説明

ヒドロキシビフェニルカルボン酸およびそれらの誘導体、それらの製造方法、ならびにそれらの使用

本発明は、置換されたヒドロキシビフェニル類、それらの誘導体および生理学的に許容できる塩に関する。本発明は、式(I)
【化1】


(式中、置換基R1、R2およびAは定義された通り)で示される化合物、それらの生理学的に許容できる塩に関する。本発明の化合物は、例えば血糖降下剤として、さらに、糖尿病の予防および治療に使用するための薬物として適切である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換されたヒドロキシビフェニルカルボン酸、および、それらの生理学的に許容できる塩に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、類似の構造を有する化合物が説明されており、それらの糖尿病を治療するための使用は、WO99/58518で説明されている。さらなる類似の構造を有する化合物が、WO2004/099170、EP0490820、および、WO01/70678で開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、糖尿病を予防および治療することが可能な化合物を提供する目的に基づく。この目的のために、治療上利用可能な血糖降下作用を示す化合物が対象となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、式Iで示される新規の化合物、および、それらの生理学的に許容できる塩を提供することによって達成される:
【化1】

式中、
R1は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C4)−アルキル−O−(C1〜C4)−アルキル、−(C2〜C6)−アルケニル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−アリール、−(C1〜C6)−アルキル−アリール、−(C2〜C6)−アルケニル−アリール、−(C1〜C6)−アルキル−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、アルケニル、アリールおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C2〜C6)−アルケニル、(C2〜C6)−アルキニル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環で置換されていてもよく;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2を意味し、ここにおいて、nは0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
【0005】
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環を意味し、ここにおいて、nは0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回置換されていてもよく;
【0006】
R2は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C4)−アルキル−O−(C1〜C4)−アルキル、−(C2〜C6)−アルケニル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C1〜C6)−アルキル−アリール、−(C2〜C6)−アルケニル−アリール、複素環、−(C1〜C6)−アルキル−複素環、−(C2〜C6)−アルケニル−複素環、−(C1〜C6)−アルキル−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C2〜C6)−アルケニル、(C2〜C6)−アルキニル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環で置換されていてもよく;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2を意味し、ここにおいて、nは0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
【0007】
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環を意味し、ここにおいて、nは0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回置換されていてもよく;
Aは、結合、O、NH、Sである。
【0008】
好ましくは、ラジカルR1、R2およびAが以下の意味を有する式Iで示される化合物、および、それらの生理学的に許容できる塩である:
R1は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C4)−アルキル−O−(C1〜C4)−アルキル、−(C2〜C6)−アルケニル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−アリール、−(C1〜C6)−アルキル−アリール、−(C2〜C6)−アルケニル−アリール、−(C1〜C6)−アルキル−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、アルケニル、アリールおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
R2は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C4)−アルキル−O−(C1〜C4)−アルキル、−(C2〜C6)−アルケニル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C1〜C6)−アルキル−アリール、−(C2〜C6)−アルケニル−アリール、複素環、−(C1〜C6)−アルキル−複素環、−(C2〜C6)−アルケニル−複素環、−(C1〜C6)−アルキル−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
Aは結合である。
【0009】
特に好ましくは、ラジカルR1、R2およびAが以下の意味を有する式Iで示される化合物、および、それらの生理学的に許容できる塩である:
R1は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C6)−アルキル−フェニル、−(C1〜C6)−アルキル−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C3〜C8)−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、フェニルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
R2は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C6)−アルキル−フェニル、−(C1〜C6)−アルキル−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C3〜C8)シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−フェニル、−複素環を意味し、ここにおいて、該アルキル、フェニル、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
Aは結合である。
【0010】
さらに特に好ましくは、ラジカルR1、R2およびAが以下の意味を有する式Iで示される化合物、および、それらの生理学的に許容できる塩である:
R1は、−CH2−フェニル、−CH2−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C3〜C8)−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該フェニルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
R2は、−CH2−フェニル、−CH2−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−フェニル、−CH2−複素環、−複素環を意味し、ここにおいて、該フェニル、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
Aは結合である。
【0011】
本発明は、それらのラセミ化合物、ラセミ混合物および純粋な鏡像異性体、および、それらのジアステレオ異性体の形態の式Iで示される化合物、ならびにそれらの混合物に関する。
【0012】
式Iで示される化合物においてラジカルまたは置換基が1個よりも多く存在する可能性がある場合、それらはいずれも、互いに独立して指定された意味を有していてもよく、さらにそれらは、同一でもよいし、または異なっていてもよい。
【0013】
製薬上許容できる塩は、具体的には医療用途に適しており、なぜならそれらの水溶性は、元の、または基礎となる化合物の水溶性より大きいためである。これらの塩は、製薬上許容できるアニオンまたはカチオンを含んでいなければならない。本発明の化合物の適切な製薬上許容できる酸付加塩は、無機酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、メタリン酸塩、硝酸塩および硫酸塩であり、さらに、有機酸の塩、例えば、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、メタスルホン酸塩、コハク酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、および、酒石酸塩である。適切な製薬上許容できる塩基性塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウムおよびカルシウム塩)、トロメタモール(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ジエタノールアミン、リシン、または、エチレンジアミンである。
【0014】
例えばトリフルオロ酢酸塩のような製薬的に許容できないアニオンを含む塩も同様に、製薬上許容できる塩を製造または精製するため、および/または、非治療的な用途、例えばインビトロでの用途で使用するための有用な中間体として本発明の構成に含まれる。
【0015】
本明細書で用いられる用語「生理学的に機能的な誘導体」は、本発明の式Iで示される化合物のあらゆる生理学的に許容できる誘導体を意味し、例えば、哺乳動物(例えばヒト)に投与すると、式Iで示される化合物またはそれらの活性な代謝産物を(直接的または間接的に)形成することができるエステルである。
【0016】
生理学的に機能的な誘導体としては、本発明の化合物のプロドラッグが挙げられ、例えば、H.Okada等.,Chem.Pharm.Bull.1994,42,57〜61で説明されているようなものである。このようなプロドラッグは、インビボで本発明の化合物に代謝され得る。これらのプロドラッグは、それ自身活性であってもよいし、または、そうでなくてもよい。
【0017】
また、本発明の化合物は、様々な多形の形態で存在していてもよく、例えば無定形や結晶性の多形の形態として存在していてもよい。本発明の化合物のあらゆる多形の形態が本発明の構成に含まれ、それらは本発明のさらなる形態の一つである。
【0018】
以下、「式Iで示される化合物」と言及される場合はいずれも、上述のような式Iで示される化合物、ならびに、本明細書で説明されているようなそれらの塩、溶媒化合物および生理学的に機能的な誘導体を意味する。
【0019】
アルキルラジカルは、1個またはそれ以上の炭素を有する直鎖状または分岐状の炭化水素鎖を意味し、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヘキシルである。
【0020】
アルキルラジカルは、適切な基で1回またはそれ以上で置換されていてもよく、このような基としては、例えば以下が挙げられる:
F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C2〜C6)−アルケニル、(C2〜C6)−アルキニル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、ここにおいて、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回置換されていてもよい。
【0021】
アルケニルラジカルは、2個またはそれ以上の炭素、および、1個またはそれ以上の二重結合を有する直鎖状または分岐状の炭化水素鎖を意味し、例えばビニル、アリル、ペンテニルである。
【0022】
アルケニルラジカルは、適切な基で1回またはそれ以上で置換されていてもよく、このような基としては、例えば以下のような基が挙げられる:F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C1〜C10)−アルキル、(C2〜C6)−アルキニル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、ここにおいて、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回が置換されていてもよい。
【0023】
アルキニルラジカルは、2個またはそれ以上の炭素、および、1個またはそれ以上の三重結合を有する直鎖状または分岐状の炭化水素鎖を意味し、例えばエチニル、プロピニル、ヘキシニルである。
【0024】
アルキニルラジカルは、適切な基で1回またはそれ以上で置換されていてもよく、このような基としては、例えば以下のような基が挙げられる:F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C2〜C6)−アルケニル、(C1〜C10)−アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、ここにおいて、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回置換されていてもよい。
【0025】
アリールラジカルは、フェニル、ナフチル−、ビフェニル−、テトラヒドロナフチル−、アルファ−、または、ベータ−テトラロン−、インダニル−、または、インダン−1−オン−イルラジカルを意味する。
【0026】
アリールラジカルは、適切な基で1回またはそれ以上で置換されていてもよく、このような基としては、例えば以下のような基が挙げられる:F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C1〜C10)−アルキル、(C2〜C6)−アルケニル、(C2〜C6)−アルキニル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、ここにおいて、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回置換されていてもよい。
【0027】
シクロアルキルラジカルは、1個またはそれ以上の環を含む環系を意味し、このような環は、飽和の状態か、または、部分的に不飽和(1または2個の二重結合を有する)の形態で、さらに炭素原子のみで構成されており、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、または、アダマンチルである。
【0028】
シクロアルキルラジカルは、適切な基で1回またはそれ以上で置換されていてもよく、このような基としては、例えば以下のような基が挙げられる:F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C1〜C10)−アルキル、(C2〜C6)−アルケニル、(C2〜C6)−アルキニル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、ここにおいて、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回置換されていてもよい。
【0029】
複素環または複素環式ラジカルは、炭素以外に、例えば窒素、酸素または硫黄のようなヘテロ原子も含む環および環系を意味する。また、この定義には、複素環または複素環式ラジカルがベンゼン核と縮合した環系も含まれる。
【0030】
適切な「複素環」または「複素環式ラジカル」は、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル(benztriazolyl)、ベンゾテトラゾリル(benztetrazolyl)、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダザリニル(benzimidazalinyl)、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、クロマニル、クロメニル(chromenyl)、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]−テトラヒドロフラン、フリル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インタゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピロアゾリジニル(pyroazolidinyl)、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール(pyridooxazole)、ピリドイミダゾール(pyridoimidazole)、ピリドチアゾール(pyridothiazole)、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアダジニル(thiadazinyl)、チアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル、および、キサンテニルである。
【0031】
ピリジルは、2−、3−および4−ピリジルのいずれも含む。チエニルは、2−および3−チエニルの両方を含む。フリルは、2−および3−フリルの両方を含む。
【0032】
また、これらの化合物の対応するN−酸化物も含まれ、すなわち、例えば1−オキシ−2−、3−、または、4−ピリジルである。
【0033】
また、これらの、1回またはそれ以上でベンゼン核に縮合した複素環の誘導体も含まれる。
【0034】
複素環または複素環式ラジカルは、適切な基で1回またはそれ以上で置換されていてもよく、このような基としては、例えば以下のような基が挙げられる:F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C1〜C10)−アルキル、(C2〜C6)−アルケニル、(C2〜C6)−アルキニル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環、ここにおいて、nは、0〜6が可能であり、ここにおいて、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回置換されていてもよい。
【0035】
望ましい生物学的作用を達成するのに必要な式Iで示される化合物の量は、例えば選択される具体的な化合物、目的とする使用、投与様式および患者の臨床症状のような多数の要因に依存する。1日用量は、一般的に、1日あたり、および、体重1キログラムあたり0.3mg〜100mg(典型的には3mg〜50mg)の範囲であり、例えば3〜10mg/kg/日である。静脈内用量は、例えば0.3mg〜1.0mg/kgの範囲が可能であり、静脈内用量は、適切には、1キログラムあたり、および、1分あたり10ng〜100ngの輸液として投与することができる。これらの目的に適した輸液は、例えば0.1ng〜10mg、典型的には1ng〜10mg/ミリリットルで含んでいてもよい。単回投与は、例えば活性成分を1mg〜10g含んでいてもよい。従って、注射用アンプルは、例えば1mg〜100mgを含んでいてもよく、経口投与することができる単回投与用の配合物、例えばカプセルまたは錠剤は、例えば1.0〜1000mg、典型的には10〜600mgを含んでいてもよい。上記の状態の治療のためには、式Iで示される化合物は、化合物そのもので用いてもよいが、これらは、好ましくは、許容できるキャリアーを共に含む医薬組成物の形態である。当然ながら、キャリアーは、組成物中のその他の成分に適合し、かつ患者の健康状態にとって有害ではないという点で許容できるものでなければならない。キャリアーは、固体でも液体でもよく、または、その両方でもよく、好ましくは、単回投与の形態(例えば錠剤)として本化合物と共に製剤化され、ここにおいて、このような単回投与は、0.05%〜95重量%の活性成分を含んでいてもよい。その他の式Iで示される化合物を含むその他の医薬活性物質も同様に存在することができる。本発明の医薬組成物は、既知の製薬方法のいずれか一つによって製造することができ、このような方法は、実質的に、上記成分と薬理学的に許容できるキャリアー、および/または、賦形剤とを混合することからなる。
【0036】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、局所、経口(例えば舌下)、および、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内または静脈内)投与に適したものであるが、最適な投与様式は、それぞれ個々の場合において、治療しようとする状態の性質および重症度、および、個々の場合で用いられる式Iで示される化合物の性質に応じて様々である。また、コーティングされた配合物、および、コーティングされた徐放性配合物 も本発明の構成に含まれる。好ましくは、酸および胃液耐性の配合物である。胃液に耐性を有する適切なコーティングは、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセタートフタラート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、および、メタクリル酸とメタクリル酸メチルのアニオン性ポリマーを含む。
【0037】
経口投与に適した製薬化合物は、別々になった単位からなる形態であってもよく、例えば、カプセル、カシェ剤、口内錠(suckable tablet)、または、錠剤であり、これらはそれぞれ、規定量の式Iで示される化合物を、粉末または顆粒として、水性または非水性の液体の溶液または懸濁液として、または、水中油型または油中水型乳濁液として含む。これらの組成物は、すでに述べたように、何れかの適切な製薬方法によって製造することができ、このような方法は、活性成分とキャリアー(1種またはそれ以上の追加成分からなっていてもよい)とを接触させる工程を含む。本組成物は、一般的に、活性成分と、液体および/または細粒化した固形キャリアーとを均一および均質に混合し、その後生成物を必要に応じて成形することによって製造される。従って、例えば錠剤は、本化合物の粉末または顆粒を、必要に応じて1種またはそれ以上の追加成分と共に圧縮または成形することによって製造できる。圧縮錠剤は、必要に応じて結合剤、滑剤、不活性な希釈剤および/または1種(またはそれ以上の)界面活性剤/分散剤と混合された粉末または顆粒のような流動しやすい形態の本化合物を、適切な機械で錠剤化することによって製造できる。成形された錠剤は、粉末形態で不活性な液状希釈剤で加湿した本化合物を適切な機械で成形することによって製造できる。
【0038】
経口(舌下)投与に適した医薬組成物は、矯味矯臭薬剤、通常はスクロース、および、アラビアゴムまたはトラガカントと共に式Iで示される化合物を含む口内錠を含み、並びに、ゼラチン、および、グリセロールまたはスクロース、および、アラビアゴムのような不活性なベース中に本化合物を含む香錠を含む。
【0039】
非経口投与に適した医薬組成物は、好ましくは式Iで示される化合物の滅菌水性調製物を含み、好ましくは、これは対象のレシピエントの血液と等張である。これらの調製物は、好ましくは、静脈内投与されるが、皮下、筋肉内または皮内注射によって投与してもよい。これらの調製物は、好ましくは、本化合物と水とを混合し、得られた溶液を滅菌し、血液と等張にすることによって製造できる。本発明の注射用組成物は、一般的に、0.1〜5質量%の活性な化合物を含む。
【0040】
直腸内投与に適した医薬組成物は、好ましくは、単回投与の坐剤の形態である。これらのは、式Iで示される化合物と、1種またはそれ以上の従来の固形キャリアー(例えばカカオバター)とを混合すること、および、得られた混合物を成形することによって製造できる。
【0041】
皮膚への局所的な使用に適した医薬組成物は、好ましくは、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、スプレー、エアロゾル、または、油の形態である。用いることができるキャリアーは、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、および、これらの物質の2種またはそれ以上の組み合わせである。活性成分は、一般的に、本組成物の0.1〜15質量%の濃度、例えば0.5〜2%の濃度で存在する。
【0042】
また、経皮投与も可能である。経皮での使用に適した医薬組成物は、患者の表皮と長期間密着させるのに適している単一のパッチの形態であってもよい。このようなパッチは、適切には、活性成分を、必要に応じて緩衝化された水溶液中に含むか、接着剤中に溶解および/または分散させるか、または、ポリマー中に分散させる。適切な活性成分の濃度は約1%〜35%であり、好ましくは約3%〜15%である。具体的には、例えばPharmaceutical Research,2(6):318(1986)で説明されているようにして、電子輸送またはイオン導入によって活性成分を放出させることも可能である。
【0043】
式Iで示される化合物は、グルコース代謝に対して有利な作用を示す。このような作用は、具体的には、II型糖尿病の予防および治療に適している。
【0044】
式Iで示される化合物は、そのものを投与してもよいが、追加の活性成分と組み合わせて投与してもよい。組み合わせ製品に適した追加の活性成分は、以下の通りである:
Rote Liste 2004,第12章に記載のあらゆる抗糖尿病剤。これらは、具体的には相乗的に作用を改善するために本発明の式Iで示される化合物と組み合わせることができる。活性成分の組み合わせの投与は、患者への活性成分の投与を別々に行うこと、または、1つの医薬配合物中に複数の活性成分が存在するような組み合わせ製品の形態で行うことのいずれかによって実行することができる。以下に列挙される活性成分の多くは、USP Dictionary of USAN and International Drug Names,米国薬局方(USPharmacopeia,ロックビル2001)で開示されている。
【0045】
抗糖尿病剤としては、インスリン、および、インスリン誘導体、例えばランタス(Lantus(R))(www.lantus.comを参照)、または、アピドラ(Apidra(R))、即効性のインスリン(US6,221,633を参照)、GLP−1誘導体、例えばノボ・ノルディスク社(Novo Nordisk A/S)のWO98/08871で開示されているもの、および、経口で有効な血糖降下活性物質が挙げられる。
【0046】
経口で有効な血糖降下活性物質としては、好ましくは、スルホニル尿素、ビグアニジン、メグリチニド、オキサジアゾリジンジオン、チアゾリジンジオン、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、GLP−1アゴニスト、カリウムチャンネル開口薬、例えばノボ・ノルディスク社のWO97/26265、および、WO99/03861で開示されているもの、インスリン抵抗性改善剤、糖新生、および/または、グリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓の酵素の阻害剤、グルコース摂取のモジュレーター、脂質代謝を変化させる化合物、例えば高脂血症治療薬の活性成分、および、脂肪血症治療薬の活性成分、食物摂取を減少させる化合物、PPARおよびPXRアゴニスト、および、ベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する活性成分(PPAR=ペルオキシソーム増殖剤活性化された受容体、PXR=ブレグナンX受容体、ATP=アデノシン三リン酸)が挙げられる。
【0047】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、HMGCoAレダクターゼ阻害剤、例えば、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン(HMGCoA=3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A)と組み合わせて投与される。
【0048】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、コレステロール吸収阻害剤、例えばエゼチマイブ、チクエシド(tiqueside)、パマクエシド(pamaqueside)と組み合わせて、または、PCT/EP2004/00269、WO2004/000804、WO2004/000803、WO2004/000805、EP0114531、US6,498,156で説明されているような化合物と組み合わせて投与される。
【0049】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、PPARガンマアゴニスト、例えばロシグリタゾン、ピオグリタゾン、JTT−501、GI262570と組み合わせて投与される。
【0050】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、PPARアルファアゴニスト、例えばGW9578、GW7647と組み合わせて投与される。
【0051】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、混合型のPPARアルファ/ガンマアゴニスト、例えばGW1536、AVE8042、AVE8134、AVE0847、または、WO00/64888、WO00/64876、DE10142734.4で説明されているようなものと組み合わせて投与される。
【0052】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、フィブラート、例えば、フェノフィブラート、クロフィブラート、ベザフィブラートと組み合わせて投与される。
【0053】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、MTP阻害剤、例えば、インプリタピド(implitapide)、BMS−201038、R−103757(MTP=ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質)と組み合わせて投与される。
【0054】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、胆汁酸吸収阻害剤(例えば、US6,245,744、または、US6,221,897を参照)、例えばHMR1741と組み合わせて投与される。
【0055】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、CETP阻害剤、例えばJTT−705(CETP=コレステリルエステル転送タンパク質)と組み合わせて投与される。
【0056】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、高分子胆汁酸吸着剤、例えばコレスチラミン、コレセベラムと組み合わせて投与される。
【0057】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、LDL受容体の誘導物質(US6,342,512を参照)、例えばHMR1171、HMR1586と組み合わせて投与される(LDL=低密度脂質)。
【0058】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、ACAT阻害剤、例えばアバシマイブ(avasimibe)(ACAT=アシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ)と組み合わせて投与される。
【0059】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、抗酸化剤、例えばOPC−14117と組み合わせて投与される。
【0060】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、リポタンパク質リパーゼ阻害剤、例えばNO−1886と組み合わせて投与される。
【0061】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、ATP−クエン酸リアーゼ阻害剤、例えばSB−204990と組み合わせて投与される。
【0062】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、スクアレン合成酵素阻害剤、例えばBMS−188494と組み合わせて投与される。
【0063】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、リポタンパク質(a)アンタゴニスト、例えばCI−1027、または、ニコチン酸と組み合わせて投与される。
【0064】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、リパーゼ阻害剤、例えばオーリスタットと組み合わせて投与される。
【0065】
本発明の一実施態様において、式Iで示される化合物は、インスリンと組み合わせて投与される。
【0066】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、スルホニル尿素、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、または、グリメピリドと組み合わせて投与される。
【0067】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、ビグアニド、例えばメトホルミンと組み合わせて投与される。
【0068】
さらなる一実施態様において、式Iで示される化合物は、メグリチニド、例えばレパグリニドと組み合わせて投与される。
【0069】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、チアゾリジンジオン、例えばトログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または、ドクター・レディーズ・リサーチ・ファウンデーション(Dr.Reddy’s Research Foundation)のWO97/41097で開示された化合物、具体的には5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオンと組み合わせて投与される。
【0070】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトール、または、アカルボーズと組み合わせて投与される。
【0071】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、アデノシンA1アゴニスト、例えばWO2004/003002で説明されているものと組み合わせて投与される。
【0072】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、ベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する活性成分、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド、または、レパグリニドと組み合わせて投与される。
【0073】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、上述の化合物の2種以上と組み合わせて投与され、例えば、スルホニル尿素やメトホルミンと組み合わせて投与され、スルホニル尿素とアカルボーズ、レパグリニドとメトホルミン、インスリンとスルホニル尿素、インスリンとメトホルミン、インスリンとトログリタゾン、インスリンとロバスタチンなどと組み合わせて投与される。
【0074】
さらなる実施態様において、式Iで示される化合物は、以下のものとと組み合わせて投与される:CARTモジュレーター(“Cocaine−amphetamine−regulated transcript influences energy metabolism,anxiety and gastric emptying in mice”Asakawa,A等,M.:Hormone and Metabolic Research(2001),33(9),554〜558を参照)、NPYアンタゴニスト、(NPY=神経ペプチドY、例えばナフタレン−1−スルホン酸{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]シクロヘキシルメチル}アミド塩酸塩(CGP71683A))、MC4アゴニスト(MC4=メラノコルチン4受容体、例えば1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸[2−(3a−ベンジル−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]アミド;(WO01/91752))、オレキシンアンタゴニスト(例えば、1−(2−メチルベンゾオキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イルウレア塩酸塩(SB−334867−A))、H3アゴニスト(H3=ヒスタミン受容体、例えば3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)−propan−1−オンシュウ酸塩(WO00/63208));TNFアゴニスト(TNF=腫瘍壊死因子)、CRFアンタゴニスト(CRF=副腎皮質刺激ホルモン放出因子、例えば[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオレン−4−イル]ジプロピルアミン(WO00/66585))、CRF BPアンタゴニスト(CRF−BP=副腎皮質刺激ホルモン放出因子結合タンパク質、例えばウロコルチン)、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト(例えば、1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]エタノール塩酸塩(WO01/83451))、CB1(カンナビノイド受容体1)受容体アンタゴニスト(例えば、リモナバン、または、WO02/28346に記載の活性成分、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、CCK−A(CCK−A=コレシストキニン−A)アゴニスト(例えば、{2−[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸トリフルオロ酢酸塩(WO99/15525))、セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、デクスフェンフルラミン)、混合型のセロトニン作用性およびノルアドレナリン作用性化合物(例えば、WO00/71549)、5HTアゴニスト(セロトニン模倣剤)、例えば1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジンシュウ酸塩(WO01/09111)、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン)、成長ホルモン放出化合物(6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピルアミノエチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸第三級ブチルエステル(WO01/85695))、TRHアゴニスト(TRH=TSH放出ホルモン;TSH=甲状腺刺激ホルモン;チロトロピン)、例えばEP0462884を参照、脱共役タンパク質2または3モジュレーター、レプチンアゴニスト(例えば、Lee,Daniel W.;Leinung,Matthew C.;Rozhavskaya−Arena,Marina;Grasso,Patricia.Leptin agonists as a potential approach to the treatment of obesity.Drugs of the Future(2001),26(9),873〜881を参照)、DAアゴニスト(DA=ドーパミン自己受容体、例えばブロモクリプチン、ドプレキシン(doprexin))、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えば、WO00/40569)、PPARモジュレーター(例えば、WO00/78312)、RXR(RXR=レチノイドX受容体)モジュレーター、または、TR−βアゴニスト。
【0075】
本発明の一実施態様において、その他の活性成分はレプチンである;例えば、”Perspectives in the therapeutic use of leptin”,Salvador,Javier;Gomez−Ambrosi,Javier;Fruhbeck,Gema,Expert Opinion on Pharmacotherapy(2001),2(10),1615〜1622を参照。
【0076】
一実施態様において、その他の活性成分は、デクスアンフェタミン、または、アンフェタミンである。
一実施態様において、その他の活性成分は、フェンフルラミン、または、デクスフェンフルラミンである。
その他の実施態様において、その他の活性成分は、シブトラミンである。
一実施態様において、その他の活性成分は、オーリスタットである。
一実施態様において、その他の活性成分は、マチンドール、または、フェンテルミンである。
さらなる実施態様において、その他の活性成分は、リモナバンである。
【0077】
一実施態様において、式Iで示される化合物は、充填剤、好ましくは不溶性充填剤(例えば、イナゴマメ/キャロマックス(Caromax(R))(Zunft H J;等,Carob pulp preparation for treatment of hypercholesterolemia,ADVANCES IN THERAPY(2001年9月〜10月),18(5),230〜6を参照)と組み合わせて投与される。キャロマックスとは、ニュートリノヴァ,ニュートリションスペシャリティーズ&フードイングリーディエンツ社(Nutrinova,Nutrition Specialties&Food Ingredients GmbH,インダストリーパーク・ヘキスト,65926フランクフルト/マイン)製のイナゴマメを含む生成物である))。キャロマックス(R)との組み合わせは、式Iで示される化合物とキャロマックス(R)とを1つの製剤にしてもよいし、または、それらを別々に投与してもよい。この点について、キャロマックス(R)は、ベーカリー製品またはミューズリーバーのような食品の形態で投与することもできる。
【0078】
当然のことながら、本発明の化合物と、1種またはそれ以上の上述の化合物、および、場合により1種またはそれ以上のその他の薬理学的に活性な物質との適切な組み合わせはいずれも、本発明によって付与される保護の範囲内とみなされる。
【0079】
【化2】

【0080】
本発明はまた、式Iで示される化合物の製造方法に関する。原則的に、熟練者は適切な方法を理解しており、有機化学の標準的な文献に見出すことができる。適切な方法は、例えばスキーム1で示される。
【化3】

【0081】
基本的な構成要素は、式IVで示される保護されたヒドロキシビフェニルカルボン酸のアルデヒドによって形成され、このアルデヒドは、式IIで示される臭化物と、式IIIで示されるアルデヒドとを反応させることによって製造される。ラジカルR1(上記式Iで指定された意味を有する)は、適切なR1−アミンを、CHO基の還元的アミノ化で反応させることによって導入される。ラジカルR2(上記式Iで指定された意味を有する)は、それに続く酸塩化物R2COClとのアミド化によって導入される。保護基の除去により、式Iで示される化合物が生じる。
【0082】
以下で詳述する実施例は本発明を説明するために提供され、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0083】
【表1】

【0084】
表1に記載の実施例のうちいくつかの製造を、以下で詳細に説明し、その他の式Iで示される化合物も同様にして得られた:
4−(2,2−ジメチル−4−オキソ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−6−イル)−ベンズアルデヒド
【化4】

6−ブロモ−2,2−ジメチル−2,2−ベンゾ[1,3]ジオキシン−4−オン(1g,4.2mmol)、および、炭酸カリウム(4.5g,32.8mmol,8当量)の混合物を、THF(64ml)で希釈し、25℃で15分間撹拌した。反応容器をN2でフラッシングし、排気した(5回)。この混合物をN2雰囲気下でさらに15分間撹拌した。他の反応フラスコ中で、4−ホルミルフェニルボロン酸(0.6g,4mmol)を、THF(34ml)に溶解させ、脱気した(5回)。第一のフラスコに、Pd(PPh34(140mg,0.012mol)を添加し、この溶液も再び脱気した(1回)。この反応混合物に、上記ボロン酸(反応容器2)を注射針によって一部ずつ導入した2.5時間かけて(添加と添加の間は30分間)。この混合物を還流下で15時間加熱し、続いてこの反応液を薄層クロマトグラフィーで処理した。この混合物を冷却し、珪藻土でろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液を真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(1:9,酢酸エチル/ヘキサン)。収率:(519mg,46%)。
【0085】
還元的アミノ化の一般的な方法
【化5】

ビアリールアルデヒド(56.4mg,0.2mmol)、適切なアミン(0.24mmol,1.2当量)、および、THF/MeOH(1:2,10ml)を、反応容器の回転トレーに導入した。この混合物に、氷酢酸(12mg,0.2mmol)、および、ポリスチレンシアノボロハイドライド(120mg,2.5mmol/g、1.5当量)を添加し、それらを50℃で24時間撹拌した。次に、それらを、4−アルコキシベンズアルデヒドスカベンジャー樹脂(2.5mmol/g,4当量)でクエンチし、この混合物を25℃で16時間撹拌した。続いて、この反応を薄層クロマトグラフィーで処理した(15:1のジクロロメタン/メタノール;2滴のトリエチルアミン)。この混合物をろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。粗生成物を、それ以上精製しないでさらに反応させた。
【0086】
平行して行うアミド化の一般的な方法
アミン(粗生成物;〜0.2mmol,1当量)を、THF(2ml)に溶解させ、この溶液にアンバーライトIRA400−CO32(2.5mmol/g,1.5当量)を添加した。これらの反応混合物に、適切な酸塩化物(0.24mmol)のTHF溶液(2ml)を添加し、この混合物を25℃で16時間振盪した。樹脂をろ過して除き、溶媒を真空中で蒸発させた。残留物をEtOAcに溶解させ、飽和NaHCO3溶液で洗浄した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を真空中で蒸発させた。このアミドを、それ以上精製しないでさらに反応させた。
【0087】
保護基除去の一般的な方法
【化6】

【0088】
前記の段階で得られたアミドを4:1のトリフルオロ酢酸/水(5ml)に溶解させ、25℃で15時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を分取用HPLCによって精製した。
【0089】
アンバーライトIRA−400シアノボロハイドライドの製造
フリット中で、水素化シアノホウ素ナトリウム水溶液(8%w/vol、わずかに曇った)100mlを、湿潤させたアンバーライトIRA100樹脂(塩化物の形態)10gの上にかけた。この樹脂を撹拌し、次に吸引ろ過して除去した。このプロセスを10回繰り返した。この方法で処理した樹脂が、過剰のナトリウムシアノボロハイドライドが含まれなくなるまで(pHを調べて)、樹脂を慎重に水で洗浄し、続いて、テトラヒドロフランで繰り返し洗浄することによって乾燥させた。平均容量は、乾燥樹脂1gあたり2.5mmolであった。
【0090】
アンバーライトIRA−400炭酸塩の製造
アンバーライトIRA400(Cl-)樹脂を、上記の方法と同様にして、炭酸ナトリウム(10g)の水溶液(100ml)を用いて処理し、続いて中性になるまで水で洗浄した。
【0091】
以下の実施例をこの方法によって製造し、同一性をマススペクトロメトリーで検証した:
【表2】

【0092】
【表3】

【0093】
【表4】

【0094】
【表5】

【0095】
【表6】

【0096】
【表7】

【0097】
【表8】

【0098】
【表9】

【0099】
【表10】

【0100】
【表11】

【0101】
【表12】

【0102】
【表13】

【0103】
化合物の活性を以下のようにして試験した:
ホスファターゼ阻害を検出するための酵素的な試験システム
式Iで示される化合物を、それらのホスファターゼ阻害作用に関してインビトロでの分析で試験した。酵素の調製と分析の実行は、以下のようにして行った。
【0104】
酵素調製物の製造:
A)細胞培養
SummersおよびSmithのプロトコール(A Manual for Methods for Baculovirus Vectors and Insect Culture Procedures[会報番号15555].テキサスA&M大学(Texas A&M University),テキサス農業試験場(Texas Agricultural Experiment Station),カレッジステーション,テキサス州,1987)に従って、回転用フラスコで、Sf9細胞(=スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)の細胞型;インビトロジェン(Invitrogen)より入手可能)を、10%熱で不活性化したウシ胎仔血清(ギブコ−BRL(Gibco−BRL))を添加したグレース培地(ギブコ−BRL)中で28℃で培養した。
【0105】
組換えバキュロウイルストランスファーベクターの構築:ヒトPTP1Bの調節ドメインと触媒ドメインをコードするが、カルボキシ末端の疎水性領域(アミノ酸1〜299に相当)が欠損したcDNAを、付着させたクローニング部位を有するプライマーと、適切なcDNAテンプレート(例えば、インビトロジェンから入手可能)によるポリメラーゼ連鎖反応により得て、次にこれを、バキュロウイルス発現ベクター(アマシャム・ファルマシア・バイオテク(Amersham Pharmacia Biotech))にクローニングした。Bac−to−Bacバキュロウイルス発現系(ギブコ−BRLから入手可能)を用いて、組換えバキュロウイルスを製造した。この遺伝子を、pFASTBACドナープラスミド(ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)から入手可能)にクローニングした。得られたプラスミドを、コンピテントDH10BACエシェリキア・コリ(Escherichia coli)細胞(ライフ・テクノロジーズから入手可能)に形質転換した。転移と抗生物質による選択の後、選択されたE.コリのコロニーから組換えプラスミドDNAを単離し、次に、Sf9昆虫細胞のトランスフェクションに用いた。上清培地中のウイルス粒子を3回増幅して、ウイルスストックの体積を500mlにした。
【0106】
B)組換えタンパク質の生産
Sf9細胞の攪拌培養による培養物500mlのバキュロウイルス感染は、実質的に、SummersおよびSmith(上記参照)によって説明されている通りに行った。1〜3×106細胞/mlの濃度のSf9細胞を、遠心分離(300gで5分間)でペレット化し、上清を除去し、細胞を1×107細胞/mlの濃度で適切な組換えウイルスストック(MOIは10)に再懸濁した。室温で1.5時間、慎重に振盪した後、新しい培地を添加して、細胞濃度を1×106細胞/mlにした。次に、この細胞を、懸濁液中で28℃で適切な期間培養した。
【0107】
C)感染したSf9細胞の細胞分画化と完全な細胞の抽出物
感染後に、アリコートを、SDS−PAGEとウェスタンブロット解析でタンパク質発現について解析した。細胞分画化を説明されている通りに行った(Cromlish,W.およびKennedy,B.Biochem.Pharmacol.52:1777〜1785,1996)。所定時間感染させた後、完全な細胞の抽出物を、感染したSf9細胞のアリコート(1ml)から得た。ペレット化した細胞(300×g,5分間)を、リン酸緩衝食塩水(4℃)で一回洗浄し、水50μlに再懸濁し、凍結/融解を繰り返すことによって破壊した。ブラッドフォード法で、標準としてウシ血清アルブミンを用いて、タンパク質濃度を決定した。
【0108】
分析手順
A)ホスホペプチドの脱リン酸化
この分析は、マイクロタイタープレートフォーマットに適合させたマラカイトグリーン/モリブデン酸アンモニウム法でナノモル濃度のレベルで検出されるコンセンサス基質ペプチドからのリン酸塩の放出に基づく(Lanzetta,P.A.,Alvarez,L.J.,Reinach,P.S.,Candia,O.A.Anal Biochem.100:95〜97,1979)。ドデカトリスホスホペプチド(dodecatrisphosphopeptide)であるTRDIYETDYYRK(バイオトレンド(BioTrend),コローニュ)は、インスリン受容体の触媒ドメインのアミノ酸1142〜1153に相当し、チロシン残基1146、1150および1151で(自己)リン酸化されている。組換えhPTP1Bを、分析緩衝液(40mMのトリス/HCl,pH7.4,1mMのEDTA,20mMのDTT)で希釈し、活性を1000〜1500nmol/分/mgタンパク質に等しくし、続いて、(そのうち20μl部分を)試験物質(5μl)の非存在または存在下で、望ましい濃度(最大DMSO2%の最終濃度)で、総体積90μl(分析緩衝液)でプレインキュベートした(30℃で15分間)。脱リン酸化反応を開始させるために、プレインキュベートした酵素調製物に、試験物質存在下(最終濃度0.2〜200μM)または非存在下でペプチド基質(10μl,30℃に予熱)を添加し、インキュベートを1時間続けた。停止溶液として、マラカイトグリーン塩酸塩(0.45%,3部)100μl、モリブデン酸アンモニウム四水和物(4NのHCl中4.2%,1部)、および、0.5%トゥイーン20(Tween 20)を添加することによってこの反応を止めた。発色させるために22℃で30分間インキュベートした後、マイクロタイタープレートリーダー(モレキュラー・デバイス(Molecular Devices))を用いて650nmでの吸収を決定した。サンプルおよびブランクを3連で測定した。標準としてリン酸カリウムを用いて、1分あたり、および、タンパク質1mgあたりの遊離したリン酸塩のナノモルとしてPTP1B活性を計算した。試験物質による組換えhPTP1Bの阻害を、ホスファターゼコントロールに対するパーセンテージとして計算した。IC50値は、4つのパラメーターの非線形ロジスティック回帰曲線と有意な一致を示した。
【0109】
B)リン酸p−ニトロフェニルの切断
この分析は、標準条件下でのニトロフェノールを得るための切断の際に生じる非生理学的な基質リン酸p−ニトロフェニルの吸収における変化に基づく(Tonks,N.K.,Diltz,C.D:,Fischer,E.H.J.Biol.Chem.263:6731〜6737,1988;Burke T.R.,Ye,B.,Yan,X.J.,Wang,S.M.,Jia,Z.C.,Chen,L.,Zhang,Z.Y.,Barford,D.Biochemistry 35:15989〜15996,1996)。阻害剤を、適切な希釈率で、0.5〜5mMのリン酸p−ニトロフェニルを含む反応混合物にピペットで入れた。以下の緩衝液を用いた(総体積100μl):(a)100mMの酢酸ナトリウム(pH5.5)、50mMのNaCl、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン、5mMのグルタチオン、5mMのDTT、0.4mMのEGTA、および、1mMのEDTA;(b)50mMのHepes/KOH(pH7.4)、100mMのNaCl、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン、5mMのグルタチオン、5mMのDTT、および、1mMのEDTA。マイクロタイタープレート中で、酵素を添加することによって反応を開始させ、25℃で1時間続行した。0.2NのNaOH(100μl)を添加することによって反応を止めた。酵素活性を、405nmで試験物質の吸収とリン酸p−ニトロフェニルの吸収を測定して、それらの吸収を適切に修正することによって決定した。結果を、試験物質で処理したサンプル中で形成されたp−ニトロフェノールの量(nmol/分/mgタンパク質)と、未処理サンプル中の量とを比較することによって、コントロールに対するパーセンテージとして表記した。平均および標準偏差を計算し、IC50値を、阻害曲線の直線部分の回帰分析によって決定した。
【0110】
【表14】

【0111】
表から、式Iで示される化合物は、ホスホチロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の活性を阻害することは明白であり、従って、血糖値を低下させるのに極めて適している。それゆえに、これらは、具体的には、I型およびII型糖尿病、インスリン抵抗性、異常脂質血症、代謝症候群/シンドロームX、病理学的な肥満症を治療するため、さらに、哺乳動物において体重を減少させるために適している。
【0112】
また、式Iで示される化合物はPTP1Bを阻害することから、これらは、高グリセリド血症、高血圧、アテローム性動脈硬化症、免疫系の不全、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、例えば喘息、関節炎、変形性関節症、骨粗鬆症、増殖に関する障害、例えば癌、および、乾癬、成長ホルモンの放出を誘導する、増殖因子、ホルモンまたはサイトカイン生産の減少または増加を伴う病気を治療するのにも適切である。
【0113】
また、本化合物は、アルツハイマー硬化症または多発性硬化症のような神経系の障害を治療するのにも適している。
【0114】
また、本化合物は、健康状態やその他の精神医学的な適応症の障害、例えば、うつ病、不安な状態、不安神経症、統合失調症の治療、概日リズムに関連する障害の治療、および、薬物乱用の治療にも適している。
【0115】
加えて、これらは、睡眠障害、睡眠時無呼吸、女性および男性の性障害、皮膚の炎症、座瘡、色素沈着、ステロイド代謝障害、皮膚疾患および真菌症の治療に適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

で示される化合物、および、それらの生理学的に許容できる塩。
式中、
R1は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C4)−アルキル−O−(C1〜C4)−アルキル、−(C2〜C6)−アルケニル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−アリール、−(C1〜C6)−アルキル−アリール、−(C2〜C6)−アルケニル−アリール、−(C1〜C6)−アルキル−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、アルケニル、アリールおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C2〜C6)−アルケニル、(C2〜C6)−アルキニル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環で置換されていてもよく;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2を意味し、ここにおいて、nは0〜であってよく、そして該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環を意味し、ここにおいて、nは0〜6であってよく、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回置換されていてもよく;
R2は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C4)−アルキル−O−(C1〜C4)−アルキル、−(C2〜C6)−アルケニル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C1〜C6)−アルキル−アリール、−(C2〜C6)−アルケニル−アリール、複素環、−(C1〜C6)−アルキル−複素環、−(C2〜C6)−アルケニル−複素環、−(C1〜C6)−アルキル−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、N3、CN、COOH、COO(C1〜C6)アルキル、CONH2、CONH(C1〜C6)アルキル、CON[(C1〜C6)アルキル]2、シクロアルキル、(C2〜C6)−アルケニル、(C2〜C6)−アルキニル、O−(C1〜C6)−アルキルO−CO−(C1〜C6)−アルキル、O−CO−(C1〜C6)−アリール、O−CO−(C1〜C6)−複素環で置換されていてもよく;
PO32、SO3H、SO2−NH2、SO2NH(C1〜C6)−アルキル、SO2N[(C1〜C6)−アルキル]2、S−(C1〜C6)−アルキル、S−(CH2n−アリール、S−(CH2n−複素環、SO−(C1〜C6)−アルキル、SO−(CH2n−アリール、SO−(CH2n−複素環、SO2−(C1〜C6)−アルキル、SO2−(CH2n−アリール、SO2−(CH2n−複素環、SO2−NH(CH2n−アリール、SO2−NH(CH2n−複素環、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−アリール、SO2−N(C1〜C6)−アルキル)(CH2n−複素環、SO2−N((CH2n−アリール)2、SO2−N((CH2n−(複素環)2を意味し、ここにおいて、nは0〜6であってよく、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2で2回まで置換されていてもよく;
C(NH)(NH2)、NH2、NH−(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、NH(C1〜C7)−アシル、NH−CO−(C1〜C6)−アルキル、NH−COO−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−アリール、NH−CO−複素環、NH−COO−アリール、NH−COO−複素環、NH−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル、NH−CO−NH−アリール、NH−CO−NH−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(C1〜C6)−アルキル−CO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−COO−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−COO−複素環、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−アリール、N(C1〜C6)−アルキル−CO−NH−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−複素環、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(アリール)2、N((C1〜C6)−アルキル)−CO−N−(複素環)2、N(アリール)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−CO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(複素環)−COO−(C1〜C6)−アルキル、N(アリール)−CO−アリール、N(複素環)−CO−アリール、N(アリール)−COO−アリール、N(複素環)−COO−アリール、N(アリール)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(複素環)−CO−NH−(C1〜C6)−アルキル)、N(アリール)−CO−NH−アリール、N(複素環)−CO−NH−アリール、N(アリール)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(複素環)−CO−N−(C1〜C6)−アルキル)2、N(アリール)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(複素環)−CO−N((C1〜C6)−アルキル)−アリール、N(アリール)−CO−N−(アリール)2、N(複素環)−CO−N−(アリール)2、アリール、O−(CH2n−アリール、O−(CH2n−複素環を意味し、ここにおいて、nは0〜6であってよく、該アリールラジカルまたは複素環式ラジカルは、F、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルキル、NH2、NH(C1〜C6)−アルキル、N((C1〜C6)−アルキル)2、SO2−CH3、COOH、COO−(C1〜C6)−アルキル、CONH2で1〜3回置換されていてもよく;
Aは、結合、O、NH、Sである。
【請求項2】
式I中、
R1は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C4)−アルキル−O−(C1〜C4)−アルキル、−(C2〜C6)−アルケニル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−アリール、−(C1〜C6)−アルキル−アリール、−(C2〜C6)−アルケニル−アリール、−(C1〜C6)−アルキル−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、アルケニル、アリールおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
R2は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C4)−アルキル−O−(C1〜C4)−アルキル、−(C2〜C6)−アルケニル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C1〜C6)−アルキル−アリール、−(C2〜C6)−アルケニル−アリール、複素環、−(C1〜C6)−アルキル−複素環、−(C2〜C6)−アルケニル−複素環、−(C1〜C6)−アルキル−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
Aは結合である、
請求項1に記載の式Iで示される化合物、および、それらの生理学的に許容できる塩。
【請求項3】
式I中、
R1は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C6)−アルキル−フェニル、−(C1〜C6)−アルキル−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C3〜C8)−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該アルキル、フェニルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
R2は、−(C1〜C6)−アルキル、−(C1〜C6)−アルキル−フェニル、−(C1〜C6)−アルキル−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C3〜C8)シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−フェニル、−複素環を意味し、ここにおいて、該アルキル、フェニル、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
Aは結合である、
請求項1または2に記載の式Iで示される化合物、および、それらの生理学的に許容できる塩。
【請求項4】
式I中、
R1は、−CH2−フェニル、−CH2−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C3〜C8)−シクロアルキルを意味し、ここにおいて、該フェニルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
R2は、−CH2−フェニル、−CH2−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C3〜C8)−シクロアルキル、−(C2〜C6)−アルケニル−フェニル、−CH2−複素環、−複素環を意味し、ここにおいて、該フェニル、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルラジカルは、F、Cl、Br、I、(C1〜C6)アルキル、O−(C1〜C6)−アルキルで置換されていてもよく;
Aは結合である、
請求項1または2に記載の式Iで示される化合物、および、それらの生理学的に許容できる塩。
【請求項5】
医薬品を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の1種またはそれ以上を含む医薬。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の1種またはそれ以上、および、その他の活性成分の少なくとも1種を含む医薬。
【請求項8】
その他の活性成分は、抗糖尿病剤、血糖降下活性物質、HMGCoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、PPARガンマアゴニスト、PPARアルファアゴニスト、PPARアルファ/ガンマアゴニスト、フィブラート、MTP阻害剤、胆汁酸吸収阻害剤、CETP阻害剤、高分子胆汁酸吸着剤、LDL受容体の誘導物質、ACAT阻害剤、抗酸化剤、リポタンパク質リパーゼ阻害剤、ATP−クエン酸リアーゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、リポタンパク質(a)アンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、チアゾリジンジオン、α−グルコシダーゼ阻害剤、ベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する活性成分、CARTアゴニスト、NPYアゴニスト、MC4アゴニスト、オレキシンアゴニスト、H3アゴニスト、TNFアゴニスト、CRFアゴニスト、CRF BPアンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、CCKアゴニスト、セロトニン再取り込み阻害剤、混合型のセロトニン作用性およびノルアドレナリン作用性化合物、5HTアゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRHアゴニスト、脱共役タンパク質2または3モジュレーター、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、PPARモジュレーター、RXRモジュレーター、または、TR−βアゴニスト、または、アンフェタミンの1種またはそれ以上を含む、請求項7に記載の医薬。
【請求項9】
血糖を降下させるための医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
II型糖尿病を治療する医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
脂質および炭水化物の代謝障害を治療する医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
動脈硬化性の兆候を治療する医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
インスリン抵抗性を治療する医薬を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
活性成分と製薬的に適切なキャリアーとを混合すること、および、この混合物を投与に適した形態に変換することを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の1種またはそれ以上を含む医薬の製造方法。

【公表番号】特表2008−524127(P2008−524127A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545885(P2007−545885)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012940
【国際公開番号】WO2006/063697
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】