説明

パターン検査方法、フォトマスク、半導体装置の製造方法

【課題】光学的検査で検出された欠陥を、高精度で電子顕微鏡の観察視野に収めることができるパターン検査方法、フォトマスク、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態のパターン検査方法によれば、チップ領域に形成されたデバイスパターンと、チップ外領域に形成された第1のパターンと、チップ外領域に形成され第1のパターンとは異なる第2のパターンとをそれぞれ含む複数の領域が形成されたウェーハの光学的検査により、デバイスパターンの欠陥をウェーハ上での位置座標と対応づけて検出すると共に、第1のパターンとの比較から第2のパターンをウェーハ上での位置座標と対応づけて検出する。また、検出した第2のパターンの位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたときの観察結果に基づいて、デバイスパターンの欠陥の位置座標を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、パターン検査方法、フォトマスク、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェーハに形成されたパターンの欠陥検査方法として、光学式検査装置でウェーハ全体あるいは一部分を光学的に検査して欠陥の有無を確認し、その後、検出された欠陥を電子顕微鏡で高倍率に拡大して観察して、欠陥をレビューする方法が知られている。
【0003】
光学式検査装置は検出された欠陥の位置をウェーハ上での座標として取得し、この位置座標はレビュー装置(電子顕微鏡)に入力される。そして、その位置座標を基に、電子顕微鏡で欠陥が観察される。このとき、高倍率で欠陥にクローズアップする電子顕微鏡の観察視野の中に欠陥が確実に入るように、電子顕微鏡の欠陥観察においては高精度の欠陥位置座標が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−261162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態によれば、光学的検査で検出された欠陥を、高精度で電子顕微鏡の観察視野に収めることができるパターン検査方法、フォトマスク、半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のパターン検査方法によれば、チップ領域に形成されたデバイスパターンと、前記チップ領域の外側のチップ外領域に形成された第1のパターンと、前記チップ外領域に形成され、前記第1のパターンとは異なる第2のパターンと、をそれぞれ含む複数の領域が形成されたウェーハの光学的検査を行う。前記光学的検査により、前記デバイスパターンの欠陥を前記ウェーハ上での位置座標と対応づけて検出すると共に、前記第1のパターンとの比較から前記第2のパターンを前記ウェーハ上での位置座標と対応づけて検出する。また、同パターン検査方法によれば、検出した前記第2のパターンの位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたときの観察結果に基づいて、前記デバイスパターンの欠陥の位置座標を補正する。また、同パターン検査方法によれば、補正された前記欠陥の位置座標に前記電子顕微鏡の観察視野を合わせて前記欠陥を観察する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態の半導体装置の製造方法のフローチャート。
【図2】(a)は実施形態のフォトマスクの模式平面図であり、(b)〜(d)はそのフォトマスクのチップ外領域に形成されたパターンの平面図。
【図3】(a)はフォトマスクのチップ領域に形成されたパターンの平面図であり、(b)はウェーハのチップ領域に形成された欠陥を含むパターンの平面図。
【図4】ウェーハの模式平面図。
【図5】(a)は、実施形態のウェーハ面内の1ショットの露光フィールドの模式平面図であり、(b)〜(d)は、その露光フィールドのチップ外領域に形成されたパターンの平面図。
【図6】ウェーハにパターンを形成する工程の模式断面図。
【図7】実施形態のウェーハのチップ外領域に形成されたパターンの他の具体例の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
【0009】
実施形態による半導体装置の製造方法は、ウェーハにパターンを形成する工程と、ウェーハに形成されたパターンを検査する工程とを含む。さらに、パターンを検査する工程は、ウェーハの光学的検査と、この光学的検査で検出された欠陥の電子顕微鏡(レビュー装置)による観察とを含む。
【0010】
ウェーハの光学的検査により欠陥の有無が確認される。この検査で、1枚のウェーハあたり多いと例えば数千個の欠陥が検出される場合がある。この検査では光をウェーハに照射したときの反射光を利用するため、例えば大きさが100(nm)以下の微細な欠陥を解像することはできない。
【0011】
このため、光学的検査の後に、電子顕微鏡(例えば走査型電子顕微鏡)を使って、光学的検査よりも高倍率で微細な欠陥を観察する。光学的検査で検出された例えば数千個の欠陥の中から、例えば数百個の欠陥が、電子顕微鏡による観察対象として抽出される。電子顕微鏡による欠陥の観察により、欠陥を解析し、例えば、擬似欠陥を除去し、あるいは欠陥を分類する。
【0012】
光学的検査では、検出された欠陥のウェーハ上での位置座標が取得される。ウェーハ上での位置座標は、例えば、ウェーハに形成された切欠き部であるノッチ、または直線エッジ部であるオリエンテーションフラットを基準に設定される。
【0013】
光学的検査で取得された位置座標は、電子顕微鏡に入力される。すなわち、光学的検査装置と電子顕微鏡とで、ウェーハ上での位置座標が共有される。しかしながら、光学的検査装置と電子顕微鏡とは別々の装置であり、ウェーハの保持機構、ウェーハの移動機構などが異なる。したがって、両装置間で欠陥の位置座標を高精度に共有するのは難しい。
【0014】
そのため、光学的検査装置で取得された位置座標にしたがって、電子顕微鏡がレビュー対象の欠陥にクローズアップしても、欠陥が観察視野の中心に入らず、倍率を上げると欠陥が観察視野から外れてしまう場合がある。かといって倍率を下げると、微細な欠陥が高い解像力で確認できなくなる。
【0015】
デバイスパターンの微細化に伴い、レビュー対象の欠陥も微細化し、そのような微細な欠陥を電子顕微鏡の観察視野内に高精度に収めることが要求されている。そこで、電子顕微鏡での欠陥観察にあたっては、光学的検査装置で取得された位置座標を補正する。この位置座標を補正し、その補正した位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたときにその観察視野の中心に欠陥の中心が位置するようにすることを、本明細書における電子顕微鏡に対するウェーハまたは欠陥の位置合わせ(アライメント)と定義する。
【0016】
ここで、参考例として、複数の欠陥を使ってアライメントする方法がある。具体的には、光学的検査で取得された欠陥の位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせて、その位置座標に対応づけられた欠陥の観察を試みる。そして、この観察結果から、光学的検査で取得された位置座標に対して実際の欠陥の位置がどれくらいずれているかを評価する。観察視野の中心に欠陥が入っていれば、ずれはない。複数の欠陥のそれぞれに対する上記ずれに基づいて、例えばすべての欠陥に共通して適用される位置座標補正量が算出される。
【0017】
通常、ウェーハ内では、すべての領域が同一のプロセス条件(リソグラフィの露光条件)で形成される。そのため、欠陥も、ウェーハ全面に散らばって存在する。そして、ウェーハ全面に散らばって存在する複数の欠陥の中から、例えば十数〜数十個の欠陥をアライメント用の欠陥として抽出する。複数のアライメント用の欠陥もウェーハ全面に散らばって分布するように抽出する。このため、ウェーハ全面に散らばるすべての欠陥に対して高精度のアライメントが可能になる。
【0018】
なお、最近では、FEM(Focus-Exposure Matrix)ウェーハと呼ばれるウェーハを使って欠陥検査を行うことがある。FEMウェーハは、ウェーハ面内で露光時のドーズ条件やフォーカス条件を変化させてパターンを転写したウェーハである。
【0019】
例えば、図4(b)に例示するFEMウェーハ50’では、図における縦方向のウェーハ面内でドーズ量を変化させ、横方向のウェーハ面内でフォーカスを変化させている。ウェーハ50’の中心部をセンター値としてドーズ量を変化させ、同様にウェーハ50’の中心部をセンター値としてフォーカスを変化させている。
【0020】
図4(b)において、欠陥100の分布を模式的に点で表す。FEMウェーハ50’では、中心部では欠陥100が少なく、外周部(デフォーカスの大きい部分、センター値に対する露光量変化の大きい部分)では欠陥100が多発する。
【0021】
そのため、FEMウェーハ50’では、中心部および外周部とも、電子顕微鏡に対するアライメントに用いる欠陥を抽出するのが困難になる。ウェーハ外周部では、場合によるとほぼ全面が欠陥となってしまう。正常なパターンとの比較により欠陥は認識されるため、欠陥が多発するウェーハ外周部では、欠陥の位置自体の特定が難しくなる。
【0022】
それゆえ、FEMウェーハ50’の場合、欠陥を使った上記アライメントの精度も劣ることになる。そのようなFEMウェーハ50’においても、電子顕微鏡による欠陥観察での高精度なアライメント技術が求められる。
【0023】
次に、実施形態によるパターン検査方法について具体的に説明する。
図1は、実施形態によるパターン検査方法を中心にした半導体装置の製造方法のフローを表す。
【0024】
まず、フォトマスクを使ってウェーハにパターンを形成する(ステップS1)。
【0025】
図2(a)は、実施形態のフォトマスク10の模式平面図を表す。
また、図6(a)に、フォトマスク10の模式断面図を表す。
【0026】
図6(a)に示すように、フォトマスク10は、透明基板71と、透明基板71の表面に形成された遮光膜72とを有する。
【0027】
透明基板71は、露光光に対する透過性を有し、例えば石英基板、ガラス基板などである。遮光膜72は、例えばクロム膜などである。遮光膜72がパターニングされることによって、フォトマスク10に後述するパターンが形成される。
【0028】
図2(a)に示すように、フォトマスク10には複数のマスク内チップ領域11が形成されている。図では例えば4つのマスク内チップ領域11が形成されているが、1つのフォトマスク10に形成されるマスク内チップ領域11の数は4つに限らない。また、1つのフォトマスク10に、1つのマスク内チップ領域だけが形成されていてもよい。
【0029】
それぞれのマスク内チップ領域11には、同じデバイスマスクパターンが形成されている。図3(a)に、デバイスマスクパターン21を例示する。デバイスマスクパターン21は、ラインアンドスペースパターンを含む。図3(a)に示すデバイスマスクパターン21は、マスク内チップ領域11に形成されたデバイスマスクパターンの一部である。
【0030】
マスク内チップ領域11の外側には、マスク内チップ外領域12が形成されている。マスク内チップ外領域12は、それぞれのマスク内チップ領域11を囲むように形成されている。
【0031】
マスク内チップ外領域12には、図2(b)に示す第1のマスクパターン15が形成されている。また、マスク内チップ外領域12には、図2(c)に示す第2のマスクパターン16aまたは図2(d)に示す第2のマスクパターン16bが形成されている。
【0032】
図2(a)において、第1のマスクパターン15が形成された領域13と、第2のマスクパターン16aまたは16bが形成された領域14をそれぞれ模式的に円で表している。
【0033】
第2のマスクパターン16aまたは16bは、図2(a)に示す4つのマスク内チップ領域11のうちの例えば右下のマスク内チップ領域11の下のマスク内チップ外領域12の領域14に形成されている。他の3つのマスク内チップ領域11のそれぞれの下のマスク内チップ外領域12の領域13には、第1のマスクパターン15が形成されている。
【0034】
すなわち、1つのフォトマスク10に形成された複数のマスク内チップ領域11のそれぞれに対応して、第1のマスクパターン15、第2のマスクパターン16aおよび16bのいずれかが形成されている。
【0035】
第2のマスクパターン16aまたは16bは、複数のマスク内チップ領域11のうちの少なくとも1つのマスク内チップ領域11に対応して、マスク内チップ外領域12の1箇所に形成されていればよい。
【0036】
第1のマスクパターン15、第2のマスクパターン16aおよび16bのそれぞれは、対応するマスク内チップ領域11に対して同じ相対位置に形成されている。図2(a)の例示では、第1のマスクパターン15、第2のマスクパターン16aまたは16bのそれぞれは、対応するマスク内チップ領域11に対して右下の同じ相対位置に形成されている。
【0037】
図2(b)に示すように、第1のマスクパターン15は、複数のライン1と複数のスペース2とを有するラインアンドスペースパターンである。ライン1とスペース2とは等ピッチで交互に配列されている。
【0038】
図2(c)に示す第2のマスクパターン16aは、第1のマスクパターン15と同様のラインアンドスペースパターンを含むが、さらに複数のライン1間がショートした部分3を含む。
【0039】
図2(d)に示す第2のマスクパターン16bも、第1のマスクパターン15と同様のラインアンドスペースパターンを含むが、さらにライン1が断線した部分4を含む。
【0040】
すなわち、第1のマスクパターン15に対して第2のマスクパターン16aおよび16bは異なる。マスク内チップ外領域12に形成された第1のマスクパターン15、第2のマスクパターン16aおよび16bも、マスク内チップ領域11に形成されたデバイスマスクパターンと共に、ウェーハ上に転写される。
【0041】
そして、第1のマスクパターン15と、第2のマスクパターン16aまたは16bとは、ウェーハ上で光学的に識別可能な異なるパターンとなる。ここで、光学的に識別可能とは、パターンに光を照射したときの反射光から得られる画像、または反射光の強度が異なることを意味する。
【0042】
例えば、第2のマスクパターン16aは、第1のマスクパターン15のラインアンドスペースパターンのショート欠陥に対応する部分3を含み、第2のマスクパターン16bは、第1のマスクパターン15のラインアンドスペースパターンの断線欠陥に対応する部分4を含んでいる。それら部分3および4は、フォトマスク10の段階で予め形成されることから、意図的にフォトマスク10に形成したプログラム欠陥と言うことができる。
【0043】
第1のマスクパターン15、第2のマスクパターン16aおよび16bにおけるラインアンドスペースのピッチは、マスク内チップ領域11に形成されたデバイスマスクパターンに含まれるラインアンドスペースの最小ピッチと同じまたは近く、かつ、ウェーハに対する露光および現像によりウェーハ上にパターンを形成することができるサイズにする。
【0044】
また、通常、孤立パターンに比べて、密にラインアンドスペースが存在するパターンは、露光時のフォーカス裕度やドーズ裕度が大きい。そのため、マスク内チップ領域11のデバイスマスクパターンに、密なラインアンドスペースパターンが含まれる場合には、そのラインアンドスペースパターンと略同じピッチで、第1のマスクパターン15、第2のマスクパターン16aおよび16bにおけるラインアンドスペースを形成することが好ましい。
【0045】
例えば、マスク内チップ領域11のデバイスマスクパターンに含まれるラインアンドスペースの最小ピッチが、ウェーハ上換算で(ウェーハに転写された状態で)50(nm)となる場合、第1のマスクパターン15、第2のマスクパターン16aおよび16bにおけるラインアンドスペースのピッチも、ウェーハ上換算で50(nm)になるように設計することが好ましい。その場合、第1のマスクパターン15、第2のマスクパターン16aおよび16bがそれぞれ形成される領域は、例えばウェーハ上換算で2〜10(μm)程度でよい。
【0046】
次に、図6(a)〜(e)を参照して、ウェーハにパターンを形成する方法について説明する。
【0047】
ウェーハは、少なくとも被加工膜81を含む。被加工膜81は、例えば、図示しない基板上に設けられた絶縁膜、半導体膜、金属膜などである。
【0048】
被加工膜81上には、露光光に対する感光性を有するレジスト膜84が形成されている。また、必要に応じて、被加工膜81とレジスト膜84との間に、被加工膜81側から順にハードマスク82や反射防止膜83が形成される。反射防止膜83を設けることで、レジスト膜84の下層での露光光の反射が抑制される。
【0049】
図6(a)は、前述したフォトマスク10を使った、レジスト膜84に対する露光工程を表す。
【0050】
例えば、縮小投影露光装置を使って、ステップアンドリピート方式で、フォトマスク10に形成されたパターンをウェーハに転写していく。
【0051】
フォトマスク10の平面サイズは、ウェーハの平面サイズよりも小さい。図4(a)に示す実施形態のウェーハ50における各領域30は、フォトマスク10を使った1ショットの露光フィールドに対応する。すなわち、フォトマスク10を使って複数ショットの露光をウェーハ50の全面にわたって行う。
【0052】
図6(a)に示すレジスト膜84は、例えば露光部が現像液に対して可溶なポジ型である。あるいは、レジスト膜84は、未露光部が現像液に対して可溶なネガ型であってもよい。フォトマスク10を使った露光後、現像液を使ってレジスト膜84を現像する。これにより、図6(b)に示すように、レジスト膜84がパターニングされる。
【0053】
図5(a)は、前述したウェーハ50における1つの領域30の模式平面図を表す。フォトマスク10を使った複数ショットの露光およびその後の現像により、複数の領域30がウェーハ50の全面にわたって形成される。
【0054】
1つの領域30は、フォトマスク10に形成されたマスク内チップ領域11に対応する複数の(図5(a)では例えば4つの)チップ領域31を含む。したがって、ウェーハ50には、複数のチップ領域31が形成される。
【0055】
チップ領域31には、デバイスパターンが形成されている。このデバイスパターンは、図3(a)に示すデバイスマスクパターン21のウェーハ50上への転写パターンに対応する図3(b)に示すデバイスパターン22を含む。
【0056】
また、図5(a)に示すように、チップ領域31の外側には、フォトマスク10に形成されたマスク内チップ外領域12に対応するチップ外領域32が形成されている。チップ外領域32は、それぞれのチップ領域31を囲むように形成されている。チップ外領域32は、ウェーハ全体にわたって格子状に形成され、ダイシング領域に対応する。すなわち、チップ外領域32に沿ってウェーハ50はダイシングされ、個片化されたデバイスにはチップ外領域32に形成されたパターンが残らない。
【0057】
チップ外領域32には、第1のパターンとして、図5(b)に示す比較パターン35が形成されている。比較パターン35は、フォトマスク10のマスク内チップ外領域12に形成された第1のマスクパターン15(図2(b))のウェーハ50上への転写パターンである。
【0058】
また、チップ外領域32には、第2のパターンとして、図5(c)に示すアライメントパターン36a、または図5(d)に示すアライメントパターン36bが形成されている。
【0059】
アライメントパターン36aは、フォトマスク10のマスク内チップ外領域12に形成された第2のマスクパターン16a(図2(c))のウェーハ50上への転写パターンである。アライメントパターン36bは、フォトマスク10のマスク内チップ外領域12に形成された第2のマスクパターン16b(図2(d))のウェーハ50上への転写パターンである。
【0060】
図5(a)において、比較パターン35が形成された領域33と、アライメントパターン36aまたは36bが形成された領域34をそれぞれ模式的に円で表している。
【0061】
アライメントパターン36aまたは36bは、図5(a)に示す4つのチップ領域31のうちの例えば右下のチップ領域31の下のチップ外領域32の領域34に形成されている。他の3つのチップ領域31のそれぞれの下のチップ外領域32の領域33には、比較パターン35が形成されている。
【0062】
すなわち、1つの領域30に形成された複数のチップ領域31のそれぞれに対応して、比較パターン35、アライメントパターン36aおよび36bのいずれかが形成されている。
【0063】
アライメントパターン36aまたは36bは、複数のチップ領域31のうちの少なくとも1つのチップ領域31に対応して、チップ外領域32の1箇所に形成されていればよい。
【0064】
比較パターン35、アライメントパターン36aおよび36bのそれぞれは、対応するチップ領域31に対して同じ相対位置に形成されている。図5(a)の例示では、比較パターン35、アライメントパターン36aまたは36bのそれぞれは、対応するチップ領域31に対して右下の同じ相対位置に形成されている。
【0065】
図2(b)に示す第1のマスクパターン15のウェーハ上への転写パターンである比較パターン35も、第1のマスクパターン15と同様、図5(b)に示すように、複数のライン41と複数のスペース42とを有するラインアンドスペースパターンである。ライン41とスペース42とは等ピッチで交互に配列されている。
【0066】
図2(c)に示す第2のマスクパターン16aのウェーハ上への転写パターンであるアライメントパターン36aは、比較パターン35と同様のラインアンドスペースパターンを含み、さらに複数のライン41間がショートした部分43を含む。
【0067】
図2(d)に示す第2のマスクパターン16bのウェーハ上への転写パターンであるアライメントパターン36bも、比較パターン35と同様のラインアンドスペースパターンを含み、さらにライン41が断線した部分44を含む。
【0068】
すなわち、比較パターン35に対してアライメントパターン36aまたは36bは異なる。比較パターン35が単純なラインアンドスペースパターンであるのに対して、アライメントパターン36aはライン41間がショートした部分43を含む欠陥パターンに対応し、アライメントパターン36bはライン41が断線した部分44を含む欠陥パターンに対応する。
【0069】
なお、フォトマスク10を使ったウェーハに対する露光は、ウェーハ面内のすべてのパターン転写領域に対して同じ露光条件で行うことに限らない。ウェーハ面内でドーズ量やフォーカスを変化させて、図4(b)を参照して前述したFEMウェーハ50’を作成し、そのFEMウェーハ50’を光学的欠陥検査の対象にしてもよい。
【0070】
チップ領域31におけるデバイスパターンと、チップ外領域32における比較パターン35と、アライメントパターン36aまたは36bとは、図6(b)に示すレジスト膜84のパターニング(現像)によって形成される。その状態で、次のステップであるウェーハの光学的欠陥検査に進む(図1におけるステップS2)。
【0071】
あるいは、レジスト膜84のパターニング後に、レジスト膜84をマスクにして、図6(c)に示すように反射防止膜83とハードマスク82をエッチングにより加工し、その後、レジスト膜84あるいはレジスト膜84および反射防止膜83を除去してから、光学的欠陥検査に進んでもよい。例えば、図6(d)に示すように、ハードマスク82のパターニングによって形成されるデバイスパターンと、比較パターン35と、アライメントパターン36aまたは36bとを光学的欠陥検査の対象にしてもよい。
【0072】
あるいは、図6(e)に示すように、ハードマスク82を用いてさらに被加工膜81をエッチングにより加工し、その後ハードマスク82を除去してから、光学的欠陥検査に進んでもよい。さらにその場合、被加工膜81が選択的に除去されたスペース81aに、被加工膜81とは異なる埋込材を埋め込んだ後、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により被加工膜81の上面上の埋込材を除去してから、光学的欠陥検査に進んでもよい。
【0073】
ウェーハの光学的欠陥検査では、ウェーハに光を照射したときの反射光から得られる画像、または反射光の強度を検査する。この検査により、例えば図3(b)に示すような、デバイスパターン22に生じた欠陥23が検出される。欠陥23は、例えば、隣り合うライン24aとライン24bとがショートした部分である。
【0074】
例えば、Die-to-Dieモードで光学的欠陥検査が行われる。これは、各チップ領域31ごとに、各チップ領域31内の同じ位置の画像または反射光強度を比較していくことで、欠陥の有無を判定する。すなわち、図3(b)の欠陥23は、別のチップ領域31に形成されたデバイスパターン22における同じ箇所の画像または反射光強度との比較から、欠陥であると特定される。
【0075】
また、光学的検査は、チップ内領域31だけでなく、チップ外領域32に対しても行われる。このときも、例えばDie-to-Dieモードで行われ、チップ外領域32に形成されたアライメントパターン36aまたは36bを、比較パターン35と比較することで検出する。
【0076】
比較パターン35と、アライメントパターン36aまたは36bとは、それぞれの対応するチップ領域31からの相対位置が同じ箇所に形成されている。したがって、Die-to-Dieモードで、各チップ領域31に対する特定位置の画像または反射光強度を比較していくことで、比較パターン35に対して異なるアライメントパターン36aまたは36bを検出することができる。
【0077】
アライメントパターン36aまたは36bのサイズは、比較パターン35との光学的な比較により比較パターン35との違いを認識可能なサイズであればよい。
【0078】
また、デバイスパターンの微細化に伴って欠陥サイズも微細化し、アライメントパターン36aまたは36bにも、欠陥サイズの微細化に応じた微細サイズが要求される。また、欠陥サイズの微細化に伴い、電子顕微鏡での観察における欠陥のアライメント精度も高い精度が要求される。光学的欠陥検査で取得された位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたときに、その観察視野の中心位置からの欠陥の中心位置のずれが、例えば0.5(μm)以下になるアライメント精度が要求される。
【0079】
したがって、例えば、ウェーハ上でのラインアンドスペースのピッチを50(nm)とした場合、アライメントパターン36aまたは36bのウェーハ上でのx方向サイズは200〜500(nm)程度、y方向サイズは50〜300(nm)程度にすることができる。ここで、x方向は、ライン41とスペース42とが交互に配列された方向であり、y方向はx方向に対して垂直な方向であって、ライン41の延びる方向である。
【0080】
例えば、図4(a)に示すウェーハ50の場合、ウェーハ50のエッジに形成された切欠き部であるノッチ51を基準にして、ウェーハ上での2次元座標が設定される。あるいは、ウェーハエッジの直線部であるオリエンテーションフラットを基準にして、ウェーハ上での2次元座標を設定してもよい。そして、上記光学的検査により検出された、デバイスパターンの欠陥には、ウェーハ上での位置座標が対応づけられる。さらに、アライメントパターン36aまたは36bに対してもウェーハ上での位置座標が対応づけられる。
【0081】
例えば、ある欠陥はウェーハ上で座標(x1、y1)に位置し、あるアライメントパターン36aはウェーハ上で座標(x2、y2)に位置するという情報が得られる。この位置座標の情報は、次工程で欠陥のレビューを行うレビュー装置である電子顕微鏡に入力される。
【0082】
上記光学的欠陥検査の後、ウェーハを電子顕微鏡にロードする(図1におけるステップS3)。
【0083】
次に、ステップS4として、ウェーハ面内のある特定位置に形成された数点のマーク(例えば十字マーク)を電子顕微鏡で認識することで、電子顕微鏡とウェーハとのラフな位置合わせを行う。
【0084】
次に、ステップS5として、電子顕微鏡とウェーハとの高精度な位置合わせ(アライメント)を開始する。
【0085】
このとき、チップ領域31に形成されたデバイスパターンに生じた欠陥ではなく、チップ外領域32に形成されたアライメントパターン36aまたは36bを使う。
【0086】
フォトマスク10を使った1ショットの露光フィールドに対応する1つの領域30内には、少なくとも1つのアライメントパターン36aまたは36bが存在する。したがって、ウェーハ50の全面にわたって均等に複数のアライメントパターン36aまたは36bが分布している。
【0087】
それらアライメントパターン36aまたは36bの中から、例えば、十数個から数十個のアライメントパターン36aまたは36bを、ステップS5におけるアライメントに使うパターンとして抽出する。このとき、抽出された複数のアライメントパターン36aまたは36bの分布もウェーハ50の全面にわたって散らばるように、抽出するアライメントパターン36aまたは36bを選択する。
【0088】
そして、抽出された個々のアライメントパターン36aまたは36bに対応づけられた位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせ、光学的欠陥検査で取得された位置座標を評価する。
【0089】
具体的には、対象とするアライメントパターン36aまたは36bの位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたときの、その観察視野の中心位置からのアライメントパターン36aまたは36bの中心位置のずれを検出する。
【0090】
そして、次のステップS6として、アライメントパターン36aまたは36bの位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたときの観察結果に基づいて、デバイスパターンの欠陥の位置座標を補正する。
【0091】
具体的には、電子顕微鏡で観察された複数のアライメントパターン36aまたは36bのそれぞれについての、対応する位置座標からのずれ量に基づいて、例えば位置座標補正式を算出する。
【0092】
デバイスパターンのそれぞれの欠陥ごとの位置座標の補正量は欠陥によって異なるが、補正ルールはウェーハ面内で一定とする。すなわち、上記位置座標補正式を、すべてのデバイスパターンの欠陥の位置座標の補正に適用する。
【0093】
ここで、一般に、デバイスパターンは、単純なラインアンドスペースパターンから構成されることは少なく、二次元的に曲がりくねったパターンや、孤立パターンを含む。これら曲がりくねったパターンや、孤立パターンは、密に配列されたラインアンドスペースパターンに比べて、露光時のフォーカス裕度やドーズ裕度が小さい傾向がある。
【0094】
特に、前述したFEMウェーハ50’の場合には、フォーカスやドーズ量がセンター値から大きくずれたウェーハ外周部で、曲がりくねったパターンや孤立パターンに欠陥が多発する。逆に、フォーカスやドーズ量がセンター値に近い部分であるウェーハ中心部では、欠陥が少なくなる。
【0095】
これに対して、例えば50(nm)ピッチの密に配列されたラインアンドスペースを含む比較パターン35と、アライメントパターン36aまたは36bは、フォーカス裕度やドーズ裕度が、曲がりくねったパターンや孤立パターンに比べて大きい。そのため、FEMウェーハ50’の外周部でも、比較パターン35、アライメントパターン36aおよび36bは、それぞれ図5(b)、(c)、(d)に示す形状をほぼ維持することができる。したがって、比較パターン35と、アライメントパターン36aまたは36bとは、FEMウェーハ50’の外周部でも光学的に識別可能であり、アライメントパターン36aまたは36bをウェーハ全面にわたって精度良く検出することができる。
【0096】
そのため、FEMウェーハ50’の場合でも、ウェーハ全面にわたって散らばって存在するアライメントパターン36aまたは36bを、前述したステップS5におけるアライメント用に抽出することができる。ウェーハ全面にわたって散らばって存在する複数のアライメントパターン36aまたは36bのそれぞれの位置座標のずれを、位置座標補正に反映させることで、ウェーハ面内での場所の違いによる位置座標補正量のばらつきを小さくできる。すなわち、ウェーハ面内に存在するすべての欠陥の位置座標を、欠陥の位置に依存することなく、高精度に補正することができる。
【0097】
デバイスパターンの欠陥の位置座標の補正後、その補正された欠陥の位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせて欠陥を観察する(ステップS7)。このとき、上記補正により位置座標の精度が高いため、対象とする欠陥の位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたとき、その観察視野の中心に欠陥を収めることができる。そのため、観察倍率を上げても、欠陥が観察視野からはみ出さず、微細な欠陥を高倍率かつ高解像度で観察することができる。
【0098】
例えば、図4(b)に示すFEMウェーハ50’の全面に散らばって存在する20個のアライメントパターン36aを抽出して、デバイスパターンの欠陥の位置座標の補正を行ったところ、アライメント精度を0.3(μm)以下にすることができた。ここで、アライメント精度は、対象とする欠陥の位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたときに、その観察視野の中心に対する欠陥の中心位置のずれ量を表す。結果として、観察視野から欠陥をはみ出させることなく、150000倍の倍率で欠陥の電子顕微鏡画像を取得することができた。
【0099】
これに対して、比較例として、チップ外領域32に比較パターン35と、アライメントパターン36aまたは36bとを形成しないFEMウェーハを使って欠陥検査を行った。この比較例に使ったFEMウェーハは、チップ外領域32に比較パターン35と、アライメントパターン36aまたは36bとを形成しない以外は、実施形態のFEMウェーハ50’と同じである。
【0100】
この比較例では、チップ領域31に発生した20個の欠陥を抽出して、電子顕微鏡による欠陥観察時の位置座標補正を行ったところ、アライメント精度は上記実施形態よりも低く、1〜3(μm)程度であった。そのため、電子顕微鏡の観察倍率を上記実施形態よりも低くした50000倍にしても、欠陥の中心位置が観察視野からはみ出してしまう欠陥があった。
【0101】
前述した実施形態において、アライメントパターン36aまたは36bをウェーハ全面に分布させるには、1ショットの露光で形成される1つの領域30に少なくとも1つのアライメントパターン36aまたは36bがあればよい。また、光学的欠陥検査でアライメントパターン36aまたは36bとの比較対象となる比較パターン35も1つの領域30に少なくとも1つ存在すればよい。
【0102】
また、1つのアライメントパターン36aまたは36bを、1つの比較パターン35との比較ではなく、複数の比較パターン35との比較から特定してもよい。比較対象が複数あると、確実にアライメントパターン36aまたは36bを特定することができる。
【0103】
また、アライメントパターンのサイズが例えば10(μm)以上と大きい場合は、Die-to-Dieモードではなく、cell-to-cellモードで検査しても、アライメントパターンを比較パターンとの相違から認識して検出可能である。
【0104】
例えば、図7に示すパターンを使って、cell-to-cellモードの検査を行うことができる。図7に示すパターンは、それぞれ交互に配列された複数のライン41と複数のスペース42とを含むラインアンドスペースパターンである。そのラインアンドスペースパターンにおける、ある特定の位置に例えば複数のライン41間がショートした部分63が形成されている。
【0105】
その部分63を含むパターンが、アライメントパターン66に対応する。そのアライメントパターン66から、特定方向(図では左方向)に一定距離隔てた位置に形成されたラインアンドスペースパターンが比較パターン65に対応する。
【0106】
アライメントパターン66と比較パターン65とは分離されておらず、等ピッチでライン41とスペース42とが交互に並ぶ一連のラインアンドスペースパターンの一部がアライメントパターン66になっており、他の一部が比較パターン65になっている。
【0107】
アライメントパターン66および比較パターン65を含む図7に示すラインアンドスペースパターンは、チップ外領域に形成されている。図7に示すパターンは、このパターンに対応するマスクパターンがマスク内チップ外領域に形成されたフォトマスクを使ってウェーハ上に転写される。このフォトマスクを使った露光は、ウェーハに対して複数ショット行われる。したがって、複数の図7に示すパターンが、ウェーハ全面にわたって分布する。
【0108】
光学的欠陥検査の際には、対応するチップ領域に対してある特定の相対位置に形成されたアライメントパターン66と、そのアライメントパターン66から例えば図7において左方向に10(μm)隔てた位置に形成された比較パターン65とを比較する。この比較を、1ショットの露光フィールドに対応する各領域ごとに行っていく。
【0109】
このcell-to-cellモードの場合には、1ショットの露光フィールドに対応する1つの領域に複数のチップ領域が形成されていても、各チップ領域に対応して、図7に示すパターンを複数形成しなくてもよい。1ショットの露光フィールドに対応する1つの領域内におけるチップ外領域のどこかに、アライメントパターン66および比較パターン65を含む図7に示すラインアンドスペースパターンが少なくとも1つ形成されていればよい。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
10…フォトマスク、11…マスク内チップ領域、12…マスク内チップ外領域、15…第1のマスクパターン、16a,16b…第2のマスクパターン、21…デバイスマスクパターン、22…デバイスパターン、23…欠陥、30…露光フィールド、31…チップ領域、32…チップ外領域、35,65…比較パターン(第1のパターン)、36a,36b,66…アライメントパターン(第2のパターン)、50…ウェーハ、71…透明基板、72…遮光膜、81…被加工膜、82…ハードマスク、83…反射防止膜、84…レジスト膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ領域に形成されたデバイスパターンと、前記チップ領域の外側のチップ外領域に形成されたラインアンドスペースパターンである第1のパターンと、前記チップ外領域に形成されたラインアンドスペースパターンにおける複数のライン間がショートした部分、またはラインが断線した部分を含む第2のパターンと、をそれぞれ含む複数の領域が形成されたウェーハの光学的検査により、前記デバイスパターンの欠陥を前記ウェーハ上での位置座標と対応づけて検出すると共に、前記第1のパターンとの比較から前記第2のパターンを前記ウェーハ上での位置座標と対応づけて検出し、
前記ウェーハの全面にわたって散らばって存在する複数の前記第2のパターンの検出された各位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたときの観察結果に基づいて、前記デバイスパターンの欠陥の位置座標を補正し、
補正された前記欠陥の位置座標に前記電子顕微鏡の観察視野を合わせて前記欠陥を観察することを特徴とするパターン検査方法。
【請求項2】
チップ領域に形成されたデバイスパターンと、前記チップ領域の外側のチップ外領域に形成された第1のパターンと、前記チップ外領域に形成され、前記第1のパターンとは異なる第2のパターンと、をそれぞれ含む複数の領域が形成されたウェーハの光学的検査により、前記デバイスパターンの欠陥を前記ウェーハ上での位置座標と対応づけて検出すると共に、前記第1のパターンとの比較から前記第2のパターンを前記ウェーハ上での位置座標と対応づけて検出し、
検出した前記第2のパターンの位置座標に電子顕微鏡の観察視野を合わせたときの観察結果に基づいて、前記デバイスパターンの欠陥の位置座標を補正し、
補正された前記欠陥の位置座標に前記電子顕微鏡の観察視野を合わせて前記欠陥を観察することを特徴とするパターン検査方法。
【請求項3】
前記ウェーハの全面にわたって散らばって存在する複数の前記第2のパターンの前記電子顕微鏡による観察結果に基づいて、前記欠陥の位置座標を補正することを特徴とする請求項2記載のパターン検査方法。
【請求項4】
マスク内チップ領域に形成されたデバイスマスクパターンと、
前記マスク内チップ領域の外側のマスク内チップ外領域に形成されたラインアンドスペースパターンである第1のマスクパターンと、
前記マスク内チップ外領域に形成されたラインアンドスペースパターンにおける複数のライン間がショートした部分、またはラインが断線した部分を含む第2のマスクパターンと、
を有することを特徴とするフォトマスク。
【請求項5】
マスク内チップ領域に形成されたデバイスマスクパターンと、前記マスク内チップ領域の外側のマスク内チップ外領域に形成された第1のマスクパターン及び第2のマスクパターンと、を有するフォトマスクを用いたウェーハに対する複数ショットの露光により、前記デバイスマスクパターンの転写パターンであるデバイスパターンと、前記第1のマスクパターンの転写パターンであり、前記デバイスパターンが形成されるチップ領域の外側のチップ外領域に形成されるラインアンドスペースパターンである第1のパターンと、前記第2のマスクパターンの転写パターンであり、前記チップ外領域に形成され、ラインアンドスペースパターンにおける複数のライン間がショートした部分、またはラインが断線した部分を含む第2のパターンと、をそれぞれが含む複数の領域を前記ウェーハに形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−253168(P2012−253168A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123991(P2011−123991)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】