説明

ビタミンおよびフラボノイドを含むスキンライトニング組成物

フラバノイド、ビタミンC、ビタミンE、およびナイアシンを含む組成物を提供する。この組成物は、スキンライトニング剤として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンライトニング用の薬剤、哺乳動物の皮膚中のメラニン産生を抑制するためのこうした薬剤の使用、およびこうした使用に適した組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
生まれつき肌がより黒いタイプの人々の中には、彼らの全身の皮膚の色をある程度明るくすることを望んでいる人がいる。皮膚の色は、表皮に存在するメラノサイトによって皮膚内で産生される物質、すなわちメラニンの量およびタイプによって主に決定される。メラニンは、2種の形、すなわち黒色(dark)メラニンおよび肌色(light)メラニンの形で存在する。黒色メラニンの産生が減少し、かつ/または黒色メラニンに対する肌色メラニン産生の比が増大した場合、結果として皮膚の色が明るく(skin lightening)なる。
【特許文献1】米国特許第6,569,446号
【非特許文献1】Sagarin, Cosmetics, Science and Technology 2nd Edition, Vol.1, pp.32-43 (1972)
【非特許文献2】McCutcheon's Detergents and Emulsifiers, North American Edition, pages 317-324 (1986)
【非特許文献3】Mezei & Gulasekharam, Journal of Pharmaceutics and Pharmacology, Vol.34 (1982), pp.473-474
【非特許文献4】Mezei, M., "Liposomes as a Skin Drug Delivery System", Topics in Pharmaceutical Sciences (D.D.Breimer and P.Speiser, eds.), Elsevier Science Publishers B.V., New York, N.Y., 1985, pp.345-358
【特許文献2】米国特許第6,068,834号
【非特許文献5】Cosmetics, Science and Technology 2nd Edition (1972), Vol.1, Chapter VIII, pages 189 et seq
【特許文献3】米国特許第4,663,157号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
今回、本発明者らは、フラバノイド、ビタミンC、ビタミンE、およびナイアシンの組合せが、相乗的に黒色メラニン産生を減少させ、肌色メラニン産生を増大させることを見出した。
【0004】
したがって、本発明は、フラバノイド、ビタミンC、ビタミンE、およびナイアシンを含む組成物を提供する。好ましくは、フラバノイドは、マツ樹皮抽出物の形である。
【0005】
ビタミンAが含まれていたとき、さらなる黒色メラニン産生の減少および肌色メラニン産生の増大が起こった。したがって、好ましい実施形態では、この組成物はさらに、ビタミンAを含む。
【0006】
ビタミンB12およびシステインが組成物に含まれていたとき、さらに黒色メラニン産生の大きな減少および肌色メラニン産生の増大が起こった。したがって、別の好ましい実施形態では、この組成物はさらに、ビタミンB12および/またはシステインを含む。
【0007】
この組成物を、局所および/または全身投与用に配合することができる。例えば、この組成物を、固体剤形として、または局所用組成物として配合してもよい。
【0008】
本発明はまた、哺乳動物に本発明の組成物を投与することを含む、前記哺乳動物の皮膚中のメラニン産生を抑制する方法を提供する。
【0009】
関連する態様では、本発明はさらに、哺乳動物の皮膚中のメラニン産生を抑制するのに使用される本発明の組成物を提供する。
【0010】
本発明はさらに、哺乳動物に本発明の組成物を投与することを含む、前記哺乳動物の皮膚における黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を増加させる方法を提供する。
【0011】
本発明はまた、哺乳動物の皮膚における黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を増加させるのに使用される本発明の組成物を提供する。
【0012】
別の態様では、本発明は、メラニンの産生を抑制し、かつ/または哺乳動物の皮膚における黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を増大させる組成物の製造における本発明の組成物を提供する。
【0013】
本発明はまた、個体に本発明の組成物を投与することを含む、前記個体の皮膚においてメラノサイトからケラチノサイトへのメラニンの移送を抑制する方法を提供する。
【0014】
本発明はさらに、哺乳動物に本発明の組成物を投与することを含む、前記哺乳動物の皮膚の光保護領域において、黒色メラニンの産生を抑制するなど、メラニンの産生を抑制する方法を提供する。一実施形態では、この組成物は、局所用形状であり、前記光保護領域に投与される。
【0015】
関連する態様では、本発明はさらに、哺乳動物に本発明の組成物を投与することを含む、前記哺乳動物の皮膚の光保護領域において黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を増加させる方法を提供する。一実施形態では、この組成物は、局所用形状であり、前記光保護領域に投与される。
[発明の詳細な説明]
【0016】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0017】
組成物および製品形態
フラバノイドは、ポリフェノールの化合物であり、自然界に広く見られる。いくつかのクラスのフラバノイド、すなわち、フラバノール、フラボノール、フラボン、イソフラボン、フラバノン、プロアントシアニジン、アントシアニジン、およびヒドロキシスチルベンが存在する。こうした化合物の多くは、特にO-グリコシドとしてグリコシル化された形で存在する。一般には、グリコシル化された形は、アグリコンよりも好ましい。
【0018】
フラボノールとしては、クエルセチン、ケンフェロール、およびミリセチンが挙げられる。フラバノールとしては、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、ならびに没食子酸とそれらのエステル、すなわち、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、およびエピガロカテキンガレート(EGCg)が挙げられる。フラバノンとしては、ナリンゲニン、ヘスペレチン、およびサクラネチンが挙げられる。フラボンとしては、ルテオリンおよびアピゲニンが挙げられる。イソフラボンとしては、ダイゼインおよびゲニステインが挙げられる。ヒドロキシスチルベンとしては、リスベラトロールおよびオキシリスベラトロールが挙げられる。
【0019】
これら化合物を、化学的に合成しても植物材料から得てもよい。
【0020】
植物抽出物は、完全な状態の植物材料に存在する様々な成分が、この抽出物中に様々な量で存在し、またはほとんど存在しない点で、完全な状態の植物材料とは異なる。抽出する前に、植物材料を乾燥させても、かつ/または機械的に処理、例えば粉砕してもよい。
【0021】
植物材料の抽出物は、一般に溶媒抽出によって生成される。溶媒としては、極性および非極性の有機溶媒、水、ならびにそれらの混合物が挙げられる。好ましい溶媒は、水、エタノール、およびそれらの混合物である。抽出手順に加熱ステップを含めることができる。溶媒抽出された諸成分を、さらにクロマトグラフィーや分別蒸留などの精製/分離ステップにかけることができる。本明細書では、「分画」は、例えばクロマトグラフィーまたは分別蒸留によって得られる、上述の有効成分の1種または複数を含む溶媒の任意の分画部分を意味する。
【0022】
上述の様々なポリフェノール化合物の適切な植物源としては、ブドウ(特に皮および種子)、クランベリー、ブラックカラント、ブラックベリー、柑橘類などの新鮮な果物、およびタマネギ、ケール、ブロッコリ、サヤインゲンなどの野菜が挙げられる。
【0023】
水性溶媒へのフラボノールの溶解性は、1種または複数のアントシアニジンを共溶解させることによって増大させることができる(米国特許第6,569,446号を参照)。
【0024】
好ましい実施形態では、この組成物は、プロアントシアニジンとアントシアニジンの混合物を含む。好ましくは、このプロアントシアニジンとアントシアニジンの混合物は、マツ樹皮の抽出物、より好ましくはフランスカイガンショウ(Pinus pinatus)の樹皮の抽出物として提供される。こうした抽出物の1つは、Pycnogenol(登録商標)として市販されている。
【0025】
別の好ましい実施形態では、この組成物は、1種または複数のフラボノールを含む。好ましくは、この組成物は、ミリセチンおよび/またはケルセチン、より好ましくはケルセチンを含む。
【0026】
別の好ましい実施形態では、この組成物は、1種または複数のフラバノンを含む。好ましくは、この組成物は、ナリンゲニン、ヘスペリチン、および/またはサクラネチン、より好ましくはヘスペリチンを含む。
【0027】
その他の化合物および/またはそれらを含む植物抽出物を試験して、例えば実施例に記載のアッセイ法を使用してそれらが適切な活性を有することを確認することができる。
【0028】
本発明の組成物は、2種以上のフラバノイドの混合物を含むことができる。一実施形態では、様々なフラバノイドが、様々な植物抽出物として提供される。
【0029】
好ましくは、マツ樹皮抽出物は、フランスカイガンショウの樹皮の抽出物である。こうした好ましい抽出物の1つは、Pycnogenol(登録商標)として市販されている。
【0030】
本発明の組成物中のフラバノイドの好ましい量は、少なくとも10mgまたは20mgである。
【0031】
本明細書では、「ビタミンA」としては、レチノール、およびレタノイド(retanoid)と呼ばれる化学的に類似した他の化合物が挙げられる。それにはまた、身体が必要としたときにレチノールに変換されるβカロテンやその他のカロテノイド(プロビタミン)などの前駆体も挙げられる。
【0032】
本発明の組成物中のビタミンAの好ましい量は、少なくとも0.1mgまたは0.2mgである。
【0033】
本明細書では、「ビタミンC」は、アスコルビン酸、またはその有機塩もしくは無機(例えばナトリウム)塩を意味する。その酸の1種または複数とその塩との混合物も含まれる。
【0034】
本発明の組成物中のビタミンCの好ましい量は、少なくとも100mgまたは200mgである。
【0035】
本明細書では、「ビタミンE」としては、α-、β-、γ-、およびδ-トコフェロールがこれらの任意の異性体形またはこれらの任意の混合物(これらのいずれかの異性体形の混合物を含めて)として挙げられる。ビタミンEの誘導体は、油溶性でも水溶性でもよい。油溶性ビタミンE誘導体の例としては、ビタミンEのエステル誘導体、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、リノール酸/オレイン酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、およびトコフェロール(ビタミンEアルコール)が挙げられる。水溶性ビタミンE誘導体としては、ビタミンEリン酸ナトリウム(VEP)、トコフェリルリン酸ラウリルイミノジプロピオン酸、トコフェリルグルコシド、コハク酸トコフェリル、トコフェルソラン(コハク酸トコフェリルポリエチレングリコール1000)、トコフェレス(tocophereth)-5、10、12、18、および50(ポリエチレングリコール(PEG)トコフェリルエーテル)が挙げられる。PEGビタミンE誘導体では、数値の増加は、ビタミンEに結合するPEG分子の数の増加を表す。したがって、数が増えるにつれて、それは水溶性になり、トコフェレス-5は、最も低い水溶性を有し、トコフェレス-50は、最も高い水溶性を有する。本明細書で言及するビタミンEの誘導体は、α-トコフェロールの生体活性の少なくとも50%、例えばα-トコフェロールの酸化防止活性の少なくとも50%を有する。
【0036】
本発明の組成物中のビタミンEの好ましい量は、少なくとも100mgまたは200mgである。
【0037】
「ビタミンB12」または「コバラミン」という用語は、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、およびニトロコバラミンを意味する。この組成物がビタミンB12を含む場合、この組成物はまたビタミンAも含むことが好ましい。
【0038】
本発明の組成物中のビタミンB12の好ましい量は、少なくとも10μgまたは20μgである。
【0039】
「ナイアシン」は、ナイアシン活性を示す一群の化合物の一般名であり、ナイアシンアミドおよびニコチン酸が挙げられる。好ましくは、ナイアシンは、ナイアシンアミドとして提供される。
【0040】
本発明の組成物中のナイアシン、例えばナイアシンアミドの好ましい量は、少なくとも10mgまたは20mgである。
【0041】
本明細書では、「システイン」という用語には、それらの塩が含まれる。この組成物がシステインを含む場合、この組成物はまたビタミンAも含むことが好ましい。
【0042】
本発明の組成物中のシステイン、例えばL-システインの好ましい量は、少なくとも50mgまたは100mgである。
【0043】
本発明の組成物を、局所および/または全身投与用の形で提供することができる。例えば、すべての有効成分が全身投与されてもよく、あるいはすべての有効成分が局所投与されてもよく、あるいは有効成分の一部が全身投与され、その残りが局所投与されてもよい。フラバノイド成分は、2種以上の異なる抽出法による2種以上の異なる分画または生成物を含むことができる。これらはすべて全身投与されても、すべて局所投与されてもよく、あるいはそれぞれ局所送達形態と全身送達形態に分けてもよい。
【0044】
したがって、本発明による組成物の文脈において、本明細書で使用する「組成物」という用語は、すべての必須成分を含む一体組成物を指す。しかし、この用語はまた、組成物全体の個々の成分が、製品として一緒に供給される2種の異なる組成物形態に分けられている状態も包含している。例えば、製品は、この1種(複数種)の成分を全身送達するための1種の組成物形態、およびこの1種(複数種)の成分を局所送達するための1種の組成物形態を含むことができる。こうした組成物形態の組合せを含む製品の例は、スキンクリームおよび栄養補助錠剤である。
【0045】
局所用組成物
一実施形態では、本発明の組成物は、局所投与用に配合される、すなわち、この組成物は、局所用組成物の形である。したがって、本発明の組成物を局所的に、すなわち皮膚上にこの組成物を直接塗布または散布することによって、対象に投与することができる。
【0046】
こうした組成物は、上述の安全かつ有効な量の1種(複数種)の有効物質を、製薬上許容される局所用担体または希釈剤、すなわち皮膚科学上許容される担体または希釈剤と組み合わせることによって調製することができる。
【0047】
この組成物は、一般に、各有効成分を約0.01重量%〜約35重量%、好ましくは約0.1重量%〜約35重量%、より好ましくは、5重量%または10重量%〜約25重量%など、約1重量%〜約35重量%含む。この有効成分の総量は、一般に、約1重量%〜90重量%、より好ましくは少なくとも10重量%である。
【0048】
本発明に有用な局所用組成物は、多種多様な製品タイプにすることができる。これらには、ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、およびペーストが挙げられるが、それだけに限らない。こうした製品タイプは、溶液、乳剤、ゲル、および固体を含むがそれだけに限らないいくつかのタイプの搬送系を含むことができる。
【0049】
溶液として配合される本発明に有用な局所用組成物は、一般に、製薬上許容される水性溶媒または有機溶媒を含む。「製薬上許容される水性溶媒」および「製薬上許容される有機溶媒」という用語は、その中に1種(複数種)の有効物を分散または溶解させておくことができ、許容される安全特性(例えば刺激特性および感作特性)を有する溶媒を指す。適切な有機溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(200〜600)、ポリプロピレングリコール(425〜2025)、ポリビニルピロリジン、プロピレングリコール-14 ブチルエーテル、グリセロール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトールエステル、1,2,6-ヘキサントリオール、エタノール、イソプロパノール、ブタンジオール、およびそれらの混合物が挙げられる。こうした溶液は、各有効物を、好ましくは約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約20重量%、さらにより好ましくは約1重量%〜約10重量%含む。
【0050】
本発明に有用な局所用組成物をエアロゾルとして配合し、スプレー式で皮膚に施用する場合、溶液組成物中に噴射剤を添加する。
【0051】
これらの局所用組成物を、皮膚軟化剤、すなわち乾燥の予防または軽減ならびに皮膚の保護のために使用される材料を含む溶液として配合してもよい。適切な多種多様な皮膚軟化剤が知られており、本明細書で使用され得る(Sagarin, Cosmetics, Science and Technology 2nd Edition, Vol.1, pp.32-43 (1972)を参照)。こうした組成物は、好ましくは、局所用薬剤として許容される皮膚軟化剤を約2%〜約50%含む。
【0052】
担体が乳剤として配合される場合、乳化剤が、搬送系の好ましくは約1%〜約10%、より好ましくは約2%〜約5%を占める。こうした乳化剤は、非イオン性でもアニオン性でもカチオン性でもよい。適切な乳化剤は、例えば、McCutcheon's Detergents and Emulsifiers, North American Edition, pages 317-324 (1986)に開示されている。
【0053】
ローションやクリームなど、水中油型および油中水型の単一乳剤スキンケア製剤は、化粧品の技術分野で周知である。こうした乳剤は、有効物の浸透を安定化させ、増大させることができる。水中油中水型などの多相乳剤組成物を使用することもできる。一般に、こうした単一または多相乳剤は、必須成分として水、皮膚軟化剤、および乳化剤を含む。
【0054】
使用することができる別の乳剤搬送系は、ミクロエマルジョン搬送系である。こうした系は、スクアランを約9%〜約15%、シリコーン油を約25%〜約40%、脂肪アルコールを約8%〜約20%、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸(商品名Tweensで市販されている)またはその他の非イオン性物質を約15%〜約30%、水を約7%〜約20%含む。
【0055】
リポソーム製剤も使用することができる。こうした製剤は、諸有効物を安定化し、また十分に浸透しない有効物の送達を改善させることができる。こうした組成物を、Mezei & Gulasekharam, Journal of Pharmaceutics and Pharmacology, Vol.34 (1982), pp.473-474に記載される方法またはその変更形態に従って、最初に有効物をジパルミトイルホスファチジルコリンなどのリン脂質、コレステロール、および水と組み合わせることによって調製することができる。リポソームを形成するのに適した組成物の表皮脂質を、リン脂質の代わりに使用することができる。次いで、リポソーム調製物を上記の局所用搬送系の1種(例えばゲルまたは水中油型乳剤)に組み込んで、リポソーム製剤を生成する。局所施用されるリポソームのその他の組成物および化粧品/薬剤の使用は、Mezei, M., "Liposomes as a Skin Drug Delivery System", Topics in Pharmaceutical Sciences (D.D.Breimer and P.Speiser, eds.), Elsevier Science Publishers B.V., New York, N.Y., 1985, pp.345-358に記載されている。
【0056】
局所用組成物をゲルまたは化粧用スティックとして配合する場合、こうした組成物は、適切な量の増粘剤をクリームまたはローション配合物に添加することによって配合され得る。
【0057】
局所用組成物を、ファンデーションなどのメーキャップ製品として配合することもできる。ファンデーションは、適切な量の増粘剤、顔料、およびフレグランスを含む溶液またはローションをベースとするものである。
【0058】
様々な水溶性材料が、組成物中に存在することもできる。これらには、湿潤剤、タンパク質およびポリペプチド、ならびに保存剤が挙げられる。さらに、本明細書で有用な局所用組成物は、染料、乳白剤(例えば二酸化チタン)、顔料、香水など、従来の化粧品用補助剤を含むことができる。
【0059】
本発明に有用な局所用組成物はまた、安全かつ有効な量の浸透促進剤を含むことができる。好ましい量の浸透促進剤は、組成物の約1%〜約5%である。
【0060】
有用な浸透促進剤の例は、米国特許第6,068,834号に記載されている。その他の従来のスキンケア製品添加剤もこの組成物に含有させることができる。例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、加水分解物、プリムローズ油、ホホバ油、上皮成長因子、大豆サポニン、ムコ多糖、およびそれらの混合物を使用することができる。
【0061】
本発明の組成物中に1種または複数の日焼け止め剤を含めることが望ましい。従来の多種多様な日焼け止め剤は、例えばCosmetics, Science and Technology 2nd Edition (1972), Vol.1, Chapter VIII, pages 189 et seqに開示されている。また米国特許第6,068,834号も参照されたい。
【0062】
この日焼け止め剤は、1種(複数種)の有効物と適合しなければならない。この組成物は、日焼け止め剤を、好ましくは約1%〜約20%、より好ましくは約2%〜約10%含む。正確な量は、選択される日焼け止め剤および所望の日焼け止め効果指数(SPF)に応じて変わる。
【0063】
また、薬剤を本発明の組成物のいずれかに添加して、こうした組成物の皮膚への持続性を向上させること、具体的には、水による洗浄または拭取りに対するそれらの耐性を向上させることができる。この利点をもたらす好ましい薬剤は、エチレンとアクリル酸のコポリマーである。このコポリマーを含む組成物は、米国特許第4,663,157号に開示されている。
【0064】
本発明は、哺乳動物、一般にはヒトの皮膚中のメラニン産生を抑制する方法に関する。一実施形態では、こうした方法は、皮膚またはその領域に安全かつ有効な量の本発明の組成物を投与することを含む。有効剤の量および施用回数は、皮膚の初期状態および所望の最終結果に応じて変わる。一般に、こうした組成物は、皮膚を明らかに白くするのに十分な量および十分な期間投与されるべきである。
【0065】
毒性レベルより低い任意の用量が使用され得、したがって、ある種の剤形、特に局所用剤形では、「用量」は、所望の効果をもたらす任意の量であり、量は、施用回数および施用量のために最大有効量が的外れになるほど多くなりすぎる恐れがあることが企図される。
【0066】
局所用組成物中の安全かつ有効な量の有効物は、一般に1回の施用につき皮膚1cm2当たり約1μg〜約1mg、好ましくは1回の施用につき皮膚1cm2当たり約2μg〜約800μg、より好ましくは皮膚1cm2当たり約30μg〜約700μg、最も好ましくは皮膚1cm2当たり約75μg〜約250μg施用される。施用回数は、一般に1日に約4回〜1週間に約2回、より好ましくは1日に約3回〜1日おきに約1回、より好ましくは毎日少なくとも2回の範囲である。一般には、少なくとも1回の施用が夜に行われることが好ましい。
【0067】
全身用組成物
本発明の組成物を製薬上許容される担体または希釈剤と組み合わせて、医薬組成物を生成することができる。こうした組成物での使用に適する製薬上許容される希釈剤または担体は、製剤分野で周知である。本発明の組成物は、一般には、有効物を1〜25重量%など、各有効物を0.1〜35重量%、より好ましくは有効物を少なくとも5重量%または10重量%含む。
【0068】
この医薬組成物は、錠剤、硬ゼラチンカプセル、軟ゼラチンカプセル、原末、薬剤のマイクロカプセルなどの固体剤形からなることができる。交互に、水性溶液、非水性溶液、乳剤、懸濁液などの液状剤形からなっていてもよい。
【0069】
経口投与用の固体組成物は、本発明の好ましい組成物である。本発明の固体組成物は、好ましくは、錠剤形やカプセル形などの単位剤形で調製される。好適には、これらの錠剤は、崩壊剤、例えばトウモロコシ澱粉、および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムの存在下で、有効な組合せをリン酸カルシウムなどの不活性希釈剤と混合し、既知の方法で混合物を錠剤化することによって調製され得る。こうした錠剤は、所望により、周知の方法、例えば酢酸フタル酸セルロースを使用することによって腸溶コーティングが施され得る。同様に、追加の賦形剤を含むまたは含まない、場合によってはビーズの形の有効な組合せを含有するカプセル、例えば硬または軟ゼラチンカプセルは、従来の手段で調製され得、所望により、周知の方法で腸溶コーティングが施され得る。こうした錠剤を当業者に周知の方法で配合して、本発明の化合物の放出を制御することができる。
【0070】
本発明の薬剤組成物の制御放出形状としては、可溶性顆粒や溶融充填された高速放出カプセルなどの急速放出型製剤、例えば酢酸フタル酸セルロースの腸溶コーティングを備えた錠剤などの遅延放出型製剤、および特に徐放性型製剤が挙げられる。多数のタイプの徐放性型製剤が、当業者に知られている。一般には、この有効な組合せは、放出遅延コーティング、例えばセルロースエーテルとアクリレートのコポリマー内にカプセル封入されてもよく、あるいは例えばイオン交換樹脂ビーズなどの小粒子に結合されてもよい。あるいは、この有効な組合せを、親水性ゴム、例えばキサンタンガム;セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース;多糖などの放出遅延剤、ワックス、またはプラスチック材料を含むマトリクス中に組み込むことができる。
【0071】
この有効な組合せを、2種の有効成分が別個に保たれる固体剤形に配合することができる。例えば、この剤形は、有効な諸成分が異なる層に含まれている二層錠剤でもよい。この異なる層は、各薬剤に最適の放出プロフィルを提供するように配合され得る。
【0072】
液体充填組成物、例えば、粘性液体充填物、液状ペースト充填物、またはチキソトロピー液体充填物も、経口投与に適している。溶融充填組成物は、様々な放出速度を提供するように有効な組合せをある種の天然植物油脂肪酸のエステル、例えばGattefosseから市販されいてるGelucire(登録商標)rangeと混合することによって得ることができる。好適には、溶融充填カプセルは、全有効物を10〜80%、1種または複数のポリオールエステルおよび天然植物油脂肪酸のトリグリセリドを含む脂肪酸エステル賦形剤を20〜90%含む。
【0073】
好ましくは、経口用液体組成物は、希釈剤を1〜50重量%と共に各有効物を1〜5重量%含み、残りは滅菌水で生成されている。場合によっては、この組成物は、懸濁化剤、増粘剤、アルコールなどの共溶媒、および/または保存剤を含むことができる。適切な希釈剤としては、甘味剤、例えば、ソルビトール、キシリトール、またはショ糖が挙げられる。適切な懸濁化剤または増粘剤としては、セルロースガム、寒天、または天然ゴム、例えばキサンタンガムが挙げられる。当業者に周知のフレーバー剤またはその他の風味マスキング剤、例えば、サッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファムK、またはアスパルテームを添加することができる。
【0074】
非経口投与に適する本発明の組成物は、有効物とこうした投与のための既知の薬剤形との組合せ、例えば生理食塩水など適切な溶媒中の有効物の無菌懸濁液または無菌溶液によって調製され得る。
【0075】
投与の好ましい形態は、経口である。
【0076】
一般に、こうした組成物は、皮膚を明らかに白くするのに十分な量および十分な期間投与されるべきである。
【0077】
投与される化合物の量は、特に経口投与が使用される場合、薬剤組成物からの化合物の生体利用能に依存する。しかし、一般には、本発明の化合物は、体重1kg当たり約0.01mg〜約100mg、好ましくは体重1kg当たり約0.1〜約30mgの量で投与される。この薬剤組成物の量は、その配合物内の化合物のパーセントに依存しており、これは、1回の用量当たり必要な化合物の量、その安定性、放出特性、およびその他の製剤パラメータの関数となる。この用量が、一般に週に1回または2回から1日に1回または2回投与される。
【0078】
有効物の好ましい用量をそれぞれ別個に以下に示す。
フラバノイド、例えばピクノジェノール:少なくとも20mg/日または50mg/日
ビタミンC:少なくとも200mg/日または500mg/日
ビタミンE:少なくとも500mg/日
ビタミンA:少なくとも0.5mg/日または1mg/日
ナイアシン、例えばナイアシンアミド:少なくとも20mg/日または50mg/日
ビタミンB12:少なくとも20μg/日または50μg/日
L-システイン:少なくとも100mg/日または200mg/日
【0079】
当業者なら任意の特定の個人に対する最適な投与経路および用量を容易に決定できるので、記載される投与経路および用量は、単なる指標のためのものである。
【0080】
全身投与の別の手段は、食料品中に前述の組成物のいずれかを添加することを含み、したがって薬理学上許容される担体の使用を必ずしも必要としない。
【0081】
本明細書では、「食料品」という用語には、食料品自体と飲料が共に含まれる。適切な食料品自体としては、スプレッド、乳製品(ミルクおよびヨーグルトを含めて)、デザート、インスタント食品/スナック、朝食用シリアルおよびシリアルバー、調理済み食、パン、ならびにアイスクリーム、シャーベット、ソルベ、ヨーグルトアイスクリームなどの冷凍菓子が挙げられる。食料品としてはまた、ダイエット/栄養補助食品が挙げられる。適切な飲料としては、茶、茶の風味をつけた飲料、コーヒー、ソフトドリンク(例えば炭酸スカッシュなど)、およびフルーツジュースが挙げられる。
【0082】
これらの食料品は、一般に、本発明の有効成分が補充されており、したがってそれらは通常含むより多い量の1種(複数種)の有効成分を含んでいる。
【0083】
こうした有効成分を局所療法と全身療法の間で分けた場合、1日の最適な用量範囲の上限値および下限値は、適切な局所療法と全身療法の間での分割に従って釣り合わされる。
【0084】
使用
本発明の組成物は、哺乳動物、特にヒトの皮膚中のメラニン産生を調節するのに使用することができる。より具体的には、それらは、皮膚中の黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を、例えば皮膚中の黒色メラニン(ユーメラニン)の産生を抑制することによって、増大させるのに使用することができる。好ましくは、黒色メラニンの産生は、少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%または25%減少する。肌色メラニンの産生は、増加しても減少してもよく、あるいはほとんど変化しなくてもよい。好ましくは、肌色メラニンの産生は、少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%増加する。メラニン産生の変化を、例えば、実験の部で以下に説明するようにMelanoderm(登録商標)系を使用して決定することができる。
【0085】
好ましくは、黒色メラニンに対する肌色メラニンの比は、対照に対して少なくとも1.5倍増加される (対照と比べた肌色メラニンのパーセンテージを対照と比べた黒色メラニンのパーセンテージで割って測定する、例えば、肌色メラニンが対照の150%に増加し、黒色メラニンが対照の50%に減少した場合、比は対照に比べて3:1である)。より好ましくは、黒色メラニンに対する肌色メラニンの比は、少なくとも2倍増加される。したがって、本発明の組成物は、ヒトなどの哺乳動物において皮膚の色を明るくするのに使用することができる。両タイプのメラニンの産生を単純に抑制させるのではなく皮膚中の黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を増加させることの利点は、より良い肌の色がもたらされることである。
【0086】
一実施形態では、こうした組成物は、個体の皮膚の光保護/太陽保護領域において、黒色メラニン産生を抑制し、かつ/またはを黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を増加させるなど、皮膚の色を明るくするのに使用される。
【0087】
次に、本発明について以下の実施例を参照してさらに説明するが、それらは単なる例示であり限定するものではない。
【0088】
(実施例)
(実施例1)
これらの実施例では、黒色および肌色メラニンのレベルに影響を及ぼす様々な薬剤の単独および組合せでの能力の評価を、市販のMelanoderm(登録商標)系を使用して試験した。
【0089】
フラバノイド源は、マツ樹皮抽出物(ピクノジェノール)とし、Solgar社(Pycnogenol(登録商標)30mg)から得た。他の薬剤は、Sigma社から得られた。
【0090】
【表1】

【0091】
組合せ試験
1.ナイアシンアミド
2.ビタミンA
3.ビタミンB12
4.システイン
5.ピクノジェノール+ビタミンC+ビタミンE
6.ピクノジェノール+ビタミンC+ビタミンE+ナイアシンアミド
7.ピクノジェノール+ビタミンC+ビタミンE+ナイアシンアミド+ビタミンA
8.ピクノジェノール+ビタミンC+ビタミンE+ナイアシンアミド+ビタミンA+ビタミンB12+システイン
【0092】
Melanoderm(登録商標)に対する処理法
MelanoDerm(登録商標)MatTeks系は、正常ヒト由来表皮角化細胞(NHEK)およびメラニン細胞(NHM)からなり、それらを培養してヒト表皮の多層で高度に分化したモデルを形成した。この共培養内のNHMは、自発的メラニン形成を受け、色素沈着のレベルを変える組織をもたらす。この組織は、TPAやIBMXなどメラニン形成の人工刺激物質を含まない無血清培地を使用して生産される。培養物は、気液界面で細胞培養インサート上に増殖し、したがって薬剤の疑似局所施用を試験することが可能になる。培地中に薬剤を導入することにより全身施用をシュミレートする。したがって、このモデルは、皮膚色素沈着を調節するのに設計された薬剤を評価する有用なin vitro手段を提供する。
【0093】
分配時に、melanoderm(MatTek MEL-300-B)を、MatTek社のプロトコル通りの無菌技術を使用して、事前に加温した維持培地(EPI-100-MM-PRF)5mlが入っている6ウェルプレート中の金属製リング支持体上に配置した。インキュベートを37℃および4%CO2で一晩行い、melanodermを回復させ完全に平衡にさせた。こうした条件下にMEL-300組織を置くと、メラニンが形成され分化される。
【0094】
処理は、翌朝に始められた。試験する薬剤を適切な溶媒に溶解し、メラノサイト毒性に関して事前に評価した最終濃度で加温培地に添加した。培地を変えるごとに、使用済み培地を、melanodermから吸引し、毒性(乳酸脱水素酵素(Promega社))およびインターロイキン-1の放出(R&D Systems社)に関する試験のために保存し、melanodermの培地内であっても新たな用量の培地と試験薬剤に置き換えた。melanodermをインキュベーターに戻した。対照と試験薬剤の間に黒化の相対的な差が観察されるまで、この処理法を48時間ごとに繰り返した。
【0095】
黒化の差を観察するときに、微視的および巨視的な黒化を写真に記録した。melanodermの組織を採取するにはプラスチック支持体から組織を切り離すことが必要であり、それに続いて処置後と非処置時に存在するメラニンの定量を行った。
【0096】
Melanoderm組織からのメラニンの選択的可溶化
(1)アルカリ可溶性メラニン(肌色メラニン)の定量
melanodermサンプルをプラスチックホルダーから切り取り、組織の湿重量を測定した。組織を微量遠心管中でホモジナイズしたmelanodermサンプルに1M NaOH/8M尿素200μlを添加した。サンプルを室温で断続的に30分間回転混合すると可溶性メラニンが放出された。このサンプルを13,000rpmで10分間遠心分離機にかけ、可溶性メラニンを含む上澄液を新しい管に移した。
【0097】
クロロホルム200μlを添加し、次いで1分間激しく混合することによって、この上澄液からタンパク質を抽出した。13,000rpmで10分間遠心分離することによって相を分離させた。上澄液150μlをマイクロタイタープレート(二重)に添加し、OD340nMで確認した。
【0098】
(2)アルカリ不溶性メラニン(黒色メラニン)の定量
1M NaOHを、1分間ボルテックスした不溶性メラニンおよびサンプルを含む残ったペレットに添加した。次いで、サンプルを37℃のウォーターバスで毎日混合しながら96時間インキュベートして、不溶性メラニンを放出させた。このサンプルを、新しい管に入れたクロロホルム200μlおよび上澄液190μlと共に13,000rpmで10分間遠心分離機にかけた。この上澄液を再度遠心分離機にかけ、340nmでの吸収を分析するために150μlをマイクロタイタープレートに移した。
【0099】
絶対メラニン濃度の計算
絶対メラニンは、以下の予め決定しておいた肌色メラニンの標準曲線から計算される実際のメラニン量として算出される。
x=(y-0.003)/4.76423 (式中、xはメラニン濃度、yは340nmでの光学密度)
【0100】
黒色メラニンについては、曲線は、x=(y-0.00553)/3.70312である。
【0101】
結果
【0102】
【表2】

【0103】
ピクノジェノール+ビタミンC+ビタミンE+ナイアシンアミドの組合せによる処理は、ナイアシンアミド単独またはピクノジェノール+ビタミンC+ビタミンEの組合せよりも、melanodermによって産生されるメラニンの合計をかなり大きく減少させた。5成分組成物にするためにビタミンAを加えたとき、メラニン産生のさらなる抑制が見られた。この減少はさらに、ビタミンB12およびシステインを含めることで促進された。可溶性メラニンは、これら3つのケースすべてにおいて増加し、不溶性メラニンは、これら3つのケースすべてにおいて減少した。
【0104】
この結果は、フラバノイド(ピクノジェノール)、ビタミンC、ビタミンE、およびナイアシンアミドの組合せが、相乗的な方法で黒色メラニン産生を抑制し、すべてのケースで肌色メラニン産生を増大させることを示している。さらなる結果として、ビタミンAと組み合わせ、またビタミンB12およびシステインも含めた7成分の組合せで最も良い結果が得られることが分かった。
【0105】
(実施例2)
in vivo効果:ヒト臨床試験
試験目的
この試験には2つの主目的が存在する、すなわち、
経口栄養補助食品の色素沈着低下効果を調査すること、
経口栄養補助食品と局所用ライトニング製品の間の実現可能な相乗的スキンライトニング効果を調査すること。
【0106】
設計および方法
この研究は、平行な二重盲検の無作為化プラセボ対照探索試験とした。80人の被験者が選ばれ、最適以下の微量栄養素状態に基づく試験に参加した。彼らは、平行設計で同じ大きさの2つのグループに無作為に分けられ、有効成分を含むまたは含まないサプリメントを12週間投与された。介入期間中、対象らはまた、一方の腕に局所用製品を施用した。この局所用ライトニング製品は、市販のPonds Double Whiteとした。経口用スキンライトニングと局所用スキンライトニングの間の相乗効果を調べるとき、対象らは自己対照の役目を果たした。
【0107】
写真撮影、クロマメーター測定、専門家による評価、メグザメーター測定、有向(direcred)差、血液採取、および尿採取を、介入前(ベースライン、T1)、介入4週間後(T5)、介入8週間後(T9)、および再度介入後(T13)に行った。これらのときに自身が感じた変化に関する自己評価アンケートも完成させた。皮膚中のビタミン状態を評価するサンプリングおよび皮脂採取を、介入前(ベースライン、T1)、介入8週間後(T9)、および再度介入後(T13)に行った。水分補給機能およびバリア機能は、ベースライン(T1)で、介入8週間後(T9)、および介入後(T13)に測定した。弾力測定、レプリカ採取、および皮膚生検を、ベースライン(T1)および介入後(T13)に行った。
【0108】
対象らは、20〜50歳の健康な女性ボランティアであり、最適以下の微量栄養素状態にあり、BMIが18〜23kg/m2であり、非喫煙者とした。
【0109】
経口用製品
対象らにはカプセル(製品/プラセボ)を提供した。経口サプリメントの1回分の用量は、3個のカプセル、すなわち1個の脂溶性カプセルおよび2個の水溶性カプセルからなった。各人は、1日につき2回分の用量を摂取した。
【0110】
試験カプセルを投与されたこれらの対象は、以下のものを摂取した。
ピクノジェノール 100mg/日
ビタミンC 1000mg/日
ビタミンE 500mg/日
ビタミンA 1.5mg/日
ナイアシンアミド 100mg/日
ビタミンB12 100μg/日
L-システイン 500mg/日
【0111】
局所用製品
測定量の製品を、治療している腕の肩から手首に1日2回施用した。朝にPonds Day Essenceを施用し、夜(風呂またはシャワーの後)にPonds Night Essenceを施用した。
【0112】
主要臨床エンドポイントは、T13での上腕内側(IU)上の「太陽保護」部分のクロマメーターで測定された皮膚の明度とした。この比色法は、皮膚によって反射された光から白〜黒(L)、緑〜赤(a)、および黄〜青(b)のカラースペクトルを記録することによって、皮膚全体の明/暗を測定する。
【0113】
結果
68人の日本人女性対象らが試験を終えた。
クロマメーターで測定した場合に、これらのサプリメントは、プラセボに比べて上腕内側の皮膚の黒化を防いでいた。グループ間の差は、皮膚によって反射された白〜黒(L)、緑〜赤(a)、および黄〜青(b)のカラースペクトルを比べると統計的に有意であった(それぞれP=0.045、P=0.038、およびP=0.031)。
【0114】
これらのサプリメントは、プラセボに比べると目尻のしわの範囲を改善した。差は、統計的に有意であった(P=0.01)。
【0115】
サプリメントは、上腕内側の皮膚の黒化を、Ponds Double Whiteより少なくとも良いまたはより良く防止した。
【0116】
上記の個々のセクションで言及する本発明の様々な特徴および実施形態は、適切なように準用して他のセクションに適用する。その結果、あるセクションで明記された特徴を、適切なようにその他のセクションで明記された特徴と組み合わせることができる。
【0117】
上記の明細書中で言及したすべての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の上記方法および製品の様々な変更形態および変形形態が、当業者には明らかであろう。本発明を、特に好ましい実施形態に関して説明してきたが、特許請求の範囲に記載した本発明は、こうした特定の実施形態に必要以上に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、関連分野の当業者には明白である、本発明を実施するためのここに記載した形態の種々の改変は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラバノイド、ビタミンC、ビタミンE、およびナイアシンを含む組成物。
【請求項2】
ビタミンAをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ビタミンB12をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
システインをさらに含む、請求項2または請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記フラバノイドが、マツ樹皮抽出物の形で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、全身投与用に配合されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、局所投与用に配合されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物を有効量含有する固体剤形を含む、スキンライトニング製品。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物を有効量含む、局所用スキンライトニング製品。
【請求項10】
哺乳動物の皮膚中のメラニン産生を抑制する方法であって、前記ヒトに請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物を有効量投与することを含む方法。
【請求項11】
前記組成物が全身投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が局所投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
哺乳動物の皮膚中のメラニン産生を抑制するのに使用する、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
哺乳動物の皮膚中のメラニン産生を抑制するための組成物の製造における、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項15】
哺乳動物の皮膚中の黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を増加させる方法であって、ヒトに請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物を有効量投与することを含む方法。
【請求項16】
哺乳動物の皮膚中の黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を増加させるのに使用する、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
哺乳動物の皮膚中の黒色メラニンに対する肌色メラニンの比を増加させる組成物の製造における、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項18】
個体の皮膚においてメラノサイトからケラチノサイトへのメラニンの移送を抑制する方法であって、前記個体に請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物を有効量投与することを含む方法。

【公表番号】特表2007−530607(P2007−530607A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505416(P2007−505416)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002596
【国際公開番号】WO2005/094770
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】