説明

フィルムスキャナの温度補正方法及びこの方法を実施するフィルムスキャナ

【課題】環境温度の変動にもかかわらず良好なスキャニング品質を確保するためのフィルムスキャナの温度補正方法及びその方法を実施するフィルムスキャナを提供する。
【解決手段】写真フィルムに照射光を投射する照明光学系30とこの照射光によるフィルム画像の像を光電変換する光電変換素子51と、この光電変換素子から転送される信号をデジタル化処理するデジタル化処理部50aとを備えたフィルムスキャナ3において、フィルムスキャナの環境温度を測定し、測定温度に応じて前記デジタル化処理部の動作パラメータを再調整する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フィルムに照射光を投射する照明光学系とこの照射光によるフィルム画像の像を光電変換する光電変換素子と、この光電変換素子から転送される信号をデジタル化処理するデジタル化処理部とを備えたフィルムスキャナの温度補正方法、及びこの方法を実施するフィルムスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルムに撮像された画像を印画紙に焼き付ける写真DP分野において、最近、投影露光式の画像露光装置に代えて、写真フィルムを透過した光を光電変換することで取得したデジタル画像データに適当な画像処理を施してプリントデータを生成し、このプリントデータに基づいてデジタル露光ヘッドが印画紙を露光する、いわゆるデジタル露光式の画像露光装置が登場している。このようなデジタル露光式の画像露光装置では、入力部としてのフィルムスキャナの解像度が特に重要であり、このため、搬送される写真フィルムの撮影画像コマをラインCCDセンサなどの光電変換手段を用いて順次読み取っていく方式が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フィルムスキャナは、CCD等の光電変換素子を中核として、この光電変換素子から転送された信号をデジタル化処理するために、一般にCDS回路とAGC回路とA/Dコンバータとからなるデジタル化処理部を備えているが、光電変換素子又は回路部品等の動作特性の温度依存性のために、熱による特性変動が避けられない。このため、日中高温となる地域などで使用する場合、出荷時や設置時に十分に調整されていても、環境温度の変化により電子回路の特性が熱変動し、結果的にスキャニング品質、特に色の再現性に悪化させる。上記実状に鑑み、本発明の課題は、環境温度の変動にもかかわらず良好なスキャニング品質を確保するためのフィルムスキャナの温度補正方法及びその方法を実施するフィルムスキャナを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明では、写真フィルムに照射光を投射する照明光学系とこの照射光によるフィルム画像の像を光電変換する光電変換素子と、この光電変換素子から転送される信号をデジタル化処理するデジタル化処理部とを備えたフィルムスキャナの温度補正方法において、フィルムスキャナの環境温度を測定し、測定温度に応じて前記デジタル化処理部の動作パラメータを再調整することが提案される。
【0005】この方法では、フィルムスキャナの環境温度が測定され、その測定温度に応じて、熱変動分だけを補償するようにデジタル化処理部の動作パラメータを再調整することで、環境温度の変動にもかかわらず安定したデジタル画像信号が得られ、スキャニング品質を常時確保することができる。
【0006】動作パラメータ再調整の具体的な方法の1つとして、例えば、測定された環境温度が所定値に達すると、標準照射光を光電変換素子に照射することにより得られた信号に基づいて、その出力信号が設定値となるように前記デジタル化処理部の動作パラメータを再調整する方法がある。つまり、温度が所定変化すれば、セットアップフィルタを照射光の伝播路程中に介在させたり、セットアップフィルムを差し込んだりして、光電変換素子にレファレンスとなる標準光を受光させ、それによってデジタル化処理部から出力された信号を解析して、温度補償できるようにデジタル化処理部の動作パラメータを再調整する。好ましくは、この再調整作業を数回繰り返すことにより、スキャニング品質を高度に安定させることができる。
【0007】動作パラメータ再調整の具体的な方法の他の1つとして、測定された環境温度が所定値に達すると、前もって設定されている環境温度と動作パラメータからなるルックアップテーブルに基づいて前記デジタル化処理部の動作パラメータを再調整する方法もある。これは、実験的かつ経験的に環境温度とデジタル化処理部の熱変動の関係が把握できていると、予め温度補償のための環境温度と動作パラメータとの関係を記憶したルックアップテーブルを作製しておけるので、このルックアップテーブルを利用することで、やはり温度変動にもかかわらず安定したスキャニング品質を確保できる。
【0008】最も一般的なデジタル化処理部はCDS回路とAGC回路とA/Dコンバータとから構成されており、この場合取り扱われる動作パラメータとしては、AGC回路のゲインが好ましく、A/D変換の電圧レンジに信号の振幅が適正に入るようにするためのAGC制御端子や、OPB(光学的黒レベル)がA/D変換の電圧レンジの下限を外れることがないようにするためのオフセット端子が利用される。
【0009】上記課題を解決するため、本発明によるフィルムスキャナでは、写真フィルムに照射光を投射する照明光学系とこの照射光によるフィルム画像の像を光電変換する光電変換素子と、この光電変換素子から転送される信号をデジタル化処理するデジタル化処理部と、前記光電変換素子と前記デジタル化処理部を制御する制御ユニットとフィルムスキャナの環境温度を測定する温度センサが備えられ、この温度センサの測定値に応じて前記制御ユニットは前記デジタル化処理部の動作パラメータを再調整することを特徴としている。これによって、フィルムスキャナの環境温度が変化すると、その結果生じる変動分だけを補償するようにデジタル化処理部の動作パラメータが再調整されるので、環境温度の変動にもかかわらず安定したデジタル画像信号が得られ、安定したスキャニング品質が得られる。本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によるフィルムスキャナ3を採用した、いわゆるデジタルミニラボとして知られているプリンタプロセッサの概略ブロック図が図1に示されている。このデジタルミニラボはデジタル露光式を採用しており、ここでは図示されていないフィルム現像機によって現像処理された写真フィルム(以後単にフィルムと称す)1の画像コマから撮影画像を読み取るフィルムスキャナ3と、フィルムスキャナ3を通じて読み取られたデジタル画像データを処理してプリントデータを作成するコントローラ7と、このプリントデータに基づいて印画紙2にコマ画像に対応する画像を露光するデジタルプリント部5と、露光された印画紙2を現像処理する現像処理部6とを備えている。現像処理部6で現像された印画紙2は、乾燥工程を経て仕上がりプリントとして排出される。
【0011】フィルムスキャナ3は、主な構成要素として、照明光学系30、撮像光学系40、光電変換素子としてラインCCDセンサ51を用いた光電変換部50、フィルム1に対する光の照射範囲を決定するとともにフィルム1をラインCCDセンサによるスキャニングのために副走査方向に搬送するオートフィルムマスク10を備えている。
【0012】照明光学系30は、白色光源としてのハロゲンランプ31、調光フィルタ32、ミラートンネル33などから構成され、光源からの光ビームの色分布や強度分布を整えてフィルム1を照射する。フィルム2からの透過光ビームを処理する撮像光学系40は、レンズユニット41と光の方向を変えるミラー42とから構成されている。なお、調光フィルタ32には、調整時に用いられるセットアップフィルタ32aが備えられており、コントローラ7の指令により、このセットアップフィルタ32aを光軸上に設定することができる。
【0013】撮像光学系40によって導かれた光ビームを光電変換する光電変換部50は、ラインCCDセンサ51としてRGBの各色を検出するために割り当てられた3つのCCDセンサ51a、51b、51cを備えており、各CCDセンサは多数(例えば5000個)のCCD素子が主走査方向、つまりフィルム1の幅方向に配列されている。赤色用CCDセンサ51aの撮像面にはフィルム1を透過した光の赤色成分のみを通過させるカラーフィルタが、緑色用CCDセンサ51bの撮像面にはフィルム1を透過した光の緑色成分のみを通過させるカラーフィルタが、青色用CCDセンサ51cの撮像面にはフィルム1を透過した光の青色成分のみを通過させるカラーフィルタが設けられており、それぞれ、青色成分、赤色成分、緑色成分のみを光電変換する。
【0014】フィルム1のコマ画像がオートフィルムマスク10に設定されているスキャン位置に位置決めされると、コマ画像の読取処理が開始され、コマ画像の透過光は、フィルム搬送機構9によるフィルム1の送りにより、順次3つのCCDセンサ51a、51b、51cによって読み取られるが、各CCDセンサがフィルム1の搬送方向に沿って数画素分の間隔を隔てて配置されているので、同一の画素におけるR、G、Gの各成分色の検出タイミングには時間差が生じるが、これは光電変換部50の後段での信号処理により同一の画素のR、G、B画像信号が対応づけられてコントローラ7の所定のメモリに格納される。このような、フィルムスキャナー3の照明光学系30、撮像光学系40、光電変換部50の各制御はコントローラ7によって行われる。
【0015】デジタルプリント部5には、この実施形態では、PLZTシャッター方式が採用されている。つまり、露光ヘッド5aとして、PLZT素子からなるシャッタアレイを採用したものである。このPLZT素子からなるシャッタアレイは、チタン酸ジルコン酸鉛にランタンを添加することにより得られる透明強誘電性セラミックス材料から構成され、その材料の有する電気光学効果を利用したもので、各シャッターには光源5bから多数の光ファイバを介してR、G、B各色の光が導入される。このシャッタアレイは印画紙2の幅方向、つまり搬送方向の横断方向に沿って延びている。各シャッターに所定レベルの電圧が印加されると、光透過状態になり、その電圧の印加が停止されると光遮断状態となる。従って、コントローラ7からプリントデータに基づいて各画素に対応するシャッターに駆動電圧が印加されると、そのシャッターが開いて光源から導入されている色の光が印画紙2に照射される。光源5bには、R、G、Bの3色の光学フィルタからなる回転フィルタが備えられており、この回転フィルタを回転位相制御することにより、R、G、Bの内の1つが選択的に光源に対向し、その色のフィルタを介して選択色の光が光ファイバーを通じてシャッターに送られる。デジタルプリント部の方式としては、このPLZTシャッター方式以外に液晶シャッター方式、蛍光ビーム方式、FOCRT方式などが知られており、露光仕様に応じて任意に選択することができる。
【0016】このデジタルプリント部5は、2列に並んだカット印画紙2のそれぞれを同時に露光できるので、印画紙搬送機構8は、カット印画紙2を単列で搬送する印画紙供給ライン8Aと、カット印画紙2を2列で搬送可能な露光搬送ライン8Bと現像搬送ライン8Cとに区分けされ、印画紙供給ライン8Aと露光搬送ライン8Bとの間に、印画紙供給ライン8Aから順次送られてくる印画紙2を露光搬送ライン8Bの各列に振り分ける振り分け装置4が設けられている。
【0017】印画紙供給ライン8Aは、乳剤面を外側にして印画紙2をロール状に収納している2つの印画紙マガジン2Aと2Bのいずれか一方から選択的に印画紙2を引き出す引き出しローラ群からなる引き出し搬送部と、振り分け装置4に印画紙2を受け渡す振り分け前搬送部とから構成されている。
【0018】振り分け前搬送部の上流端には、印画紙マガジン2A又は2Bから引き出された印画紙2をプリントサイズに合わせてカットするペーパーカッター12が設けられており、このペーパーカッター12の下流側に位置するバックプリント部13が設けられている。バックプリント部13は、印画紙2の裏面(非乳剤面)に、フィルムIDやコマ番号、さらにプリントデータ作成時に行われた画像処理を示す補正情報などを印字するものであり、通常ドットインパックトプリンタが用いられている。
【0019】露光搬送ライン8Bは、搬送方向の順で、露光搬送ライン8Bの2列の搬入エリアを構成する中間搬送ローラユニット80A、デジタルプリント部5の露光ヘッド5aを挟むように配置された入り口側の第1露光搬送ローラユニット80Bと出口側の第2露光搬送ローラユニット80Cとを備えており、それぞれ駆動ローラとこの駆動ローラに対して遠近変位可能な圧着ローラのセットとなっている。
【0020】振り分け装置4は、ペーパーカッター11によってカットされた印画紙2を受け取って、中間搬送ローラユニット80Aの左右の列位置に交互に移載するチャッカー式のX−Y移動機構から構成されている。もちろん、幅広の大型印画紙2を取り扱う場合は1列での露光となるので、単に印画紙供給ライン8Aから受け取った印画紙2をそのまま中間搬送ローラユニット80Aに引き渡すだけである。
【0021】次に、フィルムスキャナ3の光電変換部50の温度補正制御とコントローラ7の機能について。図2R>2を用いて説明する。光電変換部50は、前述したCCDセンサ51、フィルムスキャナ3の主走査時にCCDセンサ51の電荷蓄積動作や電荷蓄積時間の制御を行うCCDドライバ52、CCDセンサ51から出力された電圧信号をクランプするCDS回路53、保持された信号を増幅するAGC回路54、AGC回路54によって所定のA/D入力電圧にされた電圧信号を所定のビット数(例えば12ビット)のデジタル信号に変換するA/D変換器55を備えている。CDS回路53とAGC回路54は通常ワンチップモジュールで構成されているが、ここにはコントローラ7による制御端子としてA/D変換の電圧レンジに信号の振幅が適正に入るようにするためのAGC制御端子54aや、OPB(光学的黒レベル)がA/D変換の電圧レンジの下限を外れることがないようにするためのオフセット端子54bが設けられている。なお、この出願では、CDS回路53とAGC回路54とA/D変換器55とを一括してデジタル化処理部50aと呼んでいる。
【0022】さらに、このフィルムスキャナ3には、環境温度を測定するため、この実施形態では撮影光学系40と光電変換部50の間の領域に温度センサ60が設けられており、その検出信号はコントローラ7に取り込まれる。各種処理情報を表示するモニター7aや各種処理命令を入力するための操作卓7bが接続されているコントローラ7は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース70などからなるマイクロコンピュータシステムを中核部材として構成され、上述したようなこの写真処理装置の制御に必要な各種機能をハードウエア又はソフトウエア或いはその両方で実現させている。ここで実現されている本発明に関係する主な機能要素としての制御ユニットは、フィルム搬送機構9を制御するフィルム搬送制御部71とフィルムスキャナ3を制御するスキャナ制御部72、フィルムスキャナ3によって取得した画像データに対してホワイトバランスやネガポジ反転や輪郭強調などの種々の画像処理を行ってプリントデータを生成する画像処理部73、画像処理部によって処理された画像データをモニター7aに表示するためのビデオ信号を生成するビデオ処理部74、温度センサ60からの検出信号に基づいてデジタル化処理部50aに対する補正信号をLUT(ルックアップテーブル)75aを用いながら生成する温度補正部75、デジタルプリント部5の制御を行うプリント制御部76などである。もちろん、や印画紙搬送機構8の制御もこのコントローラ7によって行うことができる。コントローラ7は、通常メインコンピュータとサブコンピュータからなるマルチCPUシステムで構築される。
【0023】温度制御部75によるデジタル化処理部50aの温度補正のしくみを図3のフローチャートを用いて説明する。定期的又は不定期に温度センサ60による環境温度のチェックを行うために温度補正ルーチンが起動される。まず、初期設定として、基準温度値として前回の測定値が設定される(#10)。続いて、温度センサ60よって測定された測定値を取り込み(#12)、基準温度値と比較して変動幅が所定しきい値以上の場合#16以下の調整モードに入り、変動幅が所定しきい値以下の場合この温度補正ルーチンから抜け出す(#14)。調整モードに入ると、照明光学系30の適当なグレー値を有するセットアップフィルタ32aを光軸上にセットし(#16)、レファレンス光でCCDセンサ51を照射する(#18)。温度補正部75は画像処理部73にアクセスし、レファレンス光に基づいて得られた各ドットの濃度値とLUT75aに格納されているレファレンス値とを比較し(#22)、その相違度が無視できる程度ならこの温度補正ルーチンを抜け出し、その相違度が無視できない場合その相違度に応じてデジタル化処理部50aのコントロール端子に対する温度補正のための制御信号を決定する(#24)。この実施形態では、デジタル化処理部50aのコントロール端子として、AGC制御端子54a又はオフセット端子54bあるいはその両方が採用されている。前述した相違パターンに応じた制御信号の決定は、電子回路の熱変動を実験的かつ経験的に評価して得られたデータによって予め設定されている条件式によって行われる。温度補正のための制御信号が決定すれば、その制御信号でもってデジタル化処理部50aを再調整し(#26)、再び#18に戻り、調整作業を繰り返す。このような温度補正ルーチンの実行により、このフィルムスキャナ3は環境温度の変動にもかかわらず良好なスキャニング品質を確保することができる。
【0024】前述した実施の形態では、調整モードにおいては、セットアップフィルタを用いて光電変換部の調整を行っていたが、もし実験的かつ経験的に環境温度に対する良好なスキャニング品質を確保する制御信号値の関係が得られている場合、環境温度−制御信号値特性をテーブル化してLUT75aに格納しておくと、温度センサ60からの測定値から温度補正部75はLUT75aにアクセスして制御信号値を求めることができるので、テストスキャニングをやることなしに、自動的にデジタル化処理部を調整して、環境温度の変動にもかかわらず良好なスキャニング品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフィルムスキャナを採用したデジタルミニラボシステムの概略ブロック図
【図2】本発明によるフィルムスキャナとコントローラのブロック図
【図3】温度補正ルーチンを表すフローチャート
【符号の説明】
3 フィルムスキャナ
7 コントローラ
9 フィルム搬送機構
10 オートフィルムマスク
30 照明光学系
40 撮像光学系
50 光電変換部
50a デジタル化処理部
51 CCDセンサ(光電変換素子)
52 CCDドライバ
53 CDS回路
54 AGC回路
55 A/D変換器
60 温度センサ
72 スキャナ制御部
73 画像処理部
75 温度補正部
75a LUT

【特許請求の範囲】
【請求項1】写真フィルムに照射光を投射する照明光学系とこの照射光によるフィルム画像の像を光電変換する光電変換素子と、この光電変換素子から転送される信号をデジタル化処理するデジタル化処理部とを備えたフィルムスキャナの温度補正方法において、フィルムスキャナの環境温度を測定し、測定温度に応じて前記デジタル化処理部の動作パラメータを再調整することを特徴とするフィルムスキャナの温度補正方法。
【請求項2】前記測定温度が所定値に達すると、標準照射光を光電変換素子に照射することにより得られた信号に基づいて前記デジタル化処理部の出力信号が設定値となるように前記動作パラメータを再調整することを特徴とする請求項1に記載のフィルムスキャナの温度補正方法。
【請求項3】前記測定温度が所定値に達すると、前もって設定されている環境温度と動作パラメータからなるルックアップテーブルに基づいて前記デジタル化処理部の動作パラメータを再調整することを特徴とする請求項1に記載のフィルムスキャナの温度補正方法。
【請求項4】前記デジタル化処理部がCDS回路とAGC回路とA/Dコンバータとからなり、前記動作パラメータとしてAGC回路のゲインが再調整されることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムスキャナの温度補正方法。
【請求項5】写真フィルムに照射光を投射する照明光学系とこの照射光によるフィルム画像の像を光電変換する光電変換素子と、この光電変換素子から転送される信号をデジタル化処理するデジタル化処理部ととを備えたフィルムスキャナにおいて、フィルムスキャナの環境温度を測定する温度センサと前記光電変換素子と前記デジタル化処理部を制御する制御ユニットが備えられ、この温度センサの測定値に応じて前記制御ユニットは前記デジタル化処理部の動作パラメータを再調整することを特徴とするフィルムスキャナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2001−45294(P2001−45294A)
【公開日】平成13年2月16日(2001.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−219512
【出願日】平成11年8月3日(1999.8.3)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】