説明

パーキングブレーキ装置を有する油圧車両ブレーキとその運転をするための方法

本発明は、ブレーキハウジング(1)と、ブレーキピストン(6)によって制限されている作動圧室(7)と、遮断可能な蓄圧室(9)とを有する、パーキングブレーキ装置を有する油圧車両ブレーキに関する。加えて本発明は、油圧車両ブレーキを運転するための方法に関する。本発明は、両油圧室(7,9)を同時にエア抜きするためのデュアルブリーダ(2)が設けられていることを提案する。このため、デュアルブリーダ(2)は、2つの要素(30,31)を備え、第1の要素(30)は、第1のシール座(35)と協働し、これにより、両油圧室(7,9)間の油圧接続部(29)が分離可能であり、第2の要素(31)は、第2のシール座(36)と協働し、これにより、両油圧室(7,9)の少なくとも一方が、大気と接続可能である。加えて、パーキングブレーキ装置の非常解除をするための方法が提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキハウジングを有し、このブレーキハウジング内に、少なくとも2つの油圧室が形成されており、一方の油圧室が、ブレーキピストンによって制限されている作動圧室によって構成され、他方の油圧室が、遮断可能な蓄圧室によって構成される、特に自動車用の、パーキングブレーキ装置を有する油圧車両ブレーキに関する。加えて、本発明は、油圧車両ブレーキを運転するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような油圧車両ブレーキは、例えば特許文献1から公知であり、そこには、特に図3a及び3bを基にして説明されている。油圧媒体内に溶けたガス又は空気の泡を排出するため、この公知の油圧車両ブレーキの場合、2つの油圧室のエア抜きを行なうことができる。このため、各油圧室のためにそれぞれ1つの独立したブリーダを装着することができるが、しかしながら、これは、使用可能である構造空間を考慮するとほとんど有利でないと見なすことができる。
【0003】
パーキングブレーキ工程を実施するため、この公知のシステムの場合は、作動圧室及び蓄圧室内の圧力上昇が、好ましくは外部制御可能な圧力発生ユニットによって実現される。この公知の油圧車両ブレーキにおける電気の供給を受けるコンポーネントの可能な故障は、パーキングブレーキ装置の解除を不可能にする。
【特許文献1】国際公開第2004/027282号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の課題は、両油圧室のエア抜きを簡単かつ確実に実施することができるように、使用可能である構造空間を考慮して、冒頭で述べた種類のパーキングブレーキ装置を有する油圧車両ブレーキを改善することにある。本発明の第2の課題は、電子ユニット又は電気供給部全体の故障中に油圧車両ブレーキのパーキングブレーキ装置の非常解除を実現可能にする方法を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
最初に述べた課題は、本発明によれば、両油圧室を同時にエア抜きするためのデュアルブリーダが設けられていることによって解決される。
【0006】
本発明の特に有利な実施形では、デュアルブリーダが、2つの要素を備え、第1の要素が、第1のシール座と協働し、これにより、両油圧室間の油圧接続部が分離可能であり、第2の要素が、第2のシール座と協働し、これにより、両油圧室の少なくとも一方が、大気と接続可能である。
【0007】
本発明の特に有利な実施形では、第1のシール座が、油圧接続部に合流するブレーキハウジング内の穿孔によって構成される。
【0008】
この場合には、第2のシール座が、油圧接続部に合流する第1の要素内の軸方向の穿孔によって構成される。
【0009】
本発明対象の有利な発展構成では、第1の要素が、ネジを介してブレーキハウジングにねじ込まれているブリーダスリーブとして形成されており、第2の要素が、ブリーダスリーブの軸方向の穿孔にねじ込まれているブリーダスクリュによって実現される。
【0010】
本発明の特に有利な構成は、ブリーダスリーブが、パーキングブレーキ装置の非常解除要素として使用されることにある。
【0011】
ブレーキハウジング内に、ブリーダスリーブのネジの弛みを防止するストッパ要素が形成されている。
【0012】
本発明対象の他の特に有利な実施変形例では、ブリーダスクリュ内に、ダストキャップによって閉鎖されている別の軸方向の穿孔が設けられている。
【0013】
本発明の第2の課題は、パーキングブレーキ装置の非常解除が、少なくとも以下のステップ、即ち、
I.作動圧室が蓄圧室と油圧接続されているように、非常解除要素の手動操作をするステップ、
II.もっぱら運転者によるブレーキペダルの操作によって作動圧室と蓄圧室内の圧力上昇をさせるステップ、
III.ブレーキピストンのロックを解除するステップ、
によって行なわれることにより解決される。
【0014】
本発明による方法の特に有利な発展構成では、ロックの解除が、ブレーキピストンと協働するネジ付きスピンドルのためのセンタ軸受の作用の再形成によって実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
貼付図と関連させた実施例を基にして本発明を以下で詳細に説明する。
【0016】
図1に図示した本発明による油圧車両ブレーキの構成は、図示されてない1つのブレーキディスクと同様に図示されてない2つのブレーキパッドとを包囲するブレーキハウジング1を備える。ブレーキハウジング1は、その内側に、ブレーキピストン6を軸方向に移動可能に収容するブレーキシリンダ5を構成する。ブレーキシリンダ5とブレーキピストン6間に構成される作動圧室7内に、油圧接続部8によってブレーキ液が供給されるので、ブレーキ圧が発生し、このブレーキ圧が、ブレーキピストン6を軸方向にブレーキディスクに向かって移動させる。これにより、ブレーキピストン6側のブレーキパッドがブレーキディスクに押し付けられ、反作用として、ブレーキハウジング1は、反対方向に移動し、これにより、他方のブレーキパッドをもブレーキディスクに押し付ける。
【0017】
加えて図1から分かるように、作用アキュムレータ10は、ブレーキハウジング1のブレーキピストン6とは反対側に配設されている。作用アキュムレータ10は、本質的に、油圧の蓄圧室9と、この蓄圧室9を制限するアキュムレータピストン11と、示した例では皿バネのセットとして形成され、アキュムレータピストン11に支持されるバネ要素12とから成る。作用アキュムレータ10内に蓄積されたエネルギーは、パーキングブレーキ工程の間、以下で更に詳細に説明するようにブレーキピストン6に作用する。これにより、ブレーキパッドに作用する実行力が、ブレーキハウジング1の領域内の熱を条件とする長さ変化にほとんど依存しないということが得られる。
【0018】
パーキングブレーキ機能を実現するために必要であるロック装置は、図1に図示された構成の場合、スピンドルギヤもしくはネジ付きナット−スピンドル装置14によって構成されている。前記ネジ付きナット−スピンドル装置14は、ネジ付きナット15と、ノンセルフロックのネジによって互いに接続しているスピンドル16とから成る。この場合、ネジ付きナット15は、ブレーキピストン6と不動に結合されているが、スピンドル16は、そのブレーキピストン6とは反対側の端部に、好ましくは円錐形の第1の摩擦面17を備え、この摩擦面は、アキュムレータピストン11内に捩じれないように配設された第2の摩擦面18と係脱可能である。この目的のため、荷重伝達要素27が設けられており、この荷重伝達要素は、アキュムレータピストン11内のシリンダ形の段付き孔13によって収容され、この段付き孔を経て突出し、スピンドル16のためのセンタ軸受21を構成する。アキュムレータピストン11に対する荷重伝達要素27の相対運動により、センタ軸受21の機能が解除され、両摩擦面17,18は、以下で更に詳細に説明するように互いに係合する。加えて、ブレーキハウジング1に支持されたバネ19は、スラスト軸受20を介在させて第2の摩擦面18もしくはセンタ軸受21の方向にスピンドル16を予緊張する。
【0019】
本発明による油圧車両ブレーキの第1の構成は、図1ではパーキングブレーキが解除された状態で図示されている。パーキングブレーキをロックするため、詳細には設定されてない圧力発生器によって、先ず作動圧室7及び蓄圧室9内で油圧が上昇させられる。このため、好ましくは無通電で閉じる(SG)弁24として形成されている電気操作可能な弁が、その開放した操作位置に移動されなければならない。作動圧室7内の圧力上昇に対する反作用として、ブレーキピストン6は、図面で左方に移動するが、アキュムレータピストン11は、予緊張されたバネ要素12の力の作用とは反対に図面で右方に移動される。この工程で、バネ要素12が圧縮される。この場合、アキュムレータピストン11は、荷重伝達要素27に形成されたカラー4が段付き孔13の小径と大径間の移行部に支持されることによって、荷重伝達要素27を連動させる。アキュムレータピストン11は、従って荷重伝達要素27は、今述べた蓄圧室9内の圧力上昇によって、荷重伝達要素27と荷重伝達をするように結合しているアンカープレート23が電磁アクチュエータ3に当接するまで、図1で右方に移動される。この工程で、スピンドル16は、バネ19の荷重作用に基づいて更にセンタ軸受21に当接し、これにより、両摩擦面17,18は、係合することができない。
【0020】
引き続き、電磁アクチュエータ3が通電され、これにより、アンカープレート23は、その前記の当接位置に電磁アクチュエータ3によってロックされる。引き続き作動圧室7及び蓄圧室9内で圧力上昇が行なわれた場合、ブレーキピストン6は、図面で右方に運動するが、アクチュエータピストン11は、左方に運動する。荷重伝達要素27をロックすることによって、荷重伝達要素27とアクチュエータピストン11間で相対運動が可能になり、これにより、スピンドル16のためのセンタ軸受21の機能が解除され、両摩擦面17,18が互いに係合される。既に述べた、予緊張されたバネ要素12は、アクチュエータピストン11、係合された摩擦面17,18に基づいてブロックされたスピンドル16、ネジ付きナット15、従ってブレーキピストン6を、図面で左方もしくは図示されてないブレーキディスクに向かって押し付ける。これにより、車両ブレーキは、その実行状態にロックされる。引き続き、電磁アクチュエータ3は、もはや通電されず、アンカープレート23もしくは荷重伝達要素27は、もはやロックされていない。弁24は、無通電に切り替えられ、これにより閉鎖されている。即ち、油圧車両ブレーキは、ロックを実行状態に維持するために、いかなる電気エネルギーも、いかなる油圧も必要とせず、これは、有利であると見なすことができる。
【0021】
更にまた、ロックを解除するため、作動圧室7内の油圧も、SG弁24を相応に制御した後の蓄圧質9内の油圧も上昇させられる。油圧は、更にまたブレーキピストン6を図1で左方に、またアクチュエータピストン11を右方に移動させる。但し、これは、アクチュエータピストン11が除荷された場合、パーキングブレーキのロック解除をするために十分である。荷重伝達要素27を段付き孔13の小径と大径間の移行部に当接させる別のバネ要素22は、スピンドル16の方向に荷重伝達要素27を押し付け、係合している摩擦面17,18を、アクチュエータピストン11が相応に除荷された場合に当接させる。荷重伝達要素27は、引き続き再びスピンドル16のためのセンタ軸受21を構成する。
【0022】
図1から分かるように、前記の別のバネ要素22は、更に、作動圧室7だけが圧力の作用を受けるフットブレーキの場合、別のバネ要素22によって作動圧室7内の油圧の荷重作用とは反対に予緊張されているので、荷重伝達要素27が移動されないように作用する。アキュムレータピストン11は、フットブレーキの場合は、作動圧室7とは反対側のアクチュエータピストン11の有効直径がブレーキピストン6の有効直径よりも小さいので、同様に移動されない。加えて、構造的に決まる予緊張力によって形成されるバネ要素12は、作動圧室7内の圧力作用とは反対に作用し、これが、フットブレーキの間のアクチュエータピストン11の移動を同様に防止する。
【0023】
電磁アクチュエータ3のコイル25は、アンカープレート23の位置を検出するためのセンサの機能を満たし、この位置で、車両ブレーキのロックが可能であるかないかが確認可能である。加えて、特に電磁アクチュエータ3に対するアンカープレート23の当接は、油圧室7,9内でのパーキングブレーキ工程を実施するための圧力上昇を終了させたという詳細には設定されてない圧力発生器のための信号である。アンカープレートの位置を確実に検出するため、アンカープレートの運動によって生じた電磁アクチュエータ3のコイル25のインダクタンス変化が決定される。これは、コイル25に電圧パルスが加えられることによって行なわれる。同時に、コイル25を流れる電流の推移が検出される。この電流推移は、アンカープレート23の位置、これにより荷重伝達要素27の位置を推定させる。アンカープレート23の位置が変化した場合、コイル25を流れる電流の推移も変化する。コイル25のインダクタンス変化は、特にアンカープレート23と電磁アクチュエータ3の鉄ヨーク26間の間隙の大きさに依存する。
【0024】
当然、同様に、アンカープレートの位置の検出もしくは荷重伝達要素27の位置の決定をするためのセンサ要素を使用することも考えられる。
【0025】
このセンサ要素は、非接触の感知を可能にするホールセンサ又は耐磁性のセンサ要素として構成することができる。
【0026】
作動圧室7及び蓄圧室9内の圧力上昇のため、好ましくは外部制御可能な種々の圧力発生ユニットが使用される。従って、例えば油圧ポンプを使用することができる。外部制御可能なブレーキブースタとブレーキブースタの後に接続されるマスターブレーキシリンダとを有する操作ユニットも考えられる。
【0027】
しかしながらまた、選択的に、運転者によって操作可能な圧力発生器も使用することができる。
【0028】
図1を基にして説明した車両ブレーキとこの車両ブレーキに接続する油圧ラインシステムとを空気及びガスの泡から解放するため、エア抜きを行なうことができる。両油圧室7,9がエア抜きされなければならないので、本発明では、両油圧室7,9を同時にエア抜きするためのデュアルブリーダ2を提案する。デュアルブリーダ2は、図2に図示されており、図1を基にして説明したブレーキハウジング1の油圧接続部8と向かい合っている側に取り付けられる。図2に図示されているように、デュアルブリーダ2は、2ピース構造を備える。ブレーキハウジング1の穿孔33に、ネジ40によってブリーダスリーブ30がねじ込まれている。ブリーダスリーブ30は、更にまた軸方向の穿孔32を備え、この穿孔に、別のネジ41によってブリーダスクリュ31がねじ込まれている。
【0029】
以下で、デュアルブリーダ2の機能方法を詳細に説明する:ブレーキハウジング1にねじ込まれたブリーダスリーブ30は、図1を基にして既に説明した作動圧室7が蓄圧室9と接続可能であるように、第1のシール座35と協働する。このため、穿孔37が、作動圧室7からほぼ半径方向に設けられており、加えて、この穿孔が、第1のシール座35を構成する。更に、一方で蓄圧室9に、他方で作動圧室7と接続された穿孔37に合流する油圧接続部29がブレーキハウジング1内に設けられている。この場合、油圧接続部29は、第1のシール座35とブリーダスリーブ30の協働により前記穿孔37と接離可能である。これにより、作動圧室7は、蓄圧室9と油圧を接離可能である。
【0030】
図2に図示されているように、ブリーダスリーブ30内に形成されている軸方向の穿孔32は、既に説明した油圧接続部29に合流する。この軸方向の穿孔32は、この軸方向の穿孔32にねじ込まれているブリーダスクリュ31と協働する第2のシール座36を構成する。ブリーダスクリュ31は、ダストキャップ39によって閉鎖されている別の軸方向の穿孔38を備える。ブリーダスクリュ31が前記第2のシール座36に当接しない場合に限って、油圧接続部29は、従って少なくとも蓄圧室9は、大気と接続されている。同時に作動圧室7が前記のように蓄圧室9と油圧接続されている場合、作動圧室7も、大気と接続されている。
【0031】
油圧車両ブレーキのエア抜き工程の際、先ず、ブリーダスリーブ30は、ブレーキハウジング1内に形成されたストッパ要素34が更に弛むことを防止するまで弛められる。これにより、先ず、作動圧室7と蓄圧室9とが互いに接続されている。引き続き、ブリーダスクリュ31が弛められ、ダストキャップ39が取り外され、これにより、両油圧室7,9は、既に説明したように大気と接続される。引き続き、図1を基にして説明したSG弁24が、通電、即ち開放される。詳細には説明してない圧力発生ユニットの後に続く圧力上昇は、作動圧室7及び蓄圧室9を経て油圧接続部29及びブリーダスクリュ31内に設けられている別の軸方向の穿孔38を介して油圧車両ブレーキもしくは油圧ブレーキシステムから油圧媒体を排出する。場合によっては油圧媒体内に存在する空気又はガスの泡が、この工程によって流し出される。
【0032】
引き続き、ブリーダスクリュ31が再び締め付けられ、これにより、油圧室7,9は、もはや大気とは接続されていない。これに続いて、ブリーダスリーブ30も再び締め付けられ、これにより、両油圧室7,9の接続が分離される。
【0033】
加えて、ブリーダスリーブ30は、以下で詳細に説明されるように、パーキングブレーキ装置の非常解除要素として使用される。電気エネルギーが故障した場合、図1を基にして説明したSG弁24は、開放させることができず、車両ブレーキの前記解除工程を行なうことはできない。
【0034】
同じことが、SG弁24を、故障によってその開放した切替え位置に移動させることができない場合にも当て嵌まる。
【0035】
車両ブレーキのロック工程及び解除工程を実施するために、電気操作される圧力発生ユニットが使用される場合、電気エネルギーの故障又は圧力発生ユニット自体の故障が生じた場合は、同様にいかなる解除工程ももはや可能でない。これら故障にもかかわらず、自動車を移動させることができるように、非常解除工程は実施されなければならない。このため、先ず、ブリーダスリーブ30は、ストッパ要素34が更なる弛みを防止するまで弛められる。
【0036】
これにより、作動圧室7は、既に説明したように、蓄圧室9と油圧接続されている。運転者による、即ち運転者によりブレーキペダルが操作されることによる圧力上昇は、作動圧室7と蓄圧室9間の接続の開放に基づいて、両油圧室7,9に作用する。この場合、図1を基にして説明した解除工程におけるように、ブレーキピストンが図1で左方に移動され、同時にアキュムレータピストン11が除荷される。図1に図示されたバネ要素22は、荷重伝達要素27をスピンドル16の方向に押し付け、係合している摩擦面17,18に当接する。引き続き、荷重伝達要素27は、再びスピンドル16のためのセンタ軸受21を構成し、自動車は、制動を受けずに移動させることができる。引き続き、更にブリーダスクリュ30が再び締め付けられ、これにより、両油圧室7,9は、再び分離されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を適用することができる油圧車両ブレーキの軸方向の断面図を示す。
【図2】本発明による油圧車両ブレーキの構成を部分図で示す。
【符号の説明】
【0038】
1 ブレーキハウジング
2 デュアルブリーダ
3 電磁アクチュエータ
4 カラー
5 ブレーキシリンダ
6 ブレーキピストン
7 作動圧室
8 油圧接続部
9 蓄圧室
10 作用アキュムレータ
11 アキュムレータピストン
12 バネ要素
13 段付き孔
14 ネジ付きナット−スピンドル装置
15 ネジ付きナット
16 スピンドル
17 第1の摩擦面
18 第2の摩擦面
19 バネ
20 スラスト軸受
21 センタ軸受
22 バネ要素
23 アンカープレート
24 (SG)弁
25 コイル
26 鉄ヨーク
27 荷重伝達要素
29 油圧接続部
30 ブリーダスリーブ
31 ブリーダスクリュ
32 穿孔
33 穿孔
34 ストッパ要素
35 第1のシール座
36 第2のシール座
37 穿孔
38 穿孔
39 ダストキャップ
40 ネジ
41 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキハウジング(1)を有し、このブレーキハウジング内に、少なくとも2つの油圧室(7,9)が形成されており、一方の油圧室が、ブレーキピストン(6)によって制限されている作動圧室(7)によって構成され、他方の油圧室が、遮断可能な蓄圧室(9)によって構成される、特に自動車用の、パーキングブレーキ装置を有する油圧車両ブレーキにおいて、
両油圧室(7,9)を同時にエア抜きするためのデュアルブリーダ(2)が設けられていることを特徴とする油圧車両ブレーキ。
【請求項2】
デュアルブリーダ(2)が、2つの要素(30,31)を備え、第1の要素(30)が、第1のシール座(35)と協働し、これにより、両油圧室(7,9)間の油圧接続部(29)が分離可能であり、第2の要素(31)が、第2のシール座(36)と協働し、これにより、両油圧室(7,9)の少なくとも一方が、大気と接続可能であることを特徴とする請求項1に記載の油圧車両ブレーキ。
【請求項3】
第1のシール座(35)が、油圧接続部(29)に合流するブレーキハウジング(1)内の穿孔(37)によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の油圧車両ブレーキ。
【請求項4】
第2のシール座(36)が、油圧接続部(29)に合流する第1の要素(30)内の軸方向の穿孔(32)によって構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の油圧車両ブレーキ。
【請求項5】
第1の要素(30)が、ネジ(40)を介してブレーキハウジング(1)にねじ込まれているブリーダスリーブ(30)として形成されており、第2の要素(31)が、ブリーダスリーブ(30)の軸方向の穿孔(32)にねじ込まれているブリーダスクリュ(31)によって実現されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の油圧車両ブレーキ。
【請求項6】
ブリーダスリーブ(30)が、パーキングブレーキ装置の非常解除要素として使用されることを特徴とする請求項2に記載の油圧車両ブレーキ。
【請求項7】
ブレーキハウジング(1)内に、ブリーダスリーブ(30)のネジの弛みを防止するストッパ要素(34)が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の油圧車両ブレーキ。
【請求項8】
ブリーダスクリュ(31)内に、ダストキャップ(39)によって閉鎖されている別の軸方向の穿孔(38)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の油圧車両ブレーキ。
【請求項9】
ブレーキハウジング(1)を有し、このブレーキハウジング内に、少なくとも2つの油圧室(7,9)が形成されており、一方の油圧室が、ブレーキピストン(6)によって制限されている作動圧室(7)によって構成され、他方の油圧室が、遮断可能な蓄圧室(9)によって構成される、特に自動車用の、パーキングブレーキ装置を有する油圧車両ブレーキを運転するための方法において、
パーキングブレーキ装置の非常解除が、少なくとも以下のステップ、即ち、
I.作動圧室(7)が蓄圧室(9)と油圧接続されているように、非常解除要素(30)の手動操作をするステップ、
II.もっぱら運転者によるブレーキペダルの操作によって作動圧室(7)と蓄圧室(9)内の圧力上昇をさせるステップ、
III.ブレーキピストン(6)のロックを解除するステップ、
によって行なわれることを特徴とする方法。
【請求項10】
ロックの解除が、ブレーキピストン(6)と協働するネジ付きスピンドル(16)のためのセンタ軸受(21)の作用の再形成によって実現されることを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−523789(P2007−523789A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553591(P2006−553591)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050703
【国際公開番号】WO2005/078307
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】