説明

ファクシミリ装置

【課題】 記憶手段の記憶領域を有効活用することができるファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】 ネットワークから参照不可の第1の記憶手段8と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段9とを備え、さらに、電源オン時に前記第1の記憶手段8と第2の記憶手段9の内容をチェックし、第1、第2の記憶手段8、9何れかのファイルが消えていた場合、残っているファイルから消えたファイルへデータをコピーする機能、及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過した場合、その文書を印刷して前記第1の記憶手段8と第2の記憶手段9から消去する機能を有するシステム制御手段4を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置に関し、特に、受信文書を印刷せずに何らかの指示があるまでメモリに保持しておく機能を有するファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークで接続されたPCにデータを転送することで印刷せずに受信文書の内容を確認でき、PCから引き取りや印刷の指示があるまでメモリにデータを保持しておくファクシミリ装置が提案されている。しかし、メモリだけにデータの蓄積をする場合、長時間の停電などによりデータが消失してしまう可能性がある。
また、近年、大量のデータを保存したり再利用するなどの目的でハードディスクを搭載するファクシミリ装置が出現しており、このハードディスクを利用してメモリに蓄積されている画像データをバックアップすることで信頼性を向上させることが考えられている。例えば、特許文献1や特許文献2では、複数の蓄積装置によってデータをバックアップし、蓄積装置の障害によるデータ消失を防ぐ技術が提案されている。
また、ファクシミリ機能、コピー機能、プリンタ機能を搭載した複合機が提案され、ハードディスクを複数の機能が共有して、それぞれの機能が蓄積、印刷、加工などをすることが可能となっている。しかし、ファクシミリの受信ファイルのように印刷するなどして内容を確認する前に消えてしまったり、内容が変えられたりしては困るものは、ファクシミリ以外の機能やPCからアクセスできるようにすることは好ましくない。
そこで、ファクシミリ機能だけがアクセス可能な記憶手段に記憶されている受信文書データのみを、ネットワーク接続されたPCやファクシミリ以外の機能からアクセス可能なハードディスク等の記憶手段にも蓄積するファクシミリ装置が提案されている。また、蓄積した受信文書が何らかの要因で消えてしまう危険を回避するために、2つの記憶装置の内容をチェックし補完する機能を有するファクシミリ装置が提案されている。
【特許文献1】特開平1−229543号公報
【特許文献2】特開平5−48648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ファクシミリの受信文書を大量に長い間蓄積しておくことが可能になり、その信頼性がよくなる一方、ファクシミリの受信文書の中には受信して誰も見ないまま記憶手段に残り続けてしまうものがあり、その結果、記憶手段の多くの記憶領域を占有してしまうことになり、受信できる文書の領域が減ってしまうといった不具合が生じてしまう。
本発明は、係る課題に鑑み、記憶手段の記憶領域を有効活用することができるファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ネットワークから参照不可の第1の記憶手段と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段とを備え、さらに、電源オン時に前記第1の記憶手段と第2の記憶手段の内容をチェックし、前記第1、第2の記憶手段何れかのファイルが消えていた場合、残っているファイルから消えたファイルへデータをコピーする機能、及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過した場合、その文書を印刷して前記第1の記憶手段と第2の記憶手段から消去する機能を有するシステム制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、ネットワークから参照不可の第1の記憶手段と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段とを備え、さらに、電源オン時に前記第1の記憶手段と第2の記憶手段の内容をチェックし、前記第1、第2の記憶手段何れかのファイルが消えていた場合、残っているファイルから消えたファイルへデータをコピーする機能及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過した場合、予め設定しておいた転送先へその文書を転送して前記第1の記憶手段と第2の記憶手段から消去する機能を有するシステム制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、ネットワークから参照不可の第1の記憶手段と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段とを備え、さらに、電源オン時に前記第1の記憶手段と第2の記憶手段の内容をチェックし、前記第1、第2の記憶手段何れかのファイルが消えていた場合、残っているファイルから消えたファイルへデータをコピーする機能及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過した場合、予め設定しておいたメール転送先にメール転送して前記第1の記憶手段と第2の記憶手段から消去する機能を有するシステム制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ネットワークから参照不可の第1の記憶手段と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段とを備え、さらに、電源オン時に第1の記憶手段と第2の記憶手段の内容をチェックし、第1、第2の記憶手段どちらかのファイルが消えてしまっていた場合、残っている方から消えてしまった方へデータをコピーする機能及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過したら、その文書を印刷して第1の記憶手段と第2の記憶手段から消去する機能を有するシステム制御手段を備えたことにより所期の目的を達成することができる。
また、ネットワークから参照不可の第1の記憶手段と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段とを備え、さらに、電源オン時に第1の記憶手段と第2の記憶手段の内容をチェックし、第1、第2の記憶手段どちらかのファイルが消えてしまっていた場合、残っている方から消えてしまった方へデータをコピーする機能及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過したら、予め設定しておいた転送先へその文書を転送して第1の記憶手段と第2の記憶手段から消去する機能を有するシステム制御手段を備えたことにより所期の目的を達成することができる。
また、ネットワークから参照不可の第1の記憶手段と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段とを備え、さらに、電源オン時に第1の記憶手段と第2の記憶手段の内容をチェックし、第1、第2の記憶手段どちらかのファイルが消えてしまっていた場合、残っている方から消えてしまった方へデータをコピーする機能及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過したら、予め設定しておいたメール転送先にメール転送して第1の記憶手段と第2の記憶手段から消去する機能を有するシステム制御手段を備えたことにより、所期の目的を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係るファクシミリ装置の機能ブロック図である。
本発明のファクシミリは、スキャナ1、プロッタ2、符号化復号化部3、システム制御部4、ネットワーク制御部5、網制御部6、モデム7、第1の記憶手段(ネットワークから参照不可)8、第2の記憶手段(ネットワークから参照可)9、操作表示部10が、システムバス11を介して接続されることで構成されている。第1の記憶手段8は、ファクシミリ機能以外はアクセスできない。また、第2の記憶手段(ハードディスク)9はネットワーク制御部5を介してPCなどからアクセス可能となっている。
図2は本発明のファクシミリ装置における第1の動作例を示すフロー図である。ステップ101において、記憶手段に蓄積されている文書を検索し、ステップ102において、ステップ101の検索の結果文書がなければ終了し、文書があればステップ103に進む。
ステップ103において、ステップ101で検索した文書が蓄積されてから経過した時間が、予め設定されている所定の時間を過ぎていれば、ステップ104に進み文書を印刷し、ステップ105において文書を消去し、ステップ101に戻り同様の動作を繰り返す。
【0007】
図3は本発明のファクシミリ装置における第2の動作例を示すフロー図である。ステップ201において、記憶手段に蓄積されている文書を検索し、ステップ202において、ステップ201の検索の結果文書がなければ終了し、文書があればステップ203に進む。
ステップ203において、ステップ201で検索した文書が蓄積されてから経過した時間が、予め設定されている所定の時間を過ぎていれば、ステップ204に進み文書を、予め指定しておいた転送先に転送し、ステップ205において文書を消去し、ステップ201に戻り同様の動作を繰り返す。
図4は本発明のファクシミリ装置における第3の動作例を示すフロー図である。ステップ301において、記憶手段に蓄積されている文書を検索し、ステップ302において、ステップ301の検索の結果文書がなければ終了し、文書があればステップ303に進む。
ステップ303において、ステップ301で検索した文書が蓄積されてから経過した時間が、予め設定されている所定の時間を過ぎていれば、ステップ304に進み文書を予め指定しておいたメール転送先にメール転送し、ステップ305において文書を消去し、ステップ301に戻り同様の動作を繰り返す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係るファクシミリ装置の機能ブロック図。
【図2】本発明のファクシミリ装置における第1の動作例を示すフロー図。
【図3】本発明のファクシミリ装置における第2の動作例を示すフロー図。
【図4】本発明のファクシミリ装置における第3の動作例を示すフロー図。
【符号の説明】
【0009】
1 スキャナ
2 プロッタ
3 符号化復号化部
4 システム制御部(システム制御手段)
5 ネットワーク制御部
6 網制御部
7 モデム
8 第1の記憶手段(ネットワークから参照不可)
9 第2の記憶手段(ネットワークから参照可)
10 操作表示部
11 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークから参照不可の第1の記憶手段と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段とを備え、さらに、電源オン時に前記第1の記憶手段と第2の記憶手段の内容をチェックし、前記第1、第2の記憶手段何れかのファイルが消えていた場合、残っているファイルから消えたファイルへデータをコピーする機能、及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過した場合、その文書を印刷して前記第1の記憶手段と第2の記憶手段から消去する機能を有するシステム制御手段を備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
ネットワークから参照不可の第1の記憶手段と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段とを備え、さらに、電源オン時に前記第1の記憶手段と第2の記憶手段の内容をチェックし、前記第1、第2の記憶手段何れかのファイルが消えていた場合、残っているファイルから消えたファイルへデータをコピーする機能及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過した場合、予め設定しておいた転送先へその文書を転送して前記第1の記憶手段と第2の記憶手段から消去する機能を有するシステム制御手段を備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項3】
ネットワークから参照不可の第1の記憶手段と、ネットワークから参照可の第2の記憶手段とを備え、さらに、電源オン時に前記第1の記憶手段と第2の記憶手段の内容をチェックし、前記第1、第2の記憶手段何れかのファイルが消えていた場合、残っているファイルから消えたファイルへデータをコピーする機能及び受信してから予め設定しておいた所定の時間が経過した場合、予め設定しておいたメール転送先にメール転送して前記第1の記憶手段と第2の記憶手段から消去する機能を有するシステム制御手段を備えたことを特徴とするファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−5884(P2006−5884A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182995(P2004−182995)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】