説明

ビル管理システム

【課題】監視対象機器の異常時、操作員の入退室情報に基づいて、自動的に警報出力先を選択して異常を知らせる。
【解決手段】監視室の出入口に設置され、従業員IDを含む当該監視室への入退室情報を取得し、出力する入退室管理装置1と、この入退室管理装置1からの入退室情報と監視操作の権限を有する少なくとも操作員IDとを比較して正規の操作員の入退室を判定するとともに、操作員が監視室内に在室か不在かを決定し、在室モード、不在モードの監視モードを出力する在室情報管理部12と、受け取った監視モードが在室モードであり、かつ、何れかの監視対象機器が異常であるとき、モニタ表示部16及び警報音出力部17のり何れか一方または両方から異常警報を出力し、前記監視モードが前記不在モードである場合には異常警報を出力しない入力判定部14とを備えたビル監視システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル施設内の電気、空調、衛生設備などの各種設備機器の動作状況を監視するビル監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルなどの大規模施設では、ビル施設内に散在する電気、空調、衛生設備などの各種設備機器の動作状態を、監視室などのモニタ画面に映し出して集中的に監視・制御するビル監視システムが設置され、ビル設備の管理の効率化を図っている。
【0003】
このようなビル監視システムでは、監視対象機器に異常が発生したとき、監視室のモニタ画面に警報を表示し、あるいは警報音を発生し、操作員に機器異常を知らせるのが一般的である。
【0004】
ところで、操作員は、ビルの監視室だけでなく、宿直室に待機したり、ビル施設内を巡回監視する場合があることから、予め監視室や宿直室に警報出力手段及び警報出力切替えスイッチを設け、監視室を不在にする際、手動にて警報出力切替えスイッチを操作し、行先に応じた警報出力手段に切替え、監視室から退出することが行われている。
【0005】
従来のもう1つのビル監視システムは、監視対象機器が異常となったとき、監視室内への操作員在室有無に関係なくに警報音を発生したり(特許文献1)、あるいは操作員の居そうな全ての場所に警報音を発生する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−314394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、前者のビル監視システムでは、操作員が監視室から入・退室する度に手動にて警報出力切替えスイッチを切替え操作する必要がある。そのため、入・退出する都度切替える手間が煩雑であったり、入・退室を頻繁に繰り返えすと切替え操作を忘れたりし、監視の役割を十分に果せないなどの問題がある。
【0008】
一方、後者のビル監視システムでは、監視対象機器の異常時に監視室、宿直室など特に区別することなく警報信号を送出する。すなわち、操作員の居そうな全ての場所や操作員の携帯電話に対して警報信号を送出する。
【0009】
その結果、操作員が何らかの作業中であったり、担当時間帯外の操作員の携帯端末から警報音を発生させることから、非常に煩わしいとか、操作員の精神的な負担が大きいなどの問題がある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、監視対象機器の異常時、操作員の入退室情報に基づいて、自動的に警報出力先を選択して異常を知らせるビル監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1) 上記課題を解決するために、ビル施設内に設置される監視対象機器の動作状態を監視する本発明に係るビル監視システムは、監視室内に設けられたモニタ表示部及び警報音出力部と、前記監視室の出入口に設置され、従業員IDを含む当該監視室への入退室情報を取得し、出力する入退室管理装置と、この入退室管理装置から送られてくる入退室情報と予め監視操作の権限を有する少なくとも操作員IDとを比較して正規の操作員の入退室を判定するとともに、現在操作員が前記監視室内に在室か不在かを決定し、在室モード、不在モードの監視モードを出力する在室情報管理部と、この在室情報管理部から受け取った監視モードが在室モードであり、かつ、前記何れかの監視対象機器が異常であるとき、前記モニタ表示部及び前記警報音出力部のり何れか一方または両方から異常警報を出力し、前記監視モードが前記不在モードである場合には異常警報を出力しない入力判定部とを備えた構成である。
【0012】
なお、入力判定部において前記監視モードが前記不在モードであると判定した場合、警備室あるいは当日勤務時間帯内の操作員が所持する携帯端末に異常警報を送出し、監視対象機器の異常を知らせる構成であってもよい。
【0013】
(2) また、本発明は、監視室内に設けられたモニタ表示部及び警報音出力部と、監視操作の権限を有する操作員の行動範囲内にある前記監視室、宿直室、警備室などの出入口にそれぞれ設置され、従業員IDを含む前記各室への入退室情報を取得し出力する複数の入退室管理装置と、各入退室管理装置から送られてくる入退室情報と前記監視操作の権限を有する少なくとも操作員IDとを比較して正規の操作員の有無及び正規の操作員である場合に何れの前記室の入室か退室かを判定するとともに、現在操作員が前記該当室内に在室か不在かを決定し、前記各室の在室モード、不在モードの監視モードを出力する在室情報管理部と、この在室情報管理部から受け取った各室の監視モードが在室モードであり、かつ、前記何れかの監視対象機器が異常であるとき、前記各室のモニタ表示部及び前記警報音出力部のり何れか一方または両方から異常警報を出力し、前記何れの室とも前記不在モードである場合には異常警報を巡回中の操作員の形態端末に送出する入力判定部とを備えた構成であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、監視対象機器の異常時、操作員の入退室情報から操作員の在室先を検索し、自動的に在室先を選択して機器異常を知らせることができるビル監視システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るビル監視システムの第1の実施形態を示す構成図。
【図2】図1に示す在室情報管理部の処理動作の概要を説明する図。
【図3】図1に示す入力判定部の処理動作の概要を説明する図。
【図4】本発明に係るビル監視システムの第2の実施形態を示す構成図。
【図5】本発明に係るビル監視システムの第3の実施形態を示す構成図。
【図6】本発明に係るビル監視システムの第4の実施形態を示す構成図。
【図7】図6に示す在室情報管理部の処理動作の概要を説明する図。
【図8】図6に示す入力判定部の処理動作の概要を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係るビル監視システムの第1の実施の形態を示す構成図である。
【0017】
監視室への人間の入退室を管理する入退室管理装置1と、各種の監視対象機器2a,…,2nと、ビル監視装置3とで構成される。
【0018】
入退室管理装置1は、少なくとも従業員氏名,従業員ID(従業員番号等)を記録する非接触IDカード等の記録媒体から従業員ID及び入退室種別(入室・退室)情報などの入退室情報を読み取ってビル監視装置3に送出する。
【0019】
監視対象機器2a,…,2nは、ビル施設内に設置される設備機器のうち、動作状態を監視しようとする全ての設備機器が相当するものであって、例えば電気、空調、衛生設備機器の他、例えば空調設備機器の中には例えば空調機器の動作状態(オン・オフ)だけでなく、室内外温度計、湿度計なども含むものである。これら監視対象機器2a,…,2nの動作ないし計測信号はビル監視装置3に供給される。
【0020】
ビル監視装置3は、ビル監視装置3の監視操作の権限を持つ操作員の情報(氏名・操作員ID)を記憶する操作員情報記憶部11と、入退室管理装置1から入力される入退室情報と操作員情報記憶部11の操作員情報とを照合し、正規の操作員である場合に監視室の電子錠などを解錠し、入退室を許可するとともに、その入退室した操作員を記録する在室情報管理部12と、運転制御部13と、入力判定部14とが設けられている。
【0021】
運転制御部13は、キーボード・マウスなどの入力部4から設定される運転スケジュールや設定データ記憶部15に記憶される各監視対象機器2a,…,2nの運転に関するオン・オフ、目標値(運転指令値)等の設定データのもとに、監視対象機器2a,…,2nの運転を制御し、かつ、各監視対象機器2a,…,2nの動作状態を監視し、その監視結果の情報を、モニタ表示部16の例えばプロセス計装モデルなどに表示する。また、運転制御部13は、設定データ記憶部15に設定される設定データ,例えば各監視対象機器2a,…,2nごとのオン・オフ、上下限許容値データと各監視対象機器2a,…,2nの動作状態データ、計測データとから異常の有無を判定し、異常有りの場合には入力判定部14に異常となった監視対象機器名及び異常信号を送出する異常診断機能を持っている。
【0022】
入力判定部14は、在室情報管理部12から入力される入退室情報に基づいて監視モードを自動的に切替えるとともに、運転制御部15から入力される特定の監視対象機器2aの異常信号を受けたとき、前記監視モードに従って異常警報を出力する機能を持っている。
【0023】
16aは入力判定部14から出力される異常警報出力である警報メッセージを表示するモニタ表示部16の一部の表示領域である警報表示部である。17は入力判定部14から出力される異常警報出力である警報音を鳴動するスピーカなどの警報音出力部である。
【0024】
次に、以上のように構成されたビル監視システムのうち、在室情報管理部12及び入力判定部14の動作について、図2及び図3を参照して説明する。
【0025】
(a) 在室情報管理部12の処理動作について(図2参照)。
【0026】
在室情報管理部12は、動作を開始すると、所定の周期ごとに入退室管理装置1から入退室情報を受信したか否かを判断し(S1)、受信したと判断した場合には入退室情報から入室か、退室かを判断する(S2,S3)。監視室への入室と判断したとき、入退室情報に含む従業員IDのもとに、操作員情報記憶部11に記憶される操作員の情報(氏名・操作員ID)を参照し、監視操作の権限を有する正規の操作員か否かを判断する(S4)。
【0027】
ここで、操作員でないと判断されたとき、ステップS1に戻って同様の処理を繰り返し実行する。
【0028】
一方、正規の操作員が入室したと判断した場合、在室人数カウンタ(図示せず)の在室人数に+1を加算するとともに(S5)、ビル監視装置3の監視モードを「在室モード」にセットし(S6)、在室モードである監視モードを入力判定部14に送信する(S7)。
【0029】
ところで、ステップS3において、入退室情報から退室と判断されたとき、当該入退室情報に含む従業員IDのもとに、前述と同様に操作員情報記憶部11に記憶される操作員情報を参照し、監視操作の権限を有する正規の操作員か否かを判断する(S8)。
【0030】
監視操作の権限を有する正規の操作員でなければ、ステップS1に戻って同様の処理を繰り返し実行する。
【0031】
また、監視操作の権限を有する操作員が退室したと判断した場合、前述した在室人数カウンタの在室人数に−1なる減算処理を実施した後(S9)、監視室内の在室人数が0か否かを判断する(S10)。ここで、監視室内の在室人数が0であれば、ビル監視装置3の監視モードとして「不在モード」にセットし(S11)、在室人数が0で無い場合にはビル監視装置3の監視モードとして「在室モード」にセットし(S12)、不在モードまたは在室モード等の監視モードを入力判定部14に送信する(S7)。
【0032】
(b) 入力判定部14の処理動作について(図3参照)。
【0033】
入力判定部14は、在室情報管理部12から監視モードを受信すると、その受け取った監視モードを図示しない記憶部に記憶した後(S21,S22)、各監視対象機器2a,…,2nの異常有無を判断する(S23)。
【0034】
なお、入力判定部14は、前述したように運転制御部13の異常診断機能から各監視対象機器2a,…,2nの異常有無の信号を取得するようにしたが、例えば図1に点線で示すように設定データ記憶部15から各監視対象機器2a,…,2nに関する設定データを取り込むようにすれば、当該各監視対象機器2a,…,2nに関する設定データと各監視対象機器2a,…,2nの動作状態データ、計測データとを比較し、各監視対象機器2a,…,2nにおける異常有無を判定できる。すなわち、入力判定部14自身で各監視対象機器2a,…,2nの異常有無を判定できる。
【0035】
そこで、入力判定部14は、特定の監視対象機器例えば2aが異常であり(S23)、かつ、在室情報管理部12から送られてきた監視モードが在室モードであれば(S24)、異常警報の鳴動指令を警報音出力部17に送信し、監視室内に警報音を発生し(S25)、また特定の監視対象機器2aが異常であることを表す警報メッセージを警報表示部16aに表示するか、あるいは監視モニタ表示部16に表示されるプロセス計装モデルの監視対象機器2a相当部分を点滅あるいは色替えにより、異常警報を表示する(S26)。
【0036】
一方、ステップS24において、監視モード情報が不在室モードであれば、警報音出力部17からの警報の発生(S25)及び警報表示部16aからの異常表示(S26)を実施しない。
【0037】
すなわち、在室情報管理部12は、入退室管理装置1から受け取る入退室情報から監視操作の権限を有する操作員の入退室を見つけ出して入力判定部14に送出する。入力判定部14は、監視対象機器に異常が発生したとき、操作員が監視室内に在室中は異常警報を発生し、また異常警報表示を行うが、不在モードの場合には監視室内に異常警報や異常警報を発生,表示しない。
【0038】
従って、以上のような実施の形態によれば、入退室管理装置1から受け取る入退室情報から自動的に監視室内への操作員の在室または不在を判断し、正規の操作員が在室している場合に限り、警報を出力するので、監視室内へのセキュリティの確保とともに、手動操作を必要とせずに操作員の在室状況を判断し、監視対象機器の異常を知らせることができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
図4は本発明に係るビル監視システムの第2の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一または等価な部分には同一符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0040】
この実施の形態において、特に異なるところは、ビル監視装置3内に通信制御部21を設けるとともに、通信制御部21と警備室5とを専用通信ライン22で接続する。
【0041】
通常、警備室5は、人の出入りを含むビル全体を警備することを任務とすることから、常に警備員が常駐し、操作員が監視室に不在であっても、警備室5には警備員が在室している。
【0042】
そこで、本発明に係るビル監視システムにおいては、警備室5に外部モニタ表示部5a及び外部警報音出力部5bのうち、少なくとも外部警報音出力部5bを備え、何時でもビル監視装置3内の通信制御部21と通信できる構成を確立しておく。
【0043】
その結果、ビル監視システムの入力判定部14では、何れかの監視対象機器が異常であり、かつ、在室情報管理部12から受け取った監視モードから監視室が不在モードであると判断したとき、特定の監視対象機器例えば2aが異常であるとする異常警報信号を通信制御部21及び専用通信ライン22を介して警備室5に送信する。
【0044】
警備室5では、通信制御部21から送られてくる監視対象機器2aの異常警報信号に基づき、外部モニタ表示部5a及び外部警報音出力部5bの何れか1つから異常警報を表示し、あるいは異常警報を出力する。
【0045】
従って、以上のような実施の形態によれば、監視室への操作員の不在を条件とし、ビル監視装置3内から警備室5に異常警報を送出するので、警備員は、その異常警報に基づき、監視室内に操作員が不在であることを確認でき、異常となった監視対象機器2aへの何らかの異常処置あるいは当日当直の操作員の携帯端末に向けて異常状況を早急に知らせることができる。
【0046】
(第3の実施の形態)
図5は本発明に係るビル監視システムの第3の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一または等価な部分には同一符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0047】
この実施の形態は、ビル監視装置3内に操作者当直テーブル22を設け、入力部4から当該操作者当直テーブル22に予め各日(当日)ごとの監視担当となる操作員氏名,操作員ID,操作作業時間帯,携帯番号を登録しておく。
【0048】
そこで、入力判定部14は、第2の実施の形態と同様に、何れかの監視対象機器が異常であり、かつ、在室情報管理部12から受け取った監視モード情報から不在モードと判断したとき、予め操作者当直テーブル22に登録される当日の当直操作員のうち、現在、監視作業時間帯内に勤務中である操作員を見つけ出し、当該操作員の携帯番号により通信制御部23を通して操作員が所持する携帯端末6にアクセスする。ここで、通信制御部23と当該操作員の携帯端末6との間で通話路が形成された段階で異常警報信号を送出し、特定の監視対象機器が異常であることを知らせる。
【0049】
従って、以上のような実施の形態によれば、監視室に操作員が不在であっても、監視対象機器の異常時に監視作業時間帯に勤務中の操作員の携帯端末6に異常警報信号を送出するので、異常となった監視対象機器への適切な処置を早急に講じることができる。
【0050】
(第4の実施の形態)
図6は本発明に係るビル監視システムの第4の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一または等価な部分には同一符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0051】
この実施の形態は、予めビル監視装置3の操作員の行動範囲に応じて、例えば監視室、宿直室、警備室等にそれぞれ入退室監視装置1A,…,1Nを設置し、各入退室管理装置1A,…,1Nから入力される入退室部屋情報、従業員ID、入退室種別などの入退室情報をビル監視装置3の在室情報管理部12に送信する。
【0052】
在室情報管理部12は、各入退室監視装置1A,…,1Nから入力される入退室情報の中の従業員IDと操作員情報記憶部11の操作員情報とを照合し、正規な操作員であれば、何れの入退室監視装置1A,…,1Nの入退室部屋情報に応じて、監視室の「在室モード」、「宿直モード」、何れにも属しない「巡回モード」等の監視モードかを判定する。すなわち、「在室モード」、「宿直モード」、「巡回モード」ごとにONまたはOFFの何れかの状態を保持し、入力判定部14に送出する。
【0053】
入力判定部14は、在室情報管理部12から送られてくる監視モードに従って自動的に切替えるとともに、運転制御部15から入力される特定の監視対象機器例えば2aの異常信号を受けたとき、あるいは第1の実施の形態で説明したように自身で監視対象機器2a,…の異常を検知したとき、前記監視モードに従って異常警報を出力する。
【0054】
6は操作員が所持する携帯端末、8は例えば宿直室,警備室に設けられたスピーカなどの外部警報音出力部である。
【0055】
次に、以上のように構成されたビル監視システムの在室情報管理部12及び入力判定部14の動作について、図7及び図8を参照して説明する。
【0056】
(a) 在室情報管理部12の処理動作について(図7参照)。
【0057】
在室情報管理部12は、動作を開始すると、所定の周期ごとに入退室管理装置1A,…,1Nから入退室情報を受信したか否かを判断し(S31)、入退室情報を受信したと判断したときには当該入退室情報に含む入退室部屋情報、従業員ID、入退室種別のもとに、操作員情報記憶部11に格納される操作員の情報(氏名・操作員ID)を参照し、監視操作の権限を有する正規の操作員の入退室か否かを判断する(S32)。ここで、入退室したのが正規の操作員でなければ、ステップS31に戻る。
【0058】
ステップS32において、正規の操作員の入退室と判断したとき、入退室部屋情報から監視室への入退室か否かを判断する(S33,S34)。ここで、監視室への入室と判断したとき、在室人数カウンタ(図示せず)の在室人数に+1を加算するとともに(S35)、ビル監視装置3の「在室モード」をONに設定する(S36)。
【0059】
一方、監視室への退室と判断したとき、在室人数カウンタ(図示せず)の在室人数に−1を減算した後(S37)、監視室内の在室人数が0か否かを判断する(S38)。ここで、監視室内の在室人数が0でなければステップS36に移行し、監視室内の在室人数が0であれば、ビル監視装置3の「在室モード」をOFFに設定する(S39)。
【0060】
また、ステップS33,S34から監視室への入退室でないと判断されたとき、入退室部屋情報から宿直室への入退室か否かを判断する(S40,S41)。
【0061】
ここで、宿直室への入室と判断したとき、宿直人数カウンタ(図示せず)の宿直人数に+1を加算するとともに(S42)、「宿直モード」をONに設定する(S43)。
【0062】
一方、宿直室への退室と判断したとき、宿直人数カウンタ(図示せず)の宿直人数に−1を減算した後(S44)、宿直室内の在室人数が0か否かを判断する(S45)。ここで、宿直室内の宿直人数が0でなければステップS43に移行し、宿直室内の在室人数が0であれば、「宿直モード」をOFFに設定する(S46)。
【0063】
しかる後、前述したようにステップS36で在室モードをONと設定したとき、ステップS43で宿直モードをONと設定したとき、これら在室モードまたは宿直モードの監視モードを入力判定部14に送信する(S47)。
【0064】
また、在室モード及び宿直モードが共にOFFのとき、操作員が監視室や宿直室から退室し、巡回中であると判断し(S48)、巡回モードをONと設定した後(S49)、当該巡回モードからなる監視モードを入力判定部14に送信する(S47)。
【0065】
(b) 入力判定部14の処理動作について(図8参照)。
【0066】
入力判定部14は、在室情報管理部12から監視モードを受信すると、その受け取った監視モードを図示しない記憶部に記憶した後(S51,S52)、各監視対象機器2a,…,2nの異常有無を判断する(S53)。
【0067】
ここで、特定の監視対象機器例えば2aが異常であると判断すると、在室情報管理部12から送られてきた監視モードから監視室への在室モードか,宿直室への宿直モードか、あるいは巡回モードかを判定する(S54〜S56)。
【0068】
ステップS54にて在室モードと判定したときには、異常警報の鳴動指令を警報音出力部17に送信し(S57)、監視室内に異常警報音を発生し、また特定の監視対象機器2aが異常であることを表す警報メッセージを警報表示部16aに送信し(S58)、あるいは監視モニタ表示部16に表示されるプロセス計装モデルの監視対象機器2a相当部分を点滅あるいは色替えにより、異常警報を表示する。
【0069】
また、ステップS55にて宿直モードと判定したときには、異常警報の鳴動指令を宿直室に設置された外部警報音出力部8に送信し(S59)、宿直室内に異常警報音を発生する。また、巡回モードであると判定したとき、巡回中の操作員が所持する携帯端末6をアクセスし、異常警報の鳴動指令を送出する(S60)。
【0070】
この第4の実施の形態によれば、監視対象機器の異常時に操作員の行動範囲となる監視室、宿直室、警備室等にそれぞれ設置される入退室監視装置1A,…,1Nの入退室情報に基づき、何れの室または巡回中か,つまり警報出力先を自動的に判定し、操作員に異常を知らせるので、確実のビル設備の異常警報を伝達することができる。
【0071】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【符号の説明】
【0072】
1、1A〜1N…入退室管理装置、2a,…,2n…監視対象機器、3…ビル監視装置、4…入力部、5…警備室、6…携帯端末、5b,8…外部警報音出力部、11…操作員情報記憶部、12…在室情報管理部、13…運転制御部、14…入力判定部、15…設定データ記憶部、16…モニタ表示部、16a…警報表示部、17…警報音出力部、21,23…通信制御部、22…操作者当直テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビル施設内に設置される監視対象機器の動作状態を監視するビル監視システムにおいて、
監視室内に設けられたモニタ表示部及び警報音出力部と、
前記監視室の出入口に設置され、従業員IDを含む当該監視室への入退室情報を取得し、出力する入退室管理装置と、
この入退室管理装置から送られてくる入退室情報と予め監視操作の権限を有する少なくとも操作員IDとを比較して正規の操作員の入退室を判定するとともに、現在操作員が前記監視室内に在室か不在かを決定し、在室モード、不在モードの監視モードを出力する在室情報管理部と、
この在室情報管理部から受け取った監視モードが在室モードであり、かつ、前記何れかの監視対象機器が異常であるとき、前記モニタ表示部及び前記警報音出力部のり何れか一方または両方から異常警報を出力し、前記監視モードが前記不在モードである場合には異常警報を出力しない入力判定部と
を備えたことを特徴とするビル監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載のビル監視システムにおいて、
外部モニタ表示部及び外部警報音出力部のうち、少なくとも当該外部警報音出力部を備えた警備室を設け、
前記入力判定部は、前記在室情報管理部から受け取った監視モードが不在モードであり、かつ、前記何れかの監視対象機器が異常であるとき、異常警報を前記監視室内に出力することなく前記警備室に送信し、少なくとも前記外部警報音出力部から出力することを特徴とするビル監視システム。
【請求項3】
請求項1に記載のビル監視システムにおいて、
予め監視担当する操作員氏名、操作員ID、監視作業時間帯、電話番号を記憶する操作者当直テーブルが設けられ、
前記入力判定部は、前記在室情報管理部から受け取った監視モードが不在モードであり、かつ、前記何れかの監視対象機器が異常であるとき、前記操作者当直テーブルから現在時間に監視作業時間帯に入っている操作員を検索し、当該操作員に対応付けられた電話番号に基づいて当該操作員が所持する携帯端末に異常警報を送出することを特徴とするビル監視システム。
【請求項4】
ビル施設内に設置される監視対象機器の動作状態を監視するビル監視システムにおいて、
監視室内に設けられたモニタ表示部及び警報音出力部と、
監視操作の権限を有する操作員の行動範囲内にある前記監視室、宿直室、警備室などの出入口にそれぞれ設置され、従業員IDを含む前記各室への入退室情報を取得し出力する複数の入退室管理装置と、
各入退室管理装置から送られてくる入退室情報と前記監視操作の権限を有する少なくとも操作員IDとを比較して正規の操作員の有無及び正規の操作員である場合に何れの前記室の入室か退室かを判定するとともに、現在操作員が前記該当室内に在室か不在かを決定し、前記各室の在室モード、不在モードの監視モードを出力する在室情報管理部と、
この在室情報管理部から受け取った各室の監視モードが在室モードであり、かつ、前記何れかの監視対象機器が異常であるとき、前記各室のモニタ表示部及び前記警報音出力部のり何れか一方または両方から異常警報を出力し、前記何れの室とも前記不在モードである場合には異常警報を巡回中の操作員の形態端末に送出する入力判定部と
を備えたことを特徴とするビル監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−198344(P2010−198344A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42702(P2009−42702)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】