説明

フェノール樹脂発泡体の製造方法

【解決手段】フェノール樹脂、発泡剤、硬化剤及び界面活性剤を含む発泡性組成物を移動ベルト上に連続的に吐出し発泡硬化させてフェノール樹脂発泡体を製造する。該発泡性樹脂組成物の少なくともベルト側の片面を面材で被覆しておいて発泡硬化をする。該面材として繊維径が0.5〜4デニールであり、目付が80〜160g/mであり、厚みが300〜600μmである合成繊維系不織布を用いる。
【効果】発泡性樹脂組成物が面材の外側にシミ出須縄を防止し、これによって、ベルトと発泡性樹脂組成物が付着し、得られた発泡体がベルトから離れにくく、連続生産性を損ねるという問題を確実に解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノール樹脂発泡体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液状フェノール樹脂発泡性組成物を移動ベルト上に面材を介して連続的に吐出し発泡硬化させてフェノール樹脂発泡体を製造する際に、該発泡性樹脂組成物が面材を経てその外側にシミ出して、ベルトと発泡性樹脂組成物が付着し、得られる発泡体がベルトから離れず、連続生産性を損ねる問題がある。これを解決するために、特許文献1には、繊維径0.01〜3.0デニール、目付15〜80g/mの合成繊維系不織布からなる面材を用いることが提案されている。
【特許文献1】特許第3523196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記繊維径範囲および目付範囲の面材を使用しても、発泡性樹脂組成物が面材の外側にシミ出して、ベルトと発泡性樹脂組成物が付着し、得られる発泡体がベルトから離れにくく、連続生産性を損ねるという問題は、依然として解決されていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、該発泡性樹脂組成物の面材外側へのシミ出しによる問題を解決すべくなされたものであり、フェノール樹脂、発泡剤、硬化剤及び界面活性剤を含む発泡性組成物を移動ベルト上に連続的に吐出し発泡硬化させてフェノール樹脂発泡体を製造する際に、該発泡性樹脂組成物とベルトの付着を防止するために、該発泡性樹脂組成物の少なくともベルト側の片面を面材で被覆しておいて発泡硬化をするフェノール樹脂の製造方法において、該面材として繊維径が0.5〜4デニールであり、目付が80〜160g/mであり、厚みが300〜600μmである合成繊維系不織布を用いることを特徴とするフェノール樹脂発泡体の製造方法である。
【0005】
以下、本発明の構成を、詳しく説明する。
【0006】
本発明で用いる発泡性樹脂組成物としては、発泡性レゾール型フェノール樹脂組成物が好ましい。発泡性レゾール型フェノール樹脂組成物は、液状レゾール型フェノール樹脂、発泡剤、硬化剤、界面活性剤、および所望により、可塑剤、無機フィラー、他の添加剤を含むものである。
【0007】
液状レゾール型フェノール樹脂は、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシン等のフェノール類及びその変性物とホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等のアルデヒド類を、触媒量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリの存在下に反応させて得られるフェノール樹脂であるが、これに限定されるものではない。フェノール類とアルデヒド類の使用割合は特に限定はないが、モル比で通常1.0:1.5〜1.0:3.0程度、好ましくは1.0:1.8〜1.0:2.5である。
【0008】
上記発泡性樹脂組成物に含まれる発泡剤として、炭素数2〜5の直鎖状または分岐状の塩素化脂肪族炭化水素が好ましい。塩素原子の結合数は特に制限はないが、1分子内に1〜4個程度が好ましい。このような塩素化脂肪族炭化水素化合物の例としては、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリドなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。これらの中では、プロピルクロリドやイソプロピルクロリドなどのクロロプロパン類が好ましく、特にイソプロピルクロリドが好適である。
【0009】
発泡剤として、このような炭素数2〜5の塩素化脂肪族炭化水素化合物を用いることにより、得られる発泡体は、初期熱伝導率が低くなる。
【0010】
上記塩素化脂肪族炭化水素化合物には、得られるフェノール樹脂発泡体の性能や物理的性質を損なわないもの、例えば1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンなどの弗素化炭化水素化合物(代替フロン)、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等の塩弗素化炭化水素化合物、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系化合物、イソプロピルエーテル等のエーテル化合物、窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素ガス等の気体、あるいはこれらの混合ガスを適宜加えることができる。この添加成分の量は、塩素化脂肪族炭化水素化合物に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%である。
【0011】
上記発泡性樹脂組成物中の発泡剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して、通常1〜20質量部、好ましくは5〜10質量部である。
【0012】

上記発泡性樹脂組成物に含まれる硬化剤としては、例えば硫酸、リン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸が用いられる。これらの硬化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
上記発泡性樹脂組成物中の硬化剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して、通常5〜30質量部、好ましくは10〜20質量部である。
【0014】
上記発泡性樹脂組成物に含まれる界面活性剤としては、トウゴマ等の種子から圧搾法によって得られる不乾性油であるひまし油が好ましい。これは、リシノール酸、オレイン酸、リノール酸等の不飽和酸を主成分として含み、ステアリン酸及びジオキシステアリン酸等の少量の飽和酸を含む。好ましい界面活性剤としては、上記ひまし油1モルに対し、エチレンオキサイドが20モル超、40モル未満付加されているものが挙げられる。エチレンオキサイドの付加モル数が20モル超、40モル未満であることが好ましい理由は、該付加モル数がこの範囲内にあるときに、ひまし油の長鎖炭化水素基を主体とする疎水性基と、該付加モル数がこの範囲内にあるエチレンオキサイドによって形成されたポリオキシエチレン基を主体とする親水性基とが、分子内でバランス良く配置されて、良好な界面活性能が得られるからである。このような良好な界面活性能を有するひまし油エチレンオキサイド付加物を用いることにより、フェノール樹脂発泡体の気泡径が小さく保たれ、また気泡壁に柔軟性が付与されて、気泡壁の亀裂の発生が防止されるなどの効果が得られる。エチレンオキサイドのより好ましい付加モル数は21〜38モルである。
【0015】
界面活性剤としては、上記ひまし油エチレンオキサイド付加物の外に、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ひまし油プロピレンオキシド付加物などを用いることもできる。
【0016】
上記発泡性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当たり、好ましくは1〜5質量部、より好ましくは2〜4質量部である。界面活性剤の含有量が上記範囲未満であると、気泡が均一に小さくなり難く、一方、上記範囲を超えると、得られるフェノール樹脂発泡体の吸水性が増大する上に製造コストが高くなる。
【0017】
上記発泡性樹脂組成物に所望により添加される可塑剤としては、例えばポリエステルポリオールが好ましい。該ポリエステルポリオールは、多価カルボン酸と多価アルコールとを反応させることにより得られ、その分子量は特に制限はないが、気泡壁に柔軟性を付与し、経時劣化を抑制する性能の点から、重量平均分子量で200〜10,000程度が好ましく、200〜5,000の範囲がより好ましい。また、ヒドロキシル基を1分子内に少なくとも2個有するものが前記性能の点から好ましい。多価カルボン酸の1分子内のカルボキシル基の数は、2以上であればよく、特に制限はない。また、多価アルコールの1分子内のヒドロキシル基の数も、2以上であればよく、特に制限はない。
【0018】
前記ポリエステルポリオールには、必要に応じ他の可塑剤、例えばリン酸トリフェニル、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルなどを併用することができる。
【0019】
上記発泡性樹脂組成物中の可塑剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して、通常1〜10質量部、好ましくは2〜5質量部である。
【0020】
上記発泡性樹脂組成物に所望により加えられる無機フィラーは、熱伝導率および酸性度が低く、かつ防火性の向上したフェノール樹脂発泡体を与えることができる。無機フィラーとしては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属の水酸化物や酸化物、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムなどの金属粉末、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛などの金属の炭酸塩が挙げられる。これらの無機フィラーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの無機フィラーの中では水酸化アルミニウムおよび/または炭酸カルシウムが好適である。
【0021】
上記発泡性樹脂組成物中の無機フィラーの含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して、通常0.1〜30質量部、好ましくは1〜10質量部である。
【0022】
上記発泡性樹脂組成物に所望により加えられる他の添加剤の例としては、含窒素架橋型環式化合物が挙げられる。この含窒素架橋型環式化合物を発泡性樹脂組成物に添加することにより、得られるフェノール樹脂発泡体は、良好な断熱性能を維持しながら、機械的強度に優れ、脆性が改善され、かつ従来品に比べてpHが高く、腐食防止性を有するなどの効果を発揮する。
【0023】
前記含窒素架橋型環式化合物としては、例えばキヌクリジン、ピジン、ヘキサメチレンテトラミンなどを挙げることができる。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、効果および入手の容易さなどの点からヘキサメチレンテトラミンが好適である。
【0024】
上記発泡性樹脂組成物中の含窒素架橋型環式化合物の含有量は、効果および経済性のバランスなどの点から、フェノール樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.3〜7質量部である。
【0025】
本発明において上記構成の発泡性組成物を連続的に吐出するための移動ベルトは例えば無端ベルトである。
【0026】
つぎに、本発明において上記構成の発泡性組成物とベルトの付着を防止するために、該発泡性樹脂組成物の少なくともベルト側の片面を被覆する面材について、説明をする。
【0027】
本発明では、該面材として、繊維径が0.5〜4デニールであり、目付が80〜160g/mであり、厚みが300〜600μmである合成繊維系不織布を用いる。
【0028】
該合成繊維不織布は、ポリエステル、ポリプロピレン、EVA、ポリアミドなどからなる不織布であれが特に限定されないが、一般的にポリエステル製がコスト及び性能面で好適である。不織布の製法としては、生産性に優れたスパンボンド法が好ましい。
【0029】
不織布の繊維径を小さくすることで、同じ目付であっても全体をより均一にすることができる。繊維径としては、より小さい方が均一性が高くなると考えられるが、生産性の観点から0.5〜4デニールが好ましい。より好ましい繊維径は2〜3デニールである。
【0030】
不織布の目付が大きいと言うことは、単位あたりの重量が大きいことであり、面材への発泡性樹脂組成物のシミ込みをより食い止めることができる。目付は大きければ大きいほど面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しを防止できるが、コストの関係から80g/m〜160g/mが良い。その理由は、目付が80g/m以下では面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しが大きく、目付が160g/mを超えるとコスト的に不利となるだけでなく、毛羽が立ちやすいなり、断熱性が低下するなどの問題が発生するからである。
【0031】
不織布の厚みについては、不織布の仕上げ工程において、繊維をロールで挟圧する際に、繊維の一部を結着させるための圧力、ロールのエンボス模様により、繊維間の結合を変えることで、不織布の厚みを調整することができる。不織布が厚く、発泡性樹脂組成物が面材を厚み方向に通過する抵抗が高いものが面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出し防止に有効である。不織布の厚みが小さすぎるとこの効果が十分発揮されないので、厚みの下限は300μmである。厚みの上限については、所定の目付範囲内で厚みを出そうとすると不織布製造時の挟圧条件が弱くなるため、不織布全体の結着が弱くなり、強度がでない、毛羽が立ちやすい等別の問題が発生する。したがって、目付が80〜160g/mの範囲であれば、厚みは300〜600μm程度が好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、該発泡性樹脂組成物の少なくともベルト側の片面を被覆する面材として繊維径が0.5〜4デニールであり、目付が80〜160g/mであり、厚みが300〜600μmである合成繊維系不織布を用いるので、発泡性樹脂組成物が面材の外側にシミ出すのを防止し、これによって、ベルトと発泡性樹脂組成物が付着し、得られた発泡体がベルトから離れにくく、連続生産性を損ねるという問題を確実に解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
つぎに、本発明を具体的に説明するために、本発明の実施例およびこれとの比較を示すための比較例をいくつか挙げる。
【0034】
実施例1
液状レゾール型フェノール樹脂(旭有機材工業社製、商品名「PF−333」)100重量部に対して、界面活性剤として、ひまし油3質量部、可塑剤としてポリエステルポリオール3質量部を加えたものに、硬化剤としてパラトルエンスルホン酸とキシレンスルホン酸の混合物を15質量部、及び、発泡剤としてイソプロピルクロリド8質量部をミキシングヘッドに供給し、得られた発泡性樹脂組成物をマルチポート分配管を通して、コンベヤによって移動する下側面材の上に吐出した。
【0035】
ここで使用した面材は、繊維径が2デニールで、目付が100g/mで、厚さが440μmであるポリエステル製不織布(旭化成せんい工業社製「スパンボンド」E1100)であった。
【0036】
次に、下側面材の上の発泡性樹脂組成物を下側面材と同種の上側面材で被覆した後、得られたサンドイッチ体をスラット型ダブルコンベアに供給した。
【0037】
ダブルコンベアの速度は18m/minに設定し、温度は全長にわたり75℃に制御した。約2分間加熱することで、厚さ35mm、幅1050mmの連続発泡体を得た。
【0038】
その後、発泡体を切断機で幅1000mm×長さ2000mmの小片に切断された後、これらを乾燥機で養生され、最終製品とした。
【0039】
評価方法
連続発泡体のベルトからの離型性、及び、面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しを下記の方法で評価した。
【0040】
a)連続発泡体のベルトからの離型性
発泡性樹脂組成物が面材からシミ出し、コンベヤのベルトに付着すると、得られた発泡体をベルトから離型させる際、面材がベルトにもっていかれ、最終製品が面材剥離という形で不具合を生じる。したがって、離型性に関する評価を、最終製品の断面にて面材と発泡体の界面に面材の剥離があるかどうかを目視で観察することで代用評価とした。
【0041】
b)面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出し
面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しに関しては、フェノール樹脂発泡体は硬化するとピンク色を呈するため、面材として白色のものを使用して、最終製品の面材に発泡体のピンク色が写ったかどうかを目視にて観察した。
【0042】
評価結果は、最終製品の断面にて面材と発泡体の界面に面材剥離がなく、発泡体のベルトからの離型性に問題はなく、また、最終製品の面材に発泡体のピンク色写りがなく、面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しがなかった。
【0043】
実施例2
使用する面材を、繊維径が3デニールで、目付が160gで、厚さが400μmである不織布(東洋紡社製、商品名「スパンボンド」3851A)からなるものに代えた以外は実施例1と同じ操作を行った。
【0044】
評価結果は、最終製品の断面にて面材と発泡体の界面に面材剥離がなく、発泡体のベルトからの離型性に問題はなく、また、最終製品の面材に発泡体のピンク色写りがなく、面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しがなかった。
【0045】
実施例3
使用する面材を、繊維径が4デニールで、目付が120gで、厚さが350μmである不織布(東洋紡社製、商品名「スパンボンド」)からなるものに代えた以外は実施例1と同じ操作を行った。
【0046】
評価結果は、最終製品の断面にて面材と発泡体の界面に面材剥離がなく、発泡体のベルトからの離型性に問題はなく、また、最終製品の面材に発泡体のピンク色写りがなく、面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しがなかった。
【0047】
比較例1
使用する面材を、繊維径が2デニールで、目付が70gで、厚さが350μmである不織布(旭化成せんい社製、商品名「スパンボンド」)からなるものに代えた以外は実施例1と同じ操作を行った。
【0048】
評価結果は、最終製品の断面にて面材と発泡体の界面に面材剥離があり、発泡体のベルトからの離型性に問題があり、また、最終製品の面材に発泡体のピンク色写りが若干あり、面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しが認められた。
【0049】
比較例2
使用する面材を、繊維径が3デニールで、目付が60gで、厚さが250μmである不織布(東洋紡社製、商品名「スパンボンド」)からなるものに代えた以外は実施例1と同じ操作を行った。
【0050】
評価結果は、最終製品の断面にて面材と発泡体の界面に面材剥離があり、発泡体のベルトからの離型性に問題があり、また、最終製品の面材に発泡体のピンク色写りがあり、面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しが認められた。
【0051】
比較例3
使用する面材を、繊維径が4デニールで、目付が100gで、厚さが200μmである不織布(ツジトミ社製、商品名「スパンボンド」)からなるものに代えた以外は実施例1と同じ操作を行った。
【0052】
評価結果は、最終製品の断面にて面材と発泡体の界面に面材剥離があり、発泡体のベルトからの離型性に問題があり、また、最終製品の面材に発泡体のピンク色写りがあり、面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しが認められた。
【0053】
比較例4
使用する面材を、繊維径が5デニールで、目付が100gで、厚さが300μmである不織布(ツジトミ社製、商品名「スパンボンド」)からなるものに代えた以外は実施例1と同じ操作を行った。
【0054】
評価結果は、最終製品の断面にて面材と発泡体の界面に面材剥離があり、発泡体のベルトからの離型性に問題があり、また、最終製品の面材に発泡体のピンク色写りがあり、面材からの発泡性樹脂組成物のシミ出しが認められた。
【0055】
実施例及び比較例で用いた面材及び評価結果を表1にまとめて示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェノール樹脂、発泡剤、硬化剤及び界面活性剤を含む発泡性組成物を移動ベルト上に連続的に吐出し発泡硬化させてフェノール樹脂発泡体を製造する際に、該発泡性樹脂組成物とベルトの付着を防止するために、該発泡性樹脂組成物の少なくともベルト側の片面を面材で被覆しておいて発泡硬化をするフェノール樹脂の製造方法において、該面材として繊維径が0.5〜4デニールであり、目付が80〜160g/mであり、厚みが300〜600μmである合成繊維系不織布を用いることを特徴とするフェノール樹脂発泡体の製造方法。

【公開番号】特開2010−94810(P2010−94810A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264760(P2008−264760)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】