説明

ヒートシール包装装置及びヒートシール包装方法

【課題】包装中のヒートシール包装物の所定位置に、被包装物の情報を確実に表示することができるヒートシール包装装置及びヒートシール包装方法を提供する。
【解決手段】被包装物Wを収容する容器2を搬送する容器搬送部Aと、前記搬送される容器に投入する被包装物の重量を、容器に投入する以前に計量する計量部Cと、前記容器の開口部を被覆する蓋用フィルム3の供給部Dと、前記蓋用フィルム3に前記計量部Cの計量データを表示する表示手段Gと、前記被包装物が投入された容器の開口部を、前記蓋用フィルムにてヒートシールするシール部Eと、を備え、被包装物が投入された容器2の開口部が、該投入された被包装物の前記計量データが表示された蓋用フィルムにて被覆されるよう制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器(凹部)に被包装物を投入し、容器の開口部を蓋用フィルムで被覆包装するヒートシール包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器用フィルムをヒータプレートで暖め、その暖めたフィルムを圧縮空気で成形型に押し込んで容器(凹部)を成型し、成型した前記容器に被包装物を投入し、下流の包装ステージで前記容器の開口部に蓋用フィルムを被せ、蓋用フィルムの周縁を容器にヒートシールして包装するヒートシール包装装置は既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、従来のヒートシール包装装置で重量が一定でない被包装物を計量し包装する場合、容器に投入した被包装物の重量を、包装の過程で計量することはできなかった。その為、ヒートシール包装完了後に容器(風袋)込みの重量を計量し、その重量から容器(風袋)分を差し引いて被包装物の重量を算出し、その重量値をラベルに印字し、該ラベルを容器に貼付している。
【0003】
しかし、前記のように包装完了後にラベルを貼付する場合、包装される被包装物の大きさ、形状は様々で、ヒートシール包装された容器の上面(蓋用フィルム)の一部が上方に突出しているような場合も有り、予め決められた容器上面の所定の位置にラベルを貼付することが困難な場合がある。
【0004】
また、前記のように包装完了後にラベルを貼付する場合、容器上面に対するラベルの貼付位置を一定にする為に、コンベアによって搬送される容器の位置を一定位置に規制するガイド部材をコンベアに設けることも行われているが、前記したように容器用フィルム及び蓋用フィルムで形成される容器自体は軟らかく、その為に容器がガイド部材と接触しても所望の位置に位置規制されないこともあり、結果、包装完了後の商品に前記重量値が印字されたラベルを一定位置に貼付することが難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−315310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、包装中のヒートシール包装物の所定位置に、被包装物の計量情報を確実に表示することができるヒートシール包装装置及びヒートシール包装方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成する為に本発明のヒートシール包装装置は、被包装物を収容する容器を搬送する容器搬送部と、前記搬送される容器に投入する被包装物の重量を、容器に投入する以前に計量する計量部と、前記容器の開口部を被覆する蓋用フィルム供給部と、前記蓋用フィルムに前記計量部の計量データを表示する表示手段と、前記被包装物が投入された容器の開口部を、前記蓋用フィルムにてヒートシールするシール部と、を備え、被包装物が投入された容器の開口部が、対応する前記計量データが表示された蓋用フィルムにて被覆されるよう制御されることを特徴とする(請求項1)。
前記容器搬送部で搬送する容器は、容器用フィルムを搬送し、その搬送過程で成形型を用いて前記容器用フィルムに一定間隔で容器(凹部)を成形し搬送する形態、或いは、予め成型した容器を搬送部で支持して搬送する形態、の何れでもよい。又、前記容器搬送部で搬送する容器は、単列、複数列(二列、三列等)等、限定されない。
【0008】
前記計量部(秤)による被包装物の重量計測は、少なくとも被包装物を容器に投入する前であればよく、計量部の設置位置は問わない。例えば、ヒートシール包装装置を構成する容器搬送部で搬送される容器に被包装物を投入する被包装物供給部が特定されている場合、その供給部より上流位置に設置する、或いは前記供給部の近傍に設置する等何れでもよい。又、計量部は1台に限定されず、複数台でもよい。
前記蓋用フィルム供給部は、ロール状に巻かれたフィルムを回転可能に支持し、下流のシール部で容器の上面開口部に熱溶着され、その容器の搬送により蓋用フィルムが一緒にフィードされる形態、或いは容器搬送部とは別の専用の駆動部を有し、前記容器搬送部の駆動と同期するようにする、又は計量済みの被包装物を投入した容器の移動と、計量データを表示した蓋用フィルムの移動のタイミングをずらして行う等、何れでもよいが、当該被包装物と、該被包装物の重量が印字されたフィルム位置とが合って、シール部にて熱溶着されるようになる。
前記表示手段は、前記計量部の計量データ及び被包装物の商品データを蓋用フィルムに表示するもので、その表示方式は蓋用フィルムに直接印字する直接表示方式、或いはデータをラベルに印字し、そのラベルを蓋用フィルムに貼付する間接表示方式の何れでもよい。
前記直接表示は、例えば、サーマルヘッドでリボンインクに熱を加えることで、蓋用フィルムに所定事項を印字、或いはインクジェット方式により前記印字を行なってもよい。
印字する事項は、被包装物を特定する品番に関し商品ファイルに設定されている情報(例えば、品名、単価、添加物等)及び計量部の計量データ等である。
前記シール部は、被包装物を収容した容器の開口部に蓋用フィルムを被せ、熱溶着して包装を完成するもので、その包装方式は、含気包装(シール型に搬送された容器を、そのままの状態で上面開口部を蓋用フィルムで覆い、蓋用フィルムの周縁を熱溶着する)、真空(バキューム)包装(シール型内部で容器内の空気を吸引し真空状態を作り、蓋用フィルムの周縁を熱溶着する)、ガス充填包装(シール型内部で容器内の空気を吸引し、気体(酸素/二酸化炭素/窒素等)を注入し、容器内環境を改善する)の何れでもよい。
【0009】
上記手段によれば、被包装物を計量部で計量後、容器搬送部で搬送される容器に投入すると、被包装物が投入された容器は容器搬送部でシール部に搬送される。又、前記計量部で計量した計量値は、シール部より上流位置の蓋用フィルムの搬送経路に配置した表示手段に送信され、その表示手段で前記計量データ及び商品情報が蓋用フィルムに表示(印字、又はラベル貼付)される。そして、被包装物が投入された容器の開口部は、その容器に投入された被包装物の計量データ及び商品情報が表示された蓋用フィルムにて被覆され、蓋用フィルムは容器に熱溶着され包装が完了する。従って、容器の蓋には、投入された被包装物の計量データを含む商品情報等を確実に表示することができる。尚、包装を完了した容器は、シート部より下流位置のカット部で容器、及び余分なフィルム部分が切断される。
【0010】
前記計量済みの被包装物を容器に投入する被包装物供給部には、前記容器搬送部により複数の容器が搬送され、前記計量部により計量された被包装物の投入すべき容器を示す容器指示部が前記容器に対応して配置されており、前記計量データを前記蓋用フィルムに表示する為の表示位置情報を各容器指示部に対応して記憶していてもよい(請求項2)。
前記容器指示部としては、例えば容器の下方からLEDを点灯して容器を指示する方式、又は容器の上方から光線を照射して指示する方式、或いは供給部に搬送される容器の開口部上方位置にシャッタ(上下回動式、横スライド式等)を配置し、被包装物を投入する容器の上方に位置するシャッタのみを開く方式等が挙げられる。
【0011】
上記手段によれば、計量を終えた被包装物を供給部で容器に投入する際、被包装物を投入する容器が指示される為、作業者はどの位置に被包装物を入れるべきかを考える必要がなく作業ができるので、効率よく作業ができる。また、容器指示部毎に表示位置情報が対応して記憶されているので、指示された容器に計量された被包装物が投入されれば、その投入された被包装物の計量データが確実にその容器に合った蓋に表示されるようになる。
【0012】
また、前記容器指示部の近傍には、容器への被包装物の投入の有無を検出する被包装物検出部を設けてもよい(請求項3)。
前記被包装物検出部の形態としては、例えば、被包装物を持った手が容器の開口部上に位置したか否かをセンサで検知する方式、或いは容器を上方から撮影し、その撮影画像により判断する方式等が挙げられる。この場合、前記被包装物検出部の検知信号に基づいて前記容器指示部の指示を解除するようにする。
【0013】
上記手段によれば、供給部に配置された前記容器指示部の指示により、被包装物を投入する容器が指定されるが、その指示された容器に被包装物が間違いなく投入されたか確実に判断することが出来る。
【0014】
前記容器指示部の指示解除は、指示した容器に対する被包装物の投入が前記被包装物検出部により検知された時、解除することができる。しかし、1単位の被包装物が複数の塊(ブロック)からなるようなもの、例えばバラ肉等は計量部(計量皿)から指示された容器に投入する時、すべての肉片(ブロック)を一度に投入するとは限らず、二度或いは三度に分けて投入することも考えられる。このような場合、一度目の投入で全ての商品の投入が完了したと判断されて指示が解除され、容器がシール部に向けて移動されるようなことが起きると、投入途中の商品が包装されてしまう。このような問題の発生を防止する為に、前記被包装物検出部による検知信号の他に、前記計量部に載置された被包装物の全てが取り除かれたことが検知された時、次の処理を実行するようにしてもよい(請求項4)。前記次の処理とは、指示された容器指示部を消灯、或いは消灯せず、容器指示部を点灯したまま、容器指示部にて次の指示、或いは一列分の投入が終わったらフィルムを搬送するなどを意味する。
【0015】
計量部(計量皿)から被包装物の全てが取り除かれたか否かの検知(判断)は、計量値が“0”になったことで検知する方法、或いは計量部の計量皿を撮影した撮影画像で判断する方法等、何れでもよい。
【0016】
計量済みの被包装物を投入する容器は、供給部に配置した容器指示部で指示する構成に限らない。例えば、前記計量部にて出力された計量データを記憶する計量データ記憶部を有し、該出力された計量データは容器に被包装物が投入される際に識別された被包装物検出部の検出部情報と対応して記憶するように構成してもよい(請求項5)。
前記被包装物検出部は、被包装物が供給部に位置する容器のどの容器に投入されたかを検出するもので、例えば、オペレータが被包装物を掴んで容器に投入する時の動作、即ち、被包装物を持った手が容器の開口部上に臨んだことをセンサで検出する方法、或いは容器を上方から撮影し、その撮影画像により判断する方法等が挙げられる。
【0017】
上記手段によれば、オペレータは自由に容器を選択して被包装物を投入すると、その投入した容器が被包装物検出部で検出されて、容器の位置が特定される。そして、その位置情報と前記被包装物の計量データが対応して記憶される。それにより、表示手段で蓋用フィルムに表示されるデータは、前記被包装物が投入された容器の開口部を閉鎖する蓋用フィルムの該当位置に確実に表示される。
【0018】
更に、前記容器指示部が指示した容器と異なる容器に被包装物が投入された場合、エラーを報知するエラー報知部を備えた構成としてもよい(請求項6)。
前記エラー報知部は、ブザー、エラー報知灯等、何れでもよい。
【0019】
上記手段によれば、指示された容器と異なる容器に被包装物が投入された場合に、エラーが報知されるので、異なる計量データが、当該被包装物が投入された容器の蓋用フィルムに表示されることがなくなる。即ち、被包装物を投入する容器と、該容器の開口部を閉鎖する蓋用フィルムに表示される計量データを含む商品情報の対応関係が異なることがなくなる。
【0020】
また、前記容器搬送部による容器の搬送及び前記蓋用フィルム供給部による蓋用フィルムの供給は間欠駆動で、前記蓋用フィルムに対する前記表示手段による表示は、計量部で計量され容器に投入される被包装物より以前に計量された被包装物の計量データで、前記停止する容器への被包装物の投入時に表示するようにしてもよい(請求項7)。
前記表示手段が表示する、供給部の容器に投入される被包装物より以前に計量された被包装物の計量データとは、容器に投入される被包装物より1個前(直前)の被包装物の計量データ、或いは2個以上前の被包装物の計量データ等、何れでもよい。但し、2個以上前の被包装物の計量データを表示する場合、蓋用フィルムの供給(移動)は容器搬送手段とは別駆動とするのがよい。
【0021】
上記手段によれば、前の被包装物が計量されて容器に投入される際、表示(印字又はラベル貼付)が完了するので、待たずに次の被包装物の投入のために容器用フィルムが移動され、今回の被包装物を投入するためにフィルム(又は容器)が停止している時間を利用して、前に計量された被包装物の計量データが印字されるので、少なくとも一回目の商品を計量し投入する際、該商品の計量データの表示が完了するまで待たなくてよいので、効率よく短い時間にてヒートシール包装することができる。
【0022】
更に、ヒートシール包装方法は、被包装物を収容する容器と、前記容器の開口部を被覆する蓋用フィルムを別々に搬送し、前記容器に被包装物を投入後、包装ステージで該容器の開口部を前記蓋用フィルムで被覆し、該蓋用フィルムの周縁を容器にヒートシールするヒートシール包装方法であって、被包装物を容器に投入する以前に該被包装物の重量を計量する計量工程と、その計量工程で得た計量データを、前記包装ステージに供給する蓋用フィルムに表示する表示工程と、を有し、前記計量データが表示された蓋用フィルムは、それぞれ対応する被包装物が投入された容器の開口部を被覆するよう制御する(請求項8)。
前記容器と蓋用フィルムの搬送は、同期移動、非同期移動の何れでもよい。
【0023】
前記計量工程は、被包装物を容器に投入する以前に完了していれば良く、計量を行う場所(計量部の設置場所)は、計量後に被包装物を容器に投入する作業を考慮した場合、容器の搬送ライン上、或いは容器の搬送ライン側部が好適である。
前記表示工程は、計量データを含む商品情報をプリンタで蓋用フィルムに直接印字する方式、或いは前記計量データを含む商品情報をラベルに印字し、そのラベルを蓋用フィルムに貼付する方式の何れでもよい。
【0024】
上記手段によれば、被包装物を容器に投入する以前に該被包装物の重量を計量し、その計量データを、容器の開口部を閉鎖する蓋用フィルムに、ヒートシール以前に表示し、その計量データを含む商品情報を表示した蓋用フィルムを、当該被包装物が投入された容器に対応させてヒートシールするため、計量データを含む商品情報の表示を、蓋用フィルムの所定の位置に綺麗に表示することができる。
【0025】
前記容器と該容器の開口部を閉鎖する蓋用フィルムは同期して間欠搬送し、被包装物を計量して投入する計量工程と、前ステップで計量された被包装物の計量データを前記蓋用フィルムに表示する表示工程とを、容器及び蓋用フィルムの搬送が停止する同じステップ内に行い、これを1ステップ移動毎に行なうようにしてもよい(請求項9)。
そして、容器を容器用フィルムの搬送過程で成形する方法の場合は、前記容器用フィルムの搬送と、前記容器の開口部を閉鎖する蓋用フィルムは同期して間欠搬送し、更に、前記容器用フィルムに容器を成形する成形工程と、前ステップで成形した容器に、被包装物を計量して投入する計量工程と、前ステップの計量被包装物の計量データを前記蓋用フィルムに表示する表示工程と、被包装物が投入された容器の開口部を蓋用フィルムで閉鎖し熱溶着するシール工程を、容器及び蓋用フィルムの搬送を停止する同じステップ内に行い、これを1ステップ移動毎に行うようにする。
【0026】
上記手段によれば、被包装物を今回計量し投入するために容器を停止させている時間を利用して、蓋用フィルムに前回に計量された被包装物の計量データの表示(印字、或いは計量データが印字されたラベルの貼付)を行うので、少なくとも一回目の商品を計量し投入する際、該商品の計量データの表示が完了するまで待たなくてよいので、効率よく短い時間にてヒートシール包装することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のヒートシール包装装置は、請求項1記載の構成により、容器の開口部を閉鎖する蓋用フィルムの所定位置に、重量値を含む商品情報を確実に表示することができる。
そして、請求項2記載の構成により、被包装物を投入する容器が指定される為、作業者はどの位置に被包装物を入れるべきかを考える必要がなく作業ができるので、効率よく作業ができる。また、容器指示部毎に表示位置情報が対応して記憶されているので、指示された容器に計量された被包装物が投入されれば、その投入された被包装物の計量データが確実にその容器の蓋に表示されるようになる。
又、請求項3記載の構成により、前記指示された容器へ被包装物が間違いなく投入されたか否かを確実に判断することが出来る。従って、包装エラーを確実に防止できる。
【0028】
又、請求項4記載の構成により、計量部に載せられた全ての被包装物が全て取り除かれ、容器に投入されたのを判断されて、次の処理が実行されるので、計量皿に載った一部の商品だけが容器に投入されただけで、次の処理が実行されてしまうのを防ぐことができ、正しい包装が可能になる。
また、請求項5記載の構成により、蓋用フィルムに表示されるデータは、前記被包装物が投入された容器の開口部を閉鎖する蓋用フィルムの該当位置に確実に表示される。従って、容器に収容された被包装物とその容器の蓋用フィルムに表示された表示内容が異なるという問題発生を防止できる。
又、請求項6記載の構成により、投入位置を間違えた場合、エラーが報知されるので被包装物を投入する容器と、該容器の開口部を閉鎖する蓋用フィルムに表示される計量データを含む商品情報の対応関係が異なることがなくなる。
【0029】
又、請求項7記載の構成により、被包装物を投入するためにフィルム(又は容器)が停止している時間を利用して、前に計量された被包装物の計量データが表示されるので、少なくとも一回目の商品を計量し投入する際、該商品の計量データの表示が完了するまで待たなくてよいので、効率よく短い時間にてヒートシール包装することができる。
又、請求項8記載の方法により、ヒートシール包装において計量データを含む商品情報の表示を、蓋用フィルムの所定の位置に綺麗に表示することができる。
又、請求項9記載の方法により、被包装物を投入するために容器を停止させている時間を利用して、前に計量された被包装物の計量データの表示、容器と蓋フィルムの熱溶着、及び容器成形を行うので、少なくとも一回目の商品を計量し投入する際、該商品の計量データの表示が完了するまで待たなくてよいので、効率よく短い時間にてヒートシール包装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るヒートシール包装装置の実施の形態の一例を示す概略図。
【図2】同平面図。
【図3】容器搬送部の概略を示し、(a)は容器成型部分の正面図、(b)は同平面図。
【図4】シール部の拡大断面図。
【図5】ヒートシール包装装置のシール部より下流側のカット部の構成を示す平面図。
【図6】包装機の電気ブロック図。
【図7】(a)は計量部の電気ブロック図、(b)は表示手段(プリンタ)の電気ブロック図。
【図8】容器指示部の他の例(上下回動式)を示し、(a)は正面図、(b)は同平面図。
【図9】容器指示部の他の例(横スライド式)を示す平面図。
【図10】被包装物の計量からヒートシール包装までの各動作のタイミングを示す説明図。
【図11】包装装置の全体の流れを示すフローチャート図。
【図12】包装機の制御部(CPU)の流れを示すフローチャート図。
【図13】計量部(秤)の制御部(CPU)の流れを示すフローチャート図。
【図14】表示手段(プリンタ)の制御部(CPU)の流れを示すフローチャート図。
【図15】(a)は商品ファイルの構成を示す図、(b)は包装機におけるRAMの記憶内容を示す図、(c)は計量部に於けるRAMの記憶内容を示す図。
【図16】表示手段(プリンタ)による蓋用フィルムへの印字状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るヒートシール包装装置の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。尚、以下に示す実施の形態は、容器用フィルムの搬送過程で容器(凹部)を成形型で成形し、その容器に被包装物を投入し、容器の開口部を蓋用フィルムで被覆し、該蓋用フィルムを容器に熱溶着(ヒートシール)して包装を完了する装置について説明する。
【0032】
図1は、ヒートシール包装装置の全体構成を示す概略図で、ロール状に巻かれた容器用フィルム1からフィルムを引き出し水平且つ直線状に搬送する容器搬送部Aと、その容器搬送部Aで搬送される容器用フィルム1の搬送ライン上に容器(凹部)2を型成形する容器成形部Bと、その容器成形部B上に被包装物Wの重量を計量する計量部Cが、更に前記容器搬送部Aとは別ラインで容器搬送部によって搬送される容器2の開口部を被覆する蓋用フィルム供給部Dと、前記容器成形部Bより下流位置で前記蓋用フィルム供給部Dから供給される蓋用フィルム3を容器搬送部Aで搬送される容器2の上面に合流させ熱溶着するシール部Eと、更に前記シール部Eより下流側にカット部Fを、更に前記蓋用フィルム供給部Dからシール部Eに至る蓋用フィルム3の供給経路に、該蓋用フィルム3に前記容器2に投入される被包装物Wの重量値を含む商品情報を表示(印字)する表示手段Gが配置されて構成されている。
【0033】
ロール状の容器用フィルム1からフィルムを引き出し搬送する容器搬送部Aは、図3に示すように、無端回動する前後一対のチェーン4にグリッパー5が所定間隔をおき連結されて構成されている。これにより、容器用フィルム1は、チェーン4に連結されたグリッパー5でフィルム1の幅方向の両側部が挾着され、チェーン4の駆動回転でフィードされる。尚、容器搬送部Aを構成するチェーン4の駆動は間欠駆動で、駆動によって容器用フィルム1が設定されたステップ(搬送量)ずつ、フィードされる。
前記容器搬送部Aの間欠駆動による1ステップとは、容器成形部Bの1回の成形動作で成形される容器(図示例ではフィルム幅方向に2個並列形成)を一定間隔で成形する為の搬送量を意味する。
又、容器搬送部Aは、カット部Fで容器用フィルム1から包装済容器が切断分離される位置まで延長配置されている。そして、前記グリッパー5は、無端回動するチェーン4の往路側は閉じて容器用フィルム1の幅方向両側を挟持して搬送し、往路から復路に切り替わる段階で開放されて容器用フィルム1の挟持を開放し、復路から往路に切り替わる段階で閉じて容器用フィルム1を挟持する。
【0034】
前記容器成形部Bは、図3に示すように、容器用フィルム1を熱と成形型を用いて容器(凹部)2を成形する今日周知の深絞り方式の成形部で、前記容器搬送部Aで水平に搬送される容器用フィルム1のフィルム面を挟んで配置される。
その容器成形部Bは、容器用フィルム1の下側に配置される成形型6aと、容器用フィルム1の上側に配置されるヒータプレート6bとで構成されている。
【0035】
上記構成により、容器用フィルム1は成形型6a内で下からの圧縮空気で吹き上げられ、ヒータプレート6bに接触して暖められる。そして、暖められた容器用フィルム1は、ヒータプレート6bにある噴射孔から圧縮空気が設定された時間吹きつけられることで成形型6aの内面に沿って密着成形され、容器(凹部)2が成形される。成形後、型内を換気し成形型6aを下降させ、前記容器搬送部Aの作動で成形した容器2を容器成形部Bから搬送方向前方に移動させる。即ち、前記容器搬送部Aの間欠駆動によって、容器用フィルム1の長手方向に沿って容器2が一定間隔毎に成形される。尚、容器成形部Bの1回の動作で成形される容器2の数は、図示するフィルムの幅方向に2個を並列成形する形態に限定されず、例えば1個、或いは3個(3列)、更には複数列・複数行(例えば2×2の4個)等、任意である。
【0036】
前記容器成形部Bの上部には、容器成形部Bで成形した容器2に投入する被包装物Wの重量を計量する計量部Cが載置されている。
計量部Cは、今日周知の電子秤で、図7(a)に示すように、各ブロックを制御するCPU7にバス7aを介してRAM8、ROM9、表示部10、操作部11、計量部12、及びINF(インターフェース)13等が接続されている。INF13はINF24、INF45と通信可能になっている。
前記CPU7は、ROM9の制御プログラムに従って、RAM8のワークエリアを用いて処理を行なうことによりブロックを制御する。
前記RAM8は、複数の記憶領域を有し、計量した重量値を記憶するファイル(図15(c)参照)、或いは各ファイルから読み出されたデータが一時的に格納される。例えば、図15(a)に示す商品ファイル、添加物ファイル(図示省略)等の領域を有している。図15(c)の「指示1」は一回目の投入指示、「指示2」は二回目の投入指示を示し、且つ、それぞれは計量された被包装物Wを投入する容器の位置を表す。つまり、「指示1」はLED番号1に対応し、「指示2」はLED番号2に対応している。即ち、LAM8は重量値をLED番号と対応して記憶していることで、重量値がどの位置の容器に投入された被包装物の重量値かを識別できる。
例えば、図2において搬送方向に向かって左側の容器を「指示1(LED番号1)」、右側の容器を「指示2(LED番号2)」とした場合、「指示1」の容器に投入する被包装物の重量値は「指示1」の欄に記憶する。つまり、容器に被包装物を投入する指示は、LED番号1に対応する容器に対して初めに指示があり、次にLED番号2に対応する容器に対して指示があるように、その指示の順番が予め決まっている場合の例である。又、「従前1」、「従前2」は、指示1又は指示2で指示した容器に、現在計量するより一つ前に計量した被包装物の重量値が記憶される。つまり、「従前1」には「指示1」に記憶されていたデータが記憶され、「従前2」には「指示2」に記憶されていたデータが記憶される。
前記表示部10は、液晶タッチパネル等で構成され、画面をタッチすることで画面に表示された部分を選択することができる。
前記操作部11は、テンキー、クリアキー、ゼロ/リセットキー等で構成されたキー入力部である。
前記計量部12は、ロードセルの上に計量皿が載置された今日周知の形態のもので、ロードセルから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0037】
前記容器成形部Bより1ステップ分下流側に移動した場所、即ち容器成形部Bで成形された容器2が容器搬送部Aの間欠駆動で1ステップ分移動され停止する場所は、前記計量部Cで計量した被包装物Wを容器2に投入する被包装物供給部Kとなる。尚、被包装物供給部Kの位置は、図示した容器成形部Bより1ステップ分下流位置とは限らず、計量部Cの設置位置によって、その近傍位置に設定される。
そして、この被包装物供給部Kの場所には、被包装物Wを投入する容器2を指示する容器指示部H、及び容器2への被包装物Wの投入の有無を検出する被包装物検出部Iが配置されている。
【0038】
前記容器指示部Hは、図1及び図2に示すように、被包装物供給部Kの場所に停止する容器2に対して、計量済みの被包装物Wを投入する容器2を指定するもので、容器2の下方にLED番号1(14a)、LED番号2(14b)が、容器2の底面に向け配置されて構成されている。そして、LED番号1(14a)、又はLED番号2(14b)の点灯によって照射された容器2が、被包装物Wを投入する容器として指示される。
【0039】
前記被包装物検出部Iは、図1及び図2に示すように、容器2に対する被包装物Wの投入の有無を検出するもので、その構成は被包装物供給部Kに停止する容器2の開口部を跨ぐ前後位置に、投光器と受光器とからなる一対のセンサ15a、15bが配置されて構成されている。そして、投光器から受光器に照射される光路が、被包装物Wを容器2に投入する時の手で遮られたか否かで、被包装物Wの投入の有無が前記センサ15a,15bで判断される。前記センサ15a、15bは容器用フィルム1の幅方向に形成される容器の列(図面では2列)毎に配置される。
又、この被包装物検出部Iは、前記容器指示部Hが装備されていない場合、又は装備されていてもその機能がOFFとなっている場合、該検出部Iの検出によりどの容器(図面では容器の搬送方向に向かって左側、又は右側)に被包装物Wが投入されたかを検出することができる。
【0040】
前記蓋用フィルム供給部Dは、図1に示すように、被包装物Wが投入された容器2の開口部を被覆する蓋用フィルム3を供給するもので、ロール状に巻かれた蓋用フィルム3がガイドローラ16を介して容器搬送部Aで搬送される容器2の開口部上面に案内され、シール部Eで容器2の上面開口部に熱溶着される。それにより、蓋用フィルム3のフィードは、容器搬送部Aの駆動で搬送される容器2と蓋用フィルム3が熱溶着で一体となるため、容器2(容器用フィルム1)の移動とともに1ステップ分宛、一定時間間隔でフィードされる。
【0041】
そして、前記蓋用フィルム3の供給経路におけるシール部Eから所定距離上流位置には該蓋用フィルム3に、被包装物Wの計量データ(重量値)を含む商品情報を印字(表示)する表示手段Gが配置されている。
前記表示手段Gは、サーマルヘッドにてリボンインクに熱を加えることで蓋用フィルム3に印字する今日周知のプリンタ17で構成され、該プリンタ17と対向する蓋用フィルム3の裏側(印字面と反対の面)には蓋用フィルム3を平坦状態に維持する受け板18が、蓋用フィルム3の幅方向全長に亘って配置されている。
前記プリンタ17は、図7(b)に示すように、各ブロックを制御するCPU19に、バス19aを介してRAM20、ROM21、印字部22、印字部22を水平移動させる移動部23、及びINF(インターフェース)24等が接続されている。尚、INF24はINF13と通信可能になっている。
前記RAM20は、複数の記憶領域を有し、前記計量部Cから送信された被包装物Wの計量データ(重量値)や各ファイルから読み出されたデータが一時的に格納される。
【0042】
前記プリンタ17は、蓋用フィルム3の幅方向一側から他側(図示例では、指示1側→指示2側)に向けて水平移動して、蓋用フィルム3に、容器用フィルム1に形成される容器列分(図示例は2列)の印字を行なう。又、プリンタ17は、印字時、蓋用フィルム3の印字面側に所定量移動してフィルムに接触し、フィルムの幅方向に移動しながら印字を行ない、印字が終了するとフィルム面から離れて初期位置(フィルムの一側)に戻る。
プリンタ17で蓋用フィルム3に印字する事項Pは、図5に示すように、計量データ(重量値)及び品番(商品ファイル)に設定されている情報(品名、単価、添加物等)である。
また、プリンタ17による印字は、容器用フィルム1に形成される容器列(図示例は1列2個)に投入される全ての被包装物Wの重量値(計量データ)が揃ってから、2個分を印字する、或いは容器1個分ずつ印字してもよい。
【0043】
シール部Eは、容器搬送部Aで搬送される被包装物Wが投入された容器2の開口部を、該容器に投入された被包装物Wに関する商品情報が印字された蓋用フィルム3で被覆し、且つ容器2に熱溶着するものである。
図4は含気包装方式によるシール部Eの構成を示す。含気包装は、シール型に搬送された被包装物Wが投入された容器2の開口部をそのままの状態で蓋用フィルム3により被覆し、熱溶着する。
以下、その構成を簡単に説明すると、水平搬送される容器2を挟むように、容器2の下側に上下動可能に配置したシール型25と、該シール型25の上面を閉鎖する上下動可能なシール板26と、前記シール板26の上面に積層載置したヒータプレート27で構成されている。シール型25とシール板26で容器2と蓋用フィルム3を挾着し、容器2の開口部周縁に蓋用フィルム3を熱溶着した後、シール型25とシール板26がそれぞれ離れる方向に移動し型開きして、包装が完了した容器は容器搬送部Aの駆動でシール部Eから離れ、代わって次の容器2と蓋用フィルム3のセットがシール部Eに位置する。
【0044】
シール部Eで容器2と蓋用フィルム3が熱溶着されて包装を完了した包装済容器は、搬送方向下流側に配置したカット部Fで容器用フィルム1から切り離される。
カット部Fは、図1及び図2に示すように、容器用フィルム1の搬送方向(長手方向)に沿って一定間隔で形成された容器間を切り離す横切断用の横カッター28と、容器用フィルム1の幅方向に沿って形成された容器(図示は2列)間及び該容器用フィルム1の幅方向両側の不要部分(カス部分)を切断する縦カッター29とで構成されている。そして、横カッター28と縦カッター29は容器搬送部Aの搬送方向に沿い所定間隔、例えば1ステップ分間隔をおいて配置されている。
【0045】
前記横カッター28は、容器用フィルム1と蓋用フィルム3が熱溶着された箇所を切断するもので、両フィルムを挟む上下に切断刃28a,28bが配置されて構成され、上側の固定の切断刃28aに対して下側の切断刃28bがシリンダ等(図示省略)で上下動するように構成されている。
前記縦カッター29は、ロータリーカッターを複数枚(図示例は3枚)、フィルムの幅方向の中央位置と両側部に配置し、フィルムの幅方向に並列成形された2個の容器の間、及び幅方向両側の不要部分(カス部分)を切断し、包装商品が完成される。切断したフィルム幅方向両側の不要部分(カス部分)30は、フィルムカス巻取り軸31に巻き付け、包装装置より切り離し、包装商品W’は排出コンベア32で包装装置外に排出される。
【0046】
上記したヒートシール包装装置は、前記した各部が連係して作動するよう、図6に示すように、各ブロックを制御するCPU33にバス33aを介してRAM34、ROM35、容器用フィルム駆動制御部36、指示ランプ37、物品検出センサ38、容器形成制御部39、シーリング制御部40、横カッター制御部41、縦カッター制御部42、表示部43、操作部44、及びINF(インターフェース)45等が接続されている。尚、INF45はINF13と通信可能になっている。
RAM34は複数の記憶領域を、例えば、図15(b)に示すように容器指示部Hの状態(点灯指示の有無、LED番号1,2の「0」は点灯指示無し、「1」は点灯指示有りを示す)、被包装物検出部Iの状態(投入の有無、物品検出信号の「0」は投入無し、「1」は投入有りを示す)を記憶する。
容器用フィルム駆動制御部36は、容器用フィルム1を搬送する容器搬送部Aの駆動を1ステップずつ、間欠駆動するよう制御する。
指示ランプ37は、前記容器指示部Hのランプ(LED)14の点灯を制御する。
物品検出センサ38は、前記被包装物検出部Iを制御する。
容器形成制御部39は、前記容器成形部Bを構成する成形型の開閉、圧縮空気の噴射/停止、ヒータプレートへの通電等を制御する。
シーリング制御部40は、前記シール部Eを構成するシール型の上下動(開閉)、ヒータプレートへの通電等を制御する。
横カッター制御部41は、前記横カッター28の作動(上下動)タイミングを制御する。
縦カッター制御部42は、前記縦カッター29の作動(回転)を制御する。
表示部42は、液晶タッチパネル等で構成され、画面をタッチすることで画面に表示された部分を選択することができる。
前記操作部43は、テンキー、クリアキー、ゼロ/リセットキー等で構成されたキー入力部である。そして、前記表示部42と操作部43は、コンソール(図示省略)に装備される。
又、INF(インターフェース)45には前記計量部(秤)C、表示手段Gのプリンタ17が接続され、信号の授受が行われるようになっている。
【0047】
図8及び図9は容器指示部Hの他の例を示す。図8は容器用フィルム1に成形された3個並列の容器の上方位置に、それぞれの開口部を閉鎖するシャッタ46a,46b,46cを配置し、シャッタの開動によって投入容器を指示するものである。シャッタの開閉はモータ或いはシリンダ等によって行い、シャッタの閉動は前記被包装物検出部Iの検知信号(投入検知)によって閉動されるようにする。尚、同図は、シャッタ46aが開動しており、計量済みの被包装物Wを手前側(搬送方向に向かって左端)の容器2に投入するよう指示している。
【0048】
図9は横スライド式のシャッタを備えた容器指示部を示し、前示実施例と同様、容器用フィルム1に成形された3個並列の容器の上方位置に、2個のシャッタ47a,47bを横移動可能に配置し、前記シャッタ47a,47bの横移動によって被包装物の投入を指示する容器以外の容器の開口部を閉鎖し、シャッタが存在せず、開口部が開放された容器が投入容器を指示する。同図は手前側(搬送方向に向かって左端)の容器上にシャッタが存在せず、開放されているため、計量済みの被包装物Wは手前側の容器2に投入するよう指示されている。尚、同図において、真中の容器を投入容器と指示する場合はシャッタ47aを手前側の容器上に移動させ、奥側(搬送方向に向かって右端)の容器を指示する場合はシャッタ47a,47bをそれぞれ左側に移動させる。
【0049】
次に、上記したヒートシール包装装置の全体の流れを図10のフローチャートに基づいて説明する。尚、以下に示すフローは、図1の概略図に示す容器搬送部Aの1ステップ間欠駆動に基づいて、1回目1ステップ移動と2回目以降の1ステップ移動とに分けて説明する。尚、容器用フィルム1は図1に示すように、被包装物供給部Kの位置に成形された容器2が位置しているところから以下をスタートする。又、図1に示す蓋用フィルム3に印字する表示手段G(プリンタ17)の位置は、シール部Eの位置から上流側に3ステップ移動した位置に配置され、被包装物供給部Kはシール部Eの位置から上流側に4ステップ移動した位置に配置された形態について説明する。
[1回目]
S1…スタートキーを押下げる(包装装置のコンソールに装備された操作部に配置)。
S2…この状態では容器用フィルム1と蓋用フィルム3は停止(容器搬送部Aが停止)。
S3…S2から所定時間経過すると、容器用フィルム1には容器成形部Bで容器2が成形
され、同時にシール部Eに搬送された容器用フィルム1と、蓋用フィルム3が熱溶
着されてシーリングされる。
S4…S3と同時期に、計量部Cに被包装物W1(図14の楕円形)を載せ、該計量部C
から出力された計量データをRAM8の一時記憶エリア1,2のうち、データが記
憶されていない一時記憶エリア1(不図示)に記憶し、計量を終えた被包装物W1
は容器2に投入される。次に、被包装物W2(図14の楕円形)を計量部Cに載せ
、計量部から出力された計量データを、RAM8の一時記憶エリアのデータが記憶
されていない一時記憶エリア2(不図示)に記憶し、計量を終えた被包装物W2は
容器2に投入される。
S5…S2の容器成形とシーリング、S3の計量・投入が終わると完了。尚、容器成形と
シーリングは一定時間経過後に完了したと判断され、計量、投入はRAM8の一時
記憶エリア1,2に計量データが一時記憶され、且つ、物品検出センサ38で検出
されると完了と判断される。そして、一時記憶エリア1,2に記憶した計量データ
を印字の為のRAM8にある印字バッファ(不図示)に移行して記憶し、一時記憶
エリア1,2をクリアする。
S6…容器搬送部Aが駆動して容器用フィルム1を1ステップ分搬送する。この時、蓋用
フィルム3は容器用フィルム1とシール部Eで熱溶着によって接着されているので
、容器用フィルム1と共に1ステップ分搬送される。
【0050】
[2回目以降]
S7…容器用フィルム1と蓋用フィルム3は停止(容器搬送部Aが停止)。
S8…S7から所定時間経過すると、容器用フィルム1には容器成形部Bで容器2が成形
され、同時にシール部Eに搬送された容器用フィルム1と蓋用フィルムが熱溶着さ
れてシーリングされる。
S9…S8と同時期に、計量部Cに被包装物W3(図14の正方形)を載せ該計量部Cか
ら出力された計量データを、RAM8の一時記憶エリア1,2(不図示)のうち、
計量データが記憶されていない、例えば、一時記憶エリア1に記憶し、計量を終え
た被包装物W3は容器2に投入される。次に、被包装物W4(図14の正方形)を
計量部Cに載せ、計量部から出力された計量データを、RAM8の一時記憶エリア
のデータが記憶されていない一時記憶エリア2に記憶し、計量を終えた被包装物W
4は容器2に投入される。
S10…S8,S9と同時期、つまり、容器用フィルム1と蓋用フィルム3が停止してい
る間に前回S5で印字バッファに一時記憶した被包装物W1、被包装物W2の計
量データを蓋用フィルム3に印字する。そして、印字が終了すると、該印字バッ
ファに一時記憶した計量データをクリアし、S9で一時記憶エリア1,2に記憶
したデータを該印字バッファにそれぞれ記憶し、一時記憶エリア1,2に記憶し
ていたデータをクリアする。
S11…S8の容器成形、シーリングと、S9の計量投入、及びS10の印字が終わり完
了。
S12…容器搬送部Aが駆動して容器用フィルム1を1ステップ分搬送する。
【0051】
上記した全体の流れは、図14及び図1に示すように、計量部Cで計量した被包装物W(楕円形)を前のステップで成形された容器2に投入し、その被包装物W(楕円形)が投入された容器2が1ステップ移動した時、その計量データ(被包装物(楕円形)の計量データ)が蓋用フィルム3に印字される。そして、被包装物W(楕円形)が投入された容器2と、その被包装物の計量データが印字された蓋用フィルム3が一緒にシール部Eに向けて同ステップ(2ステップ)移動し、シール部Eで合体してシーリングされる。従って、容器(蓋用フィルム)に表示された計量データを含む商品情報が、容器に収容された被包装物と必ず対応するようになる。
【0052】
本発明では、それぞれの制御部が分かれているので、以下、計量部Cの制御部、包装機(容器用フィルム、蓋用フィルムの移動や、容器成形やシーリング等)の制御部、プリンタの制御部それぞれの流れを説明する。
先ず、計量部Cの制御部(CPU)の流れを図11に基づいて説明する。尚、以下の説明は、容器用フィルムに1ステップで形成される容器の数が2個並列で、容器指示部HのLEDの点灯指示も、容器の搬送方向に向かって左側(LED番号1)の次に右側(LED番号2)が点灯するよう、点灯指示の順番が決まっている例を説明する。
S20…包装する被包装物Wの品番を操作部11より入力し、商品ファイル中の該当する
品番に関するデータを読み出す。
S21…被包装物Wを計量部Cの計量皿に載置する。
S22…S21で載置された被包装物Wの重量が安定したか否かが判断される。安定した
場合(YES)は、S23は進み、安定していない場合(NO)は該判断を繰り
返す。
S23…重量が安定したので、LED(容器指示部H)点灯要求信号を包装機へ送信する

S24…RAM8の指示1(LED番号1)に計量データ(重量値)が記憶されているか
否かを判断する。記憶されている場合(YES)はS28へ進み、記憶されてい
ない場合(NO)はS25へ進む。
S25…計量された計量データ(重量値)をRAM8の指示1(LED番号1)の欄に記
憶する(図15(c)参照)。
S26…計量部Cの計量値が“0”か否かを判断する。つまり、S21で計量皿に載置し
た被包装物Wが、LED1(容器指示部H)が点灯する容器2へ投入のために全
て計量皿から取り除かれたか否かを判断する。“0”の場合(YES)はS27
へ進み、“0”でない場合(NO)は“0”になるまで確認を続ける。
【0053】
S27…計量皿に載置された被包装物Wの全てが指示された容器2に投入移行したので、
LED消灯信号を包装機へ送信する。
S28…計量された計量データ(重量値)をRAM8の指示2(LED番号2)の欄に記
憶する(図15(c)参照)。
S29…計量部Cの計量値が“0”か否かを判断する。つまり、S21で計量皿に載置し
た被包装物Wが、LED2(容器指示部H)が点灯する容器2へ投入のために全
て計量皿から取り除かれたか否かを判断する。“0”の場合(YES)はS30
へ進み、“0”でない場合(NO)は“0”になるまで確認を続ける。
S30…計量皿に載置された被包装物Wの全てが指示された容器2に投入移行したので、
LED消灯信号を包装機へ送信する。
S31…包装機より被包装物Wの投入完了信号を受信したか否かを判断する。受信した場
合(YES)はS32へ進み、受信していない場合(NO)は該判断を繰り返す

S32…RAM8の従前1、2の欄に計量データ(重量値)が記憶されているかを判断す
る(図15(c)参照)。記憶されていない場合(NO)はS33へ進み、記憶
されている場合(YES)はS36へ進む。
【0054】
S33…RAM8の指示1、2の欄に記憶されている計量データ(重量値)を従前1、2
の欄へ記憶する。
S34…RAM8の指示1、2の欄に記憶されている計量データ(重量値)をクリアする

S35…包装機へ容器用フィルム1を搬送する容器搬送部Aの駆動指示を送信する。
S36…新たな品番(それまでの被包装物と異なる被包装物)の入力があるかを判断する
。新たな品番の入力が有る場合(YES)はS20に進み、継続して同じ被包装
物を包装する場合(NO)はS21へ進む。
S37…RAM8の従前1、2(LED番号1、2)に記憶された重量値を各LED番号
と対応させて、S20で読み出された品番に関する品名や単価等の商品情報の印
字データ、及び印字開始コマンドをプリンタ17(表示手段G)へ送信する。
S38…RAM8に記憶する指示1、2のデータを従前1、2へ上書きすると共に、従前
1、2に記憶されている重量値を重量値履歴欄に順次記憶する。
S39…RAM8に記憶する指示1、2のデータをクリアする。
S40…プリンタ17(表示手段G)から印字完了信号を受信したか否かを判断する。受
信した場合(YES)はS35へ進み、受信していない場合(NO)は該判断を
繰り返す。
【0055】
次に、包装機(容器用フィルム、蓋用フィルムの移動や、容器成形やシーリング等)の制御部(CPU)の流れを図12に基づいて説明する。
S40…各センサ等がスタンバイ状態か否かを判断する。スタンバイ状態である場合(Y
ES)はS41へ進み、まだスタンバイ状態でない場合(NO)はエラーを包装
機の表示部43に表示する。
S41…計量部Cから重量安定信号を受信したか否かを判断する。受信した場合(YES
)はS42へ進み、受信していない場合(NO)は該判断を繰り返す。
S42…被包装物Wを投入する容器を指示するLED番号1であるLED14(容器指示
部H)を点灯させる。ここで、RAM34内のLED番号1、LED番号2のエ
リアには点灯を指示していると「1」が、点灯を指示していないと「0」が記憶
されているので、LED番号1、2のうち「1」でないほうのLED番号に対し
て点灯指示を送信する。尚、LED番号1及びLED番号2とも「0」である時
は、LED番号1に「1」を点灯させる(図15(b)参照)。
S43…LED番号1であるLED14が点灯した容器に、被包装物Wが投入されたか否
かを被包装物検出部Iが検知したかを判断する。投入を検知した場合(YES)
はS45へ進み、検知しない場合(NO)はS44へ進む。尚、被包装物検出部
Iは、図2に示すように、LED番号1、LED番号2(容器の列)に対応して
それぞれ設けられている。そして、被包装物検出部Iで投入が検出されると、R
AM34の対応する欄に「1」が記憶される。尚、非検知の時は「0」が記憶さ
れる(図15(b)参照)。
【0056】
S44…S42でLED番号1又はLED番号2が点灯してから一定時間内に、被包装物
検出部I(センサ15a、15b)にて投入が検知されない場合は、その旨を包
装機の表示部43にエラーとして表示する。
S45…S42で指示された位置に対応するRAM34内の物品検出信号が「1」と記憶
されているか否かを判断する。「1」が記憶されている場合(YES)はS47
へ進み、「1」が記憶されていない場合(NO)はS46へ進む。
S46…S42で指示された位置(容器)と異なる位置(容器)で被包装物の投入が検知
されたので、その旨を包装機の表示部43にエラーとして表示する。
S47…計量部Cの計量皿に載せられた被包装物の全てが、指示された容器へ投入された
ことを示す計量値“0”を示す信号を計量部Cから受信したか否かの判断をする
。受信した場合(YES)はS48へ進み、受信していない場合(NO)は該判
断を繰り返す。
S48…S42でLEDが点灯した位置(容器)に、確かに計量された被包装物Wの全て
が投入されることにより、S42で点灯したLEDを消灯する。
S49…RAM34に記憶する物品カウント数を“1”だけ減算する。このカウント数は
容器用フィルムの幅方向に形成される容器の数を示す、本実施例(図2参照)で
はフィルム幅方向に2個の容器が形成されるので、物品カウント数は“2”とな
り、フィルム幅方向に3個の容器が形成されるのであれば、物品カウント数は“
3”となる。
【0057】
S50…カウント数が“0”か否かを判断する。カウント数が“0”の場合(YES)は
S51へ進み、“0”以外の場合(NO)はS41へ戻り、次の被包装物の重量
安定信号を待つ。
S51…一列分2個の容器に、2個の被包装物が正しい位置に投入されたので、被包装物
の投入完了信号を計量手段Cへ送信する。
S52…計量部Cより容器用フィルムを移動するフィルム移動指示信号を受信したか否か
の判断する。移動指示信号を受信した場合(YES)はS53へ進み、移動指示
信号を受信していない場合(NO)は該判断を繰り返す。
S53…容器用フィルム1が容器搬送部Aの駆動で1ステップ分搬送される。尚、この場
合、1ステップは1列分を移動する。
S54…容器用フィルム1の搬送が停止される。
S55…容器の成形(容器成形部B)、容器2と蓋用フィルム3の熱溶着によるシーリン
グ(シール部E)、及びカス部分、容器のカッティング(カット部F)が当該位
置で同時に実行される。
【0058】
次に、プリンタ17(表示手段G)の制御部(CPU)の流れを図13に基づいて説明する。
S60…計量部Cから送信された印字データ(品名、単価等)、LED番号に対応した重
量値、及び印字開始コマンドを受信する。
S61…S60で受信したLED番号に対応した重量値に単価を乗算し、LED番号毎の
値段を算出し、印字部をフィルム幅方向に移動させながら蓋用フィルム3に各項
目を印字する。
S62…印字完了信号を計量部Cへ送信する。
【0059】
上記した実施の形態は、容器用フィルム1に形成される横1列の容器の数が2個で、容器指示部Hは指示1がLED番号1、指示2がLED番号2に対応しており、表示手段Gのプリンタ17では予め定められているフォーマットに基づき印字される。プリンタ17では、何番のLED番号の重量値は蓋用フィルム上のどの位置に印字しなければならないという印字フォーマットを有しているので、計量部Cから受信したLED番号に対応する重量値に基づき印字する。
図16は、図1の表示手段G(プリンタ17)にて蓋用フィルム3にLED番号1、LED番号2それぞれに合った重量値を含む印字がされる例を示し、そこに点線にて囲んだ印字領域のイメージを重ねて表示したものである。そして、印字フォーマットについては印字装置においては周知のものであるので詳述はしないが、例えば、図16の点線で囲んだ印字領域の例えば右下の角を(0、0)として、X軸、Y軸からなる座標位置によって、各印字内容の印字位置が予め決まっている。例えば、図16の例では、LED番号1に関する重量値は“200g”が書かれた位置に印字するよう、又、LED番号2に関する重量値は“210g”が書かれた位置に印字されるよう各印字項目に対する座標位置が予め決まっている。また、LED番号1、2の値段や単価、○○○○で表示されている品名についても、その印字位置が前記座標位置によって予め設定されて決まっており、又、各項目の文字の大きさも予め決まっている。尚、各印字項目においても、それぞれ矩形状の枠を有しているので、矩形状の枠の一点の座標位置が前記のように決められており、その点から縦、横の長さが決まっているので、各印字項目の位置と大きさが決められている。
このように、指示された容器と、該容器の為の印字位置情報が予め対応して記憶していることにより、指示された容器に計量された被包装物が投入されれば、容器の蓋に表示(印字)された重量値と、容器に入れられた被包装物が合うようになる。
しかし、容器用フィルム1に形成される横1列の容器の数が3個で、容器指示部Hによる投入指示が、予め決められた順序ではなく、ランダムに出すようにしてもよい。その場合、図12のS42で投入位置LED点灯をする際、各LEDを識別する番号(LED番号)を計量部Cへ送信するようにして、該LED番号とS25或いはS28で重量値を記憶する際に、前記LED番号と対応付けて記憶するようにする。そして、LED番号は容器の位置を示しているので、容器への投入順序がLED番号1→LED番号2だとしても、各LED番号に重量値が対応付けて記憶されているので、印字の際はLED番号順に印字することで、それぞれ正しい位置に印字される。
つまり、従前の例では指示1がLED番号1、指示2がLED番号2と決まっていたが、ランダムに指示される場合は計量が安定した後、包装機のCPUから受信した投入すべき位置を示すLED番号を前記安定した重量値を対応付けるようにする。そして、計量部Cからプリンタへは重量値とそのLED番号を対にして送信し、そのLED番号に合った位置に重量値が印字されるようにしてもよい。
【0060】
又、容器用フィルム1に1ステップの移動で形成される容器の数は図示実施例に示す2列の他に、横3列、或いは複数列×複数行(例えば2×2の4個)のパターンもある。この場合、前記実施例のように、LED点灯(容器指示部H)によって予め決めた順に従って指示する方法の他に、容器指示部Hを備えないで、投入容器(位置)と重量値を組み合わせ管理するようにしてもよい。この場合は、容器への被包装物の投入を検知する被包装物検出部Iを利用する。
その手順は、被包装物Wを計量部Cに載せ計量が安定すると、重量値が出力され、RAM8の一時記憶エリア(不図示)に記憶される。そして、その後、一定時間内に物品検出センサ38(被包装物検出部I(センサ15a、15b))によって被包装物の投入が検知された場合、その検知したセンサのセンサ番号(15a、15b)を包装機の制御部(CPU33)からINF45を介して計量部Cに送信し、計量部Cではその受信したセンサ番号と、前記出力された重量値を対応付けて記憶する。そして、1列分の容器に対して被包装物の投入が終了すると、センサ番号と重量値が対になってプリンタ17(表示手段G)へ送信される。そして、実際の物品検出センサ38は番号順に並んでいるのでプリンタ17(表示手段G)では、センサ番号順に重量値を印字するようにする。このようにすることで、容器に投入された被包装物と、該容器の蓋用フィルムに印字された重量値を含む商品情報とが合致するようになる。
【0061】
本発明に係るヒートシール包装方法は、図示したヒートシール包装装置で説明したように、被包装物を収容する容器と、前記容器の開口部を被覆する蓋用フィルムを別々に搬送し、前記容器に被包装物を投入後、包装ステージで該容器の開口部を前記蓋用フィルムで被覆し、該蓋用フィルムの周縁を容器にヒートシールするヒートシール包装方法であって、被包装物を容器に投入する以前に該被包装物の重量を計量する計量工程と、その計量工程で得た計量データ(重量値)を、前記包装ステージに供給する蓋用フィルムに表示する表示工程と、を有し、前記計量データ(重量値)が表示された蓋用フィルムは、それぞれ対応する被包装物が投入された容器の開口部を被覆するよう制御されている。
前記被包装物を収容する容器は、図示したフィルム(容器用フィルム)の搬送途中に、該フィルムに型成形により成形して搬送する方法に限らず、予め成形した容器を搬送手段に載せて搬送する方法でもよい。
【0062】
又、計量データ(重量値)を蓋用フィルムに表示する表示工程は、図示した蓋用フィルムにプリンタで計量値を含む商品情報を直接印字する方式に限らず、例えば前記計量値を含む商品情報をラベルに印字し、該ラベルを蓋用フィルムに貼付する方式でもよい。
しかし、表示の方式は変わっても、商品情報が表示(印字又はラベル貼付)された蓋用フィルムと、該情報の基である被包装物を収容した容器とは、包装ステージ(図示実施例のシール部)で合体するように制御される。
被包装物を収容した容器と、前記被包装物の計量データを含む商品情報を表示した蓋用フィルムとを包装ステージで対応合致させる制御は、図示した蓋用フィルムを容器に熱溶着し、容器の間欠移動と一緒に蓋用フィルムを間欠移動させる方法(同期移動)、或いは容器と蓋用フィルムを非同期移動の何れでもよい。
又、計量データ(重量値)と容器(位置)との対応は、計量した被包装物を投入する容器(位置)の指示による対応付け、或いは被包装物の投入を検知する被包装物検出部Iのセンサ番号との対応付け等により行うことができる。
【0063】
本発明のヒートシール包装装置は、図示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)被包装物の重量を計量する計量部(秤)は1台とは限らず、複数(例えば、2台)でも良く、又、計量手段の設置位置も、容器搬送ライン上に配置した容器成型部の上に載せる形態に限定されず、例えば、容器搬送ラインの側部に設置してもよい。
(2)計量済みの被包装物を投入する容器の指示は、図示のLEDの点灯、シャッタの開閉に限らず、複数の計量部(秤)にそれぞれ色を付け、又、ランプ(LED)も計量部(秤)と同じ色が点灯するようにし、色で合わせる。例えば、赤色の計量部で計量した被包装物は、赤色のランプ(LED)が点灯した容器に投入し、緑色の計量部で計量した被包装物は、緑色のランプ(LED)が点灯した容器に投入するようにしてもよい。
(3)実施の形態では、蓋用フィルムを容器用フィルムに熱溶着し、該容器用フィルムの移動で蓋用フィルムも一緒に移動する方式を説明したが、容器用フィルムと蓋用フィルムが別々の駆動源で作動する搬送手段を備え、その両方の搬送手段を同期させてもよい。
(4)蓋用フィルムの幅方向の端部に、1ステップ移動のためのマークをフィルムの長手方向に沿って一定間隔毎に表示し、蓋用フィルムのフィード近傍に前記マークを検知するセンサを配置し、蓋用フィルムの移動を、前記マークの検知によって制御するようにしてもよい。
(5)実施の形態では、容器用フィルムの搬送中に容器成形部により該フィルムに容器を成形して搬送する形態を示したが、予め成形した容器を容器搬送部に載せて搬送するようにしてもよい。
(6)実施の形態では、シール部の包装は含気包装について説明したが、被包装物に応じて真空包装、或いはガス充填包装を採用してもよい。
(7)上記実施の形態の図11に示すフローチャートで、S26で計量皿の計量値が“0”である時、S27へ進み、S27でLED消灯信号を包装機へ送信する説明をしたが、これに限らず、例えば、S26で計量皿の計量値が“0”である時、点灯しているLEDはそのままで、S23の代わりにLED点灯信号を包装機へ送信し、次の指示のLEDを点灯するようにしてもよい。また、点灯しているLEDを消灯し、且つ、S23の代わりにLED点灯信号を包装機へ送信するようにしてもよい。
つまり、S26で計量皿の計量値が“0”で、且つ、指示された容器に被包装物が投入されたと判断された時、次の処理を実行するようにする。
ここで、次の処理とは、例えば、点灯しているLEDを消灯すること、或いは点灯しているLEDはそのままで、S23の代わりにLED点灯信号を包装機へ送信し、次の指示のLEDを点灯するようにしてもよい。また、点灯しているLEDを消灯し、且つ、S23の代わりにLED点灯信号を包装機へ送信すること、或いは、蓋用フィルム、容器用フィルムの1ステップ分の搬送であってもよい。
(8)実施の形態では、図10のフローチャートにおける1回目のフィルム搬送では、投入されたW1とW2の印字を待たずに、2回目のフィルム搬送をする例を示したが、これに限らず、W1とW2が投入された直後にW1とW2の印字を行ない完了してから、2回目のフィルム搬送をするようにしてもよい。例えば、実施の形態のように、W1とW2のようにフィルム幅方向に、二つの容器がある場合は、一つ目の被包装物の計量がされ、該被包装物が指示された容器に投入され、二つ目の被包装物が計量され、該被包装物が指示された容器に投入され、二つの被包装物の投入が完了すると、それぞれ計量された二つの計量データを印字し、印字が終わったら、フィルムを搬送し、次の容器へ被包装物を投入する。つまり、フィルム搬送の1ステップ分の計量、投入、印字が終わったら、フィルムを1ステップ搬送するようにしてもよい。但し、その場合、図1における表示手段Gは、フィルムの1ステップ分、上流の位置に配置することが必要である。
(9)実施の形態では、フィルムに重量値や品名等を印字する例を示したがこれに限らず、ラベルに例えば図5に印字されたと同様の内容を印字し、該ラベルを蓋用フィルム上にアプリケータ等により貼付するようにしてもよい。
この場合、例えば図5のように、LED番号1の容器に貼付されるべきラベルから順に、プリンタ17で受信したLED番号に対応した重量値、品名等のデータに基づき印字する。そして、印字されたラベルをロボットアームのようなアプリケータで吸引保持し、該吸引したラベルを所定の位置に貼付する。そして、その貼付位置は、段落番号0059にて印字のときに説明したと同じように、X軸とY軸からなる貼付座標位置情報を予め設定しておき、その位置情報へ前記アプリケータが移動しラベルの粘着面を蓋用フィルムに押圧し貼付する。そして、LED番号1の貼付が終了すると、次にLED番号2のラベルがLED番号1と同様に印字され、予め設定してある貼付座標位置情報にアプリケータが移動しラベルが貼付される。
(10)実施の形態では、蓋用フィルムに印字される情報は重量、値段、単価、品名であったが、これに限らずバーコードや図形や画像データ等を印字してもよい。
(11)実施の形態では、被包装物検出部を設けたが、該検出部を設けずに、各容器に対応して設けられる容器指示部のみを設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
A…容器搬送部 B…容器成形部
C…計量部 D…蓋用フィルム供給部
E…シール部 F…カット部
G…表示手段 H…容器指示部
I…被包装物検出部 W…被包装物
W’…包装商品 1…容器用フィルム
2…容器 3…蓋用フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を収容する容器を搬送する容器搬送部と、
前記搬送される容器に投入する被包装物の重量を、容器に投入する以前に計量する計量部と、
前記容器の開口部を被覆する蓋用フィルム供給部と、
前記蓋用フィルムに前記計量部の計量データを表示する表示手段と、
前記被包装物が投入された容器の開口部を、前記蓋用フィルムにてヒートシールするシール部と、
を備え、
被包装物が投入された容器の開口部が、該投入された被包装物の前記計量データが表示された蓋用フィルムにて被覆されるよう制御されることを特徴とするヒートシール包装装置。
【請求項2】
前記計量済みの被包装物を容器に投入する供給部には、前記容器搬送部により複数の容器が搬送され、前記計量部により計量された被包装物の投入すべき容器を示す容器指示部が前記容器に対応して配置されており、前記計量データを前記蓋用フィルムに表示する為の表示位置情報を各容器指示部に対応して記憶していることを特徴とする請求項1記載のヒートシール包装装置
【請求項3】
前記容器指示部の近傍に、容器への被包装物の投入の有無を検出する被包装物検出部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のヒートシール包装装置。
【請求項4】
前記容器指示部により指示された容器に、前記被包装物検出部により被包装物の投入が検知され、且つ前記計量部に載置された被包装物が全て取り除かれたことが検知された時、次の処理を実行することを特徴とする請求項3記載のヒートシール包装装置。
【請求項5】
前記被包装物検出部が、複数、各々識別されて配置され、前記計量部にて出力された計量データを、前記識別された被包装物検出部の容器検出情報と対応して記憶することを特徴とする請求項3記載のヒートシール包装装置。
【請求項6】
前記容器指示部が指示した容器と異なる容器に被包装物が投入された場合、エラーを報知するエラー報知部を備えたことを特徴とする請求項3記載のヒートシール包装装置。
【請求項7】
前記容器搬送部による容器の搬送及び前記蓋用フィルム供給部による蓋用フィルムの供給は間欠駆動で、前記蓋用フィルムに対する前記表示部による表示は、計量部で計量され容器に投入される被包装物より以前に計量された被包装物の計量データで、前記停止する容器への被包装物の投入時に表示することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載のヒートシール包装装置。
【請求項8】
被包装物を収容する容器と、前記容器の開口部を被覆する蓋用フィルムを別々に搬送し、前記容器に被包装物を投入後、包装ステージで該容器の開口部を前記蓋用フィルムで被覆し、該蓋用フィルムの周縁を容器にヒートシールするヒートシール包装方法であって、
被包装物を容器に投入する以前に該被包装物の重量を計量する計量工程と、
その計量工程で得た計量値を、前記包装ステージに供給する蓋用フィルムに表示する表示工程と、
を有し、前記計量データが表示された蓋用フィルムは、それぞれ対応する被包装物が投入された容器の開口部を被覆するよう制御されていることを特徴とするヒートシール包装方法。
【請求項9】
前記容器と該容器の開口部を閉鎖する蓋用フィルムは同期して間欠搬送し、被包装物を計量して投入する計量工程と、前回ステップで計量された被包装物の計量データを前記蓋用フィルムに表示する表示工程とを、容器及び蓋用フィルムの搬送が停止する同じステップ内に行い、これを1ステップ移動毎に行うことを特徴とする請求項8記載のヒートシール包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−31903(P2011−31903A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177852(P2009−177852)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(509216108)ウルマ パッケージング テクノロジカル センター エス コープ (2)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】