説明

パルス幅が可変するパルス発生器及びそれを用いたセンス増幅器

【課題】電源電圧によってパルス幅を可変することができるパルス発生器及びそれを用いてセンス増幅器を提供する。
【解決手段】基準電流発生部は基準電圧とブロックイネイブル信号とに応じて基準電流を発生する。充電部は入力信号に従って前記基準電流をミラーリングした第1ミラーリング電流を充電して第1出力信号を発生する。放電部は前記第1出力信号と前記基準電圧とに従って前記基準電流をミラーリングした第2ミラーリング電流を放電して第2出力信号を発生する。ロジック部は前記入力信号と前記第2出力信号とに応じて電源電圧に実質的に比例するパルスを有する第3出力信号を発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源電圧によってパルス幅を可変することができるパルス発生器及びそれを用いたセンス増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展によって動作電圧がだんだんと低くなり、IVまたはその以下の電圧でもメモリセルのデータを感知することができる技術が要求されている。しかし、IV以下の動作電圧に最適化された感知技術は既存の動作電圧で正常な動作をすることができないという問題点があって、既存の高電圧だけではなく、IV以下の動作電圧でも動作可能な感知技術が必要である。
【0003】
一方、既存の低電圧感知技術に使用されるパルス発生器はいつも一定のパルス幅を発生するので、多様な電圧に対して最適の動作条件を提供することができなかった。従って、多様な動作電圧に適当な感知技術のためには、パルス幅を可変できるパルス発生器が必要である。
【0004】
図1は従来のセンス増幅器の一部を示した回路図である。以下、図1を参照して従来のセンス増幅器の動作を説明し、図1の構造が低電圧で有する問題点に対して説明する。
【0005】
図1はメインセルのデータを感知するセンシング部110とセンス基準部120の構成を示す。全体的な動作は、センシング部110はコラムMUX130を介して入力端子(VBLM)にメインセルのデータ(論理0または論理1)を受信して出力端子(SOM)に電圧変化を出力する。このとき、センシング部110はデータを受信する前に出力端子(SOM)を予め一定の電圧でプリチャージする。メインセルのデータを受信するとメインセルのデータに従って出力端子(SOM)の電圧に変化が発生しそれを出力する。センス基準部120はセンシング部110の出力を受け、基準電流と比較して出力端子(/SAOUT)に出力する。即ち、センシング部110の出力端子(SOM)が一定の電圧でプリチャージされ、メインセルの非アクティブデータ(論理0)を受信すると出力端子(SOM)の電圧は上昇し、それを受信するセンス基準部120の入力トランジスタ(P2)は電流を減少させる。その結果、センス基準部120の出力端子(/SAOUT)は非アクティブ状態になり、それを受信するバッファ140は反転されたアクティブ状態を最終出力で出力する。メインセルのアクティブデータ(論理1)を読み取りすると、センシング部110の出力端子(SOM)の電圧はプリチャージ電圧で低くなり、センス基準部120の入力トランジスタP2の電流駆動能力が大きくなり、出力端子(/SAOUT)はアクティブ状態になる。そして、それを受信したバッファ140は非アクティブ状態を最終的に出力する。
【0006】
各ノードで電圧を使用してさらに詳細に説明すると次のようである。メインセルのデータを読み取りする前にセンシング部110はアース電圧(VSS)を通じて入力端子(VBLM)をアース電圧に放電させる。その後、読み取り動作を始めるとPMOSトランジスタ(P3)とNMOSトランジスタ(N4)を介して入力端子(VBLM)に電流を提供して電圧を上昇させる。一定の電圧に到達するとNMOSトランジスタ(N6)によって第1中間ノード(Vo1)の電圧と入力端子(VBLM)との電圧差異が減少し、NMOSトランジスタ(N4)がターンオフされ、それ以上PMOSトランジスタ(P3)とNMOSトランジスタ(N4)とを介した入力端子(VBLM)のプリチャージは不可能である。その後、PMOSトランジスタ(P1)とNMOSトランジスタ(N1)とを介して入力端子(VBLM)に電流を供給するようになるが、このとき、メインセルのデータによって入力端子(VBLM)の電圧が上昇したり下降したりする。メインセルのデータが非アクティブである場合、入力端子(VBLM)の電圧が継続上昇し第2中間ノード(Vo2)の電圧が低くなるとNMOSトランジスタ(N1)の抵抗が大きくなり、出力端子(SOM)の電圧が大きくなって最終的に電源電圧(VDD)でPMOSトランジスタ(P1)のしきい電圧分だけを引いた電圧まで上昇する。センス基準部120はPMOSトランジスタ(P6)による基準電流をミラーリングしてPMOSトランジスタ(P5)とNMOSトランジスタ(N3)とに基準電流を流し、また、NMOSトランジスタ(N2)とNMOSトランジスタ(N3)のミラー構造によってNMOS(N2)に基準電流を流す。このとき、センシング部110の出力端子(SOM)の電圧をゲートに受信するPMOSトランジスタ(P2)の電流が基準電流より小さくなり、センス基準部120の出力端子電圧(/SAOUT)は低くなって非アクティブ状態になる。しかし、メインセルのデータがアクティブであるとセンシング部110の入力端子(VBLM)の電圧はプリチャージされた電圧で殆ど変化なく若干減少し、それにより、出力端子(SOSM)の電圧も若干低下する。従って、PMOSトランジスタ(P2)はさらに多くの電流を流すようになり、基準電流よりさらに多くの電流を流しセンス基準部120の出力端子電圧(/SAOUT)を上昇させアクティブ状態を出力する。
【0007】
従来の構造で、正常な動作のための最小限の電源電圧を見てみると下記の数式1,2のようになる。
[数式1]
Vdd>V(VBLM)+Vth(N4)+Vth(N5)+Vdast(P4)
[数式2]
VDD>V(VBLM)+Vdast(N1)+Vth(P1)
数式1と数式2でVddは電源電圧であり、V(BLM)は入力端子(VBLM)の電圧であり、Vthはしきい電圧を意味し、Vdastは動作状態でのトランジスタのドレインとソース両端間の電圧であるドレイン飽和電圧を意味する。工程によって、しきい電圧は0.4Vであり、ドレイン飽和電圧が0.15Vである。メインセルのデータを読み取りするための入力端子(VBLM)の最小電圧が0.4Vであると、数式1と数式2で電源電圧(Vdd)は最小1.35Vと0.95Vである。従って、数式1によって電源電圧が1.35Vより小さいと正常な動作が不可能である。そこで電源電圧が1Vより小さい場合には他の方式が要求される。
【0008】
図2は低電圧に使用される従来のセンス増幅器回路200を示す回路図である。
【0009】
図2に示すように、センス増幅器200はアドレス入力バッファ210、読み出し入力バッファ220、アドレス変更遅延合成器230、第1パルス発生器240、第2パルス発生器250、センシング部260及びセンス基準部270を含む。
【0010】
図1の従来の構造と異なり、センシング部260の制御信号が内部電圧ではなく外部の制御信号(ATD1、ATD2b)であるので電圧に対する制限がない。即ち、アドレス入力信号(ADDR)と読み出し入力信号(RD)とを受信して発生する第1アドレス変更検出信号(ATD1)と第2アドレス変更検出信号(ATD2)の反転された信号(ADT2b)とを制御信号にしてセンシング部260はメインセルのデータを受信する。
【0011】
図3は図2の従来の構造でのセンス増幅器200の信号のタイミング図であり、図4はセンス増幅器200のSOR及びSOMノードの波形図である。
【0012】
図2ないし図4を参照して、従来のセンス増幅器回路200の動作を説明する。読み出し入力信号(RD)を受信するか、読み出し動作中アドレス入力信号(ADDR)を受信すると、アドレス変更遅延合成器230は一定の幅の遅延時間を有するアドレス変更信号を第1パルス発生器240に出力する。第1パルス発生器240は一定の幅のパルス形態である第1アドレス変更検出信号(ATD1)を出力する。第2パルス発生器250は第1アドレス変更検出信号(ATD1)を受信して一定の幅の第2アドレス変更検出信号(ATD2)の反転された信号(ATD2b)を出力する。信号に対する関係とパルス幅とは図3に示されている。センシング部260のNMOSトランジスタ(N1)は第1アドレス変更検出信号(ATD1)によってセンシング部260の出力端子(SOM)をアース電圧に放電させ、PMOSトランジスタ(P3)は反転された第2アドレス変更検出信号(ATD2b)によって出力端子(SOM)をプリチャージさせる(図4のAまたはB区間)。以後、メインセルのデータによって出力端子(SOM)の出力信号電圧が急激に増加するか保持され、この出力信号によってセンス基準部270の出力信号がアクティブや非アクティブ状態になる。センス基準部270の動作は既に図1で説明したので省略する。このような動作で反転した第2アドレス変更検出信号(ATD2b)の活性化区間(図4のAまたはB)が非常に重要である。この区間が過度に長いと出力端子(SOM)のプリチャージ電圧が高くてメインセルのデータを感知するのに妨害となり、適性値より短くなるとプリチャージの役割を十分にすることができなくなって、メインセルのデータを感知する時間が長くかかる。特に、一般的なパルス発生器を使用する場合、反転された第2アドレス変更検出信号(ATD2b)の活性化区間が電源電圧に反比例し、電源電圧が高くなるほどデータを感知する時間が増加する。図4に示すように電源電圧が1.0ボルトから1.4ボルトに増加すると反転された第2アドレス変更検出信号(ATD2b)の活性化区間が減少し(A−>B)、それにより、データ感知時間が増加する(Tvdd)。
【0013】
図5は一般的なパルス発生器の回路図であり、図6は図5のパルス発生器の出力信号を示すグラフである。このパルス発生器は入力信号(IN)を受信した後、インバータ(INV1、INV2、INV3)とキャパシタ(C1、C2、C3、C4、C5)を経て一定の時間遅延させた信号と入力信号(IN)とをNORゲートを経て一定の幅のパルスを出力信号(OUT)として発生する。この場合、電源電圧(VDD)が増加するとキャパシタをさらに早く充電させることができるので遅延時間が短くなり結果的にパルス幅が短くなる(W1−>W2、図6参照)。
【0014】
従って、電源電圧にパルス幅が比例するパルス発生器を用いて低電圧や高電圧でメインセルのデータを感知することができるセンス増幅器が要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の第1目的は、電源電圧にパルス幅が実質的に比例するパルス発生器を提供することにある。
【0016】
本発明の第2目的は、広い範囲の電源電圧で使用することができるセンス増幅器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記したような目的を達成するために、本発明の一実施例によるパルス発生器は、基準電流発生部、充電部、放電部及びロジック部を含む。前記基準電流発生部は基準電圧とブロックイネイブル信号とによって基準電流を発生する。前記充電部は入力信号に応じて前記基準電流をミラーリングした第1ミラーリング電流を充電して第1出力信号を発生する。前記放電部は前記第1出力信号と前記基準電圧をミラーリングした第2ミラーリング電流を放電して第2出力信号を発生する。前記ロジック部は前記入力信号と前記第2出力信号とに応じて電源電圧に実質的に比例するパルス幅を有する第3出力信号を発生する。
【0018】
本発明の一実施例によるパルス発生器は第1PMOSトランジスタ、第2PMOSトランジスタ、第3PMOSトランジスタ、第4PMOSトランジスタ、第5PMOSトランジスタ、第1NMOSトランジスタ、第2NMOSトランジスタ、第3NMOSトランジスタ、第4NMOSトランジスタ、第5NMOSトランジスタ、第1キャパシタ、第2キャパシタ、インバータ及びNORゲートを含む。前記第1PMOSトランジスタはゲートがブロックイネイブル信号を受信しソースが電源電圧に連結されドレインが第1出力端子に連結される。前記第2PMOSトランジスタのソースは前記電源電圧に連結され、ゲートとドレインとが前記第1出力端子に連結される。前記第1NMOSトランジスタはゲートが前記ブロックイネイブル信号を受信しドレインが前記第1出力端子に連結される。前記第2NMOSトランジスタのゲートは基準電圧を受信しドレインは前記第1NMOSトランジスタのソースに連結されソースはアース電圧に連結される。前記第3PMOSトランジスタはゲートが前記第1出力端子に連結されソースが前記電源電圧に連結される。前記第4PMOSトランジスタはゲートが入力信号を受信しソースは前記第3PMOSトランジスタのドレインに連結されドレインは第2出力端子に連結される。前記第3NMOSトランジスタはゲートが入力信号を受信しソースは前記アース電圧に連結されておりドレインが前記第2出力端子に連結される。前記第1キャパシタは前記第2出力端子と前記アース電圧とを連結する。前記第5PMOSトランジスタのゲートは前記第2出力端子に連結されソースが前記電源電圧に連結されドレインである第3出力端子に連結される。前記第4NMOSトランジスタはゲートが前記第2出力端子に連結されドレインが前記第3出力端子に連結される。前記第5NMOSトランジスタはゲートが前記基準電圧に連結されドレインが前記第4NMOSトランジスタのソースに連結されソースが前記アース電圧に連結される。前記第2キャパシタは前記第3出力端子と前記アース電圧とを連結し、前記インバータは入力端子が前記第3出力端子に連結される。前記NORゲートの第1入力端子は前記インバータの出力端子に連結され第2入力端子は前記入力信号を受信して出力信号を発生する。
【0019】
本発明の一実施例によるパルス発生器は、第1電流源、第1インバータ部、第2電流源、第2インバータ及びロジック部を含む。前記第1電流源は電源電圧に連結され第1基準電流を発生し、前記第1インバータ部は前記第1電流源とアース電圧とを連結し、入力信号によって第1出力端子を放電するか前記第1基準電流で充電して前記入力信号と反転された位相の第1出力信号を発生する。前記第2電流源は前記アース電圧に連結され第2基準電流を発生し、前記第2インバータ部は前記第2電流源と前記電源電圧とを連結し、前記第1出力信号によって第2出力端子を充電するか前記第2基準電流で放電して第1出力信号と反転された位相の第2出力信号を発生する。前記ロジック部は前記第2出力信号と前記入力信号とに応じて前記電源電圧に実質的に比例するパルス幅を有する第3出力信号を発生する。
【0020】
本発明の一実施例によるセンス増幅器はアドレス入力バッファ、読み出し入力バッファ、アドレス変更遅延合成器、第1パルス発生器、第2パルス発生器、センシング部、センス基準部及び出力部を含む。前記アドレス入力バッファはアドレス入力信号を受信し、前記読み出し入力バッファは読み出し入力信号を受信する。前記アドレス変更遅延合成器は前記アドレス入力バッファの出力信号と前記読み出し入力バッファの出力信号とを受信してアドレス変更信号を出力し、前記第1パルス発生器は前記アドレス変更信号を受信して固定されたパルス幅の第1アドレス変更検出信号を出力する。前記第2パルス発生器は前記第1アドレス変更検出信号とブロックイネイブル信号とを受信して電源電圧に実質的に比例するパルス幅を有する第2アドレス変更検出信号の反転された信号を出力する。前記センシング部は前記第1アドレス変更検出信号と前記第2アドレス変更検出信号の反転された信号とによって第1入力端子を介してメインセルのデータを受信して第1出力端子を介して第1出力信号を出力する。前記センス基準部は前記第1出力信号を受信してセンス基準電流と比較して第2出力端子を介して第2出力信号を出力する。前記インバータ部は前記第2出力信号を受け第3出力信号を出力する。電源電圧に実質的に比例するパルス幅の反転された第2アドレス変更検出信号によって広い範囲の電源電圧に対して一定の感知時間を有するセンス増幅器を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の望ましい一実施例をより詳細に説明する。
【0022】
図7は本発明の第1実施例によるパルス発生器回路図である。
【0023】
図7に示すように、本発明のパルス発生器は基準電流発生部710、充電部720、放電部730及びロジック部740を含む。詳細には充電部720は第1ミラーリング電流(IREF_1)を発生する第3PMOSトランジスタ(P3)、入力信号(IN)を受信して出力する第1インバータ部725及び第1キャパシタ(C11)を含み放電部730は第2ミラーリング電流(IREE_2)を発生する第5NMOSトランジスタ(N5)、充電部720の出力信号を受信して出力する第2インバータ部735及び第2キャパシタ(C21)を含む。
【0024】
基準電流発生部710はブロックイネイブル信号(EN)に応じて基準電流(IREE)を発生する。基準電流発生部710はトランジスタP1、P2、N1及びN2からなる。ブロックイネイブル信号(EN)が非アクティブ状態であると第1PMOSトランジスタ(P1)がオンされ中間ノード(A_node)は電源電圧(VDD)に充電され、第2PMOSトランジスタ(P2)をオフさせる。そして、ブロックイネイブル信号(EN)によって第1NMOSトランジスタ(N1)がオフされ電流が流れない。ブロックイネイブル信号(EN)がアクティブ状態になると第1PMOSトランジスタ(P1)はオフされ、第1NMOSトランジスタ(N1)がオンされ電流が流れる。このとき、基準電圧(VRFF)によって基準電流(Iref)が第2PMOSトランジスタ(P2)、第1NMOSトランジスタ(N1)及び第2NMOSトランジスタ(N2)を流れる。充電部720の第1インバータ部725は入力信号(IN)を受信して第1キャパシタ(C11)を充電するか放電させる。ここで、入力信号(IN)は図9の第1アドレス変更検出信号(ATD1)を示す。入力信号(IN)がアクティブ状態であると第3NMOSトランジスタ(N3)はオンされ、第1キャパシタC11はアース電圧(Vss)に放電され、入力信号(IN)が非アクティブ状態であると(C11)はアース電圧(Vss)に放電され、入力信号(IN)が非アクティブ状態であると第4PMOSトランジスタ(P4)を介して第1キャパシタ(C11)が充電される。このとき、第3PMOSトランジスタ(P3)のゲートは中間ノード(A_node)に連結され基準電流(Iref)をミラーリングした第1ミラーリング電流(Iref_1)を第4PMOSトランジスタ(P4)に提供する。放電部730は充電部720の出力信号によって第2キャパシタ(C21)を充電するか放電させる。第1キャパシタ(C11)が非アクティブ状態であると第5PMOSトランジスタ(P5)がオンされ第2キャパシタ(C21)は電源電圧(Vdd)に充電される。第1キャパシタ(C11)がアクティブ状態であると第4NMOSトランジスタ(N4)を介して放電される。このとき、ゲートが基準電圧に連結されている第5NMOSトランジスタ(N5)は基準電流(Iref)をミラーリングした第2ミラーリング電流(Iref_2)を第4NMOSトランジスタ(N4)に提供する。ロジック部740は第2キャパシタ(C21)の出力信号と入力信号(IN)とを受信して電源電圧が増加すると増加し、電源電圧が減少すると減少する、即ち、電源電圧に実質的に比例するパルス幅を有するパルス信号OUTを発生する。ここで、出力信号(OUT)は図9の反転された第2アドレス変更検出信号(ATDb2)の反転される以前信号である第2アドレス変更検出信号(ATD2)を示す。
【0025】
さらに、詳細に説明すると次の数式3のようになる。
[数式3]
TD(Delay Time)=(Cap1*delta_VA)/ref_1+(Cap2*delta_VB)/ref_2
【0026】
入力信号(IN)を受信した後出力信号OUTを発生するまでの遅延時間は数式3のようになる。充電部720での遅延時間は第1キャパシタ(C11)の容量(cap1)と第2インバータ部735を駆動させるための第1ロジックしきい電圧(delta_VA)に比例し、充電する電流(Iref_1)に反比例する。第1ロジックしきい電圧(delta_VA)は第2インバータ部735の出力信号のロジックレベルが変更されるときの入力電圧である。従って、電源電圧(Vdd)が高くなると第1ロジックしきい電圧も電源電圧(Vdd)に比例し高くなり、それにより遅延時間も増加する。放電部730の遅延時間は第2キャパシタ(C21)の容量(Cap2)とインバータ(INV11)を駆動するための第2ロジックしきい電圧(delta_VB)とに比例する。第2ロジックしきい電圧(delta_VB)はインバータ(INV11)の出力信号のロジック状態が変わるときの入力電圧で、電源電圧(Vdd)が高くなると第2ロジックしきい電圧(delta_VB)も高くなって遅延時間が増加する。従って、数式3によって電源電圧(Vdd)が増加すると全体的に遅延時間(TD)が増加し、それにより出力信号(OUT)のパルス幅が増加する(W3−>W4、図8参照)。
【0027】
図9は本発明の一実施例によるセンス増幅器回路図であり、図10は図9のセンス増幅器回路の各ノードで時間による電圧の変化を示したグラフである。
【0028】
図9に示すように、センス増幅器はアドレス入力バッファ910と読み出し入力バッファ920の出力信号を受信したアドレス変更遅延合成器930のアドレス変更信号を用いたパルス発生器940、950の出力信号(ATD1、ATDb2)を制御信号として使用する。アドレス変更信号を受信した第1パルス発生器940は固定された幅のパルスを有する第1アドレス変更検出信号(ATD1)を出力し、第1アドレス変更検出信号(ATD1)とブロックイネイブル(EN)を受信した第2パルス発生器950は電源電圧(Vdd)に実質的に比例するパルス幅を有する第2アドレス変更検出信号の反転された信号(ATD2b)を出力する。ブロックイネイブル信号(EN)は読み出し入力バッファ920の入力信号と同一の信号であり得る。センシング部960は第1アドレス変更検出信号(ATD1)によって出力端子(SOM)の電圧をアース電圧に放電させた後、反転された第2アドレス変更検出信号(ATD2b)によって出力端子(SOM)をプリチャージさせる。このとき、反転された第2アドレス変更検出信号(ATD2b)のローの区間が電源電圧(Vdd)に実質的に比例するので電源が高いとさらに長い時間の間プリチャージさせ出力端子(SOM)の電圧をさらに高くすることができる。それにより、メインセルのデータを読み取りするとき、さらに高い電圧で読み取るのでセンシングするまでの時間が減少される。
【0029】
図10に示すように、電源電圧(Vdd)が1.0Vから1.4Vに増加しても、従来の場合のように(図3)センシングする時間の遅延(Tvdd)が殆どなく一定の時点でセンシングする。以上、電源電圧の増加によりパルス幅が増加するパルス発生器を用いることで、電源電圧が増加してもセンシングする時間が一定のセンス増幅器を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上、説明したように、本発明によるパルス発生器は基準電流とインバータ部とを用いて、電源電圧が増加するとインバータ部のロジックしきい電圧が増加して遅延時間が増加することを用い、パルス幅が電源電圧に実質的に比例するパルス波形を出力することができるという長所がある。
また、本発明によるセンス増幅器は電源電圧に実質的に比例するパルス幅を有するパルス波形を用いて、広い範囲の電源電圧でも一定のセンシング時間を有することができるという長所がある。
【0031】
以上、本発明を実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来のセンス増幅器の一部を示した回路図である。
【図2】低電圧に使用される従来のセンス増幅器回路200を示す回路図である。
【図3】図2の従来の構造でのセンス増幅器200の信号のタイミング図である。
【図4】センス増幅器200のSOR及びSOMノードの波形図である。
【図5】一般的なパルス発生器の回路図であり、図6は図5のパルス発生器の出力信号を示すグラフである。
【図6】図5のパルス発生器の出力信号を示すグラフである。
【図7】本発明の第1実施例によるパルス発生器の回路図である。
【図8】図7のパルス発生器の出力信号を示したグラフである。
【図9】本発明の一実施例によるセンス増幅器の回路図である。
【図10】図9のセンス増幅器回路の各ノードで時間による電圧の変化を示したグラフである。
【符号の説明】
【0033】
510 基準電流発生部
520 充電部
525 第1インバータ部
530 放電部
535 第2インバータ部
540 ロジック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧とブロックイネイブル信号とに応じて基準電流を発生する基準電流発生部と、
入力信号に応じて前記基準電流をミラーリングした第1ミラーリング電流を充電し第1出力信号を発生する充電部と、
前記第1出力信号と前記基準電圧に応じて前記基準電流をミラーリングした第2ミラーリング電流を放電して第2出力信号を発生する放電部と、
前記入力信号と前記第2出力信号とに応じて電源電圧に実質的に比例するパルス幅を有する第3出力信号を発生するロジック部と、
を含むことを特徴とするパルス発生器。
【請求項2】
前記ロジック部は、
前記入力信号が非アクティブ状態であり、前記第2出力信号がアクティブ状態の際、前記第3出力信号をアクティブ状態に出力することを特徴とする請求項1記載のパルス発生器。
【請求項3】
前記ロジック部は、
前記第2出力信号を受信して前記第2出力信号の反転された位相を有する信号を出力するインバータと、
前記インバータの出力と前記入力信号とを受信して前記第3出力信号を出力するNORゲートと、を含むことを特徴とする請求項2記載のパルス発生器。
【請求項4】
前記基準電流発生部は、
前記ブロックイネイブル信号がアクティブ状態のとき前記基準電流を発生することを特徴とする請求項2記載のパルス発生器。
【請求項5】
前記充電部は、
前記入力信号がアクティブ状態であると前記第1出力信号を非アクティブ状態にし、前記入力信号が非アクティブ状態であると前記第1ミラーリング電流を前記充電部の出力端子に充電して前記第1出力信号をアクティブ状態にすることを特徴とする請求項2記載のパルス発生器。
【請求項6】
前記放電部は、
前記第1出力信号が非アクティブ状態であると前記第2出力信号をアクティブ状態にし、前記第1出力信号がアクティブ状態であると前記第2ミラーリング電流を前記放電部の出力端子から放電して前記第2出力信号を非アクティブ状態にすることを特徴とする請求項2記載のパルス発生器。
【請求項7】
ゲートがブロックイネイブル信号を受信しソースが電源電圧に連結されドレインが第1出力端子に連結された第1PMOSトランジスタと、
ソースが前記電源電圧に連結され、ゲートとドレインとが前記第1出力端子に連結された第2PMOSトランジスタと、
ゲートが前記ブロックイネイブル信号を受信しドレインが前記第1出力端子に連結された第1NMOSトランジスタと、
ゲートが基準電圧を受信しドレインは前記第1NMOSトランジスタのソースに連結されソースはアース電圧に連結された第2NMOSトランジスタと、
ゲートが前記第1出力端子に連結されソースが前記電源電圧に連結された第3PMOSトランジスタと、
ゲートが入力信号を受信しソースは前記第3PMOSトランジスタのドレインに連結されドレインは第2出力端子に連結された第4PMOSトランジスタと、
ゲートが前記入力信号を受信しソースは前記アース電圧に連結されておりドレインが前記第2出力端子に連結された第3NMOSトランジスタと、
前記第2出力端子と前記アース電圧との間を連結する第1キャパシタと、
ゲートが前記第2出力端子に連結されソースが前記電源電圧に連結されドレインである第3出力端子に連結された第5PMOSトランジスタと、
ゲートが前記第2出力端子に連結されドレインが前記第3出力端子に連結された第4NMOSトランジスタと、
ゲートが前記基準電圧に連結されドレインが前記第4NMOSトランジスタのソースに連結されソースが前記アース電圧に連結された第NMOSトランジスタと、
前記第3出力端子と前記アース電圧とを連結する第2キャパシタ、
入力端子が前記第3出力端子に連結されたインバータと、
第1入力端子は前記インバータの出力端子に連結され第2入力端子は前記入力信号を受信して前記電源電圧が増加すると増加し前記電源電圧が減少すると減少する出力信号を発生するNORゲートと、
を含むことを特徴とするパルス発生器。
【請求項8】
電源電圧に連結され第1基準電流を発生する第1電流源、
前記第1電流源とアース電圧とを連結し、入力信号によって第1出力端子を放電するか前記第1基準電流に充電して前記入力信号と反転された位相の第1出力信号を発生する第1インバータ部と、
前記アース電圧に連結され第2基準電流を発生する第2電流源と、
前記第2電流源と前記電源電圧とを連結し、前記第1出力信号によって第2出力端子を充電するか前記第2基準電流に放電して第1出力信号と実質的に反転された位相を有した第2出力信号を発生する第2インバータ部と、
前記第2出力信号と前記入力信号とに応じて前記電源電圧に実質的に比例するパルス幅を有する第3出力信号を発生するロジック部と、
を含むことを特徴とするパルス発生器。
【請求項9】
前記ロジック部は、
前記入力信号が非アクティブ状態であり、前記第2出力信号がアクティブ状態のとき、前記第3出力信号をアクティブ状態に出力することを特徴とする請求項8記載のパルス発生器。
【請求項10】
前記第1インバータ部は、
ソースは前記第1電流源に連結され、ドレインは前記第1出力端子に連結され、ゲートは前記入力信号に連結された第1PMOSトランジスタと、
ソースは前記アース電圧に連結され、ドレインは前記第1出力端子に連結され、ゲートは前記入力信号に連結された第1NMOSトランジスタと、
前記第1出力端子と前記アース電圧とを連結する第1キャパシタと、を含むことを特徴とする請求項9記載のパルス発生器。
【請求項11】
前記第2インバータ部は、
ソースは前記電源電圧に連結され、ドレインは前記第2出力端子に連結され、ゲートは前記第1出力端子に連結された第2PMOSトランジスタと、
ソースは前記第2電流源に連結され、ドレインは前記第2出力端子に連結され、ゲートは前記第1出力端子に連結された第2NMOSトランジスタと、
前記第2出力端子と前記アース電圧とを連結する第2キャパシタと、を含むことを特徴とする請求項10記載のパルス発生器。
【請求項12】
アドレス入力信号を受信するアドレス入力バッファと、
読み出し入力信号を受信する読み出し入力バッファと、
前記アドレス入力バッファの出力信号と前記読み出し入力バッファの出力信号とを受信してアドレス変更信号を出力するアドレス変更遅延合成器と、
前記アドレス変更信号を受信して固定されたパルス幅の第1アドレス変更検出信号を出力する第1パルス発生器と、
前記第1アドレス変更検出信号とブロックイネイブル信号とを受信して電源電圧に実質的に比例するパルス幅を有する第2アドレス変更検出信号の反転された信号を出力する第2パルス発生器と、
前記第1アドレス変更検出信号と第2アドレス変更検出信号の反転された信号とによって第1入力端子を介してメインセルのデータを受信して第1出力端子を介して第1出力信号を出力するセンシング部と、
前記第1出力信号を受信してセンス基準電流と比較して第2出力端子を介して第2出力信号を出力するセンス基準部と、
前記第2出力信号を受け第3出力信号を出力するバッファ部と、
を含むことを特徴とするセンス増幅器。
【請求項13】
前記第2パルス発生器は、
基準電圧と前記ブロックイネイブル信号に応じて基準電流を発生する基準電流発生部と、
前記第1アドレス変更検出信号に応じて前記基準電流をミラーリングした第1ミラーリング電流を充電して第4出力信号を発生する充電部と、
前記第4出力信号と前記基準電圧とに応じて前記基準電流をミラーリングした第2ミラーリング電流を放電して第5出力信号を発生する放電部と、
前記第1アドレス変更検出信号と前記第5出力信号とに応じて電源電圧に比例するパルス幅を有する第6出力信号の反転された信号である第2アドレス変更検出信号を発生するロジック部と、を含むことを特徴とする請求項12記載のセンス増幅器。
【請求項14】
前記ロジック部は、
前記第1アドレス変更検出信号が非アクティブ状態であり、前記第5出力信号がアクティブ状態のとき、前記第6出力信号をアクティブ状態に出力することを特徴とする請求項13記載のパルス発生器。
【請求項15】
前記充電部は、
前記第1アドレス変更検出信号がアクティブ状態であると前記第4出力信号を非アクティブ状態にし、前記第1アドレス変更検出信号が非アクティブ状態であると前記1ミラーリング電流を前記充電部の出力端子に充電して前記第4出力信号をハイ状態にすることを特徴とする請求項14記載のセンス増幅器。
【請求項16】
前記放電部は、
前記第4出力信号が非アクティブ状態であると前記第5出力信号をアクティブ状態にし、前記第4出力信号がアクティブ状態であると前記第2ミラーリング電流を前記放電部の出力端子から放電して前記第5出力信号を非アクティブ状態にすることを特徴とする請求項14記載のセンス増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−196149(P2006−196149A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375747(P2005−375747)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】