相対的に小さな容量の電動モータを利用することができ、その分、コストダウンを図ることができる。
一方、当該アクチュエータを長時間作動させるときには、低出力設定にできるので、長時間連続運転したとしても当該電動モータが焼損したりしないし、その過程での消費電力を少なくすることができる。
【0035】
しかし、当該アクチュエータを長時間作動させているときであっても、当該建設機械を、例えばぬかるみから脱出させなければならないときには、オペレータの判断で高出力設定に切り替えることができる。このように高出力を必要とするときに、パワー不足になったりしない。
しかも、上記のような制御をするのにタイマーを備えるだけで足りるので、特別なセンサーが必要なくなり、その分、コストダウンを図ることができる。
上記タイマーは、コントローラCに内蔵してもよいし、コントローラCとは別に設けてもよい。
【0036】
次には、旋回モータRMの旋回時またはブレーキ時の流体を利用したり、あるいはブームシリンダBCの戻り流体を用いてアシストモータAMを機能させたりする場合について説明する。
例えば、旋回モータ用の操作弁1を中立位置から切り換えると、前記したように通路26,27のいずれか一方が第1メインポンプMP1に接続し、いずれか他方がタンクに接続される。そして、このときの旋回圧は、ブレーキ弁28,29の設定圧に保たれる。
また、旋回モータRMが旋回している最中に旋回モータ用の操作弁1を中立位置に切り換えると、前記したように通路26,27間で閉回路が構成されるとともに、ブレーキ弁28あるいは29が当該閉回路のブレーキ圧を維持して、慣性エネルギーを熱エネルギーに変換する。
そして、圧力センサー47は上記旋回圧あるいはブレーキ圧を検出するとともに、その圧力信号をコントローラCに入力する。コントローラCは、旋回モータRMの旋回あるいはブレーキ動作に影響を及ぼさない範囲内であって、ブレーキ弁28,29の設定圧よりも少し低い圧力を検出したとき、電磁切換弁46を閉位置から開位置に切り換える。このように電磁切換弁46が開位置に切り換れば、旋回モータRMに導かれた圧力流体は、導入通路43に流れるとともに安全弁48および接続用通路42を経由してアシストモータAMに供給される。
【0037】
このときコントローラCは、圧力センサー47からの圧力信号に応じて、アシストモータAMの傾転角を制御するが、それは次のとおりである。
すなわち、通路26あるいは27の圧力は、旋回動作あるいはブレーキ動作に必要な圧力に保たれていなければ、旋回モータRMを旋回させたり、あるいはブレーキをかけたりできなくなる。
そこで、上記通路26あるいは27の圧力を、上記旋回圧あるいはブレーキ圧に保つために、コントローラCはアシストモータAMの傾転角を制御しながら、この旋回モータRMの負荷を制御するようにしている。つまり、コントローラCは、圧力センサー47で検出される圧力が上記旋回モータRMの旋回圧あるいはブレーキ圧とほぼ等しくなるように、アシストモータAMの傾転角すなわちその負荷を制御する。
【0038】
上記のようにしてアシストモータAMが回転力を得れば、その回転力は、同軸回転する電動モータMGに作用するが、このアシストモータAMの回転力は、電動モータMGに対するアシスト力として作用する。したがって、アシストモータAMの回転力の分だけ、電動モータMGの消費電力を少なくすることができる。
また、上記アシストモータAMの回転力でサブポンプSPの回転力をアシストすることもできるが、このときには、アシストモータAMとサブポンプSPとが相まって圧力変換機能を発揮する。
【0039】
つまり、接続用通路42に流入する流体圧はポンプ吐出圧よりも低いことが多い。この低い圧力を利用して、サブポンプSPに高い吐出圧を維持させるために、アシストモータAMおよびサブポンプSPによって増圧機能を発揮させるようにしている。
すなわち、上記アシストモータAMの出力は、1回転当たりの押しのけ容積Qとそのときの圧力Pの積で決まる。また、サブポンプSPの出力は1回転当たりの押しのけ容積Qと吐出圧Pの積で決まる。そして、この実施形態では、アシストモータAMとサブポンプSPとが同軸回転するので、Q×P=Q×Pが成立しなければならない。そこで、例えば、アシストモータAMの上記押しのけ容積Qを上記サブポンプSPの押しのけ容積Qの3倍すなわちQ=3Qにしたとすれば、上記等式が3Q×P=Q×Pとなる。この式から両辺をQで割れば、3P=Pが成り立つ。
【0040】
したがって、サブポンプSPの傾転角を変えて、上記押しのけ容積Qを制御すれば、アシストモータAMの出力で、サブポンプSPに所定の吐出圧を維持させることができる。言い換えると、旋回モータRMからの流体圧を増圧してサブポンプSPから吐出させることができる。
ただし、アシストモータAMの傾転角は、上記したように通路26,27の圧力を旋回圧あるいはブレーキ圧に保つように制御される。したがって、旋回モータRMからの流体を利用する場合には、アシストモータAMの傾転角は必然的に決められることになる。このようにアシストモータAMの傾転角が決められた中で、上記した圧力変換機能を発揮させるためには、サブポンプSPの傾転角を制御することになる。
【0041】
なお、上記導入通路43の系統の圧力が何らかの原因で、旋回圧あるいはブレーキ圧よりも低くなったときには、圧力センサー47からの圧力信号に基づいてコントローラCは、電磁切換弁46を閉じて、旋回モータRMに影響を及ぼさないようにする。
また、接続用通路42に流体の漏れが生じたときには、安全弁48が機能して通路26,27の圧力が必要以上に低くならないようにして、旋回モータRMの逸走を防止する。
【0042】
次に、ブーム1速用の操作弁14およびそれに連動して第1回路系統のブーム2速用の操作弁3を切り換えて、ブームシリンダBCを制御する場合について説明する。
ブームシリンダBCを作動させるために、ブーム1速用の操作弁14およびそれに連動するブーム2速用の操作弁3を切り換えると、センサー14aによって、上記操作弁14の操作方向とその操作量が検出されるとともに、その操作信号がコントローラCに入力される。
【0043】
上記センサー14aの操作信号に応じて、コントローラCは、オペレータがブームシリンダBCを上昇させようとしているのか、あるいは下降させようとしているのかを判定する。ブームシリンダBCを上昇させるための信号がコントローラCに入力すれば、コントローラCは比例電磁弁34をノーマル状態に保つ。言い換えると、比例電磁弁34を全開位置に保つ。このときには、サブポンプSPから所定の吐出量が確保されるように、コントローラCは、電磁開閉弁50を図示の閉位置に保つとともに、電動モータMGの回転数やサブポンプSPの傾転角を制御する。
【0044】
一方、ブームシリンダBCを下降させる信号が上記センサー14aからコントローラCに入力すると、コントローラCは、操作弁14の操作量に応じて、オペレータが求めているブームシリンダBCの下降速度を演算するとともに、比例電磁弁34を閉じて、電磁開閉弁50を開位置に切り換える。
上記のように比例電磁弁34を閉じて電磁開閉弁50を開位置に切り換えれば、ブームシリンダBCの戻り流体の全量がアシストモータAMに供給される。しかし、アシストモータAMで消費する流量が、オペレータが求めた下降速度を維持するために必要な流量よりも少なければ、ブームシリンダBCはオペレータが求めた下降速度を維持できない。このようなときには、コントローラCは、上記操作弁14の操作量、アシストモータAMの傾転角や電動モータMGの回転数などをもとにして、アシストモータAMが消費する流量以上の流量をタンクに戻すように比例電磁弁34の開度を制御し、オペレータが求めるブームシリンダBCの下降速度を維持する。
【0045】
一方、アシストモータAMに流体が供給されると、アシストモータAMが回転するとともに、その回転力は、同軸回転する電動モータMGに作用するが、このアシストモータAMの回転力は、電動モータMGに対するアシスト力として作用する。したがって、アシストモータAMの回転力の分だけ、消費電力を少なくすることができる。
一方、電動モータMGに対して電力を供給せず、上記アシストモータAMの回転力だけで、サブポンプSPを回転させることもできるが、このときには、アシストモータAMおよびサブポンプSPが、上記したのと同様にして圧力変換機能を発揮する。
【0046】
次に、旋回モータRMの旋回作動とブームシリンダBCの下降作動とを同時に行う場合について説明する。
上記のように旋回モータRMを旋回させながら、ブームシリンダBCを下降させるときには、旋回モータRMからの流体と、ブームシリンダBCからの戻り流体とが、接続用通路42で合流してアシストモータAMに供給される。
【0047】
このとき、接続用通路42の圧力が上昇すれば、それにともなって導入通路43側の圧力も上昇するが、その圧力が旋回モータRMの旋回圧あるいはブレーキ圧よりも高くなったとしても、チェック弁44,45があるので、旋回モータRMには影響を及ぼさない。
また、前記したように接続用通路42側の圧力が旋回圧あるいはブレーキ圧よりも低くなれば、コントローラCは、圧力センサー47からの圧力信号に基づいて電磁切換弁46を閉じる。
【0048】
したがって、旋回モータRMの旋回動作とブームシリンダBCの下降動作とを上記のように同時に行うときには、上記旋回圧あるいはブレーキ圧にかかわりなく、ブームシリンダBCの必要下降速度を基準にしてアシストモータAMの傾転角を決めればよい。
いずれにしても、アシストモータAMの出力で、サブポンプSPの出力をアシストできるとともに、サブポンプSPから吐出された流量を、第1,2比例電磁絞り弁40,41で按分して、第1,2回路系統に供給することができる。
【0049】
一方、アシストモータAMを駆動源として電動モータMGを発電機として使用するときには、サブポンプSPの傾転角をゼロにしてほぼ無負荷状態にし、アシストモータAMには、電動モータMGを回転させるために必要な出力を維持しておけば、アシストモータAMの出力を利用して、電動モータMGに発電機能を発揮させることができる。
【0050】
また、この実施形態では、エンジンEの出力を利用してジェネレータ22で発電したり、アシストモータAMを利用して電動モータMGに発電させたりすることができる。そして、このように発電した電力をバッテリー24に蓄電するが、この実施形態では家庭用の電源25を利用してバッテリー24に蓄電できるようにしているので、電動モータMGの電力を多岐にわたって調達することができる。
【0051】
なお、図中符号51,52は、第1,2比例電磁絞り弁40,41の下流側に設けたチェック弁で、サブポンプSPから第1,2メインポンプMP1,MP2側への流通のみを許容するものである。
上記のようにチェック弁51,52を設けるとともに、電磁切換弁46および電磁開閉弁50あるいは比例電磁弁34を設けたので、例えば、サブポンプSPおよびアシストモータAM系統が故障した場合に、第1,2メインポンプMP1,MP2系統と、サブポンプSPおよびアシストモータAM系統とを切り離すことができる。特に、電磁切換弁46,比例電磁弁34および電磁開閉弁50は、それらがノーマル状態にあるとき、図面に示すようにスプリングのバネ力で閉位置であるノーマル位置を保つとともに、上記比例電磁弁34も全開位置であるノーマル位置を保つので、電気系統が故障したとしても、上記のように第1,2メインポンプMP1,MP2系統と、サブポンプSPおよびアシストモータAM系統とを切り離すことができる。
【0052】
また、上記旋回モータRMあるいはブームシリンダBC以外の作業機系アクチュエータを作動させるときには、それに対応した操作弁を操作すればよいが、これらの操作弁を操作したときにも、パイロット流路9,19のパイロット圧に応じて、第1,2回路系統の要求流量を把握することができるので、コントローラCは、前記したように第1,2比例電磁絞り弁40,41を制御して、サブポンプSPの吐出量を按分して第1,2回路系統に供給することになる。
【0053】
しかも、旋回モータRM、ブームシリンダBCを含めた作業機系を作動させているときには、前記したように高出力設定のもとで、電動モータMGは、定格容量を超えた範囲で回転するが、コントローラCは、旋回モータRMあるいはブームシリンダBCを作動させたときにそれを検出して、アシストモータAMによるアシスト力の分だけ電動モータMGの負担を軽くする制御も可能になる。また、電動モータMGの負担を軽くするのではなく、アシストモータAMのアシスト力の分だけ、パワーアップさせてサブポンプSPの出力を上げることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施形態を示す回路図である。
【図2】コントローラの制御体系を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0055】
MP1 第1メインポンプ
MP2 第2メインポンプ
1 旋回モータ用の操作弁
2 アーム1速用の操作弁
BC ブームシリンダ
3 ブーム2速用の操作弁
4 予備用の操作弁
5 第1走行モータ用の操作弁
9 パイロット流路
10 レギュレータ
11 第1圧力センサー
C コントローラ
12 第2走行モータ用の操作弁
13 バケット用の操作弁
14 ブーム1速用の操作弁
15 アーム2速用の操作弁
19 パイロット流路
20 レギュレータ
21 第2圧力センサー
SP サブポンプ
35,36 傾角制御器
MG 発電機兼用の電動モータ
38,39 第1,2合流通路
40,41 第1,2比例電磁絞り弁
AI アシスト設定入力手段
HI ハイパワー設定入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変容量型のメインポンプと、このメインポンプに接続するとともにアクチュエータを制御するための複数の操作弁と、これら操作弁の切換状況を検出する操作状況検出手段を設けた回路系統とを備えた建設機械の制御装置において、可変容量型のサブポンプと、このサブポンプの傾転角を制御する傾角制御器と、上記サブポンプの駆動源である電動モータと、上記サブポンプに接続するとともにメインポンプの吐出側に連通する合流通路と、アシスト制御を必要とするか否かの信号を入力するアシスト制御用入力手段と、タイマーと、上記サブポンプの傾転角および電動モータの回転数を制御するコントローラとを備え、このコントローラは、上記操作状況検出手段からの信号に基づいて操作弁が切り換えられた状況にあると判定したとき、タイマーからの信号をもとにしてアクチュエータの作動時間が設定時間内にあるかどうかを判定する機能と、アクチュエータの作動時間が設定時間を超えたとき、電動モータの回転数あるいはサブポンプの傾転角のいずれか一方もしくは双方を、設定時間内にあるときよりも相対的に低い出力設定値に基づいて制御する機能とを備えたハイブリッド建設機械の制御装置。
【請求項2】
コントローラは、アクチュエータの作動時間が設定時間内にあると判定したとき、電動モータの回転数あるいはサブポンプの傾転角のいずれか一方もしくは双方を、走行モード時よりも相対的に高い出力設定値に基づいて制御する機能を備えた請求項1記載のハイブリッド建設機械の制御装置。
【請求項3】
アシスト制御用入力手段を設け、コントローラは、アクチュエータの作動時間が設定時間を超えたときであって、上記アシスト制御用入力手段からアシスト不要の信号が入力したとき、電動モータの回転数あるいはサブポンプの傾転角のいずれか一方もしくは双方をゼロ設定にする機能とを備えた請求項1又は2記載のハイブリッド建設機械の制御装置。
【請求項4】
ハイパワー設定入力手段を設け、コントローラは、アクチュエータの作動時間が設定時間を超えたとき、ハイパワー設定入力手段からの信号が入力したときその入力信号に応じて、電動モータの回転数あるいはサブポンプの傾転角のいずれか一方もしくは双方を、相対的に高い出力設定値に基づいて制御する機能を備えた請求項1又は2のいずれかに記載のハイブリッド建設機械の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−286236(P2009−286236A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140235(P2008−140235)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】