説明

ビトロネクチンレセプターのピリミジン誘導体拮抗薬

本発明は、R1、R2、R3、R4およびRが明細書において定義される式(I)の化合物、これらの調製方法、これらのビトロネクチンレセプターに対して拮抗活性を有する薬物としての使用およびこれらを含む薬剤組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、ビトロネクチンレセプターの新規な拮抗薬誘導体、これらの調製方法、これらの薬物およびこれらを含有する薬剤組成物としての使用である。
【背景技術】
【0002】
本発明の対象は、R、R1、R2、R3およびR4がこれ以降に示される意味を有する一般式(I)のピリミジン誘導体、
【0003】
【化1】

【0004】
ならびにこれらの異性体およびこれらの混合物ならびにこれらの生理学的に許容できる塩である。式(I)の化合物は、薬剤的活性を有する化合物であり、それ故薬物として使用することができる。これらは、ビトロネクチンレセプターの拮抗薬および細胞粘着阻害剤であり、破骨細胞によって媒介される骨吸収を阻害する。それ故これらは、少なくとも一部が骨吸収の望ましくない増加によって起こる疾患、例えば骨粗鬆症の治療的および予防的治療に有用である。また本発明の対象は、式(I)化合物の調製方法、これらの特に薬物としての使用、およびこれらを含有する薬剤組成物である。
【0005】
骨は、絶えず骨吸収および骨形成を含む動的なプロセスに従う。これらのプロセスは、特定の細胞を経由して媒介される。骨形成は、骨芽細胞によるミネラル基質(mineral matrix)の堆積の結果であり、骨吸収は破骨細胞による骨基質の溶解の結果である。骨疾患の大部分は、骨形成と骨吸収の平衡の乱れによって起こる。骨粗鬆症は、この骨基質の乾性損失(dry loss)であると特徴付けられる。活性化された成熟破骨細胞は、タンパク質分解酵素の分泌を経由する骨基質への接着の後、骨を再吸収し、接着領域の内側のプロトンが骨表面の陥没または窪みを結果として生じさせ、これは破骨細胞が骨から引き離された時に表れる。
【0006】
研究により、骨上の破骨細胞の固定は、レセプターのインテグリンによって媒介されることが示されている。インテグリンは、レセプターのスーパーファミリーであり、細胞/細胞、より具体的には、特に血小板レセプターとしてのαIIbβ3(フィブリノゲン)およびビトロネクチンレセプターとしてのαVβ3を含む細胞/マトリックスの接着プロセスを媒介する。RGDユニットを含有するペプチドならびに抗αVβ3抗体は、象牙質の再吸収を阻害し、石灰化基質への破骨細胞の接着を防止する能力について知られている(Horton他、Exp.Cell.Res.(1991年)、195、368)。ヘビ毒から分離されたペプチドエキスタチンもRGDユニットを含有しており、骨への破骨細胞の接着阻害剤として記述されており、in vitroで培養された組織における骨吸収の強力な阻害剤であり(Sato他、J.Cell.Biol.、(1990年)、111、1713)、ラットのin vivoで培養された組織における骨吸収の強力な阻害剤である(Fisher他、Endocrinology (1993年)、132、1411)。
【0007】
αVβ3レセプターは、膜貫通型糖タンパク質であり、内皮細胞、平滑筋細胞、破骨細胞およびガン細胞を含む多数の細胞において発現し、それ故に本発明による式(I)の化合物の多能性をもたらす。
【0008】
事実、破骨細胞の細胞膜に発現したαVβ3レセプターは、接着/再吸収プロセスの基礎であり、細胞骨格の構成に貢献し、骨粗鬆症に関わる。大動脈の平滑筋細胞中に発現するαVβ3レセプターは、これらの新生内膜(neointima)に向かっての移動を刺激し、動脈硬化の形成と血管形成後(post−angio−plastic)再狭窄の発症をもたらす(Brown他、cardiovascular Res.(1994年)、28、1815)。内皮細胞は、内皮のマイトジェンである成長因子を分泌し、新しい血管の形成(血管新生;Angiogenesis)に貢献できる。
【0009】
したがって、αVβ3インテグリンの拮抗薬は、血管原性血管のアポトーシスを誘導することによって、ガン性腫瘍の退行をもたらすことができる(Brook他、Cell(1994年)79、1157)。
【0010】
Cheresh他(Science 1995年、270、1500)は、特に糖尿病における網膜症の治療に使用することのできる性質の、ラットの目におけるbFGFによって誘導される血管形成プロセスを阻害する抗αVβ3抗体またはαVβ3レセプターの拮抗薬について記述している。
【0011】
特許出願国際公開第94/12181号明細書は、芳香族または非芳香族置換系について記述しており、国際公開第94/08577号明細書は、フィブリノゲンレセプターの拮抗薬および血小板凝集阻害剤として、置換された複素環、について記述している。欧州特許出願公開第528586号明細書および528587号明細書は、アミノアルキルまたは複素環によって置換されたフェニルアラニン誘導体について記述しており、国際公開第95/32710号明細書は、破骨細胞による骨吸収の阻害剤としてのアリール誘導体について記述している。国際公開第96/00574号明細書はベンゾジアゼピンを、国際公開第96/00730号明細書は、フィブリノゲンレセプターを阻害する化合物、特に5個の窒素メンバーで環に結合しているビトロネクチンレセプターの拮抗薬としてのベンゾジアゼピンについて記述している。国際公開第9800395号、第99/32457号および第99/37621号明細書は、ビトロネクチンレセプターのチロシン誘導体拮抗薬について記述している。欧州特許第0820991号明細書は、ビトロネクチンレセプターの拮抗薬としてシクロアルキル誘導体を主張している。
【非特許文献1】Horton他、Exp.Cell.Res.(1991年)、195、368
【非特許文献2】Sato他、J.Cell.Biol.(1990年)、111、1713
【非特許文献3】Fisher他、Endocrinology (1993年)、132、1411
【非特許文献4】Brown他cardiovascular Res.(1994年)、28、1815
【非特許文献5】Brook他、Cell(1994年)79、1157
【非特許文献6】Cheresh他(Science 1995年、270、1500)
【特許文献1】国際公開第94/12181号
【特許文献2】国際公開第94/08577号
【特許文献3】欧州特許出願公開第528586号
【特許文献4】欧州特許出願公開第528587号
【特許文献5】国際公開第95/32710号
【特許文献6】国際公開第96/00574号
【特許文献7】国際公開第96/00730号
【特許文献8】国際公開第98/00395号
【特許文献9】国際公開第99/32457号
【特許文献10】国際公開第99/37621号、
【特許文献11】欧州特許第0820991号
【非特許文献7】Fleicher他、Advanced Drug Delivery Review 19 (1996年) 115〜130頁
【非特許文献8】Design of prodrugs、H.Bundgaard、Ed.Elsevier、1985年
【非特許文献9】H.Bungaard、Drugs of the Future 16 (1991年) 443
【非特許文献10】Saulnier他Bioorg.Med.Chem.Lett.4 (1994) 1985
【非特許文献11】Safadi他、Pharmaceutical Res.10 (1993年) 1350
【非特許文献12】Greene、Wuts protective Group in Organic Synthesis、Wiley (1991年)
【非特許文献13】Dermot Cox DN§P 8(4) 1995年5月、197−205頁
【非特許文献14】Targeted Drug Delivery、R.C.Juliano,Handbook of Experimental Pharmacology、第100巻、Ed.Born,G.V.R.他、Springer Verlag
【非特許文献15】J.Org.Chem.2004年、69、1959−1966頁
【非特許文献16】J.Med.Chem.(2001), 44 (8),1158−1176
【非特許文献17】J.Org.Chem.;29;1964;2898−2903頁
【非特許文献18】Liebigs Annalender Chemie (1972) 76673−88頁
【特許文献12】国際公開第2004048375号
【非特許文献19】Pytella他Methods Enzymol.(1987) 144「Dillution in incubation buffer,adapted according to the batch of receptor and according to the ligand」
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
他の調査によって、式(I)のアシルグアニジン誘導体が、ビトロネクチンレセプター、および破骨細胞を媒介とする骨吸収の拮抗薬として際立った活性を示すことが明らかとされ得た。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の対象は、式(I)の化合物であり:
【0014】
【化2】

【0015】
純粋な状態にあるこれらの異性体、またはこれら形態の混合物、ならびにこれらの生理学的に許容できる付加塩において、式中、
I)
− Rは、X−alk−Het基を表し、
ここで、Xは酸素もしくは硫黄原子または−NR'−基であり、R'は水素原子または1個から4個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基であり、
alkは1個から4個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、
Hetは単環式または多環式系を表し、各環は4員から10員の芳香族または非芳香族基で構成され、窒素、酸素または硫黄から選択される1個から4個のヘテロ原子を含むことができ、それ自体が以下に定義される1つまたは複数のR0基によって置換されていることができ、または
次式の基を表し、
【0016】
【化3】

【0017】
ここで、Gは、5から10員の芳香族または非芳香族、単環式または多環式ヘテロシクリル基を表し、ここで前記環の少なくとも1つが1個から4個の窒素原子を含み、前記ヘテロシクリル基それ自体が(C1〜C8)アルキルアミノ基によって場合によっては置換されていることができ、直鎖または分枝鎖のそのアルキル部分は、フェニル、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個から4個のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロシクリル基によって置換されていることができ、nは1または2を表し、または
次式の基を表し、
【0018】
【化4】

【0019】
ここで、Gは、1個から4個の窒素原子を含む5員または6員の芳香族単環式ヘテロシクリル基を表し、アルキル(C1〜C6)アミノ基で置換されており、そのアルキル基は、それ自体が、フェニル、または窒素、酸素または硫黄から選択されるヘテロ原子を含む5員または6員の芳香族単環式ヘテロシクリル基で置換されていることができ;
− R1は、水素原子;(C5〜C14)−アリール;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−基;1〜4個の炭素原子を含むアルキル基および/またはアシル基による非置換、一置換または二置換のアミノ基を表し、
− R2は、水素原子;ハロゲン原子;ニトロ基;1個から4個の炭素原子を含むアルキル基;1個から4個の炭素原子を含むアルキル基および/またはアシル基による非置換、一置換または二置換のアミノ基;−(CH2)0〜2−CO2R5基;または−(CH2)0〜2−OR5基を表し、
− R3は、水素原子;−CO2R5基;−SO2R5基;または、単環式もしくは多環式系を表し、各環は4員から10員の芳香族または非芳香族基で構成され、N、OまたはSから選択される1個から4個のヘテロ原子を含む前記環または前記環の少なくとも1つが、1つまたは複数のR0基によって置換されているか、または非置換であり、
− R4は、OH;(C1〜C8)−アルコキシ−;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキルオキシ;(C5〜C14)−アリールオキシ−;(C3〜C12)−シクロアルキルオキシ;(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C4)−アルキルオキシ−;(C1〜C8)−アルキルカルボニルオキシ−(C1〜C4)−アルキルオキシ−;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキルカルボニルオキシ−(C1〜C4)アルキルオキシ−;(C1〜C8)ジアルキルアミノカルボニルメチルオキシ−;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−ジアルキルアミノカルボニルメチルオキシ−;(C1〜C4)−アルキルおよび/または(C5〜C14)−アリールおよび/または(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−基および/または(C1〜C5)−アシル基によって非置換または一置換または二置換されたアミノ基;あるいはDまたはLアミノ酸の残部を表し、
− R5は、(C1〜C8)−アルキル;(C5〜C14)−アリール;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−;(C3〜C12)−シクロアルキルまたは(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−、ビシクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−、トリシクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−を表し、前記アリール、アルキル、シクロアルキル、ビシクロアルキルおよびトリシクロアルキル基は、1つまたは複数のR0基によって非置換であるか、または置換されており、
− R0は、ハロゲン;アミノ;ニトロ;ヒドロキシル、(C1〜C4)−アルキルオキシ−;(C1〜C4)−アルキルチオ−;(C1〜C4)−アルキルスルホニル−;カルボキシ;(C1〜C4)−アルキルオキシカルボニル−;1個または複数のハロゲン原子によって非置換であるか、または置換されている(C1〜C8)−アルキル、(C5〜C14)−アリール、(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−;(C5〜C14)−アリール−(C1−C4)−アルキルオキシ−;(C5〜C14)−ヘテロシクリルを表し;
または、
II)
− Rは次式の基を表し、
【0020】
【化5】

【0021】
ここで、Gは、以下の基
Het−NH−CO−、
Het−NH−CH2−、
Het−から選択され、
Hetは、単環式もしくは多環式系を表し、各環は4員から10員の芳香族または非芳香族基から構成され、前記環あるいは前記環の少なくとも1つが1個から4個の窒素原子を含んでおり、それ自体が1つまたは複数のR0基によって置換されているか、または非置換であり:
− R1は、直鎖または分枝鎖中に1個から4個の炭素原子を含んでいるアルキル基;3個から6個の炭素原子を含んでいるシクロアルキル基;または、そのアルキル部分が、直鎖もしくは分枝鎖中に1個から4個の炭素原子を含むアルキルオキシまたはアルキルチオ基を表し;
− R2、R3、R4およびR5は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R0は、I)においてすでに定義された通りであり;
または、
III)
− Rは、II)においてすでに定義された通りであり;
− R1、R3、R4およびR5は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R2は、ヒドロキシメチル基、ホルミル基または二置換アミノ基を表し、その置換基がそれらが結合している窒素原子と一緒になって4員から6員の飽和または不飽和の複素環を形成しており;
− R0は、I)においてすでに定義された通りであり;
または、
IV)
− Rは、II)においてすでに定義された通りであり;
− R1、R2、およびR4は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R3は、直鎖または分枝鎖(C1〜C4)アルキルまたは(C2〜C4)アルケニル基を表し、4員から10員のアリールまたは単環式もしくは多環式ヘテロシクリル基によって場合によっては置換されていてもよく、これら自体が、ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキルオキシ、アミノ、(C1〜C4)アルキルアミノ、(C1〜C4)−ジアルキルアミノ、フェニル、シアノフェニル、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個から4個のヘテロ原子を含む単環式ヘテロシクリルから選択される1つまたは複数の基によって置換されていることができ、
−COR'5基を表し、
−CO2R5基を表し、ここで、
R5は、(C1〜C8)−アルキル;(C5〜C14)−アリール;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−;(C3〜C12)−シクロアルキルまたは(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−、ビシクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−、トリシクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−を表し、前記アリール、アルキル、シクロアルキル、ビシクロアルキルおよびトリシクロアルキル基が、(C1〜C4)−アルキルスルホニル−;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキルオキシ−または(C5〜C14)−ヘテロシクリルから選択される1つまたは複数のR0基によって非置換であるか、または置換されており、
−SO2R"5基を表し、
R'5は、R5に関して定義された基によってまたは(C5〜C14)アリールオキシ基によって置換された(C1〜C8)−アルキルを表し、前記アリールまたはシクロアルキル基自体が1つまたは複数のR0基によって置換されていることができ、または
R'5はシクロアルキル、アリールまたは単環式もしくは多環式ヘテロシクリル基を表し、トリフルオロメチルアルキルオキシまたは(C1〜C10)−アリール基によって場合によっては置換されていてもよく、または、
R'5は、(C1〜C4)アルキルアミノ;(C3〜C8)シクロアルキルアミノ;アリールアミノまたはヘテロシクリルアミノを表し、そのアリールまたはヘテロシクリル部分は単環式もしくは多環式であり、これらR'5基自体がハロゲン原子、ニトロ、アミノ、(C1〜C4)アルキルオキシ、(C1〜C4)アルキルオキシカルボニル、アリールまたはアリールアルキル基によって置換されていることができ、そのアルキル部分は、直鎖または分枝鎖中に1〜4個の炭素原子を含んでおり、
R"5は、(C1〜C4)アルキルアミノまたはジ(C1〜C4)アルキルアミノ基を表し、そのアルキル部分はそれらが結合している窒素原子と一緒になって5〜7員の複素環を形成することができ、アリールアミノ、アラルキル(C1〜C4)アミノまたはヘテロアラルキル(C1〜C4)アミノ基を表し、前記アリールまたはヘテロアリール基は5〜10員の単環式あるいは多環式であり、前記ヘテロアリール基は窒素、酸素または硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含むことができ、
− R0は、I)においてすでに定義された通りであり;
または、
V)
− R、R2、R3およびR4は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R1は、II)においてすでに定義された通りであり;
または、
VI)
− R、R1、R3およびR4は、II)においてすでに定義された通りであり;
− R2は、III)においてすでに定義された通りであり;
または、
VII)
− R、R1およびR2は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R3は、IV)においてすでに定義された通りであり;
または、
VIII)
− R、R1およびR2は、II)においてすでに定義された通りであり;
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R3はIV)においてすでに定義された通りであり;
または、
IX)
− RおよびR3は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R1は、II)においてすでに定義された通りであり;
− R2は、III)においてすでに定義された通りであり;
または、
X)
− RおよびR2は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R1は、II)においてすでに定義された通りであり;
− R3は、IV)においてすでに定義された通りであり;
または、
XI)
− RおよびR1は、II)においてすでに定義された通りであり;
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R2は、III)においてすでに定義された通りであり;
− R3は、IV)においてすでに定義された通りであり;
または、
XII)
− RおよびR4は、I)においてすでに定義された通りであり;
− R1は、II)においてすでに定義された通りであり;
− R2は、III)においてすでに定義された通りであり;
− R3は、IV)においてすでに定義された通りであり;
上記の基が、同時に以下の意味を有することができないという条件付きである:
− Rは、(Ib)基を表し、ここで、Gは、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−7−イルであり、
− R1は、メチルを表し、
− R2は、メチルを表し、
− R3は、ベンジルオキシカルボニルを表し、
− R4は、OHまたはt.ブトキシを表す。
【0022】
例えば、基R0などのように、式(I)の化合物において何回も見られる全ての基は、お互いに独立しており、同一であっても異なっていてもよい。
【0023】
アルキル基またはアルキルの部分は、直鎖にも分枝鎖にもできることを理解されたい。
【0024】
シクロアルキル基は、単環式、二環式または三環式とすることができる。例として、単環式基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、シクロテトラデシルまたはシクロオクタデシルから選択することができ、これらは適当な場合には、例えば直鎖または分枝鎖中に1〜4個の炭素原子を含んでいるアルキルによって置換することもできる。置換された単環式シクロアルキル基としては、特に、4−メチルシクロヘキシルおよび2,3−ジメチルシクロヘキシルを挙げることができる。
【0025】
ビシクロアルキルおよびトリシクロアルキルは、いかなる位置においても、例えば1つまたは複数のオキソ基および/または例えば1つまたは複数の、例えば、メチル、エチルまたはイソプロピル、好ましくはメチルの、同一あるいは異なるアルキル基によって非置換または置換とすることができる。二環式または三環式基の接合部結合(junction bond)は、分子の全ての位置に位置付けすることができる。結合は、架橋炭素原子または他の炭素原子の1つのレベルで位置付けすることができる。この結合は、立体化学的、例えば外部または内部、の観点からもいかなる位置にもすることができる。ビシクロアルキルまたはトリシクロアルキル基の例として、カンファニル(camphanyl)、ボルニル、1−アダマンチルまたは2−アダマンチルなどのアダマンチル、カラニル、エピイソボルニル(epiisobornyl)、エピボルニル(epibornyl)、ノルボルニルまたはノルピナリル(norpinanyl)が挙げられる。
【0026】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0027】
(C5〜C14)−アリールという用語は、
− 環の1つまたは複数の炭素原子が、窒素、酸素または硫黄などのヘテロ原子で置換されている、複素環式(C5〜C14)−アリール(または(C5〜C14)−ヘテロアリール)基か、または
− 炭素環式(C6〜C14)−アリール基のいずれかを意味する。
【0028】
炭素環式(C6〜C14)−アリール基の中では、フェニル、ナフチル、アントリルまたはフルオレニル、とりわけ1−ナフチル、2−ナフチルおよびフェニルが挙げられる。
【0029】
別段の指示がない限り、アリール基、特にフェニルは、(C1〜C8)−アルキル、特に(C1〜C4)−アルキル、ヒドロキシル、(C1〜C8)−アルキルオキシ、(C1〜C8)−アルキルチオ、フッ素、塩素および臭素から選択されるハロゲン、ニトロ、アミノ、(C1〜C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1〜C4)−アルキルアミノ、トリフルオロメチル、メチレンジオキシ、シアノ、カルバモイル、(C1〜C4)−アルキルカルバモイル、ジ−(C1〜C4)−アルキルカルバモイル、カルボキシ、(C1〜C4)−アルコキシカルボニル、フェニル、フェノキシ、ベンジルおよびベンジルオキシから選択される1つまたは複数の、同一のまたは異なる基によって非置換であるか、または置換されていることができる。
【0030】
一置換のフェニル基の場合、置換基の位置は重要ではなく、3位または4位において置換されていることが好ましい。フェニルが二置換の場合、置換基の位置は重要ではない。2つの置換基が、3、4位にあることが好ましい。フェニルが三置換の場合、置換基の位置は重要ではない。同様に、ナフチル基または他のアリール基は、どの位置でも置換することができる。
【0031】
(C5〜C14)−アリール基が、単環式または多環式芳香族系を表し、環の1〜4個の炭素原子が、窒素、酸素および硫黄から選択される同一のまたは異なるヘテロ原子で置換されている場合、または意味するヘテロアリールが使用される場合、例として、ピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、フタラジニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、β−カルボリニル基、またはこれらの基のベンゾ縮合、シクロペンタ−、シクロヘキサ−、またはシクロヘプタ−縮合誘導体(例えば、テトラヒドロキノキル(tetrahydroquinokyl)またはテトラヒドロナフチリジニルなど)を挙げることができる。複素環式系は、以前にアリール炭素環系に関して述べた置換基によって置換することができる。
【0032】
別段の指示がない限り、ヘテロシクリル基は、単環式、または多環式の芳香族または非芳香族であり、限定はしないが、特にピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チエニル、フリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラニル、チオピラニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、イミダゾピリジル、ベンゾピリミジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾロピリジル、キノリル、イソキノリル、キナロジニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、ナフトオキサゾリル、ナフトチアゾリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニルピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、インドリニル、クロマニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロベンズイミダゾリル、テトラヒドロベンゾピリミジニル、テトラヒドロナフチリジニル、ジヒドロピロロピリジン、キヌクリジニルから選択することができる。
【0033】
式(I)の化合物に含まれる光学活性炭素原子は、お互いが独立してR配置またはS配置を有することができる。
【0034】
式(I)の化合物は、純粋な鏡像異性体もしくは純粋なジアステレオ異性体の形態、または鏡像異性体混合物の形態、例えばラセミ形態またはジアステレオ異性体の混合物とすることができる。
【0035】
したがって、本発明の対象は、純粋な鏡像異性体、これら鏡像異性体の混合物、純粋なジアステレオ異性体およびこれらジアステレオ異性体の混合物である。
【0036】
本発明は、式(I)の2種類以上の立体異性体の混合物、前記混合物内のこれら立体異性体の全ての比率を含む。
【0037】
適切な場合、式(I)の化合物は、E異性体またはZ異性体の形態で存在することができる。したがって、本発明の対象は、純粋なE異性体、純粋なZ異性体および任意の比率のE/Z混合物である。
【0038】
立体異性体ならびにEおよびZ異性体は、既知の方法、例えば、クロマトグラフィー、キラル相クロマトグラフィーまたは結晶化によって、純粋な形態へと分離することができる。
【0039】
式(I)の化合物の生理学的に許容できる塩は、特に薬剤的に使用可能または非毒性または生理学的に使用可能な塩である。
【0040】
式(I)の化合物が、カルボン酸などの酸性基を含んでいる場合、塩は、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩などのアルカリまたはアルカリ土類金属の塩、例えば、トリエチルアミン、エタノールアミンまたはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンなどの生理学的に許容できるアミン又はアンモニアとの付加塩、及び生理学的に許容できる4級アンモニウム塩として存在することができる。
【0041】
式(I)の化合物が、塩基性基を含んでいる場合、これらは酸、例えば、塩酸、硫酸、もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、メタンスルホン酸、もしくはp.トルエンスルホン酸などのカルボン酸と付加塩を形成することができる。
【0042】
酸性基と塩基性基とを含む式(I)の化合物は、両性イオン(ベタイン)の形態で存在することができ、これも本発明に含まれる。
【0043】
適切な場合、生理学的に許容できるアニオンQを、荷電したアンモニウム基を含む式(I)の化合物に含めることができる。これは、非毒性で、生理学的に許容できる有機または無機酸の一価アニオンまたは多価アニオン等価物であることが好ましく、特に薬剤として許容できる、例えば、付加塩の形成に役立つ上記の酸の1つのアニオンまたはアニオン等価物であることが好ましい。
【0044】
Qは、例えば、塩素、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩およびp.トルエンスルホン酸塩から選択される基のアニオン(またはアニオン等価物)の1つであることができる。
【0045】
式(I)の化合物塩は、例えば、式(I)の化合物を、適切な溶媒あるいは分散剤中の有機もしくは無機の酸または塩基と混合するか、あるいはカチオンまたはアニオン交換によって他の塩から得るなど、当業者に知られている通常の方法で得ることができる。
【0046】
本発明は、生理学的許容度が低いため薬物としては直接使用できないが、精製のための中間生成物として、または引き続いて式(I)の化合物レベルで化学修飾を実施するため、あるいは生理学的に許容できる塩を調製するための出発物質(starting product)として使用可能な、式(I)の化合物の全ての塩も含む。
【0047】
本発明は、例えば、水和物、アルコールと形成した溶媒和物など、式(I)の化合物の全ての溶媒和物、および例えば、エステル、プロドラッグおよび他の生理学的に許容できる誘導体など、式(I)の化合物の全ての誘導体、ならびに式(I)の化合物の代謝産物も同様に含む。
【0048】
式(I)の化合物のプロドラッグ、すなわち、所望の様式において改良した性質を得るために化学修飾した式(I)の化合物の誘導体は、当業者において周知である。
【0049】
本発明において想定されるプロドラッグの種類についてのより詳しい情報に関しては、以下の出版物を挙げることができる:Fleicher他、Advanced Drug Delivery Review 19 (1996年) 115〜130頁;Design of prodrugs、H.Bundgaard、Ed.、Elsevier、1985年;H.Bungaard、Drugs of the Future 16 (1991年) 443;Saulnier他、Bioorg.Med.Chem.Lett.4 (1994) 1985;Safadi他、Pharmaceutical Res.10 (1993年) 1350。式(I)の化合物の適切なプロドラグの中では以下が好ましい:
カルボキシル基のエステル形態のプロドラッグ;
アミノ基など、アシル化可能な窒素を含む基に関するアシルおよびカルバメート形態のプロドラッグ。
【0050】
アシル化したプロドラッグまたはカルバメートの形態では、1回または複数回、例えば2回、窒素原子上に位置している水素原子が、アシルまたはカルバメート基で置換されている。好ましいアシルまたはカルバメート基のうち、R6CO−、R7OCO−基を挙げることができ、ここで、R6は水素または(C1〜C18)−アルキル、(C3〜C14)−シクロアルキル、(C3〜C14)−シクロアルキル−(C1〜C8)−アルキル、(C5〜C14)−アリール基であり、1〜5個の炭素原子が、N、O、Sなどのヘテロ原子または(C5〜C14)−アリール−(C1〜C8)アルキルによって置換されていることができ、ここでアリール部分の1〜5個の炭素原子が、N、O、Sなどのヘテロ原子によって置換されていることができ、R7は、水素を表しているものを除き、R6と同じ価値を有している。
【0051】
本発明のより具体的な対象は、GがHet、Het−NHCO−、またはHet−NH−CH2−基を表す式(I)の化合物であって、ここで、Hetは次式を表す:
【0052】
【化6】

【0053】
本発明のより具体的な対象は、R3がベンジルオキシカルボニル基であるか、またはR3NH−がアミドまたは尿素官能基を形成する、上記で定義した式(I)の化合物ならびにこれらの薬剤として許容できる付加塩である。
【0054】
本発明のより具体的な対象は、R2が水素、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基(特にメチルおよびエチル)、ヒドロキシメチル基またはフッ素原子である、上記で定義した式(I)の化合物ならびにこれらの薬剤として許容できる付加塩である。
【0055】
本発明のより具体的な対象は、R1が、直鎖または分枝鎖中に1〜4個の炭素原子を含むアルキル基、または3〜6個の炭素原子を含むシクロアルキルである、上記で定義した式(I)の化合物である。
【0056】
本発明のより具体的な対象は、Gが次式を表す、上記で定義した式(I)の化合物ならびにこれらの薬剤として許容できる付加塩である。
【0057】
【化7】

【0058】
本発明の対象は、式(I)の化合物の調製方法でもある。化合物は、例えば、式(I)の化合物の逆合成によって誘導することのできる2個以上のフラグメントをカップリングすることによる収束合成によって一般的に調製することができる。合成の各段階中、望ましくない反応または二次反応を引き起こす官能基を避けるために、予め、式(I)の化合物の合成のある段階において、後に所望の官能基に転換される前躯体の形態の官能基を導入するか、またはこれら官能基を、分子の残りの部分は変化させずに保護基を導入し除去する周知の方法、特にGreene、Wuts protective Group in Organic Synthesis、Wiley (1991年)による方法に従って、暫定的に保護することが有利であるか必要な場合もある。
【0059】
本発明によれば、一般式(I)の生成物は以下の図式に従って調製することができる:
【0060】
【化8】

【0061】
式中、R1、R2、R3、R4およびRは、I)〜XII)においてすでに定義された通りであり、Halは、ハロゲン原子、好ましくは塩素または臭素を表す。
【0062】
本発明によれば、式(I)の生成物の調製方法は、以下より成る:
a)下記式(II)のピリミジン誘導体(式中、R1、R2、RおよびHalは、すでに定義された通りである)を、
【0063】
【化9】

【0064】
下記式(III)のアミン(式中、R3およびR4はすでに定義された通りである)に、
【0065】
【化10】

【0066】
強塩基の存在下で作用させるか、またはパラジウムを用いた触媒反応により作用させ、
b)次いで、R基が飽和されているか部分的に飽和されている生成物を得ることを望む場合には、一般式(I)の生成物に、適切な場合、水素化工程を施し、
c)次いで、適切な場合、R2がヒドロキシルメチルである一般式(I)のピリミジン誘導体を得ることを望む場合には、R2がホルミル基を表す対応する誘導体を還元し、
d)および/または、適切な場合、Gが置換アミノ基を有する(carrying)ヘテロシクリル基を表す場合には、第一級アミン官能基をヘテロシクリル基上に有する対応する生成物を置換し、
e)次いで、適切な場合、遊離アミンを再生(regenerate)し、−CO2−R5,−CO−R'5,−SO2−R5または−SO2−R"5構造または場合によっては置換したアルキルのR3基を縮合するために、一般式(I)の生成物のR3−NH−官能基を切断し、
f)および/または、場合によっては、得られたピリミジン誘導体を、加水分解および/またはエステル化またはアミド化および/または塩化する。
【0067】
式(II)のピリミジンの式(III)のアミンとの反応は、一般的にジイソプロピルエチルアミンなどのヒンダード強塩基(hindered strong base)の存在下、求核置換反応の実施において当業者に知られている反応条件下で実施される。操作は、アミド(例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド)の存在下、90℃と反応混合物の還流温度との間の温度行われることが好ましい。さらに、COR4基が、例えばtertブトキシカルボニルなどのヒンダードエステル基から選択されることが好ましい。これは、フッ化セシウムの存在下、反応混合物の還流温度において、パラジウム(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム)を用いた触媒反応によって操作することも可能である。反応に干渉し得る官能基が保護されていることを理解されたい。これら官能基の保護および解放は、分子の残りの部分を変えない通常の方法によって実施される。
【0068】
R基が飽和されているか部分的に飽和されている生成物を得ることを望む場合には、酸化白金の存在下、大気圧において、アルコール(例えば、エタノール、メタノール)などの溶媒中で水素化反応を実施する。
【0069】
R2がヒドロキシメチルである一般式(I)のピリミジン誘導体を得ることを望む場合には、R2がホルミル基を表す対応する誘導体の還元を、アルカリホウ化水素(水素化ホウ素ナトリウム)を使用し、アルコール(例えばエタノール、メタノール)などの溶媒中で、10〜40℃の間の温度、好ましくは周囲温度で実施するのが有利である。
【0070】
G(R中の)が置換アミノ基を有するヘテロシクリル基を表す一般式(I)のピリミジン誘導体を得ることを望む場合には、第一級アミン官能基をヘテロシクリル基に有する対応する生成物の置換が、還元媒体中、特に、例えばアルカリ金属トリアセトキシボロヒドリドなどのホウ化水素の存在下、対応するアルデヒドの作用によって実施される。反応は、塩素化溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン)などの有機溶媒中、10〜40℃の温度、好ましくは周囲温度で実施する。
【0071】
遊離アミン上の−CO2−R5、−CO−R'5、−SO2−R5または−SO2−R"5構造のR3基の縮合は、反応性誘導体またはカルボン酸もしくはスルホン酸の塩化物の作用によって、窒素含有塩基(例えばピリジンなど)の存在下、塩素化有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム)中で、10〜40℃の温度、好ましくは周囲温度で実施する。R'5が置換アミノ基である場合には、縮合は対応するイソシアネートを使用して、エーテルなどの有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中で、10〜40℃の温度、好ましくは周囲温度で実施する。
【0072】
場合によって置換されたアルキル構造のR3基の縮合は、対応するアルデヒドの作用によって、還元媒体中、特に、例えばアルカリ金属トリアセトキシボロヒドリドなどのホウ化水素の存在下で実施する。反応は、エーテルなどの有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中、10〜40℃の温度、好ましくは周囲温度で実施する。
【0073】
酸誘導体を得るための加水分解反応(COR4=CO2H)、エステルまたはプロドラッグを得るためのエステル化反応(特に、COR4=対応する酸からのアルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニル)またはアミド化反応(COR4=対応する酸からの一置換または二置換したアミノカルボニル)は、当業者に知られている通常の方法によって実施する。
【0074】
特に加水分解は、酸性媒体中、例えばトリフルオロ酢酸の存在下、例えばジクロロメタンなどのハロゲン化有機溶媒中で実施する。
【0075】
必要な場合には、生理学的に許容できる塩への転換を、当業者に知られている方法によって実施する。
【0076】
式(II)のピリミジン誘導体を、次式のジハロゲン化ピリミジン誘導体上で、Rがすでに定義された通りである式(IV)の生成物の作用によって調製することができる。
【0077】
【化11】

【0078】
式中、R1、R2およびHalは、すでに定義された通りである。
【0079】
反応は、反応混合物の還流温度において、ヒンダード強塩基の存在下、有利に実施される。操作は、以降の実施例で説明する条件下、特に、ジイソプロピルエチルアミンなどのヒンダードアミンの存在下で、例えばジメチルアセトアミドなどのアミド中で実施される。反応に干渉し得る官能基が保護されていることを理解されたい。これら官能基の保護および解放は、分子の残りの部分を変えない通常の方法によって実施する。
【0080】
一般式(V)のジハロゲン化ピリミジンの調製は、以降の実施例において説明する方法またはその類似の方法によって実施することができる。
【0081】
式(I)の化合物は、薬理活性を有する化合物であり、それ故薬物として、特に骨の疾患、腫瘍性疾患、ならびに心臓血管疾患の治療または予防に使用することができる。
【0082】
したがって、本発明の対象は、式(I)の化合物および/または薬物として生理学的に許容できるこれらの塩である。
【0083】
式(I)の化合物ならびにこれらの生理学的に許容できる塩およびこれらのプロドラッグは、動物、好ましくは哺乳動物、特に人間に、治療的または予防的薬物として投与することができる。
【0084】
これらは、そのままで、または式(I)の他の1つまたは複数の化合物との混合物として投与することができ、あるいは腸内または非経口的投与が可能で、式(I)および/またはその生理学的に許容できる塩の少なくとも1つの化合物の有効投与量を活性成分として含み、ならびに現在受け入れられており(current)、かつ薬剤的に不活性な担体(support)および/または添加物(additive)を含む、製剤(薬剤組成物)の形態で投与することもできる。
【0085】
本発明による薬剤組成物は、腸内または非経口的投与を可能にし、これらは、式(I)の化合物および/またはその生理学的に許容できる塩の少なくとも1つの化合物の有効投与量を活性成分として含み、ならびに1つまたは複数の薬剤的に不活性な担体および/または1つまたは複数の通常の添加物を含む。
【0086】
したがって、本発明の対象は、純粋な状態、または1つまたは複数の賦形剤の存在下、式(I)の化合物を含む薬剤組成物である。
【0087】
薬物は、例えばピル、錠剤、コート錠剤、フィルムコート(encased)錠剤、顆粒剤、ゼラチンカプセルおよびソフトカプセル、溶液、シロップ、エマルジョン、懸濁液またはエアロゾル混合物などの形態で、経口的に投与することができる。
【0088】
しかしながら、投与は、例えば座薬形態の直腸経路によって、例えば注射剤、点滴(infusion)、マイクロカプセルまたはインプラント形態の非経口経路によって、例えば軟膏、溶液、顔料または染料形態の経皮的(percutaneous)経路によって、例えば貼付剤形態の経皮的(transdermal)経路によって、またはエアロゾルスプレーもしくは鼻スプレー形態のその他の経路によっても実施することができる。
【0089】
本発明による製剤は、それ自体公知の方法によって調製され、薬剤的に不活性な有機または無機の担体を、式(I)の化合物および/またはこれらの生理学的に許容できる塩に加えることができる。
【0090】
ピル、錠剤、コート錠剤およびハードゼラチンカプセルの製造のために、例えば、乳糖、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などを使用することができる。ソフトゼラチンカプセルまたは座薬のための適切な担体は、例えば油脂、ワックス、半固体または液体のポリオール、天然または変性オイルなどである。溶液を調製するための適切なビヒクル、例えば注射剤、エマルジョンまたはシロップは、例えば水、アルコール、グリセロール、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース、植物油などである。マイクロカプセルまたはインプラントのための適切な担体は、例えばグリオキシル酸および乳酸コポリマーである。製剤は、通常0.5重量%から90重量%の式(I)の化合物および/またはこれらの生理学的に許容できる塩を含んでいる。
【0091】
製剤は、活性成分および担体に加えて、例えば希釈剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、保存料、甘味剤、着色剤、香料添加剤(flavoring agent)または着香剤(aromatizing agent)、増粘剤、緩衝剤、およびさらに溶剤または可溶化剤または遅延放出効果を得るための薬剤、およびさらに浸透圧調節のための塩類、コーティング剤または酸化防止剤などの添加物を含むことができる。
【0092】
製剤は、一般式(I)の化合物および/またはこれらの生理学的に許容できる塩の2種以上を含むことができる。さらに、一般式(I)の化合物および/またはこれらの生理学的に許容できる塩の少なくとも1つまたは複数に加えて、治療的および予防的用途に使用することのできる少なくとも1つまたは複数の活性成分を含むことができる。
【0093】
製剤(薬剤組成物)は、通常0.2から500mg、好ましくは1から200mgの式(I)の化合物および/またはこれらの生理学的に許容できる塩および/またはこれらのプロドラッグを含む。
【0094】
式(I)の化合物は、とりわけ、ビトロネクチンレセプターの拮抗薬であり、それ故、例えば破骨細胞が骨の表面に接着するのを阻害し、したがって破骨細胞による骨吸収を阻害することが可能である。
【0095】
式(I)の化合物の作用は、例えば、ビトロネクチンレセプターを含む細胞へのビトロネクチンの結合阻害を決定する試験によって証明することができる。この試験についてのさらなる情報を以下に示す。ビトロネクチンレセプターの拮抗薬として、式(I)の化合物およびこれらの生理学的に許容できる塩は、一般的に、細胞−細胞もしくは細胞−マトリックス相互作用プロセスまたはこの種類の相互作用の阻害によって影響されるプロセスにおける、ビトロネクチンレセプターおよびそのリガンドとの間の相互作用に関連する疾患の治療または予防に適しており、この種類の相互作用の阻害を所望する場合に、緩和または治療する。最初に説明したように、かかる相互作用は、骨吸収、血管形成または血管平滑筋細胞の増殖に重要な役割を果たしている。
【0096】
治療または予防に式(I)の化合物の使用を必要とする骨疾患は、特に、骨粗鬆症、高カルシウム血症、骨減少症、例えば骨転移に起因するもの、例えば歯組織炎(parodontitis)などの歯の疾患、副甲状腺機能亢進症、関節リウマチにおける関節周囲の侵食(erosion)、およびパジェット病である。さらに、式(I)の化合物は、グルココルチコイドによる治療、ステロイドまたはコルチコステロイドの摂取または男性もしくは女性ホルモンの欠損に関連する治療によって生じる骨疾患の緩和、予防または治療に使用することができる。
【0097】
これら疾患の全ては、骨の損失によって特徴付けられ、これは骨形成と骨破壊の間の平衡が失われることに起因しており、破骨細胞による骨吸収を阻害することによって好ましい影響が及ぼされ得る。この破骨細胞を仲介とする骨吸収の阻害剤としての使用に加えて、式(I)の化合物およびこれらの生理学的に許容できる塩は、腫瘍性増殖または癌転移阻害剤として、炎症性疾患の治療、例えば動脈硬化症または再狭窄などの心臓血管疾患の治療または予防、またはネフロパシーまたは例えば糖尿病性網膜剥離などの網膜症の治療または予防において使用される。
【0098】
本発明による化合物は、トリペプチドRGD配列を介してリガンドと相互作用する他のインテグリン(αVβ1、αVβ5、αIIbβ3)に関する活性も有しており、これらのレセプターに関連する病状を治療するのに使用することのできる薬理学的性質を与える。
【0099】
したがって、インテグリンに関するこの活性によって、式(I)の化合物が、上記で、または出版物Dermot Cox DN§P 8(4) 1995年5月、197−205頁(この内容は、参照により本明細書に援用される)で説明しているような数多くの疾病の予防または治療に使用できるようになる。
【0100】
したがって、本発明のより具体的な対象は、ビトロネクチンレセプターについて拮抗薬活性を有する薬物としての、上記で定義した式(I)の化合物および/またはこれの生理学的に許容できる塩である。
【0101】
したがって、本発明のより具体的な対象は、骨吸収について阻害活性を有する薬物として、または骨粗鬆症の予防もしくは治療のための薬物としての、上記で定義した式(I)の化合物および/またはこれの生理学的に許容できる塩および/またはこれらのプロドラッグである。
【0102】
したがって、本発明のより具体的な対象は、腫瘍性増殖または癌転移について阻害活性を有する薬物としての、上記で定義した式(I)の化合物および/または生理学的に許容できる塩である。
【0103】
したがって、本発明のより具体的な対象は、抗炎症活性を有する薬物として、または心臓血管疾患、再狭窄、動脈硬化、ネフロパシーもしくは網膜症の治療または予防のための薬物としての、上記で定義した式(I)の化合物および/またはこれの生理学的に許容できる塩である。
【0104】
本発明の対象はまた、骨粗鬆症の予防または治療を目的とした薬物の調製のための、上記で定義した式(I)の化合物および/またはこれの生理学的に許容できる塩の使用でもある。
【0105】
本発明の対象はまた、腫瘍性増殖または癌転移の阻害を目的とした薬物の調製のための、上記で定義した式(I)の化合物および/またはこれの生理学的に許容できる塩の使用でもある。
【0106】
本発明の対象はまた、心臓血管疾患、再狭窄、動脈硬化、ネフロパシーまたは網膜症の予防または治療を目的とした薬物の調製のための、上記で定義した式(I)の化合物および/またはこれの生理学的に許容できる塩の使用でもある。
【0107】
式(I)の化合物を使用する場合には、投与量は広い範囲内で変化させることができ、かつ治療する者に準拠して設定されなければならない。これは、例えば、使用する化合物、または治療する疾患の性質および重症度、状態が重篤か慢性的か、予防的治療を用いているかどうかなどに依存する。
【0108】
経口経路による投与の場合には、1日の投与量は一般的に0.01から100mg/kgの間で変化し、0.1〜50mg/kgであることが好ましい。
【0109】
静注経路による投与の場合には、1日の投与量はおよそ0.01から100mg/kgの間で変化し、0.1〜10mg/kgであることが好ましい。
【0110】
1日の投与量は、特に大量の活性成分を投与する場合、幾つかに分割、例えば2、3または4分割することができる。適切な場合には、個々の作用に応じて、投与量をさまざまに増加または減少させることが必要な場合もある。式(I)の化合物の薬物としての使用は別として、活性化合物を特異的にターゲットにデリバリーするために(ドラックターゲティング(Drug targeting)、Targeted Drug Delivery、R.C.Juliano,Handbook of Experimental Pharmacology、 第100巻、Ed.Born,G.V.R.他、Springer Verlagを参照されたい)、これら活性成分に対するビヒクルまたは担体としてのその使用を予想することは可能である。デリバリーされ得る活性成分は、特に上記の疾患の治療または予防のために使用される活性成分である。
【0111】
式(I)の化合物およびこれらの塩は、例えばin vitro法のための、またはビトロネクチンレセプターの遮断または細胞−細胞もしくは細胞−マトリックス相互作用に影響を及ぼすことが所望される生化学の研究における補助としての、診断用薬としても使用することができる。これらはさらに、他の化合物、特に、例えば修飾またはラジカルもしくは官能基の導入などによって、式(I)の化合物から到達できる(accessible)他の活性成分の調製のための中間体として使用することができる。
【0112】
(実施例)
生成物は、マススペクトル(MS)、赤外(IR)および/またはNMRスペクトルで同定した。化合物は、例えば酢酸またはトリフルオロ酢酸を含む溶離液を使用し、クロマトグラフィーにより精製し、次いで生成物を乾燥するか、または最後の合成段階の間に、例えばトリフルオロ酢酸を用いて、生成物を乾燥する方法に応じて溶離液または最終合成段階から発生する酸を時々含有するtert−ブチル保護基を除去した。したがって、化合物は部分的にまたは完全に、使用された酸の塩、例えば酢酸またはトリフルオロ酢酸塩の形態で見出される。それらはまた、多少水和されていることができる。
(場合によって使用される略語/化学名)
AcOEt:酢酸エチル、EDCI:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミドヒドロクロリド、DMF:ジメチルホルムアミド、DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、MeOH:メタノール、TEA:トリエチルアミン、TFA:トリフルオロ酢酸、THF:テトラヒドロフラン、MCPBA:メタ−クロロ過安息香酸、DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、PTSA:パラトルエンスルホン酸、DPPA:ジフェニルホスホリルアジド、DMSO:ジメチルスルホキシド、Pd/C:炭素担持パラジウム、Boc:tert−ブトキシカルボニル、CBz:ベンジルオキシカルボニル、DCC:1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、BrTMS:ブロモトリメチルシラン、TMSI:ヨウ化トリメチルシラン(trimethylsilane iodide)、
IR:赤外、NMR:核磁気共鳴、MS:マススペクトル、PES:ポジティブモードエレクトロスプレー、sh.:ショルダー、S:強、s:1つ、d:2つ、t:3つ、quad:4つ、quint:5つ、b:広範囲、m:多重(multiplet)、J:カップリング定数、Rf:保持因子(クロマトグラフィー)
【0113】
(実施例1)
(6−ブロモ−5−エチル−ピリミジン−4−イル)−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−プロピル]−アミンの合成
[J.Org.Chem.2004年、69、1959−1966頁に記載の方法に従って調製した]0.20g(1mmol)の3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イルプロピルアミンおよび20mlのジメチルアセトアミド中の0.30g(1.1mmol)の4,6−ジブロモ−5−エチル−ピリミジンおよび1mlのジイソプロピルエチルアミンの混合物を、120℃で6時間反応させる。反応混合物を、減圧(2kPa)下で蒸発乾固し、残留物を酢酸エチル、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下で蒸発によって除去する。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィーで処理し、100%ヘプタンから100%酢酸エチルまでの勾配を用いて溶離する。0.21gの予想された生成物を、黄色のオイル状態で得る。
【0114】
【化12】

【0115】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[5−エチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)プロピルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成
105mg(0.28mmol)の(6−ブロモ−5−エチル−ピリミジン−4−イル)−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−プロピル]−アミン、(J.Med.Chem.(2001),44 (8),1158−1176頁に従って調製した)150mg(0.5mmol)のtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネート、140mg(0.92mmol)のフッ化セシウム、40mg(0.044mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、および20mlのジオキサン中の60mg(0.097mmol)の2,2'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−l,1'−ビナフチルの混合物を、還流下、4時間加熱する。反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固し、残留物を酢酸エチル、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発によって除去する。残留物をアルミナ上のクロマトグラフィーで処理し、ヘプタン−酢酸エチルの100−0から0−100までの勾配で溶離し、70mgの予想された生成物を黄色のオイル状態で得る。
【0116】
【化13】

【0117】
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[5−エチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)プロピルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオン酸ビス(トリフルオロアセテート)の合成
5mlのジクロロメタン中の65mg(0.11mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[5−エチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)プロピルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートを、0.5mlのトリフルオロ酢酸と共に、周囲温度で16時間攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を、少量のメタノールを用いて最少量のジクロロメタン中に可溶化(solubilized)し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過し、45mgの予想された生成物をベージュ色の固体として得る。
【0118】
【化14】

【0119】
(実施例2)
(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−プロピル]−アミンの合成
(J.Org.Chem.2004,69,1959−1966頁に従って調製した)774.3mg(4.05mmol)の3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イルプロピルアミンおよび6mlのジメチルアセトアミド中の600mg(3.68mmol)の4,6−ジクロロ−5−メチル−ピリミジンおよび1.2mlのジイソプロピルエチルアミンの混合物を、120℃で9時間反応させる。反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固し、残留物を酢酸エチル、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。残留物をアルミナ上で、さらにシリカ上でクロマトグラフィー処理し、100%ヘプタンから100%酢酸エチルまでの勾配を用いて溶離する。680mg(収率=58%)の予想された生成物を得る。
【0120】
【化15】


【0121】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[5−メチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)プロピルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成
680mg(2.14mmol)の(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−プロピル]−アミン、(J.Med.Chem.(2001),44 (8),1158−1176頁に従って調製した)755mg(2.57mmol)のtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネート、455mg(3mmol)のフッ化セシウム、133mg(0.214mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、および20mlのジメトキシエタン中の98mg(0.107mmol)の2,2'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−1,1'−ビナフチルの混合物を、還流下、24時間加熱する。
反応混合物を、減圧(2kPa)下、蒸発乾固し、残留物を酢酸エチル、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。残留物をアルミナ上で2回クロマトグラフィー処理し、10%のジクロロメタン−メタノール混合物(9/1)を用いた酢酸エチル−イソプロピルエーテル(50/50)の勾配で溶離する。220mgの予想された生成物を得る。
【0122】
【化16】

【0123】
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[5−メチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)プロピルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
1mlジクロロメタン中の40mg(0.069mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[5−メチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)プロピルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートを、0.2mlのトリフルオロ酢酸と一緒に周囲温度で16時間攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタン中に可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。43mgの予想された生成物をオフホワイトの固体状態で得る。
【0124】
【化17】

【0125】
(実施例3)
3−[1,8]ナフチリジン−2−イル−プロパン−1−オールの調製
914μl(9mmol)の5−ヒドロキシ−ペンタン−2−オン、750μl(9mmol)のピロリジンおよび11.5μl(0.2mmol)の濃硫酸を、5mlのエタノールに可溶化した1g(8.19mmol)の2−アミノ−ピリジン−3−カルバルデヒドを含むフラスコに周囲温度で加える。次いで、反応混合物を3時間30分間還流する(78℃)。
冷却後、溶液を減圧(2kPa)下で濃縮乾燥し、得られた残留物を、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで、次いでn−ブタノールで抽出する。集めた有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ液を濃縮乾燥し、次いでシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、酢酸エチル(100%)、酢酸エチル−メタノール(98−2)から酢酸エチル−メタノール(90−10)までの勾配を用いて溶離する。
990mgの予想された生成物を得る。
【0126】
【化18】

【0127】
2−[3−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−プロピル)]−[1,8]ナフチリジンの合成
5mlのジオキサン中に可溶化した、800mg(4.24mmol)の3−[1,8]ナフチリジン−2−イル−プロパン−1−オールを、102mg(2.12mmol)の水酸化ナトリウムおよび7mlのジオキサンを含む一口(single−necked)フラスコに、窒素下、周囲温度において液滴状で加える。
この混合物を攪拌しながら、不活性雰囲気中、周囲温度で2時間保持する。
次いで、5mlのジオキサン中に可溶化した、346.4mg(2.12mmol)の4,6−ジクロロ−5−メチル−ピリミジンを加える。
次いで、この混合物を、5時間30分還流しながら加熱し、次いで真空下で濃縮乾燥する。得られた残留物を、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ液を濃縮乾燥し、次いでシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、酢酸エチル(100%)、次いで酢酸エチル−メタノール(98−2)の勾配を用いて溶離する。
300mgの予想された生成物を得る。
【0128】
【化19】

【0129】
7−[3−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−プロピル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジンの合成
生成物を可溶化するのに十分な量のエタノール、および15mgの酸化白金を、300mg(0.953mmol)の2−[3−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−プロピル−[1,8]ナフチリジンに加える。次いで、反応混合物を真空下でパージし、水素を含むバルーンフラスコ(ballon flask)に入れる。反応媒体を、攪拌しながら周囲温度で6時間、次いで一夜放置する。次いで、反応混合物をClarcel上でろ過し、減圧(2kPa)下、濃縮乾燥する。次いで、300mgの予想された生成物を得る。
【0130】
【化20】

【0131】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−メチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−プロポキシ]−ピリミジン−4−イルアミノ)−プロピオネートの合成
2g(6.27mmol)の7−[3−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−プロピル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジンおよび2.2g(7.52mmol)のtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネートの混合物を、1.3g(8.78mmol)のフッ化セシウム、390mg(62.7μmol)の(2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル、および35mlの1,2−ジメトキシエタン中の290mg(31.3μmoles)のトリス−ジベンジリデンアセトンジパラジウム(0)の存在下、還流しながら24時間加熱する。
冷却後、溶液を濃縮乾燥し、次いで水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を、デカンテーションし、水相を酢酸エチルで抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下、蒸発乾固する。残留物をシリカ上でクロマトグラフィー処理し、酢酸エチル−ジクロロメタン(50−50)から酢酸エチル−ジクロロメタン(80−20)までの勾配を用いて溶離する。772mgの予想された生成物を得る。
【0132】
【化21】

【0133】
(実施例4)
実施例3のエステルに対応する酸の生成:
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−メチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−プロポキシ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
1mlのジクロロメタン中に可溶化した65mg(0.11mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−メチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−プロポキシ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートおよび50μlのトリフルオロ酢酸の混合物を、周囲温度で25時間攪拌する。次いで、トルエンを加え、混合物を蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでペンタンおよびジイソプロピルエーテルの混合物に注ぐ。沈殿物をろ過する。不純物を含む黄色粉末が得られ、これはシリカ上で100%酢酸エチルから酢酸エチル−メタノール(80−20)までの勾配を用いて精製しなければならない。
21mgの予想された生成物を得る。
【0134】
【化22】


【0135】
(実施例5)
1°)N−t.ブトキシカルボニル−3−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−アゼチジンの合成
2g(10mmol)のN−t.ブトキシカルボニル−アゼチジン−3−カルボン酸を、アルゴン下、20mlのジメチルホルムアミド中に溶解する。
この溶液を、氷浴を使用して0℃に冷却し、5.46g(12.3mmol)のベンゾトリアゾール−l−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1.4g(14.3mmol)のN,O−ジメチルヒドロキシルアミンクロリドおよび6mlのジイソプロピルエチルアミンを加える。反応混合物を放置して周囲温度に戻し、周囲温度で18時間攪拌する。
ジメチルホルムアミドおよびジイソプロピルエチルアミンを、減圧(2kPa)下、蒸発除去する。
精製は、シリカゲル上のクロマトグラフィーで、ヘプタン/酢酸エチル50:50混合物で溶離して実施する。
2.1gの無色のオイルを回収する。
【0136】
【化23】

【0137】
2°)N−t.ブトキシカルボニル−3−アセチル−アゼチジンの合成
110mg(0.45mmol)のN−t.ブトキシカルボニル−3−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−アゼチジンを、アルゴン下、2mlのエーテルに可溶化する。
この溶液を、氷浴を使用して0℃に冷却し、1.6Mメチルリチウムのエーテル溶液1mlを液滴状で加える。
反応媒体をこの温度で2時間攪拌し、次いで1M塩酸水溶液で処理する。
水相とエーテル相をデカンテーションし分離する。この操作を3回繰り返し、次いでエーテル相を集めてMgSO4で乾燥し、次いでろ過した後にエーテルを減圧下で蒸発させる。
40mgの無色のオイルを回収する。
【0138】
【化24】

【0139】
N−t.ブトキシカルボニル−3−[1,8]ナフチリジン−2−イル−アゼチジン
30mgのN−t.ブトキシカルボニル−3−アセチル−アゼチジン(0.150mmol)を、2mlのエタノールに可溶化し、ここに18mg(0.150mmol)の2−アミノピリジン−3−カルボキシアルデヒドおよび25mgの炭酸カリウム(0.18mmol)を加える。
この混合物を24時間還流し、次いで放置して周囲温度に戻し、減圧(2kPa)下でエタノールを蒸発除去する。
得られた残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/MeOH 95:5混合物で溶離して精製する。
30mgの予想された生成物をベージュ色の固体として得る。
【0140】
【化25】

【0141】
3−[1,8]ナフチリジン−2−イル−アゼチジン
50mg(0.175mmol)のN−t.ブトキシカルボニル−3−[1,8]ナフチリジン−2−イル−アゼチジンを、2mlのCH2Cl2に可溶化し、ここに0.2mlのトリフルオロ酢酸を加え、反応媒体を18時間周囲温度で攪拌しながら放置する。
トリフルオロ酢酸およびジクロロメタンを減圧(2kPa)下で蒸発除去する。
40mgの粗生成物が、黄色オイルの形態で分離される。
TLC:Rf=0.25(シリカゲル,溶離液:CH2C12/MeOH 90:10)
MS:186(MH+)
7−アゼチジン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジンの合成
40mgの3−[1,8]ナフチリジン−2−イル−アゼチジンを、2mlのエタノールに可溶化し、ここに10mgの酸化白金を加える。反応媒体を、水素雰囲気下1時間攪拌する。
触媒をろ過し、エタノールを減圧下、蒸発除去する。
粗残留物(crude residue)をシリカゲル上のろ過によって、ジクロロメタン/MeOH混合物95:5および85:15で溶離して精製する。
25mg(61%)の無色のオイルを回収する。
【0142】
【化26】

【0143】
2,5−ジメチル−4,6−ジヒドロキシ−ピリミジンの合成
40mlのメタノールを含む一口フラスコを、窒素雰囲気下に置き、氷浴を用いて0℃に冷却する。9.72gのナトリウムメチラート(すなわち溶液濃度c=3mol.l−1)を反応混合物に加え、次いで少量の5g(53mmol)のアセトアミジンヒドロクロリドを0℃で加える。周囲温度で約20分間攪拌を維持し、次いで8.3mlのメチルマロン酸ジエチルを液滴状で加える。3時間攪拌を維持する。次いで減圧(2kPa)下、メタノールを濃縮する。得られた粗生成物を最少量の水に溶解し、0℃に冷却し、次いで純粋な酢酸を用いてpHを4と5の間に酸性化する。形成された白色沈殿物をろ過し、水、エチルエーテルおよびペンタンでリンスする。次いで白色生成物を減圧(0.2kPa)下、P2O5で乾燥し、3.3gの予想された生成物を得る。
【0144】
【化27】

【0145】
2,5−ジメチル−4,6−ジクロロピリジンの合成
3.3g(23.5mmol)の2,5−ジメチル−4,6−ジヒドロキシ−ピリジンおよび15mlのオキシ塩化リンの混合物を8時間還流する。周囲温度に戻した後、反応混合物を、氷と水の混合物の上にゆっくりと注ぐ。この水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。3.39gの予想された生成物を得る。
【0146】
【化28】

【0147】
7−[1−(6−クロロ−2,5−ジメチル−ピリミジン−4−イル)−アゼチジン−3−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジンの合成
90mg(0.47mmol)の7−アゼチジン−3−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジンを、2mlのジメチルアセトアミドに溶解し、ここに90mg(0.51mmol)の2,5−ジメチル−4,6−ジクロロピリミジンを加える。
この混合物を、100℃で18時間加熱する。
溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。
粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/MeOH混合物 95:5で溶離して精製する。
50mg(32%)の予想された生成物を回収する。
【0148】
【化29】

【0149】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−アゼチジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネート
50mg(0.150mmol)の7−[1−(6−クロロ−2,5−ジメチル−ピリミジン−4−イル)−アゼチジン−3−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン、53mgのtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジル−オキシカルボニルアミノプロピオネートおよび70mg(0.460mmol)のフッ化セシウムを、2mlのジオキサンに可溶化する。
この混合物を、90℃で5分間加熱し、次いで6mg(0.01mmol)のrac−2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチルおよび9mg(0.01mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムをこれに加える。この混合物を磁気攪拌しながら、110℃で2時間加熱する。同じ量の触媒およびフッ化セシウムを再度加え、反応媒体を140℃で2時間加熱する。ジオキサンを減圧(2kPa)下、蒸発除去する。
得られた残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにより、ヘプタン/酢酸エチルの混合物1:1で溶離して精製する。
25mgの予想された生成物を黄色固体の形態で回収する。
【0150】
【化30】

【0151】
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−アゼチジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}プロピオン酸ビス(トリフルオロアセテート)
20mgのtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−アゼチジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを、1mlのCH2C12に可溶化し、0.1mlのトリフルオロ酢酸をこれに加える。
この溶液を、周囲温度で24時間攪拌し、トルエンで希釈する。
溶媒およびトリフルオロ酢酸を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。得られた残留物を、最少量のCH2C12に溶解し、次いでこの溶液をイソプロピルエーテルに注ぐ。
不溶性部分を上で述べたようにして分離し、15mgの予想された生成物を白色粉末の形態で回収する。
【0152】
【化31】

【0153】
(実施例6)
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[6−(6−アミノ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2.4']ビピリジニル−1'−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成)
1)N−t.ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−ピペリジンの合成
(Aldrichより市販されている)1g(5mmol)のN−t.ブトキシカルボニル−4−オキソ−l−ピペリジンを、5mlのエタノールに溶解する。この溶液を、氷浴を使用して0℃に冷却し、200mg(7.56mmol)のテトラナトリウムボロヒドリド(tetrasodium borohydride)を少しずつ加え、反応媒体を周囲温度で4時間攪拌する。飽和塩化アンモニウム水溶液を反応混合物に加える。エタノールを減圧(2kPa)下、蒸発除去し、次いで反応混合物を酢酸エチルに溶解する。有機相を水相から分離する。この抽出を再度繰り返し、次いで有機相を集めて硫酸マグネシウムで乾燥し、それに続いて減圧(2kPa)下で濃縮し、上で述べたようにして1.05gの無色のオイルを回収する。
【0154】
【化32】

【0155】
2)N−t.ブトキシカルボニル−4−ヨード(iodo)−l−ピペリジンの合成
2.15gのトリフェニルホスフィン(8.2mmol)および2.08gのヨウ素(8.2mmol)を30mlのアセトニトリルに溶解する。
反応媒体を周囲温度で10分間攪拌しながら放置し、次いで918mgのイミダゾール(13.5mmol)を加え、周囲温度でさらに10分間攪拌を維持する。次いで1g(5mmol)のN−t.ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−l−ピペリジンを加え、周囲温度24時間攪拌を維持する。反応物を、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて処理し、アセトニトリルを減圧(2kPa)下、蒸発除去し、それに続いて酢酸エチルに溶解し、チオ硫酸ナトリウム水溶液で抽出および洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥し、ろ過し、酢酸エチルを減圧(2kPa)下、蒸発除去し、それに続いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、ジクロロメタン、次いでジクロロメタン/メタノール90:10で溶離する。
1.1g(収率=70%)の無色のオイルを回収する。
【0156】
【化33】

【0157】
3)2−ブロモ−6(2,5−ジメチル−ピロル−l−イル)−ピリジン(3)の合成
30mlのトルエン中の1g(5.78mmol)の2−アミノ−6−ブロモピリジンを、Dean Stark装置が載った100mlフラスコに入れる。0.3mlの酢酸および0.8ml(6.78mmol)のアセトニルアセトンを加え、それに続いてトルエンの還流下、5時間加熱する。反応媒体を放置して周囲温度に戻し、トルエンを減圧(2kPa)下、蒸発除去する。水を加えて、それに続いて酢酸エチルで抽出する。有機相を集めて硫酸マグネシウムで乾燥する。酢酸エチルを減圧(2kPa)下で蒸発除去し、粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにより、ジクロロメタンで溶離して精製する。
1gの予想された生成物を黄色粉末の形態で回収する。
【0158】
【化34】

【0159】
4)6−(2,5−ジメチル−ピロール−l−イル)−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−,[2.4']ビピリジニル−l'−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
284mg(4.34mmol)の電気亜鉛を、アルゴン雰囲気下、懸濁液中に入れ、次いで0.033mlの1,2−ジブロモエタンおよび1mlのテトラヒドロフランを加える。
反応媒体を60℃において3分間攪拌し、次いで放置して温度を周囲温度に戻す。0.047mlの塩化トリメチルシリルを加えて、それに続いて周囲温度で30分間攪拌する。予め2mlのテトラヒドロフランに可溶化した1g(3.2mmol)のN−t.ブトキシカルボニル−4−ヨード−l−ピペリジンを加える。この反応混合物を45分間周囲温度で攪拌し、Aldrichから市販されている30mg(0.032mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムおよび30mg(0.13mmol)のトリス(2−フリル)ホスフィンを含む溶液をこれに加える。次いで、予め10mlのテトラヒドロフランに可溶化した1g(4mmol)の2−ブロモ−6(2,5−ジメチル−ピロール−l−イル)−ピリジンをこれに加える。反応混合物を、60℃において2時間磁気攪拌を継続し、次いで放置して周囲温度に戻し、Clarcel上でろ過し、酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間で抽出する。水相を酢酸エチルで2回抽出し、次いで有機相を集めて硫酸マグネシウム上で乾燥する。酢酸エチルを減圧(2kPa)下、蒸発除去し、粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにより、ヘプタン/酢酸エチルの4:1の混合物で溶離して精製する。350mgの予想された生成物を黄色オイルの形態で回収する。
【0160】
【化35】

【0161】
5)6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2.4']ビピリジニルの合成
330mg(0.928mmol)の6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2.4']ビピリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルを、3mlのジクロロメタン中に溶解し、これに0.3mlのトリフルオロ酢酸を加える。反応媒体を、周囲温度で2時間攪拌する。ジクロロメタンを、減圧(2kPa)下、蒸発除去する。得られた残留物を水に溶解し、それに続いて濃水酸化アンモニウムで塩基性のpH=10とし、生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ジクロロメタンを減圧(2kPa)下、蒸発除去する。220mg(収率=92%)の黄色オイルを回収する。
【0162】
【化36】

【0163】
6)1'−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−6−(2,5−ジメチル−ピロール−l−イル)−1',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−2.4']ビピリジニルの合成
220mg(0.860mmol)の6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−l',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2.4']ビピリジニルを、2mlのジメチルアセトアミドに溶解し、これに[ ]から市販されている140mg(0.860mmol)の4,6−ジクロロ−5−メチル−ピリミジンおよび0.2mlのジイソプロピルエチルアミンを加える。混合物を磁気攪拌しながら110℃で1時間加熱する。混合物を放置して周囲温度に戻し、ジメチルアセトアミドを減圧(0.2kPa)下、蒸発除去する。粗生成物を、酢酸エチルに溶解し水で洗浄する。水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機相を集めて硫酸マグネシウムで乾燥する。酢酸エチルを減圧(0.2kPa)下、蒸発除去する。330mgの褐色樹脂が回収され、これは精製することなく次の段階に使用される。
【0164】
【化37】

【0165】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{6−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2.4']ビピリジニル−1'−イル]−5−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートの合成
330mg(0.866mmol)のl'−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−6−(2,5−ジメチル−ピロール−l−イル)−l',2',3',4',5',6'−ヘキサヒドロ−[2.4']ビピリジニルを、5mlのジメトキシエタンに溶解し、286mg(1mmol)のtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネート、184mg(1.21mmol)のフッ化セシウム、54mg(10%mol)の2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチルおよび40mg(5%mol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを連続して添加する。この混合物を、磁気攪拌しながら100℃で18時間加熱する。反応媒体を放置して周囲温度に戻し、ジメトキシエタンを減圧(2kPa)下、蒸発除去する。得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を集めて硫酸マグネシウムで乾燥する。酢酸エチルを、減圧(2kPa)下、蒸発除去する。得られた残留物を、シリカゲル上でクロマトグラフィーにより、ヘプタン/酢酸エチル混合物の1:1で溶離して精製する。200mgの黄色固体を回収する。
【0166】
【化38】

【0167】
Tert−ブチル3−[6−(6−アミノ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2,4']ビピリジニル−1'−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−プロピオネートの合成
100mg(0.15mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{6−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2.4']ビピリジニル−1'−イル]−5−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを、3mlのエタノールおよび0.3mlの水に溶解する。50mg(0.75mmol)の塩酸ヒドロキシルアミンを加え、反応媒体を90℃において18時間加熱する。溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去し、粗生成物(crude residue)をシリカゲル上でクロマトグラフィーにより、CH2Cl2/MeOH混合物90:10で溶離して精製する。30mgの予想された生成物を樹脂の形態で得る。
【0168】
【化39】


【0169】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[6−(6−エチルアミノ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2.4']ビピリジニル−l'−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成
50mg(0.09mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[6−(6−アミノ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2.4']ビピリジニル−1'−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートを2mlのジクロロメタンに可溶化する。混合物をアルゴン雰囲気下に置き、氷浴を使用して0℃に冷却する。
0.01ml(0.18mmol)のアセトアルデヒドおよび30mg(0.14mmol)の水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(sodium triacetoxyborohydride)を加える。
この混合物を周囲温度で1時間攪拌し、同量のアセトアルデヒドおよび水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムを再度加える。
周囲温度での攪拌を2時間維持し、次いで最終的に別の30mgの水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムを加える。
周囲温度での攪拌を15分間維持し、次いで減圧(2kPa)下、ジクロロメタンを蒸発除去する。
粗生成物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/メタノールの95:5で次いで90:10で溶離して精製する。
40mgの予想された生成物を回収する。
【0170】
【化40】

【0171】
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[6−(6−エチルアミノ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2.4']ビピリジニル−1'−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオン酸ビス(トリフルオロアセテート)の合成
300mg(0.51mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[6−(6−エチル−アミノ−3',4',5',6'−テトラヒドロ−2'H−[2.4']ビピリジニル−1'−イル)−5−メチル−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートを、5mlのジクロロメタンに可溶化し、ここに0.5mlのトリフルオロ酢酸を加える。
この混合物を、周囲温度で4時間攪拌する。
トルエンで希釈した後、減圧(2kPa)下、トリフルオロ酢酸、ジクロロメタンおよびトルエンを蒸発除去する。
得られた残留物を、最少量のCH2Cl2に溶解し、次いでこの溶液をイソプロピルエーテルに注ぐ。
沈殿物をろ過し、220mgの予想された生成物をベージュ色の固体として回収する。
【0172】
【化41】

【0173】
(実施例7から11)
実施例6において説明した方法と類似の作業によって、以下の生成物を調製する。
【0174】
【表1】

【0175】
(実施例12)
2−メチル−4,6−ジヒドロキシ−5−メトキシ−ピリミジンの合成
10.8g(200mmol)のナトリウムメチラートを、100mlエタノール中の5.5g(58mmol)の塩酸アセトアミジン溶液に加えて0℃に冷却し、混合物を15分間攪拌し、次いで50mlエタノール中の7.2ml(52mmol)のジメチルメトキシマロネート(dimethyl methoxy malonate)を加え、混合物を周囲温度で一夜攪拌する。反応混合物を減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。残留物を100mlの飽和塩化ナトリウム溶液に溶解し、800mlおよび200mlのn−ブタノールで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。2.4gの予想された生成物を白色固体の形態で得る。
【0176】
【化42】

【0177】
4,6−ジクロロ−2−メチル−5−メトキシ−ピリミジンの合成
60mlのオキシ塩化リン中の1.9g(12.2mmol)の2−メチル−4,6−ジヒドロキシ−5−メトキシ−ピリミジンの混合物を2時間還流する。周囲温度に戻した後、この反応混合物を氷と水との混合物へと注ぎ、次いで重炭酸ナトリウムを塩基pHに達するまでゆっくりと加え、それに続いて酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。0.67g(収率=28%)の褐色オイルを得る。
【0178】
【化43】

【0179】
2−ピペリジン−4−イル[1,8]ナフチリジンの合成
(J.Org.Chem.;29;1964;2898−2903頁に従って調製した)51g(300mmol)の4−(2−メチル−[1.3]ジオキソラン−2−イル)−ピペリジンを、550mlのエタノールに可溶化する。
この混合物を、氷浴を使用して0℃に冷却する。
85mlの6N塩酸(510mmol)を加える。
この混合物を、エタノールの還流下、24時間加熱する。
次いで、pHを中和するために、ペレット状のソーダ20.4g(510mmol)を加え、次いで、32.13g(260mmol)の2−アミノピリジン−3−カルボキシアルデヒドおよび200mlのエタノールを加える。
最終的に、40.8g(295mmol)の炭酸カリウムを加える。
この混合物を100℃において8時間攪拌し、次いで周囲温度で18時間攪拌する。
減圧下、エタノールを蒸発除去し、次いで水およびブタノールで希釈する。2相を分離し、生成物を上で述べたようにブタノールで抽出する。
有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いでろ過し、減圧下で蒸発除去する。
褐色の固体が回収され、そのうちの65gは、精製することなく、以下に使用される。
【0180】
【化44】

【0181】
2−[l−(6−クロロ−5−メトキシ−2−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル]−[1,8]ナフチリジンの合成
30mlのジメチルアセトアミド、0.9g(4.66mmol)の4,6−ジクロロ−2−メチル−5−メトキシ−ピリミジンおよび3mlのジイソプロピルエチルアミンを、1.1g(5.2mmol)の2−ピペリジン−4−イル−[1,8]ナフチリジンを含む一口フラスコに加える。この混合物を120℃において4時間加熱し、次いで減圧(2kPa)下、濃縮乾燥する。得られた残留物を、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーで処理し、ヘプタン−酢酸エチルの100−0から0−100までの勾配を用いて溶離する。870mgの予想された生成物を、黄色固体の形態で得る。
【0182】
【化45】

【0183】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[5−メトキシ−2−メチル−6−(4−[1.8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]プロピオネートの合成
870mg(2.36mmol)の2−[1−(6−クロロ−5−メトキシ−2−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル]−[1,8]ナフチリジン、766mg(2.59mmol)のtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネート、540mg(3.57mmol)のフッ化セシウム、120mg(0.124mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、および50mlのジオキサン中の70mg(0.108mmol)の2,2'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−1,1'−ビナフチルの混合物を、還流下6時間加熱する。反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固し、残留物を酢酸エチル、水、および飽和重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。有機相を分離し硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下で蒸発除去する。残留物を、第1回目はアルミナ上でクロマトグラフィー処理して酢酸エチル−エチルエーテル50−50で溶離し、次いで第2回目はシリカ上でクロマトグラフィー処理し、酢酸エチル−ヘプタン50−50で溶離する。820mgの予想された生成物をアモルファス白色固体の形態で得る。
【0184】
【化46】


【0185】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−メトキシ−2−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートの合成
820mg(1.3mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[5−メトキシ−2−メチル−6−(4−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートおよび50mlのエタノール中の30mgの酸化白金を、水素下大気圧において2時間攪拌する。反応混合物をClarcel上でろ過し、減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。残留物を、ジイソプロピルエーテルから結晶化する。570mgの予想された生成物をアモルファス白色固体の形態で得る。
【0186】
【化47】

【0187】
(実施例13)
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2−メトキシ−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸ビス(トリフルオロアセテート)の合成
15mlのジクロロメタン中の280mg(0.443mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−メトキシ−2−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを、3mlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で18時間攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を、最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルへ注ぐ。ろ過によって、210mgの予想された生成物を白色固体の形態で得る。
【0188】
【化48】


【0189】
(実施例14)
2−tert−ブチル−5−メチル−4,6−ジヒドロキシ−ピリミジンの合成
80mlのエタノールを含む一口フラスコを、氷浴を使用して0℃に冷却し、4g(55.6mmol)のナトリウムエチラートおよび3.8g(27.8mmol)のtert−ブチル−カルバミジンヒドロクロリドを加える。反応混合物を放置して周囲温度に戻し、次いで5ml(27.8mmol)のメチルマロン酸ジエチルエステル(diethyl ester methylmalonate)を液滴状で加える。周囲温度で一夜攪拌を続ける。次いで、エタノールを減圧(2kPa)下、凝縮する。得られた粗生成物を、最少量の水(約40ml)に可溶化し、次いで0℃において、純酢酸を用いてpHが4から5の間になるまで酸性化する。形成された白色沈殿をろ過し、水、エチルエーテルおよびペンタンで連続的にすすぐ。次いで、得られた白色粉末を減圧(0.2kPa)下、P2O5で乾燥して、2.4gの予想された生成物を得る。
【0190】
【化49】

【0191】
2−tert−ブチル−4,6−ジクロロ−5−メチル−ピリミジンの合成
2.91g(15.9mmol)の2−tert−ブチル−5−メチル−4,6−ジヒドロキシ−ピリミジンおよび15mlのオキシ塩化リンの混合物を、1時間30分還流する。周囲温度に戻した後、反応混合物を、氷、水および固体炭酸ナトリウムの混合物にゆっくりと注ぐ。この水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で酸が全て中和されるまで数回洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。3.27gの予想された生成物を得る。
【0192】
【化50】

【0193】
2−[1−(2−tert−ブチル−6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル)−[1,8]ナフチリジンの合成
20mlのジメチルアセトアミドおよび5ml(17.8mmol)のジイソプロピルエチルアミンを、1.5g(6.84mmol)の2−tert−ブチル−4,6−ジクロロ−5−メチル−ピリミジンおよび1.46g(6.84mmol)の2−ピペリジン−4−イル−[1,8]ナフチリジンを含む一口フラスコに加える。この混合物を、100℃で一夜加熱する。次の日に、0.2当量のナフチリジンを加え、混合物をさらに6時間加熱する。反応混合物を周囲温度に戻し、その後濃縮乾燥する。得られた残留物を、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧(2kPa)下で溶媒を蒸発除去する。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、ヘプタン−酢酸エチル(70−30)からヘプタン−酢酸エチル(50−50)までの勾配を用いて溶離する。1.77gの予想された生成物を回収する。
【0194】
【化51】

【0195】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−tert−ブチル−5−メチル−6−(4−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成
1.7g(4.2mmol)の2−[1−(2−tert−ブチル−6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル]−[1,8]ナフチリジンおよび1.51g(5.04mmol)のtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネートの混合物を、1.95g(12.6mmol)のフッ化セシウム存在下、20mlジオキサン中の266mg(0.42mmol)の(2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチルを還流し、5mlのジオキサンに可溶化した230mg(0.21mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を熱い状態で加え、反応媒体を15時間還流する。次いで、反応混合物を周囲温度とし、減圧(2kPa)下、濃縮乾燥し、次いで、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相をデカンテーションし、水相を酢酸エチルで抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧(2kPa)下で蒸発除去する。残留物をシリカ上においてクロマトグラフィーで処理し、ジクロロメタン−酢酸エチル(95−5)から(70−30)までの勾配を用いて溶離する。1.91gの予想された生成物を得る。
【0196】
【化52】


【0197】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−tert−ブチル−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成
120mgの酸化白金(IV)を、80mlのエタノールに可溶化した1.8g(2.75mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−tert−ブチル−5−メチル−6−(4−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−l−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートに加える。次いで、反応混合物を真空下、パージし、水素を含んでいるバルーンフラスコに入れ、次いで周囲温度で6時間攪拌する。反応混合物を、次いでClarcel上でろ過し、減圧(2kPa)下で濃縮乾燥する。残留物をシリカ上、ジクロロメタン−メタノール(98−2)の匂配を用いてクロマトグラフィー処理する。1.6gの予想された生成物を得る。
【0198】
【化53】

【0199】
(実施例15)
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−tert−ブチル−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオン酸(ビストリフルオロアセテート)
6mlのジクロロメタンに可溶化した350mg(0.53mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−tert−ブチル−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートおよび2.2mlのトリフルオロ酢酸の混合物を周囲温度で24時間攪拌する。次いでトルエンを加え、混合物を蒸発乾固する。残留物を、最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでペンタンおよびジイソプロピルエーテル混合物に注ぐ。沈殿物をろ過する。得られた不純物を含む白色粉末は、シリカ上で100%ジクロロメタンからジクロロメタン−メタノール(90−10)の勾配を用いて精製しなければならない。
390mgの予想された生成物を得る。
【0200】
【化54】

【0201】
(実施例16)
2−メチル−5−シクロプロピル−4,6−ジヒドロキシ−ピリミジンの合成
80mlのエタノールを含む一口フラスコを、氷浴を使用して0℃に冷却する。4.5g(66.4mmol)のナトリウムエチラートおよび4g(33.2mmol)のシクロプロピルカルバミジンヒドロクロリドを加える。反応混合物を放置して室温に戻し、次いで5.7ml(33.2mmol)のメチルマロン酸ジエチルエステルを液滴状に加える。周囲温度で攪拌を一夜維持する。次いで、エタノールを減圧(2kPa)下で凝縮する。得られた粗生成物を最少量の水(約40ml)に可溶化し、次いで、0℃において純酢酸を用いてpHが4と5の間になるまで酸性化する。形成された白色沈殿をろ過し、水、エチルエーテルおよびペンタンで連続的にすすぐ。次いで得られた白色粉末を減圧(0.2kPa)下、P2O5で乾燥する。3gの予想された生成物を得る。
TLC:Rf=0.36(シリカゲル、溶離剤:ジクロロメタン−メタノール 90−10)。
【0202】
【化55】

【0203】
2−シクロプロピル−4,6−ジクロロ−5−メチル−ピリミジンの合成
3.68g(22mmol)の2−シクロプロピル−5−メチル−4,6−ジヒドロキシ−ピリミジンおよび20mlのオキシ塩化リンの混合物を1時間30分還流する。周囲温度に戻した後、反応混合物をゆっくりと氷、水および固体の炭酸ナトリウム混合物に注ぐ。この水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で酸が全て中和されるまで数回洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。4.26g(収率=95%)の予想された生成物を得る。
【0204】
【化56】


【0205】
2−[1−(2−シクロプロピル−6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル]−[1,8]ナフチリジンの合成
20mlのジメチルアセトアミドおよび3.36ml(19.2mmol)のジイソプロピルエチルアミンを、1.5g(7.39mmol)の2−シクロプロピル−4,6−ジクロロ−5−メチル−ピリミジンおよび1.58g(7.39mmol)の2−ピペリジン−4−イル−[1,8]ナフチリジンを含む一口フラスコに加える。この混合物を、100℃において一夜加熱する。次の日、0.2当量のナフチリジンを加え、反応混合物をさらに6時間加熱し、それに続いて周囲温度に戻し、濃縮乾燥する。得られた残留物を、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。残留物をシリカゲル上で、ヘプタン−酢酸エチル(50−50)から100%酢酸エチルの勾配を用いてクロマトグラフィー処理する。1.45gの予想された生成物を得る。
【0206】
【化57】

【0207】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−シクロプロピル−5−メチル−6−(4−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成
1.68g(11mmol)のフッ化セシウムの存在下で、1.4g(3.68mmol)の2−[l−(2−tert−ブチル−6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル]−[1,8]ナフチリジンおよび1.3g(4.42mmol)のtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネート、20mlのジオキサン中の230mg(0.37mmol)の(2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチルの混合物を還流する。5mlのジオキサンに可溶化した200mg(0.19mmol)のトリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を熱い状態で加え、次いで15時間還流する。次いで反応混合物を周囲温度とし、減圧(2kPa)下で濃縮乾燥し、次いで水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相をデカンテーションし、水相を酢酸エチルで抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。残留物をアルミナ上、次いでシリカ上でジクロロメタン−酢酸エチル(95−5)から(70−30)の勾配を用いてクロマトグラフィー処理する。1.5gの予想された生成物を得る。
【0208】
【化58】

【0209】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−シクロプロピル−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8])ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−l−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成
100mgの酸化白金(IV)を、60mlのエタノールに可溶化した1.4g(2.19mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−シクロプロピル−5−メチル−6−(4−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−l−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートに加える。次いで、反応混合物を真空下、パージし、水素を含んでいるバルーンフラスコに入れる。反応混合物を周囲温度で6時間攪拌し、次いでClarcel上でろ過し、減圧(2kPa)下で濃縮乾燥する。残留物を、ジクロロメタン−メタノール(98−2)の勾配を用いてシリカ上でクロマトグラフィー処理する。1.23gの予想された生成物を得る。
【0210】
【化59】

【0211】
(実施例17)
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−シクロプロピル−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−l−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオン酸(ビストリフルオロアセテート)
5mlのジクロロメタンに可溶化した300mg(0.47mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−シクロプロピル−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートおよび2mlのトリフルオロ酢酸の混合物を周囲温度で24時間攪拌する。次いで、トルエンを加えて、混合物を蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでペンタンおよびジイソプロピルエーテルの混合物に注ぐ。沈殿物をろ過する。得られた不純物を含む白色粉末は、シリカ上で100%ジクロロメタンからジクロロメタン−メタノール(90−10)の勾配を用いて精製しなければならない。
320mgの予想された生成物を得る。
【0212】
【化60】

【0213】
(実施例18)
2−メトキシ−4,6−ジヒドロキシ−5−メチル−ピリミジンの合成
13.8g(200mmol)のナトリウムエチラートを、100mlエタノール中の10g(58mmol)の硫酸メトキシホルムアミジン(methoxyformamidine sulphate)溶液に加え、0℃に冷却し、混合物を15分間攪拌し、次いで50mlのエタノール中の9ml(52mmol)のジエチルメチルマロネート(diethyl methyl malonate)を加え、それに続いて周囲温度で一夜攪拌する。反応混合物を減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。残留物を100mlの飽和塩化ナトリウム溶液に溶解し、800mlおよび200mlのn−ブタノールで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧(2kPa)下で蒸発乾固し、5.9gの予想された生成物を白色固体の形態で得る。
【0214】
【化61】

【0215】
4,6−ジクロロ−2−メトキシ5−メチル−ピリミジンの合成
30mlのオキシ塩化リン中の0.9g(5.77mmol)の2−メトキシ−4,6−ジヒドロキシ−5−メチル−ピリミジン混合物を2時間還流する。周囲温度に戻した後、反応混合物を氷と水との混合物に注ぎ、次いで重炭酸ナトリウムを、塩基性pHが達成されるまでゆっくりと加え、それに続いて酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。0.43g(収率=38%)の褐色オイルを得る。
【0216】
【化62】


【0217】
2−[1−(6−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル]−[1,8]ナフチリジンの合成
30mlのジメチルアセトアミド、0.4gの4,6−ジクロロ−2−メトキシ−5−メチル−ピリミジン(2mmol)および3mlのジイソプロピルエチルアミンを、0.48g(2.2mmol)の4−(1,8−ナフチリジン−7−イル)−1−ピペリジンを含む一口フラスコに加える。この混合物を120℃で4時間加熱し、次いで減圧(2kPa)下で濃縮乾燥する。得られた残留物を水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧(2kPa)下で蒸発除去する。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、ヘプタン−酢酸エチル100−0から0−100の勾配で溶離する。460mgの予想された生成物を黄色固体の形態で得る。
【0218】
【化63】

【0219】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−メトキシ−5−メチル−6−(4−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−l−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成
460mg(1.25mmol)2−[1−(6−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル]−[1,8]ナフチリジン、405mg(1.37mmol)のtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネート、250mg(1.65mmol)のフッ化セシウム、57mg(0.062mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0),および50mlのジオキサン中の40mg(0.062mmol)の2,2'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−1,1'−ビナフチルの混合物を、還流下2時間加熱する。この反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固し、残留物を酢酸エチル、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下で蒸発除去する。残留物をアルミナ上でヘプタン−酢酸エチル100−0から0−100までの匂配で溶離してクロマトグラフィー処理する。300mgの予想された生成物をアモルファス黄色固体の形態で得る。
【0220】
【化64】


【0221】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2−メトキシ−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートの合成
300mg(0.477mmol)のtert−ブチル−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2−メトキシ−5−メチル−6−(4−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネート、および30mlエタノール中の30mgの酸化白金の混合物を、大気圧において水素下、1時間攪拌する。反応混合物をClarcel上でろ過し、次いで減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。170mgのアミン生成物を、オレンジ色のオイルの形態で得る。
このアミンを、40mlジメトキシエタン中の120mgのベンジルオキシカルボニル−スクシンイミドと、周囲温度で3時間反応させる。反応混合物を、酢酸エチル、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、ヘプタン−酢酸エチルの100−0から0−100の勾配で溶離する。200mg(収率=93%、2段階では67%)の予想された生成物を黄色オイルの形態で得る。
【0222】
【化65】

【0223】
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2−メトキシ−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸ビス(トリフルオロアセテート)の合成
10mlのジクロロメタン中の200mg(0.317mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2−メトキシ−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを、2mlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)によって出発物質が消えるまで攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。170mgの予想された生成物をベージュ色の固体として得る。
【0224】
【化66】

【0225】
(実施例19)
2,5−ジメトキシ−4,6−ジヒドロキシ−ピリミジンの合成
9.7g(180mmol)のナトリウムメチラートを、100mlのエタノール中の9g(52mmol)の硫酸メトキシホルムアミジン溶液に加え、0℃に冷却し、混合物を15分間攪拌する。次いで50mlエタノール中の6.5ml(46.8mmol)メチルメトキシマロネートを加え、それに続いて周囲温度で一夜攪拌する。反応混合物を減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。残留物を、100mlの飽和塩化ナトリウム溶液に溶解し、800mlおよび200mlのn−ブタノールで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。7gの予想された生成物を白色固体の形態で得る。
【0226】
【化67】

【0227】
4,6−ジクロロ−2,5−ジメトキシ−ピリミジンの合成
30mlのオキシ塩化リン中の1.7g(10mmol)の2,5−ジメトキシ−4,6−ジヒドロキシ−ピリミジン混合物を5時間還流する。周囲温度に戻した後、反応混合物を、氷と水の混合物に注ぎ、次いで重炭酸ナトリウムを、塩基性pHが達成されるまでゆっくりと加え、それに続いてブタノールで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。0.50gの褐色オイルを得る。
【0228】
【化68】

【0229】
2−[1−(6−クロロ−2,5−ジメトキシ−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル]−[1,8]ナフチリジンの合成
40mlのジメチルアセトアミド、1.25gの4,6−ジクロロ−2,5−ジメトキシ−ピリミジン(5.6mmol)、および5mlのジイソプロピルエチルアミンを、1.3g(7.8mmol)の4−(1,8−ナフチリジン−7−イル)−1−ピペリジンを含む一口フラスコに加える。この混合物を、120℃で5時間加熱し、次いで減圧(2kPa)下、濃縮乾燥する。得られた残留物を、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、ヘプタン−酢酸エチルの100−0から0−100までの勾配を用いて溶離する。1.2gの予想された生成物を黄色固体の形態で得る。
【0230】
【化69】

【0231】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2,5−ジメトキシ−6−(4−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートの合成
1.2g(3.1mmol)の2−[1−(6−クロロ−2,5−ジメトキシ−ピリミジン−4−イル)−ピペリジン−4−イル]−[1,8]ナフチリジン、1.3gのtert−ブチル(4.40mmol)の3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネート、750mg(4.95mmol)のフッ化セシウム、200mg(0.217mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、および150mlのジオキサン中の120mg(0.186mmol)2,2'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−1,1'−ビナフチル混合物を、還流下6時間加熱する。反応混合物を、減圧(2kPa)下、蒸発乾固し、酢酸エチル、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。残留物を、最初はアルミナ上でクロマトグラフィー処理して酢酸エチル−エチルエーテル50−50で溶離し、次にシリカ上でヘプタン−酢酸エチルの100−0から0−100までの勾配を用いて溶離する。900mgの予想された生成物をアモルファス黄色固体の形態で得る。
【0232】
【化70】

【0233】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメトキシ−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートの合成
85mg(1.32mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[2,5−ジメトキシ−6−(4−[1,8]ナフチリジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオネートおよび50mlのエタノール中の30mgの酸化白金の混合物を、大気圧において水素下、2時間攪拌する。反応混合物をClarcel上でろ過し、次いで減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を、シリカ上で、ヘプタン−酢酸エチル−メタノールの100−0−0から0−100−0までの、次いで0−95−5までの勾配を用いて、クロマトグラフィー処理する。300mgの予想された生成物を、白色固体の形態で得る。
【0234】
【化71】

【0235】
(実施例20)
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメトキシ−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
10mlのジクロロメタン中の350mg(0.54mmol)tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメトキシ−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを、2mlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)により、出発物質が消えるまで攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物をシリカ上でのクロマトグラフィーにより、塩化メチレン−メタノールの100−0から90−10までの溶離勾配を用いて溶離して精製する。360mgの予想された生成物を白色固体の形態で得る。
【0236】
【化72】

【0237】
(実施例21)
4−クロロ−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−5−カルバルデヒドの合成
80mlのジメチルアセトアミド、3.9g(22mmol)の4,6−ジクロロ−5−ホルミル−ピリミジン[Liebigs Annalen der Chemie (1972) 766 73−88頁に従って調製した]および8mlのジイソプロピルエチルアミンを、3.9g(17mmol)の7−ピペリジン−4−イル−1,2,3,4−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジンを含む一口フラスコに加える。この混合物を120℃において3時間加熱し、次いで減圧(2kPa)下、濃縮乾燥する。得られた残留物を、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。得られた粗生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、塩化メチレンと酢酸エチル(100−0から0−100まで)の勾配を用いて溶離する。
2.3gの予想された生成物を黄色粉末の形態で得る。
【0238】
【化73】

【0239】
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−ホルミル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートの合成
180mg(0.5mmol)の4−クロロ−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−5−カルバルデヒド、150mg(0.5mmol)のtert−ブチル3−アミノ−2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオネート、117mg(0.77mmol)のフッ化セシウム、23mg(0.025mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、および30mlのジメトキシエタン中の32mg(0.51mmol)の2,2'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)−1,1'−ビナフチルの混合物を、還流下2時間加熱する。冷却した後、別の23mg(0.025mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を加え、それに続いて還流下2時間加熱する。反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固し、残留物を酢酸エチル、水および飽和重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。有機相を分離して硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、酢酸エチル−塩化メチレン−メタノール50−45−5の混合物で溶離する。120mgの予想された生成物をアモルファス白色固体の形態で得る。
【0240】
【化74】

【0241】
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−ホルミル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸ビス(トリフルオロアセテート)の合成
10mlのジクロロメタン中の120mg(0.195mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−ホルミル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを、1mlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で24時間攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を少量のメタノールと一緒に最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。60mgの予想された生成物を白色固体の形態で得る。
【0242】
【化75】

【0243】
(実施例22)
Tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−ヒドロキシメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートの合成
50mlメタノール中の340mg(0.55mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−ホルミル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[I,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ)−プロピオネートを、350mg(9.2mmol)の水素化ホウ素ナトリウムと共に周囲温度で2時間攪拌する。次いで、100mlの飽和塩化アンモニウム溶液を加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。得られた残留物を水および酢酸エチルの混合物に溶解する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、塩化メチレンおよび酢酸エチルの(100−0から0−100までの)勾配を用いて溶離する。160mgの予想された生成物を黄色オイルの形態で得る。
【0244】
【化76】

【0245】
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−ヒドロキシメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
15mlのジクロロメタン中の150mg(0.24mmol)のtert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−ヒドロキシメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを、0.8mlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で24時間攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を、最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。100mgの予想された生成物を、白色固体の形態で得る。
【0246】
【化77】

【0247】
(実施例23)
上記実施例で説明した操作により、5−アミノ−4,6−ジクロロ−ピリミジンおよび2,5−ジメトキシテトラヒドロフランを使用して、tert−ブチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−ピロール−l−イル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを調製し、
【0248】
【化78】

【0249】
次いで、2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{5−ピロール−1−イル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸を調製する。
【0250】
【化79】

【0251】
(実施例24から37)
アミンの調製のための一般的操作方法
段階a)
6mlのテトラヒドロフラン中の75mg(0.35mmol)の水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(triacetoxysodium borohydride)をATにおいて10分間攪拌する。次いで、100mg(0.208mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートおよび3mlのテトラヒドロフラン中の0.228mmolアルデヒド溶液の混合物を加える。ある種のアルデヒドは反応がより遅いので、反応混合物を周囲温度で4時間攪拌するか、あるいは還流下で4時間加熱する。次いで、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した後、酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、その後減圧(2kPa)下で濃縮乾燥する。次いで残留物を、酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(90/10)50−50の溶離剤を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。質量myの予想された生成物を得る。
TLC:Rf(溶離剤:ジクロロメタン−メタノール(90/10)−酢酸エチル50−50。
段階b)
5mlジクロロメタン中の、質量myのtert−ブチル3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−2−アルキルアミノ−プロピオネートを、850μlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)に従って出発物質が消えるまで攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を、最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。質量mzの予想された酸を得る。
【0252】
【化80】

【0253】
(実施例24)
段階a)
Tert−ブチル2−(2−エチル−ブチルアミノ)−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートの合成
6mlテトラヒドロフラン中の75mg(0.35mmol)の水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(sodium triacetoxyborohydride)を、TAにおいて10分間攪拌する。次いで、100mg(0.208mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートおよび3mlのテトラヒドロフラン中の0.228mmolの2−エチル−ブチルアルデヒド溶液の混合物を加える。反応混合物を周囲温度で4時間30分攪拌する。次いで、これを飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した後、酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、その後減圧(2kPa)下で濃縮乾燥する。次いで残留物を、酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(80/20)50−50の溶離剤を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。質量myの予想された生成物を得る。
【0254】
【化81】

【0255】
段階b)
2−(2−エチル−ブチルアミノ)−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
5mlジクロロメタン中の80mg(0.141mmol)の(1,1−ジメチルエチル)3−[[5−エチル−6−[4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−7−イル)−1−ピペリジニル]−4−ピリミジニル]アミノ]−N−(4−メトキシ−ベンゾイル)アラニナートを、400μlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で9時間攪拌する。
次いでトルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。90mgの予想された生成物を得る。
【0256】
【化82】

【0257】
Mx:導入したアルデヒドの質量
My:得られたエステルの質量
My:得られた酸の質量
【0258】
【表2A】

【表2B】

【0259】
上記で得られる生成物は、以下の原料から調製される:
【0260】
【表3A】

【表3B】

【0261】
(実施例38)
Tert−ブチル3−[5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−(4−メトキシベンゾイル)−プロピオネートの合成
3mlジクロロメタン中の40mg(0.233mmol)の4−メトキシ−ベンゾイルクロリド溶液を、6mlのジクロロメタン中の109mg(0.233mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネート溶液および650μlのピリジンの混合物に加える。反応混合物を、周囲温度で1時間攪拌する。次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去し、残留物を、酢酸エチル−ジクロロメタン50−50、酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(95/5)50−50、次いで最後に酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(9/1)50−50の溶離剤を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。98mgの予想された生成物を得る。
【0262】
【化83】

【0263】
3−[5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−(4−メトキシベンゾイル)−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
2mlジクロロメタン中の20mg(0.033mmol)のtert−ブチル3−[5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−(4−メトキシベンゾイル)−プロピオネートを、0.3mlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で3時間攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を、最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。20mgの予想された生成物をベージュ色の固体として得る。
【0264】
【化84】

【0265】
(実施例39から51)
アミドの調製のための一般的操作方法
段階a)
650μlのピリジンを、6mlのジクロロメタン溶液中の112.5mg(0.23mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ)−プロピオネートに加え、ATにおいて15分間攪拌した後、3mlのジクロロメタン中の0.23mmol(質量mx)の酸塩化物溶液を加える。反応混合物を、周囲温度で、使用した酸塩化物に応じて1から3時間攪拌する。次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去し、残留物を、酢酸エチル−ジクロロメタン50−50、酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(95/5)50−50、および最後に酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(90−10)50−50の溶離剤を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。質量myの予想された生成物を得る。
【0266】
【化85】

【0267】
段階b)
5mlジクロロメタン中の、段階a)の質量myのtert−ブチルエステルを、850μlのトリフルオロ酢酸と共に、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)に従って出発物質が消えるまで周囲温度で攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。質量mzの予想された酸のビストリフルオロアセテートを得る。
【0268】
【化86】

【0269】
(実施例39)
段階a)
Tert−ブチル3−[5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−(4−メトキシベンゾイル)−プロピオネートの合成
3mlジクロロメタン中の40mg(0.233mmol)の4−メトキシ−ベンゾイルクロリド溶液を、6mlのジクロロメタン中の112.5mg(0.233mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネート溶液および650μlのピリジンの混合物に加える。反応混合物を、周囲温度において1時間攪拌する。次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去し、残留物を、酢酸エチル−ジクロロメタン(50−50)、酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(95/5)50−50、次いで最後に酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(9/1)50−50の溶離剤を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。98mgの予想された生成物を得る。
【0270】
【化87】

【0271】
段階b)
3−[5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−(4−メトキシベンゾイル)−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
5mlジクロロメタン中の90mg(0.146mmol)のtert−ブチル3−[5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−(4−メトキシベンゾイル)−プロピオネートを、850μlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で7時間攪拌する。
次いでトルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物ろ過する。85mgの予想された生成物を得る。
【0272】
【化88】

【0273】
Mx:導入した酸塩化物の質量
My:得られたエステルの質量
Mz:得られた酸の質量
【0274】
【表4A】

【表4B】

【0275】
上記で得られた生成物は、以下の原料から調製される:
【0276】
【表5A】

【表5B】

【0277】
(実施例52)
Tert−ブチル3−[5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−[3−(2−ニトロフェニル)−ウレイド]プロピオネートの合成
240mg(0.50mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートおよび15mlのテトラヒドロフラン中の82mg(0.50mmol)の2−ニトロフェニルイソシアネートの混合物を、周囲温度で3時間攪拌する。反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固し、残留物を酢酸エチルおよび水に溶解する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下で蒸発除去する。残留物をアルミナ上でクロマトグラフィー処理し、酢酸エチル−塩化メチレン−メタノールの50−50−0から50−50−10までの勾配を用いて溶離する。260mgの予想された生成物を、黄色固体の形態で得る。
【0278】
【化89】

【0279】
3−[5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−[3−(4−メトキシ−2−アミノフェニル)−ウレイド]−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
110mg(0.17mmol)のtert−ブチル3−[5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−[3−(4−メトキシ−2−ニトロ−フェニル)−ウレイド]−プロピオネートおよび5ml酢酸中の70mgの亜鉛を、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)に従い、出発物質が消えるまで周囲温度で攪拌する。Clarcel上でのろ過の後、シクロヘキサンを加えて、反応混合物を減圧(2kPa)下で蒸発乾固する。残留物を、酢酸エチルおよび水に溶解する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。粗生成物をアルミナ上でクロマトグラフィー処理し、塩化メチレン−メタノールの100−0から90−10までの勾配で溶離する。
得られた生成物を、4mlのジクロロメタン中、0.5mlのトリフルオロ酢酸と共に、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)に従って、出発物質が消えるまで周囲温度で攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を、少量のメタノールを含む最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。40mgの予想された生成物をベージュ色の固体の形態で得る。
【0280】
【化90】


【0281】
(実施例54から62)
尿素の調製のための一般的操作方法
段階a)
3mlテトラヒドロフラン中の質量mx(0.207mmol)のイソシアネート溶液を、5mlテトラヒドロフラン中の120mg(0.207mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネート溶液に加える。反応混合物を周囲温度で3時間30分攪拌する、次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去し、残留物を、100%酢酸エチル、酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(95/5)50−50、酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(90−10)50−50、および最後に酢酸エチル/メタノール(95−5)の溶離剤を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。
質量myの予想された生成物を得る。
【0282】
【化91】

【0283】
段階b)
5mlジクロロメタン中の、質量myの段階a)のtert−ブチルエステルを、500μlのトリフルオロ酢酸と共に、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)に従い、出発物質が消えるまで周囲温度で攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を、最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでエチルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。これは、予想された生成物と環化の副産物との混合物である。この混合物を、質量mzの予想された生成物を生成するためにシリカ上で精製する。
【0284】
【化92】

【0285】
(実施例53)
3−[5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−[3−(2−ニトロフェニル)−ウレイド]プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
3mlジクロロメタン中の30mg(0.046mmol)のtert−ブチル3−[5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−2−[3−(2−ニトロフェニル)−ウレイド]−プロピオネートを、0.5mlのトリフルオロ酢酸と共に、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)に従い、出発物質が消えるまで周囲温度で攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。35mgの予想された生成物を黄色固体の形態で得る。
【0286】
【化93】

【0287】
(実施例54)
段階a)
Tert−ブチル2−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−ウレイド)−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートの合成
3mlテトラヒドロフラン中の34mg(0.207mmol)の5−イソシアネート−ベンゾ[1,3]ジオキソール溶液を、5mlのテトラヒドロフラン中の120mg(0.207mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネート溶液に加える。反応混合物を周囲温度で3時間30分間攪拌する。次いで、溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去し、残留物を、100%酢酸エチル、酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(95/5)50−50、酢酸エチル−ジクロロメタン/メタノール(90−10)50−50、および最後に酢酸エチル/メタノール(95−5)の溶離剤を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。60mgの予想された生成物を得る。
【0288】
【化94】

【0289】
段階b)
2−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−ウレイド)−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
5mlジクロロメタン中の55mg(0.085mmol)のtert−ブチル2−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−ウレイド)−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを、500μlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で13時間攪拌する。
次いでトルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでエチルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過し、乾燥し、次いでシリカ上で精製する。
39mgの予想された生成物を得る。
【0290】
【化95】

【0291】
Mx:導入したイソシアネートの質量
My:得られたエステルの質量
Mz:得られた酸の質量
【0292】
【表6】

【0293】
上記で得られた生成物は、以下の原料から調製することができる:
【0294】
【表7】

【0295】
(実施例63)
Tert−ブチル2−{N−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]}−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ)−プロピオネートの合成
16mlのトリエチルアミンを、200ml無水テトラヒドロフラン中の2g(4.27mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネート溶液に加え、次いで40ml無水テトラヒドロフラン中の700μl(6.4mmol)のジメチルアミノスルホニルクロリド溶液を加える。添加は、窒素気流下、周囲温度において液滴状で実施する。反応混合物を、48時間攪拌する。次いで溶媒を減圧(2kPa)下で蒸発除去し、残留物を水、飽和重炭酸ナトリウム溶液および酢酸エチルの混合物に溶解する。有機相をデカンテーションし、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、100%酢酸エチルで溶離する。1.1gの予想された生成物を得る。
【0296】
【化96】

【0297】
(実施例64)
2−{N−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]}−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
30mlジクロロメタン中の290mg(0.5mmol)のtert−ブチル2−{N−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]}−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートを、3mlのトリフルオロ酢酸と共に、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)に従って、出発物質が消えるまで周囲温度で攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を、減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を、少量のメタノールと共に最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでエチルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。197.3mgの予想された生成物を得る。
【0298】
【化97】


【0299】
(実施例65)
Tert−ブチル3−[5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−N−[(1,1−ジメチルエチルオキシカルボニル)アミノスルホニル]−プロピオネートの合成
30mlジクロロメタン中の111mg(1.5mmol)のterブタノール(terbutanol)溶液を、30mlジクロロメタン中の0.13ml(1.5mmol)のクロロスルホニルイソシアネート溶液に液滴状に加え、反応媒体を周囲温度で45分間攪拌する。次いでこの溶液を、700mg(1.5mmol)のtert−ブチル2−アミノ−3−{5−エチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオネートと、400mlジクロロメタン中の0.35ml(2mmol)のジイソプロピルエチルアミンとの混合物へと液滴状で導入する。反応混合物を、周囲温度で2時間攪拌する。次いで溶媒を、減圧(2kPa)下、蒸発除去する。得られた残留物を、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。830mgの予想された生成物を黄色オイルの形態で得る。
【0300】
【化98】

【0301】
Tert−ブチル3−[5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−N−[N,N−(1,1−ジメチルエチルオキシカルボニル)(フェニルメチル)アミノスルホニル]−プロピオネートの合成
0.047mlのジエチルアゾジカルボキシレートを、130mg(0.2mmol)のtert−ブチル3−[5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−N−[(1,1−ジメチルエチルオキシカルボニル)アミノスルホニル]−プロピオネートと10mlジクロロメタン中の60mg(0.3mmol)のトリフェニルホスフィンとの混合物に加える。次いで5mlジクロロメタン中の0.041ml(0.4mmol)のベンジルアルコール溶液を液滴状に加え、反応媒体を周囲温度で1時間攪拌する。次いで別の0.047mlのジエチルアゾジカルボキシレートを加え、次いで5mlジクロロメタン中の0.041ml(0.4mmol)のベンジルアルコール溶液を液滴状に加え、反応媒体を周囲温度で1時間攪拌する。溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。得られた残留物を、水、酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液の混合物に溶解する。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出する。集めた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を減圧(2kPa)下、蒸発除去する。粗生成物をシリカ上でのクロマトグラフィーにより、塩化メチレン−メタノールの100−0から90−10までの勾配を用いて溶離して精製する。80mgの予想された生成物をベージュ色の固体として得る。
【0302】
【化99】

【0303】
3−[5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−N−[N,N−(1,1−ジメチルエチルオキシカルボニル)(フェニルメチル)アミノスルホニル]−プロピオン酸,ビス(トリフルオロアセテート)の合成
5mlジクロロメタン中の73mg(0.1mmol)のtert−ブチル3−[5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−(1,8)ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ]−N−[N,N−(1.1ジメチルエチルオキシカルボニル)(フェニルメチル)アミノスルホニル]−プロピオネートを、1mlのトリフルオロ酢酸と共に周囲温度で3時間攪拌する。トルエンを加え、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。残留物を最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過する。35mgの予想された生成物を、白色固体の形態で得る。
MS:579(MH−)。
【0304】
(実施例66)
2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−{2−メトキシ−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸の塩酸塩の合成
6N塩酸水溶液20ml中の、2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−{2−メトキシ−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸の2g(2.99mol)のtert−ブチルエステルを攪拌し、反応混合物は不均質のままであり、形成されたエステルの塩酸塩の急速な固化(caking)が生じ、次いで溶解性を高めるために20mlの蒸留水を加える。
周囲温度で20時間攪拌し、その後6N塩酸水5mlを2回加える。
反応混合物を全体で60時間、攪拌しながら維持する。次いでこれを減圧(2kPa)下、トルエンおよびイソプロパノールの連続的な存在下で濃縮乾燥する。
得られた残留物を、最少量のジクロロメタンおよびメタノールに可溶化し、次いでエチルエーテルに2回注ぐ。形成された沈殿物をろ過し、エーテルで、次にペンタンで洗浄し、真空下で乾燥する。1.62gの白色粉末を得る。
【0305】
【化100】

【0306】
2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−{2−メトキシ−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ)−プロピオン酸tert−ブチルエステルの合成
段階1
2−アミノ−3−{2−メチル,5−メトキシ−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルの合成
500mlの100%酢酸および500mgの酸化白金(5−10%)を、5.4g(8.5mmol)の2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2−メチル,5−メトキシ−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルを含む一口フラスコに入れる(loaded)。この混合物を真空下でパージして、水素下、大気圧においてATで20時間攪拌する。
得られた不均質媒体をClarcel上でろ過する。ろ液をシクロヘキサンの存在下で濃縮乾燥し、次いで酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム溶液との混合物に溶解する。有機相を抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を真空下で蒸発除去する。得られた残留物を、ジクロロメタン−ヘプタン50−50から(ジクロロメタン−メタノール90−10/酢酸エチル)(50−50)までの溶離剤を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。2.75gの予想された生成物を淡黄色結晶の形態で得る(収率=65%)。
【0307】
【化101】

【0308】
段階2
200mlテトラヒドロフラン中の915mg(4.43mmol)の4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリド溶液を、800mlテトラヒドロフラン中の2.2g(4.43mmol)の2−アミノ−3−[2−メトキシ−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)ピペリジン−l−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル溶液と950μlのトリエチルアミンとの混合物に液滴状に加える。反応媒体を周囲温度で一夜攪拌する。次いで、溶媒を減圧(2kPa)下で蒸発除去する。残留物を、酢酸エチル−ジクロロメタン50−50から酢酸エチル−(ジクロロメタン/メタノール)(90/10)50−50までの溶離剤を用いて、アルミナ上でクロマトグラフィー処理する。
2.02g(収率=68%)の予想された生成物を得る。
【0309】
【化102】


【0310】
(実施例67)
2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−{2−メトキシ−5−メチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸の塩酸塩の合成
30mlの6N塩酸水溶液中の3g(4.6mol)の2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−{(2.5)−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルを攪拌し、反応混合物は不均質なままであり、形成されたエステルの塩酸塩の急速な固化が生じ、次いで20mlの6N塩酸水加えることで混合物は透明になる。
周囲温度で4時間攪拌すると、混合物は乳状となる。
次いで後者を、減圧(2kPa)下、トルエンおよびジイソプロパノールの連続的な存在下で濃縮乾燥する。
得られた残留物を最少量のジクロロメタンおよびメタノールに可溶化し、次いでエチルエーテルに注ぐ。形成された沈殿物をろ過し、エーテルで、次いでペンタンで洗浄し、真空下で乾燥する。2.86gの白色粉末を得る。
【0311】
【化103】

【0312】
2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−{(2.5)−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルの合成
段階1
2−アミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルの合成
1リットルの100%酢酸および1gの酸化白金(5〜10%)を、国際特許出願(国際公開第2004048375(A1)号)に従って調製した、13g(21.1mmol)の2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−l−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸ter−ブチルエステルを含む一口フラスコに入れる(charged)。この混合物を真空下でパージして、水素下、大気圧においてATで20時間攪拌する。
得られた不均質媒体をClarceI上でろ過する。ろ液をシクロヘキサンの存在下で濃縮乾燥し、次いで酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム溶液との混合物に溶解する。有機相を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を真空下で蒸発させる。得られた残留物を、100%ジクロロメタンからジクロロメタン−メタノール95−5までの溶離剤を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。7.6gの予想された生成物を淡黄色結晶の形態で得る(収率=74%)。
【0313】
【化104】

【0314】
段階2
350mlテトラヒドロフラン中の750mg(1.56mmol)の2−アミノ−3−[(2.5)−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ]−プロピオン酸tert−ブチルエステル溶液と7mlのトリエチルアミンとの混合物を、35mlテトラヒドロフラン中の322mg(1.56mmol)の4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリド溶液に液滴状に加える。反応媒体を周囲温度で一夜攪拌する。次いで、溶媒を減圧(2kPa)下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル−ジクロロメタン50−50から酢酸エチル−メタノール)(98/2)までの溶離剤を用いて、アルミナ上でクロマトグラフィー処理する。
2.02g(収率=68%)の予想された生成物を得る。
【0315】
【化105】

【0316】
(実施例68から80)
段階a:アルコールの活性化
1.5当量のジ(N−スクシンイミジル)カーボネートを、4mlの塩化メチレンに可溶化する。塩化メチレンに可溶化した1当量のアルコール、ならびに2当量のトリエチルアミンを周囲温度で加える。反応混合物を6時間攪拌する。
次いで、形成された活性化アルコール(activated alcohol)が安定な場合には、アミンを加える前に、酢酸エチルで抽出し、重炭酸ナトリウムで洗浄することにより、これを単離することができる。
段階b:アミンの添加
0.8当量の、2−アミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1.8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸のter−ブチルエステル、ならびに1当量のトリエチルアミンを、活性化アルコールに加える。
混合物を周囲温度で一夜攪拌する。
次いで、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した後、酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、その後減圧(2kPa)下で濃縮乾燥する。次いで残留物を、酢酸エチル/イソプロピルエーテルから100%酢酸エチルまでの溶離剤を用いて、アルミナ上でクロマトグラフィー処理する。予想されたエステルを38%から90%の収率で得る。
段階c:エステルの加水分解
5mlジクロロメタン中の、質量mCの(1,1−ジメチルエチル)3−[[2,5−ジメチル−6−[4−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−7−イル)−1−ピペリジニル]−4−ピリミジニル]アミノ]−N−(アルキル)アラニナート、および500μlのトリフルオロ酢酸を、TLC(シリカゲル、溶離剤:CH2Cl2−MeOH−H2O−AcOH 90−10−1−1)に従って、出発物質が消えるまで周囲温度で攪拌する。次いでトルエンを加えて、反応混合物を減圧(2kPa)下、蒸発乾固する。得られた残留物を、最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでジイソプロピルエーテルに注ぐ。沈殿物をろ過し、ペンタンで洗浄し、次いで乾燥する。質量mDの予想された酸を粉末の形態で得る。
【0317】
【表8A】

【表8B】

【0318】
【表9A】

【表9B】

【0319】
(実施例81)
2−シクロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸のtert−ブチルエステルの合成
段階a:
活性化アルコールN−スクシンイミジル炭酸シクロヘキシルメチルエステルの合成
5.38g(10.5mmol)のジ(N−スクシンイミジル)カーボネートを、60mlの塩化メチレンに可溶化する。10mlの塩化メチレンに可溶化した2.16ml(17.55mmol)のシクロヘキシルメタノールおよび4.92ml(35.1mmol)のトリエチルアミンを周囲温度で加える。反応混合物を一夜攪拌する。
次いで、反応混合物を濃縮乾燥し、その後酢酸エチルで抽出し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、その後減圧(2kPa)下、濃縮乾燥する。4.4gの活性化アルコールが得られ、これを次の段階にそのまま使用する(定量的収率)。
【0320】
【化106】

【0321】
段階b:
8.8g(17mmol)の2−アミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸ter−ブチルエステル、ならびに2.47ml(17mmol)のトリエチルアミンを、250mlの塩化メチレン中の4.35g(17mmol)の活性化アルコール溶液に加える。
混合物を周囲温度で一夜攪拌する。
次いで、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した後、酢酸エチルで抽出する。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、その後減圧(2kPa)下、濃縮乾燥する。次いで、得られた残留物を、酢酸エチル/ヘプタンから100%酢酸エチルまでの溶離剤を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。6.9gの予想された生成物を得る(収率=65%)。
【0322】
【化107】


【0323】
(実施例82)
2−シクロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル)−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸の塩酸塩の合成
76mlの6N塩酸水溶液中の28g(0.045mol)の2−シクロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルを、周囲温度で20時間攪拌する。
反応混合物を、減圧(2kPa)下で、トルエンおよびイソプロパノールの連続的な存在下、濃縮乾燥する。
得られた残留物を、最少量のジクロロメタンに可溶化し、次いでエチルエーテルに注ぐ。形成した沈殿物をろ過し、エーテルで、次いでペンタンで洗浄し、真空下で乾燥する。29gの白色粉末を得る。
【0324】
【化108】

【0325】
(実施例83)
2−シクロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}プロピオン酸tert−ブチルエステルの塩酸塩の合成
ジクロロメタンとエチルエーテルとの50/50混合物240mlにおける、27.2g(43.8mmol)の2−シクロヘキシルメトキシカルボニルアミノ−3−{2,5−ジメチル−6−[4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルを攪拌し、次いでエーテル中の21.9mlの2N塩酸および20mlのエチルエーテルを含む混合物をゆっくりと加える。
反応混合物は、添加中、透明のままでなければならない。
次いで溶媒を、減圧(2kPa)下で部分的に蒸発除去し、最少量の溶媒を含む溶液を、1リットルのイソプロピルエーテルに、次いで500mlのペンタンに注ぎ、形成した沈殿物をろ過し、次いで真空下で乾燥する。
28.5gの白色粉末を得る。
【0326】
【化109】

【0327】
薬理試験:Kistrin/ビトロネクチンレセプター(αvβ3)ELISA試験
プロトコル:
96ウェルのMaxiSorpプレートを、40℃において、1μg/ml(0.05Mカーボネート/NaOH、pH9.6のコーティングバッファー中で希釈)の100μlキストリン(Kistrin)で一夜コーティングする。翌日ウェルは空になっており、次いでリガンド(Kistrin)を、周囲温度において125rpmでゆっくりと攪拌しながら1時間固定する(固定緩衝剤:0.5%のBSAを含有するPBS(pH=7.4))。ウェルを6回洗浄し(洗浄緩衝剤:0.05%のTween20を含有するPBS(pH7.7))、次いで以下をウェル当たりに以下の順序で加える。
40μlの培養緩衝剤
試験する生成物の10μl希釈物(生成物は、DMSO/水が50:50の混合物中で希釈する)
50μlのヒトαvβ3レセプター(Pytella他Methods Enzymol.(1987)144「Dilution in incubation buffer,adapted according to the batch of receptor and according to the ligand」を参照されたい)。
前記リガンド、αvβ3レセプターおよび試験する生成物は、周囲温度において、125rpmでゆっくりと攪拌しながら共培養(co−incubate)する。
ウェルを再度6回洗浄し、次いで、ペルオキシダーゼに結合した100μlの抗レセプター抗体(4B12−HRP抗体は培養緩衝剤(50mMのTRIS pH7.4;0.5%のBSA、0.05%のTween20、1mMのMnCl2、50μMのCaCl2、50μMのMgCl2、100mMのNaCl)中で希釈)の存在下、周囲温度において125rpmでゆっくりと攪拌しながら2時間培養する。希釈は、レセプターのバッチに従って適合されるべきである。
次いでウェルを6回洗浄し、その後、リガンドとレセプターとの結合の測定を、ペルオキシダーゼデベロッパーキット(TBM Microwell Peroxidase Substrate System Kirkegaard;Refcat 50−76−00)を使用して実施する。
このキットは、基質(0.4g/lの3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン)のフラスコ(flask)Aと、フラスコB(シトレート/クエン酸中の0.02%H2O2)とを備えている。Aの1容量とBの1容量とを即座に混合し、次いで反応混合物を、100μl/ウェルの割合で分布する。
Kistrin/αvβ3に関して、6から10分間、酵素反応を進行させ(develop)、次いで、100μlの1Mリン酸を加えることにより、この進行を停止させる。光学密度は450nmにおいて測定する。
結果の説明
以下の曲線をプロットする:試験した生成物の各濃度の対数の関数としての結合割合。
各生成物について、IC50を式IC50=(B0+Bmin)/2に従って決定する。
B0=いずれの生成物も存在しない場合の最大結合
Bmin=最大濃度の生成物が存在する場合の最小結合
【0328】
【表10】

【0329】
in vivo活性
甲状腺上皮小体切除(TPXT)ラットモデルにおける副甲状腺ホルモン(PTH)によって誘発される高カルシウム血症
TPXTラットで、骨吸収の刺激作用をPTHのかん流(perfusion)によって誘発し、さまざまな骨吸収を血清中のカルシウム濃度によってモニタリングする。
体重150〜200gのSprague Dawley雄ラットを甲状腺上皮小体切除する。ラットには7g Ca/kg(UAR)およびVolvic水を含む標準の食餌を与える。甲状腺上皮小体切除の有効性は、前日以降絶食にしている手術8日後のラットの血清中のCa濃度を測定することで試験する。ラットは、血清中のCa濃度水準が80mg/l未満の時に上皮小体切除されていると考えられる。ラットのPTH(1〜34)(Bachem)を、0.15MのNaCl Cys.HC1 2%に溶解し、浸透圧ミニポンプ(ALZET 2001D)により、200pmol/kg/hの投与量でデリバリーする。ミニポンプを、麻酔(ケタミン−75mg/kgおよびアセプロマジン−2.5mg/kg)下、前日以降絶食しているTPXTラットの腹腔内腔(intraperitoneal cavity)に導入する。対照TPXTラットは、PTHビヒクルを充填したミニポンプを受ける。
試験する生成物かビヒクル(対照物およびPTHで治療されたラット)かのいずれかを、PTHの注入(infusion)開始後、0および3時間後に、皮下経路によって2回投与(2ml/kg体重)する。試験は、次の6時間継続する。処置の最後に、断頭し、全ての血液を回収する。血液サンプルは、血清を得るために3000rpmで15分間遠心分離する(CR422 Jouan)。
血清中のCaの全濃度は、IEMS Labsystemsのマイクロプレートリーディングシステムを使用した比色分析(Ciba−Corning)により、540nmで測定する。
治療したラットと対照群との平均カルシウム血症値の差異を、分散およびダネット検定(Dunnett's test)により分析する。
生成物の活性は、次式により計算する。
有効率(%)=[{カルシウム血症(生成物)−カルシウム血症(PTH)}/{カルシウム血症(PTH)−カルシウム血症(対照)}]x100
上記で説明した方法によって試験した本発明による生成物は、ラットにおいて、皮下経路では、1mg/kgを2回から10mg/kgを2回まで範囲、経口経路では、3mg/kgを2回から30mg/kgを2回まで範囲の投与量において活性であることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)のピリミジン誘導体であって、
【化1】

純粋な状態にあるこれらの立体異性体およびこれら立体異性体の混合物、適切な場合には、純粋なE異性体、純粋なZ異性体およびE/Z混合物、ならびにこれらの生理学的に許容できる付加塩、溶媒和物、プロドラッグ、これらの化合物の代謝物。
[式中、
I)
− Rは、X−alk−Het基を表し、
ここで、Xは酸素もしくは硫黄原子または−NR'−基であり、R'は水素原子または1個から4個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基であり、
alkは1個から4個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表し、
Hetは単環式または多環式系を表し、各環は4員から10員の芳香族または非芳香族基で構成され、窒素、酸素または硫黄から選択される1個から4個のヘテロ原子を含むことができ、それ自体が以下に定義される1つまたは複数のR0基によって置換されていることができ、または
次式の基を表し、
【化2】

ここで、Gは、5から10員の芳香族または非芳香族、単環式または多環式ヘテロシクリル基を表し、ここで前記環の少なくとも1つが1個から4個の窒素原子を含み、前記ヘテロシクリル基それ自体が(C1〜C8)アルキルアミノ基によって場合によっては置換されていることができ、直鎖または分枝鎖のそのアルキル部分は、フェニル、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個から4個のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロシクリル基によって置換されていることができ、nは1または2を表し、または
次式の基を表し、
【化3】

ここで、Gは、1個から4個の窒素原子を含む5員または6員の芳香族単環式ヘテロシクリル基を表し、アルキル(C1〜C6)アミノ基で置換されており、そのアルキル基は、それ自体が、フェニル、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるヘテロ原子を含む5員または6員の芳香族単環式ヘテロシクリル基で置換されていることができ;
− R1は、水素原子;(C5〜C14)−アリール;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−基;1〜4個の炭素原子を含むアルキル基および/またはアシル基による非置換、一置換または二置換のアミノ基を表し、
− R2は、水素原子;ハロゲン原子;ニトロ基;1個から4個の炭素原子を含むアルキル基;1個から4個の炭素原子を含むアルキル基および/またはアシル基による非置換、一置換または二置換のアミノ基;−(CH2)0〜2−CO2R5基;または−(CH2)0〜2−OR5基を表し、
− R3は、水素原子;−CO2R5基;−SO2R5基;または、単環式もしくは多環式系を表し、各環は4員から10員の芳香族または非芳香族基で構成され、N、OまたはSから選択される1個から4個のヘテロ原子を含む前記環または前記環の少なくとも1つが、1つまたは複数のR0基によって置換されているか、または非置換であり、
− R4は、OH;(C1〜C8)−アルコキシ−;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキルオキシ;(C5〜C14)−アリールオキシ−;(C3〜C12)−シクロアルキルオキシ;(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C4)−アルキルオキシ−;(C1〜C8)−アルキルカルボニルオキシ−(C1〜C4)−アルキルオキシ−;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキルカルボニルオキシ−(C1〜C4)アルキルオキシ−;(C1〜C8)ジアルキルアミノカルボニルメチルオキシ−;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−ジアルキルアミノカルボニルメチルオキシ−;(C1〜C4)−アルキルおよび/または(C5〜C14)−アリールおよび/または(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−基および/または(C1〜C5)−アシル基によって非置換または一置換または二置換されたアミノ基;あるいはDまたはLアミノ酸の残部を表し、
− R5は、(C1〜C8)−アルキル;(C5〜C14)−アリール;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−;(C3〜C12)−シクロアルキルまたは(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−、ビシクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−、トリシクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−を表し、前記アリール、アルキル、シクロアルキル、ビシクロアルキルおよびトリシクロアルキル基は、1つまたは複数のR0基によって非置換であるか、または置換されており、
− R0は、ハロゲン;アミノ;ニトロ;ヒドロキシル、(C1〜C4)−アルキルオキシ−;(C1〜C4)−アルキルチオ−;(C1〜C4)−アルキルスルホニル−;カルボキシ;(C1〜C4)−アルキルオキシカルボニル−;1個または複数のハロゲン原子によって非置換であるか、または置換されている(C1〜C8)−アルキル、(C5〜C14)−アリール、(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−;(C5〜C14)−アリール−(C1−C4)−アルキルオキシ−または(C5〜C14)−ヘテロシクリルを表す;
または、
II)
− Rは次式の基を表し、
【化4】

ここで、Gは、以下の基
Het−NH−CO−、
Het−NH−CH2−、
Het−から選択され、
Hetは、単環式もしくは多環式系を表し、各環は4員から10員の芳香族または非芳香族基から構成され、前記環あるいは前記環の少なくとも1つが1個から4個の窒素原子を含んでおり、それ自体が1つまたは複数のR0基によって置換されているか、または非置換であり:
− R1は、直鎖または分枝鎖中に1個から4個の炭素原子を含んでいるアルキル基;3個から6個の炭素原子を含んでいるシクロアルキル基;または、そのアルキル部分が、直鎖もしくは分枝鎖中に1個から4個の炭素原子を含むアルキルオキシまたはアルキルチオ基を表し、
− R2、R3、R4およびR5は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R0は、I)においてすでに定義された通りである;
または、
III)
− Rは、II)においてすでに定義された通りであり、
− R1、R3、R4およびR5は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R2は、ヒドロキシメチル基、ホルミル基または二置換アミノ基を表し、その置換基がそれらが結合している窒素原子と一緒になって4員から6員の飽和または不飽和の複素環を形成しており、
− R0は、I)においてすでに定義された通りである;
または、
IV)
− Rは、II)においてすでに定義された通りであり、
− R1、R2、およびR4は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R3は、直鎖または分枝鎖(C1〜C4)アルキルまたは(C2〜C4)アルケニル基を表し、4員から10員のアリールまたは単環式もしくは多環式ヘテロシクリル基によって場合によっては置換されていてもよく、これら自体が、ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキルオキシ、アミノ、(C1〜C4)アルキルアミノ、(C1〜C4)−ジアルキルアミノ、フェニル、シアノフェニル、または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1個から4個のヘテロ原子を含む単環式ヘテロシクリルから選択される1つまたは複数の基によって置換されていることができ、
−COR'5基を表し、
−CO2R5基を表し、ここで、
R5は、(C1〜C8)−アルキル;(C5〜C14)−アリール;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキル−;(C3〜C12)−シクロアルキルまたは(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−、ビシクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−、トリシクロアルキル−(C1〜C4)−アルキル−を表し、前記アリール、アルキル、シクロアルキル、ビシクロアルキルおよびトリシクロアルキル基が、(C1〜C4)−アルキルスルホニル−;(C5〜C14)−アリール−(C1〜C4)−アルキルオキシ−または(C5〜C14)−ヘテロシクリルから選択される1つまたは複数のR0基によって非置換であるか、または置換されており、
−SO2R"5基を表し、
R'5は、R5に関して定義された基によってまたは(C5〜C14)アリールオキシ基によって置換された(C1〜C8)−アルキルを表し、前記アリールまたはシクロアルキル基自体が1つまたは複数のR0基によって置換されていることができ、または
R'5はシクロアルキル、アリールまたは単環式もしくは多環式ヘテロシクリル基を表し、トリフルオロメチルアルキルオキシまたは(C1〜C10)−アリール基によって場合によっては置換されていてもよく、または、
R'5は、(C1〜C4)アルキルアミノ;(C3〜C8)シクロアルキルアミノ;アリールアミノまたはヘテロシクリルアミノを表し、そのアリールまたはヘテロシクリル部分は単環式もしくは多環式であり、これらR'5基自体がハロゲン原子、ニトロ、アミノ、(C1〜C4)アルキルオキシ、(C1〜C4)アルキルオキシカルボニル、アリールまたはアリールアルキル基によって置換されていることができ、そのアルキル部分は、直鎖または分枝鎖中に1〜4個の炭素原子を含んでおり、
R"5は、(C1〜C4)アルキルアミノまたはジ(C1〜C4)アルキルアミノ基を表し、そのアルキル部分はそれらが結合している窒素原子と一緒になって5〜7員の複素環を形成することができ、アリールアミノ、アラルキル(C1〜C4)アミノまたはヘテロアラルキル(C1〜C4)アミノ基を表し、前記アリールまたはヘテロアリール基は5〜10員の単環式あるいは多環式であり、前記ヘテロアリール基は窒素、酸素または硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含むことができ、
− R0は、I)においてすでに定義された通りである;
または、
V)
− R、R2、R3およびR4は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R1は、II)においてすでに定義された通りである;
または、
VI)
− R、R1、R3およびR4は、II)においてすでに定義された通りであり、
− R2は、III)においてすでに定義された通りである;
または、
VII)
− R、R1およびR2は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R3は、IV)においてすでに定義された通りである;
または、
VIII)
− R、R1およびR2は、II)においてすでに定義された通りであり、
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R3はIV)においてすでに定義された通りである;
または、
IX)
− RおよびR3は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R1は、II)においてすでに定義された通りであり、
− R2は、III)においてすでに定義された通りである;
または、
X)
− RおよびR2は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R1は、II)においてすでに定義された通りであり、
− R3は、IV)においてすでに定義された通りである;
または、
XI)
− RおよびR1は、II)においてすでに定義された通りであり、
− R4は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R2は、III)においてすでに定義された通りであり、
− R3は、IV)においてすでに定義された通りである;
または、
XII)
− RおよびR4は、I)においてすでに定義された通りであり、
− R1は、II)においてすでに定義された通りであり、
− R2は、III)においてすでに定義された通りであり、
− R3は、IV)においてすでに定義された通りである;
上記の基が、同時に以下の意味を有することができないという条件付きである:
− Rは、(Ib)基を表し、ここで、Gは、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−7−イルであり、
− R1は、メチルを表し、
− R2は、メチルを表し、
− R3は、ベンジルオキシカルボニルを表し、
− R4は、OHまたはt.ブトキシを表す]
【請求項2】
Gが、Het、Het−NHCO−、またはHet−NH−CH2−基を表し、Hetが以下の複素環:
【化5】

を表す、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
R3が、ベンジルオキシカルボニル基であるか、またはR3NH−がアミドもしくは尿素官能基を形成する請求項1または2に記載の式(I)の化合物、ならびにこれらの立体異性体およびこれらの混合物およびこれらの薬剤として許容できる付加塩。
【請求項4】
R2が、水素、1個から4個の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシメチル基またはフッ素原子である請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、ならびにこれらの立体異性体およびこれらの混合物およびこれらの薬剤として許容できる付加塩。
【請求項5】
R2が、メチルまたはエチルである、請求項4に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
Gが、次式:
【化6】

を表す請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、ならびにこれらの立体異性体およびこれらの混合物およびこれらの薬剤として許容できる付加塩。
【請求項7】
a)下記式(II)のピリミジン誘導体(式中、R1、R2、RおよびHalは、すでに請求項1で定義された通りであり、Halはハロゲン原子を表す)を、
【化7】

下記式(III)のアミン(式中、R3およびR4はすでに定義された通りである)に、
【化8】

強塩基の存在下で作用させるか、またはパラジウムを用いた触媒反応により作用させ、
b)次いで、R基が飽和されているか部分的に飽和されている生成物を得ることを望む場合には、一般式(I)の生成物に、適切な場合、水素化工程を施し、
c)次いで、適切な場合、R2がヒドロキシルメチルである一般式(I)のピリミジン誘導体を得ることを望む場合には、R2がホルミル基を表す対応する誘導体を還元し、
d)および/または、適切な場合、Gが置換アミノ基を有するヘテロシクリル基を表す場合には、第一級アミン官能基をヘテロシクリル基上に有する対応する生成物を置換し、
e)次いで、適切な場合、遊離アミンを再生し、−CO2−R5,−CO−R'5,−SO2−R5または−SO2−R"5構造または場合によっては置換したアルキルのR3基を縮合するために、一般式(I)の生成物のR3−NH−官能基を切断し、
f)および/または、場合によっては、得られたピリミジン誘導体を、加水分解および/またはエステル化またはアミド化および/または塩化することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の調製方法。
【請求項8】
薬物としての、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および/またはこれらの生理学的に許容できる塩。
【請求項9】
純粋な状態、または1つまたは複数の賦形剤の存在下における、請求項8に記載の薬物を含む薬剤組成物。
【請求項10】
請求項8に記載の薬物として、ビトロネクチンレセプターに拮抗活性を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および/またはその生理学的に許容できる塩。
【請求項11】
請求項8に記載の薬物として、骨吸収に阻害活性を有するか、または骨粗鬆症の治療または予防のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および/またはその生理学的に許容できる塩。
【請求項12】
請求項8に記載の薬物として、腫瘍性増殖あるいは癌転移に阻害活性を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および/またはその生理学的に許容できる塩。
【請求項13】
請求項8に記載の薬物として、抗炎症活性を有するか、または心臓血管疾患、再狭窄、動脈硬化、ネフロパシーもしくは網膜症の治療または予防のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および/またはその生理学的に許容できる塩および/またはそのプロドラッグ。
【請求項14】
骨粗鬆症の予防または治療を意図した薬物の調製のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および/またはそれらの生理学的に許容できる塩の使用。
【請求項15】
腫瘍性増殖または癌転移の阻害を意図した薬物の調製のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および/またはそれらの生理学的に許容できる塩の使用。
【請求項16】
心臓血管疾患、再狭窄、動脈硬化、ネフロパシーまたは網膜症の予防または治療を意図した薬物の調製のための、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および/またはそれらの生理学的に許容できる塩の使用。

【公表番号】特表2007−538056(P2007−538056A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517331(P2007−517331)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001209
【国際公開番号】WO2005/123734
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(504039580)
【Fターム(参考)】