説明

ビーコンパケットを用いるデジタルビデオ同期方法および装置

ここに開示した発明は、タイムスタンプを含むデジタルパケットを受信するように構成された放送レシーバを利用する。セットトップボックスにおいて、タイムスタンプを検出すると、データ受信レートをヘッドエンドと同期させるために調整できるよう、そのタイムスタンプと最後のタイムスタンプ間の時間差を決定するために時間基準が比較される。セットトップボックスはワイヤレスアクセスポイントを介してその差をさらに通信する。そのワイヤレスアクセスポイントは、その内部タイミングビーコンを送信するのに加えて、時間基準を調整できるように、その時間差をベーシックサービスセットにも送信する。ワイヤレスアクセスポイントビーコンのレートの変化と、ワイヤレスステーションVCXOへの影響により、ビデオデータが消費されるレートに対応する効果を有し、バッファがアンダーフローまたはオーバーフローするリスクを小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーコンパケットを用いるデジタルビデオ同期方法および装置に関し、特に、IEEE802.11またはそれから派生した規格に従って動作するワイヤレスアクセスポイントとワイヤレスステーションの間の通信に利用されるビーコンパケットの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年1月9日に出願した米国仮出願第60/439,092号の利益を主張するものである。
【0003】
本発明の背景となっているのは、米国電子技術者協会(IEEE)のワーキンググループにより開発されたワイヤレスローカルエリアネットワークまたはWLANの仕様ファミリーである。IEEE802.11規格には、従来のWLANアクセスポイントが規定されている。これらのWLANアクセスポイントはモバイルデバイスにWLANその他のネットワークへのアクセスを提供する。その他のネットワークには、例えば、ハードワイヤードのローカルエリアネットワークおよびインターネット等のグローバルネットワークがある。このようなアクセスポイントは、限定受信放送で利用されているように、セットトップボックスから入力を受けてもよい。
【0004】
図1は、本発明の実施に好適なデジタルビデオおよびオーディオシステムの一例を示している。ヘッドエンドにおいて、複数のビデオおよびオーディオコンテントストリームが(典型的にはMPEG−2規格に従った)デジタルフォーマットに変換され、衛星を介して送信され、パラボラアンテナその他の好適な手段で受信される。このパラボラアンテナその他の好適な手段は、ケーブルセットトップボックスと呼ばれる放送レシーバや、トランシーバ/マルチプレクサ/デマルチプレクサまたはTMD等であるその他の好適な手段に取り付けられている。米国特許第6,510,519号には、ヘッドエンドとセットトップボックスを利用した代表的なシステムが記載されている。そのセットトップボックスには、チューナ、デモジュレータ、デコーダ、トランスポートデマルチプレクサ、マイクロプロセッサ、プログラムメモリ、ビデオピクチャメモリ、MPEGビデオデコーダ、ディスプレイ、スマートカードが含まれる。ほとんどのデジタル放送システムデータストリームはセキュリティを目的として符号化またはスクランブルされる。一旦復号すると、システムは、一般的にはMPEG−2規格に従って、メモリ内でビデオコンポジットピクチャを構成し、所望のピクチャをオーディオコンポーネントとともにモニターに表示する。プログラムをスクランブルするのに加えて、一般には、さらに認証が備えられており、特定のレシーバがプログラムを受信できるようになっている。
【0005】
さらに図1に示したように、放送レシーバ、TMD、またはセットトップボックス(以下、セットトップボックスと総称する)はワイヤレスアクセスポイントと通信するように設計および構成されている。ワイヤレスアクセスポイントは、図示した例では、デマルチプレックスされた出力を受信する。そのデマルチプレックスされた出力は、ビデオおよびオーディオコンテントの送信を同期させるためのタイミング信号を含む。
【0006】
IEEE802.11規格では、WLANアーキテクチャが規定されている。このWLANアーキテクチャは、基本的なビルディングブロックと見なされるベーシックサービスセットまたはBSSという考え方に基づいて構築されている。BSSは、相互に通信する任意数のアクセスポイントステーションのグループにより構成される。独立した各BSSにおいては、モバイルステーションは相互に直接的に通信する。インフラストラクチャBSSにおいては、BSS中のステーションはすべてアクセスポイントと通信し、アクセスポイントによりすべてのフレームがステーション間をリレーされ、もはや独立したBSSと直接的には通信しない。ここに提案する発明はインフラストラクチャBSSにおいて使用してもよい。
【0007】
ワイヤレスアクセスポイントとのワイヤレス接続を介してネットワーク中で効率的に通信するため、特にディスプレイに提示したビデオが止まったりジャンプしたりすることを避けるため、WLAN中の様々なデバイスは同期していなければならない。プログラムコンテントは一般にフォワードおよびストアバッファに格納され、クロック信号が来るのを待つ。クロック信号が来ると、そのプログラムコンテントはオーディオおよびビデオディスプレイのサブシステムに送られる。デジタルプログラムコンテントは一般的にはコンポジットビデオ信号であり、そのソースが送り先のバッファがカラになる前にデジタルコンテント信号を送信しビデオを提示したとき、送り先のフォワードおよびストアバッファはオーバーフローしてしまい、ビデオデータが失われてしまう。逆に、デジタルビデオの送り先のストアおよびフォワードバッファが、次のデータを受信する前にカラになると、また、デジタルビデオソースをリードすると、送り先のバッファがアンダーフローして、ビデオプレゼンテーション中に停止またはフリーズしてしまう。データが生成されるレートに対して、それが送信、格納、消費されるレートを同期することにより、好ましくない結果を削減または無くすことができる。ワイヤレスシステムにおいて同調同期を向上する方法と装置を提供することが望まれている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、セットトップボックスを越えて、ビデオデータの最終目的地であるワイヤレスステーションへのワイヤレスアクセスポイントを介したタイミング同期のための装置および方法を提供する。IEEE802.11規格は、ビーコンパケットとして知られる同期機能を提供する。このパケットは、ワイヤレスアクセスポイントをそれが管理する受信ステーションと同期させる。ワイヤレスアクセスポイントのメディアアクセスコントロール(一般に、MACチップまたはサブシステムと呼ばれる)への入力として、セットトップボックスの電圧制御水晶オシレータ(VCXO)クロック出力を用いることにより、ビーコンパケットのタイミング情報を調整し、セットトップボックスですでに検出されたバリエーションを付加的に補償することができる。このビーコンパケットは、アクセスポイントによりそのベーシックサービスセット(またはBSS)内のすべてのワイヤレスステーションに送信される。
【0009】
ワイヤレスステーションのCPUは、このビーコン情報を用いて、ローカルVCXOを制御して、そのMACチップがワイヤレスリンクからのデータを消費するレートを調整することができる。ワイヤレスステーションのレートを調整することにより、ヘッドエンドでビデオデータが生成されるレートにその時間基準をマッチさせることができ、バッファがアンダーフロー/オーバーフローするリスクを低くすることができる。その結果、ビデオストリームはよりスムースになり、停止やスキップのリスクが低下する。
【0010】
ここに開示する発明はレシーバ・トランスミッタシステムを含み、該レシーバ/トランスミッタシステムは、ビデオ送信の時間を示すタイムスタンプを受信する手段と、前記タイムスタンプとその前のタイムスタンプの間の相対的時間差を決定する手段と、送信の1つの特徴として時間基準を有するトランスミッタに前記相対的時間差を通信する手段と、前記相対的時間差に従って前記時間基準を前記トランスミッタが調整する手段とを有する。該レシーバ・トランスミッタシステムの前記トランスミッタは前記相対的時間差に従って調整された時間基準を1以上のレシーバに通信する。最終的に、前記1以上のレシーバは、前記相対的時間差に従って時間基準を調整する。
【0011】
本発明は、ヘッドエンドからのAUXと呼ばれるデジタルパケットを受信するように構成されたセットトップボックスを利用する。そのデジタルパケットは、システムクロックリファレンス(またはSCR)と呼ばれる、定期的にビデオストリームに挿入された、正確なタイムスタンプを含む。セットトップボックスでAUXパケットが検出されるのと同時に、ローカルVCXOクロックがラッチされる。現在とその前のAUXパケットのSCRの間の時間差を、現在とその前のローカルクロックにラッチされた値の時間差と比較することにより、VCXOを調整して、データレートをヘッドエンドと同期させることができる。ここに開示する発明は、方法であって、タイムスタンプと前のタイムスタンプの間の相対的時間差を決定するステップと、送信の1つの特徴として時間基準を有するワイヤレスアクセスポイントトランスミッタに前記相対的時間差を通信するステップと、セットトップボックスから受信した前記相対的時間差により前記時間基準を調整するステップと、1以上のワイヤレスステーションレシーバに前記調整を送信するステップとを有し、前記1以上のワイヤレスステーションレシーバの各々は前記相対的時間差により前記時間基準を調整する。ワイヤレスアクセスポイントビーコンのレートにおけるこれらの変化と、そのような変化によるワイヤレスステーションVCXOへの影響により、ビデオデータが消費されるレートが対応する影響を受け、バッファがアンダーフロー/オーバーフローするリスクが低くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に説明する図面において、回路、それに関連するブロック、および矢印は、本発明によるプロセスの機能を表す。本発明のプロセスは、電子回路および電気信号を送る配線またはデータバス、および/またはソフトウェアモジュールとして実施できる。あるいは、本発明の方法または装置がデジタルプロセスとして実施されるとき、1以上の関連する矢印がソフトウェアモジュール間の通信(例えば、データフロー)を表すこともある。
【0013】
図1に示した構成は、サービスプロバイダ100のシステムの概略を提供するものである。サービスプロバイダ100のシステムは、例えば、デジタルテレビジョン規格によりテレビジョンプログラミング等のビデオプログラミングを供給する。放送システムデータストリームはすべて、ビデオ、オーディオ、タイミング情報を含み、セキュリティを目的として符号化またはスクランブルされており、権限を有する加入者だけが送信されたプログラムを見ることができる。
【0014】
加入者ベースのデジタル放送システムにおいて、カスタマーはコンポジットビデオ信号とオーディオ情報に加えて、エンタイトルメント制御メッセージ等の様々な管理および制御メッセージを受信する。エンタイトルメント制御メッセージには、デジタルビデオおよびオーディオデータの解読と組み立てを可能とするために、デスクランブリング鍵を復号するために必要な暗号化された制御ワードを解読するために必要なエクスプロイテーション鍵を含んでいる。一旦解読されれば、システムは、一般的にはMPEG−2規格に従って、メモリ内でビデオコンポジットピクチャを組み立て、所望のピクチャをディスプレイに表示する。
【0015】
図1によると、ヘッドエンド110は、限定受信カスタマーへのテレビサービスのために、エンコーダ112でビデオおよびオーディオコンテント116をデジタル的にフォーマットし、モジュレータ114で変調して、衛星104を介してトランスミッタ102から受信側のパラボラアンテナ106に送信する。
【0016】
受信側は、一般的には、受信パラボラアンテナ106に接続されたデジタルセットトップボックス120である。セットトップボックスはデモジュレータ122を含み、そのデモジュレータ122は、コンポジットビデオおよびオーディオ情報、様々な管理および制御メッセージを復調し、復調した信号を中央処理装置またはCPU/デマルチプレクサ126に出力する。CPU/デマルチプレクサ126は、パケットを選択的に様々な制御、データおよびステータスサブシステムに経路付けすることにより多数のパケット化されたストリームを処理する。例えば、典型的には、選択されたパケット化されたビデオおよびオーディオストリームがデコーダ128に送られ、テレビジョン150aへの出力に好適なフォーマットである例えばNTSC、PAL、SECAM等に変換される。
【0017】
VCXO124は、CPU/デマルチプレクサ126にクロックを提供する時間基準を同期する。CPU/デマルチプレクサ126は、ヘッドエンド110のビデオソースとセットトップボックス120の間の時間基準を様々なタイミングで調整する。ヘッドエンドでは、正確なタイムスタンプ118を含むデジタルパケットが、送信108される前にコンテント116に定期的に挿入される。これらのタイムスタンプはシステムクロックリファレンス(SCR)と呼ばれる。
【0018】
本発明は、IEEE802.11準拠アーキテクチャにビデオおよびオーディオデータストリームを提供するコンポーネントを利用する放送システム100を対象にする。そのIEEE802.11準拠アーキテクチャは、ワイヤレスアクセスポイント130と1以上のワイヤレスステーション140を利用した送信160により示されたワイヤレスローカルエリアアクセスデバイスである。上記のIEEE802.11準拠システムはいくつかのコンポーネントを有しており、各システムはメディアアクセスコントロールまたはMAC134、142とベースバンドプロセスまたはBBP132、143を含む。このBBP132、143は、パケットがノイズによって壊れてないかどうか検証し、可能であれば修理するためのフォワードエラーコレクションまたはFECを少なくとも担当する。ステーションのモビリティを提供するサービスだけでなく、BBP132、143およびラジオレシーバ/トランスミッタ138、140も、ネットワークスタックの上位レイヤーには透過的である。しかし、ステーションは、IEEE802.11のプロトコルの機能であるMACと物理レイヤーまたはPHYを含み、ワイヤレスステーション140等のワイヤレスメディアに接続しているデバイスであれば、いかなるものでもよい。一般に、IEEE802.11の機能は、ネットワークインターフェイスカード(図示せず)のハードウェアおよびソフトウェアで実施される。一例として、ワイヤレスステーション130は、ワイヤレスステーション140等であるその他のワイヤレスメディアに接続している。
【0019】
ワイヤレス準拠デバイスはワイヤレスステーション140を代表するものであってもよい。ワイヤレスステーション140は、例えば、ラップトップパーソナルコンピュータやハンドヘルドデバイス等である。あるいは、ワイヤレス準拠デバイスは、ワイヤレスステーション140等のワイヤレスステーションを管理するアクセスポイント130を代表するものでもよい。それゆえ、ステーションは、モバイルでも、ポータブルでも、据え置き型でもよく、IEEE802.11準拠であるステーションはすべて、認証、非認証(de−authentication)、プライバシー、データ配信等のサービスを提供する。
【0020】
本発明は、セットトップボックスを越えて、ワイヤレスアクセスポイント130を介してワイヤレスステーション140に、タイミング同期装置および方法を提供する。ワイヤレスステーション140は、ビデオデータの目的地であり、デコーダ147で復号され、デバイス150(b)に表示される。IEEE802.11規格には、ビーコンパケットと呼ばれる同期機能が組み込まれている。このパケットを用いて、ワイヤレスアクセスポイント130データストリームをワイヤレスステーション140等の1以上の管理しているステーションと同期させる。ワイヤレスアクセスコントロール130入力としてセットトップボックス120のVCXO124クロック出力を使用することにより、ワイヤレスアクセスポイント130のMACチップ134として示したように、ビーコンパケットのタイミング情報を調整して、セットトップボックス120ですでに検出したバリエーションを追加的に補償することができる。このビーコンパケットはワイヤレスアクセスポイント130のラジオトランスミッタ138を介して、ベーシックサービスセット内のワイヤレスステーション140や対応するラジオレシーバ148等である受信可能なように構成されたワイヤレスステーションすべてに送信される。
【0021】
ワイヤレスステーション140のCPU146は、そのMACチップ142がワイヤレスリンク160からデータを消費するレートを調整するために、このビーコン情報を用いて、ローカルVCXO144を制御することができる。セットトップボックス120により決定された相対的時間差によりビーコン情報を調整することにより、ワイヤレスステーション140は、その時間基準を、ヘッドエンドでビデオデータが生成されるレートと合わせることができ、それによりバッファアンダーフロー/オーバーフローのリスクを削減することができる。その結果、ビデオはスムースになり、停止やスキップのリスクを減らすことができる。
【0022】
図1と2を参照して、ここに開示した発明は、1以上のデバイス220、230を含む。各デバイスは、ビデオ送信の時間を示すタイムスタンプを受信する手段、時間t=tにおけるタイムスタンプ118と時間t=t−1における前のタイムスタンプ118の間の相対的時間差を決定する手段224、226と、送信の一機能として時間基準を有するトランスミッタ230にその相対的時間差を通信する手段224とを有する。トランスミッタ230は、相対的時間差に従って受信した時間基準を調整する手段を含む。トランスミッタ230は、相対的時間差により調整した時間基準を、1以上のレシーバ240(1)、240(2)、から240(n)にさらに通信する。最終的に、1以上のレシーバは、送信されたプログラム208の送信レートとデータレートを同期するために、相対的時間差により各対応する時間基準を調整する。
【0023】
図2を参照して、ここで開示した発明はレシーバ220を含む。そのレシーバ220は、送信プログラム208を受信する手段と、送信された時間基準を受信する手段224、226、現在とその前のAUXパケットのSCR間の時間差を、現在とその前のローカルクロック224にラッチされた値の間の時間差と比較する手段と、時間基準225を調整してデータレートを送信されたプログラム208に同期させる手段と、データレートを送信されたプログラム208と同期させるために調整された時間基準225を手段230に通信する手段とを有する。
【0024】
図2を再度参照して、ここに開示した発明はレシーバ230を含む。そのレシーバ230は、調整された時間基準225を受信し、データレートを送信されたプログラム208と同期させる手段と、データレートを送信されたプログラム208と同期させるため、調整された時間基準225を1以上の受信手段240(1)、240(2)、から240(n)に通信する手段とを有する。
【0025】
本発明の方法は、図2と3aを参照して最もよく理解できる。セットトップボックス220は、ビデオストリームに定期的に挿入された(312)AUXと呼ばれる送信プログラム208に組み込まれたデジタルパケットを受信する。前にスタートした(310)ローカルVCXO224カウンターは、セットトップボックス220にAUXパケットが検出された(314)ちょうどその時にラッチされる(316)。現在とその前のAUXパケットのSCRの間の時間差を、現在とその前のVCXO224ローカルクロックにラッチされた時間差と比較することにより、VCXO224時間基準への調整により送信されたプログラム208の送信レートを同期させる信号225が生成される。
【0026】
図3aと3bを参照して、ここに開示した発明は、1つのタイムスタンプとその前のタイムスタンプの間の相対的な時間差を決定するステップ(318)と、送信の一機能として時間基準を有するワイヤレスアクセスポイントトランスミッタにその相対的時間差を通信するステップ(330)と、1以上のワイヤレスステーションレシーバに相対的時間差を送信するステップ(333)とを有し、1以上のワイヤレスステーションレシーバの各々はその相対的時間差により時間基準を調整する。
【0027】
図3aと3bを再度参照して、ここに開示した発明は、現在と以前のAUX SCRの間の相対的時間差を現在とその前のローカルVCXOクロック318にラッチされた値と決定するステップと、VCXOのクロックを調整してセットトップのデータレートをヘッドエンド320に同期させるステップと、調整されたVCXOをBSS MACチップ330に出力するステップと、調整されたVCXOクロック332に従ってビーコンパケットを調整するステップと、BSS333のワイヤレスステーションに調整されたビーコンパケットを送信するステップと、調整されたビーコンを利用してローカルVCXOレート334のレートを調整するステップとを含む。従ってこの方法を用いることにより、1以上のワイヤレスステーションレシーバの各々は相対的時間差により時間基準を調整することができる。
【0028】
ワイヤレスアクセスポイントビーコンのレートの変化とワイヤレスステーションVCXOへの影響により、ビデオデータが消費されるレートに対応する影響があり、それによりバッファアンダーフロー/オーバーフローのリスクが減少する。
【0029】
当然のことながら、以上説明したのは本発明の好ましい実施形態である。機能(functions)および各部品の構成は様々に変更してもよい。均等な手段を用いて例示し説明した機能・部品を置換してもよい。請求の範囲に記載したように、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、いくつかの機能(features)を他のものと独立に使用してもよい。例えば、IEEE802.11ベースのWLANに基づいて本発明を説明したが、当然のことながら、同期を維持しなければならない他のワイヤレスLAN規格に基づく構造に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下の添付した図面を参照して本発明を詳細に説明した。
【図1】限定受信方式を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による、調整された時間ベースを確保する方法を説明するためのブロック図である。
【図3a】調整された時間基準を確保する方法のステップを示すフローチャートである。
【図3b】調整された時間基準を確保する方法のステップを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルビデオデータをワイヤレスで送受信する装置であって、
ビデオ送信の時間を示すタイムスタンプを受信する手段と、
前記タイムスタンプとその前のタイムスタンプの間の相対的時間差を決定する手段と、
送信の1つの機能として時間基準を有するトランスミッタに前記相対的時間差を通信する手段と、
前記相対的時間差に従って前記時間基準を前記トランスミッタが調整する手段とを有することを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記トランスミッタは前記相対的時間差に従って調整された時間基準を1以上のレシーバに通信することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、前記1以上のレシーバは、前記相対的時間差に従って時間基準を調整することを特徴とする装置。
【請求項4】
デジタルビデオデータをワイヤレスで送受信する装置であって、
1つのタイムスタンプと前のタイムスタンプの間の相対的時間差を受信する手段と、
前記相対的時間差に従って時間基準を調整する手段を有することを特徴とする装置。
【請求項5】
デジタルビデオデータをワイヤレスで送信する装置であって、
前記相対的時間差により時間基準を調整する手段と、
前記相対的時間差により調整した前記時間基準を送信する手段を有することを特徴とする装置。
【請求項6】
相対的時間差により調整した時間を受信するWLAN対応デバイスを有することを特徴とする装置。
【請求項7】
相対的時間差により時間基準を調整する方法であって、
タイムスタンプとその前のタイムスタンプの間の相対的時間差を決定するステップと、
送信の1つの特徴として時間基準を有するトランスミッタに前記相対的時間差を通信するステップと、
1以上のワイヤレスステーションレシーバに前記相対的時間差を送信するステップとを有し、
前記1以上のワイヤレスステーションレシーバの各々は前記相対的時間差により前記時間基準を調整することを特徴とする方法。
【請求項8】
相対的時間差により時間基準を調整する方法であって、
現在およびその前のAUX SCRの間の相対的時間差を、現在およびその前のローカルVCXOクロックにラッチされた値と決定するステップと、
前記ローカルVCXOのクロックを調整して、セットトップのデータレートを同期させるステップと、
前記調整されたVCXOクロックをMACチップに出力するステップと、
前記調整されたVCXOクロックに従ってビーコンパケットを調整するステップと、
前記調整されたビーコンパケットをワイヤレスステーションに送信するステップと、前記調整されたビーコンを用いて前記ローカルVCXOクロックの前記レートを調節するステップとを有することを特徴とする方法。



【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【公表番号】特表2006−520123(P2006−520123A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500876(P2006−500876)
【出願日】平成16年1月9日(2004.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/000515
【国際公開番号】WO2004/064301
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】