説明

フイルム表面転写装置

【課題】フイルムの表面に特にナノオーダサイズのパターンを連続的に正確に転写する新規なフイルム表面転写装置を提供する。
【解決手段】表面にナノサイズの微細なパターンが加工されている成形ロール1と、溶融合成樹脂材料を供給投入するTダイ2と、該Tダイ直後に位置して該成形ロール1に圧接離反する方向に調整可能とした加熱ロール3と、該加熱ロール3から成形ロール1の回転方向後方に離れた位置に位置して、成形ロール1に圧接離反する方向に調整可能とした金属ロール4と、該加熱ロール3と該金属ロール4を囲むように捲回して設けた第一加熱金属ベルト6を介して、成形ロール1に押圧するゴムロール10とから構成され、Tダイ2から供給フイルムを加熱ロール3と成形ロール4のギャップで厚さ調整し、成形ロール1の回転力で移動し、ゴムロール10の押圧力により成形ロール表面の微細なパターンを合成樹脂フイルムに転写することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂フイルムの表面にナノサイズの微細なパターンを転写し連続的に製造するフイルム表面転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フイルムの表面にナノサイズの微細なパターンを形成することにより、光学的な特性を利用して無反射フイルム、高効率な太陽電池集光フイルム、光拡散フイルム、撥水フイルムなどが製造されており、半導体関係やバイオ関係にも応用が展開しつつある。微細なパターンを転写する手段として、これまでは、微細なパターン加工を施した平面金型を有するプレス装置の間に、フイルムを差し込み、圧縮、加熱、冷却、開放、剥離を繰り返して断続的に転写するプレス成形方式が多く用いられている。
又、これに類した装置で、ロールと薄い金属ベルトを有してベルトの表面を鏡面に、または凹凸模様を付与し、ベルトを樹脂に押し当てて連続的にシートの表面に鏡面または凹凸模様を転写する押出成形装置が知られている。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特許第2808251号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
平面金型を用いてプレス成形する転写装置は、通常樹脂のガラス転移温度Tg近辺に金型を加熱して、一定時間保圧した後に金型を冷却するなどして、断続的にフイルムに転写するため、1枚の転写フイルムを成形するのに時間がかかるデメリットがあり、連続的に生産できる装置が望まれていた。
【0004】
また、特許文献1の例は、回転する成形ロールの外周面と、この成形ロールの外周面の一部に沿って円弧状に接しながら回転する径方向に可撓な薄肉パイプの表面が鏡面または凸凹のパターンの加工が施された筒状の成型ドラム(ニッケルを素材とした薄いベルト)を押し当てて、成形ロールと成型ドラムとの間に押出機のTダイより流れ出る溶融樹脂を流して狭圧することにより、シートの片面を鏡面または、凸凹のパターンに連続的に転写成形する装置である。
【0005】
一般にいう樹脂のシート表面につけるシボ加工(皮革模様、木目模様など)は、ミクロンサイズ以上の粗い凸凹パターンであり、狭圧により容易に転写できるが、光学的な特性を引き出すためのナノサイズ(1ナノ=10億分の1m)のパターンをフイルム表面に正確に転写することは容易ではない。正確に転写する為には、一般的にフイルムのガラス転移温度Tg近辺で30Kg/cmの面圧力で30秒以上保圧が必要であることが分っている。又、ナノオーダの微細パターンに正確に転写されたフイルムは、相手の型に強く密着するので、特に薄いフイルムを型より剥離するにはフイルムが十分に冷却されて剥離強度を確保するとともに、剥離を支援する何らかの装置が必要になる。
【0006】
特許文献1の例では、実際に30Kg/cmの面圧を与えることは、薄いニッケル材ベルトの強度からして困難なので、温度−圧力−保圧時間の関係から温度を高くして低圧で行う必要があり、そのためには、ベルト及び成形ロール自体の温度をフイルムの結晶化温度Tgより高温にし、転写完了後には結晶化温度以下に冷却してフイルムの強度を確保し、再度成形するために高温にするなど早急なベルト及び成形ロールの温度制御が必要になるが、それらの装置がなく、また離形を支援する装置がないので、この装置で連続的に正確なナノサイズのパターンを転写成形することは望めない。
本発明は、フイルムの表面に特にナノオーダサイズのパターンを連続的に正確に転写する新規なフイルム表面転写装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明のフイルム表面転写装置は、表面にナノサイズの微細なパターンが加工されている成形ロールと、溶融合成樹脂材料を供給投入するTダイと、該Tダイ直後に位置して該成形ロールに圧接離反する方向に調整可能とした加熱ロールと、該加熱ロールから成形ロールの回転方向後方に離れた位置に位置して、成形ロールに圧接離反する方向に調整可能とした金属ロールと、該加熱ロールと該金属ロールを囲むように捲回して設けた第一加熱金属ベルトと、該加熱ロールと金属ロールとの間に位置し、該第一加熱金属ベルトの内側に置かれ金属ベルトを介して、成形ロールに押圧するゴムロールとから構成され、Tダイから供給投入された合成樹脂フイルムを加熱ロールと成形ロールのギャップで厚さ調整し、加熱ロールと金属ロール間の第一加熱金属ベルトで押圧しながら成形ロールの回転力で移動し、ゴムロールの押圧力により成形ロール表面の微細なパターンを合成樹脂フイルムに転写することを特徴とするものである。
【0008】
上記成形ロールが中空に形成され、Tダイより樹脂が供給される前段で、成形ロールの外周表面を、非接触で外部より加熱制御するようにしてあることを特徴とする。
上記加熱ロールが、ロール内部の電気ヒータにより加熱され、シリンダ駆動により成形ロールに接近離反し、成形ロールとのギャップ調整がなされるようにしてあることを特徴とする。
【0009】
上記ゴムロールが、シリンダ駆動の圧力変更により、任意の面圧で合成樹脂フイルムに加圧できるようにしてあることを特徴とする。
上記金属ロールが、シリンダ駆動されるV字アームの片側先端に軸支され、シリンダ駆動による金属ロールの押圧力により第一加熱金属ベルトに張力を与えて、成形ロールとの間に介在する合成樹脂フイルムに面圧力を与えるようにしてあることを特徴とする。
【0010】
上記第一加熱金属ベルトの後方に、内部に冷却媒体が循環する一対の冷却ロールを囲む様に捲回した第二冷却金属ベルトを設け、この第二冷却金属ベルトを成形ロールに押圧してあることを特徴とする。
上記第二冷却金属ベルトの内側に、スリット状溝を有した複数の空気吹付パイプを設けて、上記第二冷却金属ベルトを冷却するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
上記成形ロールの中空内部に、合成樹脂フイルムのガラス転移温度Tg以下の温度で制御された冷却熱媒体を循環し、その媒体の液高さレベルが、ゴムロールより下方の任意のレベルに調整できるようにしてあることを特徴とする。
上記第二冷却金属ベルトの後方に、転写された合成樹脂フイルムを成形ロールから剥離するためのスリット状の溝を有した空気吹付パイプを設けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のフイルム表面転写装置は、表面にナノサイズの微細なパターンが加工されている成形ロールと、溶融合成樹脂材料を供給投入するTダイと、該Tダイ直後に位置して該成形ロールに圧接離反する方向に調整可能とした加熱ロールと、該加熱ロールから成形ロールの回転方向後方に離れた位置に位置して、成形ロールに圧接離反する方向に調整可能とした金属ロールと、該加熱ロールと該金属ロールを囲むように捲回して設けた第一加熱金属ベルトと、該加熱ロールと金属ロールとの間に位置し、該第一加熱金属ベルトの内側に置かれ金属ベルトを介して、成形ロールに押圧するゴムロールとから構成され、Tダイから供給投入された合成樹脂フイルムを加熱ロールと成形ロールのギャップで厚さ調整し、加熱ロールと金属ロール間の第一加熱金属ベルトで押圧しながら成形ロールの回転力で移動し、ゴムロールの押圧力により成形ロール表面の微細なパターンを合成樹脂フイルムに転写することを特徴とするから、合成樹脂フイルムが、加熱ロールと金属ロールとの間を第一加熱金属ベルトで押圧されて移動し、ゴムロールの押圧力により加熱され、温度―加圧力―加圧時間を調整することができ、ナノパターンを合成樹脂フイルムに転写して、ナノパターンが加工されて合成樹脂フイルムを連続的に成形して提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のフイルム表面転写装置の斜視図である。
【図2】本発明のフイルム表面転写装置の正面図である。
【図3】加圧ロールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
押出機のTダイ2から出た溶融樹脂は、表面にナノサイズのパターンが施され、可変速モータで回転する成型ロール1と、内部にカートリッジヒータを持ち樹脂の結晶化温度Tg以上の温度に制御できる自由回転の加熱ロール3とギャップの間に挿入され、加熱ロール3と下方の自由回転する金属ロール4を囲むように捲回して設けた第一加熱金属ベルト6と成型ロール1の間の樹脂は、成型ロール1の回転によって、第一加熱金属ベルト6に押圧されながら、フイルム状に成形され、下方の金属ロール4側に移送される。
【0015】
第一加熱金属ベルト6の内側の加熱ロール3と金属ロール4との間に、シリンダ11より成形ロール1に圧接離反する方向に調整できるゴムロール10があり、第一加熱金属ベルト6を介してフイルムに加圧することにより、ナノサイズのパターンがフイルムに転写され金属ロール4側に移送される。金属ロール4に転写フイルムが到達するまでには、フイルムが結晶化温度Tg以下の半固化状態になるように、ロール内の冷却媒体で成形ロール1表面を冷却する。
【0016】
ここで、加熱ロール3は、シリンダ7で成形ロール1に接近離反する方向に調整可能であり、成形ロール1とのギャップ調整ができるように、成形ロール1側に接近する加熱ロール3を移動制限するためのギャップ目盛29付のストッパネジ28が装備されており、フイルムの厚さ調整ができるようになっている。又、転写フイルムの均一化のために、ロール幅方向に温度が均一になるように、カートリッジヒータは、内部の発熱線が分布巻きしたものが用いられており、ロール回転によるリード線のよじれを解消するために、例えばロータリコネクタ30が用いられている。
【0017】
成形ロール1は、内部が空洞で、熱伝導を早くするために肉薄になっており、ロールの上部には、非接触でロール表面を樹脂の結晶化温度Tg以上に加熱する赤外線ヒータ20または、高周波誘導加熱装置の誘導加熱バーが配置され、放射温度計25で表面温度を測定しながら、任意の温度に温度制御できるようになっている。
【0018】
この加熱装置21の場合も、転写フイルムの均一化のため、ロール幅方向に温度が均一になるように、赤外線ヒータ20の場合は、発熱線が分布巻に、誘導加熱の場合はコイルが分布巻になっている。赤外線ヒータ20は、熱伝達速度が小さいので、樹脂粘度が小さく結晶化温度が高い場合、いわゆるゴムロール10で加圧する位置の温度と半固化する温度との差が小さい場合に利用でき、これとは逆の場合や早く転写させる場合は、高価になるが伝達速度の高い高周波誘導加熱装置を使用すると良い。
【0019】
又、空洞の成形ロール1内に、ロール軸部の穴に取り付けたロータリジョイントを介して、樹脂フイルムのガラス転移温度以下に制御された熱媒体が加熱槽より送られて入り、その媒体の成形ロール1内の液高さレベルが、ゴムロール10高さ位置より下位の任意のレベルに調整できるように、成形ロール1の側面に複数の穴をあけ、内部の熱媒体を穴より流出させて、流出容器から加熱槽への循環ホースの途中につけた絞り弁の調整、または、循環槽の供給量調整弁により行えるようになっている。この液レベルは、フイルムの温度に影響するので、成形ロール1の正面にレベルゲイジが取り付けられ、調整できるようになっている。
【0020】
第一加熱金属ベルト6は、例えばシームレスのニッケル系金属またはステンレス系金属で厚さが0.1mm〜0.2mm程度であり、樹脂と接する面(転写されるフイルムの裏面)が光学特性を良くするために鏡面に処理されたものが用いられている。
【0021】
下方の金属ロール4は、シリンダ8の加圧力により第一加熱金属ベルト6に張力を与え、この張力によりベルト6によるフイルムへの面圧力が定まるが、ベルト6の曲げ応力と引張応力からして疲労強度(疲労寿命)を考慮すると、各ロールのサイズにより許容面圧力の値は異なるが、一般に知られているガラス移転温度Tg近辺での30kg/cm面圧力には到達できない。
本装置では、成形ロール1がφ200mmで、疲労強度を考慮して面圧が1〜6kg/cmになるように接してある。
【0022】
また、金属ロール4は、シリンダ駆動されるV字アーム9の片側先端に軸支される構造をとっているので、V字アーム9の開き角度をベルト6の張力による伸びと熱膨張による伸びを考慮して180度を超えない範囲でできる限り大きくなるように設定されているので、テコの原理により小さなシリンダでベルト張力を大きく取れるようになっている。
【0023】
ゴムロール10は、シリンダ11により成形ロール1に圧接離反する方向に調整できるようになっており、成形ロール1に圧接した時にゴムロール10の接触部は、つぶれて面接触になるが、面積が小さいので容易に面圧力が大きくとることができ、この装置の場合は10〜120kg/cmの範囲で負荷させることができるようになっている。
【0024】
このように構成したことにより、一般に行われているガラス転移温度で面圧30kg/cmで30秒以上保持することは不可能なので、ベルトの面圧が低圧でも短時間に転写する為に、転写が温度―圧力―保圧時間の関係を利用して、成形ロール1と第一加熱金属ベルト6を樹脂の結晶化温度Tg以上の適切な温度に制御し、ベルト6と成形ロール1の間の高温のフイルムを、ベルト6を介して最大120kg/cmの面圧で狭圧することにより、成形ロール1表面に加工されたナノスケールの微細なパターンをフイルムに転写することが可能になり、引いて金属ロール4に到達するまでの間に、成形ロール1内を循環するガラス転移温度以下の冷媒でまた、必要により冷媒液のレベルを調整して転写されたフイルムをガラス転移温度以下の半固化状態までに到達させる。
【0025】
この装置は、上記金属ロール4の後方に冷却水がロール内部に循環している一対の自由回転する冷却ロール12があり、この一対の冷却ロール12を囲むよう捲回して設けた第二冷却金属ベルト13を設け、この第二冷却金属ベルト13をシリンダ14によりナノパターンが転写されたフイルムを軽く押さえることによりパターンが変形しない状態で更に冷却を進めるようにしてある。この第二冷却金属ベルト13のフイルムに接する面は、フイルムが半固化状態なので鏡面にする必要がなく一般の表面粗さの2S程度でよい。ナノスケールのパターンが正確にフイルムに転写されると、成形ロール1に密着するので、離形時にフイルムが伸びてパターンが変形し、また切断することがあるので、フイルムはできる限り室温近辺まで冷却したほうが好ましく、本装置では、更に第二冷却金属ベルト13の内側に、スリット状の溝31を有した複数の空冷スリットパイプ16を設け、圧搾空気を成形ロール1側のベルトに吹付けて、冷却を支援するようにしてある。
【0026】
第二冷却金属ベルト13の後方に、成形ロール1に密着したフイルムを成形ロール1から容易に離形させるために、スリット状の溝32を有した空気吹付パイプ19が設けてあり、フイルムと成形ロール1の間に圧搾空気を吹き付けるようにしてある。
【0027】
転写を終えた成形ロール1は元に戻り、離形の空気吹付パイプ19とTダイ2の間で引き続き非接触にて成形ロール1の表面を、樹脂のガラス転移温度以上の適切な温度に加熱され、連続して転写フイルムの成形を繰り返す。
離形された転写フイルムは、後方上部に配置された保護フイルム27でフイルムの転写面を覆って保護し、後方の巻取りボビン18に一緒に巻き取られる。
【0028】
成形ロール1の上部に配置された繰出しボビン23の耐熱フイルム24は、転写フイルムの成形開始時のみに使用するもので、Tダイ2より溶融樹脂を流す前に、第一加熱金属ベルトと第二冷却金属ベルトを成形ロール1より退避させた位置に置き、転写フイルムが通る経路に耐熱フイルム24を通して巻取りボビン18に捲きつけた後に、第一加熱金属ベルトと第二冷却金属ベルトを成形ロール1側に移動し、Tダイ2より樹脂を流し、流した樹脂と耐熱フイルムが巻取りボビン18までに到達したら、耐熱フイルムを切断して本来の転写フイルムの成形を開始する。このことにより、転写フイルムのリードがスムースに行われるとともに、ベルトの直接接触による成形ロール1のパターンの損傷が保護される。
【0029】
上記実施例では、成形ロールの表面にナノサイズのパターンが施され、合成樹脂フイルムの片面のみにナノサイズのパターンを転写する例を説明したが、第一加熱金属ベルトの表面にナノサイズのパターンを施し、合成樹脂転写フイルムの両面にナノサイズのパターンを転写することもできる。
【符号の説明】
【0030】
1 成形ロール
2 Tダイ
3 加熱ロール
4 金属ロール
5 ガイドロール
6 第一加熱金属ベルト
7 シリンダ
8 シリンダ
9 V字アーム
10 ゴムロール
11 シリンダ
12 冷却ロール
13 第二冷却金属ベルト
14 シリンダ
15 V字アーム
16 空冷スリットパイプ
17 合成樹脂転写フイルム
18 巻取りボビン
19 空気吹付けパイプ
20 赤外線ヒータ
21 加熱装置
22 軸支
23 繰出しボビン
24 耐熱フイルム
25 放射温度センサ
26 保護フイルムボビン
27 保護フイルム
28 ストッパネジ
29 ギャップ目盛
30 ロータリーコネクタ
31,32 スリット状の溝




【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にナノサイズの微細なパターンが加工されている成形ロールと、溶融合成樹脂材料を供給投入するTダイと、該Tダイ直後に位置して該成形ロールに圧接離反する方向に調整可能とした加熱ロールと、該加熱ロールから成形ロールの回転方向後方に離れた位置に位置して、成形ロールに圧接離反する方向に調整可能とした金属ロールと、該加熱ロールと該金属ロールを囲むように捲回して設けた第一加熱金属ベルトと、該加熱ロールと金属ロールとの間に位置し、該第一加熱金属ベルトの内側に置かれ金属ベルトを介して、成形ロールに押圧するゴムロールとから構成され、Tダイから供給投入された合成樹脂フイルムを加熱ロールと成形ロールのギャップで厚さ調整し、加熱ロールと金属ロール間の第一加熱金属ベルトで押圧しながら成形ロールの回転力で移動し、ゴムロールの押圧力により成形ロール表面の微細なパターンを合成樹脂フイルムに転写することを特徴とするフイルム表面転写装置。
【請求項2】
上記成形ロールが中空に形成され、Tダイより樹脂が供給される前段で、成形ロールの外周表面を、非接触で外部より加熱制御するようにしてあることを特徴とする上記請求項1に記載のフイルム表面転写装置。
【請求項3】
上記加熱ロールが、ロール内部の電気ヒータにより加熱され、シリンダ駆動により成形ロールに接近離反し、成形ロールとのギャップ調整がなされるようにしてあることを特徴とする上記請求項1又は2に記載のフイルム表面転写装置。
【請求項4】
上記ゴムロールが、シリンダ駆動の圧力変更により、任意の面圧で合成樹脂フイルムに加圧できるようにしてあることを特徴とする上記請求項1乃至3の何れかに記載のフイルム表面転写装置。
【請求項5】
上記金属ロールが、シリンダ駆動されるV字アームの片側先端に軸支され、シリンダ駆動による金属ロールの押圧力により第一加熱金属ベルトに張力を与えて、成形ロールとの間に介在する合成樹脂フイルムに面圧力を与えるようにしてあることを特徴とする上記請求項1乃至4の何れかに記載のフイルム表面転写装置。
【請求項6】
上記第一加熱金属ベルトの後方に、内部に冷却媒体が循環する一対の冷却ロールを囲む様に捲回した第二冷却金属ベルトを設け、この第二冷却金属ベルトを成形ロールに押圧してあることを特徴とする上記請求項1乃至5の何れかに記載のフイルム表面転写装置。
【請求項7】
上記第二冷却金属ベルトの内側に、スリット状溝を有した複数の空気吹付パイプを設けて、上記第二冷却金属ベルトを冷却するようにしてあることを特徴とする上記請求項1乃至6の何れかに記載のフイルム表面転写装置。
【請求項8】
上記成形ロールの中空内部に、合成樹脂フイルムのガラス転移温度Tg以下の温度で制御された冷却熱媒体を循環し、その媒体の液高さレベルが、ゴムロールより下方の任意のレベルに調整できるようにしてあることを特徴とする上記請求項1乃至7の何れかに記載のフイルム表面転写装置。
【請求項9】
上記第二冷却金属ベルトの後方に、転写された合成樹脂フイルムを成形ロールから剥離するためのスリット状の溝を有した空気吹付パイプを設けてあることを特徴とする上記請求項6乃至8の何れかに記載のフイルム表面転写装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−179772(P2012−179772A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43497(P2011−43497)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000151852)株式会社東洋精機製作所 (26)
【Fターム(参考)】