説明

フォトレジスト組成物

【課題】後退角が高く、かつ解像性能が良好な液浸用フォトレジスト組成物を提供する。
【解決手段】樹脂(A)と樹脂(B)をそれぞれ1種以上ずつ含み、また酸発生剤を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
樹脂(A):(ア)酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(エ)’フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有しない樹脂。
樹脂(B):(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、(イ)’水酸基を側鎖に有するユニット、および(ウ)’ラクトン構造を側鎖に有するユニット、からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有する樹脂。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液浸用フォトレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
液浸用フォトレジスト組成物は、半導体を微細加工するリソグラフィプロセスにおいて用いられている。
【0003】
リソグラフィプロセスにより半導体を微細加工する場合において、リソグラフィプロセスにおいて発生する欠陥をいかに少なくするかが従来より課題になっており、特に、最近開発されたリソグラフィプロセス技術であり、従来よりさらに微細な加工を行うことができる液浸露光法においても、リソグラフィプロセスにおける欠陥の減少が課題となっている。
【0004】
非特許文献1、非特許文献2によると、液浸露光における大きな問題点の一つとして、スキャン後の水滴残りに起因する欠陥が挙げられる。この欠陥は液浸露光に特異的な欠陥の一つであり、水滴が残った状態でポストエクスポジャーベーキングを行うことで欠陥が発生する。
【0005】
一方で非特許文献3によると、このような水滴残りによる欠陥の数は、レジスト膜上での水の後退角に相関があり、後退角を高くすることで水滴残りによる欠陥を減少させることができるとある。
【0006】
そこで、特許文献1には、感放射線性樹脂として、式(a)

で表される構造単位と、Fを含まないメタアクリル酸エステルモノマーから導かれる構造単位からなる樹脂(特許文献1の実施例11と比較例2参照。)を有してなり、酸発生剤を含有し、水に対する接触角を50〜70度に調整された(特許文献1の段落[0248]参照。)化学増幅型ポジ型の液浸用フォトレジスト組成物が提案されているが、後退角が高く、しかも解像性能が良好な液浸用フォトレジスト組成物が求められていた。
【0007】
【非特許文献1】C.V. Peskiら、”Film pulling and meniscus instability as a cause of residual fluid droplets.”、Presentation at the 2nd International Symposium on Immersion Lithography、Sep. 2005
【非特許文献2】D. Gilら、”The Role of Evaporation in Defect Formation in Immersion Lithography”、Presentation at the 2nd International Symposium on Immersion Lithography、Sep. 2005
【非特許文献3】K. Nakano ら、”Defectivity data taken with a full-field immersion exposure tool”、Presentation at the 2nd International Symposium on Immersion Lithography、Sep. 2005
【特許文献1】特開2005−266767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、後退角が高く、かつ解像性能が良好な液浸用フォトレジスト組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するため、液浸用フォトレジスト組成物の組成について鋭意検討した結果、樹脂と酸発生剤とを含有する液浸用フォトレジスト組成物において、フッ素を含む構造を側鎖に有するユニットを含有しない特定の樹脂とフッ素を含む構造を側鎖に有するユニットを含有する特定の樹脂とを組み合わせることにより、後退角が高く、しかも解像性能が良好な液浸用フォトレジスト組成物となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、樹脂(A)と樹脂(B)をそれぞれ1種以上ずつ含み、また酸発生剤を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
樹脂(A):(ア)酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(エ)’フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有しない樹脂。
樹脂(B):(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、(イ)’水酸基を側鎖に有するユニット、および(ウ)’ラクトン構造を側鎖に有するユニット、からなる群より選ばれる少なくてとも1種を含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有する樹脂。
【発明の効果】
【0011】
本発明の液浸用フォトレジスト組成物は、特に液浸露光法のリソグラフィプロセスにおいて、後退角が高いので欠陥の発生が少なく、かつ解像度に優れ、リソグラフィプロセス後のレジストパターン形状が良好なので、本発明は液浸露光プロセスにおいて工業的に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のフォトレジスト組成物は、樹脂(A)と樹脂(B)を含む2種以上の樹脂と酸発生剤とを含有することを特徴とし、ここで、樹脂(A)は(ア)酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(エ)’フッ素を含む構造を側鎖に有するユニットを含有しない樹脂であり、樹脂(B)は(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、(イ)’水酸基を側鎖に有するユニット、および(ウ)’ラクトン構造を側鎖に有するユニット、からなる群より選ばれる少なくてとも1種を含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニットを含有する樹脂である。
【0013】
樹脂(A)としては、(ア)酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(イ)水酸基を側鎖に有するユニット、および(ウ)ラクトン構造を側鎖に有するユニット、からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、(エ)’フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有しない樹脂が好ましく、(ア)酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(イ)水酸基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、さらに(ウ)ラクトン構造を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(エ)’フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有しない樹脂がより好ましい。
【0014】
樹脂(B)としては、樹脂(B)が(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有する樹脂が好ましく、(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニットを1種以上含有し、(イ)’水酸基を側鎖に有するユニットおよび(ウ)’ラクトン構造を側鎖に有するユニットからなる群より選ばれる1種以上を含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニットを全繰り返し単位のモル数のうちの10モル%以上含有する樹脂がより好ましい。また、樹脂(B)としては、(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニットを1種以上含有し、(イ)’水酸基を側鎖に有するユニットを1種以上含有し、(ウ)’ラクトン構造を側鎖に有するユニットを1種以上含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニットを含有する樹脂がさらに好ましい。加えて、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニットを全繰り返し単位のモル数のうちの5〜50モル%含有する樹脂がよりさらに好ましい。
【0015】
ユニット(ア)、(ア)’としてそれぞれ独立に、式(Ia)または式(Ib)で表される構造を有するものが好ましい。

(式(Ia)および式(Ib)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2は、炭素数1〜8の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基を表す。R3はメチル基を表す。nは、0〜14の整数を表す。R4、R5はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のヘテロ原子を含んでもよい1価の炭化水素基を表す。あるいはR4とR5で互いに結合して環を形成していてもよく、その場合には炭素数1〜8のヘテロ原子を含んでもよい2価の炭化水素基を表す。また、R4とR5は結合してR4が結合する炭素原子とR5が結合する炭素原子同士の直接結合を表し、R4が結合する炭素原子とR5が結合する炭素原子が二重結合を形成してもよい。mは、1〜3の整数を表す。Zは単結合または−[CH2k−COO−基を表す。kは、1〜4の整数を表す。)
【0016】
式(Ia)で表される構造を導くモノマーの具体例としては、以下のモノマーを挙げることができる。

【0017】

【0018】

【0019】

【0020】

【0021】
また、式(Ib)で表される構造を導くモノマーの具体例として、以下のモノマーを挙げることができる。

【0022】

【0023】
これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピル−2−アダマンチル又はメタクリル酸1−(2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニル)メチルを用いた場合、得られる液浸用フォトレジスト組成物の感度が優れ耐熱性にも優れる傾向があることからさらに好ましい。
【0024】
この(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチルは、通常、2−アルキル−2−アダマンタノール又はその金属塩とアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとの反応により製造できる。
【0025】
ユニット(イ)、(イ)’としては、式(II)で表される構造を有するものが好ましい。

(式(II)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R6、R7はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はヒドロキシル基を表す。R8はメチル基を表す。n’は、0〜12の整数を表す。n’が2以上のとき、複数のR8は、互いに同一でも異なってもよい。Zは単結合または−[CH2k−COO−基を表す。kは、1〜4の整数を表す。)
【0026】
式(II)で表される構造を導くモノマーの具体例としては、以下のモノマーを挙げることができる。

【0027】

【0028】
これらの中でも、特に(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル、メタクリル酸1−(3−ヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチルをメタクリル酸1−(3、5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチルから得られるレジスト樹脂は、高い解像度を示す液浸用フォトレジスト組成物を与えることからさらに好ましい。
【0029】
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルなどのモノマーは、市販されているが、例えば対応するヒドロキシアダマンタンを(メタ)アクリル酸又はそのハライドと反応させることにより、製造することもできる。
【0030】
ユニット(ウ)、(ウ)’としては、それぞれ独立に、式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc)、式(IIId)、式(IIIe)または式(IIIf)のいずれかで表される構造を有するものが好ましい。


(式(IIIa)〜(IIIf)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R9はメチル基を表す。lは、0〜5の整数を表す。l’’は0〜(2j+2)の整数を表す。jは0〜3の整数を表す。lが2以上のとき、複数のR9は、互いに同一でも異なってもよい。R10、R11はカルボキシル基、シアノ基又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。l’は、0〜3の整数を表す。l’が2以上のとき、複数のR10、R11は、互いに同一でも異なってもよい。Zは単結合または−[CH2k−COO−基を表す。kは、1〜4の整数を表す。)
【0031】
式(IIIa)で表される構造を導くモノマーの具体例としては、以下のモノマーを挙げることができる。

【0032】
また、式(IIIb)で表される構造を導くモノマーの具体例としては、以下のモノマーを挙げることができる。

【0033】

【0034】
また、式(IIIc)で表される構造を導くモノマーの具体例としては、以下のモノマーを挙げることができる。

【0035】

【0036】
また式(IIId)で表される構造を導くモノマーの具体例としては、以下のモノマーを挙げることができる。

【0037】
また式(IIIe)で表される構造を導くモノマーの具体例としては、以下のモノマーを挙げることができる。

【0038】
また式(IIIf)で表される構造を導くモノマーの具体例としては、以下のモノマーを挙げることができる。

【0039】
これらの中でも、特に(メタ)アクリル酸 ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イル、(メタ)アクリル酸 テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.0↑3,7↓]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルから得られるレジスト樹脂がさらに好ましい。
【0040】
(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンなどのモノマーは、ラクトン環がアルキルで置換されていてもよいα−もしくはβ−ブロモ−γ−ブチロラクトンにアクリル酸もしくはメタクリル酸を反応させるか、又はラクトン環がアルキルで置換されていてもよいα−もしくはβ−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンにアクリル酸ハライドもしくはメタクリル酸ハライドを反応させることにより製造できる。また、式(IIIb)、式(IIIc)で表される構造単位を与えるモノマーは、具体的には例えば、次のような水酸基を有する脂環式ラクトンの(メタ)アクリル酸エステル、それらの混合物等が挙げられる。これらのエステルは、例えば対応する水酸基を有する脂環式ラクトンと(メタ)アクリル酸類との反応により製造し得る(例えば、特開2000−26446号公報参照。)。
【0041】


【0042】
ユニット(エ)としては、式(IV)で表される構造を有するものが好ましい。

(式(IV)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。ARは酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいてもよく、1個以上の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数1〜30のアルキレン基を表す。aは0〜5の整数を表す。)
【0043】
式(IV)で表される構造を導くモノマーの具体例としては、以下のモノマーを挙げることができる。

【0044】
これらの中でも、特に(メタ)アクリル酸5−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−[トリフルオロメチル]プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、(メタ)アクリル酸6−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−[トリフルオロメチル]プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、(メタ)アクリル酸4,4−ビス(トリフルオロメチル)−3−オキサトリシクロ[4.2.1.0.↑2,5↓]ノニルから得られるレジスト樹脂(B)は高い解像度を示す液浸用フォトレジスト組成物を与えることからさらに好ましい。
【0045】
また、このような式(IV)で表される構造を導くモノマーのモル比は、各モノマーのモル比の総和を100%とした場合、通常5から70%の間が好ましく、更に好ましくは10%から60%の間である。
【0046】
また、樹脂(A)と樹脂(B)の混合比率は重量比で通常は98:2から20:80の範囲が好ましく、より好ましくは95:5から50:50の範囲であり、さらに好ましくは85:15から50:50の範囲であり、最も好ましくは75:25から60:40の範囲である。
【0047】
また、2−ノルボルネンから導かれる構造単位を含む樹脂は、その主鎖に直接脂環基を有するために頑丈な構造となり、ドライエッチング耐性に優れるという特性を示す。2−ノルボルネンは、重合の際に、例えば対応する2−ノルボルネンの他に無水マレイン酸や無水イタコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物を併用したラジカル重合により主鎖へ導入し得る。したがって、2−ノルボルネンから導かれる構造単位は、ノルボルネン構造の二重結合が開いて形成され、式(d)で表すことができ、無水マレイン酸及び無水イタコン酸から導かれる構造単位は、無水マレイン酸及び無水イタコン酸の二重結合が開いて形成され、それぞれ式(e)及び(f)で表すことができる。
【0048】

【0049】
ここで、式(d)中のR25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル基、シアノ基もしくは−COOU(Uはアルコール残基である)を表すか、あるいは、R25及びR26が、−C(=O)OC(=O)−で表されるカルボン酸無水物残基を表す。
前記−COOUは、カルボキシル基がエステルとなったものであり、Uに相当するアルコール残基としては、例えば、置換されていてもよい炭素数1〜8程度のアルキル基、2−オキソオキソラン−3−又は−4−イル基などを挙げることができる。ここで、アルキル基の置換基として、水酸基や脂環式炭化水素残基などが結合していてもよい。
25及び/又はR26がアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、水酸基が結合したアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
【0050】
式(d)で表されるノルボネン構造を導くモノマーの具体例としては、次のような化合物を挙げることができる。
2−ノルボルネン、
2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、
5−ノルボルネン−2−メタノール、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物。
【0051】
なお、式(d)中の前記−COOUのUについて、カルボキシル基の酸素側に結合する炭素原子が4級炭素原子である脂環式エステルなどの酸に不安定な基であれば、ノルボルネン構造を有するといえども、酸に不安定な基を有する構造単位である。ノルボルネン構造と酸に不安定な基を含むモノマーとしては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−t−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
【0052】
このような2−ノルボルネンから導かれる構造単位を含む樹脂についても、式(IV)で表される構造を含有する樹脂を樹脂(B)、含有しない樹脂を樹脂(A)に分類し、本発明の液浸用フォトレジスト組成物用樹脂として用いてもよい。
【0053】
本発明に用いる樹脂の製造方法においては、パターニング露光用の放射線の種類や酸に不安定な基の種類などによっても変動するが、通常、モノマーおよび/またはオリゴマーを重合して得られる樹脂における酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位の含有量を10〜80モル%の範囲に調整する。
【0054】
そして、酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位として特に、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルキルに由来する構造単位を含む場合は、該構造単位が樹脂を構成する全構造単位のうち15モル%以上となると、樹脂が脂環基を有するために頑丈な構造となり、与える液浸用フォトレジスト組成物のドライエッチング耐性の面で有利である。
【0055】
また、酸に不安定な基を有するモノマーに由来する構造単位に加えて、酸に安定なモノマーに由来する構造単位の樹脂における含有量としては、通常、樹脂に対して20〜90モル%の範囲である。
【0056】
なお、分子内にオレフィン性二重結合を有する脂環式化合物及び脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物をモノマーとする場合には、これらは付加重合しにくい傾向があるので、この点を考慮し、これらは過剰に使用することが好ましい。
【0057】
さらに、用いられるモノマーとしてはオレフィン性二重結合部分が同じでも酸に不安定な基が異なるモノマーを併用してもよいし、酸に不安定な基が同じでもオレフィン性二重結合部分が異なるモノマーを併用してもよいし、酸に不安定な基とオレフィン性二重結合部分との組合せが異なるモノマーを併用してもよい。
【0058】
本発明に用いる樹脂の製造方法において、重合に用いられる有機溶剤は、モノマーと開始剤、及び得られる共重合体のいずれも溶解できる溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、トルエン等の炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等が挙げられ、それぞれ単独でもよいし、2種類以上の溶剤を混合して用いてもよい。
【0059】
本発明に用いる樹脂の製造方法における反応温度は、0〜150℃の範囲であって、好ましくは40〜100℃の範囲である。
【0060】
本発明に用いる樹脂の製造方法としては特に制限はないが、ここではより好ましいラジカル重合について説明する。まず、1種類以上のモノマーを有機溶剤に溶解させる。続いて1種類以上のラジカル重合開始剤を溶解させる。そして、得られた反応溶液を所定反応温度において保温しておくことにより、樹脂が得られる。
【0061】
本発明の樹脂の製造に用いられる有機溶剤は、モノマーと開始剤、及び得られる共重合体のいずれも溶解できる溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、トルエン等の炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等が挙げられ、それぞれ単独でも良いし、2種類以上の溶剤を混合して用いてもよい。
【0062】
本発明の樹脂の製造に用いられる重合開始剤は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。重合開始剤の具体例として、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などのアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など無機過酸化物等が挙げられる。
【0063】
中でも好んで用いられるのは、アゾ系化合物であり、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)がより好ましく、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)がさらに好ましい。また、開始剤を2種使用する場合、そのモル比率は1:1〜1:10の範囲が好ましく、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリルの組み合わせ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)と2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)との組み合わせ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)と1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)との組み合わせ、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)との組み合わせが特に好ましい。
【0064】
本発明の樹脂の製造における反応温度は、0〜150℃の範囲であって、好ましくは40〜100℃の範囲である。溶媒量は、仕込みモノマーまたはオリゴマー量に対して1重量倍から5重量倍が好ましく、開始剤量については、仕込みモノマーまたはオリゴマー量に対して1から20モルパーセントが好ましい。重合によって得られる樹脂の重量平均分子量としては1000〜500000が挙げられ、好ましくは、4000〜50000である。
【0065】
一方、物質の疎水性の程度を表す指標の一つにLogPと呼ばれる単位がある。モノマーのLogPの値は例えばChembridge Soft社製のChem Draw Ultra version 9.0.1で計算することで算出することができる。また得られた樹脂の組成比は、例えばNMRで分析することで算出することができる。そして、樹脂のLogPを下記の計算式
樹脂のLogP値 = Σ (各モノマーのLogP値 × モノマー組成比)
(式中のΣは、樹脂を構成するモノマー全てに対する総和をとる事を示す。)
で定義した時、樹脂(B)は、樹脂のLogPが2.10以上である事が望ましい。
【0066】
本発明の液浸用フォトレジスト組成物は、酸発生剤を含有する。
本発明の液浸用フォトレジスト組成物を構成する酸発生剤としては、その物質自体に、あるいはその物質を含む液浸用フォトレジスト組成物に、光や電子線などの放射線を作用させることにより、その物質が分解して酸を発生する。酸発生剤から発生する酸が前記樹脂に作用して、その樹脂中に存在する酸の作用で開裂する基を開裂させることになる。
【0067】
本発明に用いる酸発生剤として、下式(V)で表される化合物が挙げられる。

(式(V)中、R12は炭素数1〜6の直鎖状または分枝状の炭化水素基、あるいは炭素数3〜30の環式炭化水素基を表す。ただし、該炭化水素基に含まれる炭素原子は、任意に、カルボニル基、酸素原子に置換されていてもよく、該炭化水素基は炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、水酸基又はシアノ基、カルボニル基およびエステル基を置換基として含んでいてもよい。A+は有機対イオンを表す。Y1、Y2はそれぞれ独立にフッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。R12が環状構造を有する場合は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基又はシアノ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。)
【0068】
また、本発明に用いる好ましい酸発生剤として、下式(VI)または式(VII)で表される化合物が挙げられる。

(式(VI)および式(VII)中、環Xは炭素数3〜30の単環式または多環式炭化水素基を表す。A+は有機対イオンを表す。Y1、Y2はそれぞれ独立にフッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。式(VI)および式(VII)中の環Xは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、水酸基又はシアノ基を置換基として含んでいてもよい。)
【0069】
このような環Xとしては、炭素数4〜8のシクロアルキル骨格、アダマンチル骨格、ノルボルナン骨格などが挙げられる。このいずれの骨格も炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、水酸基又はシアノ基を置換基として含んでいてもよい。
【0070】
式(VI)および式(VII)で表される酸発生剤のアニオン部の具体例としては、以下のアニオンが挙げられる。

【0071】

【0072】
また、本発明に用いる酸発生剤として、下式(VIII)で表される化合物が挙げられる。

(式(VIII)中、R13は炭素数1〜6の直鎖状または分枝状のペルフルオロアルキル基を表し、A+は有機対イオンを表す。)
【0073】
式(VIII)のアニオン部分の具体的な例としては、次のようなイオンを挙げることができる。
トリフルオロメタンスルホネート、
ペンタフルオロエタンスルホネート、
ヘプタフルオロプロパンスルホネート、
パーフルオロブタンスルホネートなど。
【0074】
式(V)、(VI)、(VII)または式(VIII)で表される酸発生剤において、A+は、有機対イオンを表し、具体的には、以下に示す式(IXz)、式(IXb)、式(IXc)又は式(IXd)のいずれかで表されるカチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンが挙げられる。
【0075】
ここで、式(IXz)は、下記式である。

(式(IXz)中、Pa〜Pcは、互いに独立に、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数3〜30の環式炭化水素基を表す。Pa〜Pcがアルキル基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜12の環式炭化水素基の一つ以上を置換基として含んでいてもよく、Pa〜Pcが環式炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。該アルキル基及び該アルコキシ基は、直鎖でも分岐していてもよい。)
【0076】
式(IXz)で表されるカチオンの中でも、式(IXa)で表されるカチオンが好ましい。

(式(IXa)中、P1〜P3は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該アルキル基及び該アルコキシ基は、直鎖でも分岐していてもよい。)
【0077】
該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0078】
式(IXb)は、ヨウ素カチオンを含む下記式である。

(式(IXb)中、P4、P5は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該アルキル基及び該アルコキシ基は、式(IXa)のアルキル基及びアルコキシ基と同じ意味を表す。)
【0079】
式(IXc)は、下記式である。

式(IXc)中、P6、P7は、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表し、該アルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。該シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基などが挙げられる。また、P6とP7とが結合して、アルキレン基などの炭素数3〜12の2価の炭化水素基であってもよい。P8は、水素原子を表し、P9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、またはフェニル基、ベンジル基などの置換されていてもよい芳香環基を表すか、P8とP9とが結合して、アルキレン基などの炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。P9がアルキル基の場合、該アルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。該シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基などが挙げられる。ここで、式(IIIc)における2価の炭化水素基に含まれる炭素原子は、いずれも、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。
【0080】
式(IXd)は、下記式である。

式(IXd)中、P10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。該アルキル基及び該アルコキシ基は、式(IXa)のアルキル基及びアルコキシ基と同じ意味を表す。
Bは、硫黄原子又は酸素原子を表す。mは、0または1を表す。
【0081】
式(IXz)で表されるカチオンA+の具体例としては、以下のカチオンが挙げられる。

【0082】

【0083】
式(IXb)で表されるカチオンA+の具体例としては、以下のカチオンが挙げられる。

【0084】
式(IXc)で表されるカチオンA+の具体例としては、以下のカチオンが挙げられる。

【0085】

【0086】

【0087】
式(IXd)で表されるカチオンA+の具体例としては、以下のカチオンが挙げられる。

【0088】

【0089】

【0090】
+としては、式(IXe)で表されるカチオンである場合が好ましい。

(式(IXe)中、P22〜P24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。)
このような酸発生剤をレジスト組成物として用いる場合、酸発生剤は単独で用いても複数種を同時に用いてもよい。また、本発明で用いる酸発生剤のうち、式(VI)または式(VII)で表される酸発生剤が式(Xa)、式(Xb)または式(Xc)で表される場合、優れた解像度及びパターン形状を示す液浸用フォトレジスト組成物を与える酸発生剤となることから好ましい。
【0091】

(式(Xa)〜(Xc)中、P25〜P27は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。P28、P29は、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表し、該アルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。又はP28とP29とが結合して、アルキレン基などの炭素数3〜12の2価の炭化水素基であってもよい。P30は、水素原子を表し、P31は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは置換されていても良い芳香環基を表すか、又はP30とP31が結合して炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。ここで、2価の炭化水素基に含まれる炭素原子は、いずれも、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。Y11、Y12
21、Y22、Y31、Y32はそれぞれ独立にフッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。)
【0092】
式(VI)または式(VII)の製造方法としては、例えば、式(1)または式(2)で表される塩と

(式(1)および式(2)中、Xは前記と同じ意味を表し、MはLi、Na、K、又はAgを表す。)
式(3)で表されるオニウム塩とを、

(式(3)中、A+は、前記と同じ意味を表し、ZはF、Cl、Br、I、BF4、AsF6、SbF6、PF6、又はClO4を表す。)
例えば、アセトニトリル、水、メタノール等の不活性溶媒中にて、0℃〜150℃程度の温度範囲、好ましくは0℃〜100℃程度の温度範囲にて攪拌して反応させて、式(IV)または式(VII)で表される塩を得る方法などが挙げられる。
式(3)のオニウム塩の使用量としては、通常、式(1)または式(2)で表される塩1モルに対して、0.5〜2モル程度である。該塩(VI)または該塩(VII)は再結晶で取り出してもよいし、水洗して精製してもよい。
【0093】
式(VI)または式(VII)の製造に用いられる式(1)または式(2)で表される塩の製造方法としては、例えば、先ず、式(4)または式(5)

(式(4)および式(5)中、Xは前記と同じ意味を表す。)
で表されるアルコールと、式(6)

(式(6)中、Mは、前記と同じ意味を表す。)
で表されるカルボン酸とをエステル化反応させて、式(1)または式(2)で表される塩を得る方法などが挙げられる。
【0094】
別法としては、式(4)または式(5)で表されるアルコールと、式(7)

で表されるカルボン酸とをエステル化反応した後、MOHで加水分解して式(1)または式(2)で表される塩を得る方法もある。(Mは、Li、Na、K又はAgを表す。)
【0095】
前記エステル化反応は、通常、ジクロロエタン、トルエン、エチルベンゼン、モノクロロベンゼン、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒中にて、20℃〜200℃程度の温度範囲、好ましくは、50℃〜150℃程度の温度範囲で攪拌して行えばよい。エステル化反応においては、通常は酸触媒としてp−トルエンスルホン酸などの有機酸及び/又は硫酸等の無機酸を添加する。
【0096】
また、エステル化反応は、ディーンスターク装置を用いるなどして、脱水しながら実施すると、反応時間が短縮化される傾向があることから好ましい。
エステル化反応における式(6)で表されるカルボン酸の使用量としては、式(4)または式(5)で表されるアルコール1モルに対して、0.2〜3モル程度、好ましくは0.5〜2モル程度である。エステル化反応における酸触媒は触媒量でも溶媒に相当する量でもよく、通常、0.001モル程度〜5モル程度である。
【0097】
さらに、式(VI)または式(1)で表される塩を還元して式(VII)または式(2)で表される塩を得る方法もある。
【0098】
前記還元反応は、例えば、水、アルコール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼンなどの溶媒中にて、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、トリ第二ブチル水素化ホウ素リチウム、ボランなどの水素化ホウ素化合物、リチウムトリt−ブトキシアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリドなどの水素化アルミニウム化合物、Et3SiH、Ph2SiH2などの有機水素化ケイ素化合物、Bu3SnHなどの有機水素化スズ化合物といった還元剤を用いることができる。反応温度は、−80℃〜100℃程度の温度範囲、好ましくは、−10℃〜60℃程度の温度範囲で攪拌して行えばよい。
【0099】
また、本発明の液浸用フォトレジスト組成物を製造するにあたっては、液浸用フォトレジスト組成物用樹脂および酸発生剤とともに、塩基性化合物、好ましくは、塩基性含窒素有機化合物、とりわけ好ましくはアミン又はアンモニウム塩を含有させる。塩基性化合物をクエンチャーとして添加することにより、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良することができる。クエンチャーに用いられる塩基性化合物の具体的な例としては、以下の各式で表されるようなものが挙げられる。
【0100】

【0101】

(XII)
【0102】
式中、T1、T2及びT7は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。該アルキル基の水素原子、シクロアルキル基の水素原子又はアリール基の水素原子は、それぞれ独立に、水酸基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい。該アミノ基の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。また、該アルキル基は、炭素数1〜6程度が好ましく、該シクロアルキル基は、炭素数5〜10程度が好ましく、該アリール基は、炭素数6〜10程度が好ましい。
【0103】
3、T4及びT5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表す。該アルキル基の水素原子、シクロアルキル基の水素原子、アリール基の水素原子、又はアルコキシ基の水素原子は、それぞれ独立に、水酸基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基、で置換されていてもよい。該アミノ基の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。また、該アルキル基は、炭素数1〜6程度が好ましく、該シクロアルキル基は、炭素数5〜10程度が好ましく、該アリールは、炭素数6〜10程度が好ましく、該アルコキシ基は、炭素数1〜6程度が好ましい。
【0104】
6は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。該アルキル基の水素原子又はシクロアルキル基の水素原子は、それぞれ独立に、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、で置換されていてもよい。該アミノ基の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。また、該アルキル基は、炭素数1〜6程度が好ましく、該シクロアルキル基は、炭素数5〜10程度が好ましい。
【0105】
Aは、アルキレン基、カルボニル基、イミノ基、スルフィド基又はジスルフィド基を表す。該アルキレンは、炭素数2〜6程度であることが好ましい。
また、T1〜T7において、直鎖構造と分岐構造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。
【0106】
このような化合物として、具体的には、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、アニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−又は2−ナフチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、N−メチルアニリン、ピペリジン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、2,6−イソプロピルアニリン、イミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、4−メチルイミダゾール、ビピリジン、2,2′−ジピリジルアミン、ジ−2−ピリジルケトン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ビス(2−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、1,2−ビス(4−ピリジルオキシ)エタン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、1,2−ビス(4−ピリジル)エチレン、2,2′−ジピコリルアミン、3,3′−ジピコリルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−オクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリンなどを挙げることができる。
【0107】
さらには、特開平11−52575号公報に開示されているような、ピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクエンチャーとすることもできる。
【0108】
特に式(XII)で表される構造の化合物をクエンチャーとして用いると、解像度向上の点で好ましい。
具体的には、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラヘキシルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラオクチルアンモニウムハイドロオキサイド、フェニルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、3−トリフルオロメチル−フェニルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどが挙げられる。
【0109】
本発明の液浸用フォトレジスト組成物は、その全固形分量を基準に、通常は、液浸用フォトレジスト組成物用樹脂を80〜99.9重量%程度、そして酸発生剤を0.1〜20重量%程度の範囲で含有させる。
【0110】
また、液浸用フォトレジスト組成物としてクエンチャーである塩基性化合物を用いる場合は、組成物の全固形分量を基準に、通常は、0.01〜1重量%程度の範囲で含有させる。
【0111】
液浸用フォトレジスト組成物としては、さらに、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
【0112】
本発明液浸用フォトレジスト組成物は、通常、上記の各成分が溶剤に溶解された状態で、シリコンウェハーなどの基体上に、スピンコーティングなどの通常工業的に用いられる方法に従って塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で一般に用いられている溶剤が使用しうる。
【0113】
例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0114】
基体上に塗布され、乾燥されたレジスト膜には、パターニングのための露光処理が施され、次いで脱保護基反応を促進するための加熱処理を行った後、アルカリ現像液で現像される。ここで用いるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、一般には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液が用いられることが多い。
【実施例】
【0115】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、本実施例に用いたモノマーは、下記の通りである。以下、特に断らない場合は、部は重量部を表す。また、得られた樹脂の平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィによって算出した。尚、測定条件は下記のとおりである。
カラム:TOSOH TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mm/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)


【0116】
合成例1
〔樹脂A1の合成〕
モノマーAを30.00g、モノマーBを14.27g、モノマーCを10.28g仕込み(モル比 50:25:25)、全モノマー量の2.6重量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して2mol%添加し、87℃で約6時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約9400の共重合体を収率47%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。

【0117】
合成例2
〔樹脂A2の合成〕
モノマーAを23.00g、モノマーBを5.47g、モノマーCを7.88g、モノマーEを5.14g仕込み(モル比 50:12.5:25:12.5)、全モノマー量の2.6重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して3mol%添加し、87℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約8200の共重合体を収率58%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。

【0118】
合成例3
〔樹脂A3の合成〕
モノマーAを13.50g、モノマーBを3.53g、モノマーFを18.66g仕込み(モル比 40:11:49)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、74℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約8300の共重合体を収率85%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A3とする。

【0119】
合成例4
〔樹脂A4の合成〕
モノマーAを25.00g、モノマーBを11.89g、モノマーDを18.13g仕込み(モル比 50:25:25)、全モノマー量の2.6重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して3mol%添加し、87℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約8900の共重合体を収率62%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。

【0120】
合成例5
〔樹脂A5の合成〕
モノマーAを11.20g、モノマーGを15.52g仕込み(モル比 50:50)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約8200の共重合体を収率72%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A5とする。

【0121】
合成例6
〔樹脂A6の合成〕
モノマーAを12.05g、モノマーBを4.59g、モノマーGを10.02g仕込み(モル比 50:20:30)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約8000の共重合体を収率75%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A6とする。

【0122】
合成例7
〔樹脂A7の合成〕
モノマーAを12.55g、モノマーBを7.16g、モノマーGを6.96g仕込み(モル比 50:30:20)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約7900の共重合体を収率68%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A7とする。

【0123】
合成例8
〔樹脂A8の合成〕
モノマーAを12.40g、モノマーBを7.08g、モノマーDを7.20g仕込み(モル比 50:30:20)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約8900の共重合体を収率68%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A8とする。

【0124】
合成例9
〔樹脂A9の合成〕
モノマーAを12.40g、モノマーBを7.08g、モノマーHを7.24g仕込み(モル比 50:30:20)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約7900の共重合体を収率68%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A9とする。

【0125】
合成例10
〔樹脂A10の合成〕
モノマーBを10.85g、モノマーGを15.81g仕込み(モル比 50:50)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約16500の共重合体を収率68%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A10とする。

【0126】
合成例11
〔樹脂A11の合成〕
モノマーAを14.50g、モノマーBを1.47g、モノマーDを17.90g、モノマーFを2.79g仕込み(モル比 47:5:40:8)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約10900の共重合体を収率75%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A11とする。

【0127】
合成例12
〔樹脂A12の合成〕
モノマーAを21.00g、モノマーBを2.66g、モノマーDを7.62g、モノマーFを6.71g仕込み(モル比 60:8:15:17)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約7900の共重合体を収率73%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A12とする。

【0128】
合成例13
〔樹脂A13の合成〕
モノマーAを20.60g、モノマーBを1.96g、モノマーDを9.96g、モノマーFを5.42g仕込み(モル比 60:6:20:14)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約11400の共重合体を収率72%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A13とする。

【0129】
合成例14
〔樹脂A14の合成〕
モノマーAを14.60g、モノマーBを1.48g、モノマーDを13.52g、モノマーFを2.80g、モノマーGを4.31g仕込み(モル比47:5:30:8:10)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約8800の共重合体を収率78%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A14とする。

【0130】
合成例15
〔樹脂A15の合成〕
モノマーAを14.50g、モノマーBを1.47g、モノマーDを13.43g、モノマーFを2.79g、モノマーHを4.50g仕込み(モル比 47:5:30:8:10)、全モノマー量の2.6重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約8600の共重合体を収率77%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A15とする。

【0131】
合成例16
〔樹脂A16の合成〕
モノマーAを17.70g、モノマーBを3.37g、モノマーFを8.79g、モノマーIを3.92g、モノマーJを2.79g仕込み(モル比 50:10:22:14:4)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約7000の共重合体を収率68%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A16とする。

【0132】
合成例17
〔樹脂A17の合成〕
モノマーAを8.65g、モノマーBを1.98g、モノマーDを10.04g、モノマーFを13.28g、モノマーIを4.10g仕込み(モル比 25:6:20:34:15)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約11100の共重合体を収率82%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A17とする。

【0133】
合成例18
〔樹脂A18の合成〕
モノマーAを25.35g、モノマーCを8.68g、モノマーEを11.34g仕込み(モル比 50:25:25)、全モノマー量の2.6重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して2.5mol%添加し、87℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約8400の共重合体を収率58%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A18とする。

【0134】
合成例19
〔樹脂A19の合成〕
モノマーAを25.35g、モノマーDを18.39g、モノマーEを11.34g仕込み(モル比 50:25:25)、全モノマー量の2.6重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して3mol%添加し、87℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を2回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約9000の共重合体を収率62%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A19とする。

【0135】
合成例20
〔樹脂A20の合成〕
モノマーAを18.05g、モノマーDを18.33g、モノマーEを4.85g仕込み(モル比 50:35:15)、全モノマー量の2.6重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して3mol%添加し、87℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を2回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約10800の共重合体を収率72%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A20とする。



【0136】
合成例21
〔樹脂A21の合成〕
モノマーAを18.00g、モノマーBを2.40g、モノマーDを18.28g、モノマーEを2.58g仕込み(モル比 50:7:35:8)、全モノマー量の2.6重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して3mol%添加し、87℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を2回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約10400の共重合体を収率72%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A21とする。

【0137】
合成例22
〔樹脂A22の合成〕
モノマーAを12.5g、モノマーCを6.25g、モノマーDを17.64g仕込み(モル比 37:27:36)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約10800の共重合体を収率78%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A22とする。

【0138】
合成例23
〔樹脂A23の合成〕
モノマーAを4.65g、モノマーCを5.73g、モノマーDを26.08g仕込み(モル比 15:27:58)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約15800の共重合体を収率41%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A23とする。

【0139】
合成例24
〔樹脂A24の合成〕
モノマーAを13.55g、モノマーBを3.55g、モノマーDを9.83g、モノマーFを11.09g仕込み(モル比 40:11:20:29)、全モノマー量の1.5重量倍のジオキサンを加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対してそれぞれ1mol%、3mol%添加し、73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い、精製した。その結果、重量平均分子量が約11400の共重合体を収率80%で得た。この共重合体は、次式の各構造単位を有するものであり、これを樹脂A24とする。

【0140】
<酸発生剤>
P1: トリフェニルスルホニウム パーフルオロブタンスルホナート


P2:トリフェニルスルホニウム 4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート

<クエンチャー>
Q1:トリ−ノルマルオクチルアミン
Q2:2、6−ジイソプロピルアニリン

<溶剤>
S1:
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 200部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部

S2:
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 100部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部

S3:
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 140部
2−ヘプタノン 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.0部

<評価条件>
H1:
評価膜厚 150nm
露光条件 NA=0.75、2/3 Annular照明
H2:
評価膜厚 150nm
露光条件 NA=0.75、3/4 Annular照明
H3:
評価膜厚 120nm
露光条件 NA=0.75、3/4 Annular照明
【0141】
実施例1〜35、比較例1〜15
以下にArF露光の手順と結果を示す。
表1の各成分を記載された比率で混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0142】
シリコンウェハーに日産化学工業株式会社製の有機反射防止膜用組成物である“ARC−95”を塗布して205℃、60秒の条件でベークすることによって厚さ780Åの有機反射防止膜を形成させ、次いでこの上に、上記のレジスト液を乾燥後の膜厚が表2中に記載の膜厚となるようにスピンコートした。レジスト液塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」の欄に示す温度で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのウェハーに、ArFエキシマステッパー〔(株)キャノン製の“FPA5000-AS3”、NA=0.75 〕用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後は、ホットプレート上にて表2の「PEB」の欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行った。
有機反射防止膜基板上のもので現像後のダークフィールドパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、その結果を表3に示した。なお、ここでいうダークフィールドパターンとは、外側にクロム層(遮光層)をベースとしてライン状にガラス面(透光部)が形成されたレチクルを介した露光及び現像によって得られ、したがって露光現像後は、ラインアンドスペースパターンの周囲のレジスト層が残されるパターンである。
【0143】
実効感度:100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で表示した。
パターン形状:リソグラフィプロセス後のレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、パターン形状がよく、垂直形状になっているものを○、順テーパー形状になったものを△、順テーパー形状に加え、上部の膜減りが観察されたものを×として判断した。
【0144】


〔表1〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 樹脂(B) 樹脂(A) 酸発生剤 クエンチャー 溶剤
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 A5/0.5部 A1/9.5部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例2 A5/1.0部 A1/9.0部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例3 A5/2.5部 A1/7.5部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例4 A6/1.0部 A1/9.0部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例5 A6/2.5部 A1/7.5部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例6 A7/2.5部 A1/7.5部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例7 A8/2.5部 A1/7.5部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例8 A9/1.0部 A1/9.0部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例9 A9/2.5部 A1/7.5部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例10 A10/2.5部 A1/7.5部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
実施例11 A4/0.5部 A1/9.5部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例12 A4/1.0部 A1/9.0部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例13 A4/2.5部 A1/7.5部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例14 A19/0.5部 A18/9.5部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例15 A19/1.0部 A18/9.0部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例16 A19/2.5部 A18/7.5部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例17 A20/0.5部 A18/9.5部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例18 A20/1.0部 A18/9.0部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例19 A20/2.5部 A18/7.5部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例20 A21/0.5部 A2/9.5部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例21 A21/1.0部 A2/9.0部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例22 A21/2.5部 A2/7.5部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
実施例23 A11/1.0部 A3/9.0部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
実施例24 A12/1.0部 A3/9.0部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
実施例25 A12/3.0部 A3/7.0部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
実施例26 A13/1.0部 A3/9.0部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
実施例27 A16/0.5部 A3/9.5部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
実施例28 A17/1.0部 A3/9.0部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
実施例29 A22/0.5部 A3/9.5部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
実施例30 A23/0.5部 A3/9.5部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
実施例31 A24/1.0部 A3/9.0部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
実施例32 A14/1.0部 A2/9.0部 P2/0.50部 Q2/0.06部 S2
実施例33 A15/2.5部 A2/7.5部 P2/0.50部 Q2/0.06部 S2
実施例34 A15/1.0部 A2/9.0部 P2/0.50部 Q2/0.06部 S2
実施例35 A15/0.5部 A2/9.5部 P2/0.50部 Q2/0.06部 S2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(A)のみ)
比較例1 ―― A1/10部 P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
比較例2 ―― A1/10部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
比較例3 ―― A18/10部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
比較例4 ―― A2/10部 P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
比較例5 ―― A5/10部 P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
比較例6 ―― A2/10部 P2/0.50部 Q2/0.06部 S2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(B)のみ)
比較例7 A4/10部 ―― P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
比較例8 A19/10部 ―― P1/0.25部 Q2/0.03部 S2
比較例9 A12/10部 ―― P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
比較例10 A11/10部 ―― P2/0.75部 Q2/0.08部 S3
比較例11 A15/10部 ―― P2/0.50部 Q2/0.06部 S2
比較例12 A5/10部 ―― P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
比較例13 A6/10部 ―― P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
比較例14 A7/10部 ―― P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
比較例15 A10/10部 ―― P1/0.40部 Q1/0.05部 S1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0145】
〔表2〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 評価条件 PB/PEB
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 H3 100℃/115℃
実施例2 H3 100℃/115℃
実施例3 H3 100℃/115℃
実施例4 H3 100℃/115℃
実施例5 H3 100℃/115℃
実施例6 H3 100℃/115℃
実施例7 H3 100℃/115℃
実施例8 H3 100℃/115℃
実施例9 H3 100℃/115℃
実施例10 H3 100℃/115℃
実施例11 H1 130℃/130℃
実施例12 H1 130℃/130℃
実施例13 H1 130℃/130℃
実施例14 H1 115℃/115℃
実施例15 H1 115℃/115℃
実施例16 H1 115℃/115℃
実施例17 H1 115℃/115℃
実施例18 H1 115℃/115℃
実施例19 H1 115℃/115℃
実施例20 H1 115℃/115℃
実施例21 H1 115℃/115℃
実施例22 H1 115℃/115℃
実施例23 H2 95℃/ 95℃
実施例24 H2 95℃/ 95℃
実施例25 H2 95℃/ 95℃
実施例26 H2 95℃/ 95℃
実施例27 H3 95℃/ 95℃
実施例28 H3 95℃/ 95℃
実施例29 H3 95℃/ 95℃
実施例30 H3 95℃/ 95℃
実施例31 H2 95℃/ 95℃
実施例32 H1 100℃/105℃
実施例33 H1 100℃/105℃
実施例34 H1 100℃/105℃
実施例35 H1 100℃/105℃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(A)のみ)
比較例1 H3 100℃/115℃
比較例2 H1 130℃/130℃
比較例3 H1 115℃/115℃
比較例4 H1 115℃/115℃
比較例5 H2 95℃/ 95℃
比較例6 H1 100℃/105℃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(B)のみ)
比較例7 H1 130℃/130℃
比較例8 H1 115℃/115℃
比較例9 H2 95℃/ 95℃
比較例10 H2 95℃/ 95℃
比較例11 H1 100℃/105℃
比較例12 H3 100℃/115℃
比較例13 H3 100℃/115℃
比較例14 H3 100℃/115℃
比較例15 H3 100℃/115℃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0146】
〔表3〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 実効感度 解像度 パターン
(mJ/cm2) (nm) 形状
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例2 16 85 ○
実施例4 16 85 ○
実施例8 16 85 ○
実施例11 24 90 ○
実施例12 24 90 ○
実施例13 24 90 ○
実施例14 21 90 ○
実施例15 21 90 ○
実施例16 21 90 ○
実施例17 18 90 ○
実施例18 19 90 ○
実施例19 18 90 ○
実施例20 26 90 ○
実施例21 26 90 ○
実施例22 24 90 ○
実施例23 36 85 ○
実施例24 36 85 ○
実施例25 34 85 ○
実施例26 40 85 ○
実施例27 36 85 ○
実施例28 35 85 ○
実施例29 36 85 ○
実施例30 37 85 ○
実施例31 41 85 ○
実施例32 37 90 ○
実施例33 37 90 ○
実施例34 37 90 ○
実施例35 37 90 ○
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(A)のみ)
比較例1 16 85 ○
比較例2 24 90 ○
比較例3 21 90 ○
比較例4 27 90 ○
比較例5 37 85 ○
比較例6 38 90 ○
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(B)のみ)
比較例7 解像せず
比較例8 22 90 ×
比較例9 30 85 △
比較例10 29 85 ×
比較例11 37 95 ×
比較例12 解像せず
比較例13 解像せず
比較例14 解像せず
比較例15 解像せず
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0147】
また、未露光のフィルム、および露光後にポストエキスポジャーベーク(PEB)を行った後のフィルムについて、後退角および接触角の測定を行なった。結果をそれぞれ表4、および表5に示した。
以下に、接触角および後退角の試験の手順と結果を示す。
表1の各成分を記載された比率で混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0148】
シリコンウェハーの上に、上記のレジスト液を乾燥後の膜厚が0.15μmとなるようにスピンコートした。レジスト液塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」の欄に示す温度まで60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したそれぞれのウェハーに、ArFエキシマステッパー〔(株)キャノン製の“FPA5000-AS3”、NA=0.75 2/3Annular〕を用いて、35mJ/cm2の露光量でパターンの無いブランクマスクを用いて、ウェハーの半分を露光した。露光後のウェハーの露光部と未露光部につき、協和界面科学製のDrop Master−700を用いて、接触角と後退角を測定した。接触角は液滴法で1マイクロリットルの水を用いて滴下後0.1秒後に測定した。後退角は傾斜法で50マイクロリットルの水を用いて、段階傾斜モードで測定した。
【0149】
〔表4〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 未露光
後退角 接触角
━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 65 79
実施例2 75 85
実施例3 82 89
実施例4 59 74
実施例5 64 80
実施例6 58 75
実施例7 60 77
実施例8 59 75
実施例9 62 79
実施例10 59 77
実施例11 58 77
実施例12 61 79
実施例13 64 79
実施例14 63 79
実施例15 65 81
実施例16 66 82
実施例17 67 81
実施例18 68 81
実施例19 69 82
実施例20 65 81
実施例21 67 82
実施例22 68 81
実施例23 68 83
実施例24 63 80
実施例25 67 81
実施例26 66 81
実施例27 60 79
実施例28 62 80
実施例29 62 81
実施例30 61 81
実施例31 61 79
実施例32 71 83
実施例33 72 85
実施例34 74 85
実施例35 74 86
━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(A)のみ)
比較例1 51 69
比較例2 52 70
比較例3 57 73
比較例4 57 73
比較例5 55 73
比較例6 55 74
━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(B)のみ)
比較例7 66 80
比較例8 67 81
比較例9 68 84
比較例10 69 83
比較例11 75 86
比較例12 81 89
比較例13 72 83
比較例14 68 79
比較例15 62 79
━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0150】
〔表5〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 露光+PEB後
後退角 接触角
━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例11 55 78
実施例12 58 79
実施例13 61 80
実施例14 59 79
実施例15 62 82
実施例16 62 81
━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(A)のみ)
比較例2 47 69
比較例3 52 73
━━━━━━━━━━━━━━━━━
(樹脂(B)のみ)
比較例7 62 80
比較例8 62 80
━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0151】
実施例36、比較例16〜18
以下に樹脂の193nm波長、および157nm波長での吸光度測定の手順と結果を示す。表6の各成分を記載された比率で混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、樹脂液を調製した。
【0152】
フッ化マグネシウム(MgF2)基板に、上記の樹脂液を乾燥後の膜厚が100nm膜厚となるようにスピンコートした。樹脂液塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、120℃で60秒間プリベークした。こうして樹脂膜を形成したそれぞれの基板を、真空紫外分光計〔リソテックジャパン株式会社製の“VUVSP-900”〕を用いて透過率の測定を行った。測定にあたり、ブランクデーターとして、樹脂液を塗布していないフッ化マグネシウム基板の透過率を測定し、樹脂膜の透過率はブランクデーターを100%として計算した。
【0153】
吸光度の計算は、以下の計算式で行った。
吸光度:A(1/μm)
透過率:T(%)
膜厚:d(μm)

A= −1÷d×Log(T÷100)
ここで、Logは10底の常用対数を用いた。
結果を表7に示した。
【0154】
〔表6〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 樹脂(B) 樹脂(A) 溶剤
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例36 A11/1.0部 A2/9.0部 S2
比較例16 ―― A2/9.0部 S2
比較例17 A11/1.0部 ―― S2
比較例18 A15/1.0部 ―― S2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0155】
〔表7〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. 吸光度(1/μm)
波長 193nm 157nm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例36 0.49 7.0
比較例16 0.45 7.0
比較例17 0.38 4.8
比較例18 0.41 4.7
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0156】
以下に樹脂のLogP値の計算法を示す。
まず、各々のモノマーA〜JのLogP値を、Chembridge Soft社製のChem Draw Ultra version 9.0.1で計算した。計算されたモノマーのLogP値を表8に示した。次に、各々の樹脂A1〜A24のモノマー組成比をNMRで分析し、樹脂のLogPを下記の計算式で定義した。
樹脂のLogP値 = Σ (各モノマーのLogP値 × モノマー組成比)
式中のΣは、樹脂を構成するモノマー全てに対する総和をとる事を示す。
樹脂のLogP値の計算例を表9に示した。さらに、表10に樹脂のLogP値の計算値を示した。
【0157】
〔表8〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
モノマー LogP値
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
A 3.70
B 1.51
C 0.53
D 3.72
E 1.16
F 0.69
G 2.87
H 4.35
I 3.24
J 3.89
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0158】
〔表9〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
モノマー(組成比)
樹脂 例 A B D G 樹脂のLogP
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
樹脂A6 41.6 23.4 0.0 35.1 2.90
樹脂A8 40.8 35.7 23.5 0.0 2.92
樹脂A10 0.0 50.0 0.0 50.0 2.19
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0159】
〔表10〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
樹脂 例 樹脂のLogP
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
樹脂(B)
樹脂A4 2.97
樹脂A5 3.21
樹脂A6 2.90
樹脂A7 2.71
樹脂A8 2.92
樹脂A9 3.03
樹脂A10 2.19
樹脂A11 3.31
樹脂A12 2.86
樹脂A13 3.03
樹脂A14 3.21
樹脂A15 3.36
樹脂A16 2.58
樹脂A19 2.87
樹脂A20 3.20
樹脂A21 3.23
樹脂A22 2.75
樹脂A23 2.83
樹脂A24 2.48
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
樹脂(A)
樹脂A1 1.95
樹脂A2 1.88
樹脂A3 1.80
樹脂A18 1.94
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0160】
樹脂(B)は、樹脂のLogPが2.10以上である事が望ましい。
【0161】
実施例のいずれも、後退角が高く、かつ、解像度やパターン形状が良好な結果であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂(A)と樹脂(B)をそれぞれ1種以上ずつ含み、また酸発生剤を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
樹脂(A):(ア)酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(エ)’フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有しない樹脂。
樹脂(B):(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、(イ)’水酸基を側鎖に有するユニット、および(ウ)’ラクトン構造を側鎖に有するユニット、からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有する樹脂。
【請求項2】
樹脂(A)が(ア)酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(イ)水酸基を側鎖に有するユニット、および(ウ)ラクトン構造を側鎖に有するユニット、からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、(エ)’フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有しない樹脂である請求項1に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項3】
樹脂(A)が、(ア)酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(イ)水酸基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、さらに(ウ)ラクトン構造を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(エ)’フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有しない樹脂である請求項1または2に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項4】
樹脂(B)が(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有する樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。
【請求項5】
樹脂(B)が(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(イ)’水酸基を側鎖に有するユニット、および(ウ)’ラクトン構造を側鎖に有するユニット、からなる群より選ばれる少なくても1種を含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有する樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。
【請求項6】
樹脂(B)が(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(イ)’水酸基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(ウ)’ラクトン構造を側鎖に有するユニット、を1種以上含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を含有する樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。
【請求項7】
樹脂(B)が(ア)’酸に不安定な基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(イ)’水酸基を側鎖に有するユニット、を1種以上含有し、(ウ)’ラクトン構造を側鎖に有するユニット、を1種以上含有することに加え、(エ)フッ素を含む構造を側鎖に有するユニット、を全繰り返し単位のモル数のうちの5〜70モル%含有する樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。
【請求項8】
樹脂(A)、(B)のユニット(ア)、(ア)’が、それぞれ独立に式(Ia)または(Ib)で表されるユニットである請求項1〜7のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。

(式(Ia)および式(Ib)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2は、炭素数1〜8のアルキル基を表す。R3はメチル基を表す。nは、0〜14の整数を表す。R4、R5はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のヘテロ原子を含んでもよい1価の炭化水素基を表す。あるいはR4とR5で互いに環を形成していてもよく、その場合には炭素数1〜8のヘテロ原子を含んでもよい2価の炭化水素基を表す。また、R4とR5は結合してR4が結合する炭素原子とR5が結合する炭素原子同士の直接結合を表し、R4が結合する炭素原子とR5が結合する炭素原子が二重結合を形成してもよい。mは、1〜3の整数を表す。Zは単結合または−[CH2k−COO−基を表す。kは、1〜4の整数を表す。)
【請求項9】
樹脂(A)、(B)のユニット(イ)、(イ)’が、それぞれ独立に式(II)で表される構造を有する請求項1〜8のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。

(式(II)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R6、R7はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はヒドロキシル基を表す。R8はメチル基を表す。n’は、0〜12の整数を表す。Zは単結合または−[CH2k−COO−基を表す。kは、1〜4の整数を表す。)
【請求項10】
樹脂(A)、(B)のユニット(ウ)、(ウ)’が、それぞれ独立に式(IIIa)、式(IIIb)、式(IIIc)、式(IIId)、式(IIIe)または式(IIIf)のいずれかで表される構造を有する請求項1〜9のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。

(式(IIIa)〜(IIIf)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R9はメチル基を表す。lは、0〜5の整数を表す。l’’は0〜(2j+2)の整数を表す。jは0〜3の整数を表す。R10、R11はカルボキシル基、シアノ基又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。l’は、0〜3の整数を表す。l’が2以上のとき、複数のR10、R11は、互いに同一でも異なってもよい。Zは単結合または−[CH2k−COO−基を表す。kは、1〜4の整数を表す。)
【請求項11】
樹脂(B)のユニット(エ)が、式(IV)で表される構造を有する請求項1〜10のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。

(式(IV)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。ARは酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいてもよい、1個以上の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数1〜30のアルキル基を表す。aは0〜5の整数を表す。)
【請求項12】
樹脂(A)と樹脂(B)との混合比率が98:2〜20:80である請求項1〜11のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。
【請求項13】
酸発生剤が式(V)で表されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。

(式(V)中、R12は炭素数1〜6の直鎖状または分枝状の炭化水素基、あるいは炭素数3〜30の単環式または2環式炭化水素基を表す。A+は有機対イオンを表す。Y1、Y2はそれぞれ独立にフッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。R12が環状構造を有する場合は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、シアノ基、カルボニル基、水酸基およびエステル基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。)
【請求項14】
酸発生剤が式(VI)または式(VII)で表されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のフォトレジスト用組成物。

(式(VI)および式(VII)中、環Xは環Xの一部を形成するように記載された二つの炭素原子とともに形成する炭素数3〜30の、式(VI)においては=Oと結合している、式(VII)においては−OHと結合している単環式または多環式炭化水素基を表し、A+は有機対イオンを表す。Y1、Y2はそれぞれ独立にフッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。式(VI)および式(VII)中の環Xは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、水酸基又はシアノ基を置換基として含んでいてもよい。)
【請求項15】
酸発生剤が式(VIII)で表されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。

(式(VIII)中、R13は炭素数1〜6の直鎖状または分枝状のペルフルオロアルキル基を表し、A+は有機対イオンを表す。)
【請求項16】
+が、式(IXz)、式(IXb)、式(IXc)又は式(IXd)のいずれかで表されるカチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンである請求項13〜15のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。

(式(IXz)中、Pa〜Pcは、互いに独立に、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数3〜30の環式炭化水素基を表す。Pa〜Pcがアルキル基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜12の環式炭化水素基の一つ以上を置換基として含んでいてもよく、Pa〜Pcが環式炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。該アルキル基及び該アルコキシ基は、直鎖でも分岐していてもよい。)

(式(IXb)中、P4、P5は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該アルキル基及び該アルコキシ基は、直鎖でも分岐していてもよい。)

(式(IXc)中、P6、P7は、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表し、該アルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。又はP6とP7とが結合して、アルキレン基などの炭素数3〜12の2価の炭化水素基であってもよい。P8は、水素原子を表し、P9は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは置換されていても良い芳香環基を表すか、又はP8とP9が結合して炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。ここで、2価の炭化水素基に含まれる炭素原子は、いずれも、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。)


(式(IXd)中、P10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該アルキル基及び該アルコキシ基は、直鎖でも分岐していてもよい。Bは、硫黄原子又は酸素原子を表す。mは、0又は1を表す。)
【請求項17】
式(IXz)で表されるカチオンが、式(IXa)で表されるカチオンである請求項16に記載のフォトレジスト組成物。


(式(IXa)中、P1〜P3は、互いに独立に、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、該アルキル基及び該アルコキシ基は、直鎖でも分岐していてもよい。)
【請求項18】
+が、式(IXe)で表されるカチオンである請求項13〜15のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。

(式(IXe)中、P22〜P24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。)
【請求項19】
式(VI)および式(VII)において環Xが炭素数4〜8のシクロアルキル骨格、アダマンチル骨格、ノルボルナン骨格のいずれかの骨格(いずれの骨格も炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、水酸基又はシアノ基を置換基として含んでいてもよい。)を有する環である請求項14、16または17のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。
【請求項20】
式(VI)または式(VII)で表される酸発生剤が式(Xa)、式(Xb)または式(Xc)で表される酸発生剤である請求項14に記載のフォトレジスト組成物。

(式(Xa)〜(Xc)中、P25〜P27は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。P28、P29は、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表し、該アルキル基は、直鎖でも分岐していてもよい。又はP28とP29とが結合して、アルキレン基などの炭素数3〜12の2価の炭化水素基であってもよい。P30は、水素原子を表し、P31は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは置換されていても良い芳香環基を表すか、又はP30とP31が結合して炭素数3〜12の2価の炭化水素基を表す。ここで、2価の炭化水素基に含まれる炭素原子は、いずれも、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。Y11、Y12、Y21、Y22、Y31およびY32はそれぞれ独立にフッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。)
【請求項21】
樹脂(B)のLogP値を、
樹脂のLogP値 =
Σ(樹脂に含まれる各モノマーにおいて算出されたLogP値 ×
各モノマーの樹脂中における組成比)
(ここで式中のΣは、樹脂を構成するモノマー全てに対する総和をとる事を示す。)
、で算出した場合の、樹脂(B)のLogP値が2.10以上であることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載のフォトレジスト組成物。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載の液浸用フォトレジスト組成物。

【公開番号】特開2007−249192(P2007−249192A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34384(P2007−34384)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】