説明

ピロリジン類の製造方法及び中間体化合物

【課題】D−リボフラノシドのアザ糖類似体であり、ヌクレオシド及び核酸合成を調節する薬剤への中間体として有用な化合物の製造方法の提供。
【解決手段】トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸エステル類を出発物質として、オキシム化、ラクタム化等により3,4−ジアセトキシ−5−アセトキシメチル−2−ピロリドン等のピロリドン類を得、さらに該ピロリドン類を還元して1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール等のピロリジン類を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
無し
(政府後援研究または開発についての陳述)
無し
(発明の背景)
(1) 発明の分野
本発明は、トリ−O−アセチル−ケトペンツロソン酸メチルエステルからの、好ましくはキラルな、ピロリジン類の製造に関する。特に、本発明は、N−位が置換されていてもよい3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルピロリジン類(1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトール類)の製造に関する。
(2) 関連技術の説明
D−リボフラノシドのアザ糖類似体は、核酸合成調節薬合成の重要目標である。(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドンは重要なアザ糖中間体である。
1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール(ピロリジンの一種)及びその誘導体への現行の合成ルート(Fleet,G.W.J.ら、Tetrahedron,44(9)2637−2647(1988)、及びFleet,G.W.J.ら、Tetrahedron,44(9)2649−2655(1988))では、ヘキソース糖が使用され、大規模スケールでは困難な1炭素原子除去(通常、酸化プロセスによる)を必要とする。また、これらの方法のうちの1つではL−グロノラクトンが使用されるが、これは稀少糖であって、相当量を商業的に入手可能な正規製品ではない。比較的簡単で経済的な、利用可能な合成法はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
(目的)
従って、D−リボフラノシドの類似体としての、好ましくはキラルな、ヒドロキシル化ピロリジン類を製造するための新規な中間体及び製造方法を提供することが本発明の目的である。さらに、実施するのが相対的に易しく経済的な方法を提供することが本発明の目的である。これら及びその他の本発明の目的は、以下の説明及び図面を参照することにより、だんだんと明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の概要)
本発明は、
(a) 酸の存在下、ペントース糖をメタノールと反応させ、1−メチルペントース糖を生成させる工程、
(b) アミンの存在下、前記1−メチルペントース糖を酢酸無水物と反応させ、1−メチル−2,3,5−トリ−O−アセチルペントース糖を生成させる工程、及び
(c) 前記1−メチル−2,3,5−トリ−O−アセチルペントース糖を酸化剤と反応させ、2,3,5−トリ−O−アセチル−4−ケトペンツロソン酸メチルエステルを生成させる工程、
を含む、2,3,5−トリ−O−アセチル−4−ケトペンツロソン酸−1−メチルエステルを製造する方法による、ピロリジン類への最初の中間体の製造に関する。
【0004】
特に、本発明は、
(a) D−リボースをメタノールの酸性溶液と反応させ、1−メチルD−リボフラノシドを生成させる工程、
(b) ピリジンの存在下、前記1−メチルD−リボフラノシドを酢酸無水物と反応させ、反応混合物中に1−メチル−2,3,5−トリ−O−アセチル−D−リボシドを生成させる工程、及び
(d) 前記1−メチル−2,3,5−トリ−O−アセチルD−リボシドを酸化剤と反応させ、2,3,5−トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルを生成させる工程、
を含む、2,3,5−トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルの製造方法に関する。
前記酸化剤は、好ましくは、酢酸無水物中の三酸化クロムである。このプロセスを、スキームIIIに具体的に示した。
【0005】
また、本発明は、
(a) トリ−O−アセチル−4−ペンツロソン酸メチルエステルをヒドロキシルアミン、またはヒドロキシルアミンを含むピリジンの存在下、アミンまたはアンモニウムイオンと反応させ、次式
【化1】


(式中、Rはアシルオキシ、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は水素または保護基であり、Meはメチルである)のオキシムまたはイミンを生成させる工程、
(b)反応混合物から前記オキシムまたはイミンを分離する工程、
を含む方法である、ピロリジン類への第二の中間体の製造方法に関する。
この反応はアミン塩基を含む非反応性溶媒中で、−10℃から10℃の低温で実施され、次いで、酸を含む氷上に注がれ、過剰なアミン塩基またはヒドロキシルアミンをトラップする。この反応及び引き続く反応では、Rは0から10個の炭素原子を、R1は0から10個の炭素原子を含むことが好ましい。一般に、RとR1は、反応条件下において不安定ではない基である。
【0006】
本発明はまた、次式のピロリドンラクタムの製造方法である、ピロリジン類への第三の中間体の製造方法にも関する。
【化2】


この方法は、次式:
【化3】


のオキシムまたはイミンを、一重項水素(H)源またはヒドリドで還元して、そのピロリドンラクタムを生成させる工程を含む。なお、式中、Rは、アシルオキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は水素または保護基であり、Meはメチルである。反応は、非反応性溶媒(好ましくはメタノール)中で、−10℃から30℃で行われる。
【0007】
本発明はまた、次式
【化4】


(式中、Rはアルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は水素または保護基を意味する)のピロリドンラクタムを、一重項水素(H)またはヒドリドと反応させ、そのペンチトールを生成させる工程を含む、2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールの製造方法にも関する。この反応は、好ましくは、−20℃から40℃で行われる。
【0008】
本発明はまた、
(a) 反応混合物中で、2,3,5−トリ−O−アセチル−4−ペンツロソン酸またはエステルをヒドリドまたは水素及び触媒と反応させ、反応混合物中で2,3,5−トリ−O−アセチルペントン酸またはエステルを製造する工程、及び
(b)水中で、前記2,3,5−トリ−O−アセチルペントン酸またはエステルを酸と反応させ、ラクトンを生成させる工程、
を含む、ラクトンの製造方法に関する。好ましいラクトンはL−リキソノ−γ−ラクトンである。
【0009】
本発明はまた、
(a) トリ−O−アセチル−4−ペンツロソン酸メチルエステルを、メタノール、酢酸アンモニウム及び酢酸中で、ヒドリド還元剤の存在下に反応させ、自発的にラクタムに環化するアンモニウム化合物を生成させる工程、
(b)前記ラクタムをヒドリドと反応させ、2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程、及び、
(c)前記トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを脱アシル化して1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程、
を含む、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールの製造方法に関する。
【0010】
本発明はまた、
(a) トリ−O−アセチル−4−アミノペントン酸メチルエステルを還元剤を用いて還元性環化し、中間体ラクタムを経て、2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程、及び、
(b) 前記2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを脱アシル化して、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程、
を含む、1,4−ジデオキシ−1,4−アミノペンチトールの製造方法に関する。
【0011】
本発明はまた、次式
【化5】


(式中、R1〜R3は保護基または水素であり、Meはメチルである)を含む、ペンツロソン酸メチルエステルに関する。
【0012】
本発明はまた、次式
【化6】


(式中、Rはアシルオキシ、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は保護基または水素であり、Meはメチルである)の、ペンツロソン酸メチルエステルオキシムまたはイミンに関する。
【0013】
本発明はまた、次式
【化7】


(式中、R1〜R3は保護基または水素であり、Rはアシルオキシ、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択される)のピロリドンに関する。
【0014】
本発明はまた、 次式
【化8】


(式中、Rはアシルオキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリールおよび水素からなる群より選択され、R1〜R3は保護基である)のピロリジンに関する。
【0015】
具体的な新規化合物は以下のとおりである。
2,3,5−トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−オキシミルペンツロソン酸メチルエステル、
2,3,5−トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル、
3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、
(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、
2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール、
2,3,5−トリ−O−アセチル−4−アミノ−4−デオキシ−D−エリスロ−ペントン酸メチルエステル、
N−ベンジル−(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、
3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−N−ベンジル−2−ピロリドン。
【0016】
本発明はさらに、2,3,5−トリ−O−アセチル−L−リキソン酸メチルエステルに関する。
本発明はさらに、リキソノ−γ−ラクトンに関する。
本発明はさらに、L−リキソノ−γ−ラクトンに関する。
【0017】
(好ましい態様の説明)
トリアセトキシケトペントン酸類(トリ−O−アセチルペンツロソン酸エステル類)からの1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトール類
【0018】
本方法は、トン単位の量で入手可能で、かつ適切な数の炭素と適切な立体化学を有するペントースD−リボースから出発するのが好ましい。本方法は、他の合成ルートより遙かに短く、効率的である。L−リボース、DまたはL−アラビノース、キシロースまたはリキソースなどの、他のペントース類も使用可能である。
【0019】
1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールは、いくつかの可能な方法の1つにより、トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルあるいは関連した分子から調製される。
それらのうちの重要な2つは以下のとおりである。
(1) アミンあるいはアンモニアを用いる還元性アミノ化により4−アミノ−4−デオキシペントン酸化合物を生成する。この4−アミノ−4−デオキシペントン酸化合物は、次いで、ラクタムへと環化できる。このラクタムをボランまたは水素化リチウムアルミニウムを用いて還元すると、所望の1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールが得られる。
(2) オキシムを生成させ、いくつかの可能な方法の1つにより還元して4−アミノ−4−デオキシペントン酸化合物を得ることができる。この4−アミノ−4−デオキシペントン酸化合物は、次いで、ラクタムへと環化できる。このラクタムをボランまたは水素化リチウムアルミニウムを用いて還元すれば、所望の1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールが得られる。
【0020】
トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル、そのオキシム及びそのラクタム(これらの例としては、(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン及びそのN−アルキル誘導体がある)は、これまで開示されていなかったものである。ひとたび、これらの化合物が調製できれば、所望の1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールへ変換するための後続の工程は公知技術の範囲内である。
トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル、そのオキシム並びに(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン及びそのN−ベンジル誘導体(還元性アミノ化でアンモニアの代わりにベンジルアミンを使用すると生成する)は、新規化合物である。
【0021】
前記ピロリジン類は、適当に保護されているか(R1〜R3)、非保護のR1〜R3が水素である、2,3,5−トリヒドロキシ−4−ケトペンツロソン酸エステルから、スキームIで示されるいくつかのルートのいずれかにより誘導される。
【化9】


ここでスキームI中、RはOHである。工程2と3(ここで、Rは水素またはアルキル、アリール、アシルオキシ、アルコキシ)は組み合わされ、次いでプロセスは各工程に従って進行する。一般的には、R1〜R3はアセチルである。他の基はベンゾイル、プロパノイル及びトリフルオロアセチルである。
【0022】
本明細書では、化合物は、カルボキシル基を1とし、化合物がピロリジン類である場合の炭水化物系を用いて番号付けできる点に留意すべきである。スキームIでは、炭素の位置を示すのに、この炭水化物系を使用している。ピロリドン系では、様々な化合物を名付ける場合、環内のNが1である。このピロリドン系は、化合物を特許請求する目的のためには好ましい。
【0023】
このスキームにおいて、保護されたトリヒドロキシ−4−ケトペンツロソン酸エステルは、アンモニアまたは第一アミンまたはアンモニウムイオン、またはヒドロキシルアミンで処理され、イミン(前者の場合)またはRがOHであるオキシムに変換され、このオキシムは、引き続いて水素化、または金属または金属水素化物試薬で還元されることによりアミンを生成する。前記アミンは、ラクタムに自発的に環化し、このラクタムは、ボランまたは水素化物試薬により所望のピロリジンに還元される。
【0024】
これまで未知であった化合物であるトリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル(スキームIにおいて、R=メチル、R1〜R3=アセチル)()を出発原料として、D−リボ立体配置をもつトリおよびジヒドロキシピロリジン類(それぞれ、10)の直接的な合成が達成できた(スキームII)。10を生成する5−位の脱酸素は、酢酸中でのパラジウム上の水素によるオキシム()のトリアセテートの還元によりもたらされたが、この組み合わせは還元剤として使われない。これらの条件下において、アミノ基もまた、オキシムの還元により導入された。前記アミンは環化して中間体アミド(ラクタム)を生成し、この中間体アミドは、ボランまたは水素化リチウムアルミニウムを用いてピロリジン10に還元された。分子を最初に脱アセチル化するか、窒素導入のためにオキシムの代わりにイミンを用いると、5−位の脱酸素は起こらなかった。
【化10】

【0025】
トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル()を、スキームIII及びIVに骨子を示した2ルートにより調製した。
【化11】


【化12】


最初のルート(例1、スキームIII)では、触媒量の硫酸存在下、D−リボースをメタノールで処理することにより、αおよびβ−フラノシドの混合物に変換する。このメチルグリコシド類をペルアセチル化し、次いで、酢酸無水物中で三酸化クロムで酸化する(例2)。これにより、トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル()が、プロトンNMRスペクトル(図1)および13C NMRスペクトル(図2)で証明されるように、非常に高純度で得られた。
【0026】
第二のルート(例6、スキームIV)では、前記ペルアセチル化グリコシドをオゾンで酸化して、2,3,5−トリアセチルアルドン酸メチルエステルとし、次いでこれをDMSOと酢酸無水物またはDMSOとトリフルオロ酢酸無水物で処理することによりトリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルへ酸化する。
【0027】
ペンツロソン酸メチルエステルは幾つかのルートによりピロリジン核へ変換できる。すなわち、
(1) オキシムへの変換と、5−位での同時脱酸素を伴う水素/Pd/Cを用いた4−アミノ−4−デオキシエステルへの還元と、引き続く環化による10(スキームII)(ここで、R=H、R1=R2=Ac)の生成、
(2) 酸メタノーリシスによる脱アセチル化、オキシムの生成、そしてPd/Cを用いた還元による(ここでR=R1=R2=R3=H)の生成、
(3) アンモニアと還元剤を用いた還元性アミノ化による4−アミノ−4−デオキシエステルの生成と、引き続く環化による(ここでR=H、R1=R2=R3=Ac)の生成、
(4) オキシムへの変換、ヒドラジンを用いた脱アセチル化、
5−位での同時脱酸素を伴う水素/Pd/Cを用いた4−アミノ−4−デオキシエステルへの還元と、引き続く環化による(ここでR=R1=R2=R3=H)の生成、
(5) ベンジルアミンと還元剤を用いた還元性アミノ化による4−アミノ−4−デオキシエステルの生成と、引き続く環化による(ここでR=ベンジル、R1=R2=R3=Ac)の生成、
(6) 2,4−ジメトキシベンジルアミンと還元剤を用いた4−アミノ−4−デオキシエステルの生成と、引き続く環化による11(ここでR=ベンジル、R1=R2=R3=Ac)の生成。
【0028】
このように、トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルは、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール()としての(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドンの合成におけるキー中間体である。これらの化合物は、D−リボフラノースの「アザ糖」類似体合成における価値ある中間体である。
【化13】

【0029】
トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルおよびそのオキシムの、およびそのペル−O−アセテートを経るへの変換は、種々の化学変換を経て達成された。典型的な合成戦略は以下のとおりである。
(1) オキシムのアミンへの還元、および水素とパラジウム、水素と白金、水素とラネーニッケル、亜鉛と酢酸および水素化シアン化ホウ素ナトリウムなどの試薬を用いたメタノールの除去を伴うピロリドンへの環化、
(2) 水素化シアン化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素と触媒などの試薬を用いたアンモニアまたはアミンによるトリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルのケトン官能基の還元性アミノ化、引き続くピロリドンへの環化。
前記ピロリドンは、水素化リチウムアルミニウムまたはボランなどの試薬により、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトールへ還元される。
【0030】
例1
トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルの調製
【化14】


トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルの調製には、二通りの効率的な方法がある。第一のルートは、酢酸/酢酸無水物中での三酸化クロムを用いるトリ−O−アセチルメチルα,β−リボフラノシドの酸化によるもので、第二の方法は、トリ−O−アセチルメチルα,β−リボフラノシドをオゾンにより酸化して2,3,5−トリ−O−アセチルD−リボ−ペントン酸メチルエステルを得、これを次いでDMSO/TFAAまたはDMSO/Ac2Oのような試薬で酸化することによるものである。
【0031】
トリ−O−アセチルメチルα,β−リボフラノシド
手順1.
D−リボース(100g)をメタノール(1000ml)に溶解し、濃硫酸(2ml)を添加した。混合物を室温で24時間放置し、次いで、溶媒を30から35℃よりも低い浴温度で除去した。ピリジン(400ml)を添加し、混合物を氷中で〜5℃に冷却した。次いで、酢酸無水物(300)を20分間かけて添加した。混合物は室温になるまで放置し、その状態で10時間放置した後、ロータリーエバポレーターを用いて、45から50℃の浴温度で、溶媒を除去した。得られたシロップを酢酸エチル(1000ml)に溶解し、〜30mlの濃塩化水素を含んだ冷飽和塩化ナトリウム(200ml)液で2回洗浄した。冷飽和塩化ナトリウム(100ml)液で1回洗浄した後、溶液を乾燥し(硫酸ナトリウム)、オイル状物に濃縮した。このようにして製造された粗トリ−O−アセチルメチルα,β−D−リボフラノシドは、さらなる精製なしで使用した。
【0032】
トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル
上述した手順1により100gのD−リボースから調製したトリ−O−アセチルメチルα,β−リボフラノシドを酢酸(1500ml)に溶解し、酢酸無水物(330ml)を添加した。氷中で混合物を0から5℃に冷却し、その表面上に窒素を流した。三酸化クロム(130g)を、40分間かけて添加し、温度は決して10℃を越えないようにした。この温度で混合物を1時間攪拌し、次いで30分かけて室温にまで温度を上げた。室温で5時間攪拌した。次いで、真空下、50℃を越えない温度で、溶媒を迅速除去した。次いで、それを2000mlの酢酸エチルに希釈し、30分間激しく攪拌し、ろ過した。ろ過ケーキはさらに500mlの酢酸エチルで洗浄した。合わせた酢酸エチル抽出液を2×300mlの冷水で洗浄し、乾燥し、溶媒を除去して、92%を超える収率で所望の生成物を得た(NMR分光分析による純度>92%)。クロロホルム中での1H NMR、2.0−2.3(3×3H一重項)、4.8(dd、2H、J=12Hz)、5.61(s、1H)、5.71(s、1H)。13C NMR30−31ppm(3シグナル)、53.2、66.8、71.3、76.0、166.7、169.5、170.5、197.8。
【0033】
例2
トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルオキシム()の調製(ここでR=HおよびR1〜R3=アセチル)
【化15】


トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル(5.5g)を、ピリジン(16ml)に溶解し、その溶液を0℃に冷却した。ヒドロキシルアミン塩酸塩(2g、29mmol)を添加し、得られた混合物は0℃でさらに15分間、次いで室温で2時間保持した。次いで、それを18mlの(ピリジンを中和するに十分な)濃塩化水素を含んだ氷に注ぎ入れ、60モルのクロロホルムで3回に分けて抽出した。クロロホルム抽出液を合わせ、15mlの冷飽和塩化ナトリウムで1回洗浄し、乾燥(無水硫酸ナトリウム)し、無色のシロップが得られるまで濃縮したところ、白色結晶を徐々に生成した。収率−5.7g(97%)。
13C NMR−(d−クロロホルム)21.0、53.5、57.8、62.0、68.3、70.8、72.0、151.6、168.0、170.1、171.1、172.0。
【0034】
例3
N−ベンジル(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン
トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル(15.2g)をメタノール(85ml)に溶解し、酢酸(3.1g)及びベンジルアミン(5.4g)を添加した。次いで、水素化シアン化ホウ素ナトリウム(3.1g)を添加し、得られた混合物を24時間室温に保持し、イミンをアミンに還元した。重炭酸ナトリウム(6g)および水20mlを添加し、得られた混合物を70℃で4時間加熱し、ラクタムへの環化を行った。反応混合物をシロップにまで濃縮し、酢酸エチル(300ml)と冷飽和塩化ナトリウム(100ml)間に分配した。酢酸エチル層を回収、乾燥(硫酸ナトリウム)し、シロップが得られるまで濃縮した。このシロップをメタノール(200ml)に溶解し、炭酸カリウム20gおよび水2mlを添加した。得られた混合物を14時間室温で攪拌し、ろ過を行い、ろ液をシロップになるまで濃縮し、得られたシロップをメタノール(400ml)に溶解した。次いで、濃塩化水素(4.1ml)を加えた。白色固体が生成した。これをろ過により除去し、ろ液を濃縮乾固した。メタノールを再び添加し、得られた溶液を再び濃縮した。これをさらに1回繰り返し、粗N−ベンジルピロリドンを得た。これは、還元によりピロリジンに変換できる。
【0035】
例4
(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン
手順1
トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル(15.2g)を、メタノール(100ml)に溶解し、酢酸アンモニウム(3.0g)及び酢酸(0.2ml)を添加した。次いで、水素化シアン化ホウ素ナトリウム(3.1g)を添加して、得られた混合物を24時間、室温に保持し、アンモニア化された化合物をアミノ基に還元し、このアミノ基をトリ−アセチル化生成物へと転位させた。このトリアセチル化生成物を、炭酸カリウム−メタノールで脱アセチル化し、ピロリドンを生成させた。
【0036】
手順2
トリ−O−アセチルD−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルオキシム(式中、R=HおよびR1〜R3=アセチル)(3.1g)をメタノール(40ml)に溶解し、ラネーニッケル(0.5g)を添加した。混合物を2気圧で6時間水素化し、ろ過を行い、濃縮を行って粗トリアセチル化生成物を得た。この生成物を炭酸カリウム−メタノールで脱アセチル化し、ピロリドンを生成した。
【0037】
手順3
上述の生成オキシム誘導体を、メタノール中で4当量のヒドラジンで4時間処理し、次いで10%の酢酸を含んだエタノール中で10%Pd/Cを用い、50psi、室温、5時間の条件下で、水素化した。生成物を炭酸カリウム−メタノールで脱アセチル化し、ピロリドンを生成させた。
【0038】
これらの処理手順において、スキームIの3と4の中間的段階をバイパスして、トリ−O−アセチル化中間体ピロリドンを製造し、次いで、その中間体トリ−O−アセチル化ピロリドンを脱アシル化、還元してピロリジン(スキームIのペンチトール)とする。
【0039】
例5
以下は、トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツルソン酸メチルエステルを使用してピロリジンを生成するための付加的な処理手順(スキームV)である。
【化16】


典型的なステップにおいて、4−ペンツロソン酸(30g)を150mlのメタノールに溶解し、その溶液を0℃に冷却した後、0.5モル当量の水素化ホウ素ナトリウムを添加した。混合物を、2時間、0から5℃に保持し、次いで、4当量の酢酸を添加して、水素化ホウ素を分解した。メタノールはロータリーエバポレータで除去した。200mlのメタノールを添加、除去し、この添加−除去法を4回繰り返し、すべてのホウ酸エステルを除去した。生成物11を、塩化水素1%を含んだ300mlのメタノール中で3時間還流させて、脱アシルを行い、濃縮してラクトン化を行った。このようにして得られた粗L−リキソノ−γ−ラクトン12を、先に引用したFleetらによって記載されたような処理手順を使って、イミノペンチトールに変換した。
【0040】
例6
メチルトリ−O−アセチル−α,β−D−リボフラノシド(2g)を、酢酸エチル(30ml)に溶解し、得られた溶液を0から10℃に冷却した。次いで、オゾンを1時間あたり20mMの速度で、2時間、流通させた。次いで、酢酸エチルを除去し、生成物をジメチルペントキシド(30ml)に溶解し、酢酸無水物(2ml)を添加した。この混合物を、24時間、室温に放置した。ケトエステルを濃縮し、水/酢酸エチル間に分配することにより単離した。生成物を酢酸エチル層から回収した。
【0041】
本発明は下記の態様を含む。
(1) (a) 酸の存在下、ペントース糖をメタノールと反応させ、1−メチルペントース糖を生成させる工程、
(b) アミンの存在下、前記1−メチルペントース糖を酢酸無水物と反応させ、1−メチル−2,3,5−トリ−O−アセチルペントース糖を生成させる工程、及び
(c) 前記1−メチル−2,3,5−トリ−O−アセチルペントース糖を酸化剤と反応させ、2,3,5−トリ−O−アセチル−4−ケトペンツロソン酸メチルエステルを生成させる工程、
を含む、2,3,5−トリ−O−アセチル−4−ケトペンツロソン酸メチルエステルの製造方法。
(2) (a) D−リボースをメタノールの酸性溶液と反応させ、1−メチルD−リボフラノシドを生成させる工程、
(b) ピリジンの存在下、前記1−メチルD−リボフラノシドを酢酸無水物と反応させ、反応混合物中に1−メチル−2,3,5−トリ−O−アセチル−D−リボシドを生成させる工程、及び
(d) 前記1−メチル−2,3,5−トリ−O−アセチルD−リボシドを酸化剤と反応させ、2,3,5−トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルを生成させる工程、
を含む、2,3,5−トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルの製造方法。
(3) 工程(d)において、前記酸化剤が酢酸無水物中において酸素提供性金属化合物である、(2)に記載の方法。
(4) 工程(d)において、前記酸化剤がオゾンとジメチルスルホキシドと酸無水物または塩化物である、(2)に記載の方法。
(5) (a) トリ−O−アセチル−4−ペンツロソン酸メチルエステルをヒドロキシルアミン、またはヒドロキシルアミンを含むピリジンの存在下、アミンまたはアンモニウムイオンと反応させ、次式
【化17】


(式中、Rはアシルオキシ、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は水素または保護基、Meはメチルである)のオキシムまたはイミンを生成させる工程、
(b)反応混合物から前記オキシムまたはイミンを分離する工程、
を含む方法。
(6) 前記反応が約−10℃から10℃で非反応性溶媒中において行われる、(5)に記載の方法。
(7) 次式
【化18】


のオキシムまたはイミンを、一重項水素源(H)またはヒドリド源で還元して、そのピロリドンラクタムを生成させる工程を含む、次式
【化19】


(式中、Rはアシルオキシ、アセトキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は水素または保護基であり、Meはメチルである)のピロリドンラクタムの製造方法。
(8) 前記反応が約−10℃から30℃で行われる、(7)に記載の方法。
(9) 次式
【化20】


(式中、Rはアシルオキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は水素または保護基である)のピロリドンラクタムを、一重項水素(H)源またはヒドリド源と反応させ、そのペンチトールを生成させる工程を含む、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールの製造方法。
(10) 非反応性溶媒中において約−70から50℃の温度で行われる、(9)に記載の方法。
(11) 前記1,4−ジデオキシ1,4−イミノペンチトールがD−リボ立体配置を有する、(5)、(6)または(7)のいずれか1項に記載の方法。
(12) 2,3,5−トリ−O−アセチル−4−ケトペンツロソン酸メチルエステルを第一アミンと反応させ、次いで還元剤と反応させて、そのペンチトールを生成させる工程を含む、2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールの製造方法。
(13) (a) 反応混合物中で、2,3,5−トリ−O−アセチル−4−ペンツロソン酸またはエステルをヒドリドまたは水素及び触媒と反応させ、反応混合物中で2,3,5−トリ−O−アセチルペントン酸またはエステルを製造する工程、及び
(b) 水中で、前記2,3,5−トリ−O−アセチルペントン酸またはエステルを酸と反応させ、γ−ラクトンを生成させる工程、
を含む、ラクトンの製造方法。
(14) 工程(a)のヒドリドが水素化ホウ素ナトリウムであり、工程(b)の酸が塩酸である、(13)に記載の方法。
(15) 前記4−ペンツロソン酸がD−エリスロ立体配置を有する、(13)に記載の方法。
(16) 工程(b)において、前記ペントン酸またはエステルが、L−lyxo立体配置を有する、(13)に記載の方法。
(17) 前記エステルがメチルエステルである、(13)に記載の方法。
(18) (a)トリ−O−アセチル−4−ペンツロソン酸メチルエステルを、メタノール、酢酸アンモニウム及び酢酸中で、ヒドリド還元剤存在下に反応させ、自発的にラクタムまたはピロリドンに環化するアンモニウム化合物を生成させる工程、
(b) 前記ラクタムをヒドリドと反応させ、2,3,5−トリ−O−アセチル1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程、及び
(c)前記トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを脱アシル化して1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程、
を含む、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールの製造方法。
(19) (a) トリ−O−アセチル−4−アミノペントン酸メチルエステルを還元剤を用いて還元性環化し、中間体ラクタムを経て、2,3,5−トリ−O−アセチル1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程、及び
(b) 前記2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを脱アシル化して1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程
を含む、1,4−ジデオキシ−1,4−アミノペンチトールの製造方法。
(20) 次式
【化21】


(式中、R1〜R3は保護基または水素であり、Meはメチルである)を含む、ペンツロソン酸メチルエステル。
(21) 次式
【化22】


(式中、Rはアシルオキシ、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は水素または保護基であり、Meはメチルである)のペンツロソン酸メチルエステルオキシムまたはイミン。
(22) 次式
【化23】


(式中、R1〜R3は保護基または水素であり、Rはアシルオキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリールおよび水素からなる群より選択される)のピロリドン。
(23) 次式
【化24】


(式中、Rはアシルオキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリールおよび水素からなる群より選択され、R1〜R3は保護基である)のピロリジン。
(24) 2,3,5−トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−オキシミルペンツロソン酸メチルエステル。
(25) 2,3,5−トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル。
(26) 3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン。
(27) (3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン。
(28) 2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール。
(29) 2,3,5−トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステル。
(30) N−ベンジル−(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン。
(31) 3,4−ジアセトキシ−5−アセチキシメチル−2−ピロリドン。
(32) 2,3,5−トリ−O−アセチル−L−リキソン酸メチルエステル。
(33) リキソノ−γ−ラクトン。
(34) L−リキソノ−γ−ラクトン。
【0042】
これまでの説明は本発明を説明するためだけであり、本発明は以下に添付の請求項によってのみ限定されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】トリ−O−アセチル−D−エリスロ−4−ペンツロソン酸メチルエステルのプロトンNMRスペクトルである。
【図2】図1の化合物13C NMRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式
【化1】


のオキシムまたはイミンを、一重項水素源(H)またはヒドリド源で還元して、そのピロリドンラクタムを生成させる工程を含む、次式
【化2】


(式中、Rはアシルオキシ、アセトキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は水素または保護基であり、Meはメチルである)のピロリドンラクタムの製造方法。
【請求項2】
前記反応が約−10℃から30℃で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
次式
【化3】


(式中、Rはアシルオキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリール及び水素からなる群より選択され、R1〜R3は水素または保護基である)のピロリドンラクタムを、一重項水素(H)源またはヒドリド源と反応させ、そのペンチトールを生成させる工程を含む、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールの製造方法。
【請求項4】
非反応性溶媒中において約−70から50℃の温度で行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記1,4−ジデオキシ1,4−イミノペンチトールがD−リボ立体配置を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(a) トリ−O−アセチル−4−アミノペントン酸メチルエステルを還元剤を用いて還元性環化し、中間体ラクタムを経て、2,3,5−トリ−O−アセチル1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程、及び
(b) 前記2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを脱アシル化して1,4−ジデオキシ−1,4−イミノペンチトールを生成させる工程
を含む、1,4−ジデオキシ−1,4−アミノペンチトールの製造方法。
【請求項7】
次式
【化4】


(式中、R1〜R3は保護基または水素であり、Rはアシルオキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリールおよび水素からなる群より選択される)のピロリドン。
【請求項8】
次式
【化5】


(式中、Rはアシルオキシ、アルキルオキシ、ヒドロキシル、アルキル、アリールおよび水素からなる群より選択され、R1〜R3は保護基である)のピロリジン。
【請求項9】
3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン。
【請求項10】
(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン。
【請求項11】
2,3,5−トリ−O−アセチル−1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−リビトール。
【請求項12】
N−ベンジル−(3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン。
【請求項13】
3,4−ジアセトキシ−5−アセチキシメチル−2−ピロリドン。
【請求項14】
2,3,5−トリ−O−アセチル−L−リキソン酸メチルエステル。
【請求項15】
リキソノ−γ−ラクトン。
【請求項16】
L−リキソノ−γ−ラクトン。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−126464(P2007−126464A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319571(P2006−319571)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【分割の表示】特願2002−516262(P2002−516262)の分割
【原出願日】平成13年5月14日(2001.5.14)
【出願人】(594114134)ミシガン ステイト ユニバーシティー (22)
【Fターム(参考)】